JPH11215940A - 両軸受リール - Google Patents

両軸受リール

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JPH11215940A
JPH11215940A JP10061294A JP6129498A JPH11215940A JP H11215940 A JPH11215940 A JP H11215940A JP 10061294 A JP10061294 A JP 10061294A JP 6129498 A JP6129498 A JP 6129498A JP H11215940 A JPH11215940 A JP H11215940A
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JP
Japan
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spool
rotation
plate
drag
bearing reel
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JP10061294A
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English (en)
Inventor
Naohisa Katagiri
尚久 片桐
Takashi Kitayama
剛史 北山
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Mamiya OP Co Ltd
Original Assignee
Mamiya OP Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプールの釣糸繰り出し方向の回転に対して
ドラグ力の他に、安全且つスムースに、しかも簡単に制
動力を与え得るレバードラグ式及びスタードラグ式の両
軸受リールを提供する。 【解決手段】レバードラグ式の両軸受リールA、又は、
スタードラグ式の両軸受リールBの前記左右側枠1,2
のいずれか一方に、スプール4の回転に制動力を与える
と共に、その制動力の強弱を調節し、且つその制動力が
スプール4に対してその釣糸繰り出し回転に作用し、釣
糸巻き取り回転には作用しないようにしたブレーキ装置
10を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両軸受リールに関
し、詳しくはレバードラグ式及びスタードラグ式の両軸
受リールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ドラグ機構の摩擦係合力によ
りハンドルの回転をスプールに伝達すると共に、レバー
やつまみによってねらう魚種及び釣竿の強さと使用する
釣糸の強さに応じてドラグ機構の摩擦係合力の強弱を調
節するようにしたレバードラグ式及びスタードラグ式の
両軸受リールは今日周知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記摩擦係
合力(以下ドラグ力と称する)の調節は実釣前に行わ
れ、しかもその調節は実釣中の糸切れなどを生じさせな
いように、ねらう魚の引きの強さ及び釣竿の強さそして
使用する釣糸の強さに応じて相当正確に行われている。
ところが、このようなドラグ力の正確な調節は、非常に
面倒であり、しかも技術も要するので、ベテランでも相
当時間を要するし、初心者では非常に困難である。ま
た、正確にドラグ力を調節したとしても、掛かった魚の
引きが想像以上に強く、釣糸が勢いよく繰り出されてし
まうときには、釣糸の強さ以上のドラグ力を必要とする
場合がある。上記したよう場合には、釣糸の強さ以上の
ドラグ力を使用すれば、当然釣糸は切れてしまうことに
なるので、スプールに巻かれた釣糸の外周面を指で押え
るいわゆるサミングで釣糸の引き出しを抑制している。
しかしながら、勢いよく繰り出される釣糸によって回転
するスプールをサミングするとなると、指と回転する釣
糸の外周面との間に摩擦が生じて、やけどや指を切って
しまうなどの可能性がある。また、カム機構を用いてド
ラグ力の調整を行うレバードラグ式の両軸受リールで
は、カム板の斜面の高低差を利用して例えばスプールシ
ャフトをスライドさせて上記したようにクラッチ板と摩
擦板とを接触させることで所望のドラグ特性を発生させ
