JPH107786A - 射出成形体 - Google Patents

射出成形体

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JPH107786A
JPH107786A JP13637196A JP13637196A JPH107786A JP H107786 A JPH107786 A JP H107786A JP 13637196 A JP13637196 A JP 13637196A JP 13637196 A JP13637196 A JP 13637196A JP H107786 A JPH107786 A JP H107786A
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JP
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molecular weight
polyalkylene oxide
molded article
injection
reaction
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JP13637196A
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English (en)
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Terunori Matsushita
輝紀 松下
Hiroshi Ito
宏 伊藤
Hiroya Kobayashi
博也 小林
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性がよく工業的に安価に効率よく製造可
能な高分子量ポリアルキレンオキサイドを含んで成る機
械的強度に優れた射出成形体を提供することである。 【解決手段】 温度150℃における溶融粘度が30〜
20,000Pa・sである数平均分子量10,000
以上の高分子量ポリアルキレンオキサイドを含んでなる
射出成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子量ポリアル
キレンオキサイドを含んでなる射出成形体に関する。該
射出成形体は、引っ張り強さに代表される機械的性質に
優れていて、水溶性を有し、種々の有機溶剤にも溶解す
るので、このような特徴を生かしたバインダー、繊維、
容器、シート、棒、パイプ、フィルム等の用途に有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から知られている射出成形体は、疎
水性を示すものが多く、疎水性の射出成形体は、廃棄の
際、焼却、埋め立て等の手段で廃棄しなければならず、
現在までに多大な環境汚染を引き起こしてきた。
【0003】そこで、そのような問題のない水溶性の射
出成形体として、ポリビニールアルコールおよびポリエ
チレンオキサイド等からなる樹脂を含むものが知られて
いる。
【0004】しかしながらポリビニルアルコールを樹脂
材料として用いた場合、酢酸エステルの加水分解が進行
すると、水溶性が低下し、水溶性が必要な用途には使用
できなくなる。さらに、ポリビニルアルコールを溶融成
形する場合、分解温度と成形温度が近く、成形が難しい
という問題がある。
【0005】また、ポリエチレンオキサイドを樹脂材料
として用いた場合、分子量の大小に関わらず水に溶解す
るが、成形加工に適している粘度範囲を有する分子量
は、約50万までの分子量を有するものである。それ以
上分子量が高くなると、溶融粘度が高くなりすぎて、現
在、工業的に使用されている成形機で成形できなくな
る。分子量約50万以上のポリアルキレンオキサイドを
成形可能な溶融粘度にするには、ポリエチレンオキサイ
ドの分解温度まで加熱しなければならないという問題が
ある。。
【0006】またポリエチレンオキサイドは、酸化エチ
レンの触媒反応にる合成方法が知られているが、その合
成法では、成形加工性に優れているとされる分子量の物
が得にくいという欠点が有る。また、酸化エチレンのよ
うな高圧ガスを使用し、触媒にアルキル亜鉛やアルキル
アルミニウムといった禁水性の化合物を使用するため、
非常に工業的に困難を要する要因が多く、実際、生産性
が著しく低いのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題点を解決するためになされたものであり、生産性良
く製造できるとともに、機械的性質に優れた水溶性のポ
リアルキレンオキサイド射出成形体を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、特定の溶融粘度を有する高分子量ポリアルキレン
オキサイドを射出成形することにより、生産性良く製造
でき機械的性質に優れた水溶性の射出成形体が得られる
ことを見いだした。
【0009】すなわち本発明は、温度150℃における
溶融粘度が30〜20,000Pa・sである数平均分
子量10,000以上の高分子量ポリアルキレンオキサ
イドを含んでなる射出成形体である。
【0010】前記射出成形体は、該成形体の引っ張り強
度が50kgf/cm2以上でかつ、該成形体の破断伸
度100%以上であることが好ましい。
【0011】また前記高分子量ポリアルキレンオキサイ
ドは、例えば数平均分子量が1,000以上の低分子量
ポリアルキレンオキサイドと鎖延長剤とを反応させて得
られるものである。
【0012】前記鎖延長剤は、多価酸無水物、多価カル
ボン酸、多価エステル、多価イソシアネートおよび多価
ブロックイソシアネートからなる群より選ばれる少なく
とも1種の鎖延長剤が好ましい。
【0013】前記射出成形体は、射出中空成形体であっ
てもよい。
【0014】前記射出成形体は、二軸延伸中空成形体で
あってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の射出成形体に使用される
高分子量ポリアルキレンオキサイドは、特定の溶融特性
が要求される。その溶融特性を温度150℃における溶
融粘度で表すと、30〜20,000Pa・sの範囲、
好ましくは50〜10,000Pa・s、より好ましく
は100〜9,000Pa・s、最も好ましくは150
〜8,000Pa・sである。溶融粘度が前述の範囲よ
り小さいと、射出成形体の強度が不足し、射出成形が不
安定になる。また、溶融粘度が前述の範囲より大きい
と、射出成形が困難になりかつ成形品も残留歪みのため
変形し易くなる。
【0016】本発明の射出成形体は、前記高分子量ポリ
アルキレンオキサイドを含む原料を、通常の射出成形機
により成形することにより製造される。前記射出成形機
の具体例として、横型射出成形機、堅型射出成形機、L
型射出成形機、吹込成形機等が挙げられる。また前記射
出成形機に使用される押出機は、単軸押出機、ベント式
押出機、多段押出成形機、二軸押出機であってもよい。
【0017】本発明の射出成形体に使用される高分子量
ポリアルキレンオキサイドを用いる場合の前記射出成形
機に使用される押出機のシリンダおよび/またはスクリ
ュー温度は特に限定はないが、通常40℃以上、好まし
くは40℃〜250℃、より好ましくは50℃〜200
℃、最も好ましくは60℃〜170℃である。押出機の
シリンダおよび/またはスクリュー温度が前述の範囲よ
り高い場合、該高分子量ポリアルキレンオキサイドが著
しく熱分解し、製品の強度低下を引き起こすため好まし
くない。また、前述の範囲より低い場合、該高分子量ポ
リアルキレンオキサイドが十分に溶融しないかまたは溶
融しても流動性が不足し、金型および/またはダイに該
高分子量ポリアルキレンオキサイドが流入しないため成
形できなくなる。
【0018】前記高分子量ポリアルキレンオキサイドを
金型を使用して成形する場合、金型の温度は、80℃以
下であれば特に限定はないが、好ましくは−20℃〜8
0℃、より好ましくは0℃〜60℃、最も好ましくは1
0℃〜50℃である。金型の温度が前述の範囲より高い
場合、該高分子量ポリアルキレンオキサイドが硬化しな
いために成形体にならない。または、硬化時間が著しく
長くなり成形体を製造する単位時間当たりの生産効率が
悪くなる。また、金型の温度が前述の範囲より低い場
合、金型に空気中の水分が結露する。該高分子量ポリア
ルキレンオキサイドのような水溶性の樹脂に水分が触れ
ると成形不良を引き起こす原因になる。また、該高分子
量ポリアルキレンオキサイドが硬化した後、金型から成
