JPH1078313A - X線薄膜膜厚解析方法及び解析装置 - Google Patents

X線薄膜膜厚解析方法及び解析装置

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JPH1078313A
JPH1078313A JP23318796A JP23318796A JPH1078313A JP H1078313 A JPH1078313 A JP H1078313A JP 23318796 A JP23318796 A JP 23318796A JP 23318796 A JP23318796 A JP 23318796A JP H1078313 A JPH1078313 A JP H1078313A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線を用いて高精度で迅速な膜厚マッピング
を行う。 【解決手段】 単色X線を所定の入射角度で薄膜試料に
入射させて前記試料から発生される散乱X線の出射角に
対する強度分布を測定する。単色X線の波長をλ、薄膜
の全反射臨界角をθc とするとき、強度分布の隣り合う
極大値と極小値を与える出射角α1,α2から、薄膜の膜
厚tを下式により求める。 t=λ/{2|(α1 2 −θc 21/2−(α2 2 −θc 2
1/2|}

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を用いた薄膜
の膜厚計測方法及びそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜材料は半導体、磁気ディスク等の多
くの分野のデバイスに用いられている。デバイスの特性
は、薄膜の膜厚や密度、結晶構造、ラフネスなどによる
影響を大きく受けるため、これらの計測はデバイスの開
発に当たって、あるいは製造されるデバイスの特性を均
一に保つために重要である。
【0003】このうち膜厚は従来は触針法で求められて
いたが、非破壊での計測が重要視され、蛍光X線法、エ
リプソメトリ法が用いられるようになっている。また、
最近では、X線を用いた薄膜の膜厚計測方法としてX線
反射率法が注目されている。これは試料表面すれすれに
単色で平行性のよいX線を入射し、入射角=出射角の条
件で、反射(鏡面反射)されたX線の強度を測定する手
法である。測定される反射強度は、試料表面及び薄膜界
面で反射されたX線が互いに干渉するため、入射角(=
出射角)に従って振動する。この振動構造を解析して薄
膜の膜厚を求める方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】X線反射率法は有用な
膜厚計測法ではあるが、X線を試料表面すれすれに入射
させる必要があるため、幅wのX線ビームは試料表面で
w/sinω(ω:入射角)だけ広がってしまう。実際の
測定では、入射角ωを臨界角(0.1〜0.2°)程度
から、1〜2°程度まで変化させる。このため実用的に
用いられている幅w=0.05mmのX線ビームでは、
試料上の測定領域は10mm程度(入射角:臨界角近
傍)から1〜2mm(入射角:2〜1°)まで変化す
る。このため面内の構造が不均一な試料や、サイズの小
さな試料に対しては高精度な測定を行うことができな
い。
【0005】その解決策として、入射角や出射角に連動
してX線ビームの出射スリット幅を変える方法が考案さ
れているが、この方法では制御機構が複雑になるととも
に、実用上のスリット幅も極端に狭くできないので1m
m以下の微小領域の測定は困難である。X線反射率法で
入射角を0.5°〜1°と大きくとり、しかも入射角の
走査範囲を狭くすることにより試料表面でのX線の広が
りと照射領域の変化を小さくすることは可能であるが、
この方法では入射角の4乗に反比例して正反射の強度が
減衰することと、表面のラフネスが大きい試料は入射角
に対する強度の減少が著しいため、膜厚の決定精度が低
下する。また、入射角を0.5°〜1°とし、しかも入
射角の走査範囲を狭くしたX線反射率法では1点の計測
に1〜2時間程度必要となり、膜厚のマッピングには多
大な計測時間を必要とする。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑み、より高精度で迅速な膜厚マッピング方法とそのた
