JPH108203A - デスケーリング性と伸線性の優れた線材 - Google Patents

デスケーリング性と伸線性の優れた線材

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JPH108203A
JPH108203A JP16301096A JP16301096A JPH108203A JP H108203 A JPH108203 A JP H108203A JP 16301096 A JP16301096 A JP 16301096A JP 16301096 A JP16301096 A JP 16301096A JP H108203 A JPH108203 A JP H108203A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間圧延線材のメカニカルデスケーリング性
を改善する。 【解決手段】 熱間圧延によって得られるC量が0.6
%以上の鋼線材において、線材横断面に存在する粒内変
態上部ベイナイトの生成面積が30%以上であることに
加え、線材スケール中に占めるFe3 4 組成の比率が
30%未満であることを特徴とする線材。加えて粒内ベ
イナイトの結晶粒径が2μm 以上である線材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ、ベルトコ
ードなどのゴムおよび有機材料の補強用に使用されてい
るスチールコードや弁バネ、ロープなどの高強度で高延
性の硬鋼線の製造に用いられる線材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】高炭素鋼よりなる線材は、一般的に熱間
圧延によって4.0〜16mmφの線径に加工された
後、線材の機械的特性を調整するための調整冷却が施さ
れて線材となる。その後、調整冷却された線材は、冷間
での引き抜き加工による伸線と中間熱処理を繰り返すこ
とで、より細い線径に加工される。例えば、弁バネであ
れば、スパイラル状に成形された後、焼入れ、焼戻しを
行って最終製品とされる。また、ロープ等のワイヤとす
る場合には、撚り線加工により製品とされる。従って、
最終製品を製造するに当たっては、熱間圧延後の線材の
加工性が優れているほど、製造コストを低減することが
容易となる。
【0003】従来から熱間圧延線材の機械的性質を調整
する方法として、衝風冷却によるステルモア法や冷却媒
体として溶融塩を用いるDLP方法がある。溶融塩を用
いる方法としては、特公昭59−37725号公報記載
のものがあるが、加工性を良くすることより鉛パテンテ
ィング相当の高強度が得られるような直接熱処理法とな
るものである。
【0004】ベイナイトを利用する技術としては、特開
平6−17190号公報、特開平6−17191号公
報、特開平6−17192号公報などに開示されるもの
があるが、これらはベイナイト組織を80%以上とし、
所定の強度、延性に調整することを特徴とする加工性の
優れた鋼線材である。また、高炭素ベイナイト組織を利
用する技術として、特開昭62−241136号公報に
開示されるものがあるが、これは1.2mmφ以下の線
材を鉛パテンティング処理によって上部ベイナイト組織
とし、伸線加工により0.3mmφ以下の疲労特性の優
れたワイヤとするものである。
【0005】また、鋼線材のスケール除去方法には、酸
洗法とメカニカルデスケーリング法がある。酸洗法はス
ケール除去が十分に行えるため広く採用されているが、
酸を用いるために公害等の問題が生じる場合があり、メ
カニカルデスケーリング法が適用されることが多くなっ
ている。一方、メカニカルデスケーリング法は多ロール
で線材に曲げ加工を加えてスケールを除去する方法であ
るが、そのスケール除去能力は表面性状に大きく影響さ
れる。このため、特開昭52−10829号公報では、
線材を熱間圧延後700℃以上で保温または加熱して、
スケール量を0.6%以上と厚くし、かつFeOの多い
スケールをつくる技術が提案されている。しかしなが
ら、加工性の優れた鋼線材では初期の強度が低く、高い
延性を示すためにスケールの密着性が良くなり、残留ス
ケールが生じやすくなる。このため、従来の方法だけで
はメカニカルデスケーリング性を十分に制御することは
できなかった。
【0006】近年、最終製品ワイヤの製造コストを低減