形体が剥離しにくくなる。
【0019】前記射出成形機に使用される押出機のシリ
ンダおよび/またはスクリュー温度は、原料供給用ホッ
パーから金型および/またはダイに近づくにつれて、通
常、低い温度に設定するが、同じ温度でも、逆に温度を
高くしてもよい。
【0020】本発明の射出成形体は、通常、引っ張り強
度が50kgf/cm2以上であり、好ましくは60k
gf/cm2以上、より好ましくは70kgf/cm2
最も好ましくは90kgf/cm2である。引っ張り強
度は、強ければ強いほど好ましく、引っ張り強度が前述
の範囲より小さいとき、実用上の使用は困難である。
【0021】また本発明の射出成形体は、通常、破断伸
度が100%以上であり、好ましくは300%以上、よ
り好ましくは500%以上、最も好ましくは700%で
ある。破断伸度は、大きければ大きいほど好ましく、破
断伸度が前述の範囲より小さいとき、実用上の使用は困
難である。
【0022】中でも、本発明の射出成形体は、その引っ
張り強度が50kgf/cm2以上でありかつ伸び率が
100%以上、好ましくは引っ張り強度が70kgf/
cm2以上でありかつ伸び率が200%以上、さらに好
ましくは引っ張り強度が90kgf/cm2以上であり
かつ伸び率が500%以上であるのが、実用上特に好ま
しい。
【0023】本発明の射出成形体に使用される高分子量
ポリアルキレンオキサイドの製法は特に限定されず、例
えば低分子量ポリアルキレンオキサイドを鎖延長剤で高
分子量化する製法(I)、等が挙げられる。
【0024】以下に、製法(I)について具体的に説明
する。
【0025】前記製法(I)で原料として用いられる低
分子量ポリアルキレンオキサイドは特に限定されない
が、具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ポリエピクロルヒドリンおよびこれらの共重合物等の炭
素数2〜6の脂肪族環状エーテル、または炭素数2〜6
の脂肪族グリコールから得られるものが挙げることがで
きる。これらの低分子量ポリアルキレンオキサイドは1
種または必要に応じて2種以上を混合したものでも良
い。中でも、低分子量ポリアルキレンオキサイドがポリ
エチレングリコールであるのが最も好ましい。
【0026】前記低分子量ポリアルキレンオキサイドの
数平均分子量は、通常1,000以上であれば特に問題
はなく、1,000〜100,000が好ましい。より
好ましくは、2,000〜30,000である。低分子
量ポリアルキレンオキサイドの分子量が前述の範囲より
小さいと、十分な機械的強度を有する変性高分子量ポリ
アルキレンオキサイドまで鎖延長させるのに高価な鎖延
長剤を多量に使用し、且つ、長い反応時間を必要とする
ため、非常に生産効率が悪くなる。また、低分子量ポリ
アルキレンオキサイドの分子量が前述の範囲より大きい
と、低分子量ポリアルキレンオキサイドの溶融粘度が高
くなるため、原料である低分子量ポリアルキレンオキサ
イドの仕込みが困難になるなど取り扱いに問題が生じ
る。
【0027】前記製法(I)において高分子量ポリアル
キレンオキサイドを製造する際の反応温度は、特に限定
はない。反応温度は、好ましくは70〜300℃、さら
に好ましくは80〜200℃、最も好ましくは90〜1
80℃である。反応温度が前述の範囲にあると、反応を
効率よく行うことができ、熱による変性高分子量ポリア
ルキレンオキサイドの劣化も起こりにくいので、後述の
酸化防止剤等の高価な安定化剤の使用量を必要最少量に
留めることが可能になる。
【0028】前記製法(I)において高分子量ポリアル
キレンオキサイドを製造する際の反応圧は、特に限定は
されず、使用される鎖延長剤の種類によって、適宜選択
される。
【0029】前記製法(I)で使用される鎖延長剤の使
用量は、低分子量ポリアルキレンオキサイド1モルに対
して0.1〜6.0モルであれば特に限定はなく、好ま
しくは0.2〜3.0モル、さらに好ましくは0.3〜
2.0モル、最も好ましくは、0.5〜1.5モルであ
る。特に多価イソシアナートおよび/または多価ブロッ
クイソシアナートを鎖延長剤に使用した場合の使用量
は、低分子量ポリアルキレンオキサイド1モルに対して
0.5〜6.0モルであれば特に限定はなく、好ましく
は0.7〜5.0モル、さらに好ましくは0.8〜4.
0モル、最も好ましくは、0.9〜2.5モルである。
前記鎖延長剤の低分子量ポリアルキレンオキサイドに対
する使用量が前述の範囲より小さいと、未反応の低分子
量ポリアルキレンオキサイドが生成ポリマー内に多く含
まれるため、生成した変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドの機械的強度が低下する。また、前述の範囲より
も大きいと、鎖延長剤で封鎖された低分子量ポリアルキ
レンオキサイドが反応系内に多く生成するため、反応に
おける成長因子である水酸基が反応系から消失して反応
が停止してしまう。その結果として、両末端を鎖延長剤
で封鎖された低分子量ポリアルキレンオキサイドが、生
成物中に数多く存在することになり、機械的強度が低下
する。
【0030】前記製法(I)で使用される鎖延長剤とし
ては、(1)多価酸無水物、(2)多価カルボン酸、
(3)多価エステル、(4)多価イソシアネート、
(5)エポキシ化合物、(6)シランカップリング剤等
が挙げられる。
【0031】(1)前記多価酸無水物としては、分子内
に2つ以上の酸無水物基を有するものであれば特に限定
はない。多価酸無水物の具体例としては、ブタン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸二酸無水物、二無水ピロ
メリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二酸無水物、
p−ターフェニル3,4,3’,4’−テトラカルボン
酸二酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二酸無水物、1,2,3,4−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸二酸無水物、ナフタレン−1,
4,5,8−テトラカルボン酸二酸無水物、3,4,
9,10−ペリレンテトラカルボン酸二酸無水物、2,
3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二酸
無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテト
ラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト
−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二酸無
水物等の2価酸無水物;無水マレイン酸−スチレン共重
合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレ
イン酸−塩化ビニル共重合体、無水マレイン酸−ブタジ
エン共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル
共重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体等が挙げ
らる。これらの多価酸無水物は1種または必要に応じて
2種以上を混合したものでも良い。特に、2価酸無水物
が、二無水ピロメリット酸、ブタン−1,2,3,4−
テトラカルボン酸二酸無水物から選ばれる少なくとも1
種であると、反応性および製造効率が高いためさらに好
ましい。
【0032】前記多価酸無水物を用いる場合、中和剤を
用いてもよい。該中和剤は、金属化合物、金属単体、ア
ンモニアおよびアミン類からなる群より選ばれる少なく
とも1種が添加される。
【0033】前記中和剤として用いられる金属化合物お
よび金属単体を構成する金属原子の具体例としては、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、フランシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、チタン、
ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロ
ム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニ
ウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、
ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミウム、水銀、アルミニ
ウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲル
マニウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、スカンジ
ウム等が挙げられ、これらの中から1種または2種以上
を用いてもよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、スト
ロンチウム、バリウム、クロム、マンガン、鉄、コバル
ト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、ジル
コニウムから選ばれる1種または2種以上であると比較
的取り扱いやすく、カルボン酸塩として導入されやす
く、比較的安定な塩となるため好ましい。前記中和剤と
して用いられる金属化合物としては、上記金属原子から
なる酸化物、カルボン酸塩、金属アルコキシド、炭酸
塩、水酸化物、水素化物、過酸化物、塩化物、硫酸塩、
硝酸塩、リン酸塩、亜硫酸塩、炭化物等が挙げられる。
これらの金属化合物は1種または必要に応じて2種以上
を使用したものでもよい。中でも、金属化合物が、酸化
物、炭酸塩、水酸化物、カルボン酸塩から選ばれる少な
くとも1種であると、低分子量ポリアルキレンオキサイ
ドおよび変性高分子量ポリアルキレンオキサイドに対す
る相溶性がよいため、金属を容易に導入することがで
き、安全性が高く、製造時の取り扱いが容易で、安価で
あるために好ましい。
【0034】前記中和剤としては、金属化合物でない金
属単体をそのまま使用することもできる。金属単体の具
体例として特に好ましいものとして、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム等が挙げられる。ただし、このような金
属単体を使用する場合は、空気や湿気で反応し、火災を
引き起こす危険性が高いので安全性に万全を期する必要
がある。
【0035】前記中和剤として用いられるアミン類の具
体例としては、トリメチルアミン、トリエチエルアミ
ン、トリプロピルアミン、ピリジン、ピロリジン、ピロ
ール、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアザビシク
ロ[2.2.2]オクタン、ヒドラジン、N,N−ジメ
チルシクロヘキシルアミン、エチルアミン、アニリン、
トルイジン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリ
ルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、2−エ
チルヘキシルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキ
シ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジ
イソブチルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルア
ミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、3−(ジブチル
アミノ)プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、トリ−n−オクチルアミン、tert−ブチルアミ
ン、2−ブチルアミン、ピコリン、ビニルピリジン、ピ
ペコリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等を挙げることができる。これらのアミン類は1種ま
たは必要に応じて2種以上を使用したものでも良い。中
でも、アミン類がトリエチルアミン、ピリジン、トリプ
ロピルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]
オクタン、テトラメチルエチレンジアミンから選ばれる
少なくとも1種であると、入手し易く安価であり、アミ
ン類がカルボン酸塩として導入しやすいため好ましい。
【0036】前記中和剤の使用量は、多価酸無水物1モ
ルに対して0.001〜10.0モルであれば特に限定
はなく、好ましくは0.01〜6.0モル、さらに好ま
しくは0.05〜5.0モル、最も好ましくは、0.1
〜4.0モルである。添加量が前述の範囲より多いと、
中和剤が変性高分子量ポリアルキレンオキサイド中に均
一に分散、溶解できなくなるため、変性高分子量ポリア
ルキレンオキサイドの機械的強度が低下する。また、中
和剤が少ないと、反応時間が長くなり、製造効率が低下
する。中和剤の添加量が前述の範囲よりも少ないと、中
和剤の添加効果であるpH調整効果および機械的強度を
増加させる効果が著しく低下する。中和剤の添加時期
は、変性高分子量ポリアルキレンオキサイドを合成する
に際して、反応の開始時、反応中、反応後のいつでも良
いが、反応の開始時および/または反応中に中和剤を存
在させるのが製造効率が高くなるために好ましい。中和
剤の添加の際、中和剤の分散を良くするために溶媒を用
いても構わないが、無溶媒の方が溶媒を除去する工程を
省略できるため効率がよい。
【0037】多価酸無水物を用いた場合の反応圧は、
0.003MPa以上であれば特に限定はない。反応圧
は、好ましくは0.030以上、さらに好ましくは0.
080MPa以上、最も好ましくは0.094MPa以
上である。反応圧が低すぎると、反応系は減圧状態とな
り、得られる変性高分子量ポリアルキレンオキサイド中
の水酸基等との間で、副反応である脱水反応が促進され
る。副反応が促進されると、変性高分子量ポリアルキレ
ンオキサイドのカルボキシル価が低下し、変性高分子量
ポリアルキレンオキサイドの分子間のカルボキシル基等
の凝集力が失われ、機械的強度が著しく低下する。
【0038】(2)前記多価カルボン酸としては、分子
内に2つ以上のカルボキシル基または1個の酸無水物基
を有していれば特に限定はない。
【0039】多価カルボン酸の具体例として、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピ
ロメリット酸、ダイマー酸、トリメリット酸が挙げられ
る。これらの多価カルボン酸は1種または必要に応じて
2種以上を混合したものでもよい。コハク酸、テレフタ
ル酸、フマル酸から選ばれる少なくとも1種であると反
応性および製造効率が高いため好ましい。
【0040】1個の酸無水物基を有する多価カルボン酸
の具体例として、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水
フタル酸、無水シトラコン酸、無水トリメリット酸、無
水イタコン酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸が挙げ
られる。これらの1個の酸無水物基を含む多価カルボン
酸は1種または必要に応じて2種以上を混合したもので
もよい。無水コハク酸、無水フタル酸および無水マレイ
ン酸から選ばれる群より選ばれた少なくとも1種の化合
物であると、反応性および製造効率が高いため好まし
い。
【0041】多価カルボン酸を用いた場合の反応圧は、
0.030MPa以下の減圧下で行われ、脱水反応およ
び/または脱アルコール反応によって反応が進行する。
【0042】(3)前記多価エステルとしては、分子内
に2つ以上のエステル基を有していれば特に限定はな
い。多価エステルに含まれるエステル基の具体例として
は、モノメチルエステル、ジメチルエステル、トリメチ
ルエステル、ポリメチルエステル、モノエチルエステ
ル、ジエチルエステル、トリエチルエステル、ポリエチ
ルエステル、モノプロピルエステル、ジプロピルエステ
ル、トリプロピルエステル、ポリプロピルエステル、モ
ノブチルエステル、ジブチルエステル、トリブチルエス
テル、ポリブチルエステル、モノフェニルエステル、ジ
フェニルエステル、トリフェニルエステル、ポリフェニ
ルエステル等が挙げられ、メチル基やエチル基等が一つ
の多価カルボン酸に含まれている複合のエステルであっ
てもよい。これらの多価エステルは1種または必要に応
じて2種以上を混合したものでもよい。多価エステルが
モノメチルエステル、ジメチルエステル、トリメチルエ
ステル、ポリメチルエステル、モノエチルエステル、ジ
エチルエステル、トリエチルエステル、ポリエチルエス
