JPH1077841A - 冷却装置用バルブ - Google Patents

冷却装置用バルブ

Info

Publication number
JPH1077841A
JPH1077841A JP23094696A JP23094696A JPH1077841A JP H1077841 A JPH1077841 A JP H1077841A JP 23094696 A JP23094696 A JP 23094696A JP 23094696 A JP23094696 A JP 23094696A JP H1077841 A JPH1077841 A JP H1077841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling water
heat storage
cooling
passage
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP23094696A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimitsu Inoue
美光 井上
Toshio Morikawa
敏夫 森川
Shinji Aoki
青木  新治
Hikari Sugi
光 杉
Kazuki Suzuki
和貴 鈴木
Hiroyuki Fukunaga
博之 福永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP23094696A priority Critical patent/JPH1077841A/ja
Publication of JPH1077841A publication Critical patent/JPH1077841A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Temperature-Responsive Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両への組付け性を向上させつつ、製造原価
上昇を抑制した冷却装置用バルブを提供する。 【解決手段】 エンジン負荷に応じて作動する負荷応答
型流量制御弁4、サーモスタット5、および水路の流路
切換えや流量調整を行う流量制御弁7を1つのハウジン
グ81に収納する。これにより、冷却装置の冷却水回路
が単純になるので、配管や配管を接続するジュイント等
の部品点数の低減を図ることができる。したがって、車
両への組付け性が向上するので、冷却装置の製造原価低
減を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水冷式内燃機関
(以下、エンジンと呼ぶ。)の冷却装置に関するもの
で、特にエンジンの暖機促進を図ることにより、燃費の
向上および排気ガス中の有害物質の低減を図ったもので
ある。
【0002】
【従来の技術】発明者等は、燃費の向上および排気ガス
中の有害物質の低減を図るべく、すでに特願平7−61
834を出願している。具体的には、暖機運転時などの
エンジン負荷が小さい(エンジンの吸入負圧が大きい)
ときには、エンジン冷却水を保温貯蔵する蓄熱タンクと
エンジンとの間で多くの冷却水を循環させ、一方、エン
ジン負荷が大きい(エンジンの吸入負圧が小さい)とき
には、ラジエータとエンジンとの間で多くの冷却水を循
環させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記出願に記
載の考案では、エンジン負荷(エンジンの吸入負圧)を
検出する負荷検出手段、冷却水路を切り換えるサーモス
タットなどの流路切換手段、および蓄熱タンク間を結ぶ
冷却水回路が複雑になるので、部品点数が増加してしま
い、車両への組付け性の低下および冷却装置の製造原価
上昇を招いてしまう。
【0004】本発明は、上記点に鑑み、車両への組付け
性を向上させつつ、製造原価上昇を抑制した冷却装置用
バルブを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項1〜
5に記載の発明では、水冷式内燃機関(1)から流出し
た冷却水を水冷式内燃機関(1)に還流させる第1冷却
水路(102)と、ラジエータ(2)にて冷却された冷
却水を水冷式内燃機関(1)に還流させる第2冷却水路
(104)と、水冷式内燃機関(1)から流出した冷却
水を蓄熱タンク(6)に導く蓄熱流入水路(106)
と、蓄熱タンク(6)から流出した冷却水を水冷式内燃
機関(1)に導く蓄熱流出水路(105)と、第1冷却
水路()および蓄熱流入水路(106)の流量を水冷式
内燃機関(1)に応じて制御する負荷応答型流量制御弁
(4)の流量制御弁体(41)と、第2冷却水路(10
4)の連通状態を制御する弁体(54)と、この弁体
