JPH1078043A - トルクリミッタ - Google Patents

トルクリミッタ

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Publication number
JPH1078043A
JPH1078043A JP23181796A JP23181796A JPH1078043A JP H1078043 A JPH1078043 A JP H1078043A JP 23181796 A JP23181796 A JP 23181796A JP 23181796 A JP23181796 A JP 23181796A JP H1078043 A JPH1078043 A JP H1078043A
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JP
Japan
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rotating body
permanent magnet
hysteresis material
torque limiter
hysteresis
Prior art date
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Pending
Application number
JP23181796A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Nobesawa
一弘 延澤
Masaya Yamada
雅也 山田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Publication of JPH1078043A publication Critical patent/JPH1078043A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルク変動がなく、安定したトルクが長時間
得られるとともに、放熱容量を増大させ用途の拡大が図
れ、小形で安価なヒステリシス式トルクリミッタを提供
する。 【解決手段】 永久磁石13を固着した第1回転体12
と、永久磁石13と所定の間隙16を隔てて対向するよ
うに設けられたヒステリシス材15と、このヒステリシ
ス材15を固着し、第1回転体12と摺動回転可能に設
けられた第2の回転体14を備えたものにおいて、第1
回転体12と第2回転体14の摺動部17を1ヶ所のみ
で形成する。また、ヒステリシス材15の外周部を外部
に露出する。更に、第1回転体12を永久磁石材で一体
成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一対の連結主体
間の伝達トルクの限界を永久磁石と半硬質磁性体との間
のヒステリシストルクによって定めるようにしたトルク
リミッタであり、例えば複写機やファクシミリ等の紙送
りローラとして用いられるヒステリシス式トルクリミッ
タに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図20は例えば特開平6−221341
号公報に示された従来装置を示す断面図であり、図にお
いて、トルクリミッタ2は、円筒状外周部3を有する第
1回転体4と、円筒状内周部5を有する熱可塑性樹脂製
の第2回転体6とから構成されており、さらに第2回転
体6は、有底円筒状の本体部6aと、蓋体6bとからな
っている。
【0003】このトルクリミッタ2は、第2回転体6の
本体部6a中に第1回転体4を挿入し、次いで蓋体6b
を取り付ける手順で組み立てられている。そして、第1
回転体4は金属製のシャフト7を通して図示しない駆動
機構と連結しており、また第2回転体6は底部でゴムロ
ーラ1と嵌合している。
【0004】ここで、第1回転体4と第2回転体6とは
同軸上に設置されており、摺動部8a,8bでの当接に
よって半径方向及び軸方向の位置決めがなされていて、
かつ互いに摺動回転可能となっている。また、シャフト
7と第2回転体6の間にも摺動部8cがあり、上記摺動
部8a,8bとの3点支持の構造となっている。
【0005】第1回転体4の円筒状外周部3には、円筒
状の永久磁石9が接着剤により固着されている。この永
久磁石9はNd−Fe−B系樹脂磁石で、Nd−Fe−
B系磁石粉末とエポキシ樹脂とからなる樹脂磁石粉末を
所定の金型に投入し、圧縮成形した後、加熱して硬化さ
せ、更に防錆のために表面を樹脂コーティングした後、
着磁ヨークを用いて外周に多極着磁を行なったものであ
る。
【0006】また、第2回転体6の円筒状内周部5に
は、円筒状のヒステリシス材10が圧入によって固着さ
れている。このヒステリシス材10はFe−Cr−Co
系合金製であり、その面長は、永久磁石9の磁力を有効
に利用するため、永久磁石9のそれより若干(0.5〜
2.0mm程度)長くしてある。そして、永久磁石9と
の間には所定の間隙11が形成されている。この間隙1
1は、特開平7−7919号公報に示されるように高ト
ルクを得るために0.1mm以下となっている。
【0007】また、第1回転体4はアルミニウム展伸
材、含油焼結アルミニウムなどの金属材料を用いたもの
と、ポリアミド樹脂などの合成樹脂を用いたものがあ
る。
【0008】次に、動作について説明する。上記のよう
に構成されたものにおいては、永久磁石9による磁束が
ヒステリシス材10内を通る。永久磁石9は外周部を多
極着磁されているため、永久磁石9とヒステリシス材1
0が相対回転をした場合、ヒステリシス材10内の磁化
の方向が、永久磁石9の極間を移動するたびに反転す
る。このとき、ヒステリシス材10内にはヒステリシス
損が発生し、それに見合ったトルクが発生する。つまり
第1回転体4と第2回転体6の間に上記のトルク値以上
のトルクが加えられると、永久磁石9とヒステリシス材
10の間に一定のトルクが発生し、第1回転体4と第2
回転体6とがスリップしてその間の伝達トルクは一定値
に制限される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のヒステリシス式
トルクリミッタは以上のように構成されているので、次
のような問題点があった。 (1)摺動部分が8a,b,cの3点支持となるように構成
