JPH1080241A - 魚釣り用両軸受型リール - Google Patents

魚釣り用両軸受型リール

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JPH1080241A
JPH1080241A JP8239177A JP23917796A JPH1080241A JP H1080241 A JPH1080241 A JP H1080241A JP 8239177 A JP8239177 A JP 8239177A JP 23917796 A JP23917796 A JP 23917796A JP H1080241 A JPH1080241 A JP H1080241A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、クラッチの切換え操作からサミング
操作までの一連の動作をスムーズに連続して迅速かつ容
易に行えるようにした魚釣り用両軸受型リールを提供す
ることを目的とする。 【解決手段】本発明は、スプール軸12の両端をリール
本体1に支持して、ハンドル21でスプール11を回転
操作すると共に、釣糸巻上げ状態と釣糸放出状態とに切
り換えるクラッチ機構31を備えた魚釣り用両軸受型リ
ールにおいて、少なくともリール本体1を片側から手の
中に握持し、その手6の親指50が斜めに伸びて位置す
るとき、その親指の指先で操作可能な位置に、前記クラ
ッチ切換え用操作部材32を前後方向に変位可能に設置
し、さらに操作部材32にはリール本体1を握持した手
の親指が斜めに伸びる向きに沿う向きに傾斜した指掛け
部63を設け、その指掛け部63に親指の指先を掛けて
クラッチ切換え用操作部材32を容易かつ確実に操作す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣糸巻取り状態と
釣糸放出状態に切り換えるクラッチ機構を切換え操作部
材で切換え操作するようにした魚釣り用両軸受型リール
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、魚釣り用両軸受型リールは、リ
ール本体の左右側板間に、スプールを配置し、そのスプ
ール軸を両方の側板部分に設けた軸受で回転自在に支持
してなり、スプール軸はクラッチ機構を介してハンドル
軸に連結されている。そして、リール本体に設けたクラ
ッチ切換え操作レバーでクラッチ機構を切換え操作し、
スプールの回転特性を釣糸巻取り状態と釣糸放出状態に
切り換え得るようになっている。
【0003】ところで、この種の魚釣り用両軸受型リー
ルにおいての操作性を向上するために、リール本体のハ
ンドル側に位置する側板の上部にあって、リール本体を
全体的に握持した片方の手の親指で切り換え操作可能な
部位にクラッチ切換え操作レバーを設けたものが、特開
平8−103194号公報で提案されている。確かに、
これによれば、リール全体を片方の手の中に安定的に保
持したままの状態で、その握持する手の親指でクラッチ
切換え操作レバーの操作とサミング操作が可能である。
また、他方の手でハンドルの操作が出来て、釣糸放出操
作から釣糸巻取り操作の一連の動作を連続して迅速かつ
容易に行える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た両軸受型リールにおいてのクラッチ切換え操作レバー
が板状の部材からなり、その突出側の一端部分をL字形
に屈曲して、この屈曲部分をリール本体の側枠から外に
突き出して指当て部とするものである。この指当て部は
平らな板状の部材の一端部をL字形に屈曲して形成した
ものであり、その指当て部分は平坦な表面でしかない。
ところで、クラッチ切換え操作レバーは前後方向に変位
操作されるが、そのクラッチ切換え操作レバーを操作す
る際には、それを操作する親指が、指当て部の平坦な表
面に載置されるのみであるため、その平坦な指当て表面
で、操作する手の親指が滑り易い。従って、操作者はク
ラッチ切換え操作レバーの指当て部分の表面で親指が滑
らず、指当て表面から離れないように意識して指当て表
面に親指を強く押し付けながらクラッチ切換え操作レバ
ーを前後に変位させる操作を行わなければならなかっ
