JPH1080478A - 二重濾過による血漿処理方法及び血漿処理装置 - Google Patents

二重濾過による血漿処理方法及び血漿処理装置

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JPH1080478A
JPH1080478A JP8237438A JP23743896A JPH1080478A JP H1080478 A JPH1080478 A JP H1080478A JP 8237438 A JP8237438 A JP 8237438A JP 23743896 A JP23743896 A JP 23743896A JP H1080478 A JPH1080478 A JP H1080478A
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JP
Japan
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plasma
flow rate
pump
blood
pressure
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Application number
JP8237438A
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English (en)
Inventor
Takehisa Nakayama
威久 中山
Hiroshi Tachibana
博 立花
Keiichi Yoshida
恵一 吉田
Yasushi Hamanishi
康史 浜西
Yoshizumi Takao
宣積 高尾
Masataka Narisada
正隆 成定
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Yokogawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二重濾過による血漿処理を行うに際し、圧力
制限などの異常に対し、ポンプを適切に制御する手段を
提供する。 【解決手段】 血漿処理の実行にあたり、圧力制限が生
じた場合、ポンプ流量を急速に低下させて圧力制限を迅
速に解消する。圧力制限解消後のポンプ流量の回復を予
め設定した増速量に従って行うから、負荷の急激な増加
による過度な圧力上昇を回避できる。運転開始直後の血
液導入時において、血液ポンプ流量を2段階の増速量で
増大させるように設定すれば、装置に急激な負荷を与え
るおそれがなく、制限値を越える圧力上昇を招かずに、
目標流量まで迅速に到達させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液から分離した
血漿をさらに高分子量成分と低分子量成分とに分離した
のち、有害物質を含む高分子量成分を排出し、低分子量
成分は補液を供給して返送する二重濾過による血漿処理
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】血液に対し治療を目的とする処理を施す
方法の一つとして、血液から血漿を分離し、これをさら
に高分子量成分と低分子量成分とに分離したのち、有害
物質・不要物質を含む高分子量成分は排出し、低分子量
成分は排出した高分子量成分に代わる補液を供給して元
の血液と合流させ返送する、いわゆる血漿二重濾過法が
従来知られている。
【0003】二重濾過による血漿処理を実行するための
処理装置は、一般に、血液ポンプで回路内へ血液を取り
込む採血回路・血液から血漿を分離する血漿分離器・分
離した血漿を血漿ポンプで血漿成分分離器へ導いて高分
子量成分と低分子量成分とに分離したのち後者の低分子
量成分を返送する血漿回路・前者の高分子量成分を置換
液ポンプで排出する排出路・補液供給手段と血漿回路と
を置換液ポンプを介して接続する補液供給路・補液を供
給した低分子量成分と血漿分離器を通過する血液とを合
流させて返送する返血回路が一連に接続され、回路の要
所に、ヘパリン注入器・加温器・気泡検知器・漏血検知
器・液切れ検知器などのほか、複数の圧力検知器及び複
数のバルブが設けられて成る。
【0004】また、上記の如く構成される処理装置は、
ポンプの駆動・停止及びバルブの開閉を制御する制御手
段が備えられ、血漿処理を装置自体が自動運転し得るよ
うに設計されているのが普通である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】処理装置の使用中に回
路内圧力や機器に異常が生じた場合、ポンプの運転状況
を異常の内容に応じて適宜制御する必要が有る。例え
ば、特公平2−28981号公報及び特公平5−503
04号公報には、二重濾過型の血漿処理装置において、
処理中に血液導入部に詰まりが発生し、ポンプまでの一
次側流路が大きな陰圧となったときに、第1及び第2の
ポンプの回転数を、これらの流量比は一定に保ったまま
低下させて陰圧の増大を回避することが記載されてい
る。
【0006】しかしながら前記先願公報に記載の技術
は、血液導入部での詰まりによるポンプ一次側流路の陰
圧に対処するのみであって、その他の異常事態及び異常
回復時におけるポンプの制御技術を開示するものではな
かった。
【0007】特に、血漿処理の実行中、血漿分離器にお
ける分離膜の目詰まりが進行して、分離膜内外の差圧が
制限値を超えると、血漿分離が不可能となる。その結
果、処理を中断せねばならなくなり、様々な障害を引き
起こすこととなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、二重濾過