るようになっている。このドラグ特性はカム板の斜面の
高低差によって決まるが、通常ドラグ機構は両軸受リー
ルに内蔵されており、その機種毎に自ずとドラグ特性が
限定される。すなわち、使用者はねらう魚種によって所
望のドラグ特性を有する両軸受リールを選択しているの
が現状である。
【0004】そこで本発明の目的は、スプールの釣糸繰
り出し方向の回転に対してドラグ力の他に、安全且つス
ムースに、しかも簡単に制動力を与え得るレバードラグ
式及びスタードラグ式の両軸受リールを提供することに
ある。更に他の目的とするところは、上記した目的に加
えて簡単にドラグ特性を変更し得るレバードラグ式の両
軸受リールを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために本発明は以下の技術的手段を講じた。 (請求項1)左右側枠間に支承されたスプールシャフト
にスプールが軸承され、該スプールの回転がハンドルか
らドラグ機構を介して伝達されるレバードラグ式、若し
くはスタードラグ式の両軸受リールにおいて、前記左右
側枠のいずれか一方にスプールの回転に制動力を与える
と共に、その制動力の強弱を調節し、且つその制動力が
スプールに対してその釣糸繰り出し回転に作用し、釣糸
巻き取り回転には作用しないようにしたブレーキ装置を
備え、該ブレーキ装置を、スプールの同軸線、若しく
は、該軸線と偏心した部位に配設され、スプール、若し
くは、スプールシャフトの回転が伝達される回転板と、
その回転板への回転伝達経路のいずれかに配設され、ス
プールの釣糸繰り出し回転では回転板へ回転を伝達し、
釣糸巻き取り回転では回転板への回転伝達を切り離す逆
止め機構と、前記回転板に対して接離可能、且つ常時回
転板から離反する方向に付勢された接触体を有しその接
触体の接離を操作する操作部とで構成した。 (請求項2)上記回転板がスプールと同軸線に配設され
たブレーキ装置であり、前記回転板をスプール、若しく
は、スプールシャフトに遊転可能に配設し、その回転板
の回転を、前記スプール、若しくは、スプールシャフト
との間に介在された逆止め機構を介して行うようにし
た。 (請求項3)上記回転板がスプールの軸線と偏心して配
設されたブレーキ装置であり、前記回転板を側枠内に回
転可能に支持された軸に支承し、その回転板の回転を、
スプール、若しくは、スプールシャフトから、少なくと
もスプール、若しくはスプールシャフトと一体回転する
第1歯車と前記軸に遊転可能に支承された第2歯車とを
有する歯車列と、該第2歯車と軸との間に介在された逆
止め機構とを介して行うようにした。 (請求項4)上記接触体を、側枠に回転板の側面に向け
て軸方にスライド可能に貫通取り付けされると共に、常
時回転板とは離反する方向に付勢されたスライド軸と、
該スライド軸のスプール側に突出する端部に前記スライ
ド軸を押動することにより回転板に当接するように配設
されたブレーキシューとで構成した。 (請求項5)上記ブレーキ装置をハンドル取り付け側と
は反対側の側枠に備えた。 (請求項6)上記逆止め機構をワンウェイクラッチにし
た。 (請求項7)上記両軸受リールがレバードラグ式の両軸
受リールであり、上記カム機構を、側枠の外側と、スプ
ールシャフトと一体回転すると共に、該スプールシャフ
トに対して着脱可能に固定されたドラグレバーとの間に
着脱可能に配設した。 (請求項8)上記カム機構を、側枠の外側に着脱可能、
且つ、スプールシャフトと同軸線上に配設されたカム板
と、該カム板と正対して常時カム板の斜面に当接すると
共に、ドラグレバーと一体回転するカムとで構成した。
【0006】上記した技術的手段によれば下記の作用を
奏する。 (請求項1乃至請求項3)回転するスプールにブレーキ
装置によってドラグ力による制動力以外の制動力が与え
られると共に、制動力の強弱が調節される。上記制動力
は、操作部の押動操作により接触体が回転板に接触して
発生すると共に、その制動力が逆止め機構を介して最終
的にスプールに伝達され、その制動力は操作部の押動量
を調節することにより強弱調節される。上記接触体は、
常時回転板から離反するように付勢されているから、操
作部から手を離せば付勢力によって接触体が回転板から
離反してブレーキ装置の制動が解除される。回転板は、
スプールの釣糸繰り出し回転ではスプールと一体回転
し、スプールの釣糸巻き取り回転ではスプールとの回転
が切り離されるから、スプールの釣糸繰り出し回転にブ