されているので、この摺動部に無理な力がかかりやすく
摺動部が摩耗する。このため、摺動部での摺動特性が変
化し、トルクが変動する。つまり所定の性能が得られな
くなる。 (2)また、摩耗により永久磁石9とヒステリシス材10
の間隙11が不均一となり、吸引力のアンバランスを生
じ、トルクが変動する。 (3)更に摩耗が進めば、永久磁石9とヒステリシス材1
0が干渉し、異常に高いトルクを発生し、こすれ音も発
生する。 (4)摩耗しない場合でも永久磁石9とヒステリシス材1
0の間隙11は0.1mm以下と小さいため、部品の精
度が悪い場合すぐに干渉してしまう。この0.1mm以
下の間隙を干渉しないように構成するためには極めて高
精度の部品が必要であり、製作上非常に高価となった
り、部品の歩留まりが悪くなる。
【0010】(5)ヒステリシス材10と第2回転体6は
圧入のみで固着されているため、部品の精度によっては
圧入代がなくなりトルク伝達不能となる場合がある。ま
た、回転体は熱可塑性樹脂製のため寸法が経時変化した
り、温度変化時の線膨張係数の差の影響で圧入力が弱く
なり所定のトルク伝達ができなくなる。 (6)第2回転体6は発熱体であるヒステリシス材10を
覆う構成となっており、しかも熱伝導の悪い熱可塑性樹
脂を使用しているためヒステリシス材10に発生した熱
を外部へ放出できず、装置が温度上昇する。温度上昇に
よりマグネットの磁力が低下しトルクも低下するため所
定の性能が得られなくなる。また、温度上昇が過大とな
れば前記したように永久磁石9と第1回転体4、ヒステ
リシス材10と第2回転体6の固着部分が外れたり、固
着力が弱くなり、トルク伝達が不能になる。そこで、温
度上昇が問題とならないレベルとなるように装置の使用
条件に制限を設ける必要があるが、前記したとおり熱放
散性が悪いため、使用回転数やスリップトルクを大きく
とることができず使用可能な条件が限定されてしまう。
【0011】(7)永久磁石9と第1回転体4は接着剤に
より固着されているため、両回転体がスリップした時に
発生するヒステリシス損による発熱や、その時の両者の
線膨張係数の差などにより、接着部分が外れトルク伝達
が不能となる。また、接着作業は生産性が悪く、装置が
高価となる。 (8)第1回転体4が熱可塑性樹脂製の場合は、線膨張係
数が大きく、吸湿により寸法変化するため、装置の発熱
による温度上昇や、吸湿により第1回転体4が永久磁石
9より大きく膨張し永久磁石9が割れてしまう。永久磁
石9が割れるとトルク伝達が不能となったり、永久磁石
9とヒステリシス材10が干渉し、異常に高いトルクを
発生し、所定のトルク性能が得られなくなる。 (9)第1回転体4がアルミニウム等の金属材料製の場合
は、吸湿の問題はないが、線膨張係数は永久磁石、例え
ばNd−Fe−B系のプラスチックマグネットの約2倍
あり、上記したように永久磁石が割れる問題がある。ま
た、アルミニウム材を機械加工により製作する場合はコ
スト高となり、装置が高価になる。 (10)永久磁石9と第1回転体4の2部品で第2回転体6
との位置決めを行っており、永久磁石9とヒステリシス
材10の間隙が0.1mm以下と小さいため、永久磁石
9と第1回転体4の径方向の寸法を極めて高精度に仕上
げる必要がある。特に、永久磁石内周と第1回転体外周
部の寸法、振れは高精度とする必要があり、製作上高価
となったり、部品の歩留りが悪くなる。部品の精度が悪
くなると、永久磁石9とヒステリシス材10が干渉した
り、接着部の外れを招くことになる。 (11)永久磁石9と第1回転体4を接着しているため、永
久磁石9の内周側に永久磁石とほぼ同じ幅で永久磁石を
固着するための円筒部が必要となる。また、その内周側
には第2回転体6との摺動部8a,bを形成するスペー
スも必要である。このため、上記スペースを確保するた
めに必要以上に装置が大型化することになり、例えば、
外径寸法に規制があり前記したスペースが確保できない
場合は、摺動部を確保するために軸方向寸法が大きくな
る。逆に、軸方向寸法に規制がある場合は外径寸法が大
きくなる。つまり、永久磁石9の固着に必要な第1回転
体4の円筒部の分、装置が大型化することになる。
【0012】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、摺動特性の改善、放熱特性の向
上、回転体と永久磁石又はヒステリシス材の固着の改善
等を図ることにより、安定したトルクを長期間に渡って
保持でき、また安価でかつ小型のトルクリミッタを提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、永久
磁石又はヒステリシス材の一方を固着した第1回転体
と、この一方と所定の間隙を隔てて対向するように設け
られた永久磁石又はヒステリシス材の他方と、この他方
を固着し第1回転体と摺動回転可能に設けられた第2回
転体を備えたトルクリミッタにおいて、第1回転体と第
2回転体の摺動部が1カ所のみで形成される。
【0014】請求項2の発明は、請求項1において、第
1回転体が駆動シャフトに固定され、第2回転体が上記
駆動シャフトに摺動部を介して支承されている。
【0015】請求項3の発明は、外側円筒部と内側円筒
部を有する第1回転体と、同じく外側円筒部と内側円筒
部を有する第2回転体を備え、上記第1回転体の外側円
筒部外周に設けた永久磁石又はヒステリシス材の一方と
第2回転体の外側円筒部内周に設けた永久磁石又はヒス
テリシス材の他方を所定間隔を隔てて対向させ、第1回
転体の内側円筒部外周と第2回転体の内側円筒部内周と
の間に第1及び第2回転体の摺動部を設けたトルクリミ
ッタである。
【0016】請求項4の発明は、請求項3において、第
1回転体の内側円筒部内周に駆動シャフトが嵌合され、
第2回転体が上記駆動シャフトに摺動部を介して回転自
在に支承されている。
【0017】請求項5の発明は、請求項1〜請求項4に
おいて、第1回転体に固着され、永久磁石とヒステリシ
ス材の間隙を覆うように設けられたカバーを備えた。
【0018】請求項6の発明は、請求項1から請求項4
において、第2回転体に固着され、永久磁石とヒステリ
シス材の間隙を覆うように設けられたカバーを備えた。
【0019】請求項7の発明は、請求項1から請求項6
において、第1回転体又は第2回転体の少なくとも一方
の回転体は合成樹脂で形成され、永久磁石またはヒステ