による血漿処理において、血漿分離器における分離膜の
目詰まりが起こり始めて膜間差圧の上昇をきたした場合
にあっても、血漿分離量を制御することにより分離膜の
目詰まりの進行を抑えて差圧の上昇を抑制又は解消し、
依って目的とする処理を中断することなく完遂できる、
という知見を得た。本発明は係る知見に基づき創案され
たものであって、処理の実行開始時、処理実行中におけ
る異常発生時、及び、異常回復時それぞれにおけるポン
プの運転状況を適切に制御して、安全性に優れ且つ効率
のよい二重濾過による血漿処理技術を提供するものであ
る。
【0009】本発明に使用する血漿処理装置は、血液ポ
ンプで回路内へ血液を取り込む採血回路、取り込んだ血
液から血漿を分離する血漿分離器、血漿分離器で血液か
ら分離した血漿を血漿ポンプで血漿成分分離器へ導いて
高分子量成分と低分子量成分とに分離したのち後者の低
分子量成分を返送する血漿回路、前者の高分子量成分を
置換液ポンプにより排出する排出路、補液供給手段と血
漿回路とを前記置換液ポンプを介して接続する補液供給
路、補液が供給された低分子量成分と血漿分離器を通過
する血液とを合流させて返送する返血回路から構成さ
れ、血液ポンプ・血漿ポンプ・置換液ポンプの運転を制
御する制御手段と、採血回路・血漿回路・返血回路の適
所に配置される圧力検知器とが設けられている。
【0010】そして本発明は、このように構成された血
漿処理装置によって、以下の如く設定された処理方法を
行うことを特徴とする。
【0011】(血液ポンプ) (1)処理開始時にあっては、血液ポンプの流量を、運
転開始後、所定の目標血液流量に達するまでは、予め設
定される通常増速量で増大させる。あるいは、予め設定
される初期増速量と通常増速量との少なくとも二段階の
増速量で増大させる。 (2)目標血液流量に達したのちは、当該目標血液流量
を保持するように血液ポンプの運転を制御する。 (3)所定の圧力検知器が検出する圧力値又はこれらの
圧力値に基づく演算値が制限値から逸脱して圧力制限を
受けた場合は、血液ポンプの流量を所定の減速量で減少
させる。 (4)圧力制限が解除されたならば、血液ポンプの流量
を前記通常増速量で増大させて、前記目標血液流量へ向
かって回復させる。
【0012】(血漿ポンプ) (5)血漿ポンプは、血液ポンプ流量が規定値未満のと
きには停止させる。 (6)血漿ポンプの流量は、運転開始時から前記血液ポ
ンプ流量に基づき算出される目標血漿流量に達するまで
は、予め設定される通常増速量で増大させる。あるい
は、予め設定される初期増速量と通常増速量との少なく
とも二段階の増速量で増大させる。なお目標血漿流量
は、血漿分離器における分離膜間差圧と血液ポンプ流量
との関数として制御することが望ましい。 (7)目標血漿流量に達した後は、これを維持するよう
に血漿ポンプの運転を制御する。 (8)所定の圧力検知器が検出する圧力値又はこれらの
圧力値に基づく演算値が制限値から逸脱して圧力制限を
受けた場合、血漿ポンプの流量を所定の減速量で減少さ
せる。 (9)圧力制限が解除されたならば、血漿ポンプの流量
を前記通常増速量で増大させて、前記目標血漿流量へ向
かって回復させる。
【0013】(置換液ポンプ) (10)置換液ポンプは、前記圧力検知器が検出する圧
力値に基づく演算値が設定値未満のときには停止させ
る。 (11)上記演算値が設定値を越えると運転を開始し
て、予め設定される目標置換液流量へ向かって流量を所
定の増速量で増大させる。なお上記演算値には、例え
ば、前記血漿成分分離器における分離膜間差圧の値が用
いられる。 (12)置換液ポンプの流量が、前記目標置換液流量か
又は血漿ポンプ流量に基づき規定される規定流量のいず
れか小さい方の流量を保持するように運転を制御する。
【0014】さらに、次の処理工程を付け加えることが
できる。 (13)血液ポンプの運転中に前記圧力制限以外の異常
が発生した場合は、血液ポンプの流量を、予め設定する
制限値を越えない待機流量に維持するように制御する。
【0015】(14)圧力制限により血液ポンプの流量
を減少させる場合、これと同調させて血漿ポンプの流量
を、血液ポンプ流量に基づいて算出される前記目標血漿
流量となるように制御して減少させる。
【0016】(15)置換液ポンプを間欠運転する。な
お、間欠運転をする場合における置換液ポンプ流量は、
所定時間あたりの平均流量とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面に基づい
て説明する。図1は二重濾過による血漿処理を行うため
の装置であって、血液ポンプで血液を回路内へ取り込み
血漿分離器へ送給する採血回路、血漿分離器で分離した
血漿を血漿ポンプにより血漿成分分離器へ導いて高分子
量成分と低分子量成分とに分離したのち後者の低分子量
成分を返送する血漿回路、前者の高分子量成分を置換液
ポンプで排出する排出路、補液の供給手段と血漿回路と
を置換液ポンプを介し連絡する補液供給路、補液が供給
された低分子量成分と血漿分離器を通過する血液と補液
とを合流させたのち返血する返血回路より構成されてい
る。
【0018】本実施形態では、置換液ポンプとして、高
分子量成分の排出路用チューブと補液供給路用チューブ
とを2本同時に装着できる2連式のものを採用し、排出
路を通じての高分子量成分の排出と、補液供給路を通じ
ての補液の流通を、1台のポンプで同時に実行できるよ
うに構成した。これにより、血漿の高分子量成分と補液
との等量交換が保証される。
【0019】回路の要所には、圧力検知器P3,P5、
圧力検知器P1,P2,P4,P6,P7を備えたドリ
ップチャンバーD1,D2,D4,D6,D7、流路の
開閉及び切換制御をするためのバルブV1〜V10,V