レーキ装置の制動力が作用し、スプールの釣糸巻き取り
回転にはブレーキ装置の制動力が作用しない。 (請求項4)スライド軸を付勢力に抗して押動すると、
スライド軸は回転板に向かってスライドし、そのスライ
ドに伴ってブレーキシューが回転板の側板に圧接する。
この押動の押動力の程度によって回転板に対するブレー
キシューの接触圧力が調節される。スライド軸から手を
離せば、付勢力によってスライド軸が回転板から離間す
る方向へスライドし、そのスライドに伴ってブレーキシ
ューが回転板から離間する。 (請求項5)ブレーキ装置はハンドルを操作する手とは
逆の手で操作される。 (請求項6)逆止め機構がワンウェイクラッチという1
つのユニットで構成される。 (請求項7)上記両軸受リールがレバードラグ式の両軸
受リールにおいては、ドラグレバーを外すことでカム機
構が着脱される。 (請求項8)上記カム機構は、ドラグレバーを回動する
とカムがその回動に伴ってスプールシャフトに遊嵌挿さ
れたカム板の斜面を摺動する。そして、カムの摺動によ
りドラグレバーがスプールシャフトが軸方向にスライド
する。また、ドラグレバーを外すことでカム板が着脱さ
れる。
【0007】
【発明の効果】上記構成によれば本発明は下記の利点を
有する。 (請求項1乃至請求項4)回転するスプールに側枠に設
けられたブレーキ装置によってドラグ力による制動力以
外の制動力が与えられるから、ドラグ力の調節が比較的
アバウトでもブレーキ装置の操作によって、スプールに
所望の制動力を与えることができるし、しかもそのブレ
ーキ装置の制動力が強弱調節可能であるから、魚の引き
に合わせてその強弱を通常のドラグ機構とは別に自らの
手で簡単に行える上、設定したドラグ力以上の力が釣糸
に加わって釣糸が繰り出されても、ブレーキ装置の操作
によって繰り出し方向に回転するスプールやスプールに
巻かれた釣糸に直接手を触れなくてもスプールの回転に
制動力を与えることができるし、また、スプールをフリ
ー回転させて仕掛けを海中に落とし込む場合でも、仕掛
けの落下スピードとスプールの回転スピードが合わなく
なったときに発生するバッククラッシュを、ブレーキ装
置の操作によってスプールの回転に制動力を与えること
で仕掛けの落下スピードとスプールの回転スピードを合
わせて防止できるから操作する手には全く危険が無い。
しかも、スプールの釣糸巻き取り回転にはブレーキ装置
の制動力が作用しないことから、制動した状態での釣糸
巻き取りにブレーキ装置の制動力の抵抗が全くないた
め、掛かった魚の巻き取りをブレーキ装置の制動力をか
けながら行えば、その魚が突然走り出しても即座に対応
し得る状態でスムーズな釣糸巻き取りができる。更に、
仕掛けが根がかりした場合、従来ではレバーを回動させ
てドラグ機構のドラグ力を強めるか、手でスプールを押
さえて釣糸が繰り出されないようにして釣竿ごと引っ張
って釣糸を切り、仕掛けを装着した後に再びドラグ力を
調整しているが、ブレーキ装置の操作でスプールの回転
を押さえることによって前記ドラグ機構を操作すること
はないから、ドラグ力の初期設定値は保持される。した
がって新たにドラグ力の調整をする必要が無いため、釣
の再開を迅速に行うことができるし、しかも船釣におい
ては、波や潮流の影響により船が根がかりした釣糸を引
っ張る方向に移動した場合、釣人が仕掛けの方向すなわ
ち船外方向に引っ張られるようになるが、このときブレ
ーキ装置におけるスプールの制動を解除することによっ
て釣糸が繰り出されるから、釣人が引っ張られて船外に
落下してしまったり、釣竿が船外へ落下してしまったり
するなどの危険は回避される。 (請求項5)その上、ブレーキ装置はハンドルを操作す
る手とは逆の手で操作されるから、リール操作や竿さば
きには何ら支障がない。 (請求項6)しかも、逆止め機構がワンウェイクラッチ
という1つのユニットであるから、ブレーキ装置を構成
するのに非常に簡単である上、故障したときにも単なる
ワンウェイクラッチの交換でこと足りる。 (請求項7)上記両軸受リールがレバードラグ式の両軸
受リールにおいては、ドラグレバーを外すことでカム機
構が着脱されるから、ねらう魚に応じて様々なドラグ特
性の異なるドラグ機構と簡単に交換できる。したがっ
て、上記した効果に加えて従来のようにねらう魚毎に両
軸受リールを選択するということが無く、1台の両軸受
リールで幅広い魚種に対応できる。 (請求項8)その上、ドラグレバーを外すことでカム板
を着脱するようにすれば、カム板だけを交換すればよい
