JPH108206A - 高速変形下における耐脆性破壊特性に優れた角形鋼管 - Google Patents

高速変形下における耐脆性破壊特性に優れた角形鋼管

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JPH108206A
JPH108206A JP15841796A JP15841796A JPH108206A JP H108206 A JPH108206 A JP H108206A JP 15841796 A JP15841796 A JP 15841796A JP 15841796 A JP15841796 A JP 15841796A JP H108206 A JPH108206 A JP H108206A
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fracture resistance
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deformation
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Nobuyuki Ishikawa
信行 石川
Yasuo Kobayashi
泰男 小林
Koshiro Tsukada
幸四郎 束田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】活断層タイプの大地震等で生じる高速変形下に
おいても、耐脆性破壊特性が優れた角形鋼管を提供す
る。 【解決手段】重量比で、C:0.03〜0.25%、S
i:0.05〜0.50%、Mn:0.3〜2.0%、
Al:0.1%以下、S:0.005%以下、O:0.
003%以下を含有する鋼を冷間で角管成形後、600
℃以上の温度で加熱する、高速変形下における耐脆性破
壊特性に優れた角形鋼管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は土木建築分野におけ
る各種構造物に利用される角形鋼管に係り、特に地震等
で生じる高速変形下においても優れた耐脆性破壊特性が
要求される構造物への利用に適した角形鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】角形鋼管は鉄骨建築物の柱材等として使
用されるが、耐震性の観点から降伏比が低く塑性変形能
に優れた鋼材が必要とされており、JIS G3136
に規定されたSN400、SN490等の低降伏比鋼が
広く利用されている。しかし、冷間成形により角形鋼管
を製造する場合、角部に大きな塑性変形が加わるため、
角部の延靭性が著しく劣化するとともに降伏比が上昇す
ることが知られている。そのため、冷間成形した角形鋼
管の角部の延靭性の改善を目的として、特開平4−10
0632号公報、特開平5−195066号公報等に
は、冷間成形した角形鋼管の角部を熱処理する方法が、
また特開平3−094917号公報、特開平5−038
518号公報等には熱間で成形する角形鋼管の製造方法
がそれぞれ開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし1994年1月
のアメリカ・ノースリッジ地震や1995年1月の阪神
淡路大地震では多くの鉄骨構造物が甚大な被害を受けた
が、その特徴的な破壊形態として、柱−梁接合部やスカ
ラップ部等の形状不連続部からの脆性破壊があげられ
る。柱−梁接合部やスカラップ部等では通常、溶接施工
がなされており、溶接金属の止端部や未溶着部、または
溶接欠陥等が応力集中源となり破壊の起点になりすや
い。また、ノースリッジ地震や阪神淡路大地震は活断層
タイプの地震で震源が近かったために、揺れの速度が非
常に速く、変形速度は歪速度で1〜10/秒にも達して
いたと考えられている。
【0004】鋼材が高速変形を受けた場合、通常の静的
な変形速度に比べ延性脆性遷移温度が上昇するといわれ
ているが、ノースリッジ地震や阪神淡路大地震でみられ
た破壊は、柱−梁接合部やスカラップ部等の応力集中部
に高速の変形が加わったため、その部分の延性脆性遷移
温度が上昇し、鋼材が塑性変形能を発揮する前に脆性破
壊を生じたためと考えられる。
【0005】特開平4−100632号公報、特開平5
−195066号公報、特開平3−094917号公
