JP4611250B2 - 冷間加工成形鋼管 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接性及び冷間加工部の塑性変形能力に優れた冷間加工成形鋼管に関する。ここで、鋼管の形状は角形でも円形でもよい。
近年、構造設計に際して、従来の想定範囲を超える地震荷重を考慮する必要性が生じてきた。例えば、阪神大震災では、想定外の大きな地震力が入力された結果、鉄骨造の建物において大きな塑性変形や脆性的な破断現象が生じたことが分かっている。したがって、冷間加工成形鋼管においても、その冷間加工部や溶接部には、従来以上の大きな塑性変形能力と脆性的破断を防止するための衝撃吸収エネルギー特性が要求されるようになってきている。
このような状況において、これまでに改善技術が種々に提案されている。
例えば、特許文献1では、化粧盛溶接を行うことで、溶接熱影響部の靭性を改善し0℃で70J以上の角形鋼管よりなる接合構造を形成することが提案されている。しかし、化粧盛溶接はそれ自体溶接のコストアップにつながるし、溶接の品質を確保する上で化粧盛溶接が適切な位置になされているか否かの確認が困難であった。
また、特許文献2は、高パス間溶接性に優れた鋼材の発明を開示しているが、この鋼そのものは冷間加工角形鋼管に適したものではない。
特許第3711495号明細書 特開2004−91863号公報
本発明が解決しようとする課題は、溶接性及び冷間加工部の塑性変形能力に優れた冷間加工成形鋼管を提供することである。具体的には、次の(i)〜(iii)の3点を兼ね備えた冷間加工成形鋼管を提供することである。
(i) 冷間成形部が、繰り返し加えられる地震荷重に対して良好な塑性変形能力を有すること、
(ii) 冷間加工、特に冷間角形成形加工においても、割れを生じず良好な成形性を有すること、
(iii) 柱梁接合の溶接熱影響部に対して化粧盛溶接を行うことなく、70J以上の良好な衝撃吸収エネルギー特性を有すること。
本発明者らは、冷間加工成形鋼管の冷間加工特性に加えて、「冷間加工部の繰り返し加えられる地震荷重に対する塑性変形能力」を鋭意研究した。
鋼管の塑性変形能力は、繰り返し積載試験を施すことによって測定することができる。
図1は、鋼管の塑性変形能力測定のための繰り返し載荷の模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図を示す。そして、図2は繰り返し載荷の結果、亀裂が発生し、破断した断面の写真である。
繰り返し載荷試験は、鋼管中央のダイアフラム(図1(a)の黒矢印で示す。)に繰り返し載荷し、中央変位を徐々に大きくしつつ、部材角θとモーメントMの載荷履歴を測定することによってなされる。変位を大きくすると、最終的には溶接止端部の鋼管外表面から亀裂が発生し、破断する(図2参照)。
図3は、亀裂が発生するまでに描かれる履歴ループを示す。各ループにおける残留変形成分の累積値を全塑性モーメントMpに対応する弾性部材角θpで除した値が累積塑性変形倍率ηである。すなわち、図3で示す、μ、μ、・・・の累積値(=Σμ)が累積塑性変形倍率ηとなる。
発明者らは、次いで、累積塑性変形倍率ηは絞り値Raと相関関係を有していることを見出した。すなわち、鋼管とダイアフラムの接合部を模した継手引張試験では、鋼管の繰り返し荷重試験と同様、溶接部近傍の鋼管外表面から亀裂が発生し、破断に至る。その破断形態が類似していることから、繰り返し荷重試験と継手引張試験には相関関係について調査したところ、両者には線形的な関係があることが判明した。
図4は、成分の異なる鋼管について累積塑性変形倍率ηと絞り値Raの関係を示した図である。ここから、両者には線形的な関係があることが分かる。
一方、絞り値Raについて鋼管中に存在する介在物の頻度(清浄度)との相関に着目して検討した。その結果、鋼管断面全体の清浄度よりもむしろ、鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域における鋼の清浄度が大きく影響していることを見出した。すなわち、介在物分析を鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域に限定して鋼管毎に清浄度を求め、絞り値Raとの相関を調べたところ、強い相関のあることが認められた。
図5は、後述する実施例について、鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域の鋼の清浄度((d)式によって計算された値であり、数値の小さい方が清浄であることを示す。)と絞り値Raとの関係を示した図である。図5から、2mmの深さまでの領域での清浄度の数値が小さいと絞り値Raも向上することが分かり、そして、図4との相関関係より、この領域の清浄度の数値が小さいと累積塑性変形倍率ηも向上する結果が得られることが分かる。また、図5から、清浄度の数値が0.1%において、絞り値Raに変曲点があることが分かる。