ということになるから、交換作業がより簡単になるし、
しかもカム板だけを交換部品として用意すればよい。よ
って、上記目的を達成したレバードラグ式及びスタード
ラグ式の両軸受リールを提供することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面に基づいて説明すると、図1乃至図6は第1の実施
の形態のレバードラグ式の両軸受リールAを示し、図7
は第2の実施の形態のスタードラグ式の両軸受リールB
を示している。上記レバードラグ式の両軸受リールA
は、図1に示す通り、左右側枠1,2間に支承されたス
プールシャフト3に遊転可能に軸承されたスプール4の
回転が、ハンドル5からメインギア6及びピニオンギア
7に、そしてピニオンギア7の回転をドラグ機構8の摩
擦係合力(以下ドラグ力と称する。)を介して伝達して
行われ、前記ドラグ力の強弱調節をドラグレバー9の回
動によって行うようになっている。上記ドラグレバー9
の通常使用範囲Wの回動が図4に示すように両軸受リー
ルAの上下方向の中心線Cから前側に設定されており、
両軸受リールAを釣竿に取り付けてその釣竿を持って構
えたときに最も操作しやすいようになっている。そのた
めクォードランド9Aを両軸受リールAの上下方向の中心
線Cから周方向時計周りにずらしている。符号1A,2A
は、釣竿が魚の引きによってのされないように肩に掛け
たショルダーハーネスを引掛けるハーネスフックであ
り、実釣中にショルダーハーネスがハンドルを回転させ
る手に障害にならないように使用者側よりに位置させて
いる。また、左側枠1の側面には、スプール4の回転に
制動力を与えるブレーキ装置10が配設されており、この
ブレーキ装置10の操作により、従来行っていたスプール
やスプールに巻かれた釣糸に直接手を触れてスプールの
回転に制動を与えるサミングをしなくても、回転するス
プールに制動力を与えることが可能になっている。
【0009】上記ブレーキ装置10は、左側枠1に側面に
貫通固着された操作部10Aと、スプール4の側板から軸
方向に突出した筒4Aに遊転可能に嵌合された回転板10B
と、該回転板10Bと筒4Aとの間に介在されると共に、回
転板と一体回転するワンウェイクラッチ10Cとで構成さ
れている。
【0010】操作部10Aは、左側枠1の側面に貫通固着
された筒体101Aにスライド可能に貫通されたスライド軸
102Aのスプール4側に突出する端部に円盤103Aを固定す
ると共に、その先端面に円盤103Aと同径のブレーキシュ
ー104Aを貼り着ける一方、他方の端部にスライド軸102A
よりも大径とする押しボタン105Aを一体に設け、該押し
ボタン105Aと前記筒体101Aとに亘ってスプリング106Aを
配設してスライド軸102Aを常時スプール4から離反する
方向に付勢し、押しボタン105Aを押動することにより上
記回転板10Bに圧接させて制動力を発生させるようにな
っている。筒体101Aは、略凸状に形成され、大径側の内
径を押しボタン105Aの径よりも大径とすると共に、小径
側の内径をスライド軸102Aほぼ同径の内径とし、大径側
の内周と小径側の内周との間に段部108Aが形成されてい
る。上記筒体101Aは、左側枠1の下側やや手前(釣竿に
取り付けた場合の使用者より)よりに小径側をスプール
4方向に向けて配設されている。また、筒体101Aは、リ
ールを持つ手における指載せ部として機能すると共に、
その周面の上側に凹設された凹部107Aに指を載せるよう
にしてある。上記円盤103Aは、筒体101Aの小径側の外径
よりも大径とし、スプリング106Aの付勢力によって回転
板10Bから離反する方向にスライドしようとするスライ
ド軸102Aの抜け止めをしている。上記ブレーキシュー10
4Aは、ゴムや合成樹脂などの弾性を有する素材を用いて
形成されている。上記押しボタンは105Aは、筒体101Aに
おける大径側の内側に出没可能に収容されている。上記
スプリング106Aは、押しボタン105Aの端部と、上記筒体
10A内に前記押しボタン105Aの端部と段部108Aとの間に
圧縮させて配設されており、押しボタン105Aの押動によ
り収縮して付勢力を発生するようにしている。
【0011】尚、本実施の形態では上記操作部の操作
が、軸方向に押動される押しボタンのスライドにより直
接スライド軸が軸方向にスライドするようにしている
が、例えば指の上下動をスライド軸を軸方向のスライド
に変換するようにしてもよい。(図示せず)