テル、モノプロピルエステル、ジプロピルエステル、ト
リプロピルエステル、ポリプロピルエステルから選ばれ
る少なくとも1種であると脱アルコールの反応性が高
く、製造効率が良いため好ましい。
【0043】多価エステルとして、上記の他にはリン酸
系エステル、金属エステル類および多価カーボネート等
が挙げられる。
【0044】前記リン酸系エステルの具体例としては、
リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジプロピル、
リン酸ジブチル、リン酸ジフェニル、亜リン酸ジメチ
ル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸
ジフェニル、次亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、
亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジフ
ェニルが挙げられ、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジメチ
ルおよび亜リン酸ジフェニルからなる群より選ばれる少
なくとも1種であると脱アルコールの反応性が高く、製
造効率が良いため好ましい。
【0045】前記金属エステル類を構成する金属の具体
例として、亜鉛、チタン、ジルコニウム、鉄、ニッケ
ル、カルシウム、マグネシウム、銅、ベリリウム、スト
ロンチウム、バリウム、ハフニウム、マンガン、コバル
ト、アルミニウム、すず等が挙げられ、亜鉛、チタン、
ジルコニウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウ
ムから選ばれる少なくとも1種であると取り扱いが容易
で、反応性が高く、製造効率が良いため好ましい。前記
金属エステル類を構成する置換基の具体例として、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェ
ノキシ基、ヒドロキシ基、メトキシカルボニル基、エト
キシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシ
カルボニル基、フェノキシカルボニル基、アセチルアセ
トナート基等が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、フ
ェノキシ基、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボ
ニル基、アセチルアセトナート基から選ばれる少なくと
も1種であると金属エステル類を構成する置換基の脱離
反応の反応性が高く、製造効率が良いため好ましい。
【0046】前記多価カーボネートの具体例として、炭
酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロ
ピル、炭酸ジブチル、炭酸ジフェニル等が挙げられ、炭
酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジフェニルから選ばれ
る少なくとも1種であると脱アルコールの反応性が高
く、製造効率が良いため好ましい。
【0047】前記多価エステルを用いた場合の反応圧
は、0.030MPa以下の減圧下で行われ、脱水反応
および/または脱アルコール反応によって反応が進行す
る。
【0048】(4)前記多価イソシアネートとしては、
分子内に2つ以上のイソシアネート基を有していればよ
い。多価イソシアネート基の具体例として、エチレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
ジメチルメタンジイソシアネート、ジもしくはテトラア
ルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−
ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイ
ソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート(2,4および2,6などの
各異性体)、イソホロンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネートなどのジイソシアネート類、トリレン
ジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応
物、ポリフェニルメタンポリイソシアネート等が挙げら
れる。これらの多価イソシアネートは1種または必要に
応じて2種以上を混合したものでもよい。ジイソシアネ
ート類から選ばれる少なくとも1種であるとアロファナ
ート結合の生成が最小限に抑えられるために、ゲル化が
起こりにくくなるため好ましい。
【0049】多価イソシアネートと低分子量ポリアルキ
レンオキサイドの反応に触媒を使用しても良い。反応性
が高い多価イソシアネートの場合、必ずしも使用する必
要はない。触媒の具体的な例として、オクトエ酸スズ、
N−エチルモルフォリン、ジブチルスズジラウレート、
トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル
−1,3−ブタンジアミン、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン、ナフテン酸コバルト、塩化第
1スズ、塩化第2スズ、テトラ−n−ブチルスズ、トリ
メチルスズヒドロキシド、ジメチル2塩化スズ等が挙げ
られる。これらの触媒は1種または必要に応じて2種以
上を混合したものでもよい。ジブチルスズジラウレー
ト、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンか
ら選ばれる少なくとも1種であると触媒効果が高いため
に、より少ない添加量で済むため好ましい。
【0050】前記触媒の添加量は、低分子量ポリアルキ
レンオキサイドに対して0.0001〜10.0重量%
添加すれば特に限定はなく、好ましくは0.001〜
8.0重量%、さらに好ましくは0.01〜7.0重量
%、最も好ましくは0.05〜6.0重量%である。添
加量が前述の範囲より多いと、反応速度が速くなりすぎ
て、アロファーナート結合が多くなり、ゲル化もくしは
ゲル化に近い状態になり、変性高分子量ポリアルキレン
オキサイドの機械的強度が低下してしまう。また、添加
量が前述の範囲より少ないと、反応時間が長くなり、添
加効果が低くなり、製造効率が低下する。
【0051】多価イソシアネートを用いた場合の反応圧
は、特に限定はなく、一般に、大気圧下で行われる。
【0052】(5)前記多価ブロックイソシアネートと
しては、分子内に2つ以上のブロックイソシアネート基
を有していればよい。多価ブロックイソシアネートは、
前述した多価イソシアネートのブロック化物であれば特
に限定はない。ブロック化剤は、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、フェノール、エチレン
グリコール、オキシム類等が挙げられる。これらの多価
ブロックイソシアネートは1種または必要に応じて2種
以上を混合したものでもよい。
【0053】反応性という観点からは、前記多価イソシ
アネートのフェノール、エチレングリコールおよびオキ
シム類から選ばれる少なくとも1種のブロック体が好ま
しい。また、脱ブロックして生成するアルコール類の毒
性の低いという観点からは、前記多価イソシアネートの
メタノール、エタノールおよびエチレングリコールから
選ばれる少なくとも1種のブロック体が好ましい。
【0054】多価ブロックイソシアネートと低分子量ポ
リアルキレンオキサイドの反応に触媒を使用しても良
い。反応性が高い多価ブロックイソシアネートの場合、
必ずしも使用する必要はない。前記触媒の具体的な例と
して、オクトエ酸スズ、N−エチルモルフォリン、ジブ
チルスズジラウレート、トリエチルアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ナフ
テン酸コバルト、塩化第1スズ、塩化第2スズ、テトラ
−n−ブチルスズ、トリメチルスズヒドロキシド、ジメ
チル2塩化スズ等が挙げられる。これらの触媒は1種ま
たは必要に応じて2種以上を混合したものでもよい。ジ
ブチルスズジラウレート、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタンから選ばれる少なくとも1種で
あると触媒効果が高いために、より少ない添加量で済む
