JPH1081558A - セラミックス成形物の製造方法 - Google Patents

セラミックス成形物の製造方法

Info

Publication number
JPH1081558A
JPH1081558A JP8234182A JP23418296A JPH1081558A JP H1081558 A JPH1081558 A JP H1081558A JP 8234182 A JP8234182 A JP 8234182A JP 23418296 A JP23418296 A JP 23418296A JP H1081558 A JPH1081558 A JP H1081558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coal ash
ceramic
parts
molded product
inorganic salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8234182A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuzo Aido
勇三 相戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP8234182A priority Critical patent/JPH1081558A/ja
Publication of JPH1081558A publication Critical patent/JPH1081558A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/60Production of ceramic materials or ceramic elements, e.g. substitution of clay or shale by alternative raw materials, e.g. ashes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭灰と塩化ナトリウム、臭化カリウムおよ
び塩化カルシウムから選ばれる無機塩とを主成分とする
セラミックス原料組成物を用いて物理的、機械的特性の
優れたセラミックス成形物を低コストで製造する方法を
提供する。 【解決手段】 石炭灰と塩化ナトリウム、臭化カリウム
および塩化カルシウムから選ばれる無機塩とを主成分と
し、必要により硬化促進剤および硬化調節剤を添加した
セラミックス原料組成物を所定形状に予備成形し、さら
に600℃を越える温度で焼成することによって、高価
な原料を多量に使用することなく物理的、機械的特性の
優れたセラミックス成形物を低コストで製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭灰を主たる原
料としてセラミックス成形物を経済的に製造する方法に
関するものであり、更に詳細には、産業廃棄物として大
量に排出される石炭灰を有効活用でき、かつ耐熱性、機
械的性質等において優れたセラミックス成形物を低コス
トで製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電用エネルギー源として、石炭が
大量に用いられており、その燃え滓である石炭灰も大量
に排出されている。
【0003】石炭灰の中で、特に微細なフライアッシュ
がある。フライアッシュは火力発電所等で微粉炭を燃焼
した際に生じた、石炭灰が溶融しそれが高温燃焼ガスと
ともに煙道へ運ばれる途中で急激に冷やされ、表面張力
によってガラス質の球状の微細粒子となったものであ
る。これが自己水和作用が有することから、一部のフラ
イアッシュはフライアッシュセメントとして利用されて
いる。
【0004】フライアッシュセメントは、ポルトランド
セメントと同様に水和反応によって凝結する。しかしな
がら、500℃以上に加熱すると、セメント凝結物中の
結晶水が離脱することから、機械的強度は著しく低下す
るという問題を有する。
【0005】一方、石炭灰をポルトランドセメントや水
ガラス等の無機バインダーやポリビニルアルコール等の
有機バインダーと混合した後、高温で焼結してセラミッ
クス状の成形物を得ることも知られているが、この方法
では比較的高価なバインダーを要するばかりでなく、高
い焼結温度を必要とするため、エネルギー面での不利も
免れない。
【0006】そこで、かかる問題を解決し、より低温で
焼結(焼成)する方法として、小島らにより、フライア
ッシュ等の石炭灰に、第1リン酸アルミニウム水溶液お
よびアルミナ(酸化アルミニウム)等の硬化調節剤を混
合し、成形および乾燥後、300℃程度の温度で焼成す
