JPH1080480A - 血漿交換による血液処理方法及び血液処理装置 - Google Patents
血漿交換による血液処理方法及び血液処理装置Info
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- JPH1080480A JPH1080480A JP8237440A JP23744096A JPH1080480A JP H1080480 A JPH1080480 A JP H1080480A JP 8237440 A JP8237440 A JP 8237440A JP 23744096 A JP23744096 A JP 23744096A JP H1080480 A JPH1080480 A JP H1080480A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 血漿交換による血液処理を行うに際し、圧力
制限などの異常に対し、ポンプを適切に制御する手段を
提供する。 【解決手段】 血液処理の実行にあたり、圧力制限が生
じた場合、ポンプ流量を急速に低下させて圧力制限を迅
速に解消する。圧力制限解消後のポンプ流量の回復を予
め設定した増速量に従って行うから、負荷の急激な増加
による過度な圧力上昇を回避できる。運転開始直後の血
液導入時において、血液ポンプ流量を2段階の増速量で
増大させるように設定すれば、装置に急激な負荷を与え
るおそれがなく、制限値を越える圧力上昇を招かずに、
目標流量まで迅速に到達させることができる。
制限などの異常に対し、ポンプを適切に制御する手段を
提供する。 【解決手段】 血液処理の実行にあたり、圧力制限が生
じた場合、ポンプ流量を急速に低下させて圧力制限を迅
速に解消する。圧力制限解消後のポンプ流量の回復を予
め設定した増速量に従って行うから、負荷の急激な増加
による過度な圧力上昇を回避できる。運転開始直後の血
液導入時において、血液ポンプ流量を2段階の増速量で
増大させるように設定すれば、装置に急激な負荷を与え
るおそれがなく、制限値を越える圧力上昇を招かずに、
目標流量まで迅速に到達させることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血漿成分に有害物
質が含まれる場合に、血液から分離した血漿を排出し、
排出した血漿に代えて補液を血液へ供給する血液処理方
法及び処理装置に関する。
質が含まれる場合に、血液から分離した血漿を排出し、
排出した血漿に代えて補液を血液へ供給する血液処理方
法及び処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】血液に対し治療を目的とする処理を施す
方法の一つとして、血漿成分中に有害物質が含まれる場
合、血液から血漿を分離してこれを排出し、代わりに等
量の補液を血液へ供給する血漿交換法が従来知られてい
る。
方法の一つとして、血漿成分中に有害物質が含まれる場
合、血液から血漿を分離してこれを排出し、代わりに等
量の補液を血液へ供給する血漿交換法が従来知られてい
る。
【0003】上記処理を実行するための処理装置は、一
般に、血液ポンプで回路内へ血液を取り込む採血回路・
血液から血漿を分離する血漿分離器・分離した血漿を血
漿交換ポンプで排出する排血漿路・補液の供給手段・補
液の供給手段と返血回路とを血漿交換ポンプを介して連
絡する補液供給路・血漿分離器を通過する血液と補液と
を合流させて返送する返血回路が一連に接続され、回路
の要所に、ヘパリン注入器・加温器・気泡検知器・漏血
検知器・液切れ検知器などのほか、複数の圧力検知器及
び複数のバルブが設けられて成る。
般に、血液ポンプで回路内へ血液を取り込む採血回路・
血液から血漿を分離する血漿分離器・分離した血漿を血
漿交換ポンプで排出する排血漿路・補液の供給手段・補
液の供給手段と返血回路とを血漿交換ポンプを介して連
絡する補液供給路・血漿分離器を通過する血液と補液と
を合流させて返送する返血回路が一連に接続され、回路
の要所に、ヘパリン注入器・加温器・気泡検知器・漏血
検知器・液切れ検知器などのほか、複数の圧力検知器及
び複数のバルブが設けられて成る。
【0004】また、前記の如く構成される処理装置は、
ポンプの駆動・停止及びバルブの開閉を制御する制御手
段が備えられ、血液処理を装置自体が自動運転し得るよ
うに設計されているのが普通である。
ポンプの駆動・停止及びバルブの開閉を制御する制御手
段が備えられ、血液処理を装置自体が自動運転し得るよ
うに設計されているのが普通である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】処理装置の使用中に回
路内圧力や機器に異常が生じた場合、ポンプの運転状況
を異常の内容に応じて適宜制御する必要が有る。例え
ば、特公平2−28981号公報及び特公平5−503
04号公報には、二重濾過型の血液処理装置において、
処理中に血液導入部に詰まりが発生し、ポンプまでの一
次側流路が大きな陰圧となったときに、第1及び第2の
ポンプの回転数を、これらの流量比は一定に保ったまま
低下させて陰圧の増大を回避することが記載されてい
る。
路内圧力や機器に異常が生じた場合、ポンプの運転状況
を異常の内容に応じて適宜制御する必要が有る。例え
ば、特公平2−28981号公報及び特公平5−503
04号公報には、二重濾過型の血液処理装置において、
処理中に血液導入部に詰まりが発生し、ポンプまでの一
次側流路が大きな陰圧となったときに、第1及び第2の
ポンプの回転数を、これらの流量比は一定に保ったまま
低下させて陰圧の増大を回避することが記載されてい
る。
【0006】しかしながら前記先願公報に記載の技術
は、血液導入部での詰まりによるポンプ一次側流路の陰
圧に対処するのみであって、その他の異常事態及び異常
回復時におけるポンプの制御技術を開示するものではな
かった。
は、血液導入部での詰まりによるポンプ一次側流路の陰
圧に対処するのみであって、その他の異常事態及び異常
回復時におけるポンプの制御技術を開示するものではな
かった。
【0007】特に、血液処理の実行中、血漿分離器にお
ける分離膜の目詰まりが進行して、分離膜内外の差圧が
制限値を超えると、血漿分離が不可能となる。その結
果、処理を中断せねばならなくなり、様々な障害を引き
起こすこととなる。
ける分離膜の目詰まりが進行して、分離膜内外の差圧が
制限値を超えると、血漿分離が不可能となる。その結
果、処理を中断せねばならなくなり、様々な障害を引き
起こすこととなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、血漿交換
による血液処理において、血漿分離器における分離膜の
目詰まりが起こり始めて膜間差圧の上昇をきたした場合
にあっても、血漿分離量を制御することにより分離膜の
目詰まりの進行を抑えて差圧の上昇を抑制又は解消し、
依って目的とする処理を中断させることなく完遂でき
る、という知見を得た。本発明は係る知見に基づき創案
されたものであって、処理の実行開始時、処理実行中に
おける異常発生時、及び、異常回復時それぞれにおける
ポンプの運転状況を適切に制御して、安全性に優れ且つ
効率のよい血液処理技術を提供するものである。
による血液処理において、血漿分離器における分離膜の
目詰まりが起こり始めて膜間差圧の上昇をきたした場合
にあっても、血漿分離量を制御することにより分離膜の
目詰まりの進行を抑えて差圧の上昇を抑制又は解消し、
依って目的とする処理を中断させることなく完遂でき
る、という知見を得た。本発明は係る知見に基づき創案
されたものであって、処理の実行開始時、処理実行中に
おける異常発生時、及び、異常回復時それぞれにおける
ポンプの運転状況を適切に制御して、安全性に優れ且つ
効率のよい血液処理技術を提供するものである。
【0009】本発明に使用する血液処理装置は、血液ポ
ンプで回路内へ血液を取り込む採血回路、取り込んだ血
液から血漿を分離する血漿分離器、血漿分離器で血液か
ら分離した血漿を血漿交換ポンプにより排出する排血漿
路、補液の供給手段、補液供給手段と返血回路とを血漿
交換ポンプを介して連絡する補液供給路、血漿分離器を
通過する血液と補液とを合流させて返送する返血回路か
ら構成され、前記血液ポンプ及び血漿交換ポンプの運転
を制御する制御手段と、採血回路・補液供給路・返血回
路の適所に配置される圧力検知器とが設けられている。
ンプで回路内へ血液を取り込む採血回路、取り込んだ血
液から血漿を分離する血漿分離器、血漿分離器で血液か
ら分離した血漿を血漿交換ポンプにより排出する排血漿
路、補液の供給手段、補液供給手段と返血回路とを血漿
交換ポンプを介して連絡する補液供給路、血漿分離器を
通過する血液と補液とを合流させて返送する返血回路か
ら構成され、前記血液ポンプ及び血漿交換ポンプの運転
を制御する制御手段と、採血回路・補液供給路・返血回
路の適所に配置される圧力検知器とが設けられている。
【0010】そして本発明は、このように構成された血
液処理装置によって、以下の如く設定された処理方法を
行うことを特徴とする。
液処理装置によって、以下の如く設定された処理方法を
行うことを特徴とする。
【0011】(血液ポンプ) (1)処理開始時にあっては、血液ポンプの流量を、運
転開始後、所定の目標血液流量に達するまでは、予め設
定される通常増速量で増大させる。あるいは、予め設定
される初期増速量と通常増速量との少なくとも二段階の
増速量で増大させる。 (2)目標血液流量に達したのちは、当該目標血液流量
を保持するように血液ポンプを運転する。 (3)所定の圧力検知器が検出する圧力値又はこれらの
圧力値に基づく演算値が制限値から逸脱して圧力制限を
受けた場合は、血液ポンプの流量を所定の減速量で減少
させる。 (4)圧力制限が解除されたならば、血液ポンプの流量
を前記通常増速量で増大させて前記目標血液流量へ向か
って回復させる。
転開始後、所定の目標血液流量に達するまでは、予め設
定される通常増速量で増大させる。あるいは、予め設定
される初期増速量と通常増速量との少なくとも二段階の
増速量で増大させる。 (2)目標血液流量に達したのちは、当該目標血液流量
を保持するように血液ポンプを運転する。 (3)所定の圧力検知器が検出する圧力値又はこれらの
圧力値に基づく演算値が制限値から逸脱して圧力制限を
受けた場合は、血液ポンプの流量を所定の減速量で減少
させる。 (4)圧力制限が解除されたならば、血液ポンプの流量
を前記通常増速量で増大させて前記目標血液流量へ向か
って回復させる。
【0012】(血漿交換ポンプ) (5)血漿交換ポンプは、血液ポンプ流量が規定値未満
のときには停止させる。 (6)血漿交換ポンプの流量は、運転開始時から前記血
液ポンプ流量に基づき算出される目標血漿流量に達する
までは、予め設定される通常増速量で増大させる。ある
いは、予め設定される初期増速量と通常増速量との少な
くとも二段階の増速量で増大させる。なお目標血漿流量
は、血漿分離器における分離膜間差圧と血液ポンプ流量
との関数として制御することが望ましい。 (7)目標血漿流量に達した後は、これを維持するよう
に、血漿交換ポンプを運転する。 (8)所定の圧力検知器が検出する圧力値又はこれらの
圧力値に基づく演算値が制限値から逸脱して圧力制限を
受けた場合は、血漿交換ポンプの流量を所定の減速量で
減少させる。 (9)圧力制限が解除されたならば、血漿交換ポンプの
流量を前記通常増速量で増大させて前記目標流量にまで
回復させる。
のときには停止させる。 (6)血漿交換ポンプの流量は、運転開始時から前記血
液ポンプ流量に基づき算出される目標血漿流量に達する
までは、予め設定される通常増速量で増大させる。ある
いは、予め設定される初期増速量と通常増速量との少な
くとも二段階の増速量で増大させる。なお目標血漿流量
は、血漿分離器における分離膜間差圧と血液ポンプ流量
との関数として制御することが望ましい。 (7)目標血漿流量に達した後は、これを維持するよう
に、血漿交換ポンプを運転する。 (8)所定の圧力検知器が検出する圧力値又はこれらの
圧力値に基づく演算値が制限値から逸脱して圧力制限を
受けた場合は、血漿交換ポンプの流量を所定の減速量で
減少させる。 (9)圧力制限が解除されたならば、血漿交換ポンプの
流量を前記通常増速量で増大させて前記目標流量にまで
回復させる。
【0013】さらに、次の処理工程を付け加えることが
できる。 (10)血液ポンプの運転中に前記圧力制限以外の異常
が発生した場合は、血液ポンプの流量を、予め設定する
制限値を越えない待機流量に維持するよう制御する。
できる。 (10)血液ポンプの運転中に前記圧力制限以外の異常
が発生した場合は、血液ポンプの流量を、予め設定する
制限値を越えない待機流量に維持するよう制御する。
【0014】(11)圧力制限により、血液ポンプの流
量を減少させる場合は、これと同調させて血漿交換ポン
プの流量を、血液ポンプ流量に基づいて算出される目標
血漿流量となるように制御して減少させる。
