JPH108190A - 高速変形下における耐脆性破壊特性に優れた構造用鋼 - Google Patents

高速変形下における耐脆性破壊特性に優れた構造用鋼

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JPH108190A
JPH108190A JP7203797A JP7203797A JPH108190A JP H108190 A JPH108190 A JP H108190A JP 7203797 A JP7203797 A JP 7203797A JP 7203797 A JP7203797 A JP 7203797A JP H108190 A JPH108190 A JP H108190A
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brittle fracture
steel
fracture resistance
speed deformation
deformation
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Nobuyuki Ishikawa
信行 石川
Yasuo Kobayashi
泰男 小林
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】活断層タイプの大地震等で生じる高速変形下に
おいても、耐脆性破壊特性が優れた耐脆性破壊特性に優
れた構造用鋼を提供する。 【解決手段】鉄系低合金鋼において、重量%で、S:≦
0.005%、O:≦0.003%を含有して、応力集
中係数が5以上となる切欠を有する試験片を用いた引張
試験において、静的載荷条件で30%以上の絞り値を有
することを特徴とする、高速変形下における耐脆性破壊
特性に優れた構造用鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は土木建築分野におけ
る各種建造物に利用される耐脆性破壊特性に優れた構造
用鋼に係り、特に、地震等で生じる高速変形下において
も優れた耐脆性破壊特性が要求される建造物への利用に
適した耐震建築土木用鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】建築分野における耐震設計法では、鋼材
の塑性変形によって地震のエネルギーを吸収することに
より、建築物の崩壊を防ごうとする設計がなされている
が、このような建築物に適用される鋼材には優れた塑性
変形能が要求されており、特開昭55-119152 号公報、特
開昭63-223123 号公報、特開平1-1156422 号公報、特開
平3-115524号公報等では、降伏比を低下させることによ
り一様延び特性を向上させた鋼材が提案されている。ま
たJIS・G3136の建築構造用圧延鋼材においても
降伏比を80%以下とすることが規定されているよう
に、耐震性向上に関する鋼材面からの対応としては、低
降伏比による塑性変形能の向上が中心となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、1994年1
月のアメリカ・ノースリッジ地震や1995年1月の阪
神淡路大地震では多くの鉄骨構造物が甚大な被害を受
け、その特徴的な破壊形態として、柱一梁接合部やスカ
ラップ部等の形状不連続部からの脆性破壊があげられ
る。柱一梁接合部やスカラップ部等では通常、溶接施工
がなされており、溶接金属の止端部や未溶着部、または
溶接欠陥等が応力焦中源となり破壊の起点になりやす
い。また、ノースリッジ地震や阪神淡路大地震は活断層
タイプの地震で震源が近かったために、揺れの速度が非
常に速く、変形速度は歪速度で1〜10/秒にも達して
いたと考えられている。
【0004】鋼材がこのような高速変形を受けた場合、
通常の静的な変形速度に比べ延性脆性遷移温度が上昇す
るといわれており、ノースリッジ地震や阪神淡路大地震
でみられた破壊は、柱一梁接合部やスカラップ部等の応
力集中部に高速の変形が加わったため、その部分の延性
脆性遷移温度が上昇し、鋼材が塑性変形能を発揮する前
に脆性破壊を生じたためと考えられる。よって、低降伏
比による塑性変形能向上という従来の考え方では、ノー