そして、この2mmの深さまでの領域における清浄度は、鋼の組成と連続鋳造時のフラックスの巻き込みの有無に依存することが分かった。また、鋼中のN成分は、鋼の冷間加工部に歪み時効脆化を引き起こし、塑性変形能力を低下させるので、適正にコントロールしなければならないことが分かった。
また、「冷間加工、特に冷間角形成形においても、割れを生じず良好な成形性を有すること」についても、鋼管の外表面近傍の介在物清浄度を改善することが大きな効果を有し、鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域における清浄度を0.005〜0.1%とすることで、冷間角形成形が改善されることを知得した。
さらに、「柱梁接合の溶接熱影響部に対して化粧盛溶接を行うことなく、70J以上の良好な衝撃吸収エネルギー特性を有すること」について、柱梁接合の溶接熱影響部に対して化粧盛溶接を行うと、化粧盛溶接によって溶接熱影響部の結晶粒が細粒化されるので衝撃吸収エネルギー特性が向上するが、化粧盛溶接は溶接施工上不要なパスを追加するものであるから、コストアップ要因となる。化粧盛溶接なしで溶接熱影響部に対して良好な衝撃吸収エネルギー特性を確保するためには、鋼の溶接性を確保しつつ強度および冷間加工部の塑性変形能力に優れた冷間加工成形鋼管のYR特性などを適切に保つように、鋭意開発の結果適正成分範囲を確定した。
本発明は、上記の諸知見を基礎として完成されたものであって、その要旨は、下記(1)〜(6)の冷間加工成形鋼管にある。
(1) 質量%で、C:0.05〜0.18%、Si:0.001〜0.55%、Mn:0.8〜1.6%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.001〜0.060%、Ti:0.005〜0.035%、N:0.0015〜0.006%及びO(酸素):0.0050%以下を含有し、残部Fe及び不純物からなり、下記の(a)式で定義されるfHAZが0.46%以下、下記の(b1)式で定義されるCeqが0.30〜0.45%、下記の(c1)式で定義されるPcmが0.10〜0.29%、鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域における下記の(d)式で定義される清浄度が0.005〜0.1%であって、降伏強度が325〜540MPa、引張強度が490〜680MPaかつ降伏強度/引張強度の比が0.80以下であることを特徴とする肉厚16〜100mmの冷間加工成形鋼管。
fHAZ=C+Mn/8+6P+6S+12N−4Ti・・・・・・(a)
Ceq=C+Si/24+Mn/6・・・・・・・・・・・・・・(b1)
Pcm=C+Si/30+Mn/20・・・・・・・・・・・・・(c1)
(A系介在物の清浄度)×1+(B系介在物の清浄度)×3
+(C系介在物の清浄度)×1.5・・・(d)
ただし、式中の各元素記号は各元素の鋼中における含有量(質量%)を表す。また、A系介在物、B系介在物およびC系介在物は、JIS G0555に定義されるものであり、それぞれの清浄度はJIS G0555の附属書1に定められる評価法によって求める。
(2) 質量%で、さらにCu:0.6%以下、Ni:1.0%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、V:0.06%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)の冷間加工成形鋼管。
ただし、Ceq及びPcmは、それぞれ、下記(b2)式及び(c2)式で定義される。
Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(b2)
Pcm=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10・・・・(c2)
なお、式中の各元素記号は各元素の鋼中における含有量(質量%)を表す。
(3) 質量%で、さらにB:0.0030%以下を含有することを特徴とする、上記(1)の冷間加工成形鋼管。
ただし、Pcmは下記(c3)式で定義される。
Pcm=C+Si/30+Mn/20+5B・・・・・・・・・・・・・(c3)
なお、式中の各元素記号は各元素の鋼中における含有量(質量%)を表す。
(4) 質量%で、さらにB:0.0030%以下を含有することを特徴とする、上記(2)の冷間加工成形鋼管。
ただし、Pcmは(c4)式で定義される。
Pcm=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B・・・・(c4)