12〜V15のほか、回路の洗浄及び残留血液の回収用
の生理食塩液注入器、血液の凝固を防止するためのヘパ
リン注入器、血漿分離器から流出する血漿中における漏
血を検知するための漏血検知器、返血する血液を所定温
度に温める加温器、返血する血液中への気泡の混入を検
知する気泡検知器、生理食塩液及び補液の供給を確認す
るための液切れ検知器、その他所要の機器が配設され
る。
【0020】血液ポンプ,血漿ポンプ,置換液ポンプの
運転及びバルブの開閉動作は、前述の機器及び圧力検知
器からの検知信号等に基づき、CPU等を備えた制御手
段、血液流量設定器、血漿流量比率設定器、及び、置換
液流量設定器により制御される。
【0021】バルブは、ポンプと連動して開閉制御さ
れ、工程ごとに流路を自動的に切り換えるためのもので
ある。すなわち、処理開始前の回路の組立及び生理食塩
液による洗浄を行う準備工程、血液を回路内へ導入して
二重濾過による血漿処理をする工程、処理後に回路内に
残留する血液の回収工程などを実行するに際し、それぞ
れの工程に応じた流路を形成するよう、制御手段がバル
ブの開閉を操作する。
【0022】前記処理装置による血漿処理方法を次に説
明する。なお以下の説明において、各圧力検知器P1,
P2…で測定される圧力を、便宜的にそれぞれP1,P
2…と表記することとする。
【0023】はじめに、二重濾過による血漿処理工程の
概略について述べる。普通、血漿処理の実行に先立ち、
回路の組み立て及び生理食塩液による回路内の洗浄が行
われる。所要の準備工程を終えたのち、血液ポンプの運
転を開始して、採血回路の採血端から血液を回路内へ取
り込み、血漿分離器へ送給する。血漿分離器で分離され
た血漿は、血漿ポンプにより血漿成分分離器へ導かれ、
高分子量成分と低分子量成分とに分離される。前者の高
分子量成分は有害物質・不要物質を含むので、これを置
換液ポンプにより排出路を通じ排出する。置換液ポンプ
は、高分子量成分の排出路用チューブと共に補液供給路
用チューブを装着する2連式のものであるため、高分子
量成分の排出と同時に、それと等量の補液が、補液供給
手段から後者の低分子量成分へ補液供給路を通じ供給さ
れる。補液の供給を受けた低分子量成分は、血漿分離器
を通過した血液と合流し、加温器を経て返送される。所
定量の血漿処理が終了したならば、生理食塩液を導入し
て、回路内に残存している血漿及び血液を回収する。
【0024】前述の処理工程において、血液ポンプの流
量は、採血圧P1・静脈圧P7・血漿分離器差圧ΔP2
/6(=P2−P6)の値をモニターしつつ、これらの
制限値を越えないように制御される。運転開始後、上記
圧力の制限を受けていない場合、血液ポンプの流量QB
は、積算流量が所定値に達するまで、予め設定される初
期増速量Vb0 で増大させる。上記積算流量値は、採血
回路と血漿分離器とを合わせた容量に、ほぼ等しく設定
される。
【0025】血液の積算流量が所定値に達したならば、
血液ポンプの流量増大率を通常増速量Vb1 に切り換
え、目標血液流量QBsに到達させる。流量がQBsに
達したのちは、当該目標血液流量を維持するように血液
ポンプの運転を制御する。
【0026】血漿分離器等の処理機器に対し急激な負荷
が加わって圧力上昇が生ずるのを防ぐため、初期増速量
Vb0 は通常増速量Vb1 よりも低い値に設定されるの
が普通であるが、処理状況に応じ、初期増速量Vb0
通常増速量Vb1 との大小関係は適宜変更可能である。
【0027】圧力検知器によりモニターされる前記圧力
P1・P7・ΔP2/6の値が制限値を逸脱して圧力制
限が加わった場合は、血液ポンプの流量QBを所定の減
速量Vb2 で減少させる。減速量Vb2 の値は、圧力制
限を速やかに解除すべく十分大きい値に設定される。圧
力制限が解除されたならば、血液ポンプ流量QBを、前
記通常増速量Vb1 で増大させ、目標血液流量QBsへ
向かって回復させる。
【0028】このように本発明にあっては、圧力制限が
加わったときには比較的大きい減速量でポンプ流量を減
少させることにより、圧力の異常状態から急速に脱出す
ることができ、また回復時には流量を緩やかに増大させ
るから、負荷の急激な増加による過度の圧力上昇を回避
できるので、制限を受けないポンプの運転状態を長く保
持することができる。
【0029】なお、血液ポンプが目標血液流量QBsを
維持するよう制御されている状態において、前記圧力制
限以外の異常、例えば他の圧力検出器の圧力値異常やバ
ルブの動作異常等を感知した場合は、血液ポンプは直ち
に停止するか又は急速に減速し、異常が回復するまで待
機流量QBaに保つ。待機流量QBaの値は、予め定め
られる制限値を上限として、回路内で血液が凝固しない
程度の低速に設定される。
【0030】一方、血漿ポンプは、血液ポンプの運転開
始後、血液ポンプ流量QBが規定値未満の間は、停止状
態を維持する。これは、血液ポンプと同時に血漿ポンプ
を起動させると、血漿分離器へ血液が送給される前に血
漿を引き抜こうとすることになり、機器に対して余分な
負荷を与えるからである。
【0031】血液ポンプ流量QBが規定値に達したなら
ば、血漿ポンプの運転を開始し、血漿分離器における分
離膜間差圧TMP1〔=(P2+P6)/2−P3〕の
値をモニターして、その制限値を越えないよう血漿ポン
プを制御する。運転開始後、上記圧力制限を受けなけれ
ば、血漿ポンプの流量QPを、積算流量が所定値に達す
るまで、予め設定される初期増速量Vp0 で増大させ
る。積算流量が所定値に達したならば、流量増大率を通
常増速量Vp1 に切り換え、血漿ポンプ流量QPを目標
血漿流量QPsに到達させる。
【0032】上記目標血漿流量QPsは、血液ポンプ流