スリッジ地震や阪神淡路大地震のような揺れの速度が速
い地震が起きた場合、脆性破壊発生による建築物の崩壊
を防ぐことはできないことを示唆している。
【0005】本発明は上記した問題点を解決するために
なされたもので、活断層タイプの大地震等で生じる高速
変形下においても、耐脆性破壊特性が優れた構造用鋼、
特に耐震建築土木用鋼材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高速変形下
での鋼材の破壊特性について鋭意研究を重ねた結果、以
下の知見を得るに至った。鋼材が塑性変形する場合、塑
性変形に要したエネルギーが熱エネルギーに変わるが,
高速変形下では熱伝導により熱が散逸する時問が少ない
ため、鋼材の温度が上昇する。そして、塑性変形量が多
いほどそれによる発熱も大きくなる。一般に温度が高い
ほど鋼材のシャルピー吸収エネルギーが高くなるととも
に、脆性破面率が低下するが、柱一梁接合部やスカラッ
プ部等の応力集中部が高速変形下でも十分に塑性変形す
れば、応力集中部の温度が上昇し、高速変形による延性
脆性遷移温度の上昇、つまり脆性破面率の上昇を抑制で
きることから、阪神淡路大地震等において見られたよう
な脆性破壊を防ぐことが可能となる。
【0007】しかし、鋼材の塑性変形能は、JIS・Z
2201に規定された平行部を有する引張試験片により
求まる絞り値や延びで評価されるのが一般的であるが、
柱一梁接合部やスカラップ部等で見られる溶接金属の止
端部や未溶着部、または溶接欠陥等の周辺は高い3軸応
力状態にあるため、このような応力集中部、すなわち高
い3軸応力状態での塑性変形能は、従来の平行部を有す
る引張試験片では正しく評価できない。そこで、高い3
軸応力状態での塑性変形能を評価する方法について検討
を重ねた結果、柱一梁接合部やスカラップ部等で見られ
る溶接金属の止端部や未溶着部、または溶接欠陥等の周
辺の応力集中状態に相当する応力集中係数を有する切欠
付試験片を用いて引張試験を行えば、その時の絞り値に
よって、応力集中部での塑性変形能を正しく評価できる
ことがわかった。
【0008】H型鋼から採取した切欠底の曲率半径が
0.25mmの切欠丸棒試験片(図1、応力集中係数α
=6.7)を用いて、引張試験を行ったときの脆性破面
率と温度の関係を図2に示す。評点問の平均歪速度が
0.001/秒(静的変形)と10/秒(地震時の高速
変形に対応)の2条件で行ったが、静的変形に比ベ高速
変形の方が脆性破面率が高く、延性脆性破面遷移温度が
上昇していることが明らかであり、ノースリッジ地震や
阪神淡路大地震でみられたような、高速変形下での破壊
挙動が再現されていることがわかる。
【0009】しかし,同一の鋼材で切欠底の曲率半径が
2.0mmの切欠丸棒試験片(応力集中係数α=3.
0)を用いて、同様の試験を行った結果を図3に示す
が、静的変形、高速変形ともにいずれの温度でも脆性破
壊を生じていない。これは、切欠部の応力集中が十分で
はなく、柱−梁接合部やスカラップ部等で見られるよう
な応力集中を再現できないために、破壊の発生点が切欠
底ではなく、試験片中心部になったためである。
【0010】図4は応力集中係数の異なる試験片で試験
温度:0℃、静的条件で引張り試験を行ったときの脆性
破面率とそのときの破壊起点を示したものである。応力
集中係数が5以上の場合は全て切欠底から破壊が発生し
ており、脆性的破面が見られるのに対し、それ未満の応
力集中係数では試験片中心部からの破壊となっており、
柱−梁接合部やスカラップ部等の応力集中部からの破壊
を再現できていないことが明らかである。このように引
張り試験に用いる切欠試験片は一定値以上の応力集中係
数を有することが必要である。
【0011】そして、上記の切欠付試験片を用いて静的
条件で引張試験を行った場合の絞り値が一定値以上とな
る鋼材であれば、高速変形下においても十分に塑性変形
するため応力集中部の温度が上昇し、脆性破壊を抑制す
ることが可能となるものである。
【0012】ここで、鋼の脆性破壊に対する抵抗につい
ては、従来JIS・22242に規定されたシャルピー
衝撃試験などによって評価されている。しかし、シャル
ピー衝撃試験では変形速度による破壊挙動の違いを比較
することはできず、地震で見られるような高速変形によ
る脆性破面率の増加に対する抵抗力、すなわち高速変形