(54)を作動させる感温作動部材(54)とが冷却装
置用バルブのハウジング(81)内に配設されているこ
とを特徴とする。
【0006】これにより、冷却装置の冷却水回路が単純
になるので、配管や配管を接続するジュイント等の部品
点数の低減を図ることができる。したがって、車両への
組付け性が向上するので、冷却装置の製造原価低減を図
ることができる。請求項2に記載の発明では、径寸法よ
り軸方向寸法の方が大きい円筒状のワックスボックス
(51)は、その円筒軸方向が第1冷却水路(102)
内の冷却水流れに対して交差するように配設されている
ことを特徴とする。
【0007】これにより、冷却水が直接ワックスボック
ス51に衝突する部位の面積が、ワックスボックス51
の円筒軸方向端部51b側からワックスボックス51に
衝突させる場合に比べて大きくなる。したがって、サー
モスタット5の作動(開弁作動)を速やかに行わせるこ
とができるので、エンジン1の負荷が上昇したときに、
速やかに冷却水を冷却することができる。延いては、排
気ガス中の有害物質の低減および燃費の向上を図ること
ができる。
【0008】請求項3に記載の発明では、蓄熱流入水路
(106)を流通する冷却水をワックスボックス(5
1)の円筒軸方向端部(51b)側に導くバイパス路
(107)がハウジング(81)内に形成されているこ
とを特徴とする。これにより、後述するように、暖機運
転完了後の水冷式内燃機関(1)の負荷が小さいとき
に、暖機運転完了後の水冷式内燃機関(1)の負荷が高
いときに比べて冷却水温度を高い温度で一定に保つこと
ができる。したがって、水冷式内燃機関(1)の負荷が
小さいときであっても、排気ガス中の有害物質の低減お
よび燃費の向上を図ることができる。
【0009】請求項4に記載の発明では、第1冷却水路
(102)内を流通する冷却水をワックスボックス(5
1)の円筒側面(51a)に向けて偏向させる偏向壁
(83)がハウジング(81)に形成されていることを
特徴とする。これにより、ワックスボックス51の円筒
側面51aに、第1冷却水路102内を流通する冷却水
をより多く衝突させることができる。したがって、上記
発明に比べて、より速やかに冷却水を冷却することがで
きる。
【0010】請求項5に記載の発明では、ハウジング
(81)は、蓄熱タンク(6)の流入口(6b)および
流出口(6c)が形成されている管状の突出部(6d)
全体を覆う形状に形成されている。これにより、ハウジ
ング(81)は突出部(6d)全体を覆って蓄熱タンク
(6)と一体的になるので、蓄熱タンク(6)と冷却装
置用バルブ(8)とを同時に車両へ組付けることができ
る。したがって、組付け工数の低減を図ることができる
ので、組付け性が向上し、さらに冷却装置の製造原価低
減を図ることができる。
【0011】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施の形
態について説明する。 (第1実施形態)図1は、車両用の水冷式内燃機関(以
下、エンジンと呼ぶ。)1の冷却水回路、およびエンジ
ン1の冷却水を熱源として車室内を暖房する空調装置の
暖房用冷却水回路を示している。2はエンジン1から流
出した冷却水を冷却するラジエータであり、3は、エン
ジン1から駆動力を得て冷却水を循環させるウォータポ
ンプである。
【0013】そして、エンジン1からラジエータ2に至
る主冷却水路100には、ラジエータ2を迂回するバイ
パス冷却水路101が形成されており、このバイパス冷
却水路101は、さらに第1冷却水路102と蓄熱タン
ク水路103とに分岐している。また、第1冷却水路1
02と蓄熱タンク水路103との分岐部位には、エンジ
ン1の負荷の増加に応じて第1冷却水路102に流通さ
せる冷却水量を増加させるとともに、エンジン1の負荷
の増加に応じて後述する蓄熱流出水路105に流通させ
る冷却水量を減少させる負荷応答型流量制御弁4が配設
されており、この負荷応答型流量制御弁4は、後述する
ように、エンジン1の負荷に連動して変動するエンジン
1の吸入負圧を機械的に検出して第1冷却水路102に
流通する流量を制御している。
【0014】そして、ラジエータ2からウォータポンプ
3に至る第2冷却水路104と第1冷却水路102との
合流部位には、第1冷却水路102を流通する冷却水の
温度に応じて第2冷却水路104の連通状態を制御する
周知のサーモスタット5が配設されている。一方、蓄熱
タンク水路103の途中には、冷却水を保温貯蔵する蓄
熱タンク6が配設されており、蓄熱タンク6から流出し
た冷却水をウォータポンプ3(エンジン1)に導く蓄熱
流出水路105と、後述するヒータコア9に冷却水を導
く暖房水路108との分岐部位には、両水路105、1
08の切換えおよび流量調整を行う流量制御弁7が配設
されている。