ため好ましい。
【0055】前記触媒の添加量は、低分子量ポリアルキ
レンオキサイドに対して0.0001〜10.0重量%
添加すれば特に限定はなく、好ましくは0.001〜
8.0重量%、さらに好ましくは0.01〜7.0重量
%、最も好ましくは0.05〜6.0重量%である。添
加量が前述の範囲より多いと、反応速度が速くなりすぎ
て、アロファーナート結合が多くなり、ゲル化もくしは
ゲル化に近い状態になり、高分子量ポリアルキレンオキ
サイドの機械的強度が低下してしまう。また、添加量が
前述の範囲より少ないと、反応時間が長くなり、添加効
果が低くなり、製造効率が低下する。
【0056】多価ブロックイソシアネートを用いた場合
の反応圧は、0.013MPa以下の減圧下で行われ、
脱ブロック化反応によって反応が進行する。反応圧は、
好ましくは0.007以下、さらに好ましくは0.00
13MPa以下、最も好ましくは0.0006MPa以
下である。反応圧が、前述の範囲より高いと、脱ブロッ
ク化で脱離するアルコール化合物およびオキシムが効率
よく除去できないために、変性高分子量ポリアルキレン
オキサイドの分子量が十分な分子量に高分子量化される
までの反応時間が長くなり生産効率が低下する。また、
オキシムブロックイソシアネート類のだつブロック化
は、大気圧下での反応が可能であるが、オキシム化合物
は、毒性が強いため、減圧除去が望ましい。
【0057】前記製法(I)で高分子量ポリアルキレン
オキサイドを製造する際には、高粘度用反応装置を用い
て反応を行うと、さらに容易に効率良く製造することが
できるため好ましい。 高粘度用反応装置の具体例とし
ては、変形翼を連ねた攪拌軸を並べて配置した横型二軸
混練装置、並べて配置された2本の攪拌軸と前記攪拌軸
に位相を変形させて組み込まれた凸レンズ形状のパドル
とを有するセルフクリーニング型の横型二軸混練装置、
格子状の翼を連ねた軸無し構造の攪拌部を並べて配置し
た横型二軸混練装置、内側に配置された板状攪拌翼と、
前記板状攪拌翼の外側に同芯状に配置された変形螺旋状
翼とを有する縦型混練装置、逆円錐リボン翼を有する縦
型混練装置、ねじり格子状の翼を連ねた軸無し構造の攪
拌翼を有する縦型混練装置一軸または二軸押し出し機、
排出用の一軸または二軸押し出し機を備えている変形翼
を連ねた攪拌軸を並べて配置した横型二軸混練装置等が
挙げられる。
【0058】製法(I)で高分子量ポリアルキレンオキ
サイドの製造する際には、反応初期においては低粘度で
あるが、反応後期になると分子量とともに粘度も上昇し
て攪拌が困難になるのを防ぐために、溶媒を使用しても
よい。反応溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、炭酸エチレン、炭酸プロピル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、テトラヒ
ドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、アセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロ
ピルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、アセトニトリル、ピリジン、ジメ
チルホルムアミド、エチレンジアミン、プロピレンジア
ミン等を挙げることができる。これらの反応溶媒の1種
または必要に応じて2種以上を混合したものを使用して
もよい。
【0059】本発明の射出成形体は、温度150℃にお
ける溶融粘度が30〜20,000Pa・sである数平
均分子量10,000以上の高分子量ポリアルキレンオ
キサイドを含んでいれば、その形状は問わない。具体的
には、フィルム状成形体、板状成形体、棒状成形体、容
器状成形体等の種々の形状が挙げられる。
【0060】また、本発明の射出成形体を得るための製
造方法は特に限定はないが、例えば前記高分子量ポリア
ルキレンオキサイドを通常の押し出し機で溶融させ、金
型やダイ等に前記高分子量ポリアルキレンオキサイドを
前記押し出し機へ圧入する工程を含む方法等が挙げられ
る。
【0061】本発明に係る射出成形体を製造するため
に、前記高分子量ポリアルキレンオキサイドを使用する
に際しては、必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、紫外
線吸収剤等の他滑剤、ワックス類、着色剤、結晶核剤、
補強繊維等を添加してもよい。本発明の射出成形体は、
引っ張り強度、引っ張り破断伸度等に代表される機械的
性質に優れていて、水溶性を有し、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプ
ロピルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、カルビトール、ブチルセロソルブ、酢酸、ア
セトニトリル、ピリジン、ジメチルホルムアミド、アセ
トアルデヒド、エチレンジアミン、プロピレンジアミン
等の種々の有機溶剤にも溶解するという特徴を有してい
る。 また本発明の射出成形体は、前述のとおり、水に
溶解する特徴を有している。したがって、該射出成形体
を使用後に処理する際、水に溶解させて処理することが
可能である。
【0062】本発明の射出成形体は、射出中空成形体で
あってもよい。その場合も前記高分子量ポリアルキレン
オキサイドの溶融粘度が前述の範囲より小さいと、有底
パリソンのコアからの離型性が悪く良好な肉厚製品が得
られず、また、溶融粘度が前述の範囲より大きいと、外
観が良好な有底パリソンが得られない。
【0063】前記射出中空成形体は、前記の高分子量ポ
リアルキレンオキサイドを主成分とする原料を、射出中
空成形法、サンドイッチ射出中空成形法等によって中空
製品化することにより得られる。射出中空成形の場合、
可塑化される有底パリソン樹脂温度は90〜240℃で
ある。好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは
110〜180℃である。融点付近では樹脂が充分に可
塑化されず未溶融となることや、有底パリソンの肌荒れ
現象およびブロー時の延伸性がなく良好な製品形状が得
られないなどの不都合が発生する。また、可塑化される
有底パリソン樹脂温度が前述の範囲を超えると有底パリ
ソンのコアからの離型性が悪くなり不都合がある。
【0064】前記射出中空成形体は、ボトル状成形体等
の種々の形状に成形される。本発明の射出中空成形体
は、引っ張り強度、引っ張り破断伸度に代表される機械
的性質に優れていて、水溶性を有し、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプ
ロピルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、カルビトール、ブチルセロソルブ、酢酸、ア
セトニトリル、ピリジン、ジメチルホルムアミド、アセ
トアルデヒド、エチレンジアミン、プロピレンジアミン
等の種々の有機溶剤にも溶解するという特徴を有してい
る。前記射出中空成形体は、前述のとおり、水に溶解す
る特徴を有している。したがって、該射出中空成形体を
使用後に処理する際、水に溶解させて処理することが可
能である。
【0065】本発明の射出成形体は、二軸延伸射出中空
成形体であってもよい。その場合も前記高分子量ポリア
ルキレンオキサイドの溶融粘度が前述の範囲より小さい
と、有底パリソンのコアからの離型性が悪く良好な肉厚
製品が得られず、また、溶融粘度が前述の範囲より大き
いと、外観が良好な有底パリソンが得られない。
【0066】前記二軸延伸射出中空成形体は、前記の高
分子量ポリアルキレンオキサイドを主成分とする原料
を、二軸延伸中空成形法による射出延伸中空成形法・押
出延伸中空成形法・コールドパリソン延伸中空成形法等
によって中空製品化することにより得られる。二軸延伸
中空成形の場合、可塑化される有底パリソン樹脂温度は
10〜150℃である。好ましくは20〜120℃、さ
らに好ましくは30〜100℃である。融点以上では延
伸効果が発現しない。また、結晶化温度以下では有底パ
リソンを延伸した場合均一に伸びず良好な肉厚製品が得
られない。
【0067】前記二軸延伸中空成形体は、ボトル状成形
体等の種々の形状に成形される。本発明の二軸延伸中空
成形体は、引っ張り強度、引っ張り破断伸度に代表され
る機械的性質に優れていて、水溶性を有し、ベンゼン、
