JPH1081706A - (メタ)アクリル単量体及びビニル単量体を制御下でラジカル重合又は共重合する方法並びに該方法により得られる(共)重合体 - Google Patents

(メタ)アクリル単量体及びビニル単量体を制御下でラジカル重合又は共重合する方法並びに該方法により得られる(共)重合体

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JPH1081706A
JPH1081706A JP9187749A JP18774997A JPH1081706A JP H1081706 A JPH1081706 A JP H1081706A JP 9187749 A JP9187749 A JP 9187749A JP 18774997 A JP18774997 A JP 18774997A JP H1081706 A JPH1081706 A JP H1081706A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の重合パラメータに関してより良い制御
が行え、しかもブロック共重合体が得られるラジカル重
合法及び該方法により得られる(共)重合体を提供す
る。 【解決手段】 塩化アレーンスルホニル以外の少なくと
も一つのラジカル発生剤化合物と、次式(I):MAa(L)
n〔式中、MはNi、Pd、又はPtを表し;Aはハロゲン又は
擬ハロゲン化物を表し;Lは金属Mの配位子を表すが、
N、P、As、Sb、及びBiのうちの少なくとも一つを含有す
る配位子から独立して選ばれ、これらの配位子のうちの
少なくとも二つが、一つ以上の二価基によって互いに連
結されていてもよく;aは1から5までの整数であり;nは
1から4までの整数であり;錯体の配位数を表すa+nは4≦
a+n≦6である〕で表される金属錯体を有する少なくとも
一つの触媒とを含んでなる開始剤系の存在下で、0℃程
度に低くてもよい温度において、少なくとも一つの(メ
タ)アクリル単量体及び/又はビニル単量体をバルク、
溶液、乳濁液、又は懸濁液中で重合又は共重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
単量体及び/又はビニル(例えば、ビニル芳香族)単量
体を制御下でラジカル重合又は共重合する方法、並びに
該方法により得られる重合体又は共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ラジカル重合は工業的に最も頻繁に利用
される重合方法の一つであるが、こうして利用される理
由は、重合できる単量体が多岐に渡ること、実施が容易
なこと、及びいくつかの合成方法(バルク重合、乳化重
合、溶液重合、又懸濁重合)が容易に利用できることで
ある。しかしながら、標準的なラジカル重合では、重合
体鎖のサイズ及び分子量の分布を制御するのは困難であ
る。従って、こうした高分子から成る物質では、物理化
学的性質を制御できない。更に、標準的なラジカル重合
法ではブロック共重合体が得られない。
【0003】イオン重合又は配位重合それ自体は単量体
の添加工程の制御が可能であるが、これらの重合では、
重合条件に注意する必要がある。特に、高純度の単量体
及び反応物、並びに不活性雰囲気が必要である。重合を
制御するために、レドックス反応により原子又は原子団
を可逆的に移動させるという考え方が利用される。金属
錯体は、重合中に二つの酸化状態の間を永久的に行き来
する。こうした考え方は、有機化学において広範に検討
されてきたが、これは1947年にKharaschによりポリハロ
メタンのオレフィンへの付加に関連して見出されたもの
である。
【0004】以下の系を巧みに利用して重合の制御がな
されてきた。 (i)アルミニウム誘導体を存在させたRuCl2(PPh3)3系:
アルミニウム誘導体を利用するこの種の系は、酸素や湿
気に影響され易い。 (ii)CuCl/ビピリジン系:銅系は、スチレンに対して
は、例えば100℃を超える高温で利用される。ビピリジ
ンを配位子とした場合、その錯体は単量体に溶解しな
い。溶解させるためには、ジノニルビピリジンなどの置
換ビピリジンを使用する必要がある。
【0005】現在のところ、ラジカル重合を制御する目
的でニッケル錯体を利用するという文献はほとんどな
い。しかしながら、以下の例を挙げることができる。 (i)ニッケルの有機金属錯体(従って、金属−炭素結合
が含まれる)であるVan Koten錯体の利用例があるが、
合成に時間がかかり(特に出発原料となる配位子を合成
するのに数工程が必要となる)、そのうえ酸素に影響さ
れ易いために嫌気条件下で使用しなければならないとい
う欠点を有する。 (ii)酸化状態(0)まで還元されたニッケルを、ハロゲン
化アルキルの存在下で使用(Otsu, T., Chem. Express
1990, 5, 801 又は Otsu, T., J. Macromol. Sci. Che
m. 1969,3 177)してメタクリル酸メチルのリビング重
合が行われたが、この場合は双峰分布となる。同様に、
活性化されたニッケル金属を、ハロゲン化アルキルの存
在下で開始剤として機能させて(Otsu, T., J. Polym.
Sci., Polym.Lett. 1967,5, 697 又は Otsu, T., J. Po
lym. Sci. Part A1, 1970,8, 785)、メタクリル酸メチ
ルの重合を行うことも可能であるが、リビング特性に関
する報告はない。
【0006】酸化状態(0)の他のニッケル錯体、例え
ば、Ni[P(OR)3]4 (Hargreaves, K., J. Polym. Sci. P
olym. Chem. 1988, 26, 465)又はNi[CO]4(Bamford,
C. H., Trans. Farad. Soc. 1970,66, 2598)が、ビニ
ル単量体の開始剤としてハロゲン化アルキルの存在下で
試験されたが、リビング特性については報告されていな
い。
【0007】NiX2(PPh3)2型錯体を用いてKharasch付加
が行われたが(Inoue, Y., Chem. Lett. 1987,367)、
制御下におけるラジカル重合は行われていない。Percec
ら(Macromolecules 1996,29,3665-3668)は、これらの
錯体を利用してカラーシ(Kharasch)付加を行い、塩化
アレーンスルホニルを用いた場合に、スチレンの重合が
制御できないと述べている。こうした錯体およびラジカ
ル発生剤を用いて、特にCBrCl3などのハロゲン化アルキ
ルを用いて重合の良好な制御(即ち、リビング特性)を
行った例は報告されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した種々のパラメータに関してより良い制御が行え、し
かもブロック共重合体が得られるラジカル重合を実施で
きるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、(メ
タ)アクリル単量体及び/又はビニル単量体を制御下で
ラジカル重合又は共重合する方法によって達成される
が、該方法は、以下の化合物を含む開始剤系の存在下
で、0℃程度に低くてもよい温度において、少なくとも
一つの該単量体をバルク、溶液、乳濁液、又は懸濁液中
で重合又は共重合することを特徴とする。該開始剤系に
含まれる化合物は以下の通りである。 (1)塩化アレーンスルホニル以外の少なくとも一つのラ
ジカル発生剤化合物。 (2)以下の式(I):MAa(L)n (I) 〔式中、MはNi、Pd、又はPtを表し;Aはハロゲン又は擬
ハロゲン化物を表し;Lは金属Mの配位子を表すが、N、
P、As、Sb、及びBiのうちの少なくとも一つを含有する
配位子から独立して選ばれ、これらの配位子のうちの少
なくとも二つが、一つ以上の二価基によって互いに連結
されていてもよく;aは1から5までの整数であり;nは1
から4までの整数であり;この錯体の配位数を表すa+n
は、4≦a+n≦6である〕で表される金属錯体からなる少
なくとも一つの触媒。
【0010】
【発明の実施の形態】Mは好ましくはNiを表す。Aは特に
Cl、Br、F、及びIから選ばれるハロゲンを表すか、又は
特にCN、NCS、NO2、及びN3から選ばれる擬ハロゲン化物
を表す。式(I)で表される錯体のジオメトリーは、平面
四角形若しくは四方錐、四面体、又は八面体であっても