下での耐脆性破壊特性を評価することは不可能である。
高速変形下での耐脆性破壊特性を向上するには、高い3
軸応力状態での塑性変形能を高めることが重要なのであ
り、たとえシャルピー衝撃試験による破面遷移温度(v
Trs)が低い、すなわち靱性が高い鋼であっても、切
欠試験片での絞り値が低ければ、高速変形での脆性破断
面の上昇を抑制することは困難となるものである。
【0013】また鋼の塑性変形能、すなわち延性に対し
て硫化物系及び酸化物系介在物が悪影響を及ぼすことは
以前より知られており、通常、S及びOは材質が劣化し
ない程度まで低減されている。しかし、柱一梁接合部や
スカラップ部等で見られる溶接金属の止端部や未溶着
部、または溶接欠陥等の周辺は高い3軸応力状態にあ
る。このため、通常の引張試験で評価されるような伸び
や絞り値が低下しない程度のS量またはO量であつて
も、硫化物系及び酸化物系介在物がミクロボイドの発生
起点となり、延性亀裂が進展しやすくなるため、十分な
塑性変形能が得られない場合がある。そのため、応力集
中部での塑性変形能を高めるためにはS量またはO量を
更に厳しく制限する必要がある。
【0014】本発明は上記した知見をもとになされたも
のであり、その要旨は (1)重量比で、鉄系低合金鋼において、重量%で、
S:≦0.005%、O:≦0.003%を含有する耐
脆性破壊特性に優れた構造用鋼、(2)重量比で、C:
0.05〜0.20%、Si:O.05〜0.50%、
Mn:0.5〜1.8%、Al:0.001〜0.06
%を含有する請求項1に記載の耐脆性破壊特性に優れた
構造用鋼、(3)重量比で、さらに、Ti:≦0.02
%、Nb:≦0.04%、V:≦0.1%、Cu:≦
0.5%、Ni:≦0.5%、Cr:≦1.0%、M
o:≦0.6%、Ca:≦0.02%、REM:≦0.
03%の1種または2種以上を含有する耐脆性破壊特性
に優れた構造用鋼、及び(4)上記組成の鋼材におい
て、応力集中係数が5以上となる切欠を有する試験片を
用いた引張試験において、静的載荷条件で30%以上の
絞り値を有することを特徴とする、高速変形下における
耐脆性破壊特性に優れた構造用鋼である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明における各構成要件
の限定理由を説明する。本発明では、応力集中部での塑
性変形能を高めるために下記の如くS量及びO量を厳し
く限定し、このことにより高速変形時の発熱量が大きく
優れた耐脆性破壊特性が得られる。
【0016】S:0.005%以下 Sは、含有量を厳しく限定することにより、応力集中部
での塑性変形能を高めて、高速変形時の発熱量を大きく
し、優れた耐脆性破壊特性を得ることができる。本発明
では、実施例として後述する引張試験において、O量を
0.003%以下にすると同時にS量を0.005%以
下としないと、高速引張試験において脆性破面率が増加
するため、含有量の上限を0.005%とする。
【0017】O:0.003%以下 Oは、含有量を厳しく限定することにより、応力集中部
での塑性変形能を高めて、高速変形時の発熱量を大きく
し、優れた耐脆性破壊特性を得ることができる。本発明
では、実施例として後述する引張試験において、S量を
0.005%以下にすると同時にO量を0.003%以
下としないと、高速引張試験において脆性破面率が増加
するため、含有量の上限を0.003%とする。S,O
のこのような効果は、鋼中に存在する酸化物系、硫化物
系介在物がミクロボイドの発生起点となり、応力集中部
での塑性変形能が著しく低下するためと思われる。
【0018】C,Si,Mn,Alは、建築土木用鋼材
として必要な機械的特性を得るのに以下のように成分組
成範囲を限定するのが望ましい。 C:0.05〜0.20% Cは鋼材の強度を確保するために必要な元素であるが、
0.05%未満では強度が不足し、0.20%を越えて
添加すると溶接性を損ねるので、その含有量を0.05
〜0.20%と規定した。
【0019】Si:0.05〜0.50% Siは鋼材の強度を高めるとともに製鋼過程における脱
酸剤として必要であるが0.05%未渦ではその効果が
不十分であり、0.50%を越えて添加すると溶接部の
靭性を劣化させるので、その含有量を0.05〜0.5
0%とした。