た。クラッチ切換え操作を行うとき、親指には不自然な
力を加え、かつ特別な気配りが必要であるために操作し
ずらく、親指が疲労し易いという欠点があった。また、
クラッチ切換え操作レバーの指当て部分における表面の
位置と向きがスプールのフランジ周縁部から離れた構造
になっている。このため、クラッチ切換え操作後にサミ
ング操作をする場合、サミング位置に親指を置き換える
明確で比較的大きな動きを意識的なしぐさとして行う必
要があり、サミング操作に移る操作過程においても親指
に不自然な動きと気配りが必要である。このためにサミ
ング操作に移る操作過程においても操作しずらく、親指
が疲労し易いという事情があった。
【0005】また、同様な理由で、クラッチ切換え操作
からサミング操作までの一連の動作を行う上で動きが不
自然であり、一連の動作にひっかりがあるために、初心
者では操作ミスを起こし易く、特にキャスティングから
サミングまでの操作においてルアー等をポイントに正確
に投入できなかったり釣糸のバックラッシュ現象を起こ
す等の支障を来たし易い。以上の如くの理由で、親指で
のクラッチ切換え操作性のさらなる改良が望まれるとこ
ろである。
【0006】本発明は前記課題に着目してなされたもの
で、その目的とするところはクラッチ切換え操作が無理
なく容易かつ確実に行うことが出来ると共に、クラッチ
切換え操作からサミング操作までの一連の動作をスムー
ズに連続して迅速かつ容易に行えるようにした操作性の
よい魚釣り用両軸受型リールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、スプ
ール軸の両端をリール本体に支持して、ハンドルでスプ
ールを回転操作すると共に、釣糸巻上げ状態と釣糸放出
状態とに切り換えるクラッチ機構を備えた魚釣り用両軸
受型リールにおいて、少なくともリール本体を片側から
手の中に握持し、その握持した手の親指が斜めに伸びて
位置するとき、その親指の指先で操作可能な位置に、前
記クラッチ切換え用操作部材を前後方向に変位可能に設
置し、さらに、操作部材にはリール本体を握持した手の
親指が斜めに伸びる向きに沿う向きで前後に横切る方向
に傾斜した指掛け部を設け、その指掛け部に親指の指先
を掛けてクラッチ切換え用操作部材を容易かつ確実に操
作するようにしたものである。請求項2の発明は、クラ
ッチ機構を切換え操作する操作部材における指掛け部の
一端縁をスプールのフランジ周端縁に近接配置し、クラ
ッチ切換え操作をした後、直ちに無理なく親指の腹部で
スプールをサミング操作でき、キャスティング性能を向
上させるようにしたものである。請求項3の発明は、ク
ラッチ機構を切換え操作する操作部材を位置させた側
の、リール本体の側部にハンドルを配置し、キャスティ
ングからサミング、さらに釣糸の巻取りハンドル操作ま
での一連の操作をスムーズかつ自然に行えるようにした
ものである。
【0008】請求項4の発明は、リール本体の外面に、
クラッチ機構を切換え操作する操作部材を設置する指当
て用凹部を設け、操作する指を位置決めをより容易にし
たものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図5を参照して、本発
明の第1実施形態に係る魚釣り用両軸受型リールを説明
する。図1はそのリールの平面図、図2はクラッチ機構
付近を通る部位で切断したリールの縦断面図、図3はク
ラッチ切換え用操作部材付近の平面図、図4は釣糸巻取
り状態でのクラッチ切換え用操作部材付近の斜視図、図
5は釣糸放出状態でのクラッチ切換え用操作部材付近の
斜視図である。
【0010】図1中、1はリール本体であり、リール本
体1はフレーム2とこれの両サイドに取り付けられた左
側枠3と右側枠4を有して構成されている。リール本体
1はその上面が平坦で前方が緩やかに高くなる曲面であ
り、また両側表面は外側に僅かに膨出する滑らかな曲面
であり、全体として片手で握りやすい大きさの略卵形の
球形に形成されている。リール本体1のフレーム2にお
ける下面にはロッド取付け具5が一体に形成されてい
る。そして、ロッド取付け具5に図示しない釣り竿を取
り付けた状態で、その釣り竿を含めて、リール本体1の