ることによって耐熱性、機械的特性等に優れたセラミッ
クス成形物を製造する方法が提案されている。(第14
回無機高分子討論会)
【0007】この方法は、比較的低温でセラミックス化
が可能という利点を有するものの、高価な第1燐酸アル
ミニウムを相当量使用することを必須とするため、生産
コストが高くなりがちで、成形物の用途によってはより
安価な剤を使用して低コストでセラミックス成形物を製
造し得る方法が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はこの課題を
解決すべく鋭意研究の結果、石炭灰と塩化ナトリウム、
塩化カルシウム、臭化カリウムから選ばれる特定の無機
塩とを組み合わせて焼成することによっても、良好なセ
ラミックス成形物が得られることを見い出だし、本発明
に到達した。
【0009】かくして、本発明は、産業廃棄物の石炭灰
を活用して安価にセラミックス成形物を製造する方法を
提供することを主たる目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の本発明の課題は、
石炭灰(FA)ならびに塩化ナトリウム、塩化カルシウ
ム、臭化カリウムから選ばれる無機塩(N)(特に好ま
しくは、塩化ナトリウム)とを主成分とするセラミック
ス形成用組成物を、所定の形状に成形した後、600℃
を越える温度で焼成することを特徴とするセラミックス
成形物の製造方法により達成される。
【0011】この際、石炭灰(FA)ならびに上記無機
塩(N)に加え、必要により第1燐酸アルミニウムや珪
酸ナトリウムのような硬化促進剤(P)を配合してよ
く、この硬化促進剤に加えて、さらに硬化調節剤
(C)、例えばアルミナ等、を含有させてもよい。
【0012】このような石炭灰(FA)と上記無機塩
(N)とを主成分とする組成物、または、必要によりさ
らに硬化促進剤(P)、硬化調節剤(C)等を含有せし
めたセラミックス形成用組成物には、水、水を含有する
物質もしくは水を遊離する物質を添加配合しても差しつ
かえない。
【0013】本発明方法によれば、このセラミックス形
成用組成物は所定の形状に成形された後、600℃を越
える温度で焼成されセラミックス化されるが、この焼成
は800℃〜1200℃の酸素含有雰囲気または不活性
ガス雰囲気中で行うのが好適である。
【0014】良好なセラミックス成形物を効率的かつ低
コストにて製造するという本発明の課題は、特に、石炭
灰(FA)と上記無機塩(N)とを主成分とするセラミ
ックス形成用組成物、またはこれに必要により硬化促進
剤(P)、硬化調節剤(C)等を含有せしめたセラミッ
クス形成用組成物を、所定形状の型を用いて常温ないし
300℃以下で加圧して予備成形し、この予備成形物を
800℃〜1200℃の雰囲気中で焼成する方法によっ
て好適に達成される。
【0015】この際、上記セラミックス形成用組成物に
おける石炭灰(FA)と上記無機塩(N)との配合割合
は、石炭灰(FA)100重量部に対し上記無機塩
(N)5〜100重量部(特に10〜80重量部)とす
ることが好ましく、セラミックス形成用組成物における
水分の含有率は、石炭灰(FA)100重量部に対し水
分30重量部以下(特に0〜20重量部)とすることが
好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明方法において使用する石炭
灰(FA)は、火力発電所その他の工場から排出される
石炭灰が使用される。これらの石炭灰の中でも「フライ
アッシュ」と呼ばれる均一で微細な石炭灰が好適に使用
される。このフライアッシュは火力発電所等で微粉炭を
燃焼した際に生じた石炭灰が溶融し、それが高温燃焼ガ
スとともに煙道へ運ばれる途中、急激に冷やされ、表面
張力によってガラス質の球状の微細粒子となったもので
ある。
【0017】この石炭灰は炭素を含むものでもよく、例
えば、炭素含有率15重量%以下、とくに炭素含有率3
〜13重量%のフライアッシュが好適に使用可能であ
る。
【0018】石炭灰に配合する特定の無機塩(N)とし
ては、塩化ナトリウム、臭化カリウムおよび塩化カルシ
ウムから選ばれる少なくとも1種の無機塩であり、これ
以外の無機塩では本発明方法の目的が達成し難い。上記
無機塩(N)は、予め精製したものでも未精製の少量の
不純物を含む未精製のものでもよい。また、上記無機塩
(N)は単独使用でもよく2種または3種を混合使用し
てもよい。
【0019】石炭灰(FA)と上記無機塩(N)との配
合割合は、上述の通り、石炭灰(FA)100重量部に
対して上記無機塩(N)5〜100重量部であり、特に
10〜80重量部が好適に採用される。
【0020】上記無機塩(N)の配合割合が上記範囲よ