めの装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、薄膜試料
の表面に単色X線を一定の入射角で入射させ、試料から
散乱されるX線を測定する実験を行う過程で、散乱X線
の強度が図2に例示するように出射角依存性を示す現象
を見出した。本発明は、この散乱X線の強度分布の振動
構造が薄膜の表面で散漫散乱されたX線と薄膜の裏面で
散漫されたX線の干渉に起因することを突き止め、この
振動構造から膜厚を求めることができることを見出して
完成されたものである。
【0008】図1(a)は散乱X線の強度分布測定のた
めの装置の概略図、図1(b)は図1(a)中の円で示
した部分の拡大図であり、薄膜でのX線の散乱を説明す
る図である。X線源1で発生したX線はX線分光器2で
単色化された後、スリット3で幅と高さを制限され、入
射X線4となる。この入射X線4を入射角ωで基板7上
に薄膜6が形成された試料5に入射する。試料表面での
入射X線4の幅Dは、入射X線4の幅をwとすると、D
=w/sinωとなる。入射X線4は試料表面で屈折さ
れ、角度ω′になって薄膜6の中に入る。薄膜6中に入
ったX線は、薄膜6と基板7の界面で角度α′に散乱さ
れる。界面で散乱されたX線8は、薄膜6の表面で屈折
し、出射角αで空気中に出射する。試料表面で角度αに
散乱されたX線9と、薄膜6と基板7の界面で散乱され
て出射角αで空気中に出射したX線8は干渉して散乱X
線10になる。
【0009】散乱X線10の強度をX線検出器11で出
射角を変えながら計測すると、図2に示すような散乱X
線の強度分布が得られる。図2中、矢印12で示すピー
クは鏡面反射ピークであり、矢印13の部分は臨界角に
最大強度を有するヨネダ・ウイング(Yoneda wing)と
呼ばれる散乱ピークである。散乱強度には、これらのピ
ーク以外に振動構造14が見られる。
【0010】図2は、ガラス基板7の上にパーマロイ膜
6を蒸着した試料5からの波長λ=0.154nmのX
線の散乱強度分布であり、この試料を従来のX線反射率
法により膜厚を計測した結果、パーマロイ膜6の膜厚は
49.4nmであった。次に、散乱X線強度の振動構造
14を薄膜6の界面で散漫散乱されたX線の干渉現象と
して説明する。
【0011】図1を参照して、屈折率が(1−δ)で膜
厚tである薄膜6に細いX線4を入射角ωで入射させた
場合を考える。X線の波長をλ、入射角ωは、薄膜の臨
界角をθc として、ω>θc とする。屈折の効果により
試料中での入射角をω′、出射角をα′とすると、薄膜
6の表面で散乱されたX線と、基板7と薄膜6の界面で
散乱されたX線の光路差は、薄膜6の密度が基板7の密
度より大きい場合は次の〔数1〕のようになり、薄膜6
の密度が基板7の密度より小さい場合は次の〔数2〕の
ようになる。
【0012】
【数1】t(1−δ)(sinω′+sinα′)+0.5λ
【0013】
【数2】t(1−δ)(sinω′+sinα′) 表面で散乱されたX線と界面で散乱されたX線は相互に
干渉するため、出射角を変えると散乱強度が振動する。
この振動構造の強度の極大値、又は強度の極小値を与え
る角度αと膜厚tには、X線の波長をλ、入射角をω、
薄膜の臨界角をθc とすると、近似的に次の〔数3〕の
関係が成り立つ。
【0014】
【数3】α2=θc 2+{−(θc 2−ω21/2+λ(N−
1)/2t}2 ここで、Nは干渉の次数を表す整数であり、密度の大き
い薄膜から密度の小さい基板に入る場合には、Nが偶数
のとき角度αで強度が極大となり、Nが奇数のとき角度
αで強度が極小になる。逆に、密度の小さい薄膜から密
度の大きい基板に入る場合には、Nが偶数のとき角度α
で強度が極小となり、Nが奇数のとき角度αで強度が極
大となる。
【0015】前記〔数3〕を利用すると、散乱強度の極
大値又は極小値を与える角度αの組を用いて薄膜6の膜
厚tを求めることができる。一例として、振動構造の隣
接する強度の極大値と極小値を与える角度をα1,α2
すると、膜厚tは角度α1,α2を用いて次の〔数4〕の
ように表すことができる。
【0016】
【数4】t=λ/{2|(α1 2−θc 21/2−(α2 2
θc 21/2|} 図2の計測例の場合、パーマロイ膜の臨界角θc は0.
