JP2002034407A - 両軸受リールのドラグ装置 - Google Patents
両軸受リールのドラグ装置Info
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Abstract
でき、かつドラグ力の変動による音質の変化を防止でき
るようにする。 【解決手段】 ドラグ機構23は、スタードラグ3と、
第1ドラグ部材61と、第2ドラグ部材62と、第3ド
ラグ部材63と、リング部材64と、発音機構65と、
逆転防止機構66とを備えている。スタードラグはドラ
グ調整用である。第1ドラグ部材は、メインギアより基
端側でハンドル軸に回転不能に装着されている。第2ド
ラグ部材は、メインギアより先端側でハンドル軸に回転
不能に装着され、第1ドラグ部材とでメインギアを挟持
する。第3ドラグ部材は、第1ドラグ部材とメインギア
との間に装着されたリング状の部材である。リング部材
は、第3ドラグ部材の内周側に装着されメインギアに連
動し第3ドラグ部材より薄肉の部材である。発音機構
は、第1ドラグ部材とリング部材との相対回転により発
音する。
Description
に、両軸受リールのスプールの糸繰り出し方向の回転を
制動するために先端にハンドルが装着されたハンドル軸
の周囲に配置された両軸受リールのドラグ装置に関す
る。
スプールの糸繰り出し方向の回転を制動するスタードラ
グ形のドラグ装置が設けられている。ドラグ装置は、メ
インギアとハンドル軸との間で伝達可能なトルクを調整
して、釣り糸にかかる張力を抑えるために設けられてい
る。ドラグ装置は、ハンドル軸に螺合するドラグ調整部
材(スタードラグ)と、メインギアを挟んでハンドル軸
に回転不能に装着された第1及び第2ドラグディスクと
を備えている。メインギアのドラグ調整部材側に配置さ
れた第2ドラグディスクは、ドラグ調整部材により間接
的に押圧されて、第1ドラグディスクとでメインギアを
挟持する。なお、ハンドル軸はワンウェイクラッチによ
り糸繰り出し方向に回転不能になっている。またメイン
ギアは、スプールに回転不能に連結されたピニオンギア
に噛み合い可能である。
りスプールがドラグ力に抗して糸巻取方向に回転する
と、そのことを報知するために発音する発音機能を有す
るものが特開平10−210904号公報に開示されて
いる。これにより、釣り人が釣り竿から離れた位置にい
ても簡単にアタリが分かる。前記公報の開示されたドラ
グ装置は、メインギアのハンドル側に装着された第2ド
ラグディスクとメインギアとの間で発音する発音手段を
有している。発音手段は、第2ドラグディスクに設けら
れたばね部材と、メインギアに回転不能に装着された音
出し部材とを有している。音出し部材は、メインギアに
係止される円板部と、円板部の外周部に一体形成された
筒状部とを有しており、筒状部の内周面にばね部材と干
渉する凹み部が周方向に間隔を隔てて形成されている。
音出し部材は、メインギアに径方向に所定量だけ移動可
能に装着されている。
ドラグが作動してメインギアと第2ドラグディスクとが
相対回転すると、ばね部材が凹み部への衝突を繰り返し
て振動し音出し部材からクリック音が発生する。このと
き、音出し部材はメインギアに対して径方向に所定量だ
け移動可能であるので、ドラグ力の変動による影響を受
けない。このため、ドラグ力が変動しても音質が変化し
にくい。また、音出し部材の動きがドラグ力によって規
制されないので、発生する音がよく響き音量も大きくな
る。
メインギアよりハンドル側に発音機構が設けられてい
る。このため、第2ドラグディスクの径が発音機構に制
限されてドラグ力が制限され高いドラグ性能を維持しに
くい。高いドラグ性能を維持するためには、第2ドラグ
ディスクの径を大きくする必要がある。第2ドラグディ
スクを大きくすると、さらに音出し部材の径が大きくな
り、ハンドル軸の径方向寸法が大きくなる。この結果、