量を減少させる場合は、これと同調させて血漿交換ポン
プの流量を、血液ポンプ流量に基づいて算出される目標
血漿流量となるように制御して減少させる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面に基づい
て説明する。図1は血漿交換による血液処理を行うため
の装置であって、血液ポンプで血液を回路内へ取り込み
血漿分離器へ送給する採血回路、血漿分離器で血液から
血漿を分離し該血漿を血漿交換ポンプにより排出する排
血漿路、補液の供給手段、補液供給手段と返血回路を血
漿交換ポンプを介し連絡する補液供給路、血漿分離器を
通過する血液と補液とを合流させたのち返血する返血回
路より構成されている。
て説明する。図1は血漿交換による血液処理を行うため
の装置であって、血液ポンプで血液を回路内へ取り込み
血漿分離器へ送給する採血回路、血漿分離器で血液から
血漿を分離し該血漿を血漿交換ポンプにより排出する排
血漿路、補液の供給手段、補液供給手段と返血回路を血
漿交換ポンプを介し連絡する補液供給路、血漿分離器を
通過する血液と補液とを合流させたのち返血する返血回
路より構成されている。
【0016】なお本実施形態では、血漿交換ポンプとし
て、排血漿路用チューブ及び補液供給路用チューブを同
時に装着できる2連式のものを採用し、排血漿路の血漿
流通と補液供給路の補液流通とを1台のポンプで同時に
実行できるように構成した。これにより、血漿と補液と
の等量交換が保証される。
て、排血漿路用チューブ及び補液供給路用チューブを同
時に装着できる2連式のものを採用し、排血漿路の血漿
流通と補液供給路の補液流通とを1台のポンプで同時に
実行できるように構成した。これにより、血漿と補液と
の等量交換が保証される。
【0017】回路の要所には、圧力検知器P3、圧力検
知器P1,P2,P6,P7を備えたドリップチャンバ
ーD1,D2,D6,D7、流路の開閉及び切換制御を
するためのバルブV1,V9,V12,V13,V1
4,V15のほか、回路の洗浄及び残留血液の回収用の
生理食塩液注入器、血液の凝固を防止するためのヘパリ
ン注入器、血漿分離器から流出する血漿中における漏血
を検知するための漏血検知器、返血する血液を所定温度
に温める加温器、返血する血液中への気泡の混入を検知
する気泡検知器、生理食塩液及び補液の供給を確認する
ための液切れ検知器、その他所要の機器が配設される。
知器P1,P2,P6,P7を備えたドリップチャンバ
ーD1,D2,D6,D7、流路の開閉及び切換制御を
するためのバルブV1,V9,V12,V13,V1
4,V15のほか、回路の洗浄及び残留血液の回収用の
生理食塩液注入器、血液の凝固を防止するためのヘパリ
ン注入器、血漿分離器から流出する血漿中における漏血
を検知するための漏血検知器、返血する血液を所定温度
に温める加温器、返血する血液中への気泡の混入を検知
する気泡検知器、生理食塩液及び補液の供給を確認する
ための液切れ検知器、その他所要の機器が配設される。
【0018】血液ポンプ及び血漿交換ポンプの運転、並
びにバルブの開閉動作は、これらの機器と圧力検知器か
らの検知信号等に基づき、CPU等を備えた制御手段、
血液流量設定器、及び、血漿流量比率設定器により制御
される。
びにバルブの開閉動作は、これらの機器と圧力検知器か
らの検知信号等に基づき、CPU等を備えた制御手段、
血液流量設定器、及び、血漿流量比率設定器により制御
される。
【0019】バルブは、ポンプと連動して開閉制御さ
れ、工程ごとに流路を自動的に切り換えるためのもので
ある。すなわち、処理開始前の回路の組立及び生理食塩
液により洗浄を行う準備工程、血液を回路内へ導入して
血漿交換による血液処理をする工程、処理後に回路内に
残留する血液の回収工程などを実行するに際し、それぞ
れの工程に応じた流路を形成するよう、制御手段がバル
ブの開閉を操作する。
れ、工程ごとに流路を自動的に切り換えるためのもので
ある。すなわち、処理開始前の回路の組立及び生理食塩
液により洗浄を行う準備工程、血液を回路内へ導入して
血漿交換による血液処理をする工程、処理後に回路内に
残留する血液の回収工程などを実行するに際し、それぞ
れの工程に応じた流路を形成するよう、制御手段がバル
ブの開閉を操作する。
【0020】前記血液処理装置を用いた血液処理方法を
次に説明する。なお以下の説明において、各圧力検知器
P1,P2…で測定される圧力を、便宜的にそれぞれP
1,P2…と表記することとする。
次に説明する。なお以下の説明において、各圧力検知器
P1,P2…で測定される圧力を、便宜的にそれぞれP
1,P2…と表記することとする。
【0021】はじめに、血液処理工程の概略について述
べる。普通、血液処理の実行に先立ち、回路の組み立て
及び生理食塩液による回路内の洗浄が行われる。所要の
準備工程を終えたのち、血液ポンプの運転を開始して、
採血回路の採血端から血液を回路内へ取り込み、血漿分
離器へ送給する。血漿分離器で分離された血漿は、血漿
交換ポンプにより排血漿路から排出される。これと同時
に、血漿交換ポンプの駆動によって補液供給手段から、
排出した血漿と等量の補液が補液供給路内へ導入され
る。この補液は返血回路へ供給され、血漿分離器を通過
した血液と合流したのち返送される。
べる。普通、血液処理の実行に先立ち、回路の組み立て
及び生理食塩液による回路内の洗浄が行われる。所要の
準備工程を終えたのち、血液ポンプの運転を開始して、
採血回路の採血端から血液を回路内へ取り込み、血漿分
離器へ送給する。血漿分離器で分離された血漿は、血漿
交換ポンプにより排血漿路から排出される。これと同時
に、血漿交換ポンプの駆動によって補液供給手段から、
排出した血漿と等量の補液が補液供給路内へ導入され
る。この補液は返血回路へ供給され、血漿分離器を通過
した血液と合流したのち返送される。
【0022】前述の処理工程において、血液ポンプの流
量は、採血圧P1・静脈圧P7・血漿分離器差圧ΔP2
/6(=P2−P6)の値をモニターしつつ、これらの
制限値を越えないように制御される。運転開始後、上記
圧力の制限を受けていない場合、血液ポンプの流量QB
は、積算流量が所定値に達するまで、予め設定される初
期増速量Vb0 で増大させる。上記積算流量値は、採血
回路と血漿分離器とを合わせた容量に、ほぼ等しく設定
される。
量は、採血圧P1・静脈圧P7・血漿分離器差圧ΔP2
/6(=P2−P6)の値をモニターしつつ、これらの
制限値を越えないように制御される。運転開始後、上記