3925°(6.848×10-3rad)であり、α1
とα2の組としてα1=0.701°(1.223×10
-2rad),α2=0.777°(1.356×10-2
rad)を採用し、これらの値を〔数4〕に当てはめる
と、次式〔数5〕のように膜厚tは49.1nmと求め
られる。この結果は、従来のX線反射率法で求めた膜厚
49.4nmとよく一致している。
【0017】
【数5】t=0.1541/〔2|{(1.223×1
-22−(6.848×10-321/2−{(1.3
56×10-22−(6.848×10-321/2|〕
≒49.1 ここで、試料を移動可能な試料支持台に固定し、試料支
持台を移動しながら測定することにより、試料の膜厚を
マッピングすることが可能となる。膜厚のマッピングに
際しては、測定時間短縮の観点から、X線検出器として
位置敏感型X線検出器又は2次元X線検出器を用いるの
が実用的である。
【0018】また、〔数3〕の振動は、Cを定数とし、
試料中での出射角α′を用いて次の〔数6〕のように表
すことができる。
【0019】
【数6】cos(2πtα′/λ+C) そこで、得られた計測結果からベース成分を差し引き、
振動成分を抽出し、これをフーリエ解析する。フーリエ
変換して得られるピークの位置(周波数)から試料の膜
厚tを次のように求めることができる。すなわち、フー
リエピークの位置をhとすると、〔数6〕より、2πt
α′/λ=hα′となる。したがって、膜厚tは、次の
〔数7〕で与えられる。
【0020】
【数7】t=λh/2π 以上述べてきた薄膜膜厚解析方法は、基板の上に一層膜
がある場合のものである。基板上に複数膜がある場合
は、それぞれの膜の界面で散乱X線が発生するため、前
述の〔数1〕〜〔数4〕が各界面間で成り立つ。振動の
ピーク位置を界面の数より多く選ぶことにより、例えば
各界面間の式〔数4〕の連立方程式を解くことにより、
複数の膜のそれぞれの膜厚を求めることができる。
【0021】また、フーリエ解析する場合は、試料中で
の出射角α′をそれぞれの膜の屈折率で補正した後フー
リエ変換する。フーリエ変換して得られた複数のピーク
位置からそれぞれの膜厚を求めることができる。複数層
を挟んだ界面からの散乱は、屈折率としてそれぞれの膜
の屈折率の膜厚の加重平均を用いることにより、干渉し
ている界面間の距離(各層の合計膜厚に対応)が得られ
る。
【0022】例えば、多層膜(A膜/B膜/C膜)の場
合、散乱は表面、A/B界面、B/C界面で発生し、互
いに干渉する。このため、フーリエピークは、表面−A
/B界面、表面−B/C界面、A/B−B/C界面の干
渉に対応したピークが得られる。フーリエ変換のとき横
軸をα′に変換する必要がある。表面−A/B界面の干
渉からA膜の膜厚を求めるときはθc としてA膜の値を
用い、A/B−B/C界面の干渉からB膜の膜厚を求め
るときはθc としてB膜の値を用いる。表面−B/C界
面の干渉を利用するときはθc にA膜のθc とB膜のθ
c を膜厚で加重平均した値を用いることにより、A膜と
B膜を足した膜厚を求めることができる。
【0023】上述のように、本発明のX線薄膜膜厚解析
方法は、単色X線を所定の入射角度で薄膜試料に入射さ
せて試料から発生される散乱X線の出射角に対する強度
分布を測定し、強度分布の極大値又は極小値を与える出
射角の組み合わせを用いて、又は散乱X線強度の角度分
布をフーリエ変換して得られるピーク周波数を用いて薄
膜の膜厚を求めることを特徴とする。
【0024】また、本発明は、X線源と、ゴニオメータ
ーと、試料支持台と、X線検出器と、X線検出器の信号
が入力される信号処理手段とを備えるX線薄膜膜厚解析
装置において、X線検出器は所定の出射角範囲で試料か
ら発生される散乱X線強度を測定可能であり、信号処理
手段は、散乱X線の出射角に対する強度分布の極大値又
は極小値を与える角度の組み合わせを用いて試料の膜厚
を求める演算処理を行うものであることを特徴とする。
【0025】試料支持台を少なくとも2次元方向に移動
可能とし、試料支持台を2次元方向に移動して試料への
X線入射位置を走査することにより薄膜試料の膜厚をマ
ッピングすることができる。X線検出器としては位置敏
感型検出器又は2次元検出器を用いるのが好ましい。X