【0012】回転板10Bは、スプール4の側板の外径よ
り若干小径とし、その中心に上記ワンウェイクラッチ10
Cを収容する収容筒101Bが一体形成されている。上記収
容筒101Bの左側枠1側方向の端部内周には環状凸部102B
が周設されており、ワンウェイクラッチ10Cの抜け止め
をしている。
【0013】上記ワンウェイクラッチ10Cは、スプール
4の釣糸繰り出し回転を回転板10Bに伝達し、スプール
4の釣糸巻き取り回転を回転板10Bに伝達しないように
されている。
【0014】このように構成されたブレーキ装置10によ
れば図3に示すように、押しボタン105Aをスプリング10
6Aの付勢力に抗して押動操作すると、スライド軸102Aが
スライドすると共に、そのスライドに伴ってブレーキシ
ュー104Aが回転板10Bに近づいて接触して制動力が付与
される。また、押しボタン105Aから手を離せば、スプリ
ング106Aの付勢力によって押しボタン105Aが回転板10B
から離反する方向へスライドするから、そのスライドに
伴ってスライド軸102Aがスライドしてブレーキシュー10
4Aが回転板から離反してブレーキ装置10の制動力が解除
される。また、上記制動力の強弱は押しボタン105Aの押
動によるスライド距離で調節される。回転板10Bは上記
したように、ワンウェイクラッチ10Cによってスプール
4の釣糸繰り出し回転(図2において実線の矢印で示
す)が伝達され、スプール4の釣糸巻き取り回転(図2
において仮想線の矢印で示す)が伝達されないようにな
っているので、スプールに作用するブレーキ装置10の制
動力は、スプール4の釣糸繰り出し回転のみに作用す
る。
【0015】上記ドラグ機構8は、スプール4の側板と
正対すると共に、ピニオンギア7に同軸、且つ、一体回
転するように配設されたクラッチ板8Aと、前記クラッチ
板8Aと正対するスプール4の側板の側面に配設された摩
擦板8Bとで構成されている。ドラグ機構8のドラグ力の
強弱調節は上記ドラグレバー9の回動により作動するカ
ム機構11によって、クラッチ板8Aと摩擦板8Bとの接触圧
力を強弱するようにしてある。
【0016】上記カム機構11は、ドラグレバー9と右側
枠2の外側との間に配設されている。このカム機構11を
詳述すると、図4乃至図6に示すように右側枠2の外側に
着脱可能に配設されると共に、スプールシャフト3に遊
嵌挿されたカム板11Aと、該カム板11Aと正対して常時前
記カム板11Aの斜面に当接すると共に、ドラグレバー9
と一体回転するカム11Bとで構成されている。上記カム
板11Aは、周方向に沿って数カ所(図面では3個所)の
貫通孔11C……11Cが形成された円盤11Dの中心に上記ス
プールシャフト3の径よりも大径とする筒体11Eが形成
され、その筒体11Eにおけるドラグレバー9と対向する
面に、筒体11Eの周方向に沿うカム斜面11Fが形成されて
いる。カム板11Aは、該カム板11Aにおける円盤11Dの外
周とほぼ同型に形成された右枠体2の凹部2Bに嵌合する
と共に、上記貫通孔11C・・・11Cから枠体にビス11G・・・11G
によりビス止めして固定する。また、上記ビス11G…11G
をドライバーを用いて外すことでカム板11Aを枠体から
取り外すことができると共に、図6に示すように例えば
カム斜面の角度が異なるカム板11A’と交換することが
できるカム11Bは、ドラグレバー9におけるカム板11Aと
正対する位置に形成された凹部9Bに小判係合により嵌合
されて前記ドラグレバー9と一体回転するようになって
いる。また、上記カム11Bにおけるカム板11Aのカム斜面
11Fに正対する位置に、該斜面に当接する突起11Hが配設
されている。このようにしたカム11Bとドラグレバー9
は、図4に示すようにスプールシャフト3の先部と抜き
差し可能に小判係合され、ドラグレバー9の外側からプ
リセットノブ12をスプールシャフト3に前記ドラグレバ
ー9を挟むように螺合締め付けして固定される。また、
上記プリセットノブ12をスプールシャフト3から外すこ
とでドラグレバー9をスプールシャフト3から引き抜く
ことができる。
【0017】カム板11Aの取り付け方法は、上記したビ
ス止めの他に例えばカム板における円盤を多角形の板と
し、その板が嵌合される側枠の凹部を前記板と同型に形
成し、その凹部に板を嵌合するだけでもよい。(図示せ
ず) このようにすれば、ドラグレバーの回動に伴うカムの回
転力がカムにおける突起を介してカム板に作用してもカ