【0020】Mn:0.5〜1.8% Mnは鋼材の強度を高めるために添加されるが、0.5
%未渦では強度が不足し、1.8%を越えて添加すると
中心偏析が多くなり板厚中央の靭性が劣化するため、そ
の含有量を0.5〜1.8%に規定した。
【0021】Al:0.001〜0.06% Alは脱酸剤として必要であるが、0.001%未満で
は脱酸が不十分であり、0.06%を越えて添加される
と連中スラブの表面疵の原因となるため、その含有量を
0.001〜0.06%に規定した。
【0022】本発明では上記の合金元素のほかに、鋼材
の強度・靭性を高めるためにTi、Nb、V、Cu、N
i、Cr、Mo、Ca、REMの1種または2種以上を
含有してもよいが、以下にその成分の限定埋由を述べ
る。
【0023】Ti:0.02%以下 TiはTiNを形成し、溶接部の組織粗大化を抑制しH
M靭性の向上に寄与する元素であり微量の添加で大きな
効果が得られるが、0.02%を越えて添加されると逆
に溶接性が低下するため、その含有量を0.02%以下
に規定する。
【0024】Nb:0.04%以下 NbはNb(C,N)として微細析出し強度上昇に寄与
する元素であるが、0.04%を越えて添加されると溶
接性または溶接部の靭性が低下するため、その含有量を
0.04%以下に規定した。
【0025】V:0.1%以下 VはVCとして析出し強度向上に寄与するが、0.1%
を越えて添加してもその効果が飽和するので、その含有
量を0.1%以下に規定した。好ましくは、0.005
〜0.1%に規定するのがよい。
【0026】Cu:0.5%以下 Cuは強度・靭性の向上に有効な元素であるが、0.5
%を越えて添加すると熱問加工性が低下するので、その
含有量を0.5%以下に規定した。
【0027】Ni:0.5%以下 Niは靭性の向上に極めて有効な元素であるが、また非
常に高価な元素であることから0.5%を越えて添加す
るとコスト的に不利になるため、その含有量を0.5%
以下に規定した。
【0028】Cr:1.0%以下 Crは強度向上に有効な元素であるが、1.0%を越え
て添加すると溶接性が低下するので、その含有量を1.
0%以下に規定した。
【0029】Mo:0.6%以下 MoもCrと同様に強度向上に有効な元素であるが、
0.6%を越えて添加すると溶接性が低下するだけでな
く、コスト的にも不利になるため、その含有量を0.6
%以下に規定した。
【0030】Ca:0.02%以下 Caは硫化物系介在物の形状を制御することにより、靭
性を向上する元素であるが0.02%を越えて添加する
と鋼の材質に悪影響を及ぽすため、その添加量を0.0
2%以下に規定した。
【0031】REM:0.03%以下 REM(希土類元素)も、Caと同様に硫化物系介在物
の形状を制御することにより、靭性を向上する元素であ
るが、0.03%を越えて添加すると鋼の材質に悪影響
を及ぼすため、その添加量を0.03%以下に規定し
た。
【0032】そして、本発明の構造用鋼は、さらに応力
集中係数が5以上となる切欠を有する試験片を用いた引
張試験において、静的載荷条件で30%以上の絞り値を
有する。このような特性の鋼材は,建築土木用鋼材とし
て採用されている通常の方法を適用しすることにより製
造される。例えば、制御圧延、加速冷却、圧延後徐冷な
どで低降伏比鋼材の製造条件を採用することも可能であ
る。
【0033】応力集中係数が5以上となる切欠を有する
試験片を用いるのは,応力集中係数が5未満の切欠を有
する試験片或いは切欠のない試験片では,高速変形下
(歪速度で1/秒以上)での耐脆性破壊特性を評価する
ことは不可能であるためである。また,静的載荷条件で
引張試験を行ったときの絞り値が30%以上と限定した
理由は,切欠引張試験での絞り値が30%未満では高速
引張り試験で脆性破面率が増加し応力集中部の塑性変形
能が十分とは言えず、地震で生じる高速変形下におい
て、柱一梁接合部やスカラップ部等で見られる応力集中
部の温度上昇が小さく、延性脆性遷移温度が上昇、すな
わち脆性破面率が増加することにより脆性破壊を生じや
すくなるおそれがあるためである。なお,切欠引張試験
は,応力集中係数が5以上であれば,任意のものを使用
することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に示した成分の鋼を溶製し、熱間圧延により板厚25