なお、式中の各元素記号は各元素の鋼中における含有量(質量%)を表す。
(5) 質量%で、さらにNb:0.06%以下を含有することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかの冷間加工成形鋼管。
(6) 質量%で、さらにREM:0.0050%以下、Ca:0.0050%以下、Mg:0.0050%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかの冷間加工成形鋼管。
本発明は、溶接性及び冷間加工部の塑性変形能力に優れた冷間加工成形鋼管である。この冷間加工成形鋼管は、建設構造物として用いた場合、これらの構造物の安全性を高めるのに極めて有用である。
本発明者らは、まず、冷間成形された鋼管の塑性変形能力試験の際の亀裂の発生及び伝播の状況をミクロ的視野およびマクロ的視野の両面から、詳細に観察した。その結果、以下の点を確認した。
(1)繰り返し荷重により亀裂は、溶接余盛り止端から発生する。
(2)亀裂が発生した後、繰り返し荷重により亀裂は進展し、鋼管は破断する。
このように亀裂の発生起点が溶接余盛り止端であるため、従来は、溶接余盛り止端での局所的な材料特性が鋼管の塑性変形能力を律しているように考えられていた。しかしながら、詳細に考察を進めた結果、余盛り止端という切欠き先端の局部的な材料部分だけで鋼管の塑性変形能力が決まっているのではなく、溶接余盛り止端近傍すなわち鋼管の外表面近傍に存在する介在物が亀裂発生を助長し鋼管の塑性変形能力が律されていることが判明した。
つまり、溶接余盛り止端での応力集中が影響を及ぼす領域、具体的には鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域における材料の清浄度(介在物の存在形態)が溶接継手の鋼管の塑性変形能力を律していることが明らかになった。
以下、本発明の要件をさらに詳しく説明する。
本発明者らは溶接部の鋼管の塑性変形能力を高めるべく研究開発を進め、溶接部の止端部近傍、つまり鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域に存在する非金属介在物が溶接止端部の応力集中による高応力の影響を受け亀裂発生を助長することを見出した。
亀裂発生を律する局所的応力は、溶接余盛り止端によるマクロ的な応力集中と、介在物の輪郭形状に起因するミクロ的な応力集中の積によって決定される。
ここで、溶接余盛り止端によるマクロ的な応力集中は、通常、応力集中係数を3程度として見積もることができる。このマクロ的な応力は、鋼管自体の特性に依存するものではなく、むしろ溶接余盛の形状自体に依存する。このため、溶接施工の工夫により最大応力の低減を図らざるを得ない。
一方、介在物の輪郭形状に起因するミクロ的な応力集中は、鋼管自体の介在物特性に依存する。すなわち、この応力集中は、溶接止端部の高応力域の中に存在する介在物とマトリックス(matrix)の界面での応力集中によって発生する。
そこで本発明者らは、鋼管中に存在する介在物の輪郭形状に起因するミクロ的な応力集中の係数について検討し、鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域に存在する非金属介在物と溶接継手の塑性変形能力について多重回帰分析などを行った結果、下記のような多項式と、この式で定義される清浄度(重み付清浄度)の適正範囲とを見出した。
(A系介在物の清浄度)×1+(B系介在物の清浄度)×3
+(C系介在物の清浄度)×1.5 ・・・(d)
ここで、上記の多項式の係数について考察する。亀裂は、前述のように、鋼管の外表面から鋼管の中心方向にほぼ垂直に入っていくのが一般的である。この場合の主応力方向を考え、その主応力により介在物に起因する応力集中を考える。
介在物の輪郭形状に起因する応力集中係数は、A系介在物、即ち、圧延方向に直線状に延ばされた介在物の場合は、継手の主応力負荷方向と介在物の延ばされた方向が平行であるため、その応力集中係数はほぼ1となると解される。A系介在物は主として硫化物系介在物である。
B系介在物、即ち、圧延方向に点列状に存在する介在物の場合、隣接する介在物間の界面の応力集中が大きくなるため応力集中係数はほぼ3になると解される。B系介在物は主としてAl系介在物である。
C系介在物、即ち、ランダムに分散し点在する介在物の場合、球状の介在物が多い。一方、球状ではなく角部を有する介在物も考えられるが、介在物の向きと負荷方向との関係で角部での応力状態は変化する。介在物の向きはランダムであり、平均的には応力集中係数は1.5になると解される。C系介在物は主としてCaO、CaSである。