ム板は多角形同士の嵌合であるから回転はしないし、カ
ム板が前記突起と側枠に挟持されるようになるから、ド
ラグレバーを外さない限り落下の心配も無い。また、ド
ラグレバーを取り外した際のカム板の落下防止をするた
めには、例えばカム板における円盤若しくは側枠の凹部
にマグネットを配し、そのマグネットと相対する円盤若
しくは側枠の凹部に金属板など配することで磁力によっ
て両者を着けてもよい。
【0018】上記構成のカム機構11によれば、例えばド
ラグレバー9をドラグ力強方向(図5において右側)に
回動すると、その回動に伴って回動するカム11Bにおけ
る突起11Hがカム板11Aのカム斜面11Fに沿って上る。す
ると、スプールシャフト3の軸方向に沿う突起11Hの高
さ位置がドラグレバー9の回動前よりも高くなるから、
その高低差の距離だけドラグレバー9が軸方向へ移動す
ると共に、スプールシャフト3を引っ張る。そして引っ
張られたスプールシャフト3が、該シャフトの左側枠側
の先部と、スプール4を支持する軸受4Eとの間に配設さ
れた皿ばね4Fを介してスプール4をクラッチ板8A方向へ
移動させることで、スプール4に配設された摩擦板8Bと
クラッチ板8Aとの接触圧力が上昇する。また、ドラグレ
バー9をドラグ力弱方向(図5において右側)に回動す
ると、上記した逆に作動してスプール4に配設された摩
擦板8Bとクラッチ板8Aとの接触圧力が減少する。上記ド
ラグレバー9の軸方向への移動のとき、ドラグレバー9
の側面と、クォードラント9Aの周縁に引掛るようにされ
ているドラグレバー9のガイド部9Cの凸片9Dとが、これ
らの間に位置するクォードラント9Aに接触しないよう
に、ドラグレバー9の側面及び凸片9Dとクォードラント
9Aとの間隔をドラグレバー9の移動量以上に形成してい
る。
【0019】尚、上記したプリセットノブ12は、締め付
け若しくは緩めることでスプールシャフト3を若干スラ
イドさせてドラグ力の微調整を行うものであり、今日周
知のものである。また、上記皿ばね4Fは、スプール4の
軸方向へのがたつきを防止するためのもので、常時スプ
ール4をクラッチ板4F方向へ付勢している。
【0020】上記したブレーキ装置10は、図7に示すよ
うにスタードラグ式の両軸受リールBにも配設可能であ
る。上記両軸受リールBは、ハンドル5の回転をドラグ
力でメインギア6へ伝える多板式のドラグ機構8’を介
してメインギア6からピニオンギア7へ、そのピニオン
ギア7からクラッチ機構13を介してスプール4と一体回
転するスプールシャフト3に伝達されて行われ、そのド
ラグ力の調節がドラグつまみ9’の回動により行われる
今日周知の形態をなしているため詳述はしない。このよ
うな両軸受リールBの左側枠に上述した両軸受リールA
におけるブレーキ装置10を同様に配設することで、スプ
ール4に制動力を与えることができるから第1の実施の
形態と同様の作用効果を奏する。尚、上記した第1の実
施の形態と重複する部分の説明は、同符号を付すことで
説明は省略する。
【0021】また、両軸受リールA,Bにおけるリール
脚の取り付け構造を図8及び図9に示すような構造にし
てもよい。その構造は、左側枠1から一体形成されたス
プールの周りを囲むハウジング1Bに所望の数の貫通孔1C
を設けると共に、その貫通孔1Cの内周にハウジング1B内
側よりの内径を大径として段部1Dを形成し、その貫通孔
1Cに、該孔の長さよりも長く、ハウジング1B内側から前
記段部1Dに引掛け可能な段付きのスリーブ14を嵌合し、
そのスリーブ14の下端にリール脚15を位置させ、ビス16
をリール脚15の下面からスリーブ14に螺合締め付けるこ
とにより、リール脚15を両軸受リールに固定するように
なっている。この構成にしたことによれば、ビス16を外
すことでリール脚15の交換ができると共に、貫通孔1Cよ
りも長いスリーブ14にビス16が螺合されるため、そのビ
ス16のかかり長さが多く取れるからリール脚15を確実に
固定できるという効果がある。尚、上記したリール脚15
の取り付け構造は、本実施の形態で説明した両軸受リー
ルに限定されるものではない。
【0022】上述した実施の形態におけるブレーキ装置
10は、その回転板10Bがいずれもスプールと同軸線に配
設した形態を示しているが、この形態に限るものではな
く、図10及び図11に示すようなブレーキ装置20でもよ
い。尚、上述した実施の形態と重複する部分については
その説明を省略する。
【0023】上記ブレーキ装置20を詳述すると、左側枠