ハンドル軸回りの寸法が大きくなり、リールの大型化を
招く。
装置において、コンパクトなサイズで高いドラグ性能を
維持でき、かつドラグ力の変動による音質の変化を防止
できるようにすることにある。
ルのドラグ装置は、先端にハンドルが装着されたハンド
ル軸の周囲に配置され、ハンドル軸とハンドル軸に回転
自在に装着されたメインギアとを所定のトルク量まで連
動回転させる装置であって、ドラグ調整部材と、第1ド
ラグ部材と、第2ドラグ部材と、第3ドラグ部材と、リ
ング部材と、発音手段と、逆転防止機構とを備えてい
る。ドラグ調整部材は、ハンドルより基端側でハンドル
軸の先端部に螺合してそれより基端側でハンドル軸に装
着された部材を押圧して所定のトルク量を調整するため
の部材である。第1ドラグ部材は、メインギア装着部分
より基端側でハンドル軸に回転不能かつ軸方向基端側に
移動不能に装着された部材である。第2ドラグ部材は、
メインギア装着部分より先端側でハンドル軸に回転不能
に装着され、ドラグ調整部材による押圧力により第1ド
ラグ部材とでメインギアを挟持可能な部材である。第3
ドラグ部材は、第1ドラグ部材とメインギアとの間に装
着されたリング状の部材である。リング部材は、メイン
ギアに連動して回転するように第3ドラグ部材の内周側
に装着され第3ドラグ部材より薄肉の部材である。発音
手段は、第1ドラグ部材とリング部材との相対回転によ
り発音する手段である。逆転防止機構は、ハンドル軸の
糸繰り出し方向の回転を防止する機構である。
転させると、第1ドラグ部材と第2ドラグ部材とでメイ
ンギアを挟持する押圧力が変化してドラグ力が変化す
る。第1とメインギアとの間には第3ドラグ部材が配置
されており、第2ドラグ部材により押圧されたメインギ
アは第3ドラグ部材を介して第1ドラグ部材で受けられ
る。第3ドラグ部材の中心側には、メインギアに連動し
て回転するリング部材が設けられている。しかし、リン
グ部材は第3ドラグ部材より薄肉のため、このリング部
材にドラグ力が作用することはない。そして、逆転が禁
止されたハンドル軸にメインギアを介して糸繰り出し方
向の力が作用するドラグ作動により、メインギアが逆転
し、リング部材と第1ドラグ部材とが相対回転すると、
発音手段によって発音する。ここでは、メインギアと連
動しかつドラグ力が作用しないリング部材と第1ドラグ
部材との間の相対回転により発音手段が発音するので、
ドラグ力の変動による音質の変化を防止できる。しか
も、メインギアのハンドル側と逆側で発音するので、第
2ドラグ部材の大きさが発音手段によって制限されな
い。このため、コンパクトなサイズでドラグ性能を高く
維持できる。
は、発明1に記載の装置において、第1ドラグ部材は、
逆転防止機構を構成するラチェットホイールである。こ
の場合には、ラチェットホイールによってメインギアを
挟持しているので、別に逆転防止機構を設ける構成に比
べて装置の構成を簡素化できる。
は、1又は2に記載の装置において、発音手段は、第1
ドラグ部材の基端側でハンドル軸に回転不能に装着され
た円板部材に、第1ドラグ部材を貫通してリング部材に
向けて突出可能かつ軸方向に移動自在に装着された音出
しピンと、音出しピンをリング部材に向けて付勢する付
勢部材と、リング部材に音出しピンに対向可能な位置で
周方向に沿って設けられた音出し凹部とを有する。この
場合には、ドラグ作動によりリング部材と第1ドラグ部
材とが相対回転すると、ハンドル軸に回転不能に装着さ
れた円板部材もリング部材と相対回転する。この結果、
音出しピンが音出し凹部に向けて衝突を繰り返してリン
グ部材が発音する。ここでは、薄肉で軸方向に動きやす
い融通があるリング部材に音出し凹部を設けて発音する
ように構成したので、ドラグ力に左右されない歯切れが
よい軽快なクリック音を得ることができる。
は、発明3に記載の装置において、円板部材は、スプー
ルに釣り糸を均一に巻き付けるためのレベルワインド機