全体を片手、ここでは図1中二点鎖線で示す如く右手6
で自然に握り得るようになっている。リール本体1の上
面にはサミング操作用開口部7が形成されており、リー
ル本体1の前方側にはライン繰出用開口部8が形成され
ている。
【0011】リール本体1において、その左側枠3と右
側枠4の間にはスプール11が配置されており、スプー
ル11はスプール軸12に固定的に取り付けられてい
る。スプール軸12はその両端が軸受13,14によっ
て回転自在に軸支されている。スプール軸12の左側端
部にはピニオン15が遊嵌して回転自在でかつ軸方向へ
摺動可能に取り付けられている。スプール軸12とピニ
オン15とは後述するクラッチ機構31によって係脱自
在に連係される。ピニオン15は後述するハンドル軸1
6に取り付けられた駆動歯車17に対し常に噛合してい
る。スプール軸12の両端は図示しないスラスト軸受に
よりそれぞれ支承されており、左側枠3にはスプール軸
12の左側端を受けるスラスト軸受の圧接力量を調節す
る調整つまみ18を設け、これによって、スプール11
の回転に軽いブレーキを掛けるいわゆるメカニカルブレ
ーキ機構を構成している。
【0012】前記ハンドル軸16に取り付けられた駆動
歯車17には図2で示すように、リール本体1の前方側
においてライン繰出用開口部8の手前に位置して設置し
た図示しないレベルワインド機構の駆動歯車19に噛合
している。ここでのレベルワインド機構は一般的なもの
と同様な構成になっている。
【0013】図1で示す如く、ハンドル軸16の外方突
出端にはハンドル21が取着されており、このハンドル
21によってハンドル軸16を回転操作するようになっ
ている。ここで、ハンドル軸16は、ハンドル21の巻
上げ方向への回転のみを許容する一方向クラッチ22と
連係されている。ここでの一方向クラッチ22は爪車2
3と係止爪(図示せず)からなるラチット式のものであ
るが、一方向クラッチの方式としては例えば転がり式な
どのものでもよい。
【0014】ハンドル軸16に取り付けられた駆動歯車
17はハンドル軸16に遊嵌して回転自在であり、その
ハンドル軸14の回転駆動力はドラグ機構25を介して
駆動歯車17に伝達されるようになっている。ドラグ機
構25は摩擦円板や押えリングバネを備えてなり、リー
ル本体1の左側面とハンドル21の間に同軸的に配置し
たドラグ調整ノブ26でドラグ調整を行うようになって
いる。
【0015】さらに、リール本体1の左側枠3内には、
スプール11を選択的にフリー回転可能な状態にさせる
クラッチ機構31が配設させられている。このクラッチ
機構31はリール本体1においてのサミング操作用開口
部7の左側縁部上面に設置されたクラッチ切換え操作部
材32によって切換え操作される。このクラッチ機構3
1は前記スプール軸12とこれに被嵌されたピニオン1
5との間の連係を接続または解除するものであり、具体
的には次に述べるように構成されている。つまり、クラ
ッチ機構31はスプール軸12に遊嵌して回転自在で軸
方向へ摺動可能なピニオン15と、スプール軸12の途
中に設けられ、かつピニオン15が一方端側に移動した
ときに係合するクラッチ係合部(図示せず)と、このピ
ニオン15をスプール軸12の軸方向に移動させるスラ
イド操作機構30とを備えてなり、スライド操作機構3
0はピニオン15を移動操作し、クラッチ係合部にピニ
オン15を係合してスプール軸12とピニオン15を一
体化させる接続状態と、クラッチ係合部からピニオン1
5の係合を外してスプール軸12とピニオン15を切り
離す解除状態を選択するものである。スライド操作機構
30はピニオン15の一部の外周面に形成した周回溝3
3に中間部を嵌合させるクラッチ操作板34を有する。
このクラッチ操作板34はその両端腕部が、左側枠3に
突設した軸ピン35に貫通支持され、スプール軸12の
軸方向に沿ってスライドするように取り付けられてい
る。クラッチ操作板34は、軸ピン35に巻装した付勢
バネ36によってクラッチを接続する向きにピニオン1
5を移動させるように付勢されている。
【0016】スプール軸12の軸回りには回動カム37
が設けられている。回動カム37の周端部にはクラッチ
操作板34の両端腕部に係合可能な斜面を有するカム面
