JPH108153A - 粉粒体の真空熱処理装置 - Google Patents

粉粒体の真空熱処理装置

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JPH108153A
JPH108153A JP18560696A JP18560696A JPH108153A JP H108153 A JPH108153 A JP H108153A JP 18560696 A JP18560696 A JP 18560696A JP 18560696 A JP18560696 A JP 18560696A JP H108153 A JPH108153 A JP H108153A
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JP
Japan
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granular material
inert gas
processing chamber
heat treatment
powdery
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JP18560696A
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English (en)
Inventor
Masatomo Nakamura
雅知 中村
Kenjiro Sato
健二郎 佐藤
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粉粒体から高収率且つ短時間で有価金属を回収
できる真空熱処理装置を提供する。 【解決手段】密閉系の容器内に形成された処理室で粉粒
体を真空雰囲気下に加熱処理し、該粉粒体から有価金属
を回収する装置であって、処理室に該粉粒体から発生す
る金属蒸気のキャリアーガスとして不活性ガスを供給す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粉粒体の真空熱処理
装置に関する。例えば、製鋼工場の集塵装置で捕捉され
るダストには、酸化鉄(Fe23,Fe34)、酸化亜
鉛(ZnO)、酸化鉛(PbO)等の金属酸化物が含ま
れている。かかるダストをそのまま廃棄処分したのでは
資源の無駄になるので、該ダストから鉄、亜鉛、鉛等の
有価金属を回収することが望まれる。本発明は上記のよ
うなダストに代表される粉粒体を真空雰囲気下に加熱処
理して該粉粒体から鉄、亜鉛、鉛等の有価金属を回収す
る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粉粒体から鉄、亜鉛、鉛等の有価
金属を回収する真空熱処理装置として、密閉系の容器
と、該容器内に断熱材で囲まれて形成された処理室と、
該処理室に装備されたヒータと、該容器に接続された該
処理室を真空雰囲気にする真空ポンプと、該容器と該真
空ポンプとの間に介装された凝縮器とを備えるものが提
案されており(特開平4−225876)、またかかる
真空熱処理装置に使用される凝縮器として、水冷の凝縮
室と、該凝縮室の下部に形成された第1真空室と、該第
1真空室の下部に形成された第2真空室とを備えるもの
が提案されている(実開平5−30149)。この従来
装置は、処理室に粉粒体を供給し、真空雰囲気下に加熱
処理して、発生した亜鉛や鉛の蒸気を凝縮器で凝縮する
一方、鉄を処理室に残留させるというものである。とこ
ろが、この従来装置には、実際のところ、粉粒体から
鉄、亜鉛、鉛等の有価金属を収率良く回収することがで
きず、またその回収に時間がかかるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来装置では、粉粒体から鉄、亜鉛、鉛等
の有価金属を収率良く回収することができず、またその
回収に時間がかかる点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、密閉
系の容器内に形成された処理室で粉粒体を真空雰囲気下
に加熱処理し、該粉粒体から有価金属を回収する装置で
あって、処理室に該粉粒体から発生する金属蒸気のキャ
リアーガスとして不活性ガスを供給するようにして成る
ことを特徴とする粉粒体の真空熱処理装置に係る。
【0005】本発明においても、密閉系の容器と、該容
器内に断熱材で囲まれて形成された処理室と、該処理室
に装備された加熱源と、該容器に接続された該処理室を
真空雰囲気にする真空ポンプと、該容器と該真空ポンプ
との間に介装された凝縮器とを備えている。
【0006】本発明では、容器の処理室に粉粒体から発
生する金属蒸気のキャリアーガスとして不活性ガス、例
えば窒素ガス、アルゴンガス等を供給するように構成さ