構にハンドル軸の回転を伝達するギア部材である。この
場合には、レベルワインド機構にハンドルの回転を伝達
するギア部材に音出しピンを収納したので、第1ドラグ
部材に収納する場合に比べて、軸方向のサイズをコンパ
クトに維持できる。
は、発明3又は4に記載の装置において、音出しピン
は、回転部材に第1ドラグ部材に対向する側面に第1ド
ラグ部材を貫通して軸方向に沿って形成された筒状部の
内部に進退自在に装着されている。この場合には、第1
ドラグ部材を貫通する筒状部に音出しピンを収納したの
で、軸方向の寸法をさらにコンパクトに維持できる。発
明6に係る両軸受リールのドラグ装置は、発明1から5
のいずれかに記載の装置において、ドラグ調整部材と第
2ドラグ部材との間に配置され、ドラグ調整部材により
圧縮されるばね部材をさらに備える。この場合には、ド
ラグ調整部材の押圧力がばね部材を介して第2ドラグ部
材に伝達されるので、所定のトルク(ドラグ力)を細か
く調整できる。
実施形態によるドラグ機構を採用した両軸受リールは、
リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプ
ール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側
に配置されたドラグ調整用のスタードラグ(ドラグ調整
部材)3とを備えている。
ーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバ
ー6及び第2側カバー7とを有している。フレーム5
は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置され
た1対の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する
前連結部10aび下連結部10bとを有している。下連
結部10bには、釣り竿装着用の竿装着客部4が一体形
成されている。
ら見て円形であり、第2側カバー7は、2つの交差する
外周円で構成されたひょうたん型である。第1側カバー
6は、図1に示すように、スプール12の着脱を可能に
するために側板8に揺動自在に装着され、フレーム5に
対して開閉可能である。第2側カバー7は、側板9と同
一の2つの外周円が交差する偏芯した円形の側面を有し
ている。第2側カバーは、たとえば3本のねじにより側
板9に固定されている。
ングを行う場合の親指の当てとなるクラッチレバー17
と、スプール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベル
ワインド機構18とが配置されている。フレーム5と第
2側カバー7との間には、回転伝達機構19と、クラッ
チ機構21と、クラッチ制御機構22と、ドラグ機構2
3と、キャスティングコントロール機構24とが配置さ
れている。また、フレーム5と第1側カバー6との間に
は、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための
遠心ブレーキ機構25が配置されている。
転力をスプール12及びレベルワインド機構18に伝え
る。クラッチ機構21は、回転伝達機構の途中に設けら
れ、ハンドル軸30とスプール12とを連結・遮断す
る。クラッチ制御機構22は、クラッチレバー17の操
作に応じてクラッチ機構21の係脱を制御する。ドラグ
機構23は、スタードラグ3の締め付け量に応じてスプ
ール12の糸繰り出し方向の回転を制動する。キャステ
ィングコントロール機構24は、スプール12の回転時
の抵抗力を調整する。
ール軸20に固定されている。スプール軸20は軸受に
よってリール本体1に回転自在に支持されている。クラ
ッチレバー17は、図2に示すように、1対の側板8,
9間の後部でスプール12後方に配置されている。クラ