このようにJISの評価法により介在物の輪郭形状パターンと清浄度が提示されたならば、前述のミクロ的な応力集中係数を重みとして使用することにより、前記の多項式、即ち、(a)式によって溶接継手部の繰り返し荷重による損傷の程度を評価できる。
前記の多項式で得られた値が0.1%を超えると、ミクロ的な応力集中が大きくなって溶接部の塑性変形能力が極めて低くなる。30以上の絞り値Raを確保するのが好ましいが、前記の多項式で得られた値が0.1%を超えるとその確保は困難になる。
一方、その多項式で得られる値が0.005%を下回ると、溶接施工時の高温環境下で結晶粒成長が介在物で阻害されることなく非常に大きな粒に成長し、結果として溶接部の衝撃特性が著しく劣化してしまう。
次に本発明鋼の化学組成について述べる。本発明にかかる鋼管の鋼成分の作用効果および含有量の限定理由は下記のとおりである。ここで成分含有量を表す%は、特に断らない限り質量%を意味する。
C:0.05〜0.18%
Cは、構造部材の強度確保に有効な元素である。その含有量が0.05%未満では強度向上の効果を得がたい。一方、Cの含有量が0.18%を超えると鋼管の焼入れ性が高まり溶接熱影響部の硬度が高くなり、鋼管の塑性変形能力に悪影響を及ぼす。したがって、Cの含有量を0.05〜0.18%とした。なお、強度確保と溶接性の両立を考慮すると、C含有量は0.07〜0.16%とすることが望ましい。
Si:0.001〜0.55%
Siは脱酸作用を有する。含有量が0.001%未満では脱酸作用が不十分である。しかし、その含有量が0.55%を超えると靭性が劣化する。したがって、Siの含有量を0.001〜0.55%とした。なおSiの含有量は0.01〜0.45%とするのがさらに望ましい。
Mn:0.8〜1.6%
Mnは強度の確保に有効な元素である。しかし、その含有量が0.8%未満ではその効果が十分ではない。一方、Mnの含有量が1.6%を超えると靭性が劣化する。したがって、Mnの含有量を:0.8〜1.6%とした。なお、Mnの含有量のさらに望ましい範囲は:1.0〜1.5%である。
P:0.020%以下
Pは、鋼中へ不可避的に混入されてしまう不純物元素である。破壊靱性面からは少ないほど望ましいが、経済性を考慮して許容上限を0.020%とした。好ましくは、0.012%以下である。
S:0.005%以下
Sも鋼中に不可避的に混入される不純物である。Sは偏析率が高く、かつ低融点物質を形成して凝固割れの原因となるため、極力少ない方がよい。さらに、Caとともに鋼管の外表面から鋼管の中心方向に深さ2mmまでの領域における介在物の清浄度に極めて強く影響するため、0.005%以下でなければならない。なお、Sの含有量は0.003%以下であることがさらに望ましい。
Al:0.001〜0.060%
Alは脱酸作用を有する。しかし、その含有量が0.001%未満ではその効果が十分ではなく、鋼中の酸化物が増加するため靭性が劣化する。一方、Alの含有量が0.060%を超えると靭性が低下する。したがって、Alの含有量を0.001〜0.060%とした。なお、Alの含有量は0.010〜0.050%とすることが一層望ましい。
Ti:0.005〜0.035%
Tiは、Nと結合してTiNを形成し溶接熱影響部における組織を細粒化する作用がある。細粒化は破壊単位の微細化にも繋がり、破壊抵抗を高めるのに有効である。含有量が少ないと細粒化の効果が不十分なため、最低含有量を0.005%とする必要がある。しかしながら、Tiの含有量が過多になると母材靱性を劣化させてしまい、かえって特性を劣化させてしまう。そこで上限値を0.035%とした。
N:0.0015〜0.006%
Nは、Tiと結合してTiNを形成し溶接熱影響部における組織を細粒化する作用がある。細粒化は破壊単位の微細化にも繋がり、破壊抵抗を高めるのに有効である。含有量が少ないと細粒化の効果が不十分なため、最低含有量を0.0015%とする必要がある。しかしながら、Nの含有量が過多になると鋳片の表面性状を劣化させてしまい、製造効率を阻害させてしまう。また、冷間加工による歪み時効により靭性を劣化させる問題もある。そこで上限値を0.006%とした。
O(酸素):0.0050%以下
酸素は不純物として含有するが、介在物の生成に極めて重要な働きをなす。本発明では表面下2mmまでの深さの領域における介在物を制御しているが、酸素は鋼管全体の介在物に影響するので、その含有量が少ない方が介在物の制御には有利である。ここでは経済性を考慮して、上限値を0.0050%と規定している。
fHAZ:0.46%以下
(a)式、すなわち、fHAZ=C+Mn/8+6P+6S+12N−4Tiで表される式であり、本式自身は鋼構造論文集No.8-Vol.32(2001)P17-31に公知である。CO溶接熱影響部においてvE0=70Jを確保するために0.46%以下とする。