38が形成されている。つまり、回動カム37を図2で
示す位置(クラッチONの状態)から時計方向に回動す
ると、そのカム面38の傾斜によって前記付勢バネ36
の付勢力に抗してクラッチ操作板34を押し、クラッチ
操作板34をクラッチ解除方向に移動させる。これによ
りスプール軸12のクラッチ係合部とピニオン15との
係合を解除する。このクラッチ解除操作により、スプー
ル軸12にはハンドル軸16に取り付けられた駆動歯車
17からピニオン15を通じての駆動力は伝達されず、
また、スプール11はスプール軸12と共にフリーな回
転が可能な状態になる(クラッチOFFの状態)。そし
て、前記回動カム37はこれに固定的に連結されるクラ
ッチ切換え操作部材32によって回動操作させられるよ
うになっている。
【0017】前記回動カム37には振分けバネ41が連
結されている。振分けバネ41はその一端を回動カム3
7に取着し、他端をリール本体1の部材に取着すること
により、回動カム37を、クラッチONの状態とクラッ
チOFFの状態のいずれかのポジションに択一的に振り
分けてその位置に保持する、いわゆる振分け用トグル機
構を構成している。
【0018】また、回動カム37をクラッチOFFの状
態からクラッチONの状態に切り換えるクラッチ復帰機
構43が設けられている。このクラッチ復帰機構43は
復帰プレート44を有し、この復帰プレート44の基端
部には長孔45が形成されている。この長孔45には前
記リール本体1の部材に取着されたリベットからなる支
軸46が摺動自在に嵌め込まれ、復帰プレート44が回
動および摺動自在に保持されている。復帰プレート44
の先端部には引張りバネ47の一端が係着され、引張り
バネ47の他端はリール本体1の部材に取着されてお
り、その引張りバネ47によって復帰プレート44を図
2中時計方向に回動させ、かつ右方向へ移動させるよう
に引張り付勢している。復帰プレート44の中央部分に
は係合突部48が形成されている。そして、係合突部4
8が前記ハンドル軸16に嵌合固着されたラチェット歯
車49に噛合可能となっている。また、復帰プレート4
4が引張りバネ47の付勢力に抗して復帰移動すると
き、その基端は回動カム37の付当て部(図示せず)に
当たり、その回動カム37を半時計方向に回動させるよ
うになっている。
【0019】図2で示すクラッチONの状態では、前記
回動カム37に形成された当付け部39が復帰プレート
44の下端に当たり、引張りバネ47の付勢力に抗し
て、復帰プレート44をラチェット歯車49から退避さ
せているが、前記回動カム37が時計方向へ回動させら
れ、クラッチOFFの位置になると、回動カム37の当
付け部39が復帰プレート44から離れるために、復帰
プレート44は引張りバネ47の付勢力によって時計方
向へ回動させられながら右側へ移動し、復帰プレート4
4の係合突部48がラチェット歯車49の歯部に噛合す
る。この状態で、ハンドル21を巻取り側に回転操作す
ると、ラチェット歯車49がその復帰プレート44の係
合突部48に係合し、復帰プレート44を押して左側へ
移動させる。すると、復帰プレート44の基端が回動カ
ム37の付当て部(図示せず)に当たり、回動カム37
を半時計方向に回動させる。すると、回動カム37は振
分けバネ41の機能によって、図2で示すクラッチON
の状態に切り換わって、その状態に保持される。このよ
うにクラッチ機構31はハンドル21の巻取り回転操作
によって、スプール用クラッチ機構31がクラッチOF
Fの状態からクラッチONの状態に切り換わる。また、
クラッチ切換え操作部材32によって直接に回動カム3
7を回動して、スプール用クラッチ機構31を、クラッ
チOFFの状態からクラッチONの状態に切り換えるこ
ともできる。
【0020】次に、スプール用クラッチ機構31のクラ
ッチ切換え操作部材32の形状と設置構造等を説明す
る。クラッチ切換え操作部材32は図1で示すようにリ
ール本体1を片方の手、ここでは右手6で全体的に握持
したとき、その右手6の親指50の指先の腹部分が自然
に位置して、その指で変位操作が可能な部位に設けられ
ている。すなわち、リール本体1においての、サミング