れている。処理室で粉粒体を真空雰囲気下に加熱処理す
ると、粉粒体から亜鉛や鉛等の金属の蒸気が発生するの
で、粉粒体の回りからかかる金属蒸気をキャリアーガス
として供給した不活性ガスに同伴させて、粉粒体の回り
の金属蒸気の濃度を低くし、すなわち金属蒸気の分圧を
低くし、粉粒体からのかかる金属の蒸発を促進させるの
である。
【0007】一般に、粉粒体からの上記のような金属の
蒸発は、粉粒体表面に形成される金属蒸気の濃度境界層
によって大きな影響を受ける。濃度境界層が厚いと、粉
粒体からの金属の蒸発がそれだけ遅くなり、逆に濃度境
界層が薄いと、粉粒体からの金属の蒸発がそれだけ速く
なる。したがって本発明では、粉粒体表面に形成される
金属蒸気の濃度境界層を充分に薄くする或は実質的に破
壊するに足る量の不活性ガスを供給するのが好ましい。
【0008】粉粒体表面に形成される金属蒸気の濃度境
界層を充分に薄くし易くする或は実質的に破壊し易くす
るためには、処理室において粉粒体中へ複数のノズルを
有する不活性ガス供給管を挿入するのが好ましく、或は
また処理室において粉粒体を撹拌するのが好ましいが、
なかでも処理室において粉粒体を薄く広げて撹拌した状
態とするのが好ましく、特に薄く広げて撹拌した状態の
粉粒体に向かって不活性ガスを供給するのが好ましい。
【0009】したがって本発明では、処理室に複数のプ
レートを所定間隔を空けて多段に配置し、該プレートの
それぞれ上面に近接して撹拌用部材及び移送用部材を回
転可能に配置して、最上段のプレートに供給した粉粒体
を該撹拌用部材により撹拌し、併せて該移送用部材によ
り薄く広げつつ順次下段のプレートへと落下させて連続
的に加熱処理するのが好ましく、この場合は特に、処理
室に不活性ガス供給管を挿入し、該不活性ガス供給管に
複数のノズルを取付けて、該ノズルから各プレート上の
粉粒体に向かって不活性ガスを供給するのが好ましい。
【0010】また不活性ガスの処理室への供給量若しく
は処理室からの排気量を断続的に増減させて処理室内の
圧力を繰り返し変動させるのが好ましい。粉粒体相互間
にこもる金属蒸気を強制的に不活性ガスに同伴させて回
収できるからである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る真空熱処理装
置を一部縦断面で例示する全体図である。密閉系の容器
11に断熱材11aが内張りされており、断熱材11a
で囲まれて処理室21が形成されていて、処理室21に
チューブヒータ31が挿入されている。容器11の上面
には処理室21と連通する粉粒体供給管41が接続され
ており、粉粒体供給管41にバルブ41aが介装されて
いる。容器11の左側面上部には不活性ガス供給管51
が接続されており、不活性ガス供給管51は容器11の
中央部を通って下部へと挿入されていて、挿入された不
活性ガス供給管51には複数のノズル51bが取付けら
れている。不活性ガス供給管51にはバルブ51aが介
装されており、不活性ガス供給管51の上流側に図示し
ない不活性ガス供給源が接続されている。容器11の右
側面上部には処理室21と連通する排気管61が接続さ
れており、排気管61にバルブ61aが介装されてい
る。排気管61の下流側には凝縮器71が接続されてお
り、凝縮器71の下流側に真空ポンプ81が接続されて
いる。
【0012】図2は本発明に係る他の真空熱処理装置を
一部縦断面で例示する全体図である。全体として円筒状
に形成された密閉系の容器12に断熱材12aが内張り
されており、断熱材12aで囲まれて処理室22が形成
されていて、断熱材12aの内側にパネルヒータ32が
周設されている。容器12の上面には処理室22と連通
する粉粒体供給管42が接続されており、粉粒体供給管
42にバルブ42aが介装されている。容器12の下部
には軸線部に向かって下降する傾斜面が形成されてお
り、該傾斜面の下端部に処理室22と連通する出口22
aが開設されている。出口22aには軸線部に向かって
上昇する傾斜面の形成された排出管13が接続されてお
り、排出管13にバルブ13aが介装されている。排出
管13の大径に形成された部分の右側面上部には排気管
63が接続されており、排気管63の下流側はバルブ6
3aを介して真空ポンプ82へと接続されている。
【0013】容器12の右側面上部には処理室22と連
通する排気管62が接続されており、排気管62にバル
ブ62aが介装されている。排気管62の下流側には凝
縮器72が接続されており、凝縮器72の下流側に真空
ポンプ82が接続されている。そして容器12の左側面
上部には処理室22と連通する不活性ガス供給管52が
接続されており、不活性ガス供給管52にバルブ52a
が介装されていて、不活性ガス供給管52の上流側には
図示しない不活性ガス供給源が接続されている。