トルエン、キシレン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、
メチルプロピルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、カルビトール、ブチルセロソルブ、
酢酸、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルホルムアミ
ド、アセトアルデヒド、エチレンジアミン、プロピレン
ジアミン等の種々の有機溶剤にも溶解するという特徴を
有している。本発明の二軸延伸中空成形体は、前述のと
おり、水に溶解する特徴を有している。したがって、該
二軸延伸中空成形体を使用後に処理する際、水に溶解さ
せて処理することが可能である。
【0068】また本発明の射出成形体は、前記で例示し
た射出中空成形体および二軸延伸中空成形体のほかに、
インサート成形、射出圧縮成形、2色成形、サンドイッ
チ成形、成形同時印刷システム等の成形方法により得ら
れた成形体であってもよい。
【0069】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。なお、例中の「部」は「重量部」を表す。実施例
で実施した評価方法は以下の通りである。
【0070】(分子量)ゲルパーミエーションクロマト
グラフを用いてポリスチレン換算の数平均分子量を測定
した。
【0071】(溶融粘度)溶融粘度は、島津製作所製フ
ローテスター(型式:CFT−500C)を使用して測
定した。測定条件は、150℃、定温法、シリンダ圧力
30kgf/cm2である。また、ダイは、L:1.0
0mm、D:0.50mmを使用した。
【0072】射出成形体 (実施例A1)300リットルニーダーに数平均分子量
13,000のポリエチレングリコール100kgおよ
び二無水ピロメリット酸1.66kg仕込み、150℃
の反応条件で鎖延長反応を30分行った。得られた変性
高分子量ポリアルキレンオキサイドの数平均分子量は8
4,000であった。温度150℃における溶融粘度
は、213Pa・sであった。
【0073】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを成形温度140℃で、射出成形機を用いて射出
成形体を製造した。得られた射出成形体の引っ張り強度
を測定したところ、引っ張り強度123kgf/c
2、破断伸度1,021%であった。
【0074】(実施例A2〜A5)ポリエチレングリコ
ールの分子量および反応温度を変えた以外は、実施例A
1と同様に行った。結果をまとめて表1に示した。
【0075】(実施例A6〜A8)中和剤を加えた以外
は、実施例A2〜A5と同様に行った。結果をまとめて
表1に示した。
【0076】(実施例A9、A10)多価酸無水物を変
えた以外は、実施例A1と同様に行った。結果をまとめ
て表1に示した。
【0077】
【表1】
【0078】(実施例A11)500リットルの反応器
に数平均分子量20,000のポリエチレングリコール
100kgおよびテレフタル酸0.87kg仕込み、
0.0004MPa、140℃の反応条件で鎖延長反応
を5時間行った。得られた変性高分子量ポリアルキレン
オキサイドの数平均分子量は95,000であった。温
度150℃における溶融粘度は、225Pa・sであっ
た。
【0079】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを成形温度130℃で、射出成形機を用いて射出
成形体を製造した。得られた射出成形体の引っ張り強度
を測定したところ、引っ張り強度126kgf/c
2、破断伸度813%であった。
【0080】(実施例A12〜A15)ポリエチレング
リコールの分子量、多価カルボン酸および反応温度を変
えた以外は、実施例A11と同様に行った。結果をまと
めて表2に示した。
【0081】(実施例A16)500リットルの反応器
に数平均分子量15,000のポリエチレングリコール
100kgおよびテレフタル酸ジメチル1.31kg仕
込み、0.0004MPa、130℃の反応条件で鎖延
長反応を5時間行った。得られた変性高分子量ポリアル
キレンオキサイドの数平均分子量は134,000であ
った。温度150℃における溶融粘度は、313Pa・
sであった。
【0082】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを成形温度130℃で、射出成形機を用いて射出
成形体を製造した。得られた射出成形体の引っ張り強度
を測定したところ、引っ張り強度122kgf/c
2、破断伸度657%であった。
【0083】(実施例A17〜A20)ポリエチレング
リコールの分子量、多価エステルおよび反応温度を変え
た以外は、実施例A16と同様に行った。結果をまとめ
て表2に示した。
【0084】
【表2】
【0085】(実施例A21)300リットルニーダー
に数平均分子量15,000のポリエチレングリコール
100kg、ヘキサメチレンジイソシアネート1.25
kgおよびジブチルスズジラウレート200g仕込み、
120℃の反応条件で鎖延長反応を20分間行った。得
られた変性高分子量ポリアルキレンオキサイドの数平均
分子量は112,000であった。温度150℃におけ
る溶融粘度は、345Pa・sであった。
【0086】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを成形温度140℃で、射出成形機を用いて射出
成形体を製造した。得られた射出成形体の引っ張り強度
を測定したところ、引っ張り強度221kgf/c
2、破断伸度715%であった。
【0087】(実施例A22〜A25)ポリエチレング
リコールの分子量、多価イソシアネート、触媒および反
応温度を変えた以外は、実施例A21と同様に行った。
結果をまとめて表3に示した。
【0088】
【表3】
【0089】(実施例A26)300リットルニーダー
に数平均分子量20,000のポリエチレングリコール
100kg、ビス(2−ヒドロキシエチル)ヘキサメチ
レンジカルバメート2.94kgおよびジブチルスズジ
ラウレート210g仕込み、0.0001MPa、15
0℃の反応条件で鎖延長反応を7時間行った。得られた
変性高分子量ポリアルキレンオキサイドの数平均分子量
は136,000であった。温度150℃における溶融
粘度は、354Pa・sであった。
【0090】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを成形温度140℃で、射出成形機を用いて射出
成形体を製造した。得られた射出成形体の引っ張り強度
を測定したところ、引っ張り強度129kgf/c
2、破断伸度1,228%であった。
【0091】(実施例A27〜A30)ポリエチレング
リコールの分子量、多価ブロックイソシアネートおよび
反応温度を変えた以外は、実施例A26と同様に行っ
た。結果をまとめて表4に示した。
【0092】
【表4】
【0093】射出中空成形体 (実施例B1)300リットルニーダーに数平均分子量
20,000のポリエチレングリコール100kgおよ
び二無水ピロメリット酸1.10kg仕込み、130℃
の反応条件で鎖延長反応を60分行った。得られた変性
高分子量ポリアルキレンオキサイドの数平均分子量は1
43,000であった。温度150℃における溶融粘度
は、473Pa・sであった。
【0094】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを射出中空成形機により、製品平均肉厚0.5m
m、容量200mlの円筒容器を成形した。有底パリソ
ン樹脂温度は110℃、130℃、150℃、割金型温
度は20℃、ブロー圧力は5kgf/cm2、冷却時間
は30秒にて行った。
【0095】得られた射出中空成形体の引っ張り強度を
測定したところ、引っ張り強度125kgf/cm2
破断伸度1,830%であった。
【0096】(実施例B2〜B5)ポリエチレングリコ
ールの分子量および反応温度を変えた以外は、実施例B
1と同様に行った。結果をまとめて表5に示した。
【0097】(実施例B6〜B8)中和剤を加えた以外
は、実施例B2〜B5と同様に行った。結果をまとめて
表5に示した。
【0098】(実施例B9、B10)多価酸無水物を変
えた以外は、実施例B1と同様に行った。結果をまとめ
て表5に示した。
【0099】
【表5】
【0100】(実施例B11)500リットルの反応器
に数平均分子量4,000のポリエチレングリコール1
00kgおよびテレフタル酸4.10kg仕込み、0.