操作用開口部7の左側に位置する縁部の上面部位であ
り、この部位にはそのクラッチ切換え操作部材32を設
置する指当て用凹部51が形成されている。この凹部5
1はスプール軸12と同心的な円周底面52を有し、リ
ール本体1の前後方向に長い溝状に形成されている。ま
た、操作部材設置用凹部51の右側はサミング操作用開
口部7側に開放されており、サミング操作用開口部7に
連通する側方開口53を形成している。この側方開口5
3の縁部にはスプール11のフランジ54の周端縁55
に沿った段部56が形成されている。段部56の底面5
7はスプール11のフランジ54における周端縁55と
高さが略一致する程に近接している。フランジ54にお
ける周端縁55にはスプール11の巻取り胴部58側に
次第に落ち込むように傾斜する指当て斜面59が切り落
とし形成されている。
【0021】クラッチ切換え操作部材32は前記凹部5
1の底面52の湾曲形状に沿って摺動する下面を有した
基部62と、この基部62の上面側に一体的に山状に突
出して形成された指掛け部63とからなり、基部62の
下面には図2で示すように連結アームが突出され、この
連結アーム60を介して回動カム37に固定的に連結さ
れている。凹部51の底面52には連結アーム60を通
す溝孔65が形成され、凹部51の底面52の一端には
基部62を逃がす孔66が形成されている。
【0022】クラッチ切換え操作部材32はスプール軸
12の回りにリール本体1の前後方向に移動するように
設けられている。そして、クラッチ切換え操作部材32
の指掛け部63の指当て面64はリール本体1を握持し
た右手6の親指50が斜めに伸びる向きに沿う方向でか
つリール本体1の前後方向に対して斜めに交差して横切
るように傾斜して形成されている。つまり、この指当て
面64の配置は図1で示すように、リール本体1を右手
6で全体的に握持したときの親指50の自然な姿勢で、
その親指50の中心線Lに略沿って傾斜している。そし
て、親指50の指先部分がクラッチ切換え操作部材32
の基部62の前方部上面から指当て面64にかけて全体
的に位置するとともに、それらに適合する密着状態で嵌
るように指が掛けられる。さらに、指掛け部63の指当
て面64の高さ方向の傾斜はその先端側が押込み方向に
後退する向きで傾いており、その断面形状が山の斜面の
ように形成されている。なお、指掛け部63の、指当て
面64と反対側の手元側表面は略頂上まで垂直に切り立
っており、クラッチ切換え操作部材32を前方に移動さ
せるときに指を押し当て易いように形成されている。ま
た、クラッチ切換え操作部材32を前方に移動させると
きにもその指は凹部51内に嵌り込み、位置決めされる
ために容易かつ安定した確実な操作を行うことができ
る。
【0023】ところで、親指50の指先部分はリール本
体1の表面に触れさせると、自然に指当て用凹部51内
に落ち込んで、指掛け部63の傾斜した指当て面64に
触れて位置すると共に無理なく、その間に空間内に維持
させられる。このため、リール本体1を握れば、その手
の親指50の指先が自然にクラッチ切換え操作部材32
に当たる操作ポジションに位置し、確実かつ迅速な操作
を安定して開始させることができるようになる。
【0024】また、親指50の指先が当たる指掛け部6
3の指当て面64と基部62の上面における、サミング
操作用開口部7に連通する側方開口53の側縁は滑らか
な縁部を有して凹部51の段部56側に落ち込んでお
り、その側方開口53の側壁面はスプール11のフラン
ジ54の側端面の位置に略一致している。また、段部5
6の底面57はフランジ54の周端縁55の高さに略一
致する程に近接している。クラッチ切換え操作部材32
における指掛け部63の一端縁がスプール11のフラン
ジ54の周端縁55に近接配置されるために、そのクラ
ッチ切換え操作部材32の指掛け部63にかけた親指5
0の指先部分の腹もスプール11のフランジ54の周端
縁55の極く近くに位置する。従って、クラッチ切換え
操作部材32を操作する親指50の指先をスプール11
側に僅かにずらすことでフランジ54に指先を載せるこ
とができる。つまり、クラッチOFF操作を行った直後
から親指50を大きく移動させることなく、自然にサミ