mmの板にした。JIS・Z2201の引張試験により
測定した素材の降伏応力,引張強度,絞り値及びJIS
・Z2242のシャルピー衝撃試験により求めた破面遷
移温度を表1に一緒に示した。なお,この時の引張試験
片及び衝撃試験片は,板厚1/4位置,圧延方向に平行
な方向から、図1に示したような切欠底の曲率半径:
0.15mm〜2.0mm(応力集中係数:8.3〜
3.0)の切欠を有する試験片を採取した。そして、引
張試験機により、評点間の平均歪速度で0.001/秒
の静的引張試験、及び平均歪速度10/秒の高速引張試
験を行い、引張強度、絞り値及び脆性破面率を測定し
た。そして、高速変形による脆性破面率の変化量より、
耐脆性破壊特性を評価した。なお、試験温度は全て0℃
で行った。
【0035】これらの結果を表2にまとめて示した。本
発明鋼であるA〜Lはいずれも静的引張試験での絞り値
が30%以上であり、高速引張試験においては脆性破面
率が変化しないかまたは低下していることから、本発明
鋼は高速変形下での耐脆性破壊特性に優れていることが
明らかである。また,A,B,E,F鋼において本発明
範囲よりも小さい応力集中係数の試験片で試験を行った
場合は、絞り値は高くなるが、試験片中央部からの延性
破壊となり、脆性破面率の変化を評価できない。一方、
比較鋼であるM〜Pはいずれも成分が本発明範囲から外
れており、静的引張試験での絞り値も本発明の範囲より
小さいため、高速引張試験では脆性破面率が大幅に増加
している。また,シャルピー衝撃試験での破面遷移温度
が低いものであっても,本発明の範囲を満たしていなけ
れば,脆性破面率が上昇していることが分かる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上に示したように、本発明によれば高
速変形下においても応力集中部の脆性破面率が増加する
現象が起きず、耐脆性破壊特性に優れた構造用鋼を提供
することが可能であり、地震などで高速変形を受けるよ
うな建造物の利用に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した応力集中係数が6.5の環状
切欠を有する切欠丸棒試験片の形状を示す図。
【図2】切欠丸棒試験片を用いた引張試験での脆性破面
率と温度の関係の例を示した図。
【図3】応力集中係数3.0の切欠試験片を用いた引張
試験での脆性破面率と温度の関係の例を示した図。
【図4】試験温度:0℃、静的載荷条件で試験した時
の、脆性破面率及び破壊起点の関係を示した図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系低合金鋼において、重量%で、S:
    ≦0.005%、O:≦0.003%を含有する高速変
    形下における耐脆性破壊特性に優れた構造用鋼。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.05〜0.20%、
    Si:O.05〜0.50%、Mn:0.5〜1.8
    %、Al:0.001〜0.06%を含有する請求項1
    に記載の高速変形下における耐脆性破壊特性に優れた構
    造用鋼。
  3. 【請求項3】 重量比で、さらに、Ti:≦0.02
    %、Nb:≦0.04%、V:≦0.1%、Cu:≦
    0.5%、Ni:≦0.5%、Cr:≦1.0%、M
    o:≦0.6%、Ca:≦0.02%、REM:≦0.
    03%の1種または2種以上を含有する請求項1又は2
    に記載の耐脆性破壊特性に優れた構造用鋼。
  4. 【請求項4】 応力集中係数が5以上となる切欠を有す
    る試験片を用いた引張試験において、静的載荷条件で3
    0%以上の絞り値を有することを特徴とする、高速変形
    下における耐脆性破壊特性に優れた構造用鋼請求項1乃
    至3のいずれかに記載の耐脆性破壊特性に優れた構造用
    鋼。
JP7203797A 1996-04-25 1997-03-25 高速変形下における耐脆性破壊特性に優れた構造用鋼 Pending JPH108190A (ja)

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