JP2953742B2 - 表面粗さ評価方法 - Google Patents

表面粗さ評価方法

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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、試料表面の微小凹凸の測定による粗さの評
価方法に関し特に、二次X線スペクトルを利用するもの
である。
(従来の技術) 物体の表面粗さを測定する計器としては、触針法及び
光学法が知られている。触針法は、圧電素子と触針(プ
ローブProbe)を走査させ、被測定物表面の凹凸プロフ
ァイル(Profile)を得る方法であり光学法では、光の
光路差を用いて測定する方法である。ところで、JISに
規格化されている表面粗さ、表面うねり、及び形状精度
の関連規格は、JIS B 0601−1976表面粗さ、JIS B
0601−1976表面うねり、JIS B 0651−1976触針式
表面粗さ測定器が規格化されており、以上の規格の詳細
はそれぞれの規格、及びその解説に示されている。
一方、非接触光学系による方法も知られており、これ
について説明すると、WYKO社は、モジュール(Module)
型非接触表面粗さ及び形状測定システム(System)を製
作している。このシステムは、被測定物を非接触で、か
つ傷つけることなく、高速で形状測定ができる上に、電
子的リミット(Limit)により被測定物との接触が避け
られし、表面の測定は、数秒で行なえる。その特徴は、
エンハンスド(Enhanced)位相測定干渉法を利用してお
り、USP4639139として登録されている。
即ち、内部参照面付の干渉計が装置の対物ヘッド(He
ad)に組込まれており、被測定物表面からの反射光と、
内部参照面からの反射光が干渉する。その結果、干渉フ
リンジ(Fringe)が顕微鏡接続眼レンズ(Lenz)を通し
て観察できる。この干渉パターン(Pattern)は、イメ
ージセンサー(Image Sensor)を通して記録され、コン
ピュータ(Computer)に読込まれるが、フリンジパター
ンの偏差は、表面高さの変化に関係する。このシステム
は、光源としてレーザ(Laser)を使わずに白色光を使
用しているので、スプリアスフリンジ(Supurious Frin
ge)やコヒーレントノイズ(Coherent Noise)Iより
真の干渉パターンが劣化しない。干渉計はコンピュータ
制御により動作するビエゾ素子(PZT)上に取付けら
れ、PZT素子の移動によりコンピュータは自動的に干渉
計内に位相シフト(Shift)を導き、その同時に作り出
された干渉パターンを記録する。PZT素子が移動する
と、フリンジパターンが移動し、これから得られる付加
的な情報によりコンピュータは、表面高さを定量化で
き、測定技術の基礎となっている。そしてソフトウェア
ー(Soft Ware)にプログラム(Propgram)されたアル
ゴリズム(Argorizum)により正確な表面高さが再構成
される。全測定サイクル(Cycle)は、0.5秒以内であ
り、計算処理と表面高さの表示は数秒で完了する。
(発明が解決しようとする課題) 以上の方法は、いずれも一点一点の測定から一次元的
なプロフアィルを得るものであり、広い領域の凹凸の平
均値を得るには、全領域またはその中の選択的な位置を
走査した上で計算処理を行っている。一方触針法にあっ
ては、試料に接触する必要があるので、被測定物が半導
体ウエーハの場合には、汚染や損傷が発生する恐れがあ
り、適当な手段とは言えない。
本発明は、このような事情により成されたもので、被
測定物表面の微小な凹凸を非破壊でかつ、任意な領域の
平均的量を一回と測定による評価方法を目的とするもの
である。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 単色化された平行度の良い一次X線を試料表面に全反
射臨海角以下で入射させ,発生する二次X線強度のエネ
ルギー依存性を試料表面に対向して配置する検出器によ
り測定し,試料を構成する元素の蛍光X線強度、バック
グラウンドのX線強度、及び非弾性散乱されたX線強度
及びそのプロファイルを用いて試料表面の微小な凹凸を
算出する点に本発明に係わる表面粗さの評価方法の特徴
がある。
(作用) 本発明では、試料表面(20Å〜数μm)を励起する一
次X線としてモノクロメータ(Monochro Meter)によ
って分光された単色で平行性の良いX線を使用すること
により、表面の凹凸に敏感な二次X線スペクトル(Spec
trum)が発生する知見を基に完成したものである。即
ち、試料表面の凹凸が大きい程、構成元素の蛍光X線及
びバックグラウンド(Background)の強度が増大しま
た、非弾性(Compton)散乱(Scattering)されるX線
の強度も増大し、プロファイル(Profile)も変化する
現象を利用して微小な凹凸の評価を可能とした。
一次X線は、分光結晶などを用いて波長分散Δλは、
0<Δλ<(Å)となるように単色化され、一次X線エ
ネルギー(Energy)Eを4<E<60(KeV)の範囲から
選択する。更に、単色化された一次X線の角度分散Δθ
は、0<Δθ<10ラジアン(radian)となるようにX線
光学的にスリット(Slit)などで調整する。
微小凹凸の算出に用いる測定値は、試料を構成する元
素の蛍光X線強度、バックグラウンドのX線強度、非弾