リシス材とインサート成形にて一体的に構成した。
【0020】請求項8の発明は、請求項1から請求項7
において、第1回転体又は第2回転体は含油プラスチッ
クにより形成する。
【0021】請求項9の発明は、請求項1から請求項7
において、永久磁石が設けられる第1回転体又は第2回
転体を、永久磁石材により一体的に形成した。
【0022】請求項10の発明は、永久磁石を固着した
第1回転体と、永久磁石と所定の間隙を隔てて対向する
ように設けられたヒステリシス材と、ヒステリシス材を
固着し第1回転体と摺動回転可能に設けられた第2回転
体を備えたものにおいて、ヒステリシス材の外周部を外
部に露出したトルクリミッタである。
【0023】請求項11の発明は、外側円筒部と内側円
筒部を有する第1回転体と、内側円筒部を有する第2回
転体と、第1回転体の外側円筒部外周に設けられた永久
磁石と、永久磁石と所定間隔を隔てて対向するように第
2回転体の外周部に取り付けられたヒステリシス材と、
第1回転体の内側円筒部外周と第2回転体の内側円筒部
内周との間に第1及び第2回転体の摺動部を設け、ヒス
テリシス材の外周部を外部に露出したトルクリミッタで
ある。
【0024】請求項12の発明は、請求項1から請求項
11において、永久磁石又はヒステリシス材と、第1回
転体又は第2回転体とに、それぞれに凹部又は凸部を設
け、この凹部又は凸部を互いに嵌合して固着した。
【0025】請求項13の発明は、請求項10から請求
項12において、第1回転体又はヒステリシス材に固着
され、永久磁石と上記ヒステリシス材の間隙を覆うよう
に設けられたカバーを備えた。
【0026】請求項14の発明は、請求項10から請求
項13において、第1回転体又は第2回転体の少なくと
も一方の回転体は合成樹脂で形成され、永久磁石または
ヒステリシス材とインサート成形にて一体的に構成し
た。
【0027】請求項15の発明は、請求項10から請求
項14において、第1回転体又は上記第2回転体は含油
プラスチックにより形成される。
【0028】請求項16の発明は、請求項10から請求
項15において、永久磁石が設けられる第1回転体を永
久磁石材により一体的に形成した。
【0029】請求項17の発明は、永久磁石又はヒステ
リシス材の一方を設けた第1回転体と、永久磁石又はヒ
ステリシス材の一方と所定の間隙を隔てて対向するよう
に設けられた永久磁石又はヒステリシス材の他方と、永
久磁石又はヒステリシス材の他方を設けて第1回転体と
摺動回転可能に設けられた第2回転体を備えたものにお
いて、永久磁石を設けた側の第1又は第2回転体を永久
磁石材で一体的に形成した。
【0030】請求項18の発明は、請求項17におい
て、永久磁石材をプラスチック磁石により形成した。
【0031】請求項19の発明は、請求項17又は請求
項18において、ヒステリシス材を設けた側の第1又は
第2回転体は、含油プラスチックにより形成した。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1によるト
ルクリミッタの側面断面図を示したものである。図にお
いて、トルクリミッタ100は、駆動側に連結される第
1回転体12と、被駆動側に連結される第2回転体14
とから構成されている。第1回転体12は少なくとも二
重の円筒構造になっており、外側円筒部12aと、内側
円筒部12bと、各円筒部12a,bを連結する底部1
2cから成り立っている。また、第2回転体14も二重
の円筒構造になっており、外側円筒部14aと、内側円
筒部14bと、各円筒部14a,bを連結する底部14
cと、シャフト7の摺動部を備えた基底部14dから成
っている。
【0033】第1回転体12の最内周部にはシャフト7
が嵌合され、このシャフト7を通して図示しない駆動機
構と連結している。また、第2回転体14はその基底部
14dの外周の一部がゴムローラ1と嵌合している。こ
こで、第1回転体12と第2回転体14とは同軸状に設
置されており、第1回転体12の内側円筒部12bの外
周部と、第2回転体14の内側円筒部14bの内周部と
の間で摺動部17が形成されており、この1箇所の摺動
部17によって各回転体12及び14が当接して半径方
向及び軸方向の位置決めがなされており、かつ互いに摺
動回転可能になっている。
【0034】また、シャフト7と第1回転体14の基底
部14dとの間には、摺動部18が形成され、この摺動
部18と上記摺動部17との2点支持によって、第2回
転体14が回転可能に支承されることになる。
【0035】第1回転体12の外側円筒部12aの外周
部には、円筒状の永久磁石13が固着されており、第2
回転体14の外側円筒部14aの内周部には、円筒状の
ヒステリシス材15が固着されている。上記永久磁石1
3は、例えば、Nd−Fe−B系樹脂磁石で、Nd−F
e−B系磁石粉末とエポキシ樹脂とからなる樹脂磁石粉
末を所定の金型に投入し、圧縮成形した後、加熱して硬
化させ、更に防錆のために表面を樹脂コーティングした
後、着磁ヨークを用いて外周に多極着磁を行なったもの
である。また、上記ヒステリシス材15は、Fe−Cr
−Co系合金製であり、その面長は、永久磁石13の磁
力を有効に利用するため、永久磁石13のそれより若干
(0.5〜2.0mm程度)長くしてある。
【0036】上記のように構成されたものにおいては、
第1回転体12と第2回転体14の間の軸受構造が摺動
部17の一点支持になり、また第2回転体14の軸受構
造が摺動部17と摺動部18の2点支持となるので、各
摺動部17,18には無理な力が加わることがなく、摺
動部17,18の摩耗は抑制され安定した摺動性能が長
期にわたって得られる。つまり、安定したトルクで長期
間トルクリミッタが使用ができることになる。
【0037】特に、第1回転体の内側円筒部12bを第
2回転体の基底部14dにできる限り接近させ、第2回
転体の内側円筒部14bを第1回転体の底部12cにで
きる限り接近させることにより、摺動部17の軸方向長
さを、少なくとも永久磁石13とヒステリシス材15の
対向する軸方向長さの1/3以上、又は1/2以上、好
ましくは2/3以上、できれば3/4以上にすることに
より、摺動部17において安定した摺動性能が長期にわ
たって得られる。
【0038】以上のように、摺動部17,18の摩耗が
ないため、永久磁石13とヒステリシス材15の間隙1