【0014】処理室22には軸線部に回転筒91が挿入
されており、回転筒91に複数の板状の羽根92が取付
けられている。回転筒91は容器12に軸受されてお
り、その上部は容器12外に取出されていて、駆動モー
タ93に接続されている。回転筒91には昇降軸94が
貫挿されており、その上部は回転筒91外に取出されて
いて、シリンダ機構95に接続されている。昇降軸94
の下部は出口41を通って排出管13へと至り、その端
部に軸線部に向かって上昇する傾斜面の形成された弁9
6が取付けられている。昇降軸94が上昇すると、弁9
6の傾斜面が排出管13の傾斜面に密接して出口22a
を閉じ、逆に昇降軸94が下降すると、弁96の傾斜面
が排出管13の傾斜面から離れて出口22aを開く構成
である。
【0015】図3は本発明に係る更に他の真空熱処理装
置を一部縦断面で例示する全体図、図4は図3と同じ真
空熱処理装置の内部構造を示す部分拡大縦断面図、図5
は図3と同じ真空熱処理装置の内部構造を示す部分拡大
横断面図、図6は図3と同じ真空熱処理装置の内部構造
を別の角度から示す部分拡大縦断面図である。図3にお
いて、全体として円筒状の密閉系の容器14に断熱材1
4aが内張りされており、容器14内には断熱材14a
で囲まれて処理室23が形成されていて、処理室23に
チューブヒータ33が装備されている。容器14の軸線
部には断熱材14a及び処理室23を貫通して回転軸1
10が装架されており、回転軸110は容器14に取付
けられた駆動モータ110aの図示しない駆動軸に接続
されている。
【0016】処理室23には上下方向に合計9段でプレ
ート111〜119が所定間隔を空けて配置されてお
り、プレート111〜119は同一径を有する円板状に
形成されていて、その軸線部で回転軸110に軸受され
ている。同一径を有する円板状のプレート111〜11
9は同一軸線回りに配置されているのである。プレート
111〜119の周縁にはリング状の壁片111a,1
14a,119a,・・・が立設されており、壁片11
1a,114a,119a,・・・は容器14の上下方
向に装架された棒材110bに取付けられている。した
がってプレート111〜119は回転軸110に支持さ
れているが、回転軸110が回転してもそれ自体は回転
しない。
【0017】プレート111〜119には開口部111
b,114b,119b,・・・がその半径方向に沿う
スリット状に設けられている。開口部111b,114
b,119b,・・・は最上段のプレート111から最
下段のプレート119へと向かって順次、回転軸110
の回転方向とは逆方向へずれた位置に設けられている。
図4及び図5において、回転軸110は平面から見て右
回りで回転するが、最上段のプレート111の開口部1
11bはプレート111を臨む粉粒体供給管43の直下
よりも左回りの位置に設けられており、第2段のプレー
ト112の図示しない開口部は最上段のプレート111
の開口部111bよりも更に左回りの位置に設けられて
いる。以下同様にして、第3段のプレート113から最
下段のプレート119へと、これらの開口部は順次左回
りのずれた位置に設けられているが、これらのうちで第
4段のプレート114の開口部114bは最も右側に設
けられており、また最下段のプレート119の開口部1
19bは最も左側に設けられていて、開口部119bは
ロート状に形成された排出シュート23aの直上に位置
している。
【0018】図4〜図6において、プレート111,1
14,119,・・・の上面にはこれらに近接してそれ
ぞれ複数の突起棒を有する2本の櫛状物を備える撹拌用
部材121,124,129,・・・が配置されてお
り、また撹拌用部材121,124,129,・・・よ
りもやや右回りの位置にそれぞれ2枚の羽根を備える移
送用部材131,134,139,・・・が配置されて
いる。撹拌用部材121,124,129,・・・及び
移送用部材131,134,139,・・・は回転軸1
10に取付けられており、これらは回転軸110と一体
的に回転するようになっている。例えば、回転軸110
を正逆方向へ回転させつつ全体としては間欠的に正方向
へ回転させると、すなわち回転軸110を右回りと左回
りとで交互に回転させつつ全体としては間欠的に右回り
で回転させると、撹拌用部材121,124,129,
・・・及び移送用部材131,134,139,・・・
も正逆方向へ回転しつつ全体としては間欠的に正方向へ
回転する、すなわち撹拌用部材121,124,12
9,・・・及び移送用部材131,134,139,・
・・も右回りと左回りとで交互に回転しつつ全体として
は間欠的に右回りで回転するのである。
【0019】処理室23には最上段のプレート111を
直下に臨んで粉粒体供給管43が挿入されており、バル
ブ43aを介装する粉粒体供給管43はホッパ15へと