量QBと前記分離膜間差圧TMP1との関数として与え
られる。すなわち血漿ポンプは、前記TMP1から求め
られる比率と実際の血液ポンプの流量QBとから時々刻
々算出される目標血漿流量QPsとなるように制御され
る。また、初期増速量Vp0 を通常増速量Vp1 に切り
換える血漿の積算流量の値は、血漿分離器における二次
側の容量(血漿容量)に基づいて決定される。
【0033】血漿分離器の分離膜に対し急激な負荷が加
わって過度の圧力上昇が生ずるのを防ぐため、血漿ポン
プの初期増速量Vp0 は通常増速量Vp1 よりも低い値
に設定されるのが普通である。但し、処理状況に応じ、
初期増速量Vp0 と通常増速量Vp1 との大小関係は適
宜変更可能である。
【0034】圧力検知器によりモニターされる前記圧力
TMP1の値が制限値を逸脱して圧力制限が加わった場
合は、血漿ポンプの流量QPを所定の減速量Vp2 で減
少させる。減速量Vp2 の値は、圧力制限を速やかに解
除すべく十分大きい値に設定される。圧力制限が解除さ
れたならば、血漿ポンプの流量QPを前記通常増速量V
1 で増大させ、目標血漿流量QPsへ向かって回復さ
せる。
【0035】このように本発明にあっては、圧力制限が
加わったときには比較的大きい減速量でポンプ流量を減
少させることにより、圧力の異常状態から迅速に脱出す
ることができ、また回復時には流量を緩やかに増大させ
るから、負荷の急激な増加による圧力上昇を回避できる
ので、ポンプの運転に制限が加わらない状態を長く維持
することができる。
【0036】血漿ポンプの運転には支障がなく、圧力制
限により血液ポンプの流量を減少させる場合は、これと
同調させて血漿ポンプ流量QPも減少させる。このとき
の血漿ポンプ流量QPは、血液ポンプ流量QBに基づき
前述の目標血漿流量QPsを算出するのと同様の手法に
よって定められる。但し、血液ポンプの流量QBが前記
規定値を下回ったときには、血漿ポンプを停止させる。
【0037】置換液ポンプは、血漿成分分離器の分離膜
内外の差圧に相当するTMP2(=P4−P5)をモニ
ターし、このTMP2の値が予め設定される置換開始設
定圧力Pα未満(TMP2<Pα)のときには運転を停
止させ、TMP2がPα以上(TMP2≧Pα)になれ
ば運転を開始できるよう設定されている。これは、血漿
成分分離器の分離膜間差圧TMP2がPα未満の十分に
上昇していない状態で置換液ポンプを起動させると、排
出される高分子量成分中に低分子量成分が混入して流失
するおそれがあるためである。
【0038】これに対し、TMP2がPα以上であれ
ば、血漿成分分離器における高分子成分と低分子成分と
の分離が良好に行われているとみなせる。依って、TM
P2≧Pαのときのみ置換液ポンプを運転するように設
定しておけば、有用な低分子量成分を流失させるおそれ
がない。また置換液ポンプの運転中に、血漿成分分離器
の異常、血漿回路の異常、バルブの異常等により、TM
P2が設定圧力Pα未満となった場合は、ただちに置換
液ポンプを停止させ、失血漿を防止する。
【0039】置換液ポンプは、運転開始後、その流量Q
Rを、置換液流量設定器で設定される目標置換液流量Q
Rsへ向かって所定の増速量Vr1 で増大させる。但
し、置換液ポンプの流量QRは、血漿ポンプ流量QPに
基づき規定される規定流量QRa=cQP(0<c<
1)を常に越えない、という条件設定がなされている。
すなわち置換液ポンプ流量QRは、目標置換液流量QR
s又は規定流量QRaのうちの、いずれか小さい方の流
量を保持するよう制御される。これにより、血漿中から
高分子量成分を排出する速度を制限して、低分子量成分
の流失を防ぐことができる。
【0040】置換液ポンプを目標置換液流量QRsで運
転している状態において、圧力制限等の異常により血漿
ポンプの流量QPを減少させる必要が生じ、その結果、
QPに基づいて決定される規定流量QRaが目標置換液
流量QRsを下回ることが起こり得る。このような場
合、前記の条件設定に従い、置換液ポンプの流量QRを
規定流量QRaまで減少させる。
【0041】圧力制限等の異常が解消して血漿ポンプ流
量QPが回復し、その結果、規定流量QRaが目標置換
液流量QRsを上回ったならば、再び置換液ポンプ流量
をQRsへ向かって増大させる。このときの増速量は、
前記増速量Vr1 に設定される。
【0042】ところで一般に、ポンプ流量の設定値が非
常に小さい場合、ポンプの運転が安定せず流量にむらを
生ずることが多い。そこで、置換液ポンプの目標置換液
流量QRsが一定値よりも低く設定されるとき、又は、
血漿ポンプ流量の低下により規定流量QRaが一定値未
満となったときには、運転と停止を交互に繰り返す間欠
運転を行うように置換液ポンプを制御する。間欠運転を
実行することにより、極低流量域における置換液ポンプ
の回転精度を確保することができ、流量の安定化がもた
らされる。また置換液ポンプの間欠運転は、排出路の断
続的な開閉動作に相当するため、血漿成分分離器におけ
る分離膜間差圧TMP2を高く維持することが可能とな
る。その結果、低分子量成分の分離効率が良くなり、失
血漿が防止される。尚、どの程度の流量値で置換液ポン
プを間欠運転へ移行させるかは、当該ポンプの能力に応
じて適宜設定される。
【0043】以上述べたポンプの制御状況をまとめる
と、図2の如くとなる。
【0044】
【実施例】 〔血漿処理工程〕図1に示す血漿処理装置により血漿処
理工程を実行する場合における条件設定の一例を以下に
述べる。
【0045】血液ポンプは、運転開始直後、流量QBを
20〜100ml/分/分の範囲で適宜設定される初期
増速量Vb0 で増大させる。血液の積算流量が採血回路
と血漿分離器との容量の合計にほぼ等しい300mlに