6が不均一となることはなく、吸引力のアンバランスに
よるトルク変動を生じることもない。
【0039】また、従来装置のように永久磁石13とヒ
ステリシス材15が干渉してしまうという最悪の事態も
回避できる。
【0040】更に、永久磁石13とヒステリシス材15
の間隙16の一端は開放となっており、ヒステリシス材
15内にヒステリシス損によって発生した熱は、外気へ
熱放散されやすくなる。つまり、装置全体の温度上昇が
低く抑えられ、温度上昇によるトルク低下の量を少なく
することができ安定したトルク性能が得られることにな
る。
【0041】更に、温度上昇による永久磁石13と第1
回転体12、ヒステリシス材15と第2回転体14の固
着部外れの問題も解消でき、装置が破損することもなく
長期にわたって安定した性能を維持することができる。
【0042】また、熱放散性が良くなると、使用トル
ク、回転数、デューティなどの使用可能な条件範囲が広
がるため、用途も拡大する。
【0043】また、永久磁石13とヒステリシス材15
の一端を開放としているため従来装置よりもそれぞれの
幅寸法を大きくすることができる。それぞれの幅寸法を
大きくするとトルクはそれに比例して増大するため、ト
ルクアップを図ることができる。言いかえれば、同じト
ルクを出すためには、装置を小形化できるということに
なる。
【0044】また、従来装置は、トルクが出にくいた
め、間隙16の寸法を0.1mm以下という非常に小さ
い寸法に設定されているが、上記したトルクアップによ
り、この間隙寸法を大きくすることが可能となる。この
ため、従来のように部品の高精度化の必要もなくなり、
部品、製品の歩留まりは著しく向上し、装置を安価に製
作できる。
【0045】また、間隙16を大きくできるため、永久
磁石13とヒステリシス材15が干渉しにくくなるとい
う効果もある。
【0046】なお、上記の例では、永久磁石13が第1
回転体12に、ヒステリシス材15が第2回転体14に
それぞれ固着されたものを示したが、ヒステリシス材1
5が第1回転体12に、永久磁石13が第2回転体14
にそれぞれ固着されるように構成してもよく、前記した
同様の効果が得られる。
【0047】ただし、永久磁石13とヒステリシス材1
5の間隙16の一端を開放としたことで、この間隙16
に外部から異物が浸入するという問題が発生する。間隙
16部は永久磁石13の磁化により特に磁性材よりなる
異物を吸引しやすくなる。
【0048】実施の形態2.図2は、前記した異物浸入
を防止するための実施の形態2によるトルクリミッタの
側面断面図である。図において、カバー180を第1回
転体12の底部12cの端部に固着し、永久磁石13と
ヒステリシス材15の間隙16を覆うように設ける。こ
のカバー180は第2回転体14の外側円筒部14aと
接触しない最小すき間寸法となるように対向して設けら
れる。
【0049】上記のように構成されたものにおいては、
間隙16をカバー180で覆うようにしたため、外部か
らの異物浸入を防止することができ、しかも、実施の形
態1で示した2点支持の軸受構造と同一のため、摺動部
が摩耗せず、安定したトルクが長期にわたって得られる
という効果がある。
【0050】実施の形態3.図3は実施の形態3による
トルクリミッタを示す側面断面図であり、図において、
第2回転体14の外側円筒部14aの先端にカバー19
を固着し、このカバー19により永久磁石13とヒステ
リシス材15の間隙16を覆うように構成する。そし
て、このカバー19と第1回転体12とは、接触しない
最小寸法となるように対向して配置されている。
【0051】上記のように構成されたものにおいては、
間隙16をカバー19で覆うようにしたため、外部から
の異物浸入を防止することができ、しかも、実施の形態
1で示した2点支持の軸受構造と同一のため、摺動部が
摩耗せず、安定したトルクが長期にわたって得られると
いう効果がある。
【0052】実施の形態4.図4は実施の形態4による
トルクリミッタを示す側面断面図であり、図において、
第1回転体20は合成樹脂で形成され、永久磁石13と
インサート成形にて一体的に成形されている。また、第
2回転体21は合成樹脂で形成され、ヒステリシス材1
5とインサート成形にて一体的に成形されている。
【0053】実施の形態4によれば、それぞれ第1及び
第2回転体と永久磁石又はヒステリシス材の固着に、接
着や圧入といった特別な手段を用いる必要がなく、作業
工程が簡略化されるばかりでなく、温度上昇による固着
部外れという問題も解消でき、安価で信頼性の高い装置
が得られる。
【0054】なお、上記実施の形態では、第1回転体2
0,第2回転体21の両方をインサート成形したものを
示したが、どちらか一方のみをインサート成形したもの
でもよい。
【0055】実施の形態5.図5は実施の形態5による
トルクリミッタを示す側面断面図であり、図において、
第1回転体22は含油プラスチックにより形成され、第
2回転体23は同じく含油プラスチックにより形成さ
れ、摺動部24で互いに回転可能となるよう支承されて
いる。
【0056】実施の形態5によれば、摺動部24を互い
に構成する第1回転体23と第2回転体24を潤滑性の
良好な含油プラスチックで形成したため、摺動部の摩耗
が抑制され、安定した摺動特性、ひいては安定したトル
クが長期にわたって得られるという効果がある。
【0057】実施の形態6.図6は実施の形態6による
トルクリミッタを示す側面断面図であり、図において、
第1回転体25は永久磁石材により形成され、例えば、
プラスチック磁石、焼結磁石などが使用される。
【0058】実施の形態6によれば、従来は、永久磁石
13と第1回転体12(20,22)を別々に製作し、
それを固着するという繁雑な作業工程となっていたが、
それが、第1回転体25を全て永久磁石材のみで形成し
たので、2部品が1部品に減少し、固着作業もなくな
り、作業工程は簡略化される。
【0059】また、永久磁石と第1回転体との固着部が
無いため、固着部外れの問題もなくなり、信頼性が高
く、しかも安価な装置を得ることができる。
【0060】実施の形態7.図7は実施の形態7による
トルクリミッタを示す側面断面図であり、図において、
第2回転体26は、内側円筒部26bと、この内側円筒
部26bから軸半径方向外側に向かって延設された底部
26cと、シャフト7の摺動部を備えた基底部26dか