ッチレバー17は側板8,9間で上下方向にスライドす
る。クラッチレバー17のハンドル装着側には、係合軸
17aが側板9を貫通して一体形成されている。この係
合軸17aは、クラッチ制御機構22に係合している。
うに、スプール12の前方で両側板8,9間に配置さ
れ、外周面に交差する螺旋状溝46aが形成された螺軸
46と、螺軸によりスプール軸方向に往復移動する釣り
糸案内部47とを有している。螺軸46は、両端が側板
8,9に装着された軸支持部48,49により回転自在
に支持されている。
ハンドル軸30と、ハンドル軸30に固定されたメイン
ギア31と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオン
ギア32と、螺軸46の図3右端に回転不能に装着され
たギア部材50と、ハンドル軸30の基端部に回転不能
に装着されたギア部材51とを有している。
基端側から先端側に向かって軸支部30a、第1係止部
30b、鍔部30c、第2係止部30d、第3係止部3
0e、第1雄ネジ部30f、第2雄ネジ部30g、及び
第4係止部30hがそれぞれ形成されている。軸支部3
0aには、軸受28が装着されている。第1係止部30
bは軸支部30aより大径であり、互いに平行な2組の
面取り部で構成されている。鍔部30cは、第1係止部
30bより大径である。第2係止部30dは、鍔部30
cより小径であり、互いに平行な2組の面取り部で構成
されている。第3係止部30eは、第2係止部30dよ
り小径であり、互いに平行な1組の面取り部により構成
されている。第1雄ネジ部30fは、第3係止部30e
の先端側に第3係止部30eを除く外周面に形成されて
いる。第2雄ネジ部30gは、ハンドル軸30の先端部
に第1雄ネジ部30fより小径に形成されている。第4
係止部30hは、第2雄ネジ部30gが形成されたハン
ドル軸30の外周面に形成されている。第4係止部30
hにハンドル2が回転不能に装着され、第2雄ネジ部3
0gにねじ込まれたナット53によりハンドル2がハン
ドル軸30に固定されている。
自在に装着されており、ハンドル軸30とドラグ機構2
3を介して連結されている。ピニオンギア32は、図3
に示すように、側板9の外方から内方に延び、中心にス
プール軸20が貫通する筒状部材である。ピニオンギア
32は、スプール軸20に軸方向に移動自在に装着され
ている。ピニオンギア32の図3左端部には係合ピン2
0bに噛み合う噛み合い溝32aが形成されている。こ
の噛み合い溝32aとスプール軸20に装着された係合
ピン20bとによりクラッチ機構21が構成される。ま
た、ピニオンギア32の中間部にはくびれ部32bが、
右端部にはメインギア31に噛み合うギア部32cがそ
れぞれ形成されている。
に形成された第1係止部30bに回転不能に装着され、
鍔部30cに基端部側から当接している。螺軸46に装
着されたギア部材50は、ハンドル軸30に装着された
ギア部材51に噛み合っている。このような構成によ
り、レベルワインド機構18の螺軸46は、ハンドル軸
30の糸巻取方向の回転に連動して回転する。
ンドル軸30とメインギア31とを連動回転させてスプ
ール12の糸繰り出し方向の回転を制動する機構であ
る。この所定のトルク量は、スタードラグ3の締め具合
によって調節される。ドラグ機構23は、図4及び図5
に示すように、主として、スタードラグ3と、第1及び
第2ドラグ部材61,62と、第3ドラグ部材63と、
リング部材64と、発音機構65と、逆転防止機構66
とを備えている。
0は、リール本体1に回転自在に装着されており、逆転
防止機構66を構成するローラ型のワンウェイクラッチ
86及び爪式のワンウェイクラッチ87により糸繰り出
し方向の回転(逆転)が禁止されている。また、ハンド
ル軸30は、軸受28及びワンウェイクラッチ86によ
って第2側カバー7及びフレーム5に回転自在に支持さ
れている。