【0015】ところで、蓄熱タンク6は、図2に示すよ
うに、冷却水を貯蔵するステンレス製の2重タンク部6
aと、冷却水が流出入する流出入口6b、6cが形成さ
れている管状の突出部6dとを有しており、この突出部
6d全体は、後述する冷却装置用バルブ8のハウジング
81にて覆われている。また、蓄熱タンク6の流入口6
bと流出口6cとは同心状に形成されており、外側が流
入口6bであり、内側が流出口6cである。そして、流
入口6bは、後述する蓄熱流入水路106に連通してお
り、流出口6cは蓄熱流出水路105に連通している。
【0016】なお、蓄熱タンク6は、冷却水回路内を循
環する冷却水の補充機能を有する、いわゆる冷却水のリ
ザーバタンクを兼ねており、6eは蓄熱タンク6内の冷
却水量を視認するための目盛付パイプであり、6fは冷
却水を補充する際の補充口およびそのキャップである。
また、蓄熱タンク水路103のうち、負荷応答型流量制
御弁4から蓄熱タンク6に至る蓄熱流入水路106に
は、蓄熱タンク6を迂回して冷却水をサーモスタット6
に導くバイパス路107が形成されている。そして、こ
のバイパス路107、蓄熱流出水路105、蓄熱流入水
路106、第1冷却水路102、第2冷却水路104、
負荷応答型流量制御弁4、サーモスタット5および流量
制御弁7(図1の破線で囲まれた部分)は、一体化され
ている。なお、以下、この一体化されたものを冷却装置
用バルブ8と呼ぶ。
【0017】ところで、9は流量制御弁7から分岐した
冷却水を熱源として、車室内に吹き出す空気を加熱する
ヒータコアであり、このヒータコア9は、車室に連通す
る空気流路をなす空調ケーシング10内に配設されてい
る。そして、空調ケーシング10のうちヒータコア9の
空気上流側には、周知の冷凍サイクル(図示せず)によ
って空気を冷却するエバポレータ11が配設されてお
り、このエバポレータ11の空気上流側には、車室内に
向けて空気を送風する送風機12が配設されている。因
みに、本実施形態では、流量制御弁7によってヒータコ
ア9内を流通する冷却水量を制御することによって、車
室内に吹き出す空気の温度を調節している。
【0018】また、13は、エンジン1に吸入される空
気とヒータコア9を流出した冷却水との間で熱交換を行
う吸入空気熱交換器であり、この吸入空気熱交換器13
は、吸入空気の脈動取り除くサージタンク内に配設され
ている。14はエンジン1から流出した冷却水とオート
マチックトランスミッションのミッションオイルとの間
で熱交換を行うA/T熱交換器であり、15はエンジン
1から流出した冷却水とエンジンオイルとの間で熱交換
を行うE/O熱交換器である。
【0019】次に、冷却装置用バルブ8について述べ
る。冷却装置用バルブ8のハウジング81は、ナイロン
66などのように成形性に優れ、かつ、断熱効果の高い
樹脂にて成形されており、このハウジング81内には、
図3に示すように、第1冷却水路102、第2冷却水路
104、蓄熱流出水路105、蓄熱流入水路106およ
びバイパス路107の各水路が形成されている。
【0020】そして、負荷応答型流量制御弁4の流量制
御弁体41は、第1冷却水路102と蓄熱流入水路10
6との分岐部位に配設されており、この分岐部位より下
流側で、第1冷却水路102と第2冷却水路104とが
合流している。そして、この合流部位に形成された開口
部82には、サーモスタット5が、後述するワックスボ
ックス51を第1冷却水路102側に突出させた状態
で、その円筒軸方向が第1冷却水路102内を流通する
冷却水流れに対して略直交するようにして配設されてい
る。
【0021】なお、83は第1冷却水路102内を流通
する冷却水をワックスボックス51の円筒側面51aに
向けて偏向させる偏向壁であり、この偏向壁83は、ハ
ウジング81に一体成形されている。また、サーモスタ
ット5は、図4に示すように、所定の融点(本実施形態
では、約80℃)を有するワックス材が充填された、一
端側にフランジ部54が形成され、かつ、径寸法より軸
方向寸法の方が大きい円筒状のワックスボックス51
と、このワックスボックス51の円筒軸方向に出没可能
にワックスボックス51内に収納されたシャフト52
と、ワックスボックス51およびシャフト52を保持す
るステンレス製の枠体53とから構成されており、フラ
ンジ部54およびワックスボックス51により開口部8
2の連通状態を制御する弁体を形成している。
【0022】なお、枠体53の円筒側面53aには、開
口部(図示せず)が形成されており、第1冷却水路10
2内を流通する冷却水がこの開口部を通過してワックス
ボックス51の円筒側面51aに直接衝突するように構
成されている。一方、バイパス路107を流通してきた
冷却水は、ワックスボックス51の円筒軸方向端部51
b側に導かれており、バイパス路107を流通してきた