するために、最終熱処理工程までの加工ができるだけ容
易となる加工性の優れた高炭素鋼線材の開発が求められ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、C量が重量
%で0.6%以上含まれる高炭素鋼の分野において、加
工性の優れた線材、詳しくは引き抜きダイスを用いた伸
線加工において線径が3.0mmφ以上の線径において
真歪みで3.7以上の加工性を具備する線材を提供する
ことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
とするところは下記のとおりである。 (1)熱間圧延によって得られるC量が0.6%以上の
鋼線材において、線材横断面に存在する粒内変態上部ベ
イナイトの生成面積が30%以上であることに加えて、
線材の鋼−スケール界面の最大高さが10μm以下であ
る領域が50%以上占めることを特徴とするデスケーリ
ング性と伸線性の優れた線材。
【0009】(2)熱間圧延によって得られるC量が
0.6%以上の鋼線材において、線材横断面に存在する
粒内変態上部ベイナイトの生成面積が30%以上である
ことに加えて、線材スケール中に占めるFe3 4 組成
の比率が30%未満であることを特徴とするデスケーリ
ング性と伸線性の優れた線材。 (3)粒内ベイナイトの結晶粒径が2μm以上であるこ
とを特徴とする前項(1)または(2)記載のデスケー
リング性と伸線性の優れた線材。
【0010】(4)鋼成分が重量%で、C:0.6%以
上1.5%以下、Si:0.1%以上2.0%以下、M
n:0.1%以上2.0%以下となる鋼からなることを
特徴とする前項(1)〜(3)の何れかに記載のデスケ
ーリング性と伸線性の優れた線材。 (5)重量%で、さらにCr:0.1%以上2.0%以
下、Ni:0.1%以上2.0%以下、Cu:0.1%
以上2.0%以下、Mo:0.1%以上2.0%以下、
Co:0.01%以上2.0%以下の1種以上を添加し
た鋼からなることを特徴とする前項(4)記載のデスケ
ーリング性と伸線性の優れた線材。
【0011】(6)重量%で、さらにTi:0.005
%以上0.03%以下、Nb:0.005%以上0.0
3%以下、V:0.005%以上0.03%以下、A
l:0.005%以上0.03%以下、B:0.000
1%以上0.003%以下の1種以上を添加した鋼から
なることを特徴とする前項(4)または(5)記載のデ
スケーリング性と伸線性の優れた線材。
【0012】(7)重量%で、P:0.02%以下、
S:0.02%以下とした鋼からなることを特徴とする
前項(4)〜(6)の何れかに記載のデスケーリング性
と伸線性の優れた線材。 以下、本発明について詳細に説明する。本発明者らは、
高炭素鋼における粒内変態ベイナイト組織の加工性が極
めて優れていることを見出した。高炭素鋼における上部
ベイナイト組織においては、変態温度が同じ場合におい
ても粒内を起点に成長した粒内変態ベイナイト(図3)
と粒界を起点に成長した粒界変態ベイナイトではその組
織の強度が異なり、粒内ベイナイトの方が軟らかくなっ
ている(図1)。従って、できるだけ粒内変態ベイナイ
ト組織を析出させることで、線材の加工性を向上させる
ことができる。しかし、粒内変態における核発生サイト
があまりに多いと、セメンタイトの交差による延性の低
下が大きくなるので、粒内ベイナイト組織を成長させる
必要がある。このため、平均サイズを2μm以上とする
ことが望ましい。成長した粒内ベイナイトは加工性が優
れているので、粒内ベイナイトが体積分率で30%以上
存在しているとその効果を発揮する(図2)。
【0013】ベイナイト線材は前述の優れた加工性を持
つ反面、絞り値が高くなることから、メカニカルデスケ
ーリングを行う場合に残留スケール量が多くなり、ダイ
スライフを短くするという欠点があった。そこで、本発
明者らが、メカニカルデスケーリング後に残存したスケ
ール部分と、線材とスケールの界面の粗度の関係につい
て調べた結果、線材の鋼−スケール界面粗さRmax
(最大高さ)が10μm以下に調整されているとメカニ
カルデスケーリング性が優れ、少なくとも50%の領域
の界面粗さRmaxが10μm以下に調整されている
と、メカニカルデスケーリング性が向上することが明ら
かとなった。従って、界面粗さは残留スケール量がダイ