よい。従って、本発明の錯体は、4≦a+n≦6、好ましく
はa+n=4である。
【0011】配位子Lを連結し得る二価基としては、例
えば、メチレン(-CH2-)基、エチレン(-CH2CH2-)
基、又はトリメチレン(-CH2-CH2-CH2-)基などのアル
キレン基が挙げられるが、これらの基自体が例えば、C1
〜C14アルキル基又はアリール基で置換されていてもよ
い。ホスフィン、アルシン、スチビン、ホスフィト、窒
素含有配位子、及びリンと砒素の両方又はリンと窒素の
両方を含有する混合配位子から独立して配位子を選んで
もよいが、これらの配位子すべてにO又はSなどの少なく
とも一つのヘテロ原子を含有させることも可能である。
【0012】ホスフィン配位子がモノホスフィンPRR'R"
であってもよい。R、R'、及びR"はそれぞれ独立して、C
1〜C14アルキル基〔SO3 -基、COOH基、アルコキシ基、若
しくはアルキル-S-基で置換されていてもよい〕、又は
芳香族基〔特にハロゲン(例えば、Cl、Br、又はF)、
アルキル基、CF3基、アルコキシ基、NO2基、若しくはSO
3 -基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されて
いてもよい〕を表す。R、R'、及びR"のうちの少なくと
も一つがCl、Brなどのハロゲンであるか、又はHを表し
てもよい。更に、これらの配位子のうちの少なくとも二
つを少なくとも一つの二価基で連結させて、ポリホスフ
ィン〔N、P、S、又はOなどの少なくとも一つのヘテロ原
子を含んでいてもよい〕を形成することも可能である。
【0013】R、R'、及びR"の定義に含まれる任意に置
換されたアルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、n-プロピル基、n-ブチル基、及びNCCH2CH2-基が
挙げられ、任意に置換された芳香族基としては、例え
ば、フェニル基、1-ナフチル基、p-FC6H4基、m-ClC6H4
基、o-CH3OC6H4基、p-CF3C6H4基、2,4,6-トリメトキシ
フェニル基、C6F5基、o-CH3C6H4基、p-CH3C6H4基、m-CH
3C6H4基が挙げられる。
【0014】また、トリフェニルホスフィンモノスルホ
ン酸ナトリウム(TPPMS)又はトリフェニルホスフィン
トリスルホン酸ナトリウム(TPPTS):
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】などの溶解を目的とする基を有するモノホ
スフィン、及び(S)-(+)-ネオメンチルジフェニルホスフ
ィン((S)-NMDPP)(CAS番号=43077-29-8)などのキラ
ルモノホスフィンを挙げることもできる。更に、O-SMe-
C6H4-P-Ph2及びO-SMe-C6H4-PPh-C6H4-O-SMeを挙げるこ
ともできる。
【0018】ポリホスフィンとしては、以下の一般式:
【0019】
【化9】
【0020】〔式中、R'1及びR'2はそれぞれ独立してア
ルキル基、置換アルキル基、-COOH又は-NH2基を有する
アルキル基、C6H5基などのアリール基又は置換アリール
を表し;Y1は、 ・アルキレン基;置換アルキレン基; ・アリーレン基;置換アリーレン基; ・ビナフチル基; ・1,2-シクロペンチル基; ・-(CR'3R4')n-Z-(CR'5R'6)m-基 {但し、R'3〜R'6はそれぞれ独立してH又はアルキル基
を表し;n及びmはそれぞれ0〜3の整数を表し、Zは次
式:
【0021】
【化10】
【0022】の化合物、ピリジル基、又はフェニレン基
を表す}; ・-[(CR'7R'8)p-T]q-(CR'9R'10)r-基 {但し、R'7〜R'10はそれぞれ独立してH又はアルキル基
を表し;p、q、及びrはそれぞれ1〜5の整数を表し;Tは
-O-基、-S-基、-NR'11-基、又は-PR'12-基(但し、R'11
及びR'12はそれぞれC1〜C14アルキル基又はアリール基
を表す)を表す}; ・次式:
【0023】
【化11】
【0024】の化合物; ・-C6H4-CH=CH-C6H4-; を表す〕で表される化合物が挙げられる。特に、以下の
化合物が挙げられる: (i)ジホスフィン(以下に例を示す): ・Me2PCH2CH2PMe2; ・Ph2PCH2PPh2; ・Ph2PCH2CH2PPh2; ・Ph2P(CH2)nPPh2(但し、n=3〜14); ・(C6F5)2PCH2CH2P(C6F5)2; ・重合における立体特異性に寄与しうるキラルジホスフ
ィン(以下に例を示す):(4R,5R)-(-)-O-イソプロピリデ
ン-2,3-ジヒドロキシ-1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)
ブタン((R,R)-DIOP)(CAS番号=37002-48-5);(4S,5
S)-(+)-O-イソプロピリデン-2,3-ジヒドロキシ-1,4-ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)ブタン((S,S)-DIOP);(R)-
(+)-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチ
ル((R)-BINAP)(CAS番号=76189-55-4);(S)-(-)-2,
2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル((S)
-BINAP)(CAS番号=76189-56-5);(2S,3S)-(-)-ビス
(ジフェニルホスフィノ)ブタン((S,S)-CHIRAPHOS)(C
AS番号=648976-28-2);(2S,4S)-(-)-2,4-ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)ペンタン((S,S)-BDPP)(CAS番号=77
876-39-2);R-(+)-1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)プ
ロパン((R)-PROPHOS)(CAS番号=67884-32-6); 次式:
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】
【化17】
【0031】で表されるジホスフィン; ・ヘテロ原子を含有するジホスフィン(以下に例を示
す):Ph2PCH2CH2OCH2CH2PPh2;Ph2PCH2CH2OCH2CH2OCH2
CH2PPh2;Ph(CH2COOH)PCH2CH2P(CH2COOH)Ph;Ph2P(CH2)
nS(CH2)mS(CH2)pPPh2(但し、n、m、及びpはそれぞれ独
立して2又は3を表す); 次式:
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
【化20】
【0035】で表されるジホスフィン; (ii)トリホスフィン(以下に例を示す):
【0036】
【化21】
【0037】
【化22】
【0038】
【化23】
【0039】(但し、PPh2はPPhMe又はPMe2と置換可能
である)。更にまた、配位子として以下の化合物が挙げ
られる: (i)アルシン(以下に例を示す):MePhAsC2H4AsPhMe;M
ePhAsC3H6AsPhMe;cis-Me2AsC2H2AsMe2;trans-Me2AsC2
H2AsMe2; 次式:
【0040】
【化24】
【0041】で表される配位子; (ii)Me2SbCH2CH2CH2SbMe2などのスチビン; (iii)次式:
【0042】
【化25】
【0043】で表される混合配位子。P及びAsの両方を
含有する配位子としては、以下の化合物が挙げられる:
【0044】
【化26】
【0045】
【化27】
【0046】
【化28】
【0047】
【化29】
【0048】
【化30】
【0049】
【化31】
【0050】
【化32】
【0051】
【化33】
【0052】
【化34】
【0053】
【化35】
【0054】
【化36】
【0055】
【化37】
【0056】
【化38】
【0057】
【化39】
【0058】
【化40】
【0059】
【化41】
【0060】更にまた、C=N結合を有するシッフ(Schif
f)塩基などの窒素含有配位子が挙げられる(以下に例を
示す): (i) C=N結合を一つ有する次式:
【0061】
【化42】
【0062】で表される配位子; (ii) C=N結合を二つ有する次式: R1-C=N-(CR2R3)n-N=C-R4 〔式中、R1〜R4はそれぞれアルキル基及びアリール基か
ら選ばれ; n=1〜10である〕で表される配位子、例え
ば、次式:
【0063】
【化43】
【0064】で表される配位子。更にまた、以下に示す
三座シッフ塩基から錯体を形成することもできる: 次式:
【0065】
【化44】
【0066】で表される配位子。〔この配位子を有する
錯体としては、 が挙げられる〕; 次式:
【0067】
【化45】
【0068】で表される配位子。〔この配位子を有する
錯体としては、 が挙げられる〕; 次式:
【0069】
【化46】
【0070】で表される配位子。〔この配位子を有する
錯体としては、 が挙げられる〕; 次式:
【0071】
【化47】
【0072】で表される配位子。〔この配位子を有する
錯体としては、 が挙げられる〕;さらに、以下の配位子を利用すること
もできる: 次式:
【0073】
【化48】
【0074】で表される配位子。〔この配位子を有する
錯体としては、 が挙げられる〕; 次式:
【0075】
【化49】
【0076】で表される配位子。〔この配位子を有する
錯体としては、 が挙げられる〕; 次式:
【0077】
【化50】
【0078】で表される配位子。〔この配位子を有する
錯体としては、 が挙げられる〕; 次式:
【0079】
【化51】
【0080】で表される配位子。〔この配位子を有する
錯体としては、 が挙げられる〕; 次式:
【0081】
【化52】
【0082】で表される配位子。 次式:
【0083】
【化53】
【0084】で表される配位子。 次式:
【0085】
【化54】
【0086】で表される配位子。 次式:
【0087】
【化55】
【0088】で表される配位子。 次式:
【0089】
【化56】
【0090】で表される配位子。更にまた、以下の式で
表される配位子も利用できる:
【0091】
【化57】
【0092】〔式中、(i) R1は、
【0093】
【化58】
【0094】を表し、R2は、
【0095】
【化59】
【0096】を表し、R3、R3'、及びR3"はそれぞれ独立
してH、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、また
はハロゲンである。または、(ii) R1は、
【0097】
【化60】
【0098】を表し、R2及びR2'は同じであり、水素、C
1〜C4低級アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、及びハロ
ゲンから選ばれる基を表す〕で表される配位子。 ま
た、配位子はホスフィトP(OR)(OR')(OR")の系統から選
ぶことが可能である。R、R'、及びR"は、n-ブチル基、
イソプロピル基、エチル基、メチル基、(CH3)3CCH2-
基、及びC6H4基から独立して選ばれる。
【0099】ホスフィンなどの配位子を、無機又は有機
担体にグラフトしてもよい。例えば、トリフェニルホス
フィンを、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体にグラ
フトしてもよい。化合物(I)としては、例えば、NiX2(PP
h3)2及び以下の化合物が挙げられる: 次式:
【0100】
【化61】
【0101】で表される化合物。 次式:
【0102】
【化62】
【0103】で表される化合物。 次式:
【0104】
【化63】
【0105】で表される化合物。 次式:
【0106】
【化64】
【0107】で表される化合物。 次式:
【0108】
【化65】
【0109】で表される化合物。 次式:
【0110】
【化66】
【0111】で表される化合物。 次式:
【0112】
【化67】
【0113】で表される化合物。NiX2(PPh3)2は特に好
ましい錯体である。なぜなら、この錯体は、水や酸素の
影響を受けにくく、従って、例えば、チーグラー‐ナッ
タ型の触媒を用いたときのような厳しい重合条件が不要
となるからである。更に、こうした錯体は、単純で、安
価で、しかも市販品として容易に入手できる。この錯体
は、合成が容易であり、二種の反応物(Ni塩及びホスフ
ィン)を一緒に混ぜるだけで調製できる(Acta Chem Sc
and. 1949,3, 474)。このホスフィンが、トリフェニル
ホスフィンの場合のように、自然発火しない場合には、
調製が更に簡単になる。
【0114】更に、式(I)の錯体は、単量体、特に極性
単量体の配位能力を高めるカチオン電荷を有していても
よい。このカチオン電荷は、例えば、AgBPh4、AgBF4、T
lBF4、若しくはTlBPh4、又はそれらの代わりにAgB(C
6F5)4若しくはAgCF3SO3を使用して、ハロ配位子を引き
抜くことによって得られる。触媒はラジカル発生剤とし
ては働かないので、そうした化合物と併用することが必
須である。ラジカル発生剤と上述の金属種Mとの反応に
より、制御下で重合が行えるようになる。こうすると、
単量体(場合によっては最初の単量体とは異なる単量
体)の追加分を添加することによって、重合を継続させ
ることが可能となる。この単量体が最初の単量体と異な
る場合、しかも最初の単量体が消費されてから(又は約
80%〜100%、好ましくは95%の高い転化率まで消費されて
から)この単量体を添加する場合には、ブロック共重合
体が得られる。この単量体を最初の単量体と同時に添加
する場合は、共重合がランダムに行われるため、ランダ
ム共重合体が得られる。ブロック共重合体の調製に対し
ては、2種以上の触媒の混合物を使用することが考えら
れ、その際は異なる触媒(但し、本発明の範囲内で定義
されたタイプの触媒であって、既に存在する触媒よりも
この触媒の方が活性が高くなるようにする必要がある)
の存在下で単量体の第2の添加量を添加する。この操作
を繰り返すことによって、所望の新しい配列を個々に調
製することが可能となる。
【0115】本発明によると、特に好適なラジカル発生
剤化合物はハロ化合物であり、このハロ化合物中の一つ
または複数のハロゲンに対してα位にある炭素原子は電
子供与的効果及び/又は電子吸引的効果によって活性化
されている。とりわけ以下に示す化合物が好適である。
ラジカル発生剤が単官能性である場合は、以下の化合物
クラスからラジカル発生剤を選ぶことが可能である。 (a)式: CYZ3 〔式中、Y=Cl、Br、I、F、H、又は-CR1R2OH(但し、R1
及びR2はそれぞれ独立して水素又はC1〜C14アルキル基
を表す)、Z=Cl又はBr〕で表される化合物(例えば、
四塩化炭素、クロロホルム、四臭化炭素、ブロモトリク
ロロメタン、及び2,2,2-トリブロモエタノール); (b)式: R3CCl3 〔式中、R3はフェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、
アルコキシカルボニル基、R4CO基(但し、R4はC1〜C14
アルキル基又はアリール基を表す)、アルキル基、メシ
チル基、トリフルオロメチル基、又はニトロ基を表す〕
で表される化合物(例えば、α,α,α-トリクロロトル
エン、α,α,α-トリクロロアセトフェノン、トリクロ
ロ酢酸エチル、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,1-トリク
ロロ-2-フェニルエタン、トリクロロメチルメシチレ
ン、1,1,1-トリクロロ-2,2,2-トリフルオロエタン、及
びトリクロロニトロメタン); (c)式:
【0116】
【化68】
【0117】〔式中、Qは塩素原子、臭素原子、アセテ
ート(-O-C(=O)-CH3)基、トリフルオロアセテート(-O
-C(=O)-CF3)基、又はトリフレート(O3SCF3)基を表
し、R5は水素原子、C1〜C14アルキル基、芳香族基(例
えば、ベンゼン型、アントラセン型、又はナフタレン型
の芳香族基)、又は-CH2OH基を表し、Tは-C(=O)-O-R7
(但し、R7は水素、アルキル基、又は芳香族基を表
す)、CN基、-C(=O)-R8基(但し、R8はC1〜C14アルキル
基、フェニル基、又はイソシアネート基を表す)、ヒド
ロキシル基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、C1