り少ないと、機械的性質の良好なセラミックス成形物と
なり難く、上記範囲を越えると焼成時に成形物の一部ま
たは全体が変形するおそれがある。
【0021】本発明方法では、石炭灰(FA)と上記無
機塩(N)とに加え、必要に応じて硬化促進剤(P)を
添加することができる。
【0022】この硬化促進剤(P)としては、第1燐酸
アルミニウムまたは珪酸ナトリウムが好適に使用され
る。
【0023】第1燐酸アルミニウムは、化学式:Al2
3 ・3P2 3 ・6H2 O[すなわち、Al(H2
4 3 ]で表される水溶性の酸性燐酸塩であり、多く
の場合、水溶液として市販されているが、本発明方法で
は、結合水(結晶水)以外には実質的に水を含まない固
相の第1燐酸アルミニウム、具体的には粉末状の第1燐
酸アルミニウムを使用してもよく、また、第1燐酸アル
ミニウムの水溶液を使用してもよい。ただし、水溶液を
使用する場合あるいは水分を添加する場合は、石炭灰を
含む混合組成物中の全水分量を石炭灰100重量部に対
し0〜30重量部、特に0〜20重量部の範囲に調整す
るのが好ましい。
【0024】また、珪酸ナトリウムは、化学式:Na2
SiO3 ・nH2 O で表される珪酸塩の一つであり、
それ自体は粉末状固体であるが、水溶液は通常「水ガラ
ス」と称して多の用途に使用されているものである。こ
の場合も、水溶液を使用あるいは水分を添加する場合
は、石炭灰を含む混合組成物中の全水分量を石炭灰10
0重量部に対し0〜30重量部、特に0〜20重量部の
範囲に調整するのが好ましい。
【0025】なお、本発明方法においては、硬化促進剤
(P)として、上記の第1燐酸アルミニウムおよび珪酸
ナトリウムを、それぞれ単独で使用してもよく2種を併
用してもよい。
【0026】本発明方法では、さらに硬化調節剤(C)
を添加することもできる。この硬化調節剤(C)として
は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ホウ素および
カルシウムから選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物
または水酸化物が好ましく使用され、中でも、アルミナ
(酸化アルミニウム)および水和アルミナ(水酸化アル
ミニウム)が好適である。
【0027】硬化促進剤(P)および硬化調節剤(C)
は、石炭灰(FA)と上記無機塩(N)とを主成分とす
る混合組成物に対し、一方のみを添加してもよく、両方
添加してもよいが、硬化促進剤(P)および硬化調節剤
(C)の両方を添加するのが特に好適である。
【0028】このような硬化促進剤(P)や硬化調節剤
(C)を使用する場合、硬化促進剤(P)の量は石炭灰
(FA)100重量部に対して0〜100重量部、特に
10〜80重量部が好ましく、また、硬化調節剤(C)
の量は上記無機塩(N)100重量部に対して0〜30
重量部が好ましい。
【0029】一般に、高価な硬化促進剤や硬化調節剤の
量が多くなると、結果的に成形物の生産コストが上昇す
るので、本発明の目的が達成され難くなる。
【0030】上述のごとく、本発明方法で用いるセラミ
ックス形成用組成物(以下、原料組成物と略称すること
がある)は、石炭灰(FA)と上記無機塩(N)とを必
須成分とし、これに必要に応じて、硬化促進剤(P)お
よび硬化調節剤(C)を含有するが、さらに、必要によ
り、補強用の短繊維やウイスカー等を混合することもで
きる。補強用の短繊維としては、ガラス繊維、炭素繊
維、SiC繊維、アラミド繊維、高分子量ポリエチレン
繊維等が好適である。また、軽量化を図るためにガラス
バブルズ等の無機軽量粒子を混合することもできる。
【0031】これらの補助的な添加物の配合割合は、石
炭灰(FA)と上記無機塩(N)と硬化促進剤(P)と
硬化調節剤(C)との合計重量(FA+N+P+C)に
対して、20重量%以下が適当である。
【0032】上記各成分の混合は、乾式混合、湿式混合
のいずれでもよいが、水または水を遊離する物質を添加
する場合は、水分量を石炭灰(FA)100重量部に対
し30重量部以下に抑える方が塩化ナトリウム等の上記
無機塩の吸水潮解が防止されるので好ましい。
【0033】また、上記の原料組成物は、30〜180
℃、好ましくは80〜100℃、で5分間〜30時間加
熱し、プレセラミックス化してから使用してもよい。こ
のプレセラミックスの形態は粉末状でもペレット状でも
差支えない。
【0034】本発明方法によれば、上記の原料組成物を
そのままあるいはプレセラミックス化した後、予備成形
し、600℃を越える温度、特に800〜1200℃の
酸素含有雰囲気または不活性ガス雰囲気中で焼成する。
【0035】予備成形工程では、上記の原料組成物を、