線源とゴオニメーターとの間には、X線を単色化するた
めのX線フィルタ又はX線分光器を設置することもで
き、入射X線を試料表面に集光させる集光鏡を備えるこ
ともできる。
【0026】本発明のX線薄膜解析方法あるいはX線薄
膜膜厚解析装置によると、試料表面での測定領域の変化
無く、薄膜の膜厚を求めることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図3は、本発明によるX線薄膜膜
厚解析装置の一例を示す全体構成図である。X線源で発
生したX線はX線フィルタ又はX線分光器(図示せず)
で単色化し、スリット3で幅20μm高さ1mmの短冊
状の入射X線4に形成し、試料5に入射角2°で入射す
ることにより、試料表面でのX線照射領域を1mm×1
mmに制限することができる。
【0028】試料5はXYステージ付き試料支持台15
に固定されたゴニオメーター16のω軸上に配置されて
いる。また、ω軸と同軸の2θアーム17は、2θアー
ム17上に配置したスリット18とX線検出器の一種で
あるNaIシンチレーションカウンター19を動かす軸
となっている。ゴニオメーター16の各軸とXYステー
ジ付き試料支持台15のX、Y軸はパルスモーターで駆
動されており、その制御はドライバー/コントローラ2
0を介してコンピューター21で行っている。またNa
Iシンチレーションカウンター19で計測したX線強度
はスケラー/チャンネルアナライザー22を経由してコ
ンピューター21に取り込み、その結果を画像表示部2
3に示す構成になっている。
【0029】この装置を用いて入射角(ω軸)を1°に
固定し、2θアーム17を走査して散乱X線10の強度
分布をを測定した。散乱強度分布は横軸を散乱角、縦軸
を強度として、図2に示すような測定結果が得られた。
散乱強度にみられる振動構造14の隣接する極小値と極
小値、極大値と極大値を与える角度から前記〔数3〕や
〔数4〕を用いて計算することにより、あるいは計測結
果をフーリエ変換して得られるフーリエピークの位置か
ら前記〔数7〕を用いて膜厚を求めることができる。
【0030】このX線薄膜膜厚解析装置を用いれば、測
定中の入射角変化がないため、試料表面での測定領域の
変化が無く薄膜の膜厚を求めることが可能である。その
ため試料を面内で走査し、X線の照射位置を変えて計測
し、前記〔数3〕や〔数4〕や〔数7〕を用いた解析を
測定各点で行うことにより、試料面内の膜厚マッピング
を行うことができる。この膜厚マッピングは、前述のよ
うに、面内分解能1mm×1mm程度で行うことができ
る。
【0031】図4は、本発明によるX線薄膜膜厚解析装
置の他の例を示す全体構成図である。X線源で発生した
X線はX線フィルタ又はX線分光器(図示せず)で単色
化され、スリット3で幅20μm高さ1mmの短冊状の
入射X線4に形成され、試料5に入射角2°で入射する
ことにより、試料表面でのX線照射領域を1mm×1m
mに制限することができる。
【0032】試料5は、XYステージ付き試料支持台1
5に固定され、ゴニオメーター16のω軸上に配置され
ている。ω軸と同軸の2θアーム17は、2θアーム1
7上に配置した位置敏感型X線検出器の一種である位置
敏感性比例計数管24を動かす軸となっている。ゴニオ
メーター16の各軸とXYステージ付き試料支持台15
のX、Y軸はパルスモーターで駆動されており、その制
御はドライバー/コントローラ20を介してコンピュー
ター21により行われる。位置敏感性比例計数管24で
計測されたX線強度は、スケラー/チャンネルアナライ
ザー22を経由してコンピューター21に取り込まれ、
その結果が画像表示部23に示される構成になってい
る。
【0033】この装置を用いて入射角(ω軸)を1°に
固定し、散乱X線10の強度を測定すると、散乱強度分
布は横軸を位置敏感性比例計数管上の位置、縦軸を強度
として測定される。位置敏感性比例計数管上の位置を散
乱角に変換し、入射角だけ補正すると図2と同様な結果
が得られた。散乱強度にみられる振動構造14の隣接す
る極小値と極小値、極大値と極大値を与える角度から前
記〔数3〕や〔数4〕を用いた計算により、あるいは計
測結果をフーリエ変換して得られるフーリエピークの位
置から前記〔数7〕を用いて膜厚を求めることができ