C14アルコキシ基、又はR9CO基(但し、R9はC1〜C14アル
キル基又はアリール基を表す)を表し、R6はR5若しくは
Qの定義の範囲内にある基、或いはヒドロキシル基、ニ
トロ基、置換若しくは無置換アミノ基、C1〜C14アルコ
キシ基、アシル基、カルボン酸基、又はエステル基など
の官能基を表す〕で表される化合物(例えば、2-ブロモ
プロピオン酸、2-ブロモブタン酸、2-ブロモヘキサン
酸、2-ブロモ-2-メチルプロピオン酸エチル、ブロモア
セトニトリル、2-ブロモプロピオニトリル、2-ブロモイ
ソブチロフェノン、クロロアセチルイソシアネート、2-
ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、及び2-ブロモ
-2-ニトロプロパン); (d)α-ハロラクトン又はラクタム化合物(例えば、α-
ブロモ-α-メチル-γ-ブチロラクトン若しくはα-ブロ
モ-γ-バレロラクトン、又はハロゲン化ラウリルラクタ
ム若しくはハロゲン化カプロラクタム); (e)N-ハロスクシンイミド(例えば、N-ブロモスクシン
イミド)及びN-ハロフタルイミド(例えば、N-ブロモフ
タルイミド); (f)ハロゲン化(塩化及び臭化)アルキルスルホニル
(但し、アルキル基は特にC1〜C14である); (g)式:
【0118】
【化69】
【0119】〔式中、R10は水素原子、C1〜C14アルキル
基、カルボン酸基、エステル基、ニトリル基、又はケト
ン基を表し、R11は水素原子、C1〜C14アルキル基、ヒド
ロキシル基、アシル基、置換若しくは無置換アミノ基、
ニトロ基、C1〜C14アルコキシ基、又はスルホネート(S
O3 -Na+若しくはK+)基を表し、Qは上記の通りである〕
で表される化合物; (h)式: R12-C(=O)-W 〔式中、R12はC1〜C14アルキル基又はアリール基を表
し、Wはハロゲン(好ましくはCl及びBr)又は擬ハロゲ
ン(例えば、N3若しくはSCN)を表す〕で表される化合
物; (i)式:
【0120】
【化70】
【0121】〔式中、R13、R14、及びR15はそれぞれ独
立してC1〜C14アルキル基又はアリール基を表し、Vはハ
ロゲン(好ましくはCl若しくはBr)、アセテート基、ト
リフルオロアセテート基、又はトリフレート基を表す〕
で表される化合物; (j)式: Ar-U 〔式中、ArはC6H5-などの芳香族基を表し(但し、NO2
NO3、若しくはSO3などの電子吸引性基、又はアルキル基
若しくは-ONa基などの電子供与性基によって、メタ位、
オルト位、又はパラ位が置換されていてもよい)、Uは
ハロゲン(好ましくはCl又はBr)を表す〕で表される芳
香族ハロゲン化物。
【0122】二官能性ラジカル発生剤及びそれ以上の官
能性を有するラジカル発生剤の使用も考えられる。二官
能性ラジカル発生剤は、次式: A1-(CH2)p-A2 〔式中、pは1〜14の整数である〕
【0123】
【化71】
【0124】
【化72】
【0125】〔式中、q及びrはそれぞれ独立して1〜14
の整数を表す〕で表されるメチレン単位の鎖又はベンゼ
ン環或いはこれら二つの組合せによって連結した、上述
の化合物クラス(c)〜(j)から誘導される二つの単官能性
ラジカル発生剤A1及びA2からなっていてもよい。A1及び
A2を化合物クラス(c)から誘導する場合は、二官能性ラ
ジカル発生剤が次式:
【0126】
【化73】
【0127】〔式中、T'及びT"は、それぞれ独立してT
の定義の範囲内にある基を表し、Q'及びQ"は、それぞれ
独立してQの定義の範囲内にある基を表し、R6,及びR6,,
は、それぞれ独立してR6の定義の範囲内にある基を表
し、R16は、-(CH2)p-基、
【0128】
【化74】
【0129】又は
【0130】
【化75】
【0131】で表される基である(但し、p、q、及びr
は先に定義した通りである)〕で表される化合物であっ
てもよい。二官能性開始剤としては、例えば、次式:
【0132】
【化76】
【0133】
【化77】
【0134】
【化78】
【0135】
【化79】
【0136】〔式中、X=ハロゲン(Br、Clなど)、v=
1〜10の整数〕で表される化合物が挙げられる。二官能
性開始剤を使用すると、A(b)B(b)A型の三ブロック共重
合体の調製が可能となるが、この場合は、単量体Aの重
合を開始させる働きをする中央の二官能性ブロックを最
初に合成する。
【0137】多官能性ラジカル発生剤化合物は、上述の
化合物クラス(c)〜(j)から誘導される少なくとも三つの
単官能性ラジカル発生剤A1、A2、及びA3を、ベンゼン環
によって、例えば、次式:
【0138】
【化80】
【0139】に対応するベンゼン環によって、互いに連
結したものから構成することが可能である。その他の二
官能性ラジカル発生剤化合物としては、上述の化合物ク
ラス(a)及び(b)に属するトリ又はテトラハロメタン及び
トリクロロメチル誘導体が挙げられるが、更に、同じト
リ及びテトラハロメタンを多官能性ラジカル発生剤化合
物として機能させることも可能である。
【0140】上記以外の二官能性ラジカル発生剤化合
物、特に、無水クロロ酢酸及び無水クロロジフルオロ酢
酸などの無水酢酸類に属するラジカル発生剤化合物を使
用することも可能である。本発明の特定の実施態様によ
れば、ラジカル発生剤はまた、鎖末端の一つに臭素など
のハロゲン原子を有するポリラクトン、例えば、ポリ
(ε−カプロラクトン)などのポリカプロラクトンであ
ってもよい。なぜなら、これらの化合物は、ハロゲン原
子を有するアルコキシド又はカルボキシレートを用いた
開環重合によって得られるからである。従って、例え
ば、トリアルキルアルミニウム(トリメチルアルミニウ
ム若しくはトリイソプロピルアルミニウム)又はアルミ
ニウムアルコキシド(アルミニウムトリエトキシド)な
どのプロトン引抜剤と予め反応させたハロアルコール
(例えば、トルブロモエタノール(実施例13))などを
使用することが可能である。ハロカルボキシレートもま
た、Comprehensive PolymerScience,第3巻, Pergamon P
ress刊, 第1版, 1989年, 463頁に教示があるように、ラ
クトンの重合を開始させる働きをする。ラクトンとして
は、例えば、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクト
ン、又はα,α'-ビス(クロロメチル)-β-プロピオラク
トンが挙げられる。
【0141】こうしたポリラクトンを本発明に係る触媒
を用いて活性化させて使用すると、実施例13に示すよう
に、特定のブロック重合体を調製することができるよう
になる。重合体鎖の長さは、1種又は複数種の(メタ)
アクリル単量体又はビニル単量体の1種又は複数種のラ
ジカル発生剤化合物に対するモル比によって予め決まる
ので、この比を1〜100,000、有利な範囲としては50〜2,
000とする。金属Mのラジカル発生剤(1種又は複数種)
に対するモル比については、その値を一般的には0.01〜
100、有利な範囲としては0.01〜20とする。
【0142】重合又は共重合の温度は極めて重要な因子
であり、これによって本発明の方法と現在知られている
触媒系を使用する方法とが区別される。公知の触媒を使
用する方法では、活性化剤が存在しない場合、約100℃
未満の温度において触媒が不活性となる。例えば、50℃
においてCuCl/2,2'-ビピリジン触媒では重合が起こら
ず、活性化剤が存在しない場合、RuCl2(PPh3)3触媒では
数日間反応させても重合しない。大気圧下で温度を0℃
程度まで低下させても合成中に活性を保持できるような
触媒はほとんどないので、本発明では温和な反応条件が
重要な点であると言える。この利点は特に重要であり、
重合反応又は共重合反応の立体制御が温度の低下によっ
て促進されるため、こうした場合には益々その重要性が
増大する。その他に、バルク中での反応条件(即ち、純
粋な単量体(1種又は複数種)中)と、溶液、乳濁液、
又は懸濁液中での反応条件とは一般に同じである。いか
なる反応方法を利用するにしても、温度及びすべてのモ
ル比を同じにすることが可能である。純粋な単量体中で
危険を伴わずに操作できることは、明らかに標準的なラ
ジカル重合に対する改良点である。停止反応が存在しな
いので、重合反応又は共重合反応中は常に活性中心の濃
度が一定である。従って、標準的なラジカル重合に見ら