スライフに影響を与えないように、Rmax≦10μm
となる領域が50%以上、望ましくは80%以上となる
ようにする必要がある。実際に界面粗度を変える要因と
しては、加熱時の脱炭層、熱間圧延時のパス間張力、仕
上圧延機の圧延ロールの表面粗度などの要因が相互に影
響を及ぼしているため、それぞれの要因を影響のない界
面粗度となるように調整する必要がある。
【0014】一方、メカニカルデスケーリングを行った
場合、スケールの剥離は線材とスケールの界面に生じる
割れの伝播で生じる。スケール組成は、通常、線材−ス
ケール界面から外側に向かい、FeO→Fe3 4 →F
2 3 の順に構成されており、ポーラスな構造を有す
るFeOは、Fe3 4 やFe2 3 に比較して剥離し
やすい。これに対して、350℃から550℃で生成し
やすいFe3 4 は、線材界面での密着性が高く、メカ
ニカルデスケーリング時に剥離し難い。このため、後工
程である伸線加工において表面潤滑剤が被覆され難く、
伸線加工中に断線の要因になりやすい。また、伸線性に
優れた線材組織とするための熱処理は、Fe3 4 の生
成しやすい温度域と重なるため、スケールが残留しやす
くなり、伸線加工性を低下させる原因となる。
【0015】そこで、本発明の前記課題は、熱間圧延に
よって得られるC量が重量%で0.6%以上の鋼線材に
おいて、線材横断面に存在するセメンタイトが規定され
た形状を持ち、さらに線材スケール中に占めるFe3
4 組成の比率が30%未満であることを特徴とするデス
ケーリング性と伸線性の優れた線材を提供することによ
り解決される。
【0016】次に、本発明線材の鋼中の成分元素の限定
理由について述べる。Cは経済的かつ有効な強化元素で
ある。鋼線としての必要強度を確保するためには、Cは
少なくとも0.6%含有する必要がある。一方、C量が
高すぎると延性が低下するので、上限は1.2%とす
る。Siは鋼の脱酸のために必要な元素であり、従って
その含有量があまりに少ないときは脱酸効果が不十分に
なるので、下限を0.1%とする。また、Siは熱処理
後に形成されるパーライト中のフェライト相に固溶して
パテンティング後の強度を上げるが、反面フェライトの
延性を低下させるので、伸線性に悪影響を与えない範囲
の2.0%以下とする。
【0017】Mnは鋼の焼入れ性を確保するために0.
1%以上添加する。しかし、多量のMn添加は偏析を引
き起こし、パテンティングの際にベイナイト、マルテン
サイトという過冷組織が発生して、その後の伸線性を阻
害するため、2.0%以下とする。Sは多量に含まれる
と線材の延性を害するので、その含有量を0.02%以
下とするのが望ましい。
【0018】PもSと同様に線材の延性を害するので、
その含有量を0.02%以下とするのが望ましい。Cr
はセメンタイトの異常部の出現を抑制し、さらにパーラ
イトを微細にする効果を持っている。しかし、多量のC
r添加は熱処理後のフェライト中の転移密度を上昇させ
るため、引き抜き加工後の極細線の延性を著しく害する
ことになる。従って、Crの添加量はその効果が期待で
きる0.1%以上とし、フェライト中の転移密度を増加
させ延性を害することのない範囲の2.0%以下とす
る。
【0019】NiもCrと同じ効果があるため、必要に
よりその効果を発揮する0.1%以上添加する。Niも
添加量が多くなり過ぎるとフェライト相の延性を低下さ
せるので、上限を2.0%とする。Cuは線材の腐食疲
労特性を向上させる元素であるので、必要によりその効
果を発揮する0.1%以上添加することが望ましい。C
uも添加量が多くなり過ぎるとフェライト相の延性を低
下させるので、上限を2.0%とする。
【0020】Moは線材の焼入れ性を向上させるために
添加する元素で、必要によりその効果を発揮する0.1
%以上添加することが望ましい。Moも添加量が多くな
り過ぎると焼入れ性が高まり、偏析部にミクロマルテン
サイトが析出しやすくなるので、上限を2.0%とす
る。Coは線材の延性を向上させるために添加する元素
で、必要によりその効果を発揮する0.01%以上添加
することが望ましい。Coは高価な元素であるので経済
性を損なわない範囲の2.0%以下の添加とする。
【0021】Ti、Nb、V、Alはγ粒径を微細に
し、その後に形成される組織単位を微細にして靱性値を
向上させることができるので、その効果を発揮する0.