0の中間部に配置され、リール本体1の第2側カバー7
とハンドル軸30との隙間に装着されている。ワンウェ
イクラッチ87は、第1ドラグ部材61と兼用されたラ
チェットギアと、リール本体1の側板9の外側面に揺動
自在に装着されたラチェット爪67とを有している。第
1ドラグ部材61は、メインギア31とギア部材51と
の間で第2係止部30dに回転不能に装着されている。
第1ドラグ部材61は、鍔部30cに接触して配置され
ており、鍔部30cにより基端側への移動が規制されて
いる。第1ドラグ部材61の外周部には、略平行四辺形
状に突出して形成されたラチェット歯61aが周方向に
間隔を隔てて配置されており、ラチェット爪67がラチ
ェット歯61aに噛み合うことによりハンドル軸30の
糸繰り出し方向の回転が禁止される。
ドル2より基端側でハンドル軸30の外周面に形成され
た第1雄ネジ部30fに螺合している。スタードラグ3
は、それより基端側でハンドル軸30に装着された第2
ドラグ部材62等を押圧して所定のトルク量を調整する
ための部材である。スタードラグ3とワンウェイクラッ
チ86との間には4枚の波板ばね88が装着されてい
る。波板ばね88は、スタードラグ3の締め付け力を第
2ドラグ部材62に緩やかに伝えるために設けられてい
る。波板ばね88は、スタードラグ3とワンウェイクラ
ッチ86の内輪86aに接触している。
ることにより、ハンドル軸30を第2側カバー7に装着
されたワンウェイクラッチ86の内輪86aを波板ばね
88を介して軸方向に移動させることができる。すなわ
ち、スタードラグ3の調節によって、波板ばね88の押
圧力が調整される。これにより、スタードラグ3により
ドラグ力を細かく調整できる。
してメインギア31にハンドル2側から接触する円板部
材である。第2ドラグ部材62は、第3係止部30eに
回転不能に装着されている。第2ドラグ部材62は、第
1ドラグ部材61とでメインギア31を挟持する。ま
た、第2ドラグ部材62は、ワンウェイクラッチ86の
内輪86aと回転不能に連結されかつ当接している。こ
の結果、ワンウェイクラッチ86の内輪86aは、ハン
ドル軸30に対して回転不能であるとともに、第2ドラ
グ部材62にスタードラグ3の押圧力を伝達する。
1とメインギア31との間に配置されたリング状の摩擦
ディスクである。第3ドラグ部材63の内周側にリング
部材64が配置されている。リング部材64は、ハンド
ル軸30に介して回転自在である。また、リング部材6
4は、メインギア31側に1対の係止ピン64a,64
bを有している。係止ピン64a,64bは、メインギ
ア31の側面に貫通して形成された係止孔31a,31
bに係合する。この結果、リング部材64は、メインギ
ア31に連動して回転する。リング部材64の厚みは、
第3ドラグ部材63の厚みより薄い。このため、スター
ドラグ3により第2ドラグ部材62が押圧されてメイン
ギア31が第1及び第2ドラグ部材61,62により挟
持されても、リング部材64に押圧力は作用しない。
軸方向に進退自在に装着された音出しピン70と、リン
グ部材64のハンドル側と逆側の側面に周方向に間隔を
隔てて形成された多数の音出し凹部71と、音出しピン
70をリング部材64に向けて付勢するコイルばね72
とを有している。音出しピン70は、先端に音出し凹部
71に係合する頭部を有している。音出しピン70は、
ギア部材51のハンドル側の側面に突出して形成された
円筒部51aに収納されている。円筒部51aは、第1
ドラグ部材61の中心孔の近傍に形成された貫通孔61
bに挿入可能な大きさであり、リング部材64側に露出
している。音出し凹部71は、リング部材64の側面の
音出しピン70に対向可能な円周上に形成されている。
このような構成の発音機構65では、ドラグの作動によ
りハンドル軸30とメインギア31とが相対回転する
と、ハンドル軸30に対して回転不能な音出しピン70