Ceq:0.30〜0.45%
次の(b1)式又は(b2)式、すなわち、
Ceq=C+Si/24+Mn/6・・・・・・・・・・・・・・(b1)
Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(b2)
で表される式であり、JIS規格 G3136に規定されている「炭素当量」の式と同じである。Ceqが、0.30%を下回るとCO溶接において、溶接熱影響部の強度低下が大きいため下限を0.30%とした。また、0.45%を超えると溶接性が悪くなるため、これを上限とした。
なお、後述するとおり、本発明にかかる鋼管は、上記の成分のほか、さらにCu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、B、REM、CaおよびMgの中から選んだ1種または2種以上の成分を含有させても良い。上記(b1)式は鋼中にNi、Cr、Mo、Vのいずれも含有しない場合のCeqであり、鋼中にNi、Cr、Mo及びVのうちのいずれかを含有する場合には、(b1)式ではなく、(b2)式で表されるCeqでもって規定する。
Pcm:0.10〜0.29%
次の(c1)式〜(c4)式のいずれか、すなわち、
Pcm=C+Si/30+Mn/20・・・・・・・・・・・・・(c1)
Pcm=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10・・・・(c2)
Pcm=C+Si/30+Mn/20+5B・・・・・・・・・・・・・(c3)
Pcm=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B・・・・(c4)
で表される式であり、JIS規格 G3136に規定されている「溶接割れ感受性組成」の式と同じである。Pcmが0.10%を下回るとCO溶接において、溶接熱影響部の強度低下が大きいため下限を0.10%とした。また、0.29%を超えると溶接性が悪くなるため、これを上限とした。
なお、後述するとおり、本発明にかかる鋼管は、上記の成分のほか、さらにCu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、B、REM、CaおよびMgの中から選んだ1種または2種以上の成分を含有させても良い。上記(c1)式は鋼中にCu、Cr、Ni、Mo、V及びBのうちのいずれも含有しない場合のPcmであり、鋼中にCu、Cr、Ni、Mo及びVのうちのいずれかを含有する場合には、(c1)式ではなく、(c2)式で表されるPcmでもって規定する。また、鋼中にBを含有する場合には、(c1)式ではなく、(c3)式で表されるPcmでもって規定する。さらに、鋼中にCu、Cr、Ni、Mo及びVのうちのいずれか並びにBを含有する場合には、(c1)式ではなく、(c4)式で表されるPcmでもって規定する。
本発明にかかる鋼管は、上記の成分のほか、さらにCu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、B、REM、CaおよびMgの中から選んだ1種または2種以上の成分を含有させても良い。Cu、Ni、Cr、Mo及びVは主に強度の向上に、Bは焼入れ性の向上に、Nbは靱性の改善に、REM、CaおよびMgは溶接部の靱性改善に、それぞれ寄与する。以下、これらの成分の作用効果と含有量の限定理由を述べる。
Cu:0.6%以下
Cuは強度の確保および耐食性の改善に有効な元素である。しかし、Cu含有量が0.6%を超えると靱性の劣化を引き起こすので、含有させるときの含有量の上限を0.6%とした。なお、Cuの含有量の望ましい範囲は0.05〜0.6%、より望ましい範囲は0.1〜0.4%である。
Ni:1.0%以下
Niは強度の確保および靭性改善に有効な元素である。しかし、Ni含有量が1.0%を超えてもその効果が飽和するばかりか、コストの上昇を招く。したがって、含有させるときの含有量の上限1.0%とした。なお、Niの望ましい含有量は0.05〜1.0%、より望ましい含有量は0.1〜0.5%である。
Cr:0.5%以下
Crも、Cuと同様に強度の確保と耐食性の改善に有効な元素である。しかし、Cr含有量が0.5%を超えると靱性の劣化を引き起こすので、含有させるときの含有量の上限を0.5%とした。なお、Crの望ましい含有量は0.05〜0.5%、より望ましい含有量は0.1〜0.3%である。
Mo:0.5%以下、
Moは、焼入れ性を高め強度を改善するのに有効な元素である。しかし、Mo含有量が0.5%を超えると靱性の劣化を引き起こすばかりでなく、コストの上昇を招くため含有させるときの含有量の上限を0.5%とした。なお、Moの望ましい含有量は0.02〜0.5%、より望ましい含有量は0.05〜0.3%である。
