JPH108354A - タイイングマシン用経糸仕掛け台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新しい経糸ビームの直径が大きくても、タイ
イングマシンのフレームを接近させて設置し得るタイイ
ングマシン用経糸仕掛け台の提供。 【解決手段】 門型フレーム１内に、種経糸を保持する
上下移動ホルダーステー２と、前記種経糸を巻き取ると
共に上下方向に移動する巻取りローラ１７と、前記種経
糸と経糸ビームからの経糸とをガイドしながら前後に移
動すると共に上下方向に移動するガイドローラ１２、１
３と、上下移動ホルダーステー２と巻取りローラ１７と
ガイドローラ１２、１３とを上下方向に移動し位置決め
する上下移動・制御機構とを設け、タイイングマシンの
高さに合わせて前記種経糸の高さを調整すると共に、上
下移動部分全体を上方に移動させた場合に、これらの下
を、経糸ビームキヤリアが直径が大きな経糸ビームを保
持して通過できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、織機を用いる織物
作業において、織機にかける綜絖に通った種経糸とビー
ムに巻かれた新経糸とをタイイングマシンで結び合わせ
る経継ぎ作業で使用するタイイングマシン用経糸仕掛け
台に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】経継ぎ作業で使用する従来例のタイイン
グマシン用経糸仕掛け台の構成と作業の概略を、図９、
図１０に基づいて説明する。

【０００３】図９（ａ）に示すように、従来例のタイイ
ングマシン用経糸仕掛け台Ｄには、筬１０１を保持する
ハンガー（図示せず）と、綜絖１０２を保持する綜絖ハ
ンガー１０２ａと、ドロッパー１０３を保持するドロッ
パーハンガーと、経糸ビーム１０５を保持するビームホ
ルダー１０５ａとがある。

【０００４】図９（ｂ）に示すように、種経糸１０４に
は、その一端に前工程で織られた布片１０４ａが付いて
おり、反対側の経糸の部分は織機で織られていた時の筬
１０１と綜絖１０２とドロッパー１０３とに通ったまま
の状態になっている。そして、その筬１０１と綜絖１０
２とドロッパー１０３とを、筬１０１を保持する前記ハ
ンガー（図示せず）と、綜絖１０２を保持する前記綜絖
ハンガー１０２ａと、ドロッパー１０３を保持する前記
ドロッパーハンガーとに保持させ、経糸の部分を、タイ
イングマシン用経糸仕掛け台Ｄの上部に載置しておく。

【０００５】又、図９（ｂ）に示すように、糊付けされ
た新しい経糸ビーム１０５をビームホルダー１０５ａに
載置し、その端部を粘着テープ１０６ａで固定し、その
上を糸挟みクリップ１０６で挟んで前記の新しい経糸ビ
ーム１０５の上に置く。

【０００６】種経糸１０４の経糸端と新しい経糸ビーム
１０５とをタイイングマシンで結び合わせる状態を示す
図１０において、タイイングマシンのフレーム１０７ａ
を前記の新しい経糸ビーム１０５の前に設置し、タイイ
ングマシンの走行位置１０７ｂ（図面に対して垂直方向
に走行する）に、種経糸１０４を下側に、新しい経糸ビ
ーム１０５の端部を上側に揃えてセットし、図示しない
タイイングマシンを前記タイイングマシンの走行位置１
０７ｂにセットして走行させ、種経糸１０４と新しい経
糸ビーム１０５とを結び合わせる。

【０００７】この場合、タイイングマシンのフレーム１
０７ａとタイイングマシン用経糸仕掛け台Ｄとの間にビ
ームホルダー１０５ａが設置されているが、新しい経糸
ビーム１０５の直径が小さい場合には、タイイングマシ
ンのフレーム１０７ａを充分にタイイングマシン用経糸
仕掛け台Ｄに近づけられるので問題はない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、織機の
経糸ビームの直径が次第に大きくなり、図１０に示すよ
うに、タイイングマシンのフレーム１０７ａとタイイン
グマシン用経糸仕掛け台Ｄとの間にビームホルダー１０
５ａを設置する上記の従来例の構成では、新しい経糸ビ
ーム１０５の直径が１０００ｍｍ以上になると、ビーム
スタンドＤとタイイングマシンのフレーム１０７ａとの
距離が、種経糸１０４の経糸部分の実用可能な長さを越
えてしまい使用できなくなるという問題点がある。