成形用の型に充填し、300℃以下の温度で、1〜50
0Kg/cm2 の圧力で成形することが適当であり、特
に、原料組成物を、成形用の型に入れ、1〜500Kg
/cm2 の圧力(面圧)で加圧成形する際、100〜3
00℃に加熱することが好ましい。
【0036】したがって、本発明方法では、まず、上記
の原料組成物を、成形用の型に充填し、100〜300
℃に加熱しつつ1〜500Kg/cm2 の圧力で所定の
形状に予備成形した後、型から取り出し、ついで600
℃を越える温度、好ましくは800〜1200℃、に加
熱して焼成するか、あるいは、予備成形後、型に入れた
まま、上記温度に加熱して焼成する方法が好適に採用さ
れる。
【0037】また、原料組成物を、成形用の型に入れ、
1〜500Kg/cm2 、好ましくは10〜500Kg
/cm2 の圧力で加圧しつつ600℃を越える温度、好
ましくは650〜1000℃、に加熱成形することによ
ってもセラミックス成形物とすることもできるが、一般
に前者の手段を併用するのが好ましい。
【0038】この予備成形においては、公知の圧縮成形
の技術を応用することができる。すなわち、所望の形状
およびび寸法の金型を用いて、公知の型締め機を用いて
加圧し、加圧した金型を内部加熱あるいは外部加熱によ
って上記の温度に保持することにより、目的とする予備
成形物を得ることができる。この予備成形工程での加圧
加熱は、少なくとも10分間、好ましくは30分〜3時
間程度実施すのが適当である。
【0039】本発明方法における焼成は、金型に入れた
まま行っても、あるいは金型から成形物を取り出した後
に行ってもよい。この焼成は必ずしも加圧下に行う必要
はないが、金型中で加圧を維持したまま焼成してもよ
い。焼成の時間は、焼成温度によって相違するが、一般
に、800〜1200℃では30分〜3時間が適当であ
る。焼成の雰囲気は、空気でも不活性ガスでもよい。か
くして、上記の原料組成物は、強靭で耐熱性の良好なセ
ラミックス成形物となる。
【0040】なお、本発明方法では、混合組成物の調製
条件、焼成条件等を適宜選定することにより、得られる
セラミックス成形物の物性を適宜変更することができ
る。例えば、加圧プレスの圧力を低く(例えば10Kg
/cm2 以下と)すると、見掛比重1.0〜1.6程度
の比較的軽量なセラミックス成形物とすることができ、
高い圧力(例えば300Kg/cm2 以上)で特に25
0〜300℃のような高温で予備成形すると、見掛け密
度1.6〜2.0程度の緻密で高密度のセラミックス成
形物を得ることができる。
【0041】この成形物は製造後、必要に応じ、塗装、
研磨加工、切削加工等の処理を行ってもよい。
【0042】
【実施例】次に、本発明方法の実施例及び比較例を説明
するが、これらは本発明の理解を助けるためのものであ
って、これらによって本発明の範囲が限定されるもので
はない。なお、例中の「部」および「%」はとくに断ら
ない限り、いずれも重量基準の値である。
【0043】[実施例1]火力発電所の石炭灰として得
られるフライアッシュ100部(炭素含有量10重量
%)に、粉末状の塩化ナトリウム100部を混合して、
均質な原料組成物を調製した。
【0044】この原料組成物を、内寸125mm×15
0mmの金型に入れ、300℃に加熱した型締め機で面
圧300Kg/cm2 で120分間保持して、熱圧成形
(予備成形)を行った。
【0045】冷却後、金型から取り出して得たパネル形
状の予備成形物(成形板)を、さらに900℃で焼成し
て固いセラミックス成形物を得た。この成形物の見掛け
比重は1.78、曲げ強度(3点曲げ)は84Kg/c
2 、曲げ弾性率は75Ton/cm2 であり、良好な
機械的特性を示した。
【0046】また、この成形物を1000℃の炉中に1
2時間放置したが、曲りや割れ等の異常は認められなか
った。
【0047】[実施例2]実施例1と同じフライアッシ
ュ100部に、塩化ナトリウム60部、硬化促進剤とし
ての粉末状第1リン酸アルミニウム組成物(多木化学株
式会社製「第1リン酸アルミニウム100P」)70部
を混合して均質な原料組成物とした。
【0048】この原料組成物を、内寸125mm×15
0mmの金型に入れ、300℃に加熱した型締め機で面
圧300Kg/cm2 で120分間保持して、熱圧成形
を行ってパネル形状の予備成形物を得た。
【0049】冷却後、金型から取り出した予備成形物
を、さらに900℃で焼成して固いセラミックス成形物
を得た。この成形物の見掛け比重は1.56、曲げ強度
(3点曲げ)は112Kg/cm2 、曲げ弾性率は68
Ton/cm2 であり、極めて良好な機械的特性を示し
た。
【0050】[実施例3]実施例1と同じフライアッシ