圧力の制限を受けていない場合、血液ポンプの流量QB
は、積算流量が所定値に達するまで、予め設定される初
期増速量Vb0 で増大させる。上記積算流量値は、採血
回路と血漿分離器とを合わせた容量に、ほぼ等しく設定
される。
【0023】血液の積算流量が所定値に達したならば、
血液ポンプの流量増大率を通常増速量Vb1 に切り換
え、目標血液流量QBsに到達させる。流量がQBsに
達したのちは、当該目標血液流量を維持するように血液
ポンプの運転を制御する。
血液ポンプの流量増大率を通常増速量Vb1 に切り換
え、目標血液流量QBsに到達させる。流量がQBsに
達したのちは、当該目標血液流量を維持するように血液
ポンプの運転を制御する。
【0024】血漿分離器等の処理機器に対し急激な負荷
が加わって過度な圧力上昇が生ずるのを防ぐため、初期
増速量Vb0 は通常増速量Vb1 よりも低い値に設定さ
れるのが普通であるが、処理状況に応じ、初期増速量V
b0 と通常増速量Vb1 との大小関係は適宜変更可能で
ある。
が加わって過度な圧力上昇が生ずるのを防ぐため、初期
増速量Vb0 は通常増速量Vb1 よりも低い値に設定さ
れるのが普通であるが、処理状況に応じ、初期増速量V
b0 と通常増速量Vb1 との大小関係は適宜変更可能で
ある。
【0025】圧力検知器によりモニターされる前記圧力
P1・P7・ΔP2/6の値が制限値を逸脱して圧力制
限が加わった場合は、血液ポンプ流量を所定の減速量V
b2で減少させる。減速量Vb2 の値は、圧力制限を速
やかに解除すべく十分大きい値に設定される。圧力制限
が解除されたならば、血液ポンプの流量を前記通常増速
量Vb1 で増大させ、目標血液流量QBsへ向かって回
復させる。
P1・P7・ΔP2/6の値が制限値を逸脱して圧力制
限が加わった場合は、血液ポンプ流量を所定の減速量V
b2で減少させる。減速量Vb2 の値は、圧力制限を速
やかに解除すべく十分大きい値に設定される。圧力制限
が解除されたならば、血液ポンプの流量を前記通常増速
量Vb1 で増大させ、目標血液流量QBsへ向かって回
復させる。
【0026】このように本発明にあっては、圧力制限が
加わったときには比較的大きい減速量で血液ポンプ流量
を減少させることにより、圧力の異常状態から急速に脱
出することができ、また回復時には流量を緩やかに増大
させることにより、負荷の急激な増加を回避して過度な
圧力上昇を防げるから、血液ポンプの運転に制限を受け
ない状態を長く維持することができる。
加わったときには比較的大きい減速量で血液ポンプ流量
を減少させることにより、圧力の異常状態から急速に脱
出することができ、また回復時には流量を緩やかに増大
させることにより、負荷の急激な増加を回避して過度な
圧力上昇を防げるから、血液ポンプの運転に制限を受け
ない状態を長く維持することができる。
【0027】なお、血液ポンプが目標血液流量QBsを
保つよう制御されている状態において、前記圧力制限以
外の異常、例えば他の圧力検出器の圧力値異常やバルブ
の動作異常等が発生した場合、血液ポンプは直ちに停止
するか又は急速に減速し、異常が回復するまで、待機流
量QBaを保つ。待機流量QBaの値は、予め定められ
る制限値を上限として、回路内で血液が凝固しない程度
の低速に設定される。
保つよう制御されている状態において、前記圧力制限以
外の異常、例えば他の圧力検出器の圧力値異常やバルブ
の動作異常等が発生した場合、血液ポンプは直ちに停止
するか又は急速に減速し、異常が回復するまで、待機流
量QBaを保つ。待機流量QBaの値は、予め定められ
る制限値を上限として、回路内で血液が凝固しない程度
の低速に設定される。
【0028】一方、血漿交換ポンプは、血液ポンプの運
転開始後、血液ポンプ流量が規定値に達するまでは、停
止状態を維持する。これは、血液ポンプと同時に血漿交
換ポンプを起動させると、血漿分離器へ血液が送給され
る前に血漿を引き抜こうとすることになり、機器に対し
て余分な負荷を与えるからである。
転開始後、血液ポンプ流量が規定値に達するまでは、停
止状態を維持する。これは、血液ポンプと同時に血漿交
換ポンプを起動させると、血漿分離器へ血液が送給され
る前に血漿を引き抜こうとすることになり、機器に対し
て余分な負荷を与えるからである。
【0029】血液ポンプ流量が規定値に達したならば、
血漿交換ポンプの運転を開始し、血漿分離器の分離膜間
差圧TMP〔=(P2+P6)/2−P3〕の値をモニ
ターしつつ、その制限値を越えないよう血漿交換ポンプ
を制御する。運転開始後、上記圧力制限を受けなけれ
ば、血漿交換ポンプの流量QPは、積算流量が所定値に
達するまで、予め設定される初期増速量Vp0 で増大さ
せる。積算流量が所定値に達したならば、流量増大率を
通常増速量Vp1 に切り換えて、目標血漿流量QPsに
到達させる。
血漿交換ポンプの運転を開始し、血漿分離器の分離膜間
差圧TMP〔=(P2+P6)/2−P3〕の値をモニ
ターしつつ、その制限値を越えないよう血漿交換ポンプ
を制御する。運転開始後、上記圧力制限を受けなけれ
ば、血漿交換ポンプの流量QPは、積算流量が所定値に
達するまで、予め設定される初期増速量Vp0 で増大さ
せる。積算流量が所定値に達したならば、流量増大率を
通常増速量Vp1 に切り換えて、目標血漿流量QPsに
到達させる。
【0030】初期増速量Vp0 を通常増速量Vp1 に切
り換える血漿の積算流量の値は、血漿分離器における二
次側の容量(血漿容量)に基づいて設定される。
り換える血漿の積算流量の値は、血漿分離器における二
次側の容量(血漿容量)に基づいて設定される。
【0031】血漿交換ポンプの目標血漿流量QPsの値
は、血液ポンプ流量QBと前記分離膜間差圧TMPとの
関数として与えられる。すなわち血漿交換ポンプは、実
際の血液ポンプ流量QBと前記TMPから求められる比
率に基づき、時々刻々算出される目標血漿流量QPsと
なるように制御される。
は、血液ポンプ流量QBと前記分離膜間差圧TMPとの
関数として与えられる。すなわち血漿交換ポンプは、実
際の血液ポンプ流量QBと前記TMPから求められる比
率に基づき、時々刻々算出される目標血漿流量QPsと
なるように制御される。
【0032】血漿分離器の分離膜に対し急激な負荷が加
わって過度の圧力上昇が生ずるのを防ぐため、血漿交換
ポンプの初期増速量Vp0 は通常増速量Vp1 よりも低
い値に設定されるのが普通であるが、処理状況に応じ、
初期増速量Vp0 と通常増速量Vp1 との大小関係は適
宜変更可能である。