V:0.06%以下
Vは、強度を高める作用があるので、構造物に大きな強度を確保する目的で含有させるが、その含有量が0.06%を超えると靭性の劣化を引き起こすため、含有させるときの含有量の上限を0.06%とした。なお、Vの望ましい含有量は0.005〜0.06%、より望ましい含有量は0.01〜0.04%である。
B:0.0030%以下
Bは、鋼の焼入れ性を高め、フェライト量を抑制する元素である。しかし、その含有量が0.0030%を超えると溶接部を硬化させてしまう。したがって、鋼管の塑性変形能力を確保するために、含有させるときの含有量の上限を0.0030%とした。なお、Bの望ましい含有量は0.0005〜0.0030%である。
Nb:0.06%以下
Nbは、靭性を確保するのに有効な元素である。しかし、その含有量が0.06%を超えるとかえって靭性が低下してしまう。したがって、含有させるときのNbの含有量の上限を0.06%とした。なお、Nbの望ましい含有量は0.005〜0.06%、より望ましい含有量は0.010〜0.04%である。
REM:0.0050%以下
REMは溶接部靱性を改善する効果があるので含有させてもよい。しかし、多量に含有させると母材靱性を損なうおそれがある。したがって、含有させるときの含有量の上限を0.0050%とした。REMの望ましい含有量は0.0007〜0.0050%である。なお、REMとは、前記のとおり、ランタノイドの15元素とYおよびScを合わせた17元素を意味する。
Ca:0.0050%以下
Caは溶接部靱性を改善する効果があるので含有させてもよい。しかし、多量に含有させると母材靱性を損なうおそれがある。したがって、含有させるときの含有量の上限を0.0050%とした。Caの望ましい含有量は0.0007〜0.0050%である。
Mg:0.0050%以下
Mgは溶接部靱性を改善する効果があるので含有させてもよい。しかし、多量に含有させると母材靱性を損なうおそれがある。したがって、含有させるときの含有量の上限を0.0050%とした。Mgの望ましい含有量は0.0007〜0.0050%である。
次に本発明にかかる鋼管の機械的性質について述べる。
降伏強度:325〜540MPa
降伏強度とは、鋼管に対しJIS G 3136(2005)に準じて引張り試験をおこなったときの降伏点又は耐力をいう。本発明の対象とするところは、325〜540MPaの降伏強度を有する鋼管である。325MPa未満では鋼管としての用途上強度不足であり、540MPaを超えると鋼管への加工が困難になる。
引張強度:490〜680MPa
引張強度とは、鋼管に対しJIS G 3136(2005)に準じて引張り試験をおこなったときの引張強さをいう。本発明の対象とするところは、490〜680MPaの引張強度を有する鋼管である。490MPa未満では鋼管としての用途上強度不足であり、680MPa以上になると鋼管への加工が困難になる。
降伏強度/引張強度の比:0.80以下
降伏強度/引張強度の比が低いほど柱や梁などの構造部材の塑性変形能力は大きい。本発明では0.80以下を確保する必要がある。なお、強度試験方法は、JIS G3136-2005に準じて行う。
鋼成分を前述のように、CO溶接熱影響部の靭性が確保できるように溶接性を確保しつつ、このように降伏強度、引張強度及び降伏強度/引張強度比を確保するためには、鋼成分に対し圧延条件や圧延後の水冷条件などを適正化する必要がある。
次に、本発明にかかる鋼管の製造方法について述べる。
本発明に係る塑性変形能力に優れた冷間加工成形鋼管を実現するには、例えば、特殊な条件を課した連続鋳造を経て、加速冷却装置を備えた熱間圧延設備を使用して製造することができる。その製造条件は以下に述べる条件で実施するのが好適である。
一般に鋼中の介在物は、精錬プロセスで溶鋼中に生成する場合と、連続鋳造時に鋳型内でモールドフラックスの溶融層が溶鋼中に巻き込まれる場合に発生することが知られている。
本発明で着目している表層の介在物は、前記の2つの原因のうち、モールドフラックスの巻き込まれによるものである。この巻き込まれを防止する対策としては、連続鋳造の際の鋳型内の溶鋼流動を適正な状態に維持すること、あるいはモールドフラックスの化学組成を適正な値に設計することが考えられる。
本発明者らは、本発明で注目している鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域という表層での介在物を抑制するには、モールドフラックスの化学組成を適正なものにすることが極めて効果的であることを見出した。具体的には、下記の表1に示すフラックスAが望ましい。即ち、通常のモールドフラックス(表1のフラックスB)の化学組成に対し、SiO、Al、MgO、NaOを抑制する一方で、CaOならびにFを増すことが必要である。