れた高熱かつ突然の発熱(即ち、トロムスドルフ(Trom
msdorf)効果)は生じない。このことによって、製造方
法が重要な進歩を遂げたことになる。なぜなら、こうし
た反応条件下で行われる重合又は共重合では、制御がで
きなくなるという危険がもはや存在しないからである。
一般に、本発明の重合又は共重合は、0℃〜130℃、有利
な範囲としては40℃〜90℃の温度で、触媒の活性をまっ
たく低下させることなく行われる。
【0143】本発明の開始剤系は水と相溶性があるの
で、水性媒質中において、乳化剤の存在下又は不存在下
で重合反応又は共重合反応を行うことができる。従っ
て、水性媒質中での重合は、懸濁液(水不溶性ラジカル
発生剤化合物)中、又は乳化剤を存在させた乳濁液(水
溶性ラジカル発生剤化合物)中のいずれかで行われる。
乳化剤としては、アニオン界面活性剤〔例えば、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリ
ウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合
物〕、又は非イオン界面活性剤〔例えば、グリコールエ
ステル、ソルビタン及びポエチレングリコールのエステ
ル(例えば、ソルビタン及びポエチレングリコールのモ
ノラウレート、モノパルミテート、オレエート、及びス
テアレート)、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステ
ル(例えば、ポリエチレングリコールステアレート)、
ポリエチレングリコールの脂肪アルコールエーテル(例
えば、ポリエチレングリコールのステアリルエーテル及
びセチルエーテル)〕が挙げられる。
【0144】本発明の重合反応又は共重合反応を溶液中
で行う場合、以下の系統の溶剤に属する有機溶剤又は有
機溶剤混合液の存在下で反応を行うこともできることは
明らかである。 (1)芳香族炭化水素(非極性非プロトン性):ベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン; (2)塩素化炭化水素(極性非プロトン性):塩化メチレ
ン、クロロベンゼン; (3)ジフェニルエーテルなどのエーテル; (4)環状エーテル(極性非プロトン性):テトラヒドロ
フラン、ジオキサン; (5)エステル(極性):酢酸エチル、酢酸シクロヘキシ
ル; (6)ケトン(極性):メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン。 塩素化溶剤については、これが化合物(I)と相互作用し
ないか、又は相互作用しても極僅かであって妨害ラジカ
ルを生じない場合に使用することができる。
【0145】重合又は共重合させる単量体がアクリル単
量体(メタクリレート、アクリレート、アクリロニトリ
ル)及びビニル芳香族単量体(スチレン単量体など)の
場合には、上述の有機溶剤は特に好適である。ある場合
には、特にメタクリル酸n-ブチル及びスチレンを重合す
るときには、ヘキサン及びシクロヘキサンが使用でき、
酢酸ビニル及びアクリロニトリルを重合するときは、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニ
トリル、又はアセトンが使用できる。
【0146】一般的には、本発明の重合法又は共重合法
は、ランダム単独重合法及び共重合法と同じように実施
される。ブロック共重合体(星形ブロック共重合体を含
む)を調製するために、第1の単量体を重合した後、第
1の単量体とは異なる単量体を添加する時点で、実験条
件を変えることができる。例えば、温度を上昇又は下降
させて、第2の添加量を溶剤と共に添加するようにでき
る。マクロモノマー又はα,ω-官能化重合体(テレケリ
ック重合体)を調製するときも、これと同じタイプの実
験条件の変化を考慮に入れることが可能である。
【0147】本発明の重合又は共重合開始剤系の存在下
で重合又は共重合可能な単量体としては、(メタ)アク
リル単量体及びビニル単量体(ビニル芳香族単量体、酢
酸ビニルなどのビニルエステル単量体、塩化ビニル単量
体)が挙げられる。本発明の開始剤系はまた、エチレ
ン、ブテン、ヘキセン、及び1-オクテンなどのオレフィ
ン単量体(場合によってはフッ素化されていてもよい)
の(共)重合に対しても好適である。更にまた、ブタジ
エンやイソプレンなど、共役二重結合を有する単量体の
(共)重合にも好適である。
【0148】本発明の目的に対しては、「アクリル単量
体」という用語は、第一級、第二級、及び第三級アルキ
ルアクリレート(但し、アルキル基は1〜18個の炭素原
子を含み、例えば、少なくとも一つのハロゲン原子(フ
ッ素原子など)及び/又は少なくとも一つのヒドロキシ
ル基で置換されていてもよい)から選ばれる単量体を意
味するものとする。更に具体的には、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘ
キシル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸2-エチル
ヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ラウリル、ア
クリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、及び
アクリル酸イソデシル、並びにアクリル酸フェニル、ア
クリル酸イソボルニル、アクリル酸アルキルチオアルキ
ル又はアクリル酸アルコキシアルキル、アクリロニトリ
ル、及びジアルキルアクリルアミドが挙げられる。
【0149】本発明の目的に対しては、「メタクリル単
量体」という用語は、アルキルメタクリレート(但し、
アルキル基は1〜18個の炭素原子を含み、例えば、少な
くとも一つのハロゲン原子(フッ素原子など)及び/又
は少なくとも一つのヒドロキシル基で置換されていても
よい)から選ばれる単量体を意味するものとする。例え
ば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸2,2,2-トリフルオロエチル、メタクリル酸n-プロ
ピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチ
ル、メタクリル酸sec-ブチル、メタクリル酸tert-ブチ
ル、メタクリル酸n-アミル、メタクリル酸イソアミル、
メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、
メタクリル酸β-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒド
ロキシプロピル、又はメタクリル酸ヒドロキシブチル、
並びにメタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ノルボル
ニル、メタクリロニトリル、及びジアルキルメタクリル
アミドが挙げられる。
【0150】本発明の目的に対しては、「ビニル芳香族
単量体」という用語は、エチレン系不飽和を有する芳香
族単量体を意味するものとする。例えば、スチレン、ビ
ニルトルエン、α-メチルスチレン、4-メチルスチレ
ン、3-メチルスチレン、4-メトキシスチレン、2-ヒドロ
キシメチルスチレン、4-エチルスチレン、4-エトキシス
チレン、3,4-ジメチルスチレン、2-クロロスチレン、3-
クロロスチレン、4-クロロ-3-メチルスチレン、3-tert-
ブチルスチレン、2,4-ジクロロスチレン、2,6-ジクロロ
スチレン、及び1-ビニルナフタレンが挙げられる。
【0151】本発明によれば、先に定義した金属錯体を
重合用ラジカル発生剤化合物と注意深く組み合わせるこ
とによって、完全に定義かつ制御されたランダム及びブ
ロック単独重合体及び共重合体、並びに星形共重合体、
α,ω-官能化(テレケリック)マクロモノマー、及び標
準的なラジカル重合法では今まで合成することができな
かった重合体が得られることが分かった。
【0152】従って、本発明はまた、上述の方法によっ
て得られる、分子量が制御され、かつ多分散度が小さい
重合体又は共重合体に関する。本発明の方法によって得
られる(メタ)アクリル単量体及びビニル単量体の重合
体及び共重合体は、分子量Mnが400〜10,000,000g/モル
で、多分散度Mw/Mnは特に小さく、2未満、一般的には1.