005%以上を添加し、その他の特性に悪影響を与える
ことのない範囲の0.03%以下とする。Bは焼入れ性
を改善する元素で、その効果が認められる0.0001
%以上添加するが、焼入れ性が高くなり過ぎるとその処
理が困難となるので、上限は0.01%とする。
【0022】
【発明の実施の形態】表1、表2(表1のつづき−
1)、表3(表1のつづき−2)に示す成分の鋼を用い
て試作を行った。何れの条件も鋼組成は本発明の範囲に
入っている。供試鋼の122mm角のビレットを熱間圧
延によって4.5〜16.0mmφに圧延し、調整冷却
を行って表4、表5(表4のつづき−1)、表6(表4
のつづき−2)に示す組織の線材とした。圧延後の調整
冷却によって造り分けを行い、粒内変態ベイナイトの生
成量および成長度を調整する方法で線材を製造した。ま
た、線材におけるスケールと地鉄の界面粗度は圧延ロー
ルの面粗度と圧延時のパス間の張力を調整して行った。
【0023】線材圧延方向横断面における線材の鋼−ス
ケール界面粗さは、断面の顕微鏡観察により、界面粗度
Rmaxを測定した。また、線材圧延方向横断面におけ
る線材の鋼−スケール界面の領域は、断面の顕微鏡観察
により、円周全体の長さに対する鋼−スケール界面粗さ
10μm以下の領域の長さの百分率で表示した。メカニ
カルデスケーリング性の評価は、引張歪みを6%付与し
た後の残留スケールの面積を測定し、試料表面に占める
残留スケールの面積率で評価した。
【0024】表1〜表3における1〜45は本発明鋼の
例であり、46〜51は比較鋼の例である。表4〜表6
に鋼組織、生引き性の評価結果、線材とスケールの界面
粗度がRmax≦10μmとなる領域の占める割合、メ
カニカルデスケーリング性の評価結果を示す。
【0025】生引き性は、5.5mmφからの伸線加工
限界までの歪みが真歪みで3.8以上の場合を○で示し
た。また、メカニカルデスケーリング性は、引張試験に
おいて6%歪みを与え、残留スケールの占める面積が1
%以下の場合を○とし、1%を超える場合を×で示し
た。
【0026】本発明鋼1〜45は、鋼成分、組織、スケ
ールともに本発明に従って調整されているため、優れた
加工性とデスケーリング性を併せ持つことが判る。一
方、比較鋼46、47は、鋼組織がベイナイト組織に調
整されていない場合であり、このときは生引き性が劣る
結果となっているが、残留スケール量に大きな差は現れ
ずに良好な結果となっている。
【0027】比較鋼48〜51は、鋼組織はベイナイト
組織に調整されているが、残留スケール量の多い場合で
ある。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】次に、表7、表8(表7のつづき−1)、
表9(表7のつづき−2)に示す成分の鋼を用いて試作
を行った。何れの条件も鋼組成は本発明の範囲に入って
いる。供試鋼の122mm角のビレットを熱間圧延によ
って4.5〜16.0mmφに圧延し、調整冷却を行っ
て表10、表11(表10のつづき−1)、表12(表
10のつづき−2)に示す組織の線材とした。圧延後の
調整冷却によって組織の造り分けを行い、粒内変態ベイ
ナイトの生成量および成長度を調整した。また、スケー
ルの組成は冷却に用いるガス組成あるいは溶融塩の攪拌
に用いるガス組成を変えることで調整した。
【0035】本発明鋼52〜96は、本発明に従い粒内
変態ベイナイト量および成長度が調整冷却により調整さ
れている。ただし、平均成長サイズは、同一横断面内に
観察される粒内変態ベイナイトにおける20個の最大値
を成長度の指標としてサイズを求めた。比較鋼97、9
8は、パーライト組織に調整されていることが本発明鋼
と異なる。
【0036】比較鋼99〜102は、鋼組織は本発明に
従って粒内変態ベイナイトが調整されているが、スケー
ル中のFe3 4 組成が30%以上となっている。これ
らの供試鋼の生引き性の試験を乾式伸線を用いて行っ
た。伸線は、各パスにおける減面率が15〜20%の間
となるようにして伸線加工を行った。また、メカニカル
デスケーリング性は、引張試験において6%歪みを与
え、残留スケールの占める面積が1%以下の場合を〇と
し、1%を超える場合を×で示した。
【0037】生引き性は、伸線限界まで加工を行い、真
歪みで3.8以上の加工が可能であった場合を○、でき