ュ100部に、塩化ナトリウム60部、硬化促進剤とし
ての粉末状第1リン酸アルミニウム組成物(多木化学株
式会社製「第1リン酸アルミニウム100P」)70
部、硬化調節剤としてのアルミナ粉末10部を均質に混
合し、得られた原料組成物を実施例1と同じ金型に入
れ、300℃に加熱した型締め機を用いて、面圧100
Kg/cm2 に180分間保持して、熱圧成形を実施し
た。
【0051】冷却後、金型から取り出して得られたパネ
ル形状の予備成形物を1000℃で120分間焼成し
た。得られたセラミックス成形物の見掛け比重は1.5
8、曲げ強度(3点曲げ)は113Kg/cm2 、曲げ
弾性率は72Ton/cm2 と極めて良好であった。
【0052】[実施例4]フライアッシュ100部に、
臭化カリウム粉末60部、硬化促進剤としての粉末状第
1リン酸アルミニウム水溶液(多木化学株式会社製「第
1リン酸アルミニウム100P」)60部およびアルミ
ナ粉末10部を均質に混合し、得られた原料組成物を実
施例1と同じ金型に入れ、300℃に加熱した型締め機
を用いて、面圧50Kg/cm2 で90分間保持して、
熱圧成形を実施した。冷却後、金型から取り出して得ら
れたパネル形状の予備成形物を1000℃の炉中に12
0分間焼成した。
【0053】この焼成後のセラミックス成形物の見掛け
比重は1.67、曲げ強度は81Kg/cm2 、曲げ弾
性率は69Ton/cm2 であった。
【0054】[実施例5]実施例1と同じフライアッシ
ュ100部に、塩化カルシウムム60部、硬化促進剤と
しての粉末状第1リン酸アルミニウム組成物(多木化学
株式会社製「第1リン酸アルミニウム100P」)70
部、硬化調節剤としてのアルミナ粉末10部を均質に混
合し、得られた原料組成物を実施例1と同じ金型に入
れ、300℃に加熱した型締め機を用いて、面圧50K
g/cm2 に90分間保持して、熱圧成形を実施した。
【0055】冷却後、金型から取り出して得られたパネ
ル形状の予備成形物を1000℃で120分間焼成し
た。かくして得られたセラミックス成形物の見掛け比重
は1.42、曲げ強度(3点曲げ)は61Kg/c
2 、曲げ弾性率は45Ton/cm2 と極めて良好で
あった。
【0056】[実施例6]実施例1と同じフライアッシ
ュ100部に、塩化ナトリウム50部、硬化促進剤とし
ての珪酸ナトリウム50部、硬化調節剤としてのアルミ
ナ粉末10部および水11部を均質に混合して原料組成
物を調製した。この組成物における水分率は5%であっ
た。得られた原料組成物を、実施例1と同じ金型に入
れ、100℃に加熱した型締め機を用い、面圧50Kg
/cm2 に60分間保持して、予備成形を行った。
【0057】冷却後、予備成形物を金型から取り出し
て、900℃に設定した電気炉に2時間保持して焼成を
行った。かくして得られたセラミックス成形物の見掛け
比重は1.18、曲げ強度は98Kg/cm2 、曲げ弾
性率は93Ton/cm2 と極めて良好であった。
【0058】[実施例7]実施例1と同じフライアッシ
ュ100部に、塩化ナトリウム50部、硬化促進剤とし
ての珪酸ナトリウム50部および水23.4部(原料組
成物全体に対して水分率10%に相当)を均質に混合
し、実施例6と同様に、温度100℃、面圧50Kg/
cm2 の条件で60分間加圧成形して予備成形し、さら
に900℃で2時間焼成を行った。かくして得られたセ
ラミックス成形物の見掛け比重は1.13、曲げ強度は
122Kg/cm2 、曲げ弾性率は121Ton/cm
2 と極めて良好であった。
【0059】[実施例8]実施例1と同じフライアッシ
ュ100部に、塩化ナトリウム60部、硬化促進剤とし
ての粉末状第1リン酸アルミニウム組成物(多木化学株
式会社製「第1リン酸アルミニウム100P」)30
部、硬化調節剤としての水酸化アルミニウム粉末(日本
軽金属株式会社製「水酸化アルミB1403」15部お
よび水10部を均質に混合した。
【0060】得られた原料組成物を、実施例1と同じ金
型に入れ、300℃に加熱した型締め機を用いて面圧1
00Kg/cm2 に180分間保持して、熱圧成形を行
うことによりパネル形状の予備成形物を得た。
【0061】冷却後、金型から取り出した予備成形物
を、80〜90℃の温度に調整した乾燥機に入れて乾燥
した後、950℃の電気炉で120分間焼成した。
【0062】得られたセラミックス成形物の見掛け比重
は1.38、曲げ強度は103Kg/cm2 、曲げ弾性
率は72Ton/cm2 であった。
【0063】
【発明の効果】以上のごとき本発明方法によれば、比較
的低廉な価格の塩化ナトリウム等の無機塩をバインダー
に用いて、強靭で耐熱性の優れたセラミックス成形物を
得ることができる。
【0064】したがって、本発明方法によるセラミック