報、特開平5−038518号公報等に開示されたよう
な角形鋼板の製造方法によれば、角部の延靭性または降
伏比が平板部と同程度にすることが可能ではあるが、ノ
ースリッジ地震や阪神淡路大地震のような揺れの速度が
速い地震が起きた場合、靭性破壊発生による建築物の崩
壊を防ぐことについては何ら検討がなされていない。
【0006】本発明は上記した問題点を解決するために
成されたものであり、活断層タイプの大地震等で生じる
高速変形下においても、耐脆性破壊特性が優れた角形鋼
管を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高速変形下
での鋼材の破壊特性について鋭意研究を重ねた結果、以
下の知見を得るに至った。鋼材が塑性変形する場合、塑
性変形に要したエネルギーが熱エネルギーに変わるが、
高速変形下では熱伝導により熱が散逸する時間が少ない
ため、鋼材の温度が上昇する。そして、塑性変形量が多
いほどそれによる発熱も大きくなる。一般に温度が高い
ほど鋼材のシャルピー吸収エネルギーが高くなるととも
に、脆性破面率が低下するが、柱−梁接合部やスカラッ
プ部等の応力集中部が高速変形下でも十分に塑性変形す
れば、応力集中部の温度が上昇し、高速変形による延性
脆性遷移温度の上昇、つまり脆性破面率の上昇を抑制で
きることから、阪神淡路大地震等において見られたよう
な脆性破壊を防ぐことが可能となる。
【0008】しかし、鋼材の塑性変形能は、JIS・Z
2201に規定された平行部を有する引張試験片により
求まる絞り値や伸び評価されるのが一般的であるが、柱
−梁接合部やスカラップ部等で見られる溶接金属の止端
部や未溶着部、または溶接欠陥等の周辺は高い3軸応力
状態にあるため、このような応力集中部、すなわち高い
3軸応力状態での塑性変形能は、従来の平行部を有する
引張試験片では正しく評価できない。そこで、高い3軸
応力状態での塑性変形能を評価する方法について検討を
重ねた結果、柱−梁接合部やスカラップ部等で見られる
溶接金属の止端部や未溶着部、または溶接欠陥等の周辺
の応力集中状態に相当する応力集中係数を有する切欠付
試験片を用いて引張試験を行えば、その時の絞り値によ
って、応力集中部での塑性変形能を正しく評価できるこ
とがわかった。
【0009】建築用鋼材から採取した切欠付試験片(図
1、応力集中係数α=6.7)を用いて、引張試験を行
ったときの脆性破面率と温度の関係を図2に示す。評点
間の平均歪速度が0.001/秒(静的変形)と10/
秒(地震時の高速変形に対応)の2条件で行ったが、静
的変形に比べ高速変形の方が脆性破面率が高く、延性脆
性遷移温度が上昇していることが明らかであり、ノース
リッジ地震や阪神淡路大地震でみられたような、高速変
形下での破壊挙動が再現されていることがわかる。
【0010】そして、上記の切欠付試験片を用いて静的
条件で引張試験を行った場合の絞り値が、一定値以上と
なる鋼材であれば、高速変形下においても十分に塑性変
形するため応力集中部の温度が上昇し、脆性破壊を抑制
することが可能となるものである。
【0011】また鋼の塑性変形能、すなわち延性に対し
て硫化物系及び酸化物系介在物が悪影響を及ぼすことは
以前より知られており、通常、S及びOは材質が劣化し
ない程度まで低減されている。しかし、柱−梁接合部や
スカラップ部等で見られる溶接金属の止端部や未溶着
部、または溶接欠陥等の周辺は高い3軸応力状態にある
ため、通常の引張試験で評価されるような伸びや絞り値
が低下しない程度のS量またはO量であっても、硫化物
系及び酸化物系介在物がミクロボイドの発生起点とな
り、延性亀裂が進展しやすくなるため、十分な塑性変形
能が得られない場合がある。そのため、応力集中部での
塑性変形能を高めるためにはS量またはO量を厳しく制
限する必要がある。
【0012】しかし、S量またはO量を厳しく制限し、
応力集中部での塑性変形能が優れている鋼材であって
も、冷間成形により製造した角形鋼管では、鋼管のサイ
ズや成形方法などによって角部の塑性変形能(上記の切
欠引張試験での絞り値)が低下する場合があるが、この
ような場合は、特定の温度での熱処理を行うことによっ
て、角部の塑性変形能が回復することができる。
【0013】すなわち本発明は上記した知見をもとにな
されたものであり、その要旨は、 (1)重量比で、C:0.03〜0.25%、Si:
0.05〜0.50%、Mn:0.3〜2.0%、A
l:0.1%以下、S:0.005%以下、O:0.0
03%以下を含有する鋼を冷間で角管成形後、600℃
以上の温度で加熱する、高速変形下における耐脆性破壊
特性に優れた角形鋼管。 (2)重量比で、C:0.03〜0.25%、Si:
0.05〜0.50%、Mn:0.3〜2.0%、A
l:0.1%以下、S:0.005%以下、O:0.0
03%以下を含有する鋼を冷間で角管成形後、600℃
以上の温度で加熱し、平行部及び角部から採取した応力
集中係数が5以上となる切欠を有する試験片を用いた静
的載荷条件での引張り試験において30%以上の絞り値
を有する、高速変形下における耐脆性破壊特性に優れた
角形鋼管。 (3)重量比で、さらに、Ti:0.1%以下、Nb:
0.05%以下、V:0.1%以下、Cu:1.0%以
下、Ni:1.0%以下、Cr:1.5%以下、Mo:
1.0%以下の1種または2種以上を含有する、請求項
1又は2に記載の高速変形下における耐脆性破壊特性に
優れた角形鋼管である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明における各構成要件
の限定理由を説明する。 C:0.03〜0.25% Cは鋼材の強度を確保するために必要な元素であるが、
0.03%未満では強度が不足し、0.25%を越えて
添加すると溶接性を損ねるので、その含有量を0.03
〜0.25%と規定した。
【0015】Si:0.05〜0.50% Siは鋼材の強度を高めるとともに製鋼過程における脱
酸剤として必要であるが、0.05%未満ではその効果
が不十分であり、0.50%を越えて添加すると溶接部
の靭性を劣化させるので、その含有量を0.05〜0.
50%とした。
【0016】Mn:0.3〜2.0% Mnは鋼材の強度を高めるために添加されるが、0.3
%未満では強度が不足し、2.0%を越えて添加すると
中心偏析が多くなり板厚中央の靭性が劣化するため、そ
の含有量を0.3〜2.0%に規定した。
【0017】Al:0.1%以下 Alは脱酸剤として必要であるが、0.1%を越えて添
加されると連中スラブの表面疵の原因となるだけでな
く、アルミナ系介在物の増加により素材の延靭性が低下
するため、その含有量の上限を0.1%に規定した。
【0018】S:0.005%以下 Sは硫化物系介在物を生成する元素であるが、柱−梁接
合部やスカラップ部等の応力集中部のような高い3軸応
力状態では、硫化物系介在物がミクロボイドの発生起点
となり、延性亀裂発生進展を助長するため、応力集中部
での塑性変形能が著しく低下する。このためS量を厳し
く制限する必要がある。しかし、0.005%以下では
問題ないので、その含有量の上限を0.005%とし
た。
【0019】O:0.003%以下 Oは酸化物系介在物となって鋼中に存在するが、硫化物
系介在物と同様にミクロボイドの発生起点となり、延性
亀裂発生進展を助長するため、応力集中部での塑性変形
能が著しく低下する。このためO量を厳しく制限する必
要がある。しかし、0.003%以下では問題ないの
で、その含有量の上限を0.003%とした。
【0020】本発明では上記の合金元素のほかに、鋼材
の強度・靭性を高めるめにTi、Nb、V、Cu、N
i、Cr、Moの1種または2種以上を含有してもよい
が、以下にその成分の限定理由を述べる。
【0021】Ti:0.1%以下 TiはTiNを形成し、溶接部の組織粗大化を抑制しH
AZ靭性の向上に寄与する元素であり微量の添加で大き
な効果が得られるが、0.1%を越えて添加されると逆
に溶接性が低下するため、その含有量を0.1%以下に
規定する。
【0022】Nb:0.05%以下 NbはNb(C、N)として微細析出し強度上昇に寄与
する元素であるが、0.05%を越えて添加されると溶
接性または溶接部の靭性が低下するため、その含有量を
0.05%以下に規定した。
【0023】V:0.1%以下 VはVCとして析出し強度向上に寄与するが、0.00
5%未満ではその効果が得られず、0.1%を越えて添
加してもその効果が飽和するので、その含有量を0.1
%以下に規定した。
【0024】Cu:1.0%以下 Cuは強度・靭性の向上に有効な元素であるが、1.0
%を越えて添加すると熱間加工性が低下するだけでな
く、表面疵が発生しやすくなるので、その含有量を1.