【０００９】又、前記の距離を短くするために、図１０
において、ビームホルダー１０５ａを、筬１０１を保持
するハンガー（図示せず）、綜絖１０２を保持する綜絖
ハンガー１０２ａ、ドロッパー１０３を保持するドロッ
パーハンガー１０３ａ等の下に位置させると、筬１０
１、綜絖１０２、ドロッパー１０３等の位置が高くなり
過ぎ、これらの高さにタイイングマシンのフレーム１０
７ａを合わせると、タイイングマシンのフレーム１０７
ａの高さが高くなり過ぎて作業が困難になるという問題
点がある。

【００１０】本発明は、上記の問題点を解決し、新しい
経糸ビームの直径が大きくても、タイイングマシンのフ
レームを、適正な高さのままで、タイイングマシン用経
糸仕掛け台に充分に接近させることができるタイイング
マシン用経糸仕掛け台の提供を課題とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明のタイイングマシ
ン用経糸仕掛け台は、上記の課題を解決するために、門
型フレーム内に、種経糸を通した綜絖を保持すると共に
上下方向に移動する上下移動ホルダーステーと、前記種
経糸を巻き取ると共に上下方向に移動する巻取りローラ
と、前記種経糸と経糸ビームからの経糸とをガイドしな
がら前後に移動すると共に上下方向に移動するガイドロ
ーラと、前記上下移動ホルダーステーと前記巻取りロー
ラと前記ガイドローラとを上下方向に移動し位置決めす
る上下移動・制御機構とを設け、前記上下移動・制御機
構により、前記上下移動ホルダーステーと前記巻取りロ
ーラと前記ガイドローラとを上下方向に移動・位置決め
することにより、前記種経糸と新しい経糸ビームの経糸
とを結び合わせるタイイングマシンの高さに合わせて前
記上下移動ホルダーステーが保持する綜絖の高さを調整
すると共に、これら全体を上方に移動させた場合に、こ
れらの下を、経糸ビームキヤリアが直径が大きな経糸ビ
ームを保持して通過できることを特徴とする。

【００１２】上記により、本発明のタイイングマシン用
経糸仕掛け台によると、上下移動・制御機構により、上
下移動ホルダーステーと巻取りローラとガイドローラと
を上下方向に移動・位置決めすることにより、種経糸と
新しい経糸ビームの経糸とを結び合わせるタイイングマ
シンの高さに合わせて上下移動ホルダーステーが保持す
る綜絖の高さを調整することができるので、どのような
高さのタイイングマシンを使用しても、経継ぎ作業が可
能になる。

【００１３】尚、本発明においては、上下動移動ホルダ
ーステーに種経糸を通した綜絖を保持していることが必
要であるが、種経糸を、綜絖のみに通して保持する場合
と、筬と綜絖とに通して保持する場合と、筬と綜絖とド
ロッパーとに通して保持する場合とがあり、これらすべ
ての場合に本発明が適用される。

【００１４】又、上下移動・制御機構により、上下移動
ホルダーステーと巻取りローラとガイドローラとを上方
に移動させた場合に、これらの下を、経糸ビームキヤリ
アが直径が大きな経糸ビームを保持して通過できるの
で、経糸ビームキヤリアをタイイングマシン用経糸仕掛
け台の後方に置くことにより、新しい経糸ビームの直径
が大きくても、タイイングマシンのフレームをタイイン
グマシン用経糸仕掛け台に充分に接近させて経継ぎ作業
を行うことができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明のタイイングマシン用経糸
仕掛け台の一実施の形態を図１〜図８に基づいて説明す
る。