達したならば、流量の増大率を20〜150ml/分/
分の範囲で適宜設定される通常増速量Vb1 に切り換
え、目標血液流量QBs=100ml/分に到達させ
る。初期増速量Vb0 <通常増速量Vb1 と設定するの
が一般的であるが、特に限定はしない。流量がQBsに
達したならば、当該目標血液流量QBsを維持するよう
に血液ポンプの運転を制御する。
【0046】血液ポンプの運転は、圧力検知器で検知さ
れる採血圧P1,静脈圧P7,血漿分離器差圧ΔP2/
6をモニターしながら、これらの制限値を超えないよう
に制御される。上記圧力が制限値を逸脱して圧力制限を
受けた場合、すなわち採血圧P1が下限値を下回るか、
静脈圧P7が上限値を超えるか、あるいは血漿分離器差
圧ΔP2/6が上限値を超えるかした場合、血液ポンプ
の流量QBをVb2 =300ml/分/分の大きい減速
量で急速に減少させ、圧力制限の迅速な解除を図る。圧
力制限が解除したならば、血液ポンプ流量QBを再び通
常増速量Vb1の割合で増大させ、目標血液流量QBs
(=100ml/分)まで回復させる。
【0047】前記圧力制限以外の異常、例えばバルブの
異常等が生じ、しかも血液ポンプの運転に支障がない場
合は、血液ポンプ流量QBを、血液流量設定器で設定さ
れる待機流量QBa(50ml/分を上限とする)まで
急速に減少させ、これを維持するよう血液ポンプを制御
して血液循環を行う。前記異常が解消したならば、血液
ポンプ流量QBを目標血液流量QBsまで回復させる。
その実行手順は、前述した通りである。
【0048】一方、血漿ポンプについては、血液ポンプ
の運転開始後、血液ポンプ流量QBが15ml/分に達
するまでは停止させておく。血液ポンプ流量QBが15
ml/分に達したならば、血漿ポンプの運転を開始す
る。血漿の積算流量が血漿分離器における二次側の血漿
容量にほぼ等しい50mlとなるまでは、血漿ポンプ流
量QPを10〜60ml/分/分の範囲で設定される初
期増速量Vp0 で増大させる。積算流量が50mlに達
したのちは、血漿ポンプ流量QPを10〜100ml/
分/分の範囲で設定される通常増速量Vp1 で増大させ
て、目標血漿流量QPsに到達させる。なお、機器に対
する負荷の増大を緩やかにするため、普通は初期増速量
Vp0 よりも通常増速量Vp1 の方を大きく設定する。
【0049】血漿ポンプ流量QPは、血液ポンプ流量Q
Bと血漿分離器の分離膜間差圧TMP1〔=(P2+P
6)/2−P3〕とに基づき算出される目標血漿流量Q
Psを維持するように、時々刻々制御される。
【0050】前記目標血漿流量QPsは、血液ポンプ流
量QBに、血漿流量比率設定器により予め設定される血
漿流量比係数Kと、血漿分離器における分離膜間差圧T
MP1〔=(P2+P6)/2−P3〕に基づき下記に
定義する係数R1とを乗じた値、すなわちQPs=K・
R1・QBにより与えられる。
【0051】R1=1.0−(TMP1/TMP1上限
値)・(1.0−r) 上式においてrは差圧上限係数であり、0.0≦r<
1.00の範囲で、分離膜における目詰まりの状況に応
じ適宜設定される。血液の性状や分離膜の品質などによ
り、分離膜が目詰まりを起こしやすい場合が有る。経験
的に目詰まりを起こしやすいことが分かっている場合
は、前記rの値を低めに設定する。反対に、目詰まりの
おそれのないことが経験的に分かっている場合は、rの
値を高めに設定すればよい。
【0052】血漿流量比係数Kは、血漿分離器の性能や
血液の性状を勘案して血漿流量比率設定器により設定さ
れる値であって、一般に0.2〜0.4の範囲で設定さ
れ、通常は0.25〜0.35の範囲で用いられる。
【0053】前記分離膜間差圧TMP1が制限値を逸脱
した場合、血漿ポンプ流量QPを所定の減速量Vp
2 (例えば140ml/分/分)で急速に減少させる。
流量減少により圧力制限が解除したならば、再び血漿ポ
ンプ流量QPを通常増速量Vpで増大させ、目標血漿
流量QPsへ向かって回復させる。
【0054】なお、モニターされる各圧力の制限値、す
なわち前記採血圧P1の下限値、静脈圧P7の上限値、
血漿分離器差圧ΔP2/6の上限値、分離膜間差圧TM
P1の上限値は、いずれも警報値より内輪に設定して、
処理の安全性を確保する。具体的には、警報値と制限値
との間に、約20mmHg程度の差を設けておく。
【0055】血漿ポンプは、血液ポンプとは独立して運
転されるものではなく、連動して制御される。血漿ポン
プに異常がないにもかかわらず、圧力制限により血液ポ
ンプ流量QBを減少させる必要が生じた場合には、これ
と同調させて血漿ポンプ流量QPも減少させる。このと
き血漿ポンプ流量QPは、血液ポンプ流量QBに前述の
係数K及びR1を乗じた値、つまりQP=K・R1・Q
Bの関係を常に保つよう制御される。また圧力制限以外
の異常(バルブ異常等)が発生して、血液ポンプ流量を
待機流量QBaとする場合は、原則として血漿ポンプを
停止させる。
【0056】なお本実施例では、血液ポンプ流量QBが
一定値(例えば15ml/分)を下回ったときには、血
漿ポンプを停止させるように設定してある。但し、血漿
ポンプを停止させる血液ポンプ流量QBの下限値は15
ml/分に限定されるものではなく、ポンプの性能など
に応じ適宜決めればよい。
【0057】圧力制限その他の異常が解消したのち、停
止状態から血漿ポンプ流量QPを回復させる手順は、前
記運転開始時の手順に準ずる。
【0058】置換液ポンプの起動は、原則として、血漿
成分分離器における分離膜間差圧TMP2(=P4−P
5)により規制され、また置換液ポンプ流量QRは、置
換液流量設定器で制御されると共に血漿ポンプ流量QP
による制限を受ける。
【0059】置換液ポンプは、TMP2が置換開始設定