わって過度の圧力上昇が生ずるのを防ぐため、血漿交換
ポンプの初期増速量Vp0 は通常増速量Vp1 よりも低
い値に設定されるのが普通であるが、処理状況に応じ、
初期増速量Vp0 と通常増速量Vp1 との大小関係は適
宜変更可能である。
【0033】圧力検知器によりモニターされる前記圧力
TMPの値が制限値を逸脱して圧力制限が加わった場合
は、血漿交換ポンプの流量QPを所定の減速量Vp2 で
減少させる。減速量Vp2 の値は、圧力制限を速やかに
解除すべく十分大きい値に設定される。圧力制限が解除
されたならば、血漿交換ポンプの流量QPを通常増速量
Vp1 で増大させ、目標血漿流量QPsへ向かって回復
させる。
TMPの値が制限値を逸脱して圧力制限が加わった場合
は、血漿交換ポンプの流量QPを所定の減速量Vp2 で
減少させる。減速量Vp2 の値は、圧力制限を速やかに
解除すべく十分大きい値に設定される。圧力制限が解除
されたならば、血漿交換ポンプの流量QPを通常増速量
Vp1 で増大させ、目標血漿流量QPsへ向かって回復
させる。
【0034】このように本発明は、血漿交換ポンプにつ
いても、圧力制限の発生時には比較的大きい減速量でポ
ンプ流量を減少させて圧力の異常状態を迅速に解消し、
また回復時には流量を緩やかに増大させることにより、
負荷の急激な増加を回避して過度な圧力上昇を防ぐか
ら、ポンプの運転に制限が加わる状態を少なくすること
ができる。
いても、圧力制限の発生時には比較的大きい減速量でポ
ンプ流量を減少させて圧力の異常状態を迅速に解消し、
また回復時には流量を緩やかに増大させることにより、
負荷の急激な増加を回避して過度な圧力上昇を防ぐか
ら、ポンプの運転に制限が加わる状態を少なくすること
ができる。
【0035】血漿交換ポンプに異常がなく、圧力制限に
より血液ポンプの流量を減少させる場合は、これと同調
させて血漿交換ポンプ流量QPも減少させる。このとき
の血漿交換ポンプ流量は、血液ポンプ流量に基づき前述
の目標血漿流量QPsを算出するのと同様の手法によっ
て定められる。但し、血液ポンプの流量が規定値を下回
ったときには、血漿交換ポンプを停止させる。
より血液ポンプの流量を減少させる場合は、これと同調
させて血漿交換ポンプ流量QPも減少させる。このとき
の血漿交換ポンプ流量は、血液ポンプ流量に基づき前述
の目標血漿流量QPsを算出するのと同様の手法によっ
て定められる。但し、血液ポンプの流量が規定値を下回
ったときには、血漿交換ポンプを停止させる。
【0036】以上述べたポンプの制御方式をまとめる
と、図2の如くとなる。
と、図2の如くとなる。
【0037】
【実施例】図1に示す血液処理装置により本発明に係る
血液処理工程を実行する場合の条件設定の一例を以下に
述べる。
血液処理工程を実行する場合の条件設定の一例を以下に
述べる。
【0038】血液ポンプは、運転開始直後、流量QBを
20〜100ml/分/分の範囲で適宜設定される初期
増速量Vb0 で増大させる。血液の積算流量が採血回路
と血漿分離器との容量の合計にほぼ等しい300mlに
達したならば、流量の増大率を20〜150ml/分/
分の範囲で適宜設定される通常増速量Vb1 に切り換
え、目標血液流量QBs=100ml/分に到達させ
る。初期増速量Vb0 <通常増速量Vb1 と設定するの
が一般的であるが、特に限定はしない。流量がQBsに
達したならば、当該目標血液流量QBsを維持するよう
に血液ポンプを制御する。
20〜100ml/分/分の範囲で適宜設定される初期
増速量Vb0 で増大させる。血液の積算流量が採血回路
と血漿分離器との容量の合計にほぼ等しい300mlに
達したならば、流量の増大率を20〜150ml/分/
分の範囲で適宜設定される通常増速量Vb1 に切り換
え、目標血液流量QBs=100ml/分に到達させ
る。初期増速量Vb0 <通常増速量Vb1 と設定するの
が一般的であるが、特に限定はしない。流量がQBsに
達したならば、当該目標血液流量QBsを維持するよう
に血液ポンプを制御する。
【0039】血液ポンプの運転は、圧力検知器で検知さ
れる採血圧P1,静脈圧P7,血漿分離器差圧ΔP2/
6をモニターしながら、これらの制限値を超えないよう
に制御される。上記圧力が制限値を逸脱して圧力制限を
受けた場合、すなわち採血圧P1が下限値を下回るか、
静脈圧P7が上限値を超えるか、あるいは血漿分離器差
圧ΔP2/6が上限値を超えるかした場合は、血液ポン
プの流量QBをVb2=300ml/分/分の大きい減
速量で急速に減少させ、圧力制限の迅速な解除を図る。
圧力制限が解除したならば、血液ポンプ流量QBを、通
常増速量Vb1で増大させ、目標血液流量QBs(=1
00ml/分)へ向かって回復させる。
れる採血圧P1,静脈圧P7,血漿分離器差圧ΔP2/
6をモニターしながら、これらの制限値を超えないよう
に制御される。上記圧力が制限値を逸脱して圧力制限を
受けた場合、すなわち採血圧P1が下限値を下回るか、
静脈圧P7が上限値を超えるか、あるいは血漿分離器差
圧ΔP2/6が上限値を超えるかした場合は、血液ポン
プの流量QBをVb2=300ml/分/分の大きい減
速量で急速に減少させ、圧力制限の迅速な解除を図る。
圧力制限が解除したならば、血液ポンプ流量QBを、通
常増速量Vb1で増大させ、目標血液流量QBs(=1
00ml/分)へ向かって回復させる。
【0040】血液ポンプには異常がなく、前記圧力制限
以外の異常(例えばバルブの異常)が生じた場合は、血
液ポンプを急速に減速し、50ml/分を上限として、
血液流量設定器で設定される待機流量QBaとなるよう
に血液ポンプを制御して血液循環を行う。異常が解消し
たならば、血液ポンプ流量QBを目標血液流量QBsま
で回復させる。その実行手順は、前述した通りである。
以外の異常(例えばバルブの異常)が生じた場合は、血
液ポンプを急速に減速し、50ml/分を上限として、
血液流量設定器で設定される待機流量QBaとなるよう
に血液ポンプを制御して血液循環を行う。異常が解消し
たならば、血液ポンプ流量QBを目標血液流量QBsま
で回復させる。その実行手順は、前述した通りである。
【0041】一方、血漿交換ポンプについては、血液ポ
ンプの運転開始後、血液ポンプ流量QBが15ml/分
に達するまでは停止させておく。血液ポンプ流量QBが
15ml/分に達したならば、血漿交換ポンプの運転を
開始する。血漿交換ポンプの流量QPは、血漿の積算流
量が、血漿分離器における二次側の血漿容量にほぼ等し
い50mlとなるまでは、10〜60ml/分/分の範