た。
【0034】この装置を用いることで、試料上の1点の
計測時間を従来の120分から0.5分に短縮すること
ができた。また、この装置を用いれば測定中の入射角変
化がないため、試料表面での測定領域の変化無く薄膜の
膜厚を求めることが可能となる。そのため、試料を面内
で走査し、X線の照射位置を変えて計測し、前記〔数
3〕や〔数4〕や〔数7〕を用いた解析を測定各点で行
うことにより、試料面内の膜厚マッピングを行うことが
できる。試料面内の膜厚分布のマッピングは、面内分解
能1mm×1mm程度で行うことができる。
【0035】図5は、本発明によるX線薄膜膜厚解析装
置の別の例を示す全体構成図である。図5は集光したX
線を用いた例である。X線源で発生したX線はX線フィ
ルタ又はX線分光器(図示せず)で単色化、平行ビーム
化され、集光鏡25で集光される。この集束X線26
を、スリット3で幅20μm高さ0.5mmの短冊状の
入射X線4に形成し、試料5に入射角2°で入射するこ
とにより、試料表面でのX線照射領域を0.5mm×
0.5mmに制限することができた。
【0036】試料5はXYステージ付き試料支持台15
に固定されゴニオメーター16のω軸上に配置されてい
る。また、ω軸と同軸の2θアーム17は、2θアーム
17上に配置した2次元検出器(CCDカメラ)27を
動かす軸となっている。ゴニオメーター16の各軸とX
Yステージ付き試料支持台15のX、Y軸はパルスモー
ターで駆動されており、その制御はドライバー/コント
ローラ20を介してコンピューター21で行っている。
また2次元検出器(CCDカメラ)27の各チャンネル
で計測したX線強度は、スケラー/チャンネルアナライ
ザー22を経由してコンピューター21に取り込み、そ
の結果を画像表示部23に示す構成になっている。
【0037】この装置を用いて入射角(ω軸)を2°に
固定し、散乱X線10の強度を測定し縦方向に積算する
と、散乱強度分布は横軸は2次元検出器(CCDカメ
ラ)上の位置、縦軸は強度として測定される。2次元検
出器(CCDカメラ)上の位置を散乱角に変換し、入射
角だけ補正すると図2と同様の測定結果が得られた。こ
の図5の装置の場合、前述の図3又は図4の装置に比べ
て入射X線を集束していること、X線に角度広がりがあ
ることにより、散乱X線の強度が増加した。しかし、散
乱強度分布に見られる振動構造14の周期は変化しなか
った。したがって、前記装置と同様に、隣接する極小値
と極小値、極大値と極大値を与える角度から前記〔数
3〕や〔数4〕を用いて計算を行うことにより、あるい
は計測結果をフーリエ変換して得られるフーリエピーク
の位置から前記〔数7〕を用いて試料の膜厚を求めるこ
とができた。
【0038】この装置によると、1点の計測時間を、前
述の装置同様に従来の120分から0.5分に短縮する
ことができた。また、この装置を用いれば測定中の入射
角変化がないため、試料表面での測定領域の変化無く膜
厚を求めることができる。これにより試料を面内で走査
し、X線の照射位置を変えて計測し、前記〔数3〕や
〔数4〕や〔数7〕を用いた解析を測定各点で行うこと
により、試料面内の膜厚マッピングを行うことができ
る。この膜厚マッピングは、面内分解能1mm×1mm
程度で行うことができる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、試料表面での測定領域
の変化無く試料面内の各測定点で膜厚を求めることがで
き、試料を面内走査することで試料面内の膜厚マッピン
グを高精度かつ迅速に行うことができる。さらに、位置
敏感型X線検出器又は2次元X線検出器を散乱強度の計
測に用いることにより、1点の測定時間を短縮すること
ができ、より迅速な膜厚マッピングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は散乱X線の強度分布測定のための装置
の概略図、(b)は(a)中の円で示した部分の拡大図
であり、薄膜でのX線の散乱を説明する図。
【図2】散乱X線強度の出射角依存性を示す図。
【図3】本発明によるX線薄膜膜厚解析装置の一例の全
体構成図。
【図4】本発明によるX線薄膜膜厚解析装置の他の例の
全体構成図。