圧力Pα未満(TMP2<Pα)のとき停止し、TMP
2がPα(TMP2≧Pα)以上になれば運転を開始す
ることができるよう設定されている。Pαの値は、分離
膜における高分子量成分と低分子量成分との分離が所要
の状態に達していると考えられる最小の差圧(例えば5
0mmHg)に設定される。
【0060】またTMP2が制限値(例えば300mm
Hg)を越えたときは、分離膜の目詰まりが進行したも
のと判断して、血漿成分分離工程を中止し、後述する分
離膜の逆洗工程へ移行する。
【0061】従って置換液ポンプは、TMP2が50〜
300mmHgの範囲にあるときのみ、高分子量成分排
出及び補液供給のための運転を実行することとなる。
【0062】なお前記Pαを設定せずに、置換液ポンプ
を起動させる態様も考えられる。この場合、置換液ポン
プの運転は、血漿ポンプ流量QPに基づいて制御され
る。
【0063】置換液ポンプの流量QRは、普通の状態で
は、置換液流量設定器で設定される目標置換液流量QR
s(2.0〜40ml/分)となるよう制御される。す
なわち置換液ポンプの運転開始後、予め設定される増速
量Vrで、QRsへ向かって流量を増大させる。
【0064】但し置換液ポンプ流量QRは、血漿ポンプ
流量QPに基づき算出される規定流量QRa=cQP
(0<c<1、普通c=0.5程度に設定される)を越
えることができないよう設定されている。つまり、QR
≦cQPという条件を満足させることが優先される。従
って、圧力制限等の異常により血漿ポンプ流量QPを減
少させる必要が生じ、cQP≦QRsとなったときに
は、QRをQR=cQPとなるまで減少させる。
【0065】異常が解消して血漿ポンプ流量QPが回復
し、その結果、規定流量QRaが目標置換液流量QRs
を上回れば、置換液ポンプ流量QRをQRsへ向かって
増速量Vr1 で増大させる。
【0066】ところで、置換液流量設定器による目標置
換液流量QRsの設定値を非常に小さくしたときや、血
漿ポンプ流量の減少により規定流量QRaが非常に小さ
くなったときなど、置換液ポンプ流量QRが極低流量域
(例えば2〜10ml/分)に設定される場合は、ポン
プの運転精度を確保し流量の安定化を図るため、置換液
ポンプを間欠運転させる。間欠運転時の流量は、例えば
1分間当たりの平均流量で定義される。
【0067】間欠運転により、流量の安定化がもたらさ
れると共に、高分子量成分の排出路が断続的に開閉され
るから、血漿成分分離器への血漿の供給量が少なくても
TMP2を比較的高く維持することができる。依って、
低分子量成分の分離効率が良好となるなので、失血漿が
防止される。
【0068】〔血漿回収工程〕所要の血漿処理が終了し
たのち、血漿成分分離器内に残留している血漿を回収し
て返送する必要がある。そのため本実施例では、置換液
ポンプにより、補液供給路に接続した生理食塩液供給手
段から、生理食塩液を血漿成分分離器へ送給することが
できるように構成されている。
【0069】血漿の回収は、バルブの切換によって図3
のような流路を形成し、置換液ポンプで生理食塩液を血
漿成分分離器内へ導入して、血漿成分分離器の分離膜外
に残留する血漿の低分子量成分を血漿回路へ押し出し、
これを返血回路を通じて返送する。このとき、置換液ポ
ンプの目標回収置換流量QRs−1は、70ml/分を
上限とすると共に、分離膜外圧P5が、静脈圧P7の上
限値を越えないように制御される。なお静脈圧上限値
は、静脈圧警報値より20mmHg程度低く設定され
る。
【0070】〔逆洗工程〕血漿処理工程の途中で、血漿
成分分離器の分離膜に目詰まりが生じ、正常な血漿処理
の継続が困難になる場合がある。これは、TMP2の上
昇(例えば300mmHg以上)により認識される。こ
のような場合、血漿成分分離器の二次側から生理食塩液
を供給して分離膜の外側から内側へ流通させる逆洗を実
行する。
【0071】逆洗工程は、図4に示すような流路を形成
し、置換液ポンプで生理食塩液供給手段から生理食塩液
を血漿成分分離器の二次側へ供給すると共に、分離膜の
一次側の液を排出する。このとき置換液ポンプは、目標
逆洗置換流量QRs−2の上限を100ml/分とし、
且つ、P5でモニターされる分離膜外圧が外圧上限値を
越えないように制御される。外圧上限値は、外圧警報値
より20mmHg程度低く設定される値である。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、血漿処理を実行するに
あたり、所定の圧力検知器によりモニターされる圧力が
制限値を逸脱して圧力制限を生じた場合には、ポンプ流
量を急速に低下させるように設定されているので、圧力
制限を迅速に解消することができる。そして、圧力制限
解消後のポンプ流量の回復は、予め設定された増速量に
従ってなされるから、この場合にも、負荷の急激な増加
による過度な圧力上昇を回避することができる。
【0073】また処理装置の運転開始直後の血液導入時
において、血液ポンプ流量を2段階の増速量で増大させ
るように設定すれば、装置に急激な負荷を与えるおそれ
がなく、制限値を越える圧力上昇を招かずに、目標血液
流量まで迅速に到達させることができる。また、血漿ポ
ンプについても同様に、運転開始直後は流量を2段階で
増大させるように設定すれば、圧力の制限値を逸脱する
ことなく、所定の目標血漿流量まで速やかに到達させる
ことが可能である。
【0074】さらに血液ポンプが正常で且つ圧力制限以
外の異常が生じた場合は、血液ポンプ流量を急速に減速
させると共に、予め設定された上限値を超えない範囲で
待機流量を維持するように血液ポンプを制御するため、
処理の安全性を確保しつつ、血液の流動を停止させるこ