冷却水がワックスボックス51の円筒側面51aに直接
的に衝突しないようになっている。
【0023】ところで、図3中、9は流量制御弁7の回
転式の弁体71を回転駆動するアクチュエータ(ステッ
プモータ)であり、このアクチュエータ9の回転は、図
示されていない扇状の歯車を介して弁体71に伝達され
ている。また、アクチュエータ9は、図5に示すよう
に、制御装置10によって制御されており、この制御装
置10は、エンジン1から流出直後またはエンジン1内
の冷却水温度を検出する水温センサ16、ヒータコア9
に流入する冷却水温度を検出する水温センサ17、およ
び車室外温度センサや車室内温度センサ等の空調装置を
制御するに必要な情報を検出する空調センサ18からの
信号に基づいて、ヒータコア9およびエンジン1に還流
する冷却水量を制御している。
【0024】19は、エンジン1始動直後等の冷却水温
度が低く、暖房運転を行うことができないときに、蓄熱
タンク6内の高温の冷却水を用いて暖房を行う即効暖房
スイッチであり、この即効暖房スイッチは、乗員の手動
操作により投入されるものである。なお、即効暖房スイ
ッチ19が投入されると、後述する暖機運転モードが停
止され、即効暖房モードに切り替わる。
【0025】また、負荷応答型流量制御弁4は、流量制
御弁体41と連動して稼動する薄膜状のダイヤフラム4
2と、このダイヤフラム42およびケーシング43によ
って形成される圧力室44と、圧力室44内にエンジン
1の吸入負圧を導入する導入管45と、ダイヤフラム4
2のリターン用スプリング46とから構成されている。
【0026】そして、エンジン1の吸入負圧が大きくな
ると、スプリング46の弾性力に打ち勝って圧力室44
を縮小させて、第1冷却水路102を閉じる方向に流量
制御弁体41を移動させる(図3の状態)。一方、エン
ジン1の吸入負圧が小さくなると、スプリング46の弾
性力がエンジン1の吸入負圧に勝り、圧力室44を拡大
させて、第1冷却水路102を開く方向に流量制御弁体
41を移動させる(図3の破線の状態)。
【0027】次に、本実施形態の基本作動およびその特
徴を述べる。 1.暖機運転 1.1暖機運転モード1(図6参照) このモードでは、流量制御弁7の弁体71を駆動して暖
房水路108を閉じ、かつ、蓄熱流出水路105を開
く。また、暖機運転時は、エンジン1の負荷が小さいた
めエンジン1の吸入負圧が大きくなり、負荷応答型流量
制御弁4は第1冷却水路102を閉じるので、第2冷却
水路104はサーモスタット5によって閉じられる。
【0028】したがって、エンジン1から流出した冷却
水は、蓄熱流入水路106から蓄熱タンク6内に流入し
て、蓄熱タンク6内に貯蔵された高温の冷却水をエンジ
ン1に向けて押し出す。つまり、冷却水は、エンジン1
と蓄熱タンク6との間を循環する。これにより、エンジ
ン1が速やかに暖機されるので、エンジン1に供給され
る燃料の空燃比を低くする(燃料を薄くする)ことがで
き、暖機運転時の排気ガス中の有害物質の低減および燃
費の向上を図ることができる。
【0029】1.2暖機運転モード2(図7参照) このモードでは、暖房水路108および蓄熱流出水路1
05を開くとともに、送風機12を稼動させない。これ
により、蓄熱タンク6から流出した高温の冷却水は、エ
ンジン1および暖房水路108を経て吸入空気熱交換器
13に流通してエンジン1に吸入される吸入空気および
エンジン1を加熱する。したがって、エンジン1をより
速やかに暖機することたできる。
【0030】なお、暖房水路108に蓄熱流出水路10
5より多くの冷却水を流通させると、暖機運転が長引
き、却って排気ガス中の有害物質の増加および燃費の低
下を招くので、両水路105、108に流通させる流量
の割合は、エンジン1の大きさ(排気量等)および蓄熱
タンク6の容量等を考慮して適宜選定する必要がある。
因みに、通常、エンジン1を温めるのに必要な冷却水量
の方が、吸入空気を温めるのに必要な冷却水量より大き
いので、蓄熱流出水路105に暖房水路108より多く
の冷却水を流通させることが望ましい。
【0031】2.暖機運転完了後 2.1エンジン1の負荷が大きいとき(図8参照) エンジン1の負荷が大きくときは、エンジン1の吸入負
圧が小さくなり、第1冷却水路102が開かれるので、
高温の冷却水がサーモスタット5に触れてサーモスタッ
トが第2冷却水路104を開く。したがって、エンジン
1から流出した冷却水の多くは、ラジエータ2に流通し
て冷却されるので、冷却水温度は、サーモスタット5内
のワックス材の融点温度(約80℃)に保たれる。
【0032】2.2エンジン1の負荷が小さいとき(図
6参照) エンジン1の負荷が小さいためエンジン1の吸入負圧が
大きくなり、負荷応答型流量制御弁4は第1冷却水路1
02を閉じるとともに、蓄熱器流入水路106を開いて