接続されていて、ホッパ15の上流側にはバルブ15a
を介装する粉粒体供給管15bが接続されている。ホッ
パ15の右側面上部には排気管66が接続されており、
排気管66にはバルブ66aが介装されていて、排気管
66の下流側は真空ポンプ83へと接続されている。ま
た処理室23には最下段のプレート119の開口部11
9bを直上に臨んでロート状の排出シュート23aが配
置されている。排出シュート23aにはバルブ23bを
介装する排出管23cが接続されており、排出管23c
はホッパ16へと接続されていて、ホッパ16の下流側
にはバルブ16aを介装する排出管16bが接続されて
いる。ホッパ16の右側面上部には排気管65が接続さ
れており、排気管65にはバルブ65aが介装されてい
て、排気管65の下流側は真空ポンプ83へと接続され
ている。
【0020】容器14の右側面上部には処理室23と連
通する排気管64が接続されており、排気管64にはバ
ルブ64aが介装されている。排気管64の下流側には
凝縮器73が接続されており、凝縮器73の下流側に真
空ポンプ83が接続されている。そして処理室23には
不活性ガス供給管53が挿入されており、挿入された不
活性ガス供給管53には複数のノズル53bが取付けら
れていて、これらのノズル53bはそれぞれプレート1
11〜119の上面を向いている。不活性ガス供給管5
3にはバルブ53aが介装されており、不活性ガス供給
管53の上流側は図示しない不活性ガス供給源に接続さ
れている。
【0021】図3〜図6について説明した本発明に係る
真空熱処理装置を用い、粉粒体を真空雰囲気下に加熱処
理して該粉粒体から有価金属を回収する場合について説
明する。バルブ15aを開き、バルブ43aを閉じた状
態で、ホッパ15に粉粒体を投入する。バルブ15a,
43a,16aを閉じ、バルブ66a,23b,65a
を開いた状態で、真空ポンプ83を作動させ、処理室2
3内及びホッパ15,16内を真空雰囲気にすると共
に、駆動モータ110a及びチューブヒータ33を作動
させる。処理室23内が所定温度になったとき、バルブ
43aを開いて、ホッパ15から最上段のプレート11
1へと粉粒体を落下させると共に、バルブ53aを開い
て、不活性ガス供給管53を介し複数のノズル53bか
ら不活性ガスを供給する。落下した粉粒体はプレート1
11上において撹拌用部材121により撹拌され同時に
移送用部材131により薄く広げられつつ押し出され
て、プレート111の開口部111bから第2段のプレ
ート112へと落下する。落下した粉粒体はプレート1
12上において同様に撹拌され同時に薄く広げられつつ
押し出されて、プレート112の開口部から第3段のプ
レート113へと落下する。以下同様にして粉粒体は順
次下段のプレートへと落下し、最後に最下段のプレート
119の開口部119bから排出シュート23aへと落
下する。粉粒体は合計9段のプレート111〜119の
各上面において撹拌用部材121,124,129,・
・・により繰り返して撹拌され同時に移送用部材13
1,134,139,・・・により繰り返して薄く広げ
られた状態となる。また合計9段の各プレート111〜
119上において、上記のように撹拌され同時に薄く広
げられた状態の粉粒体表面に各ノズル53bからキャリ
アーガスとして不活性ガスが供給され、これにより粉粒
体表面に形成される金属蒸気の濃度境界層を充分に薄く
し或は実質的に破壊する。粉粒体中の亜鉛や鉛等は極め
て効率的に且つ短時間で蒸発し、これらの金属蒸気は凝
縮器73で回収されるのである。排出シュート23aに
落下する処理物は粉粒体から亜鉛や鉛等が蒸発した残り
の例えば鉄であり、この処理物はホッパ16に貯留した
後、バルブ23bを閉じ、ホッパ16内を復圧してか
ら、バルブ16aを開いて取り出す。
【0022】図7は不活性ガスを供給しない従来の真空
熱処理装置における処理室内の圧力変動を略示するグラ
フ、図8は図1〜図6に示したような本発明に係る真空
熱処理装置において処理室へ不活性ガスを供給し続けた
場合の処理室内の圧力変動を略示するグラフ、図9は図
1〜図6に示したような本発明に係る真空熱処理装置に
おいて処理室へ不活性ガスを断続的に供給した場合の処
理室内の圧力変動を略示するグラフである。図7〜図9
では処理室からの排気量を一定に保っている。図9に示
すように、処理室内の圧力を繰り返し変動させると、粉
粒体相互間にこもる金属蒸気を強制的に不活性ガスに同
伴させて回収できるので、有価金属をより効率的に回収
できる。図9に示すような処理室内の圧力変動は、処理
室へ不活性ガスを断続的に供給する場合を含め、処理室
への不活性ガスの供給量或は処理室からの不活性ガスの
排気量を断続的に増減させることによって達成でき、か
かる増減は、図1〜図3のバルブ51a,52a,53