0%以下に規定した。
【0025】Ni:1.0%以下 Niは靭性の向上に極めて有効な元素であるが、また非
常に高価な元素であることから1.0%を越えて添加す
るとコスト的に不利になるため、その含有量を1.0%
以下に規定した。
【0026】Cr:1.5%以下 Crは強度向上に有効な元素であるが、1.5%を越え
て添加すると溶接性が低下するので、その含有量を1.
5%以下に規定した。
【0027】Mo:1.0%以下 MoもCrと同様に強度向上に有効な元素であるが、
0.6%を越えて添加すると溶接性が低下するだけでな
く、コスト的にも不利になるため、その含有量を1.0
%以下に規定した。片を用いた引張試験において、静的
載荷条件下で30%以上の絞り値を有する。
【0028】本発明では、冷間成形により角部の塑性変
形能が低下するような場合は、600℃以上の温度で熱
処理を施して、冷間変形により角部に生じた高密度の転
位を減少する。温度の下限を限定した理由は、600℃
未満の温度では、冷間変形により角部に生じた高密度の
転位を減少することは困難で、角部の塑性変形能は改善
されないためである。なお、塑性変形能の改善のために
は、熱処理温度の上限は特に制限しないが、結晶粒の粗
大化や、靭性の低下を防止するため、1000℃以下の
温度で熱処理を行うことが好ましい。熱処理時の加熱時
間は特に限定しないが、加熱温度または熱処理効率を考
慮したうえで任意の時間熱処理を行えばよい。また、熱
処理方法についても特に限定しないが、炉加熱または誘
導加熱等により角形鋼管の全周を加熱する方法や、ガス
バーナー加熱または誘導加熱等により角部を局部的に加
熱する方法等がある。
【0029】この方法で得られた角形鋼材の特性は、応
力集中係数が5以上となる切欠を有する試験片を用いた
引張試験において、平板部及び角部のいずれにおいて
も、静的載荷条件で30%以上の絞り値を有するもので
ある。応力集中係数が5以上となる切欠を有する試験片
を用いるのは、上述のように、高速変形下(歪速度0.
1/秒以上)での耐脆性破壊特性を評価できるためで、
応力集中係数が5未満の切欠を有する試験片あるいは切
欠のない試験片では、高速変形下(歪速度0.1/秒以
上)での耐脆性破壊特性を評価することは不可能であ
る。また、静的載荷条件下で引張試験を行ったときの絞
り値が30%以上と限定した理由は、切欠引張試験での
絞り値が30%未満では応力集中部の塑性変形能が不足
しているため、地震などにより生じる高速変形下におい
て、柱−梁接合部やスカラップ部等で見られる応力集中
部の温度上昇が小さく、延性脆性遷移温度が上昇し、す
なわち脆性破面率が増加することにより、脆性破壊を生
じやすくなる恐れがあるためである。なお、切欠引張試
験片は応力集中係数が5以上であれば任意の形状のもの
を使用することができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
表1に示した成分の鋼板を用い、冷間成形及び熱間成形
により角形鋼管を作成した。このとき、冷間成形はプレ
ス成形により行い、熱間成形は1000℃以上に加熱し
た鋼板を熱間のままプレス成形することにより製造し
た。また、角部の外側曲率半径は全て、(板厚)×3.