ング操作可能な状態となり、クラッチ切換え操作からサ
ミング操作までの一連の動作を自然な流れで行うことが
できるようになる。
【0025】そこで、この魚釣り用両軸受型リールを実
際に使用する場合、図1で示すように、リール本体1の
右側部分を右手6の中に入れてリール本体1の握持す
る。実際にはリール本体1の下部に取り付けた釣り竿も
一緒に握持する。すると、右手6の親指50は図1で示
す如く、自然に斜めになり、リール本体1を握れば、そ
の右手6の親指50の指先がクラッチ切換え操作部材3
2の指掛け部63に必然的に掛かる。このため、クラッ
チ切換え操作部材32の操作が確実かつ容易に行うこと
ができる。また、キャスティングする場合において、ク
ラッチ切換え操作部材32を操作する親指50の指先を
スプール11側に僅かにずらすことで、スプール11の
フランジ54に指先を載せることができるため、クラッ
チのOFF操作を行った直後から親指50を大きく移動
させることなく、自然にサミング操作可能な状態とな
り、サミング操作をスムーズに行うことができる。ま
た、釣糸放出途中であたりがきたような場合のように釣
糸の放出を止める必要がある場合にはクラッチ切換え操
作部材32の指掛け部63の頂部や手前側の立ち上がり
表面部分に指を掛けてそのクラッチ切換え操作部材32
を前方に押し戻してクラッチのONの状態とし、釣糸の
放出を止めることができる。
【0026】リール本体1の左側に配設したハンドル2
1を左手で回転操作し、スプール11に釣糸を巻上げ
る。なお、リール本体1の右側にハンドル21を配設し
てもよいが、この場合にはリール本体1を左手に持ち替
えなければならない。
【0027】図6ないし図7は本発明の第2実施形態に
係るものであり、図6はクラッチ切換え用操作部材付近
の斜視図、図7はそのクラッチ切換え用操作部材付近の
縦断面図である。これはクラッチ切換え用操作部材32
の変形例であり、その基部62の上面部に凹状の部分を
形成した突部71を一体に設け、突部71の凹状部分7
2で指掛け部63を形成したものである。その凹状部分
72のスプール11側部分はサミング操作用開口部7に
連通するように開放してなり、その凹状部分72の内側
壁面で前記同様に傾斜を設定した指当て面73を形成す
る。つまり、凹状部分72の特に指当て面73はリール
本体1を右手6で全体的に握持したときの親指50の自
然な姿勢で、その親指50の中心線Lに略沿って傾斜し
ている。また、この第2実施形態ではクラッチ切換え用
操作部材32の高さが凹部51の深さに合わせており、
クラッチ切換え用操作部材32の上面がリール本体1の
外表面に略一致させてある。
【0028】この実施形態で指掛け部63が凹状部分7
2によって形成し、その凹状部分72内に親指50の指
先部分を嵌め込んで位置決め保持させるので、特に親指
50の指掛けが外れ難く、確実に指掛けできる。クラッ
チ切換え用操作部材32を前方に移動するときも凹状部
分72から指を離さずにそのまま移動操作することが可
能である。このように凹状部分72内に親指50の指先
部分が嵌め込まれる位置決め保持させるためにクラッチ
切換え用操作部材32の前後移動操作をスムーズかつ確
実に行うことができる。また、クラッチ切換え用操作部
材32の高さが凹部51の深さに略合わせて形成してあ
るため、クラッチ切換え用操作部材32の上面がリール
本体1の外表面に略一致し、大きく突き出さないので、
釣糸のひっかかりや誤動作の発生などを防止できる。
【0029】図8は本発明の第3実施形態に係るもので
あり、図8はそのリールの平面図である。これは第1実
施形態のものを右ハンドルのものに応用したものであ
り、各部が左右逆の位置関係で構成されている。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、リ
ール本体を手で握ると、クラッチ切換え操作部材の指掛
け部における指当て面に、その手の親指の指先部分が自
然に適合して掛かり、自然で無理なく、その操作ポジシ
ョンに親指を位置させて維持させることができる。指が
離れないように意識して強く押える必要がなく、クラッ
チ切換え操作部材に指を引っ掛けておけるので、不自然
な力と気配りが不要で、親指の負担が少なく疲労しな