蓄熱タンク6内の高温の冷却水をエンジン1に向けて流
出する。ところで、バイパス路107は常時連通してい
るので、サーモスタット5は、第1冷却水路102が閉
じた状態であっても、冷却水温度の上昇とともに第1冷
却水路104の開く。しかし、バイパス路107を流通
してきた冷却水は、サーモスタット5の円筒軸方向端部
51b側に導かれるため、円筒側面51a側から冷却水
をワックスボックス51に向けて衝突させる場合に比べ
て、高温の冷却水が直接ワックスボックス51に衝突す
る表面積が小さくなる。
【0033】このため、冷却水温度変化に対する開閉作
動が、第1冷却水路102に冷却水を流通させてサーモ
スタット5を開閉する場合に比べて遅くなるので、エン
ジン1の負荷が小さいときには、蓄熱タンク6内の高温
の冷却水がエンジン1内に流入することと相まって冷却
水温度は、サーモスタット5内のワックス材の融点温度
より高い温度(約100℃)に保たれる。
【0034】ところで、発明者等は、冷却水温度と燃費
との関係について種々の試験検討を行ったところ、燃費
の向上を図るには、冷却水温度をエンジン1の負荷に応
じて所定の温度に保つこと望ましいとの結論を得てい
る。そして、この結論に対して、本実施形態によれば、
エンジン1の負荷が大きいときは冷却水温度を80℃程
度に保ち、エンジン1の負荷が小さいときは冷却水温度
を100℃程度に保つように冷却水温度を制御している
ので、燃費の向上をさらに図ることができる。
【0035】次に、冷却装置用バルブ8の特徴を述べ
る。本実施形態によれば、バイパス路107、蓄熱流出
水路105、蓄熱流入水路106、第1冷却水路10
2、第2冷却水路104、負荷応答型流量制御弁4、サ
ーモスタット5および流量制御弁7が一体化されている
ので、冷却装置の冷却水回路が単純になるので、配管や
配管を接続するジュイント等の部品点数の低減を図るこ
とができる。したがって、車両への組付け性が向上する
ので、冷却装置の製造原価低減を図ることができる。
【0036】また、ワックスボックス51の円筒軸方向
が第1冷却水路102内を流通する冷却水流れに対して
略直交するようにして配設されているので、冷却水が直
接ワックスボックス51に衝突する部位の面積が、ワッ
クスボックス51の円筒軸方向端部51b側からワック
スボックス51に衝突させる場合に比べて大きくなる。
したがって、サーモスタット5の作動(開弁作動)を速
やかに行わせることができるので、エンジン1の負荷が
上昇したときに、速やかに冷却水を冷却することができ
る。延いては、排気ガス中の有害物質の低減および燃費
の向上をより図ることができる。
【0037】また、偏向壁83が形成されているので、
ワックスボックス51の円筒側面51aに、第1冷却水
路102内を流通する冷却水をより多く衝突させること
ができる。したがって、より速やかに冷却水を冷却する
ことができる。また、ハウジング81によって蓄熱タン
ク6の突出部6d全体が覆われているので、蓄熱タンク
6と冷却装置用バルブ8とが一体的になり、両者を同時
に車両へ組付けることができる。したがって、組付け工
数の低減を図ることができるので、組付け性が向上し、
さらに冷却装置の製造原価低減を図ることができる。
【0038】また、ところで、蓄熱タンク6うち流入口
6bおよび流出口6cが形成されている突出部6dは、
最も放熱し易い部位であるが、この放熱し易い突出部6
dが樹脂製のハウジング81で覆われているので、突出
部6dからの放熱を抑制することができる。したがっ
て、蓄熱タンク6の保温能力の向上を図ることできる。 (第2実施形態)上述の実施形態では、流量制御弁7を
蓄熱流出水路105に設けたが、図9に示すように、ヒ
ータコア9の上流側の暖房水路108に流量制御弁7を
設けて、ヒータコア9に流通させる冷却水量と、A/T
熱交換器14およびE/O熱交換器15にに流通させる
冷却水量とを制御してもよい。
【0039】なお、本実施形態によれば、ヒータコア9
を通過する風量と、ヒータコア9を迂回する風量との風
量割合を調整することによって空調温度を制御する、い
わゆるエアミックス方式の空調装置に対しても適用する
ことができる。ところで、上述の実施形態では、流量制
御弁7を設けたが、図10、11に示すように、流量制
御弁7を廃止してもよい。
【0040】また、上述の実施形態では、エンジン1か
ら駆動力を得て駆動するウォータポンプ3を用いたが、
電動モータにより駆動する電動ウォータポンプ用いても
よい。この場合、エンジン1を始動する前に、電動ウォ
ータポンプによって蓄熱タンク6内の高温の冷却水を循
環させて、エンジン1をを温めてから始動するようにす
ることが望ましい。
【0041】また、上述の実施形態では、蓄熱タンク4
内に高温の冷却水を蓄えることにより冷却水の熱を蓄え
たが、CH3 COONa、Ba(OH)2 −8H2 O等