a或はバルブ61a,62a,64aの開度を調節する
ことによってなし得る。
【0023】図3〜図6について前述した真空熱処理装
置を用い、製鋼工場の集塵装置で捕捉された亜鉛含量
7.0重量%のダストに還元材としてコークスを混合し
たものを、真空度2Torr、温度900℃、処理室内
滞留2時間で加熱処理すると、排出シュートからホッパ
に落下した処理物中の残留亜鉛含量は0.7重量%とな
った。これに対し、キャリアーガスとして不活性ガスを
供給せず、その他は同様の条件下で加熱処理すると、処
理物中の残留亜鉛含量は1.7重量%であった。
【0024】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、粉粒体から高収率且つ短時間で有価金属を回収
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空熱処理装置を一部縦断面で例
示する全体図。
【図2】本発明に係る他の真空熱処理装置を一部縦断面
で例示する全体図。
【図3】本発明に係る更に他の真空熱処理装置を一部縦
断面で例示する全体図。
【図4】図3と同じ真空熱処理装置の内部構造を示す部
分拡大縦断面図。
【図5】図3と同じ真空熱処理装置の内部構造を示す部
分拡大横断面図。
【図6】図3と同じ真空熱処理装置の内部構造を別の角
度から示す部分拡大縦断面図。
【図7】従来の真空熱処理装置における処理室内の圧力
変動を略示するグラフ。
【図8】本発明に係る真空熱処理装置において処理室へ
不活性ガスを供給し続けた場合の処理室内の圧力変動を
略示するグラフ。
【図9】本発明に係る真空熱処理装置において処理室へ
不活性ガスを断続的に供給した場合の処理室内の圧力変
動を略示するグラフ。
【符号の説明】
11,12,14・・・容器、11a,12a,14a
・・・断熱材、21,22,23・・・処理室、31,
33・・・チューブヒータ、32・・・パネルヒータ、
51,52,53・・・不活性ガス供給管、51b,5
3b・・・ノズル、71,72,73・・・凝縮器、8
1,82,83・・・真空ポンプ、92・・・羽根、1
11〜119・・・プレート、121,124,129
・・・撹拌用部材、131,134,139・・・移送
用部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉系の容器内に形成された処理室で粉
    粒体を真空雰囲気下に加熱処理し、該粉粒体から有価金
    属を回収する装置であって、処理室に該粉粒体から発生
    する金属蒸気のキャリアーガスとして不活性ガスを供給
    するようにして成ることを特徴とする粉粒体の真空熱処
    理装置。
  2. 【請求項2】 粉粒体表面に形成される金属蒸気の濃度
    境界層を充分に薄くする或は実質的に破壊するに足る量
    の不活性ガスを供給するようにした請求項1記載の粉粒
    体の真空熱処理装置。
  3. 【請求項3】 処理室に複数のプレートが所定間隔を空
    けて多段に配置されており、該プレートのそれぞれ上面
    に近接して撹拌用部材及び移送用部材が回転可能に配置
    されていて、最上段のプレートに供給した粉粒体を該撹
    拌用部材により撹拌し、併せて該移送用部材により薄く
    広げつつ順次下段のプレートへと落下させて連続的に加
    熱処理するようにした請求項1又は2記載の粉粒体の真
    空熱処理装置。
  4. 【請求項4】 処理室に不活性ガス供給管が挿入されて
    おり、該不活性ガス供給管には複数のノズルが取付けら
    れていて、該ノズルから各プレート上の粉粒体に向かっ
    て不活性ガスを供給するようにした請求項3記載の粉粒
    体の真空熱処理装置。
  5. 【請求項5】 不活性ガスの供給量若しくは排気量を断
    続的に増減させて処理室内の圧力を繰り返し変動させる
    ようにした請求項1、2、3又は4記載の粉粒体の真空
    熱処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019194125A (ja) * 2018-04-27 2019-11-07 有限会社鎌倉エンジニアリング 不活性気体混入装置と粉粒体供給装置
CN112414111A (zh) * 2020-11-23 2021-02-26 张美卿 一种基于物联网的化工生产用煅烧设备

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JP2019194125A (ja) * 2018-04-27 2019-11-07 有限会社鎌倉エンジニアリング 不活性気体混入装置と粉粒体供給装置
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