い。また、その操作ポジションから直ちにクラッチ切換
え操作部材を動かす操作に移ることができ、確実かつ迅
速なクラッチ切換え操作ができると共に安定したスムー
ズな操作を行うことが可能である。
【0031】請求項2の発明は、操作部材における指掛
け部の一端縁をスプールのフランジ周端縁に近接配置し
たからクラッチ切換え操作をした後、指先をスプール側
に僅かにずらすことで、スプールのフランジに指先を載
せ得るため、親指の腹部でのサミング操作に、直ちに無
理なく自然な流れでムーズに移行でき、キャスティング
性能を向上させる。つまり、クラッチOFFのクラッチ
操作を行った後からキャスティング及びサミングまでの
一連の動作を安定した自然な流れでスムーズに行うこと
ができるようになる。このためにキャスティングからサ
ミングまでの操作においてルアー等をポイントに正確に
投入できるようになり、また、釣糸のバックラッシュ現
象等の支障を起こさない。さらにサミング操作に移る操
作過程においても操作が容易で親指の負担が少なく、疲
労が少ない。
【0032】請求項3の発明は、クラッチ切換え操作部
材を位置させた側の、リール本体の側部にハンドルを配
置したから、キャスティングからサミング、さらに釣糸
の巻取りハンドル操作までの一連の操作をスムーズかつ
自然に行える。請求項4の発明は、リール本体の外面
に、クラッチ機構を切換え操作する操作部材を設置する
指当て用凹部を設けたから、クラッチ切換え操作部材を
操作する指を位置決めをより容易になる。さらに、クラ
ッチ切換え操作部材の指掛け部をスプールのフランジ周
縁に近付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る魚釣り用両軸受型リールの
平面図。
【図2】同じく、その魚釣り用両軸受型リールのクラッ
チ機構付近を通る部位で切断したリールの縦断面図。
【図3】同じく、その魚釣り用両軸受型リールのクラッ
チ切換え用操作部材付近の平面図。
【図4】同じく、その魚釣り用両軸受型リールの釣糸巻
取り状態でのクラッチ切換え用操作部材付近の斜視図。
【図5】同じく、その魚釣り用両軸受型リールの釣糸放
出状態でのクラッチ切換え用操作部材付近の斜視図。
【図6】第2実施形態に係る魚釣り用両軸受型リールの
釣糸巻取り状態でのクラッチ切換え用操作部材付近の斜
視図。
【図7】同じく、そのクラッチ切換え用操作部材付近の
縦断面図。
【図8】第3実施形態に係る魚釣り用両軸受型リールの
平面図。
【符号の説明】
1…リール本体、2…フレーム、3…左側枠、4…右側
枠、6…右手、11…スプール、12…スプール軸、1
5…ピニオン、17…駆動歯車、21…ハンドル、31
…クラッチ機構、32…クラッチ切換え操作部材、34
…クラッチ操作板、37…回動カム、41…振分けバ
ネ、43…クラッチ復帰機構、44…復帰プレート、5
0…親指、51…指当て用凹部、54…フランジ、62
…基部、63…指掛け部。
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】ハンドル軸16に取り付けられた駆動歯車
17はハンドル軸16に遊嵌して回転自在であり、その
ハンドル軸16の回転駆動力はドラグ機構25を介して
駆動歯車17に伝達されるようになっている。ドラグ機
構25は摩擦円板や押えリングバネを備えてなり、リー
ル本体1の左側面とハンドル21の間に同軸的に配置し
たドラグ調整ノブ26でドラグ調整を行うようになって
いる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また、回動カム37をクラッチOFFの状
態からクラッチONの状態に切り換えるクラッチ復帰機
構43が設けられている。このクラッチ復帰機構43は
復帰プレート44を有し、この復帰プレート44の基端
部には長孔45が形成されている。この長孔45には前
記リール本体1の部材に取着されたリベットからなる支
軸46が摺動自在に嵌め込まれ、復帰プレート44が回
動および摺動自在に保持されている。復帰プレート44
の先端部には引張りバネ47の一端が係着され、引張り
バネ47の他端はリール本体1の部材に取着されてお