【００１６】本実施の形態の正面図である図１と平面図
である図２とにおいて、本実施の形態のタイイングマシ
ン用経糸仕掛け台Ａは、門型フレーム１と、筬ハンガー
３ａ、３ａと綜絖ハンガー４ａ、４ａとドロッパーハン
ガー５ａ、５ａとを掛ける上下移動ホルダーステー２
と、前記上下移動ホルダーステー２を上下方向に移動さ
せるボールネジ６、６と、前記ボールネジ６、６に動力
を伝える傘歯車８、８、８、８と、前記傘歯車８、８、
８、８に動力を伝える横軸７ａと、前記横軸７ａを駆動
する上下駆動モータ７と、前記ボールネジ６、６の回動
と門型フレーム１の縦枠部分に沿って上下方向に移動す
る上下移動ガイドローラ９ａ、９ａ、９ａ、９ａによる
ガイドとにより上下方向に移動する上下移動ホルダー９
と、前記上下移動ホルダー９の下面に下向きに取り付け
られ内部に前記ボールネジ６、６を受け入れると共に下
部に上下移動ブロック１５、１５が取り付けられている
上下移動中空軸１０と、前記上下移動ブロック１５、１
５に前後方向に水平に取り付けられたラックギヤガイド
１６内を前後方向に摺動しガイドローラ前後用ハンドル
１４の操作により前後方向に移動するラックギヤ１１、
１１と、前記ラックギヤ１１、１１の先端の間に取り付
けられた上ガイドローラ１２、下ガイドローラ１３と、
種経糸の布片部分をチャックして巻き取る巻取りローラ
１７と、前記巻取りローラ１８を回転させる巻取りロー
ラ回転用ハンドル１８とを有する。

【００１７】そして、前記上下駆動モータ７の動作によ
り前記の各種の上下移動部分を上下方向に移動させるこ
とにより、筬ハンガー３ａ、３ａと綜絖ハンガー４ａ、
４ａとドロッパーハンガー５ａ、５ａと上ガイドローラ
１２と下ガイドローラ１３と巻取りローラ１７との高さ
を調整し、筬ハンガー３ａ、３ａと綜絖ハンガー４ａ、
４ａとドロッパーハンガー５ａ、５ａと上ガイドローラ
１２と下ガイドローラ１３と巻取りローラ１７との高さ
を図３に示すタイイングマシンフレームＢの高さに合わ
せたり、筬ハンガー３ａ、３ａと綜絖ハンガー４ａ、４
ａとドロッパーハンガー５ａ、５ａと上ガイドローラ１
２と下ガイドローラ１３と巻取りローラ１７との高さを
高くし、これらの下を、図３に示す経糸ビームキヤリア
Ｃが新しい経糸ビーム２０ａを保持して通過できるよう
にすることを特徴とする。

【００１８】次に、本実施の形態の動作を図３〜図８に
基づいて説明する。

【００１９】図４において、３は筬であり、図１、図２
に示す上下移動ホルダーステー２に掛けられた筬ハンガ
ー３ａ、３ａにＵ型鋼材３ｂを掛け、このＵ型鋼材３ｂ
に筬３を保持させる。Ｕ型鋼材３ｂを使用するのは、筬
３の剛性不足を補うためである。

【００２０】図５において、綜絖枠４ｂに必要数の綜絖
４が掛けられている。織機においてはこの綜絖枠４ｂが
必要枠数保持されて上下方向に交互に移動して織作業が
行われる。タイイングマシン用経糸仕掛け台においては
この綜絖枠４ｂが図１、図２に示すように綜絖ハンガー
４ａ、４ａに必要枠数掛けられる。４ｃは経糸を通す経
糸穴である。

【００２１】図６において、タイイングマシン用経糸仕
掛け台においては、必要数のドロッパー５がドロッパー
バー５ｂに通されて使用される。５ｃは経糸を通す経糸
穴である。