がメインギア31とともに回転するリング部材64に形
成された音出し凹部71に対して衝突を繰り返して発音
する。
る。釣り糸を巻き取るときには、ハンドル2を糸巻き取
り方向に回す。ハンドル2の回転はハンドル軸30から
ドラグ機構23を介してハンドル軸30に連動するメイ
ンギア31及びピニオンギア32に伝達される。ピニオ
ンギア32の回転は、クラッチ機構21によりピニオン
ギア32と嵌合しているスプール軸20に伝達され、ス
プール12が回転して釣り糸を巻き取る。このハンドル
軸30の回転は、ギア部材51,50を介して螺軸46
にも伝達され、螺軸46の回転により釣り糸案内部47
がスプール軸20に沿って往復運動を行う。この往復運
動により、スプール12に釣り糸が略均一に巻き取られ
る。
チレバー17を操作してクラッチ制御機構22によりク
ラッチ機構21を離脱状態する。これにより、スプール
軸20とピニオンギア32との嵌合が解除され、釣り糸
の繰り出しによりスプール12が回転しても回転伝達機
構19及びハンドル軸30にはその回転は伝達されな
い。
する。魚を釣り上げる際には、釣り糸にテンションがか
かる。これにより、スプール12には糸繰り出し方向に
回転しようとするトルクが作用する。しかし、スプール
12に作用するトルクが小さい間は、スタードラグ3の
締め込みにより圧縮した波板ばね88によってメインギ
ア31が摩擦部材68を介して第1及び第2ドラグ部材
61,62に挟持されており、メインギア31とハンド
ル軸30が相対回転不能である。そして、ハンドル軸3
0は逆転防止機構66により糸繰り出し方向に回転しな
いように止められているので、メインギア31と連動す
るスプール12も糸繰り出し方向に回転しない。なお、
ここでは第1及び第2ドラグ部材61,62とメインギ
ア31との間に摩擦部材68及び第3ドラグ部材63を
挿入しているため、小さな波板ばね88の押圧力で第1
及び第2ドラグ部材61,62とメインギア31との間
で伝達可能なトルク量を大きくできる。
ール12にかかるトルクが大きくなると、第1及び第2
ドラグ部材61,62とメインギア31との第3ドラグ
部材63及び摩擦部材68を介した圧接部分でスリップ
が発生し、ハンドル軸30の回転を止めていても動摩擦
の抵抗を受けながらメインギア31が糸繰り出し方向に
回転する。これにより、スプール12も糸繰り出し方向
に回転する。このように、スプール12に作用するトル
クが所定の値を超えると、言い換えれば釣り糸に過大な
張力がかかると、ドラグ機構23が作動してスプール1
2が糸繰り出し方向に回転し、釣り糸を過大な張力から
保護する。
ール12が糸繰り出し方向に回転する際に、本実施形態
のドラグ機構23は音を発生する。ハンドル軸30とメ
インギア31とが相対回転すると、メインギア31に連
動して回転するリング部材64に形成された音出し凹部
71と、ハンドル軸30に対し相対回転不能なギア部材
51に連動して回転する音出しピン70とが干渉してク
リック音を発生する。このクリック音は、等間隔に配置
された音出し凹部71にコイルばね72により付勢され
た音出しピン70の頭部が間欠的に当接することによっ
て発生するためリズミカルな音である。この音発生時に
は、リング部材64は、第3ドラグ部材63に対して薄
肉のため、また、係止ピン64aと係止孔31aとの隙
間により、径方向に対しても、軸方向に対しても、ある
程度ガタを持った状態で配置されている。このように、
リング部材64が他の部材によって押さえつけられてい
ないため、発生する音が良く響き、音量も大きい。
12が糸繰り出し方向に回転すると音が発生するので、
釣り人はスプールの回転を認識することができ、釣り人
にとって便利である。さらに、ドラグ機構23が作動し
てもリング部材64に押圧されないので、発生する音が
良く響き、音量も大きい。
大きさ、つまりドラグ力の調節は、スタードラグ3の締