り、その引張りバネ47によって復帰プレート44を図
2中時計方向に回動させ、かつ右方向へ移動させるよう
に引張り付勢している。復帰プレート44の中央部分に
は係合突部48が形成されている。そして、係合突部4
8が前記ハンドル軸16に嵌合固着されたラチェット歯
車49に噛合可能となっている。また、復帰プレート4
4が引張りバネ47の付勢力に抗して復帰移動すると
き、その基端は回動カム37の付当て部(図示せず)に
当たり、その回動カム37を時計方向に回動させるよ
うになっている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】図2で示すクラッチONの状態では、前記
回動カム37に形成された当付け部39が復帰プレート
44の下端に当たり、引張りバネ47の付勢力に抗し
て、復帰プレート44をラチェット歯車49から退避さ
せているが、前記回動カム37が時計方向へ回動させら
れ、クラッチOFFの位置になると、回動カム37の当
付け部39が復帰プレート44から離れるために、復帰
プレート44は引張りバネ47の付勢力によって時計方
向へ回動させられながら右側へ移動し、復帰プレート4
4の係合突部48がラチェット歯車49の歯部に噛合す
る。この状態で、ハンドル21を巻取り側に回転操作す
ると、ラチェット歯車49がその復帰プレート44の係
合突部48に係合し、復帰プレート44を押して左側へ
移動させる。すると、復帰プレート44の基端が回動カ
ム37の付当て部(図示せず)に当たり、回動カム37
時計方向に回動させる。すると、回動カム37は振
分けバネ41の機能によって、図2で示すクラッチON
の状態に切り換わって、その状態に保持される。このよ
うにクラッチ機構31はハンドル21の巻取り回転操作
によって、スプール用クラッチ機構31がクラッチOF
Fの状態からクラッチONの状態に切り換わる。また、
クラッチ切換え操作部材32によって直接に回動カム3
7を回動して、スプール用クラッチ機構31を、クラッ
チOFFの状態からクラッチONの状態に切り換えるこ
ともできる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リール本体に、スプール軸の両端を支持
    して、スプールを回転自在に保持し、リール本体に設け
    られたハンドルで、前記スプールを回転操作すると共
    に、ハンドルによる駆動力をスプールに伝達する釣糸巻
    上げ状態とスプールのフリー回転を許容する釣糸放出状
    態とに切り換えるクラッチ機構を備えた魚釣り用両軸受
    型リールにおいて、 前記リール本体を片側から手の中に握持し、その握持し
    た手の親指が斜めに伸びて位置するとき、その親指の指
    先で操作可能な位置に、前記クラッチ機構を切換え操作
    する操作部材を、前記リール本体の前後方向に変位可能
    に設置し、前記操作部材には、前記リール本体を握持し
    た手の親指が斜めに伸びる向きに沿う方向で前後方向に
    対して斜めに横切る指掛け部を設け、その指掛け部に親
    指の指先を掛けてクラッチ切換え用操作部材を操作する
    ようにしたことを特徴とする魚釣り用両軸受型リール。
  2. 【請求項2】 クラッチ機構を切換え操作する操作部材
    における指掛け部の一端縁をスプールのフランジ周端縁
    に近接配置したことを特徴とする請求項1に記載の魚釣
    り用両軸受型リール。
  3. 【請求項3】 クラッチ機構を切換え操作する操作部材
    を位置させた側の、リール本体の側部にスプールを回転
    するハンドルを配置したことを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の魚釣り用両軸受型リール。
  4. 【請求項4】 リール本体の外面に、クラッチ機構を切
    換え操作する操作部材を設置する指当て用凹部を設けた
    ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記
    載の魚釣り用両軸受型リール。
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