ら成っている。そして、ヒステリシス材27は、この第
2回転体26の底部26cの外側部に固着され、ヒステ
リシス材27の外周部は外部に露出、つまり、その外周
部を部品で覆わないように構成している。その他の構成
は図1と同様である。
【0061】実施の形態7によれば、発熱体であるヒス
テリシス材27が直接外気に触れ、しかも回転するた
め、ヒステリシス材27内で発生した熱はすみやかに外
部に放出され、装置の温度上昇は低く抑えられる。つま
り、実施の形態1で示したよりも更に熱放散性は向上
し、安定したトルク性能が得られ、用途が拡大するな
ど、同様の効果がよりよく得られることになる。
【0062】更に、ヒステリシス材27を最外周部に配
置したため、ヒステリシス材27の外径寸法が大きくな
る。トルクはこの外径寸法に比例して大きくなるため、
外径寸法が大きくなった分トルクアップを図ることがで
きる。これも前記した実施の形態1で示した装置を小形
化でき、安価に製作でき、信頼性も向上するという同様
の効果がある。
【0063】実施の形態8.図8は実施の形態8による
トルクリミッタを示す外観図であり、図において、第2
回転体28の外周部に凸部28aを有しており、ヒステ
リシス材29の凹部29aと嵌合されている。
【0064】実施の形態8の場合、第2回転体28とヒ
ステリシス材29がそれぞれの凸部28aと凹部29a
で機械的に結合されるため、従来の圧入による固着で
は、温度や寸法精度の影響で固着部外れを起こすという
問題は解消され、確実にヒステリシス材29から第2回
転体28へのトルク伝達が行なえ、信頼性のある装置が
得られる。
【0065】なお、上記では、第2回転体28に凸部2
8a、ヒステリシス材29に凹部29aを設けたものを
示したが、第1回転体28に凹部29a、ヒステリシス
材29に凸部28aを設けてもよく、また、第1回転体
12,永久磁石13にそれぞれ凹部または凸部を設けて
もよい。この場合も上記と同様の効果が得られる。
【0066】実施の形態9.図9は実施の形態9による
トルクリミッタの側面断面図である。図において、第2
回転体31の底部31cには、カップ状のヒステリシス
材30が固着されている。そして、カバー32を第1回
転体12の底部12cの端部に固着し、永久磁石13と
ヒステリシス材30の間隙16を覆うように設ける。こ
のカバー32はヒステリシス材30と接触しない最小す
き間寸法となるように対向して設けられる。
【0067】上記のように構成されたものにおいては、
間隙16をカバー32で覆うようにしたため、外部から
の異物浸入を防止することができ、しかも、溶接等によ
りヒステリシス材30を第2回転体24に固着すること
で上記固着はずれという問題を解消することができる。
【0068】実施の形態10.図10は実施の形態10
によるトルクリミッタを示す側面断面図であり、図にお
いて、第1回転体33は合成樹脂で形成され、永久磁石
13とインサート成形にて一体的に成形されている。ま
た、第2回転体34は合成樹脂で形成され、ヒステリシ
ス材30とインサート成形にて一体的に成形されてい
る。
【0069】実施の形態10によれば、それぞれの回転
体33,34と永久磁石13又はヒステリシス材30の
固着に、接着や圧入といった特別な手段を用いる必要が
なく、作業工程が簡略化されるばかりでなく、温度上昇
による固着部外れという問題も解消でき、安価で信頼性
の高い装置が得られる。
【0070】なお、上記実施の形態では、第1回転体3
3,第2回転体34の両方をインサート成形したものを
示したが、どちらか一方のみをインサート成形したもの
でもよい。
【0071】実施の形態11.図11は実施の形態11
によるトルクリミッタを示す外観図であり、図におい
て、第1回転体35の外周部に凸部35aを有してお
り、永久磁石36の凹部36aと嵌合されている。
【0072】この実施の形態の場合、第1回転体35と
永久磁石36がそれぞれの凸部35aと凹部36aで機
械的に結合されるため、従来の接着による固着では、温
度や寸法精度の影響で固着部外れを起こすという問題は
解消され、確実にトルク伝達が行なえ、信頼性のある装
置が得られる。
【0073】なお、上記では、第1回転体35に凸部3
5a、永久磁石36に凹部36aを設けたものを示した
が、第1回転体に凹部、永久磁石に凸部を設けてもよ
い。
【0074】実施の形態12.図12は実施の形態12
によるトルクリミッタを示す側面断面図であり、図にお
いて、第1回転体37は含油プラスチックにより形成さ
れ、第2回転体38は同じく含油プラスチックにより形
成され、摺動部39で互いに回転可能となるよう支承さ
れている。
【0075】実施の形態12によれば、摺動部39を互
いに構成する第1回転体37と第2回転体38を潤滑性
の良好な含油プラスチックで形成したため、摺動部の摩
耗が抑制され、安定した摺動特性、ひいては安定したト
ルクが長期にわたって得られるという効果がある。
【0076】実施の形態13.図13は実施の形態13
によるトルクリミッタを示す側面断面図であり、図にお
いて、第1回転体41は永久磁石材により形成され、例
えば、プラスチック磁石、焼結磁石などが使用される。
【0077】実施の形態13によれば、従来は、永久磁
石13と第1回転体12(20,22)を別々に製作
し、それを固着するという繁雑な作業工程となっていた
が、それが、第1回転体41を全て永久磁石材のみで形
成したので、2部品が1部品に減少し、固着作業もなく
なり、作業工程は簡略化される。また、固着部もないた
め、固着はずれの問題もなくなり、信頼性が高く、しか
も安価なトルクリミッタを得ることができる。
【0078】実施の形態14.図14は実施の形態14
によるトルクリミッタを示す側面断面図であり、図にお
いて、アルミ製のカバー42が、ヒステリシス材30の
露出部分を覆うように、あるいは永久磁石13とヒステ
リシス材30の間隙16を覆うように、圧入等によりヒ
ステリシス材30に固定されている。
【0079】実施の形態14によれば、永久磁石13と
ヒステリシス材30の間隙16をカバー42で覆うよう
に構成したので、外部からの異物の侵入を防止すること
ができる。また、カバー42に熱伝導性の良いアルミ材
を用いることにより、ヒステリシス材30内で発生した
熱はアルミ製カバー42を通じて速やかに外部に放出さ
れ、装置の温度上昇は低く抑えられ、温度上昇によるト