なかった場合を×で表10〜表12に示した。本発明鋼
52〜96はセメンタイトの形状が本発明に従って調整
されているため、優れた生引き性を示す。反対に、比較
鋼97〜102は本発明鋼とは先に述べた違いがあるた
め、生引き性が劣っている。
【0038】比較鋼101、102は、線材スケールに
占めるFe3 4 組成の比率が何れも30%以上で、メ
カニカルデスケーリング後の残留スケール量が何れも
0.05%以上と高い値を示している。これは、通常、
2次加工工程での生産の障害となるスケール量を上回っ
ている点で本発明鋼とは異なる。このように、比較鋼は
何れも本発明鋼に比べてデスケーリング性で劣ってお
り、伸線性の優れたデスケーリング用線材として適用す
ることは難しい。
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】
【表9】
【0042】
【表10】
【0043】
【表11】
【0044】
【表12】
【0045】
【発明の効果】本発明の線材は、従来材に比べてより一
段とデスケーリング性が改善されており、これにより熱
間圧延後の3〜16mmφの線材において、従来材に比
べて伸線性に優れたデスケーリング用線材を得ることが
でき、中間熱処理工程が省略でき、製造コストを低減す
ることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒界から成長したベイナイト組織と粒内から成
長したベイナイト組織の強度を比較して示す図である。
【図2】粒内ベイナイトの割合と伸線加工性の関係を示
す図である。
【図3】粒内ベイナイト組織の示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/04 C22C 38/04 38/58 38/58

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延によって得られるC量が0.6
    %以上の鋼線材において、線材横断面に存在する粒内変
    態上部ベイナイトの生成面積が30%以上であることに
    加えて、線材の鋼−スケール界面の最大高さが10μm
    以下である領域が50%以上占めることを特徴とするデ
    スケーリング性と伸線性の優れた線材。
  2. 【請求項2】 熱間圧延によって得られるC量が0.6
    %以上の鋼線材において、線材横断面に存在する粒内変
    態上部ベイナイトの生成面積が30%以上であることに
    加えて、線材スケール中に占めるFe3 4 組成の比率
    が30%未満であることを特徴とするデスケーリング性
    と伸線性の優れた線材。
  3. 【請求項3】 粒内ベイナイトの結晶粒径が2μm以上
    であることを特徴とする請求項1または2記載のデスケ
    ーリング性と伸線性の優れた線材。
  4. 【請求項4】 鋼成分が重量%で、 C:0.6%以上1.5%以下、 Si:0.1%以上2.0%以下、 Mn:0.1%以上2.0%以下 となる鋼からなることを特徴とする請求項1〜3の何れ
    かに記載のデスケーリング性と伸線性の優れた線材。
  5. 【請求項5】 重量%で、さらに Cr:0.1%以上2.0%以下、 Ni:0.1%以上2.0%以下、 Cu:0.1%以上2.0%以下、 Mo:0.1%以上2.0%以下、 Co:0.01%以上2.0%以下 の1種以上を添加した鋼からなることを特徴とする請求
    項4記載のデスケーリング性と伸線性の優れた線材。
  6. 【請求項6】 重量%で、さらに Ti:0.005%以上0.03%以下、 Nb:0.005%以上0.03%以下、 V:0.005%以上0.03%以下、 Al:0.005%以上0.03%以下、 B:0.0001%以上0.003%以下 の1種以上を添加した鋼からなることを特徴とする請求
    項4または5記載のデスケーリング性と伸線性の優れた
    線材。
  7. 【請求項7】 重量%で、 P:0.02%以下、 S:0.02%以下 とした鋼からなることを特徴とする請求項4〜6の何れ
    かに記載のデスケーリング性と伸線性の優れた線材。
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