【００２２】筬ハンガー３ａと綜絖ハンガー４ａとドロ
ッパーハンガー５ａとが織機に掛けられている状態を示
す図７において、織物２１が織り上がり織物を切り替え
る際に、織物２１側では、布片２１ａを残して織物２１
を２１ｂの位置で切断し、経糸ビーム２０ａ側では、経
糸２０の２２の位置に粘着テープ２２ａを張り付けて切
断し、図８に示すように、粘着テープ２２ａの部分に磁
石の磁力で固定されるクラッチ２２ｂ、２２ｂを取り付
け、一端が布片２１ａであり他端を粘着テープ２２ａを
張り付けてクラッチ２２ｂ、２２ｂで保持し、中間部の
経糸２０が筬３と綜絖４とドロッパー５ａに通っている
種経糸２０ｂを作る。

【００２３】図３において、タイイングマシン用経糸仕
掛け台Ａの上下駆動モータ７を動作させ、上下移動ホル
ダー９を２点鎖線の位置まで上昇させ、図１に示す経糸
ビームキヤリア通過空間１９の高さを、新しい経糸ビー
ム２０ａを載せたビームキヤリアＣが通過できる高さま
で高くする。

【００２４】新しい経糸ビーム２０ａを載せたビームキ
ヤリアＣを、前記の経糸ビームキヤリア通過空間１９を
通してタイイングマシン用経糸仕掛け台Ａの後方に置
く。

【００２５】タイイングマシンフレームＢをタイイング
マシン用経糸仕掛け台Ａの前方に置く。

【００２６】ビームキヤリアＣの糊付けされた経糸の端
部をタイイングマシン用経糸仕掛け台Ａの下をくぐらせ
てタイイングマシンフレームＢの上まで引き出し、タイ
イングマシンフレームＢのタイイングマシンの走行位置
２５（図面に対して垂直方向に走行する）に設けられた
下側経糸張力用クランプ２３ａ、２３ｂ に固定する。
この場合、前記の糊付けされた経糸の端部を、図８に示
す種経糸２０ｂの場合と同様にして、粘着テープ２２ａ
と磁石の磁力によるクラッチ２２ｂ、２２ｂとで保持し
て作業する。

【００２７】タイイングマシン用経糸仕掛け台Ａの上下
駆動モータ７を動作させ、上下移動ホルダー９を２点鎖
線の位置から、図３の実線の位置まで降下させ、種経糸
２０ｂの高さをタイイングマシンフレームＢの高さに合
わせる。

【００２８】種経糸２０ｂの図８に示すドロッパー５と
クラッチ２２ｂ、２２ｂとの間を、タイイングマシンの
前記走行位置２５に設けられた上側経糸張力用クランプ
２４ａ、２４ｂ に固定する。

【００２９】タイイングマシンを前記走行位置２５を走
行させて、種経糸２０ｂと新しい経糸ビーム２０ａの経
糸とを結び合わせる。

【００３０】タイイングマシンフレームＢを作業域から
移動させる。

【００３１】巻取りローラ回転用ハンドル１８とガイド
ローラ前後用ハンドル１４とを操作して巻取りローラ１
７と上ガイドローラ１２と下ガイドローラ１３とを操作
し、前記の結び目がドロッパー５と綜絖４と筬３とを通
過するまで巻取りローラ１７に経糸を引っ張って巻き取
る。

【００３２】タイイングマシン用経糸仕掛け台Ａの上下
駆動モータ７を動作させ、上下移動ホルダー９を実線の
位置から、図３の２点鎖線の位置まで上昇させ、新しい
経糸ビーム２０ａを載せたビームキヤリアＣをタイイン
グマシン用経糸仕掛け台Ａの前方に移動する。

【００３３】タイイングマシン用経糸仕掛け台Ａの上下
駆動モータ７を動作させ、上下移動ホルダー９を図３に
示す２点鎖線の位置から、実線の位置まで降下させ、筬
３から経糸が抜けないように数百本単位で経糸を結ぶ等
の処理をして経継ぎ作業を終了し、綜絖４と筬３とドロ
ッパー５とを、ビームキヤリアＣに設けられたハーネス
ハンガー２６に移し替え、ビームキヤリアＣを、タイイ
ングマシン用経糸仕掛け台Ａの作業域から保管域に移動
させる。