0001MPa、150℃の反応条件で鎖延長反応を8
時間行った。得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドの数平均分子量は58,000であった。温度1
50℃における溶融粘度は、78Pa・sであった。
【0101】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを射出中空成形機により、製品平均肉厚0.5m
m、容量200mlの円筒容器を成形した。有底パリソ
ン樹脂温度は110℃、130℃、150℃、割金型温
度は20℃、ブロー圧力は5kgf/cm2、冷却時間
は30秒にて行った。
【0102】得られた射出中空成形体の引っ張り強度を
測定したところ、引っ張り強度122kgf/cm2
破断伸度433%であった。
【0103】(実施例B12〜B15)ポリエチレング
リコールの分子量、多価カルボン酸および反応温度を変
えた以外は、実施例B11と同様に行った。結果をまと
めて表6に示した。
【0104】(実施例B16)500リットルの反応器
に数平均分子量4,000のポリエチレングリコール1
00kgおよびテレフタル酸ジメチル4.85kg仕込
み、0.0001MPa、150℃の反応条件で鎖延長
反応を8時間行った。得られた変性高分子量ポリアルキ
レンオキサイドの数平均分子量は144,000であっ
た。温度150℃における溶融粘度は、530Pa・s
であった。
【0105】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを射出中空成形機により、製品平均肉厚0.5m
m、容量200mlの円筒容器を成形した。有底パリソ
ン樹脂温度は110℃、130℃、150℃、割金型温
度は20℃、ブロー圧力は5kgf/cm2、冷却時間
は30秒にて行った。
【0106】得られた射出中空成形体の引っ張り強度を
測定したところ、引っ張り強度131kgf/cm2
破断伸度1,616%であった。
【0107】(実施例B17〜B20)ポリエチレング
リコールの分子量、多価エステルおよび反応温度を変え
た以外は、実施例B16と同様に行った。結果をまとめ
て表6に示した。
【0108】
【表6】
【0109】(実施例B21)300リットルニーダー
に数平均分子量4,000のポリエチレングリコール1
00kg、ヘキサメチレンジイソシアネート8.13k
gおよびジブチルスズジラウレート210g仕込み、1
30℃の反応条件で鎖延長反応を15分間行った。得ら
れた変性高分子量ポリアルキレンオキサイドの数平均分
子量は93,000であった。温度150℃における溶
融粘度は、562Pa・sであった。
【0110】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを射出中空成形機により、製品平均肉厚0.5m
m、容量200mlの円筒容器を成形した。有底パリソ
ン樹脂温度は110℃、130℃、150℃、割金型温
度は20℃、ブロー圧力は5kgf/cm2、冷却時間
は30秒にて行った。
【0111】得られた射出中空成形体の引っ張り強度を
測定したところ、引っ張り強度342kgf/cm2
破断伸度217%であった。
【0112】(実施例B22〜B25)ポリエチレング
リコールの分子量、多価イソシアネートおよび反応温度
を変えた以外は、実施例B21と同様に行った。結果を
まとめて表7に示した。
【0113】
【表7】
【0114】(実施例B26)300リットルニーダー
に数平均分子量20,000のポリエチレングリコール
100kg、ビス(2−ヒドロキシエチル)ヘキサメチ
レンジカルバメート2.91kgおよびジブチルスズジ
ラウレート450g仕込み、0.0003MPa、15
0℃の反応条件で鎖延長反応を7時間行った。得られた
変性高分子量ポリアルキレンオキサイドの数平均分子量
は148,000であった。温度150℃における溶融
粘度は、483Pa・sであった。
【0115】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを射出中空成形機により、製品平均肉厚0.5m
m、容量200mlの円筒容器を成形した。有底パリソ
ン樹脂温度は110℃、130℃、150℃、割金型温
度は20℃、ブロー圧力は5kgf/cm2、冷却時間
は30秒にて行った。
【0116】得られた射出中空成形体の引っ張り強度を
測定したところ、引っ張り強度124kgf/cm2
破断伸度1,402%であった。
【0117】(実施例B27〜B30)ポリエチレング
リコールの分子量、多価ブロックイソシアネートおよび
反応温度を変えた以外は、実施例B26と同様に行っ
た。結果をまとめて表8に示した。
【0118】
【表8】
【0119】二軸延伸中空成形体 (実施例C1)300リットルニーダーに数平均分子量
8,000のポリエチレングリコール100kgおよび
二無水ピロメリット酸2.68kg仕込み、150℃の
反応条件で鎖延長反応を40分行った。得られた変性高
分子量ポリアルキレンオキサイドの数平均分子量は9
1,000であった。温度150℃における溶融粘度
は、123Pa・sであった。
【0120】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを射出延伸中空成形機により、製品平均肉厚0.
5mm、容量500mlの円筒容器を成形した。有底パ
リソン樹脂温度は50℃、70℃、90℃、延伸倍率は
縦、横2倍、製品金型温度は20℃、ブロー圧力は25
kgf/cm2、冷却時間は30秒にて行った。
【0121】得られた二軸延伸中空成形体の引っ張り強
度を測定したところ、引っ張り強度126kgf/cm
2、破断伸度987%であった。
【0122】(実施例C2〜C5)ポリエチレングリコ
ールの分子量および反応温度を変えた以外は、実施例C
1と同様に行った。結果をまとめて表9に示した。
【0123】(実施例C6〜C8)中和剤を加えた以外
は、実施例C2〜C5と同様に行った。結果をまとめて
表9に示した。
【0124】(実施例C9、C10)多価酸無水物を変
えた以外は、実施例C1と同様に行った。結果をまとめ
て表9に示した。
【0125】
【表9】
【0126】(実施例C11)500リットルの反応器
に数平均分子量15,000のポリエチレングリコール
100kgおよびテレフタル酸1.11kg仕込み、
0.0003MPa、130℃の反応条件で鎖延長反応
を10時間行った。得られた変性高分子量ポリアルキレ
ンオキサイドの数平均分子量は83,000であった。
温度150℃における溶融粘度は、96Pa・sであっ
た。
【0127】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを射出延伸中空成形機により、製品平均肉厚0.