5未満で、1.05〜1.5の範囲内にある。これはラジカル重
合における重要な進歩である。なぜなら、ごく最近まで
は、分子量分布、即ち多分散度Mw/Mnを1.5未満にするこ
となど考えられなかったからである。更に、本発明の方
法には、顕著なレギオ選択性(regioselective)がある。
即ち、本発明の方法によって、成長中の単量体単位の配
向を巧みに制御できる。そのうえ、鎖の配列は優先的に
頭−尾配向をとり、標準的なラジカル重合の場合のよう
な頭−頭配向はもはや存在しない。このため、こうして
調製される重合体及び共重合体の熱安定性が向上する。
停止反応が存在しないため、頭−頭鎖配列を生じる他の
いかなる可能性もなくなる。
【0153】公知のイオン及びラジカル重合法並びに共
重合法と比較して、本発明の方法には、以下の利点があ
る。 (1)均一リビング重合。一般的に設定されている判定基
準、即ち、転化率の関数として平均分子量が直線的に変
化すること、時間の関数としてln(1/(1-転化率))が直線
的に変化すること、単量体の追加分の添加後に重合が再
開されること(Penczek, S., Makromol. Chem. Rapid.
Commun. 1991, 12, 77)に基づいて、リビング重合とみ
なせる。 (2)優れた分子制御。Mw/Mnが小さく、Mw/Mn=約1.1まで
低下。理論値Mnと実験値Mnとの良好な相関。ブロック共
重合体(星形共重合体を含む)を調製可能。 (3)定量的な重合が行われ、単量体が完全に消費され
る。 (4)0℃〜130℃の範囲の温和な温度条件及び常圧。 (5)反応時間が、反応媒質の濃度に依存する。なぜな
ら、単量体の濃度を低下させるにつれて、重合速度が遅
くなるからである。高濃度の媒質中では([単量体]>
6モル/リットル)、2時間未満で重合が停止する。より
希釈した媒質中では、一般に、24時間反応させた後で停
止する。 (6)水性媒質と相溶性がある(使用する触媒が水の存在
下で劣化しないため)。乳化剤の存在下又は不存在下で
乳化重合及び懸濁重合が可能。水溶性ホスフィン、例え
ば、(Na+-O3SC6H4)3Pを使用すると、錯体を水相に溶解
させることが出来るようになる。 (7)立体制御が可能。即ち、キラル触媒を使用すること
によって、ヘテロタクチック性、シンジオタクチック
性、又はアイソタクチック性の制御が可能。 (8)重合体又は共重合体を得るための優れた合成制御。
得られる重合体又は共重合体の分子量は400〜10,000,00
0g/モルの範囲にある。 (9)停止反応(再結合及び不均化)が存在しないため、
重合体及び共重合体の熱分解抵抗性が改良される。この
ことは特に、熱重量分析によって示される。 (10)通常の重合技術では得難い新規な物質の製造。こう
した物質としては、純ブロック共重合体、明確に規定さ
れたランダム共重合体、及び多分枝重合体などが挙げら
れる。これらの重合体は、処方の制御がなされた接着
剤、耐衝撃添加剤、乳化剤、及び界面活性剤として使用
することができる。 (11)性質の改良された物質の製造。末端二重結合が存在
しないため、重合体(特に、PMMA)の解重合温度を増加
させることができる。 (12)制御下で重合することによって、重合の自動促進
(ゲル効果又はトロムスドルフ効果として知られてい
る)を回避できる。ニッケル錯体により重合の制御を行
うと、急速な硬化の後に突然起こる重合の自動促進を回
避できる(比較例6を参照されたい)。この現象は、通
常、製造業者及び製品に対して有害である。特に、キャ
ストプレートの形態が必要であるPMMAに対しては、気泡
の発生又はプレート表面の欠陥をなくすために重合を制
御することが重要である。適切な、場合によっては長時
間の温度サイクルを利用することによって、ゲル化点を
避けることが可能である。工程を単純にするために、単
一温度を使用することが好ましい。
【0154】
【実施例】本発明の方法によって得られる重合体の調製
に関する実施例を以下に示す。但し、これらに限定され
るものではない。Mnexp(実験値)及びMw/Mnの値は、次
のようにして得られる。立体排除クロマトグラフィー
(SEC)を行うと、溶液中におけるサイズ(流体力学的
体積)に従って、重合体高分子を分離できる。次に、こ
れらを重合体用の溶剤(THF移動相)を用いて溶離す
る。より大きい分子が最初に流出し、より小さい分子は
カラム(固定相)の孔の中に長時間滞留するために最後
に流出する。既知の絶対重量(別の方法で決定する)の
PMMAも(標準として)注入し、検量線を作成できるよう
にする。この検量線を用いて、重合体の相対分子量(Mn
exp)を決定するとともに、その重合体のサイズ及び重
量分布又は多分散度(Mw/Mn)を求める。
【0155】〔実施例1〕メタクリル酸メチル(MMA)
の重合 30.0gのMMA、0.15gのブロモトリクロロメタン(7.5×10
-4モル)、及び0.563gのニッケル錯体NiBr2(PPh3)2(7.
5×10-4モル)を、室温、不活性雰囲気下で、スクリュ
ーキャップ及びTeflonジョイントを備えた試験管に入れ
る。この試験管を、70℃に保たれた油浴中に入れ、前後
に振とうさせて攪拌する。1197分後、油浴から試験管を
取り出す。試験管を破壊してから重合体を回収する。
【0156】
【表1】 〔実施例2〕アクリル酸n-ブチルの重合 実施例1と同じように行うが、温度は130℃とし、30.0g
のアクリル酸n-ブチル、0.150gのブロモトリクロロメタ
ン(7.5×10-4モル)、及び0.563gのニッケル錯体NiBr2
(PPh3)2を使用する。1185分後に重合を停止する。
【0157】
【表2】 〔実施例3〕比較用 実施例1と同じように行ったが、α,α'-アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN:CAS番号=78-67-1)を用いてMM
Aの重合を開始する。30.0gのMMA及び0.0615gのAIBN(3.