の潜熱蓄熱材からなる蓄熱タンクを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る冷却水回路図である。
【図2】図3のA−A断面図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】サーモスタット近傍の拡大図である。
【図5】制御系を示すブロック図である。
【図6】暖機運転モード1のときの冷却水流れを示す冷
却水回路図である。
【図7】暖機運転モード2のときの冷却水流れを示す冷
却水回路図である。
【図8】暖機運転完了後、エンジン1の負荷が大きいと
きの冷却水流れを示す冷却水回路図である。
【図9】第2実施形態に係る冷却水回路図である。
【図10】流量制御弁を廃止したときの図3に相当する
断面図である。
【図11】流量制御弁を廃止したときの図3に相当する
断面図である。
【符号の説明】
2…ラジエータ、4…負荷応答型流量制御弁、5…サー
モスタット、6…蓄熱タンク、7…流量制御弁、8…冷
却装置用バルブ、81…ハウジング、82…開口部、8
3…偏向壁、102…第1冷却水路、104…第2冷却
水路、105…蓄熱流出水路、106…蓄熱流入水路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 新治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 杉 光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 鈴木 和貴 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 福永 博之 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水冷式内燃機関(1)内を循環する冷却
    水の冷却手段をなすラジエータ(2)と、 前記水冷式内燃機関(1)内を循環する冷却水の熱を蓄
    える蓄熱タンク(6)とを有する水冷式内燃機関の冷却
    装置に適用され、 前記水冷式内燃機関(1)から流出した冷却水の流路を
    切り換える冷却装置用バルブ(8)であって、 ハウジング(81)と、 前記ハウジング(81)内に形成され、前記水冷式内燃
    機関(1)から流出した冷却水を前記水冷式内燃機関
    (1)に還流させる第1冷却水路(102)と、 前記ハウジング(81)内に形成され、前記ラジエータ
    (2)にて冷却された冷却水を前記水冷式内燃機関
    (1)に還流させる第2冷却水路(104)と、 前記ハウジング(81)内に形成され、前記水冷式内燃
    機関(1)から流出した冷却水を前記蓄熱タンク(6)
    に導く蓄熱流入水路(106)と、 前記ハウジング(81)内に形成され、前記蓄熱タンク
    (6)から流出した冷却水を前記水冷式内燃機関(1)
    に導く蓄熱流出水路(105)と、 前記水冷式内燃機関(1)の負荷の増加に応じて前記第
    1冷却水路(102)を流通する流量を増加させるとと
    もに、前記水冷式内燃機関(1)の負荷の増加に応じて
    前記蓄熱流出水路(105)を流通する流量を減少させ
    る流量制御弁体(41)を前記第1冷却水路()内に有
    する負荷応答型流量制御弁(4)と、 前記第2冷却水路(104)内に配設され、前記第2冷
    却水路(104)の連通状態を制御する弁体(54)
    と、 前記第1冷却水路(102)内のうち前記流量制御弁体
    (41)より冷却水流れ下流側に配設され、前記第1冷
    却水路(102)内を流通する冷却水の温度の増加に応
    じて、前記第2冷却水路(104)が開くように前記弁
    体(54)を作動させる感温作動部材(54)とを備え
    ることを特徴とする冷却装置用バルブ。
  2. 【請求項2】 前記感温作動部材は、 所定の融点を有するワックス材が充填され、径寸法より
    軸方向寸法の方が大きい円筒状のワックスボックス(5
    1)を有しており、 前記ワックスボックス(51)は、その円筒軸方向が前
    記第1冷却水路(102)内の冷却水流れに対して交差
    するように配設されていることを特徴とする請求項1に
    記載の冷却装置用バルブ。
  3. 【請求項3】 前記蓄熱流入水路(106)を流通する
    冷却水を前記ワックスボックス(51)の円筒軸方向端
    部(51b)側に導くバイパス路(107)が前記ハウ
    ジング(81)内に形成されていることを特徴とする請
    求項2に記載の冷却装置用バルブ。
  4. 【請求項4】 前記第1冷却水路(102)内を流通す
    る冷却水を前記ワックスボックス(51)の円筒側面