性散乱されたX線強度から選定するいずれかであり特
に、非弾性散乱は、バックグラウンドと一次X線間のエ
ネルギーから得られるあるエネルギー値での強度または
前記の領域の積分強度である。
(実施例) 本発明に係わる一実施例を第1図乃至第3図により説
明する。本発明方法に使用する装置は、第1図に明らか
なようにX線の全反射を用いた蛍光X線分析装置と同様
であるが特に、入射X線がモノクロメータによって単色
化・平行化されていることが必要である。即ち、X線が
単色化されていない場合は、あるエネルギー(波長)の
X線に対して全反射条件を満足させてもそれ以上の高エ
ネルギーのX線では、全反射の臨界角θが小さくなるた
めに全反射せずに試料内部まで侵入してしまう。このよ
うな結果は、平滑面においても基板構成元素からの蛍光
X線非弾性散乱及びバックグラウンド強度が高くなり、
凹凸に対する感度が悪化するために発生する。測定領域
としては、約10mmΦの円形領域である。
第1図に示した測定装置では、X線源1から発生する
入射X線2は、モノクロメータ3を経て被測定試料即ち
シリコン(Silicon)ウエーハ(Wafer)4に到達後反射
X線5は、シンチレイションカウンター(Scintillatio
n Counter)6に伝達・検出される。一方、中空の真空
チャンバー(Chamber)7内に設置したシリコンウエー
ハ4は回転軸8に取付けた静電チヤック(Chuck)9に
より固定し更に、試料走査コントローラ(Controller)
10に電気的に接続して、シリコンウエーハ4の位置を制
御する。シリコンウエーハ4及び静電チヤック9は、こ
のようなシリコンウエーハ4及び静電チヤック9にはX
線源1からの入射X線が到達し更に発生する二次X線11
は分解能の大きいSSD(Solid State Detector)12に
より測定する。このSSD12は計数回路13を経てコンピュ
ータ14に電気的に接続しており、ここには試料走査コン
トローラ10も電気的に接続している。
次に、異なる凹凸が形成された3種類のシリコン半導
体基板を第1図に示した測定装置により測定したスペク
トル(Spectrum)を、縦軸にX線強度(カウント)、横
軸にエネルギー(KeV)を取った第2図a、b,cに明らか
にした。aには、ミラーポリッシュ(Millar Polish)
された平滑面、b、cでは、凹凸を持った表面であり、
夫々1nm以下の平滑面、30nm、200nmのRa(走査による凹
凸平均線からのズレの平均値)をもっことが触針測定法
により得られている。なお、入射X線のエネルギーは9.
67KeVである。なお第2図a、bの測定時間は500秒で,
第2図cのそれは120秒であり、X線源として使用した
X線管は電圧30KV、電流100mAであった。
更に、上記スペクトルから得られたSiの蛍光X線強度
(E=1.7KeV)及びバックグラウンドE=4〜5KeVの二
次X線強度と平均粗さRaの対応を示すグラフを第3図に
示した。即ち、縦軸にバックグラウンドのX線強度(カ
ウント)とシリコンの蛍光X線強度(カウント)、横軸
に平均粗さ(nm)を取り、図の黒印がバックグラウンド
(E=4〜5KeV)、白印がシリコンの蛍光X線強度を表
している。これは、粗さの標準試料を用いてキャリブレ
イションカーブ(Calibration Curve)を作ったもので
あり、これから明らかなようにスペクトルから得られた
各量は表面の凹凸と対応しているので、このスペクトル
から逆に凹凸値を簡便に求めることができる。
[発明の効果] 本発明によればある拡がりのある領域例えば10mmΦの
円内で、Åオーダ(Order)からμmオーダまでの凹凸
を非破壊検査でしかも一回の測定で求めることができ
る。第3図にようなキャリブレイションカーブを粗さの
標準試料により作製後は、X線強度から凹凸値を決める
ことが可能である。この手法は、シリコンウエーハなど
の非破壊評価には非常に有効であり、いままで目視でし
か把えられなかった“くもり”などの微小な凹凸の定量
的評価にも有効であるため、半導体素子の歩留り及び工
程管理に適用すると大きな効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法に利用する装置の構成を示す図、第
2図は異なる凹凸のシリコンウエーハの二次X線スペク
トル、第3図は触針法による凹凸の値Raと第2図から得
られた強度の対応を示す図である。 1:X線源、2:入射X線、 3:モノクロメータ、4:Siウエーハ、 5:反射X線、 6:シンチレイションカウンタ、 7:真空チャンバー、 8:回転軸、9:静電チヤック、 10:試料走査コントローラ、 11:二次X線、12:S.S.D、 13:計数回路、 14:コンピュータ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単色化された平行度の良い一次X線を試料
    表面に全反射臨海角以下で入射させ、発生する二次X線
    強度のエネルギー依存性を試料表面に対向して配置する
    検出器により測定し、試料を構成する元素の蛍光X線強
    度、バックグラウンドのX線強度、及び非弾性散乱され
    たX線強度及びそのプロファイルを用いて試料表面の微
    小な凹凸を算出することを特徴とする表面粗さ評価方法
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