Figure 0004611250
上記のフラックスを用いて、連続鋳造法にてスラブを製造する。スラブサイズは、例えば、鋳込み厚250mm、鋳込み幅2300mmとし、鋳込み速度は1.1m/minとする。タンデッシュでのシールドガスとしては100%Arガスを使用し、ガス流量は100L/minに設定するのがよい。スラブ品質向上のため電磁ブレーキを用い、浸漬ノズルの吐出孔近傍にスラブ全幅に対し4機を連続配置するのが望ましい。
このようにして得られた連続鋳造スラブを1000〜1250℃に加熱した後に熱間圧延を施す。次いで、これを冷却するに際し、その冷却工程において650〜400℃の間の平均冷却速度を5℃/sec以上(より好ましいのは8〜25℃/sec)とする加速冷却を施し、この加速冷却を400℃以下の温度で停止する。その後、復熱温度幅が70℃以下となるようにして冷却を終了する。ここで、復熱温度幅とは、冷却を停止した時の到達温度と、冷却停止後に鋼板内部の熱で表面の温度が上昇し、安定した時の温度との差を意味する。
鋳造スラブの加熱温度が1000℃に満たない場合には圧延効率が悪くなり、一方、1250℃を超えると組織が粗大になり、靱性が劣化する。冷却過程の650〜400℃の間での平均冷却速度が5℃/secに満たない場合には、フェライト率が高くなり強度靱性バランスが芳しくない。好ましいのは25℃/sec以下である。加速冷却停止後、冷却終了までの間の復熱温度幅が70℃を超える場合には、鋼板の板厚方向の均質性に欠ける。加速冷却停止温度が400℃を超える温度の場合には、フェライト率が高くなり、やはり強度靱性バランスが劣る。好ましい停止温度は350℃以上である。
復熱温度幅を小さくするには、冷却中の鋼板表層と中心部の温度差を小さくするとともに、冷却終了時において、少なくとも表層部の相変態を終了させておく必要がある。鋼板表層と中心部の温度差を小さくするには、冷却帯の前段より後段の冷却速度を大きくするのがよい。また、加速冷却停止時に表層部の相変態を完了させるには、加速冷却の停止温度を400℃以下にする必要がある。
表2及び表3に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、表1に示したフラックスAとBを用い、前述の条件で連続鋳造を行ってスラブを作り、さらに各スラブを適当な板厚まで熱間圧延した。表4に鋼板の詳細な製造条件を示す。なお、表4における製造条件No.は、表2及び表3の鋼板の製造条件No.と同じである。
Figure 0004611250
Figure 0004611250
Figure 0004611250
上記のようにして準備した鋼板を用いて、厚み40mmのダイアフラム挟み鋼管を模した試験体を形成し絞り値Raを測定した。ここで、Raは、下記(e)式に基づいて、引張試験前の板厚T(mm)と、引張試験後の最小くびれ部分の板厚T(mm)から、計算される。図6に、引張試験の測定部位のTとTを示す。
Ra=(T−T)/T × 100(%)・・・・・・・(e)
引張試験体の形状と寸法を図7に示す。継手は隅肉溶接で製作した。溶接条件は表4に示すとおりである。
Figure 0004611250
表6及び表7に、表面から2mmの深さまでの領域の清浄度、前記(d)式で算出される重み付清浄度の値、Ra、HAZ靭性の測定結果を記す。なお、表6及び表7中の「HAZ1mm」とは、溶接熱影響部(HAZ)の特性を評価するに当たり、溶接による溶融線(Fusion Line)から1mmの位置を評価対象位置としたことを意味する。
Figure 0004611250
Figure 0004611250
表6から分かるように、本発明の範囲内にあるものは、継手引張絞り値Raが高く、これにより、累積組成変形倍率が高い、すなわち塑性変形能力も高いと考えることができ、また70J以上のHAZ靭性が得られる。
一方、表7から分かるように、本発明の組成範囲内のものでも、鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域における清浄度の悪いもの((d)式の数値が0.1を超えるもの)は、引張絞り値Raは低く、これにより、累積組成変形倍率ηが低い、すなわち塑性変形能力も低いと推察される。また、本発明の組成範囲外のものは、たとえ、鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域における清浄度がよくても、HAZ靭性が低下するなどの影響があった。
本発明にかかる冷間加工成形鋼管は、その塑性変形性能がきわめて優れている。したがって、本発明にかかる冷間加工成形鋼管は、建設構造物、橋梁などの産業分野で使用することにより、これら耐震性能を著しく向上させることができ、建物など構造物の安全性に大きく寄与する。