    (51a)に向けて偏向させる偏向壁(83)が前記ハ
    ウジング(81)に形成されていることを特徴とする請
    求項2または3に記載の冷却装置用バルブ。
  5. 【請求項5】 前記ハウジング(81)は、前記蓄熱タ
    ンク(6)の流入口(6b)および流出口(6c)が形
    成されている管状の突出部(6d)全体を覆う形状に形
    成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいづ
    れか1つに記載の冷却装置用バルブ。
JP23094696A 1996-08-30 1996-08-30 冷却装置用バルブ Withdrawn JPH1077841A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23094696A JPH1077841A (ja) 1996-08-30 1996-08-30 冷却装置用バルブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23094696A JPH1077841A (ja) 1996-08-30 1996-08-30 冷却装置用バルブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1077841A true JPH1077841A (ja) 1998-03-24

Family

ID=16915797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23094696A Withdrawn JPH1077841A (ja) 1996-08-30 1996-08-30 冷却装置用バルブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1077841A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013042588A1 (ja) * 2011-09-22 2013-03-28 株式会社ミクニ 冷却水制御バルブ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013042588A1 (ja) * 2011-09-22 2013-03-28 株式会社ミクニ 冷却水制御バルブ装置
JP2013068162A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 Mikuni Corp 冷却水制御バルブ装置
US9429064B2 (en) 2011-09-22 2016-08-30 Mikuni Corporation Coolant control valve apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6032869A (en) Heating apparatus for vehicle
US5566881A (en) Automotive hot-water Heating apparatus
JPH1077840A (ja) 冷却水制御弁および内燃機関の冷却水回路
EP2196649B1 (en) Cooling device for vehicle
JP2001260640A (ja) 車両用暖房装置
US6364213B1 (en) Engine cooling system
JPS61201816A (ja) エンジンの冷却装置
JP2012132422A (ja) 内燃機関の冷却装置
JP3477987B2 (ja) 車両用暖房装置
JPH0538931A (ja) 温水式熱交換器
JP3767028B2 (ja) 車両用内燃機関の冷却系装置
JPH10309933A (ja) 車両用暖房装置
JPH1077841A (ja) 冷却装置用バルブ
JP4665824B2 (ja) 蓄熱タンク
JP3843499B2 (ja) 内燃機関の冷却水回路
JP4034010B2 (ja) 車両用蓄熱システム
JP2007211715A (ja) 弁機構及びそれを用いた熱交換システム
JP2006200512A (ja) 内燃機関の温度調整装置
JP7488134B2 (ja) 冷却システム
JPH0330584Y2 (ja)
JPH1077842A (ja) 車両用内燃機関の冷却系装置
JP2006037874A (ja) エンジンの冷却装置
JPS5810247B2 (ja) 自動車用暖房装置
JPH1071838A (ja) 車両用内燃機関の冷却系装置
JP3733794B2 (ja) 内燃機関の冷却装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031104