5となるようにプレス加工を行った。これらの角形鋼管
の平板部及び角部より引張試験片(平行部径6mm、平
行部長さ30mmの平滑丸棒試験片)を採取し、降伏応
力、引張強度及び絞りを測定した結果を表2に示した。
なお、このときの引張試験片の採取位置は、図3に示し
たように、(a)平板部中央及び(b)角部45°位置
において、板厚外側1/4位置で、圧延方向に平行な方
向から採取した。次に、同様に平板部及び角部から図1
に示したような応力集中係数6.7の切欠を有する試験
片を採取した。そして、評点間の平均歪速度で0.00
1/秒の静的引張試験、及び平均歪速度1/秒の高速引
張試験を行い、引張強度、絞り値及び脆性破面率を測定
した。そして、高速変形による脆性破面率の変化量よ
り、耐脆性破壊特性を評価した。なお、試験温度は全て
0℃で行った。
【0031】これらの結果を表3にまとめて示した。本
発明例であるA〜Fはいずれも、平板部、角部ともに静
的引張試験での絞り値が30%以上であり、高速引張試
験においては脆性破面率が変化しないか、または低下し
ていることから、本発明による角形鋼管は高速変形下で
の耐脆性破壊特性に優れていることが明らかである。一
方、比較鋼Gは成分は本発明範囲であるが、角部の絞り
値が本発明範囲から外れており、高速引張試験において
角部の脆性破面率が上昇している。また比較鋼H〜Kは
いずれも成分が本発明範囲から外れており、平板部及び
角部の両方において、静的引張試験での絞り値も本発明
の範囲より小さいため、高速引張試験では脆性破面率が
大幅に増加している。
【0032】次に、冷間成形により製造した角形鋼管で
あるG、Iを用いて、熱処理を行った後、同様の切欠試
験片により引張試験を行った。熱処理条件及び引張試験
の結果を表4に示す。本発明であるNo.2、No.3
は平板部、角部ともに静的引張試験での絞り値が30%
以上であり、高速引張試験においては脆性破面率が低下
していることから、冷間成形により角部の耐脆性破壊特
性が劣化した角形鋼管であっても、熱処理により耐脆性
破壊特性が改善できることがわかる。一方、No.1は
熱処理温度が本発明範囲から外れているため、熱処理後
でも高速引張により角部の脆性破面率が上昇している。
また、No.4は成分が本発明範囲から外れているた
め、熱処理を行っても平板部、角部ともに高速引張によ
り脆性破面率が上昇している。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】以上に示したように、本発明によれば平
板部及び角部のいずれも、高速変形下においても応力集
中部の脆性破面率が増加する現象が起きず、耐脆性破壊
特性に優れた角形鋼管を提供することが可能であり、地
震などで高速変形を受けるような建造物の利用に適して
いるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した応力集中係数が6.5の環状
切欠を有する切欠丸棒試験片の形状を示す。
【図2】切欠丸棒試験片を用いた引張試験での脆性破面
率と温度の関係の例を示した図。
【図3】角形鋼管の平板部及び角部での試験片採取位置
を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/58 C22C 38/58

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、C:0.03〜0.25%、
    Si:0.05〜0.50%、Mn:0.3〜2.0
    %、Al:0.1%以下、S:0.005%以下、O:
    0.003%以下を含有する鋼を冷間で角管成形後、6
    00℃以上の温度で加熱する、高速変形下における耐脆
    性破壊特性に優れた角形鋼管。
  2. 【請求項2】 重量比で、C:0.03〜0.25%、
    Si:0.05〜0.50%、Mn:0.3〜2.0
    %、Al:0.1%以下、S:0.005%以下、O:
    0.003%以下を含有する鋼を冷間で角管成形後、6
    00℃以上の温度で加熱し、平行部及び角部から採取し
    た応力集中係数が5以上となる切欠を有する試験片を用
    いた静的載荷条件での引張り試験において30%以上の
    絞り値を有する、高速変形下における耐脆性破壊特性に
    優れた角形鋼管。
  3. 【請求項3】 重量比で、さらに、Ti:0.1%以
    下、Nb:0.05%以下、V:0.1%以下、Cu:
    1.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:1.5%以
    下、Mo:1.0%以下の1種または2種以上を含有す
    る、請求項1又は2に記載の高速変形下における耐脆性
    破壊特性に優れた角形鋼管。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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