7×10-4モル)を一緒に混合する。120分後に重合を停止
する。
【0158】
【表3】 〔実施例4〕MMAの重合 300.0gのMMA、1.50gのブロモトリクロロメタン(7.5×1
0-3モル)、及び5.63gのNiBr2(PPh3)2(7.5×10-3
ル)を含む溶液を、室温において不活性雰囲気下で調製
し、錨形櫂の攪拌器及び温度制御装置を備えた2リット
ル入りステンレス鋼反応器に、70℃において窒素雰囲気
下で仕込む。この混合物の温度が70℃に達した時点を、
試験開始点とする。所定の時間でサンプリングを行う。
これにより、サンプル中に残存する単量体を減圧下(25
ミリバール、140℃、20分)でエバポレートさせた後に
得られる重合体への転化率が計算できる。
【0159】結果を表4及び5に示す。
【0160】
【表4】
【0161】
【表5】 転化率の関数として平均分子量Mnexpが直線的に変化す
ること、並びに時間の関数としてln(1/(1-転化率))が直
線的に変化することから、この系がリビング系であるこ
とが分かる。
【0162】〔実施例5〕MMAの重合 300.0gのMMA及び1.50gのブロモトリクロロメタン(7.5
×10-3モル)は同じであるが、NiBr2(PPh3)2の量を2.81
g(3.8×10-3モル)に変えて、実施例4に従った処理を
行った。結果を表6及び7に示す。
【0163】
【表6】
【0164】
【表7】 転化率の関数として平均分子量Mnexpが直線的に変化す
ること、並びに時間の関数としてln(1/(1-転化率))が直
線的に変化することが、再度、観測される。
【0165】〔実施例6〕比較用 AIBN(0.616g, 3.7×10-3モル)を使用し、70℃におい
て2リットル入りの反応器中でMMA(300.0g)のバルク重合
を開始する。結果を表8及び9に示す。
【0166】
【表8】
【0167】
【表9】 重合の迅速な自動促進が起こる。時間の関数としてln(1
/(1-転化率))をプロットすると直線に乗らないこと、更
には転化率の関数としてMnexpをプロットしても直線に
乗らないことからリビング重合でないことが分かる。
【0168】〔実施例7〕いくつかのPMMAサンプルのガ
ラス転移温度(Tg)の測定
【0169】
【表10】 制御下におけるラジカル重合を経由して得られたサンプ
ルのガラス転移温度Tg(示差走査熱量法を使用して10℃
の温度増加量のもとで測定される)の方が、標準的なラ
ジカル重合によって得られたサンプルのものよりも高
い。
【0170】〔実施例8〕鎖の末端にアルコール官能基
を有するPMMAの合成 0.0173gのNiBr2(PPh3)2(0.023ミリモル)及び0.013gの
2,2,2,-トリブロモエタノール(0.047ミリモル)をガラ
ス管へ入れる。この管を三方コックで栓をする。減圧/
窒素サイクルを繰り返して、酸素を除去する。フレーム
乾燥させたシリンジを使用して、1.5mlのトルエン(窒
素を吹き込んで脱気したもの)及び3mlのMMA(28.05ミ
リモル)を注入する。次に、サーモスタットで75℃に設
定された浴にこの管を入れる。47時間反応させた後、管
を開け、反応媒質をTHFに溶解し、その後、ヘプタンに
より沈殿させる。
【0171】
【表11】 〔実施例9〕鎖の末端にカルホン酸官能基を有するPMMA
の合成 実施例8と同じように行うが、以下の条件とする:0.52
g(0.07ミリモル)のNiBr2(PPh3)2;0.53g(0.14ミリモ
ル)の2-ブロモプロピオン酸;0.5mlのトルエン;3ml
(28ミリモル)のMMA。
【0172】16時間後に重合を停止する。
【0173】
【表12】 (実施例10)両端に臭素原子を有するポリ(アクリル
酸n-ブチル)(PnBuA)の合成 実施例8と同じように行うが、温度は85℃で、以下の条
件とする:0.664g(0.089ミリモル)のNiBr2(PPh3)2
0.0322g(0.089ミリモル)のmeso-2,5-ジブロモアジピ
ン酸ジエチル;
【0174】
【化81】
【0175】12ml(83.7ミリモル)のアクリル酸n-ブチ
ル。20時間後に重合を停止する。重合体は沈殿しない
が、残留単量体を高減圧下でエバポレートする。
【0176】
【表13】 〔実施例11〕沈殿させたPMMAを原料としたMMAの重合
の繰り返し 実施例8と同じように行うが、以下の条件とする:0.03
g(0.04ミリモル)のNiBr2(PPh3)2;0.2gのPMMA(NiBr2
(PPh3)2及び2-ブロモ-2-メチルプロピオン酸エチル(Br
-C(CH3)2-CO-O-CH2CH3)を用いて合成したもので、Mn
expは4770、多分散度Mw/Mnは1.27である);1.5ml(14
ミルモル)のMMA。
【0177】16時間後に重合を停止する。
【0178】
【表14】 〔実施例12〕沈殿させPMMAを原料としたn-BuAの重合
の繰り返し 実施例8と同じように行うが、温度は120℃で、以下の
条件とする:0.03g(0.04ミリモル)のNiBr2(PPh3)2
0.2gのPMMA(NiBr2(PPh3)2及び2-ブロモ-2-メチルプロ
ピオン酸エチルを用いて合成したもので、Mnexpは477
0、多分散度Mw/Mnは1.27である);2ml(14ミルモル)
のアクリル酸n-ブチル。
【0179】16時間後に重合を停止する。
【0180】
【表15】 〔実施例13〕トリブロモエトキシ基で官能化されたポ
リカプロラクトンの合成、及びこのポリカプロラクトン
のMMA用マクロ開始剤としての利用(ポリ(ε−カプロラ
クトン)-b-PMMAブロック共重合体の生成) (a)ポリカプロラクトンの合成 窒素の不活性雰囲気下で、トルエンとの二種の共沸混合
物を用いて、2,2,2-トリブロモエタノールを脱水する。
2.262g(8ミリモル)の脱水された2,2,2-トリブロモエ
タノールを、トルエンに溶解した2ミリモルのAl(OiPr)3
と反応させる。トルエンとの共沸蒸留を二回行って、イ
ソプロピルアルコールを除去する。5gのカプロラクトン
(43.8ミリモル)及び1.8ミリモルの予め合成しておい
た開始剤を30mlのトルエンに入れる。この混合物を25℃
において1時間反応させる。
【0181】
【表16】 (b)このマクロ開始剤を使用したMMAの重合 実施例8と同じように行うが、以下の条件とする:0.04
5g(0.06ミリモル)のNiBr2(PPh3)2;0.15gのポリ(ε-
カプロラクトン):(a)で得られたもの;0.3mlのTHF;1.
2ml(11.2ミリモル)のMMA。
【0182】15時間後に重合を停止する。
【0183】
【表17】 〔実施例14〕触媒/開始剤の比を0.05としたときのPM
MAの制御下での合成 実施例8と同じように行うが、以下の条件とする:0.01
g(0.013ミリモル)のNiBr2(PPh3)2;5ml(47ミリモ
ル)のMMA;トルエン(0.26ミリモル)に2-ブロモ-2-メ
チルプロピオン酸エチルを溶解した0.2018M溶液1.3ml。
【0184】120時間後に重合を停止する。
【0185】
【表18】 〔実施例15〕PMMA-b-P(nBuA)-b-PMMA三ブロック共重
合体の生成 実施例8と同じように行うが、温度は85℃で、以下の条
件とする:0.27g(0.36ミリモル)のNiBr2(PPh3)2;19.