5mm、容量500mlの円筒容器を成形した。有底パ
リソン樹脂温度は50℃、70℃、90℃、延伸倍率は
縦、横2倍、製品金型温度は20℃、ブロー圧力は25
kgf/cm2、冷却時間は30秒にて行った。
【0128】得られた二軸延伸中空成形体の引っ張り強
度を測定したところ、引っ張り強度124kgf/cm
2、破断伸度893%であった。
【0129】(実施例C12〜C15)ポリエチレング
リコールの分子量、多価カルボン酸および反応温度を変
えた以外は、実施例C11と同様に行った。結果をまと
めて表10に示した。
【0130】(実施例C16)500リットルの反応器
に数平均分子量10,000のポリエチレングリコール
100kgおよびテレフタル酸ジメチル1.92kg仕
込み、0.0002MPa、150℃の反応条件で鎖延
長反応を7時間行った。得られた変性高分子量ポリアル
キレンオキサイドの数平均分子量は117,000であ
った。温度150℃における溶融粘度は、283Pa・
sであった。
【0131】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを射出延伸中空成形機により、製品平均肉厚0.
5mm、容量500mlの円筒容器を成形した。有底パ
リソン樹脂温度は50℃、70℃、90℃、延伸倍率は
縦、横2倍、製品金型温度は20℃、ブロー圧力は25
kgf/cm2、冷却時間は30秒にて行った。
【0132】得られた二軸延伸中空成形体の引っ張り強
度を測定したところ、引っ張り強度126kgf/cm
2、破断伸度1,218%であった。
【0133】(実施例C17〜C20)ポリエチレング
リコールの分子量、多価エステルおよび反応温度を変え
た以外は、実施例C16と同様に行った。結果をまとめ
て表10に示した。
【0134】
【表10】
【0135】(実施例C21)300リットルニーダー
に数平均分子量20,000のポリエチレングリコール
100kg、ヘキサメチレンジイソシアネート1.65
kgおよびジブチルスズジラウレート329g仕込み、
100℃の反応条件で鎖延長反応を25分間行った。得
られた変性高分子量ポリアルキレンオキサイドの数平均
分子量は73,000であった。温度150℃における
溶融粘度は、234Pa・sであった。得られた変性高
分子量ポリアルキレンオキサイドを射出中空成形機によ
り、製品平均肉厚0.5mm、容量200mlの円筒容
器を成形した。有底パリソン樹脂温度は110℃、13
0℃、150℃、割金型温度は20℃、ブロー圧力は5
kgf/cm2、冷却時間は30秒にて行った。
【0136】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを射出延伸中空成形機により、製品平均肉厚0.
5mm、容量500mlの円筒容器を成形した。有底パ
リソン樹脂温度は50℃、70℃、90℃、延伸倍率は
縦、横2倍、製品金型温度は20℃、ブロー圧力は25
kgf/cm2、冷却時間は30秒にて行った。
【0137】得られた二軸延伸中空成形体の引っ張り強
度を測定したところ、引っ張り強度316kgf/cm
2、破断伸度357%であった。
【0138】(実施例C22〜C25)ポリエチレング
リコールの分子量、多価イソシアネートおよび反応温度
を変えた以外は、実施例C21と同様に行った。結果を
まとめて表11に示した。
【0139】
【表11】
【0140】(実施例C26)300リットルニーダー
に数平均分子量15,000のポリエチレングリコール
100kg、ビス(2−ヒドロキシエチル)ヘキサメチ
レンジカルバメート2.22kgおよびジブチルスズジ
ラウレート316g仕込み、0.0002MPa、15
0℃の反応条件で鎖延長反応を6時間行った。得られた
変性高分子量ポリアルキレンオキサイドの数平均分子量
は133,000であった。温度150℃における溶融
粘度は、388Pa・sであった。
【0141】得られた変性高分子量ポリアルキレンオキ
サイドを射出延伸中空成形機により、製品平均肉厚0.
5mm、容量500mlの円筒容器を成形した。有底パ
リソン樹脂温度は50℃、70℃、90℃、延伸倍率は
縦、横2倍、製品金型温度は20℃、ブロー圧力は25
kgf/cm2、冷却時間は30秒にて行った。
【0142】得られた二軸延伸中空成形体の引っ張り強
度を測定したところ、引っ張り強度125kgf/cm
2、破断伸度1,654%であった。
【0143】(実施例C27〜C30)ポリエチレング
リコールの分子量、多価ブロックイソシアネートおよび
反応温度を変えた以外は、実施例C26と同様に行っ
た。結果をまとめて表12に示した。
【0144】
【表12】
【0145】(比較例1)分子量10,000のAld
rich製試薬の純粋なポリアルキレンオキサイドの温
度150℃における溶融粘度は、350Pa・sであっ
た。
【0146】上記高分子量ポリアルキレンオキサイドを
実施例A1、実施例B1および実施例C1と同じ成形条
件で成形したが、充分な強度を保有する成形体を得るこ
とができなかった。
【0147】(比較例2)分子量900,000のAl
drich製試薬の純粋なポリアルキレンオキサイドの
温度150℃における溶融粘度は、86,000Pa・
sであった。
【0148】上記高分子量ポリアルキレンオキサイドを
実施例A1、実施例B1および実施例C1と同じ成形条
件での成形を試みたが、流動性が不足し、成形体を得る
ことができなかった。
【0149】
【発明の効果】本発明の射出成形体は、引っ張り強度、
引っ張り破断伸度等の機械的性質に優れていて、水溶性
を有し、種々の有機溶剤にも溶解するという特徴を有し
ている。
【0150】さらに、本発明の射出成形体は、原料ポリ
マーの成形加工性が良好であるため、フィルム状成形
体、板状成形体、棒状成形体、容器状成形体、ボトル状
成形体等の種々の形状の成形体が工業的に安価に得られ
る。
【0151】また本発明の射出成形体は、使用後に廃棄
処理する場合、水に溶解させて簡便に処理することが可
能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度150℃における溶融粘度が30〜
    20,000Pa・sである数平均分子量10,000
    以上の高分子量ポリアルキレンオキサイドを含んでなる
    射出成形体。
  2. 【請求項2】 前記高分子量ポリアルキレンオキサイド
    が、数平均分子量が1,000以上の低分子量ポリアル
    キレンオキサイドと鎖延長剤とを反応させて得られたも
    のである請求項1に記載の射出成形体。
  3. 【請求項3】 成形体の引っ張り強度が50kgf/c
    2以上でかつ成形体の破断伸度100%以上である請
    求項1または2に記載の射出成形体。
  4. 【請求項4】 前記射出成形体が、射出中空成形体であ
    る請求項1から3のいずれか1項に記載の射出成形体。
  5. 【請求項5】 前記射出成形体が、二軸延伸中空成形体
    である請求項1から3のいずれか1項に記載の射出成形
    体。
JP13637196A 1996-04-25 1996-05-30 射出成形体 Pending JPH107786A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013082949A (ja) * 2005-08-26 2013-05-09 Nippon Shokubai Co Ltd ポリアルキレンオキシド系樹脂材料の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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