とがなく、依って、回路内における血液の凝固を防ぐこ
とができる。
【0075】血漿ポンプの流量を、血漿分離器における
分離膜間差圧の関数として制御することにより、時々刻
々変化する分離膜の目詰まり状況に即応した最適な血漿
ポンプ流量を設定することができる。依って、分離膜の
目詰まりの進行を抑制して、途中で中断したり制限を受
けたりすることなく、所要の血漿処理を完遂させること
ができる。
【0076】また置換液ポンプの起動条件を、血漿成分
分離器における分離膜間差圧で規定すると共に、置換液
ポンプ流量の上限を血漿ポンプ流量に基づき制限したの
で、高分子量成分の排出は、低分子量成分の分離効率が
良好であるときのみ実行されることになり、依って失血
漿が防止される。
【0077】さらに置換液ポンプの間欠運転を採用すれ
ば、極低流量域におけるポンプの運転精度を維持して、
流量の安定化がもたらされる。依って、置換液ポンプを
非常に少ない流量で運転するときでも、血漿成分分離器
の分離膜間差圧を比較的高く維持して、低分子量成分の
分離効率を良好に保つことができるので、その結果、失
血漿が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る血漿処理装置の回路構成を示す概
略図である。
【図2】本発明に係る血漿処理方法に基づくポンプの制
御状況を示すグラフである。
【図3】本発明に係る血漿処理装置において、血漿成分
分離器の残留血漿を回収する工程における流路構成を示
す概略図である。
【図4】本発明に係る血漿処理装置において、血漿成分
分離器の分離膜の逆洗工程における流路構成を示す概略
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜西 康史 兵庫県西宮市上甲子園1−15−34 (72)発明者 高尾 宣積 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内 (72)発明者 成定 正隆 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採血回路に設けた血液ポンプで血液を取
    り込んで血漿分離器へ送給し、当該血漿分離器で血液か
    ら分離した血漿を血漿ポンプで血漿回路に設けた血漿成
    分分離器へ導いて高分子量成分と低分子量成分とに分離
    し、前者の高分子量成分を置換液ポンプで排出路へ導い
    て排出し、後者の低分子量成分に補液を供給したのち、
    当該低分子量成分と前記血漿分離器を通過する血液とを
    合流させて返血回路を通じ返送する血漿処理方法におい
    て、 採血回路・血漿回路・返血回路の適所に圧力検知器を設
    け、 運転開始時から所定の目標血液流量に達するまでは前記
    血液ポンプの流量を予め設定される通常増速量で増大さ
    せ、目標血液流量に達した後は当該目標血液流量を維持
    するように前記血液ポンプを運転し、所定の圧力検知器
    が検出する圧力値又はこれらの圧力値に基づく演算値が
    制限値から逸脱して圧力制限を受けた場合は前記血液ポ
    ンプの流量を所定の減速量で減少させ、圧力制限が解除
    されたならば前記血液ポンプの流量を前記通常増速量で
    増大させて前記目標血液流量へ向かって回復させ、 前記血漿ポンプは血液ポンプ流量が規定値未満のときに
    は停止させ、運転開始時から前記血液ポンプ流量に基づ
    き算出される目標血漿流量に達するまでは前記血漿ポン
    プの流量を予め設定される通常増速量で増大させ、目標
    血漿流量に達した後は当該目標血漿流量を維持するよう
    に前記血漿ポンプを運転し、所定の圧力検知器が検出す
    る圧力値又はこれらの圧力値に基づく演算値が制限値か
    ら逸脱して圧力制限を受けた場合は前記血漿ポンプの流
    量を所定減速量で減少させ、圧力制限が解除されたなら
    ば前記血漿ポンプの流量を前記通常増速量で増大させて
    前記目標血漿流量へ向かって回復させ、 前記置換液ポンプは、所定の圧力検知器が検出する圧力
    値に基づく演算値が設定値未満のときには停止し、上記
    演算値が設定値を越えると運転を開始して予め設定され
    る目標置換液流量へ向かって流量を所定の増速量で増大
    させ、当該目標置換液流量か又は血漿ポンプ流量に基づ
    き規定される規定流量のいずれか小さい方の流量を保持
    するように運転を制御することを特徴とする二重濾過に
    よる血漿処理方法。
  2. 【請求項2】 前記血漿ポンプにおける目標血漿流量
    を、前記血漿分離器における分離膜間差圧の値と血液ポ
    ンプ流量とから算出される流量とする請求項1に記載の
    二重濾過による血漿処理方法。
  3. 【請求項3】 前記置換液ポンプの運転を、前記血漿成
    分分離器における分離膜間差圧の値に基づいて制御する
    請求項1又は2に記載の二重濾過による血漿処理方法。
  4. 【請求項4】 運転開始時から前記目標血液流量及び目
    標血漿流量に達するまで、前記血液ポンプ及び血漿ポン
    プの流量を、予め設定される初期増速量と通常増速量と
    の少なくとも二段階の増速量で増大させる請求項1乃至
    3のいずれかに記載の二重濾過による血漿処理方法。
  5. 【請求項5】 圧力制限以外の異常が発生した場合は、
    前記血液ポンプの流量を、予め設定する制限値を越えな
    い待機流量に維持するように制御する請求項1乃至4の
    いずれかに記載の二重濾過による血漿処理方法。
  6. 【請求項6】 前記血液ポンプの流量を減少させる場合