囲で設定される初期増速量Vp0 で増大させる。積算流
量が50mlに達したのちは10〜100ml/分/分
の範囲で設定される通常増速量Vp1 で増大させて、目
標血漿流量QPsに到達させる。なお、機器に対する負
荷の増大を緩やかにするため、普通は処理増速量Vp0
よりも通常増速量Vp1 の方を大きく設定する。
ンプの運転開始後、血液ポンプ流量QBが15ml/分
に達するまでは停止させておく。血液ポンプ流量QBが
15ml/分に達したならば、血漿交換ポンプの運転を
開始する。血漿交換ポンプの流量QPは、血漿の積算流
量が、血漿分離器における二次側の血漿容量にほぼ等し
い50mlとなるまでは、10〜60ml/分/分の範
囲で設定される初期増速量Vp0 で増大させる。積算流
量が50mlに達したのちは10〜100ml/分/分
の範囲で設定される通常増速量Vp1 で増大させて、目
標血漿流量QPsに到達させる。なお、機器に対する負
荷の増大を緩やかにするため、普通は処理増速量Vp0
よりも通常増速量Vp1 の方を大きく設定する。
【0042】血漿ポンプは、血液ポンプ流量QBと血漿
分離器の分離膜間差圧TMP〔=(P2+P6)/2−
P3〕とに基づき算出される目標血漿流量QPsとなる
ように、時々刻々制御される。
分離器の分離膜間差圧TMP〔=(P2+P6)/2−
P3〕とに基づき算出される目標血漿流量QPsとなる
ように、時々刻々制御される。
【0043】前記目標血漿流量QPsは、血液ポンプ流
量QBに、血漿流量比率設定器により予め設定される血
漿流量比係数Kと、血漿分離器の分離膜間差圧TMPに
基づき次式で定義される係数R1とを乗じた値、すなわ
ちQPs=K・R1・QBにより与えられる。
量QBに、血漿流量比率設定器により予め設定される血
漿流量比係数Kと、血漿分離器の分離膜間差圧TMPに
基づき次式で定義される係数R1とを乗じた値、すなわ
ちQPs=K・R1・QBにより与えられる。
【0044】R1=1.0−(TMP/TMP上限値)
・(1.0−r) 上式においてrは差圧上限係数であり、0.0≦r<
1.00の範囲で、分離膜における目詰まりの状況に応
じ適宜設定される。血液の性状や分離膜の品質などによ
り、分離膜が目詰まりを起こしやすい場合が有る。経験
的に目詰まりを起こしやすいことが分かっている場合
は、前記rの値を低めに設定する。反対に、目詰まりの
おそれのないことが経験的に分かっている場合は、rの
値を高めに設定すればよい。
・(1.0−r) 上式においてrは差圧上限係数であり、0.0≦r<
1.00の範囲で、分離膜における目詰まりの状況に応
じ適宜設定される。血液の性状や分離膜の品質などによ
り、分離膜が目詰まりを起こしやすい場合が有る。経験
的に目詰まりを起こしやすいことが分かっている場合
は、前記rの値を低めに設定する。反対に、目詰まりの
おそれのないことが経験的に分かっている場合は、rの
値を高めに設定すればよい。
【0045】前記Kの値は、血漿分離器の性能や血液の
性状を勘案して血漿流量比率設定器により設定される値
であって、一般に0.2〜0.4の範囲で設定され、通
常は0.25〜0.35の範囲で用いられる。
性状を勘案して血漿流量比率設定器により設定される値
であって、一般に0.2〜0.4の範囲で設定され、通
常は0.25〜0.35の範囲で用いられる。
【0046】前記分離膜間差圧TMPが制限値を逸脱し
た場合、血漿交換ポンプの流量を、所定の減速量Vp2
(例えば140ml/分/分)で急速に減少させる。流
量減少により圧力制限が解除したならば、再び血漿交換
ポンプの流量QPを前記通常増速量Vp1 で増大させ、
目標血漿流量QPsへ向かって回復させる。
た場合、血漿交換ポンプの流量を、所定の減速量Vp2
(例えば140ml/分/分)で急速に減少させる。流
量減少により圧力制限が解除したならば、再び血漿交換
ポンプの流量QPを前記通常増速量Vp1 で増大させ、
目標血漿流量QPsへ向かって回復させる。
【0047】なお、モニターされる各圧力の制限値、す
なわち前記採血圧P1の下限値、静脈圧P7の上限値、
血漿分離器差圧ΔP2/6の上限値、分離膜間差圧TM
Pの上限値の上限値は、いずれも警報値よりも内輪に設
定して、安全性を確保する。具体的には、警報値と制限
値との間に約20mmHg程度の差を設けておく。
なわち前記採血圧P1の下限値、静脈圧P7の上限値、
血漿分離器差圧ΔP2/6の上限値、分離膜間差圧TM
Pの上限値の上限値は、いずれも警報値よりも内輪に設
定して、安全性を確保する。具体的には、警報値と制限
値との間に約20mmHg程度の差を設けておく。
【0048】血漿交換ポンプの運転は、血液ポンプとは
独立するものではなく、連動して制御される。血漿交換
ポンプの運転には支障がなく、圧力制限により血液ポン
プ流量QBを減少させる必要が生じた場合には、これと
同調させて血漿交換ポンプ流量QPも減少させる。この
とき血漿交換ポンプ流量QPは、血液ポンプ流量QBに
前述の血漿流量比係数K及びR1を乗じた値、つまりQ
P=K・R1・QBの関係を保つように制御される。ま
た、圧力制限以外の異常(バルブ異常等)が発生して、
血液ポンプを待機流量QBaとする場合は、原則として
血漿交換ポンプを停止させる。
独立するものではなく、連動して制御される。血漿交換
ポンプの運転には支障がなく、圧力制限により血液ポン
プ流量QBを減少させる必要が生じた場合には、これと
同調させて血漿交換ポンプ流量QPも減少させる。この
とき血漿交換ポンプ流量QPは、血液ポンプ流量QBに
前述の血漿流量比係数K及びR1を乗じた値、つまりQ
P=K・R1・QBの関係を保つように制御される。ま
た、圧力制限以外の異常(バルブ異常等)が発生して、
血液ポンプを待機流量QBaとする場合は、原則として
血漿交換ポンプを停止させる。
【0049】なお本実施例では、血液ポンプの流量QB
が15ml/分を下回った場合、血漿交換ポンプを停止
させるように設定してある。但し、血漿交換ポンプを停
止させる血液ポンプ流量QBの値は15ml/分に限定
されるものではなく、ポンプの性能などに応じ適宜決め
ればよい。
が15ml/分を下回った場合、血漿交換ポンプを停止
させるように設定してある。但し、血漿交換ポンプを停
止させる血液ポンプ流量QBの値は15ml/分に限定
されるものではなく、ポンプの性能などに応じ適宜決め
ればよい。
【0050】圧力制限その他の異常が解消したとき、血
漿交換ポンプ流量QPを回復させる手順は、前記に準ず
る。