34gの二官能性PnBuA:実施例10で合成したもの(Mn
exp=107,000g/モル(PMMA標準)、Mw/Mn=1.11);80m
lのトルエン;10ml(93.5ミルモル)のMMA。
【0186】51時間後に重合を停止する。
【0187】
【表19】
【0188】
【発明の効果】本発明の(共)重合方法は、低温(0℃
程度の温度まで)においても触媒の活性が低下させず
に、しかもルイス酸を使用しないために水系媒質中で重
合が行えるという優れた特性を備えており、完全に規定
かつ制御されたランダム及びブロック単独重合体及び共
重合体、並びに星形共重合体、α,ω-官能化(テレケリ
ック)マクロモノマー、及び標準的なラジカル重合法で
は今まで合成することができなかった重合体が得られ
る。これらの重合体は、処方の制御がなされた接着剤、
耐衝撃添加剤、乳化剤、及び界面活性剤として使用する
ことができる。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル単量体及び/又はビニ
    ル単量体を制御下でラジカル重合又は共重合する方法で
    あって、 0℃程度に低くてもよい温度において、バルク、溶液、
    乳濁液、又は懸濁液中で、(1)塩化アレーンスルホニル
    以外の少なくとも一つのラジカル発生剤化合物と、(2)
    以下の式(I): MAa(L)n (I) 〔式中、 MはNi、Pd、又はPtを表し;Aはハロゲン又は擬ハロゲン
    化物を表し;Lは金属Mの配位子を表すが、N、P、As、S
    b、及びBiのうちの少なくとも一つを含有する配位子か
    ら独立して選ばれ、これらの配位子のうちの少なくとも
    二つが、一つ以上の二価基によって互いに連結されてい
    てもよく;aは1から5までの整数であり;nは1から4まで
    の整数であり;この錯体の配位数を表すa+nは、4≦a+n
    ≦6である〕で表される金属錯体からなる少なくとも一
    つの触媒と、を含んでなる開始剤系の存在下で、少なく
    とも一つの該単量体を重合又は共重合することを特徴と
    する前記方法。
  2. 【請求項2】 前記MがNiを表すことを特徴とする請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記AがCl、Br、F、及びIから選ばれる
    ハロゲンを表すか、又はCN、NCS、NO2、及びN3から選ば
    れる擬ハロゲン化物を表すことを特徴とする請求項1及
    び2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記a+nが4に等しいことを特徴とする請
    求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記配位子Lが、ホスフィン、アルシ
    ン、スチビン、ホスフィト、窒素含有配位子、及びリン
    と砒素の両方又はリンと窒素の両方を含有する混合配位
    子から独立して選ばれ、これらの配位子すべてにO又はS
    などの少なくとも一つのヘテロ原子を含有させてもよい
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記式(I)の錯体がカチオン電荷を有す
    ることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記式(I)の錯体が錯体NiX2(PPh3)2〔式
    中、Xはハロゲンを表す〕であることを特徴とする請求
    項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記フリーラジカル発生剤化合物が単官
    能性であり、かつ以下の化合物クラス: (a)式: CYZ3 〔式中、 Y=Cl、Br、I、F、H、又は-CR1R2OH(但し、R1及びR2
    それぞれ独立して水素又はC1〜C14アルキル基を表
    す)、 Z=Cl又はBr〕で表される化合物; (b)式: R3CCl3 〔式中、R3はフェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、
    アルコキシカルボニル基、R4CO基(但し、R4はC1〜C14
    アルキル基又はアリール基を表す)、アルキル基、メシ
    チル基、トリフルオロメチル基、又はニトロ基を表す〕
    で表される化合物; (c)式: 【化1】 〔式中、 Qは塩素原子、臭素原子、アセテート基、トリフルオロ
    アセテート基、又はトリフレート基を表し、 R5は水素原子、C1〜C14アルキル基、芳香族基、又はCH2
    OH基を表し、 Tは-C(=O)-O-R7基(但し、R7は水素、アルキル基、又は
    芳香族基を表す)、CN基、-C(=O)-R8基(但し、R8はC1
    〜C14アルキル基、フェニル基、又はイソシアネート基
    を表す)、ヒドロキシル基、ニトロ基、置換又は無置換
    アミノ基、C1〜C14アルコキシ基、又はR9CO基(但し、R
    9はC1〜C14アルキル基又はアリール基を表す)を表し、 R6はR5若しくはQの定義の範囲内にある基、或いはヒド
    ロキシル基、ニトロ基、置換若しくは無置換アミノ基、
    C1〜C14アルコキシ基、アシル基、カルボン酸基、又は
    エステル基などの官能基を表す〕で表される化合物; (d)α-ハロラクトン又はラクタム化合物; (e)N-ハロスクシンイミド及びN-ハロフタルイミド; (f)ハロゲン化アルキルスルホニル; (g)式: 【化2】 〔式中、 R10は水素原子、C1〜C14アルキル基、カルボン酸基、エ
    ステル基、ニトリル基、又はケトン基を表し、 R11は水素原子、C1〜C14アルキル基、ヒドロキシル基、
    アシル基、置換若しくは無置換アミノ基、ニトロ基、C1
    〜C14アルコキシ基、又はスルホネート基を表し、 Qは上記の通りである〕で表される化合物; (h)式: R12-C(=O)-W 〔式中、 R12はC1〜C14アルキル基又はアリール基を表し、 Wはハロゲン又は擬ハロゲンを表す〕で表される化合
    物; (i)式: 【化3】 〔式中、 R13、R14、及びR15はそれぞれ独立してC1〜C14アルキル
    基又はアリール基を表し、 Vはハロゲン、アセテート基、トリフルオロアセテート
    基、又はトリフレート基を表す〕で表される化合物; (j)式: Ar-U 〔式中、 ArはC6H5-などの芳香族基を表し(但し、電子吸引性
    基、又は電子供与性基によって、オルト位、メタ位、又
    はパラ位が置換されていてもよい)、 Uはハロゲンを表す〕で表される芳香族ハロゲン化物;
    から選ばれることを特徴とする請求項1から7までのい
    ずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ラジカル発生剤化合物が、ブロモト
    リクロロメタン、2,2,2-トリブロモエタノール、2-ブロ
    モプロピオン酸、meso-2,5-ジブロモアジピン酸ジエチ
    ル、及び2-ブロモ-2-メチルプロピオン酸エチルから選
    ばれることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ラジカル発生剤化合物が多官能性
    であり、かつ、メチレン単位の鎖若しくはベンゼン環又
    は両方の組合せによって連結した、請求項8に定義され
    た化合物クラス(c)〜(j)から誘導される少なくとも二つ
    の単官能性ラジカル発生剤からなるか、又は無水クロロ
    酢酸及び無水クロロジフルオロ酢酸などの無水酢酸類、
    並びに請求項8に定義された化合物クラス(a)及び(b)に
    属するトリ若しくはテトラハロメタン及びトリクロロメ
    チル誘導体から選ばれることを特徴とする請求項1から
    7までのいずれか一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ラジカル発生剤化合物が、二官能
    性であり、かつ式: 【化4】 〔式中、 T'及びT"は、それぞれ独立して、請求項8に示されるT
    の定義の範囲内にある基を表し、 Q'及びQ"は、それぞれ独立して、請求項8に示されるQ
    の定義の範囲内にある基を表し、 R6,及びR6,,は、それぞれ独立して、請求項8に示され
    るR6の定義の範囲内にある基を表し、 R16は、-(CH2)p-基、 【化5】 又は 【化6】 で表される基である(但し、p、q、及びrは1から14まで
    の整数である)〕で表される化合物から選ばれることを
    特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ラジカル発生剤化合物が、その鎖
    末端の一つにハロゲン原子を有する、ポリカプロラクト
    ンなどのポリラクトンであり、該ポリラクトンは、ハロ
    アルコキシド又はハロカルボキシレートを用いた開環重
    合によって得られたものであることを特徴とする請求項
    1から7までのいずれか一項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記単量体(1種又は複数種)の前記
    ラジカル発生剤化合物(1種又は複数種)に対するモル
    比が1から100,000の範囲内であることを特徴とする請求
    項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記金属Mの前記ラジカル発生剤化合
    物(1種又は複数種)に対するモル比が0.01から100の
    範囲内であることを特徴とする請求項1から13までの
    いずれか一項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記重合又は共重合を、0℃から130℃
    までの範囲の温度において行うことを特徴とする請求項
    1から14までのいずれか一項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記重合性又は共重合性単量体がメタ
    クリレート、アクリレート、ビニル芳香族化合物、酢酸
    ビニル、及び塩化ビニルから選ばれる少なくとも一つの
    単量体を含むことを特徴とする請求項1から15までの
    いずれか一項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記単量体が、メタクリル酸メチル、
    メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチル、アクリロ
    ニトリル、及びスチレンから成る群より選ばれることを
    特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 第1の単量体が重合された重合媒質中
    に、必要に応じて開始剤系の追加分と共に、第2の単量
    体を導入することによって、ブロック共重合を行うこと
    を特徴とする請求項1から17までのいずれか一項に記
    載の方法。
  19. 【請求項19】 分子量Mnが400から10,000,000g/モル
    の範囲内にあり、かつ多分散度Mw/Mnが2未満であること
    を特徴とする、請求項1から18までのいずれか一項に
    記載の方法によって得られる重合体又は共重合体。
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