    は、これと同調させて前記血漿ポンプの流量を、血液ポ
    ンプ流量に基づき算出される前記目標血漿流量となるよ
    うに制御して減少させる請求項1乃至5のいずれかに記
    載の二重濾過による血漿処理方法。
  7. 【請求項7】 前記置換液ポンプを間欠運転する請求項
    1乃至6のいずれかに記載の二重濾過による血漿処理方
    法。
  8. 【請求項8】 血液ポンプで回路内へ血液を取り込む採
    血回路、取り込んだ血液から血漿を分離する血漿分離
    器、血漿分離器で血液から分離した血漿を血漿ポンプで
    血漿成分分離器へ導いて高分子量成分と低分子量成分と
    に分離したのち後者の低分子量成分を返送する血漿回
    路、前者の高分子量成分を置換液ポンプにより排出する
    排出路、補液供給手段と血漿回路とを前記置換液ポンプ
    を介して接続する補液供給路、補液が供給された低分子
    量成分と血漿分離器を通過する血液とを合流させて返送
    する返血回路から構成される血漿処理装置において、 血液ポンプ・血漿ポンプ・置換液ポンプの運転を制御す
    る制御手段と、採血回路・血漿回路・返血回路の適所に
    配置される圧力検知器とが設けられ、 前記制御手段は、 運転開始時から所定の目標血液流量に達するまでは前記
    血液ポンプの流量を予め設定される通常増速量で増大さ
    せ、上記目標血液流量に達したのちは当該目標血液流量
    を保持するように前記血液ポンプを運転し、所定の圧力
    検知器が検出する圧力値又はこれらの圧力値に基づく演
    算値が制限値から逸脱して圧力制限を受けた場合は前記
    血液ポンプの流量を所定の減速量で減少させ、上記圧力
    制限が解除されたならば前記血液ポンプの流量を前記通
    常増速量で増大させて前記目標血液流量へ向かって回復
    させ、 血液ポンプ流量が規定値未満のときには前記血漿ポンプ
    を停止させ、運転開始時から前記血液ポンプ流量に基づ
    き算出される目標血漿流量に達するまでは前記血漿ポン
    プの流量を予め設定される通常増速量で増大させ、上記
    目標血漿流量に達した後は当該目標血漿流量を維持する
    ように前記血漿ポンプを運転し、所定の圧力検知器が検
    出する圧力値又はこれらの圧力値に基づく演算値が制限
    値から逸脱して圧力制限を受けた場合は前記血漿ポンプ
    の流量を所定の減速量で減少させ、上記圧力制限が解除
    されたならば前記血漿ポンプの流量を前記通常増速量で
    増大させて前記目標血漿流量へ向かって回復させ、 所定の圧力検知器が検出する圧力値に基づく演算値が設
    定値未満のときには前記置換液ポンプを停止させ、上記
    演算値が設定値を越えれば前記置換液ポンプの運転を開
    始して流量を予め設定される目標置換液流量へ向かって
    所定の増速量で増大させ、前記目標置換液流量か又は血
    漿ポンプ流量に基づき規定される規定流量のいずれか小
    さい方の流量を保持するように前記置換液ポンプの運転
    を制御するよう設定されていることを特徴とする血漿処
    理装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、前記血漿ポンプの目標
    血漿流量が、前記血漿分離器における分離膜間差圧の値
    と血液ポンプ流量とから算出される流量となるように、
    前記血漿ポンプの運転を制御するよう設定されている請
    求項8に記載の血漿処理装置。
  10. 【請求項10】前記制御手段は、前記血漿成分分離器に
    おける分離膜間差圧の値に基づいて前記置換液ポンプの
    運転を制御するように設定されている請求項8又は9に
    記載の血漿処理装置。
  11. 【請求項11】前記制御手段は、運転開始時から前記目
    標血液流量及び目標血漿流量に達するまでは、前記血液
    ポンプ及び血漿ポンプの流量を、予め設定される初期増
    速量と通常増速量との少なくとも二段階の増速量で増大
    させるように設定されている請求項8乃至10のいずれ
    かに記載の血漿処理装置。
  12. 【請求項12】前記制御手段は、圧力制限以外の異常が
    発生した場合は、前記血液ポンプの流量を、予め設定す
    る制限値を越えない待機流量に維持するよう設定されて
    いる請求項8乃至11のいずれかに記載の血漿処理装
    置。
  13. 【請求項13】前記制御手段は、前記血液ポンプの流量
    を減少させる場合、これと同調させて前記血漿ポンプの
    流量を、血液ポンプ流量に基づいて算出される前記目標
    血漿流量となるように制御して減少させるよう設定され
    ている請求項8乃至12のいずれかに記載の血漿処理装
    置。
  14. 【請求項14】前記制御手段は、前記置換液ポンプを間
    欠運転するように設定されている請求項8乃至13のい
    ずれかに記載の血漿処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009232961A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Asahi Kasei Kuraray Medical Co Ltd 白血球除去装置の作動方法
WO2010058583A1 (ja) * 2008-11-19 2010-05-27 旭化成クラレメディカル株式会社 血漿浄化装置及び血液浄化装置の制御方法

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