漿交換ポンプ流量QPを回復させる手順は、前記に準ず
る。
【0051】
【発明の効果】本発明は、血液処理を実行するにあた
り、所定の圧力検知器によりモニターされる圧力が制限
値を逸脱して圧力制限が生じた場合には、ポンプ流量を
急速に低下させるように設定されているので、圧力制限
を迅速に解消することができる。そして圧力制限解消後
のポンプ流量の回復は、予め設定された増速量に従って
なされるから、この場合にも、負荷の急激な増加による
過度な圧力上昇を回避することができる。
り、所定の圧力検知器によりモニターされる圧力が制限
値を逸脱して圧力制限が生じた場合には、ポンプ流量を
急速に低下させるように設定されているので、圧力制限
を迅速に解消することができる。そして圧力制限解消後
のポンプ流量の回復は、予め設定された増速量に従って
なされるから、この場合にも、負荷の急激な増加による
過度な圧力上昇を回避することができる。
【0052】また、処理装置の運転開始直後の血液導入
時おいて、血液ポンプ流量を2段階の増速量で増大させ
るように設定すれば、装置に急激な負荷を与えるおそれ
がなく、制限値を越える圧力上昇を招かずに、目標流量
まで迅速に到達させることができる。また、血漿交換ポ
ンプについても同様に、運転開始直後は流量を2段階で
増大させるように設定すれば、圧力の制限値を逸脱する
ことなく、所定の目標流量に速やかに到達させることが
可能である。
時おいて、血液ポンプ流量を2段階の増速量で増大させ
るように設定すれば、装置に急激な負荷を与えるおそれ
がなく、制限値を越える圧力上昇を招かずに、目標流量
まで迅速に到達させることができる。また、血漿交換ポ
ンプについても同様に、運転開始直後は流量を2段階で
増大させるように設定すれば、圧力の制限値を逸脱する
ことなく、所定の目標流量に速やかに到達させることが
可能である。
【0053】さらに、血液ポンプは正常で且つ圧力制限
以外の異常が生じた場合は、血液ポンプ流量を急速に減
少させると共に、予め設定された上限値を超えない範囲
で待機流量を維持するようにポンプを制御するから、処
理の安全性を確保しつつ、血液の流動を停止させること
がない。依って、回路内における血液の凝固を防ぐこと
ができる。
以外の異常が生じた場合は、血液ポンプ流量を急速に減
少させると共に、予め設定された上限値を超えない範囲
で待機流量を維持するようにポンプを制御するから、処
理の安全性を確保しつつ、血液の流動を停止させること
がない。依って、回路内における血液の凝固を防ぐこと
ができる。
【0054】血液ポンプの流量を、血漿分離器における
分離膜間差圧の関数として制御することにより、時々刻
々変化する分離膜の目詰まり状況に即応した最適な血液
ポンプ流量を設定することができる。依って、分離膜の
目詰まりの進行抑制して、途中で中断したり制限を受け
たりすることなく、所要の血液処理を完遂させることが
できる。
分離膜間差圧の関数として制御することにより、時々刻
々変化する分離膜の目詰まり状況に即応した最適な血液
ポンプ流量を設定することができる。依って、分離膜の
目詰まりの進行抑制して、途中で中断したり制限を受け
たりすることなく、所要の血液処理を完遂させることが
できる。
【図1】本発明に係る血液処理装置の回路構成を示す概
略図である。
略図である。
【図2】本発明に係る血液処理方法に基づくポンプの制
御状況を示すグラフである。
御状況を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜西 康史 兵庫県西宮市上甲子園1−15−34 (72)発明者 高尾 宣積 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内 (72)発明者 成定 正隆 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内
Claims (10)
- 【請求項1】 採血回路に設けた血液ポンプで血液を取
り込んで血漿分離器へ送給し、当該血漿分離器で血液か
ら分離した血漿を血漿交換ポンプで排血漿路へ導いて排
出すると共に、上記血漿交換ポンプで補液を補液供給路
内へ導入し、当該補液と前記血漿分離器を通過する血液
とを合流させたのち、これを返血回路を通じ返送する血
液処理方法において、 採血回路・補液供給路・返血回路の適所に圧力検知器を
設け、 運転開始時から所定の目標血液流量に達するまでは前記
血液ポンプの流量を予め設定される通常増速量で増大さ
せ、前記目標血液流量に達した後は当該目標血液流量を
保持するように前記血液ポンプを運転し、所定の圧力検
知器が検出する圧力値又はこれらの圧力値に基づく演算
値が制限値から逸脱して圧力制限を受けた場合は前記血
液ポンプの流量を所定の減速量で減少させ、上記圧力制
限が解除されたならば前記血液ポンプの流量を前記通常
増速量で増大させて前記目標血液流量へ向かって回復さ
せ、 前記血漿交換ポンプは血液ポンプ流量が規定値未満のと
きには停止させ、運転開始時から前記血液ポンプ流量に
基づき算出される目標血漿流量に達するまでは前記血漿
交換ポンプの流量を予め設定される通常増速量で増大さ
せ、前記目標血漿流量に達した後は当該目標血漿流量を
維持するように前記血漿交換ポンプを運転し、所定の圧
力検知器が検出する圧力値又はこれらの圧力値に基づく
演算値が制限値から逸脱して圧力制限を受けた場合は前
記血漿交換ポンプの流量を所定の減速量で減少させ、上
記圧力制限が解除されたならば前記血漿交換ポンプの流
量を前記通常増速量で増大させて前記目標血漿流量へ向
かって回復させることを特徴とする血漿交換による血液
処理方法。 - 【請求項2】 前記血漿交換ポンプにおける目標血漿流
量を、前記血漿分離器における分離膜間差圧の値と血液
ポンプ流量とから算出される流量とする請求項1に記載
の血漿交換による血液処理方法。 - 【請求項3】 運転開始時から前記目標血液流量及び目
標血漿流量に達するまで、前記血液ポンプ及び血漿交換
ポンプの流量を、予め設定される初期増速量と通常増速
量との少なくとも二段階の増速量で増大させる請求項1
又は2に記載の血漿交換による血液処理方法。 - 【請求項4】 圧力制限以外の異常が発生した場合は、
前記血液ポンプ流量を、予め設定する制限値を越えない
待機流量に維持するように制御する請求項1乃至3のい
ずれかに記載の血漿交換による血液処理方法。 - 【請求項5】 血液ポンプの流量を減少させる場合は、
これと同調させて血漿交換ポンプの流量を、血液ポンプ
流量に基づき算出される目標血漿流量となるように制御