1内に、スプール4の軸線と平行状にして回転可能に支
持した軸21に、該軸と一体回転状に支承された回転板22
と、その回転板22とスプールシャフト3との間に配設さ
れて前記回転板22にスプールシャフト3の回転を伝達す
る歯車列23と、スプールシャフト3の回転を回転板に対
して伝達及びその回転を切り離すワンウェイクラッチ10
Cと、上述したブレーキ装置10と同様の操作部とで構成
されている。上記歯車列23は、スプールシャフト3と一
体回転するように支承された第1歯車231と、前記軸21
に遊転可能に支承された第2歯車232と、それらの間に
支承されて第1歯車231の回転を第2歯車232に伝達する
た第3歯車233とで構成されている。ご迷惑おかけしま
してまことに申し訳有ませんでした。上記ワンウェイク
ラッチ10Cは、上述したブレーキ装置10に用いられたも
のと同様のものであり、第2歯車232と軸21との間に介
在されると共に、該歯車と一体回転状にされ、スプール
シャフト3の釣糸巻取り回転では軸21と一体回転し、釣
糸繰り出し回転では軸21の周りを遊転するようになって
いる。
【0024】このようにしたブレーキ装置20によれば、
スプールシャフト3の釣糸巻取り回転が回転が歯車列23
からワンウェイクラッチ10Cを経て回転板22に伝達さ
れ、釣糸繰り出し回転がワンウェイクラッチ10Cにより
回転板22への回転が切り離されるから、上述したブレー
キ装置10と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレバードラグ式の両軸受リールの
縦断面図である。
【図2】図1の(2)−(2)線断面図である。
【図3】図1の要部拡大図で、ブレーキ作動状態を示
す。
【図4】図1の(4)−(4)線断面図である。
【図5】同、(5)−(5)線断面図である。
【図6】図1の要部分解拡大図である。
【図7】本発明に係るスタードラグ式の両軸受リールの
縦断面図である。
【図8】両軸受リールにおけるリール脚の取り付け構造
を示す部分側面図で、一部切欠して示す。
【図9】図8の要部拡大図である。
【図10】ブレーキ装置の他の実施の形態を示す要部断
面図である。
【図11】図10の(11)−(11)線拡大断面図で、一部
切欠して示す。
【符号の説明】
A:両軸受リール(レバードラグ式) B:両軸受リ
ール(スタードラグ式) 1,2:左右側枠 3:スプールシャフト 4:ス
プール 5:ハンドル 6:メインギア 7:ピニオンギア 8,8’:ド
ラグ機構 9:ドラグレバー 9’:ドラグつまみ 10,20:
ブレーキ装置 11:カム機構 21:軸 23:歯車列 10A:操作
部 10B,22:回転板 231:第1歯車 232:第2歯車 11A:カム板 1
1B:カム 10C:ワンウェイクラッチ(逆止め機構) 102A:ス
ライド軸 104A:ブレーキシュー(接触体)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右側枠間に支承されたスプールシャフ
    トにスプールが軸承され、該スプールの回転がハンドル
    からドラグ機構を介して伝達される両軸受リールであっ
    て、その回転伝達が、スプールシャフトに対して遊転可
    能なスプールと一体回転する摩擦板と、ハンドルの回転
    がメインギア及びピニオンギアを介して伝達されるクラ
    ッチ板とのいずれか一方がスプールシャフトの軸方向に
    スライドすることで前記摩擦板とクラッチ板とが接触
    し、その接触する際の摩擦係合力で行われ、その摩擦係
    合力の調節をドラグレバーの回動によりカム機構を介し
    て行われるレバードラグ式の両軸受リール、若しくは、
    ハンドルの回転を摩擦係合力でメインギアへ伝える多板
    式のドラグ機構を介してメインギアからピニオンギア
    へ、そのピニオンギアからクラッチ機構を介してスプー
    ルと一体回転するスプールシャフトに伝達されて行わ
    れ、その摩擦係合力の調節がドラグつまみの回動により
    行われるスタードラグ式の両軸受リールにおいて、前記
    左右側枠のいずれか一方にスプールの回転に制動力を与
    えると共に、その制動力の強弱を調節し、且つその制動
    力がスプールに対してその釣糸繰り出し回転に作用し、
    釣糸巻き取り回転には作用しないようにしたブレーキ装
    置が備えられ、該ブレーキ装置は、スプールの同軸線、