鋼管の塑性変形能力測定のための繰り返し載荷の模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図を示す。 繰り返し載荷の結果、亀裂が発生し、破断した断面の写真である。 亀裂が発生するまでに描かれる履歴ループを示す。 成分の異なる鋼管について累積塑性変形倍率ηと絞り値Raの関係を示した図である。 鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域の鋼の清浄度と絞り値Raとの関係を示した図である。 引張試験の測定部位のTとTを示す。 引張試験体の形状と寸法を示す。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.18%、Si:0.001〜0.55%、Mn:0.8〜1.6%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.001〜0.060%、Ti:0.005〜0.035%、N:0.0015〜0.006%及びO(酸素):0.0050%以下を含有し、残部Fe及び不純物からなり、下記の(a)式で定義されるfHAZが0.46%以下、下記の(b1)式で定義されるCeqが0.30〜0.45%、下記の(c1)式で定義されるPcmが0.10〜0.29%、鋼管の外表面から鋼管の中心方向に2mmの深さまでの領域における下記の(d)式で定義される清浄度が0.005〜0.1%であって、降伏強度が325〜540MPa、引張強度が490〜680MPaかつ降伏強度/引張強度の比が0.80以下であることを特徴とする肉厚16〜100mmの冷間加工成形鋼管。
    fHAZ=C+Mn/8+6P+6S+12N−4Ti・・・・・・(a)
    Ceq=C+Si/24+Mn/6・・・・・・・・・・・・・・(b1)
    Pcm=C+Si/30+Mn/20・・・・・・・・・・・・・(c1)
    (A系介在物の清浄度)×1+(B系介在物の清浄度)×3
    +(C系介在物の清浄度)×1.5 ・・・(d)
    ただし、式中の各元素記号は各元素の鋼中における含有量(質量%)を表す。また、A系介在物、B系介在物およびC系介在物は、JIS G0555に定義されるものであり、それぞれの清浄度はJIS G0555の附属書1に定められる評価法によって求める。
  2. 質量%で、さらにCu:0.6%以下、Ni:1.0%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、V:0.06%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の冷間加工成形鋼管。
    ただし、Ceq及びPcmは、それぞれ、下記(b2)式及び(c2)式で定義される。
    Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14・・・(b2)
    Pcm=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10・・・・(c2)
    なお、式中の各元素記号は各元素の鋼中における含有量(質量%)を表す。
  3. 質量%で、さらにB:0.0030%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載の冷間加工成形鋼管。
    ただし、Pcmは下記(c3)式で定義される。
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+5B・・・・・・・・・・・・・(c3)
    なお、式中の各元素記号は各元素の鋼中における含有量(質量%)を表す。
  4. 質量%で、さらにB:0.0030%以下を含有することを特徴とする請求項2に記載の冷間加工成形鋼管。
    ただし、Pcmは(c4)式で定義される。
    Pcm=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B・・・・(c4)
    なお、式中の各元素記号は各元素の鋼中における含有量(質量%)を表す。
  5. 質量%で、さらにNb:0.06%以下を含有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の冷間加工成形鋼管。
  6. 質量%で、さらにREM:0.0050%以下、Ca:0.0050%以下、Mg:0.0050%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の冷間加工成形鋼管。
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