ス成形物は、その価格および特性を生かして、例えば、
建築用の構造材、仕上げ材、装飾材等の建築分野、道路
の舗装材、側壁、水路管等の土木分野、エクステリア部
材、電気絶縁部材等、広範な用途において有効に活用す
ることができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭灰と塩化ナトリウム、臭素カリウム
    および塩化カルシウムから選ばれた少なくとも1種の無
    機塩とを主成分とするセラミックス形成用組成物を、所
    定の形状に成形した後、600℃を越える温度で焼成す
    ることを特徴とするセラミックス成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】 石炭灰と塩化ナトリウム、臭素カリウム
    および塩化カルシウムから選ばれた少なくとも1種の無
    機塩と硬化促進剤とを主成分とするセラミックス形成用
    組成物を、所定の形状に成形した後、600℃を越える
    温度で焼成することを特徴とするセラミックス成形物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 硬化促進剤が、第1燐酸アルミニウムま
    たは珪酸ナトリウムであることを特徴とする請求項2記
    載のセラミックス成形物の製造方法。
  4. 【請求項4】 石炭灰と塩化ナトリウム、臭素カリウム
    および塩化カルシウムから選ばれた無機塩と硬化促進剤
    および硬化調節剤とを主成分とするセラミックス形成用
    組成物を、所定の形状に成形した後、600℃を越える
    温度で焼成することを特徴とするセラミックス成形物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 硬化促進剤が第1燐酸アルミニウムまた
    は珪酸ナトリウムであり、かつ硬化調節剤がアルミニウ
    ム、マグネシウム、亜鉛、ホウ素およびカルシウムから
    選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物または水酸化物
    であることを特徴とする請求項4記載のセラミックス成
    形物の製造方法。
  6. 【請求項6】 石炭灰と塩化ナトリウム、臭素カリウム
    および塩化カルシウムから選ばれた無機塩を主成分とす
    る組成物、またはこれに必要により硬化促進剤、硬化調
    節剤を含有せしめたセラミックス形成用組成物に、さら
    に、水、水を含有する物質もしくは水を遊離する物質を
    添加配合することを特徴とする請求項1〜請求項5のい
    ずれかに記載のセラミックス成形物の製造方法。
  7. 【請求項7】 焼成を800℃〜1200℃の酸素含有
    雰囲気または不活性ガス雰囲気中で行うことを特徴とす
    る請求項1〜請求項6のいずれかに記載のセラミックス
    成形物の製造方法。
  8. 【請求項8】 石炭灰と塩化ナトリウム、臭素カリウム
    および塩化カルシウムから選ばれた少なくとも1種の無
    機塩とを主成分とするセラミックス形成用組成物、また
    はこれに必要により硬化促進剤、硬化調節剤を含有せし
    めたセラミックス形成用組成物を、所定の形状の型を用
    いて常温ないし300℃で加圧して予備成形し、この予
    備成形物を800℃〜1200℃の雰囲気中で焼成する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載
    のセラミックス成形物の製造方法。
  9. 【請求項9】 セラミックス形成用組成物における石炭
    灰/塩化ナトリウムの配合割合を、石炭灰100重量部
    に対し上記無機塩5〜100重量部とすることを特徴と
    する請求項1〜請求項8のいずれかに記載のセラミック
    ス成形物の製造方法。
  10. 【請求項10】 セラミックス形成用組成物における水
    分の含有率を、石炭灰100重量部に対し水分0〜30
    重量部とすることを特徴とする請求項1〜請求項9のい
    ずれかに記載のセラミックス成形物の製造方法。
JP8234182A 1996-09-04 1996-09-04 セラミックス成形物の製造方法 Pending JPH1081558A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8234182A JPH1081558A (ja) 1996-09-04 1996-09-04 セラミックス成形物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8234182A JPH1081558A (ja) 1996-09-04 1996-09-04 セラミックス成形物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1081558A true JPH1081558A (ja) 1998-03-31