して減少させる請求項1乃至4のいずれかに記載の血漿
交換による血液処理方法。 - 【請求項6】 血液ポンプで回路内へ血液を取り込む採
血回路、取り込んだ血液から血漿を分離する血漿分離
器、血漿分離器で血液から分離した血漿を血漿交換ポン
プにより排出する排血漿路、補液の供給手段、補液供給
手段と返血回路とを血漿交換ポンプを介して連絡する補
液供給路、血漿分離器を通過する血液と補液とを合流さ
せて返送する返血回路から構成される血液処理装置にお
いて、 前記血液ポンプ及び血漿交換ポンプの運転を制御する制
御手段と、採血回路・補液供給路・返血回路の適所に配
置される圧力検知器とが設けられ、 前記制御手段は、 運転開始時から所定の目標血液流量に達するまでは前記
血液ポンプの流量を予め設定される通常増速量で増大さ
せ、前記目標血液流量に達したのちは当該目標血液流量
を保持するように前記血液ポンプを運転し、所定の圧力
検知器が検出する圧力値又はこれらの圧力値に基づく演
算値が制限値から逸脱して圧力制限を受けた場合は前記
血液ポンプの流量を所定の減速量で減少させ、上記圧力
制限が解除されたならば前記血液ポンプの流量を前記通
常増速量で増大させて前記目標血液流量へ向かって回復
させるように設定され、 血液ポンプ流量が規定値未満のときには前記血漿交換ポ
ンプを停止させ、運転開始時から前記血液ポンプ流量に
基づき算出される目標血漿流量に達するまでは前記血漿
交換ポンプの流量を予め設定される通常増速量で増大さ
せ、前記目標血漿流量に達した後は当該目標血漿流量を
維持するように前記血漿交換ポンプを運転し、所定の圧
力検知器が検出する圧力値又はこれらの圧力値に基づく
演算値が制限値から逸脱して圧力制限を受けた場合は前
記血漿交換ポンプの流量を所定の減速量で減少させ、上
記圧力制限が解除されたならば前記血漿交換ポンプの流
量を前記通常増速量で増大させて前記目標血漿流量へ向
かって回復させるように設定されていることを特徴とす
る血液処理装置。 - 【請求項7】 前記制御手段は、前記血漿交換ポンプの
目標血漿流量が、前記血漿分離器における分離膜間差圧
と血液ポンプ流量とから算出される流量となるように、
前記血漿交換ポンプの運転を制御するよう設定されてい
る請求項6に記載の血液処理装置。 - 【請求項8】 前記制御手段は、運転開始時から前記目
標血液流量及び目標血漿流量に達するまでは、前記血液
ポンプ及び血漿交換ポンプの流量を、予め設定される初
期増速量と通常増速量との少なくとも二段階の増速量で
増大させるように設定されている請求項6又は7に記載
の血液処理装置。 - 【請求項9】 前記制御手段は、圧力制限以外の異常が
発生した場合は、血液ポンプの流量を前記所定減速量で
減少させたのち、予め設定する制限値を越えない待機流
量に維持するように設定されている請求項6乃至8のい
ずれかに記載の血液処理装置。 - 【請求項10】前記制御手段は、前記血液ポンプの流量
を減少させる場合、これと同調させて血漿交換ポンプの
流量を、血液ポンプ流量に基づいて算出される目標血漿
流量となるように制御して減少させるように設定されて
いる請求項6乃至9のいずれかに記載の血液処理装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8237440A JPH1080480A (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 血漿交換による血液処理方法及び血液処理装置 |
CA002214754A CA2214754A1 (en) | 1996-09-09 | 1997-09-08 | Method and apparatus for treating blood |
EP97115528A EP0834329A1 (en) | 1996-09-09 | 1997-09-08 | Method and apparatus for treating blood |
US08/924,942 US6083187A (en) | 1996-09-09 | 1997-09-08 | Method and apparatus for treating blood |
KR1019970046750A KR19980024552A (ko) | 1996-09-09 | 1997-09-09 | 혈액 처리 방법 및 그 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8237440A JPH1080480A (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 血漿交換による血液処理方法及び血液処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1080480A true JPH1080480A (ja) | 1998-03-31 |
Family
ID=17015395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8237440A Pending JPH1080480A (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 血漿交換による血液処理方法及び血液処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1080480A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002093174A3 (en) * | 2001-05-16 | 2003-07-10 | Syn X Pharma Inc | A method of treatment of alzheimer's disease and device therefor |
JP2011206197A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Asahi Kasei Kuraray Medical Co Ltd | 血液浄化装置 |
-
1996
- 1996-09-09 JP JP8237440A patent/JPH1080480A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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