ルク低下の量を少なくすることができ、安定したトルク
性能が得られるようになる。
【0080】実施の形態15.図15は実施の形態15
によるトルクリミッタを示す側面断面図であり、図にお
いて、トルクリミッタは、駆動側に連結される第1回転
体4と、被駆動側に連結される第2回転体50とから構
成されている。第1回転体4の円筒状外周部には永久磁
石9が固着されており、シャフト7を通して図示しない
駆動機構と連結されている。第2回転体50は、有底円
筒状の本体部50aと、蓋体50bとからなっている。
また、第2回転体の本体部50aと蓋部50bの間に
は、上記永久磁石9に対向するヒステリシス材51が固
着されており、ヒステリシス材51の外周部は装置外部
に露出、つまりヒステリシス材51の外側を部品で覆わ
ないように構成している。
【0081】第1回転体4と第2回転体50とは同軸上
に設置されており、摺動部52a,52bでの当接によ
って半径方向及び軸方向の位置決めがなされていて、か
つ互いに摺動回転可能となっている。また、シャフト7
と第1回転体4の間にも摺動部52cがあり、上記摺動
部52a,bとの3点支持の構造となっている。なお、
その他の構成及び動作は従来装置(図20)と同様につ
き説明は省略する。
【0082】上記のように構成されたトルクリミッタに
おいて、発熱体であるヒステリシス材51が直接外気に
触れ、しかも回転するため、ヒステリシス材51内で発
生した熱は速やかに外部に放出され、装置の温度上昇は
低く抑えられ、温度上昇によるトルク低下の量を少なく
することができ、安定したトルク性能が得られることに
なる。
【0083】更に、温度上昇による永久磁石9と第1回
転体4、ヒステリシス材51と第2回転体の本体部50
a,蓋部50bの固着はずれの問題も解消でき、装置が
破損することなく長期にわたって安定した性能を維持す
ることができる。
【0084】また、熱放散性が良くなると、使用トル
ク,回転数,デューティ等の使用可能な条件範囲が広が
るため、装置の用途が拡大する。
【0085】また、ヒステリシス材51を最外周に配置
したため、同じ装置寸法においてヒステリシス材51の
外径寸法を大きくとれる。トルクはこの外径寸法に比例
して大きくなるため、外径寸法が大きくなった分トルク
アップを図ることができる。言換えれば同じトルクを出
すためには、装置を小型化できるということになる。
【0086】更に、従来装置ではトルクが出にくいた
め、間隙11の寸法を0.1mm以下という非常に小さ
い寸法に設定しているが、上記したトルクアップによ
り、この間隙11を大きくすることが可能となる。この
ため従来のように部品の高精度化の必要もなくなり、部
品,製品の歩留りは著しく向上し、装置を安価に製作で
きる。
【0087】また、間隙11を大きく出来るため、永久
磁石9とヒステリシス材51が干渉しにくくなり耐久性
が向上するという効果もある。
【0088】実施の形態16.図16は実施の形態16
によるトルクリミッタを示す側面断面図であり、図にお
いて、トルクリミッタは、駆動側に連結される第1回転
体60と、被駆動側に連結される第2回転体6とから構
成されている。第1回転体60は永久磁石材よりなり、
シャフト7を通して図示しない駆動機構と連結されてい
る。第2回転体6は、有底円筒状の本体部6aと、蓋体
6bとからなっている。また、第2回転体の本体部6a
の内周部には、上記永久磁石なる第1回転体60に対向
するヒステリシス材10が固着されている。
【0089】第1回転体60と第2回転体4とは同軸上
に設置されており、摺動部61a,61bでの当接によ
って半径方向及び軸方向の位置決めがなされており、摺
動可能となっている。第1回転体60とヒステリシス材
10の間には、所定の間隙62が形成されている。その
他の構成及び動作については従来装置と同様につき、説
明を省略する。
【0090】上記のように構成されたものにおいては、
第1回転体60を永久磁石材により形成したので、従来
のように2部品を接着する必要がなくなり、接着部の外
れによりトルク伝達が不能となることもなく、接着作業
が不要となり、生産性は向上し、装置が安価に製作でき
る。
【0091】更に、従来の第1回転体の熱膨張や吸湿に
よる寸法変化のために永久磁石が割れるということもな
い。
【0092】また、従来の第1回転体と永久磁石の2部
品を1部品で形成したため、各部品の加工精度を必要以
上に上げる必要がなくなり、永久磁石とヒステリシス材
が干渉することもない。このため、部品,製品の歩留り
は著しく向上し、装置を安価に製作することができる。
【0093】また、従来装置のように永久磁石を固着す
るための円筒部は必要なく、トルクを発生するために必
要な厚み分のみ永久磁石で構成すればよく、その分省ス
ペース化が図れる。
【0094】なお、上記では第1回転体を永久磁石材で
形成したものを示したが、第2回転体6を永久磁石材で
構成し、第1回転体にヒステリシス材を固着しても同様
の効果が得られる。
【0095】実施の形態17.上記実施の形態16にお
いて、第1回転体60を、プラスチック磁石で形成し、
射出成形により製造する。
【0096】この場合、第1回転体60が複雑な形状で
も製造が可能であり、形状の制約を受けることがない。
【0097】また、肉厚を薄く製作できるため、材料費
が節約でき、装置の小型化、軽量化も図ることができ
る。
【0098】更に、射出成形のため製造コストが安く、
装置を安価に製作できる等の効果がある。
【0099】実施の形態18.図17は実施の形態18
によるトルクリミッタを示す側面断面図であり、図にお
いて、第2回転体65は含油プラスチックによって形成
され、第1回転体60と摺動部66a,66bで互いに
摺動回転可能となるように支承されている。
【0100】上記実施の形態16,17のように、第1
回転体60を永久磁石材で形成すると、第2回転体6と
の摺動部61a,bの摺動抵抗が大きく、摺動部61
a,bが摩耗してしまう。このため、摺動抵抗が変化
し、トルクが変動する。また、摩耗により、第1回転体
60とヒステリシス材10の間隙62が不均一となり、
吸引力のアンバランスを生じ、トルクが変動する。
【0101】更に摩耗が進めば、第1回転体60とヒス
テリシス材10が干渉し、以上に高いトルクが発生す
る。
【0102】そこで、実施の形態18では、第2回転体