Family

ID=16966969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8234182A Pending JPH1081558A (ja) 1996-09-04 1996-09-04 セラミックス成形物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1081558A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030083289A (ko) * 2002-04-20 2003-10-30 한승호 다공질 화분
US8083910B2 (en) 2007-03-26 2011-12-27 Daiwa Excel Co., Ltd. Insulating spacer for plating inner surface and auxiliary anode unit

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030083289A (ko) * 2002-04-20 2003-10-30 한승호 다공질 화분
US8083910B2 (en) 2007-03-26 2011-12-27 Daiwa Excel Co., Ltd. Insulating spacer for plating inner surface and auxiliary anode unit

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Abyzov Lightweight refractory concrete based on aluminum-magnesium-phosphate binder
CN110590377B (zh) 一种高β相致密氮化硅陶瓷及低温制备方法
US2752258A (en) Silicon nitride-bonded silicon carbide refractories
JPH0648835A (ja) Al2O3/B4C/SiC複合材料
CZ2019602A3 (cs) Kompozit s velkou akumulací tepla
US20040222572A1 (en) Sialon ceramics
KR20110125913A (ko) 석분오니를 함유하는 내장용 벽돌 및 그 제조방법
GB2567660A (en) Refractory material
JPH1081558A (ja) セラミックス成形物の製造方法
KR20130112979A (ko) 무시멘트 고강도 부정형 내화물
JPH09295856A (ja) セラミックス原料組成物及び該組成物からのセラミックス成形物の製造方法
RU2329997C2 (ru) Композиционный керамический материал на основе сиалона и способ получения изделий
JPH1087378A (ja) 多孔質セラミックス成形物の製造方法
JPH10130075A (ja) 軽量セラミックス成形物の製造方法
JPS61117168A (ja) 耐火材組成物
JP2983469B2 (ja) 高強度セラミックスの製造方法
CA1228371A (en) Phosphate bonding of reactive spinels for use as refractory materials incorporating mgo set accelerator
JPH1160327A (ja) 無機質粒状成形物の製造方法
JPH0324425B2 (ja)
JP2005225717A (ja) 人工軽量骨材の製造方法及び人工軽量骨材
JP3359965B2 (ja) 珪酸カルシウム焼結体及びその製造方法
SU975663A1 (ru) Сырьева смесь дл изготовлени теплоизол ционных изделий
KR100940869B1 (ko) 석분 오니를 이용한 내장용 점토벽돌 및 그 제조방법
KR20230005723A (ko) 내화재용 고형 바인더 및 이를 포함하는 내화재
JPH0656515A (ja) 耐熱衝撃性陶磁器用組成物