    若しくは、該軸線と偏心した部位に配設され、スプー
    ル、若しくは、スプールシャフトの回転が伝達される回
    転板と、その回転板への回転伝達経路のいずれかに配設
    され、スプールの釣糸繰り出し回転では回転板へ回転を
    伝達し、釣糸巻き取り回転では回転板への回転伝達を切
    り離す逆止め機構と、前記回転板に対して接離可能、且
    つ常時回転板から離反する方向に付勢された接触体を有
    し、その接触体の接離を操作する操作部とで構成されて
    いることを特徴とする両軸受けリール。
  2. 【請求項2】 上記回転板がスプールと同軸線に配設さ
    れたブレーキ装置であり、前記回転板をスプール、若し
    くは、スプールシャフトに遊転可能に配設し、その回転
    板の回転が、前記スプール、若しくは、スプールシャフ
    トとの間に介在された逆止め機構を介して行われること
    を特徴とする請求項1に記載の両軸受リール。
  3. 【請求項3】 上記回転板がスプールの軸線と偏心して
    配設されたブレーキ装置であり、前記回転板を側枠内に
    回転可能に支持された軸に支承し、その回転板の回転
    が、スプール、若しくは、スプールシャフトから、少な
    くともスプール、若しくはスプールシャフトと一体回転
    する第1歯車と前記軸に遊転可能に支承された第2歯車
    とを有する歯車列と、該第2歯車と軸との間に介在され
    た逆止め機構とを介して行われることを特徴とする請求
    項1に記載の両軸受けリール。
  4. 【請求項4】 上記接触体は、側枠に回転板の側面に向
    けて軸方にスライド可能に貫通取り付けされると共に、
    常時回転板とは離反する方向に付勢されたスライド軸
    と、該スライド軸のスプール側に突出する端部に前記ス
    ライド軸を押動することにより回転板に当接するように
    配設されたブレーキシューとでなることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3いずれかに記載の両軸受リール。
  5. 【請求項5】 上記ブレーキ装置がハンドル取り付け側
    とは反対側の側枠に備えられていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項4いずれかに記載の両軸受リール
  6. 【請求項6】 上記逆止め機構がワンウェイクラッチで
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれかに
    記載の両軸受リール。
  7. 【請求項7】 上記両軸受リールがレバードラグ式の両
    軸受リールであり、上記カム機構が、側枠の外側と、ス
    プールシャフトと一体回転すると共に、該スプールシャ
    フトに対して着脱可能に固定されたドラグレバーとの間
    に着脱可能に配設されていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項6いずれかに記載の両軸受リール。
  8. 【請求項8】 上記カム機構が、側枠の外側に着脱可
    能、且つ、スプールシャフトと同軸線上に配設されたカ
    ム板と、該カム板と正対して常時カム板の斜面に当接す
    ると共に、ドラグレバーと一体回転するカムとでなるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の両軸受リール。
JP10061294A 1997-11-28 1998-03-12 両軸受リール Withdrawn JPH11215940A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3005870A1 (en) * 2014-10-10 2016-04-13 Shimano Inc. Dual-bearing reel
JP2017158485A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 株式会社セミナル 両軸受リール
CN112772588A (zh) * 2019-11-07 2021-05-11 广东赛肯科技创新股份有限公司 一种电动渔轮及其刹车结构

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