65を潤滑性の良い含油プラスチックで形成することに
より、摺動部66a,bの摩耗が抑制され安定した摺動
特性、ひいては安定したトルクが長期に渡って得られる
という効果がある。
【0103】
【発明の効果】請求項1又は請求項3の発明によれば、
第1回転体と上記第2回転体の摺動部が1カ所のみで形
成されているので、摺動部の摩耗が抑制され、トルク変
動がなく安定したトルクが長期間得られ、装置の破損の
防止、放熱容量の増大、用途の拡大、装置の小形化、及
び装置を安価にできるなどの効果がある。
【0104】請求項2又は請求項4の発明では、第1回
転体と第2回転体の摺動部を1カ所のみで構成し、第1
回転体がシャフトに固定され、第2回転体がシャフトに
摺動部を介して支承されているので、第1回転体と第2
回転体の軸受構造が2点支持となり、摺動部の摩耗が抑
制され、トルク変動がなく安定したトルクが長期間得ら
れ、装置の破損が防止できるとともに、放熱容量が増大
し用途が拡大し、装置の小形化、低コスト化が実現でき
るなどの効果がある。
【0105】請求項5又は6の発明は、永久磁石とヒス
テリシス材の間隙に異物が侵入することを防ぐ。
【0106】請求項7の発明では、製作作業工程が簡略
化され、温度上昇による固着外れが防止される。
【0107】請求項8の発明では、摺動部の摩耗が抑制
され、安定した摺動特性、ひいては安定したトルク伝達
が長期に渡って得られる。
【0108】請求項9の発明では、永久磁石と回転体の
固着外れが防止される。
【0109】請求項10,11の発明によれば、ヒステ
リシス材を外部に露出するように構成したので、放熱容
量が増大し、装置の温度上昇が低く抑えられ、安定した
トルク性能が得られる。また、請求項11では、第1回
転体と第2回転体の摺動部を1箇所のみで形成したの
で、軸受構造が2点支持となり、摺動部の摩耗が抑制さ
れる。
【0110】請求項12の発明によれば、ヒステリシス
材の固着外れを防止することができる。
【0111】請求項13の発明は、永久磁石とヒステリ
シス材の間隙に異物が侵入することを防ぐ。
【0112】請求項14の発明によれば、製作作業工程
が簡略化され、温度上昇による固着外れが防止される。
【0113】請求項15の発明によれば、摺動部の摩耗
が抑制され、安定した摺動特性、ひいては安定したトル
ク伝達が長期に渡って得られる。
【0114】請求項16の発明によれば、永久磁石と回
転体の固着作業が省かれ、また固着外れという問題も生
じない。
【0115】請求項17の発明によれば、第1回転体又
は第2回転体を永久磁石材で形成したので、回転体と永
久磁石の接着部の外れという問題が起こらなく、永久磁
石割れもなくなり、安定したトルクが長期間得られる。
また、生産性が向上し、装置が安価にでき、装置を小型
化できる等の効果がある。
【0116】請求項18の発明によれば、複雑な回転体
形状でも製造が可能であり、装置の小型化、装置製作の
低コスト化が図れる。
【0117】請求項19の発明によれば、摺動部の摩耗
が抑制され、安定した摺動特性、ひいては安定したトル
クが長期に渡って得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるトルクリミッ
タを示す側面断面図である
【図2】 実施の形態2によるトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図3】 実施の形態3によるトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図4】 実施の形態4によるトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図5】 実施の形態5によるトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図6】 実施の形態6によるトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図7】 実施の形態7によるトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図8】 実施の形態8によるトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図9】 実施の形態9によるトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図10】 実施の形態10のトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図11】 実施の形態11のトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図12】 実施の形態12のトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図13】 実施の形態13のトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図14】 実施の形態14のトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図15】 実施の形態15のトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図16】 実施の形態16のトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図17】 実施の形態18のトルクリミッタを示す側
面断面図である。
【図18】 従来のヒステリシス式トルクリミッタを示
す断面図である。
【符号の説明】
12,20,22,25,33,35,37,4,60
第1回転体、13,36,9 永久磁石、14,2
1,23,26,28,31,34,38,50,6,
65 第2回転体、15,27,29,30,51,1
0 ヒステリシス材、16,11 間隙、17,18
摺動部、180,19,32,42 カバー、28a
凸部、29a 凹部。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石又はヒステリシス材の一方を固
    着した第1回転体と、上記永久磁石又はヒステリシス材