め具合によって波板ばね88の押圧力を調整することに
よりメインギア31の挟持の度合いを変えることによっ
て行う。
を例に説明したが、本発明のドラグ機構は全ての両軸受
リールのハンドル軸に装着されたドラグ機構に採用でき
る。
音出しピン70を収納したが、第1ドラグ部材61に収
納してもよい。 (c)前記実施形態では、発音機構65を、音出しピン
70と、音出し凹部71と、コイルばね72とにより構
成したが、発音機構の構成はこれに限定されない。発音
機構65は、メインギア31のハンドル側と逆側に配置
され、かつドラグ作動の影響を受けない構成であれば、
どのような構成でもよい。
つドラグ力が作用しないリング部材と第1ドラグ部材と
の間の相対回転により発音手段が発音するので、ドラグ
力の変動による音質の変化を防止できる。しかも、メイ
ンギアのハンドル側と逆側で発音するので、第2ドラグ
部材の大きさが発音手段によって制限されない。このた
め、コンパクトなサイズでドラグ性能を高く維持でき
る。
斜視図。
Claims (6)
- 【請求項1】先端にハンドルが装着されたハンドル軸の
周囲に配置され、前記ハンドル軸と前記ハンドル軸に回
転自在に装着されたメインギアとを所定のトルク量まで
連動回転させる両軸受リールのドラグ装置であって、 前記ハンドルより基端側で前記ハンドル軸の先端部に螺
合してそれより基端側で前記ハンドル軸に装着された部
材を押圧して前記所定のトルク量を調整するためのドラ
グ調整部材と、 前記メインギア装着部分より基端側で前記ハンドル軸に
回転不能かつ軸方向基端側に移動不能に装着された第1
ドラグ部材と、 前記メインギア装着部分より先端側で前記ハンドル軸に
回転不能に装着され、前記ドラグ調整部材による押圧力
により前記第1ドラグ部材とで前記メインギアを挟持可
能な第2ドラグ部材と、 前記第1ドラグ部材と前記メインギアとの間に装着され
たリング状の第3ドラグ部材と、 前記メインギアに連動して回転するように前記第3ドラ
グ部材の内周側に装着され前記第3ドラグ部材より薄肉
のリング部材と、 前記第1ドラグ部材と前記リング部材との相対回転によ
り発音する発音手段と、 前記ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転を防止する逆転
防止機構と、を備えた両軸受リールのドラグ装置。 - 【請求項2】前記第1ドラグ部材は、前記逆転防止機構
を構成するラチェットホイールである、請求項2に記載
の両軸受リールのドラグ装置。 - 【請求項3】前記発音手段は、 前記第1ドラグ部材の基端側で前記ハンドル軸に回転不
能に装着された円板部材に、前記第1ドラグ部材を貫通
して前記リング部材に向けて突出可能かつ軸方向に移動
自在に装着された音出しピンと、 前記音出しピンを前記リング部材に向けて付勢する付勢
部材と、 前記リング部材に前記音出しピンに対向可能な位置で周
方向に沿って設けられた音出し凹部とを有する、請求項
1又は2に記載の両軸受リールのドラグ装置。 - 【請求項4】前記円板部材は、スプールに釣り糸を均一
に巻き付けるためのレベルワインド機構に前記ハンドル
軸の回転を伝達するギア部材である、請求項3に記載の
両軸受リールのドラグ装置。 - 【請求項5】前記音出しピンは、前記回転部材に前記第
1ドラグ部材に対向する側面に前記第1ドラグ部材を貫
通して軸方向に沿って形成された筒状部の内部に進退自
在に装着されている、請求項3又は4に記載の両軸受リ
ールのドラグ装置。 - 【請求項6】前記ドラグ調整部材と第2ドラグ部材との
間に配置され、前記ドラグ調整部材により圧縮されるば
ね部材をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記
載の両軸受リールのドラグ装置。
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