【図5】本発明によるX線薄膜膜厚解析装置の他の例の
全体構成図。
【符号の説明】
1 X線源 2 X線分光器 3 スリット 4 入射X線 5 試料 6 薄膜 7 基板 8 界面で散乱されたX線 9 表面で散乱されたX線 10 散乱X線 11 X線検出器 12 鏡面反射ピーク 13 ヨネダ・ウイング 14 振動構造 15 XYステージ付き試料支持台 16 ゴニオメーター 17 2θアーム 18 スリット 19 NaIシンチレーションカウンター 20 ドライバー/コントローラ 21 コンピュータ 22 スケーラ/チャンネルアナライザー 23 画像出力装置 24 位置敏感性比例計数管 25 集光鏡 26 集束X線 27 2次元X線検出器(CCDカメラ)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単色X線を所定の入射角度で薄膜試料に
    入射させて前記試料から発生される散乱X線の出射角に
    対する強度分布を測定し、前記強度分布の極大値又は極
    小値を与える出射角の組み合わせを用いて薄膜の膜厚を
    求めることを特徴とするX線薄膜膜厚解析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線薄膜膜厚解析方法に
    おいて、 前記単色X線の波長をλ、前記薄膜の全反射臨界角をθ
    c とするとき、前記強度分布の隣り合う極大値と極小値
    を与える出射角α1,α2から、薄膜の膜厚tを下式によ
    り求めることを特徴とするX線薄膜膜厚解析方法。 t=λ/{2|(α1 2 −θc 21/2−(α2 2 −θc 2
    1/2|}
  3. 【請求項3】 請求項1記載のX線薄膜膜厚解析方法に
    おいて、 散乱X線強度の角度分布をフーリェ変換して得られるピ
    ーク周波数から薄膜の膜厚を求めることを特徴とするX
    線薄膜膜厚解析方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のX線薄膜膜厚解析方法に
    おいて、 前記ピーク周波数をhとするとき、薄膜の膜厚tを下式
    により求めることを特徴とするX線薄膜膜厚解析方法。 t=λh/2π
  5. 【請求項5】 X線源と、ゴニオメーターと、試料支持
    台と、X線検出器と、前記X線検出器の信号が入力され
    る信号処理手段とを備えるX線薄膜膜厚解析装置におい
    て、 前記X線検出器は所定の出射角範囲で試料から発生され
    る散乱X線強度を測定可能であり、前記信号処理手段
    は、前記散乱X線の出射角に対する強度分布の極大値又
    は極小値を与える角度の組み合わせを用いて試料の膜厚
    を求める演算処理を行うものであることを特徴とするX
    線薄膜膜厚解析装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のX線薄膜膜厚解析装置に
    おいて、 前記試料支持台は少なくとも2次元方向に移動可能であ
    り、前記試料支持台を2次元方向に移動して試料へのX
    線入射位置を走査することにより薄膜試料の膜厚をマッ
    ピングする機能を有することを特徴とするX線薄膜膜厚
    解析装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載のX線薄膜膜厚解析
    装置において、前記X線検出器として位置敏感型検出器
    又は2次元検出器を用いることを特徴とするX線薄膜膜
    厚解析装置。
  8. 【請求項8】 請求項5、6又は7記載のX線薄膜膜厚
    解析装置において、前記X線源と前記ゴオニメーターと
    の間にX線フィルタ又はX線分光器を設置したことを特
    徴とするX線薄膜膜厚解析装置。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれか1項記載のX線
    薄膜膜厚解析装置において、入射X線を試料表面に集光
    させる集光鏡を備えることを特徴とするX線薄膜膜厚解
    析装置。
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