    の一方と所定の間隙を隔てて対向するように設けられた
    上記永久磁石又はヒステリシス材の他方と、上記永久磁
    石又はヒステリシス材の他方を固着し上記第1回転体と
    摺動回転可能に設けられた第2回転体を備えたものにお
    いて、上記第1回転体と上記第2回転体の摺動部が1カ
    所のみで形成されることを特徴とするトルクリミッタ。
  2. 【請求項2】 上記第1回転体が駆動シャフトに固定さ
    れ、上記第2回転体が上記駆動シャフトに摺動部を介し
    て支承されている請求項1記載のトルクリミッタ。
  3. 【請求項3】 外側円筒部と内側円筒部を有する第1回
    転体と、同じく外側円筒部と内側円筒部を有する第2回
    転体を備え、上記第1回転体の外側円筒部外周に設けた
    永久磁石又はヒステリシス材の一方と上記第2回転体の
    外側円筒部内周に設けた上記永久磁石又はヒステリシス
    材の他方を所定間隔を隔てて対向させ、上記第1回転体
    の内側円筒部外周と上記第2回転体の内側円筒部内周と
    の間に第1及び第2回転体の摺動部を設けたトルクリミ
    ッタ。
  4. 【請求項4】 上記第1回転体の内側円筒部内周に駆動
    シャフトが嵌合され、上記第2回転体が上記駆動シャフ
    トに摺動部を介して回転自在に支承されている請求項3
    記載のトルクリミッタ。
  5. 【請求項5】 上記第1回転体に固着され、上記永久磁
    石と上記ヒステリシス材の間隙を覆うように設けられた
    カバーを備えたことを特徴とする請求項1から請求項4
    のいずれか1項に記載のトルクリミッタ。
  6. 【請求項6】 上記第2回転体に固着され、上記永久磁
    石と上記ヒステリシス材の間隙を覆うように設けられた
    カバーを備えたことを特徴とする請求項1から請求項4
    のいずれか1項に記載のトルクリミッタ。
  7. 【請求項7】 上記第1回転体、上記第2回転体の少な
    くとも一方の回転体は合成樹脂で形成され、永久磁石ま
    たはヒステリシス材とインサート成形にて一体的に構成
    したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか
    1項に記載のトルクリミッタ。
  8. 【請求項8】 上記第1回転体又は上記第2回転体は含
    油プラスチックにより形成されることを特徴とする請求
    項1から請求項7のいずれか1項に記載のトルクリミッ
    タ。
  9. 【請求項9】 上記永久磁石が設けられる第1回転体又
    は第2回転体を、永久磁石材により一体的に形成したこ
    とを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に
    記載のトルクリミッタ。
  10. 【請求項10】 永久磁石を固着した第1回転体と、上
    記永久磁石と所定の間隙を隔てて対向するように設けら
    れたヒステリシス材と、上記ヒステリシス材を固着し上
    記第1回転体と摺動回転可能に設けられた第2回転体を
    備えたものにおいて、上記ヒステリシス材の外周部を外
    部に露出したことを特徴とするトルクリミッタ。
  11. 【請求項11】 外側円筒部と内側円筒部を有する第1
    回転体と、内側円筒部を有する第2回転体と、上記第1
    回転体の外側円筒部外周に設けられた永久磁石と、上記
    永久磁石と所定間隔を隔てて対向するように上記第2回
    転体の外周部に取り付けられたヒステリシス材と、上記
    第1回転体の内側円筒部外周と上記第2回転体の内側円
    筒部内周との間に第1及び第2回転体の摺動部を設け、
    上記ヒステリシス材の外周部を外部に露出したことを特
    徴とするトルクリミッタ。
  12. 【請求項12】 上記永久磁石又はヒステリシス材と、
    上記第1回転体又は第2回転体とに、それぞれに凹部又
    は凸部を設け、この凹部又は凸部を互いに嵌合して固着
    したことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれ
    か1項に記載のトルクリミッタ。
  13. 【請求項13】 上記第1回転体又は上記ヒステリシス
    材に固着され、上記永久磁石と上記ヒステリシス材の間
    隙を覆うように設けられたカバーを備えたことを特徴と
    する請求項10又は請求項12記載のトルクリミッタ。
  14. 【請求項14】 上記第1回転体、上記第2回転体の少
    なくとも一方の回転体は合成樹脂で形成され、永久磁石
    またはヒステリシス材とインサート成形にて一体的に構
    成したことを特徴とする請求項10から請求項13のい
    ずれか1項に記載のトルクリミッタ。
  15. 【請求項15】 上記第1回転体又は上記第2回転体は
    含油プラスチックにより形成されることを特徴とする請
    求項10から請求項14のいずれか1項に記載のトルク
    リミッタ。
  16. 【請求項16】 上記永久磁石が設けられる第1回転体
    を、永久磁石材により一体的に形成したことを特徴とす
    る請求項10から請求項15のいずれか1項に記載のト
    ルクリミッタ。
  17. 【請求項17】 永久磁石又はヒステリシス材の一方を
    設けた第1回転体と、上記永久磁石又はヒステリシス材
    の一方と所定の間隙を隔てて対向するように設けられた
    上記永久磁石又はヒステリシス材の他方と、上記永久磁
    石又はヒステリシス材の他方を設けて上記第1回転体と
    摺動回転可能に設けられた第2回転体を備えたものにお
    いて、上記永久磁石を設けた側の上記第1又は第2回転
    体を永久磁石材で一体的に形成したことを特徴とするト
    ルクリミッタ。
  18. 【請求項18】 上記永久磁石材は、プラスチック磁石
    である請求項17記載のトルクリミッタ。
  19. 【請求項19】 上記ヒステリシス材を設けた側の第1
    又は第2回転体は、含油プラスチックにより形成された
    請求項17又は請求項18記載のトルクリミッタ。
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