【００３４】尚、上記の上下移動を行わなければ、図３
に示すように、ビームキヤリアＣが保持する経糸ビーム
２０ａは、左側の２点鎖線２０ａの位置までしか近づけ
ないので、経継ぎ作業ができなくなる。

【００３５】

【発明の効果】本発明のタイイングマシン用経糸仕掛け
台は、新しい経糸ビームの直径が大きくても、タイイン
グマシンのフレームを、適正な高さのままで、タイイン
グマシン用経糸仕掛け台に充分に接近させることができ
るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のタイイングマシン用経糸仕掛け台の一
実施の形態の正面図である。

【図２】本発明のタイイングマシン用経糸仕掛け台の一
実施の形態の平面図である。

【図３】本発明のタイイングマシン用経糸仕掛け台の一
実施の形態の動作を示す側面図である。

【図４】筬と筬ハンガーを示す図である。

【図５】綜絖を示す図である。

【図６】ドロッパーとドロッパーバーとドロッパーハン
ガーとを示す図である。

【図７】種経糸の構成を示す図である。

【図８】種経糸の構成を示す図である。

【図９】従来例のタイイングマシン用経糸仕掛け台の側
面図である。

【図１０】従来例のタイイングマシン用経糸仕掛け台の
動作を示す側面図である。

【符号の説明】

Ａ タイイングマシン用経糸仕掛け台 Ｂ タイイングマシンフレーム Ｃ ビームキヤリア １ 門型フレーム ２ 上下移動ホルダーステー ３ 筬 ３ａ 筬ハンガー ４ 綜絖 ４ａ 綜絖ハンガー ５ ドロッパー ５ａ ドロッパーハンガー ６ ボールネジ ７ 上下駆動モータ ７ａ 横軸 ８ 傘歯車 ９ 上下移動ホルダー ９ａ 上下移動ガイドローラ １０ 上下移動中空軸 １１ ラックギャー １２ 上ガイドローラ １３ 下ガイドローラ １４ ガイドローラ前後用ハンドル １５ 上下移動ブロック １６ ラックギャーガイド １７ 巻取りローラ １８ 巻取りローラ回転用ハンドル １９ 経糸ビームキヤリア通過空間 ２０ 経糸 ２０ａ 経糸ビーム ２０ｂ 種経糸 ２１ 反物 ２１ａ 布片 ２２ａ 粘着テープ ２２ｂ クラッチ ２３ａ、２３ｂ 上側経糸張力用クランプ ２４ａ、２４ｂ 下側経糸張力用クランプ ２５ タイイングマシン走行位置 ２６ ハーネスハンガー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 門型フレーム内に、種経糸を通した綜絖
   を保持すると共に上下方向に移動する上下移動ホルダー
   ステーと、前記種経糸を巻き取ると共に上下方向に移動
   する巻取りローラと、前記種経糸と経糸ビームからの経
   糸とをガイドしながら前後に移動すると共に上下方向に
   移動するガイドローラと、前記上下移動ホルダーステー
   と前記巻取りローラと前記ガイドローラとを上下方向に
   移動し位置決めする上下移動・制御機構とを設け、前記
   上下移動・制御機構により、前記上下移動ホルダーステ
   ーと前記巻取りローラと前記ガイドローラとを上下方向
   に移動・位置決めすることにより、前記種経糸と新しい
   経糸ビームの経糸とを結び合わせるタイイングマシンの
   高さに合わせて前記上下移動ホルダーステーが保持する
   綜絖の高さを調整すると共に、これら全体を上方に移動
   させた場合に、これらの下を、経糸ビームキヤリアが直
   径が大きな経糸ビームを保持して通過できることを特徴
   とするタイイングマシン用経糸仕掛け台。