JP3767028B2 - 車両用内燃機関の冷却系装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両に搭載される水冷式内燃機関において、冷却水温度等を適切に制御して燃費および排気ガスを大幅に改善できる冷却系装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、石油資源の枯渇、地球環境の悪化等の観点から、自動車には、燃費向上、排気ガスのさらなる浄化が強く望まれている。
車両走行時の燃費および排気ガスの改善は、希薄燃焼(リーンバーン)式の内燃機関の採用等により種々の対策が実用化されているが、特に機関暖機時における燃費、排気ガスの効果的な改善法については、未だ確立されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、内燃機関の始動を車両から離れた場所で遠隔操作できるリモコンスタータは実用化されており、このリモコンスタータによれば、乗員が車両に搭乗した後における暖機待ち時間の短縮は可能であるが、暖機時における燃費、排気ガスの改善にはほとんど寄与していない。
【0004】
また、特開平1−172015号公報では、内燃機関の冷却水回路に断熱構造を持った蓄熱タンクを設け、この蓄熱タンク内に内燃機関運転中に高温となった冷却水を蓄えておき、次回の内燃機関始動直後にこの蓄熱タンク内の高温冷却水を自動車用空調装置の暖房用ヒータコアに循環して、内燃機関の冷却水温度が低い暖機終了前の状態でも、車室内を即効的に暖房できるようにしたものが提案されている。
【0005】
しかしながら、上記公報のものでは、蓄熱タンク内の高温冷却水が暖房用ヒータコアにおいて空調用送風機により送風される送風空気と熱交換して、その温度が大幅に低下するので、内燃機関に還流する冷却水温度も低い温度となってしまう。そのため、蓄熱タンク内に高温冷却水を蓄積していても、内燃機関の暖機促進効果はほとんど得られないので、暖機時における燃費、排気ガスの改善には寄与できない。
【0006】
本発明は上記点に鑑みてなされもので、特に機関暖機時における燃費低減、排気ガス浄化を効果的に実現できる車両用内燃機関の冷却装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項1に記載の発明では、水冷式内燃機関(1)内を循環する冷却水の熱を蓄える蓄熱タンク(6)と、
前記蓄熱タンク(6)から導かれる冷却水と、前記水冷式内燃機関(1)に吸入される吸入空気との間で熱交換を行う吸気熱交換器(12)と、
前記吸気熱交換器(12)に流入する冷却水量を制御する流量制御弁(13)と、
前記蓄熱タンク(6)と前記吸気熱交換器(12)とを接続する冷却水回路(10)と独立して配設され、前記蓄熱タンク(6)から流出した冷却水と車室内に吹き出す空気との間で熱交換を行うヒータコア(8)と、
前記ヒータコア(8)から流出する冷却水を前記吸気熱交換器(12)を迂回して前記水冷式内燃機関(1)の冷却水吸入側に導くバイパス水路(17)とを有し、
前記水冷式内燃機関(1)の暖機時には前記流量制御弁(13)を開き、暖機終了後には前記流量制御弁(13)を閉じることを特徴とする。
【0008】
これにより、水冷式内燃機関(1)始動直後の冷却水温度および水冷式内燃機関(1)の吸入空気温度が低い状態である暖機運転時に、蓄熱タンク(6)内の高温の冷却水を用いて吸入空気を温めることができる。したがって、暖機時における燃費低減、排気ガス浄化を効果的に図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、水冷式内燃機関(1)の冷却水をポンプ(3)にて循環するようにした車両用内燃機関の冷却系装置を有する車両に適用される車両用空調装置であって、
前記水冷式内燃機関(1)から流出した冷却水を保温貯蔵する蓄熱タンク(6 ) と、
前記蓄熱タンク(6)の冷却水流れ下流側に設置され、この蓄熱タンク(6)から流出した冷却水と車室内に吹き出す空気との間で熱交換を行うヒータコア(8)と、
前記蓄熱タンク(6)の冷却水流れ下流側から前記ヒータコア(8)を迂回して前記水冷式内燃機関(1)の冷却水吸入側に冷却水を導くバイパス水路(10)と、
前記バイパス水路(10)に流通する冷却水量を制御する流量制御弁(30)と、
前記蓄熱タンク(6)の冷却水流れ下流側に設置され、前記水冷式内燃機関(1)の潤滑オイルおよび車両自動変速機の作動オイルの少なくとも一方と前記蓄熱タンク(6)から流出した冷却水との間で熱交換を行うオイル熱交換器(15、16)と、
車室内に吹き出す空気の流路をなす空調ケーシング(24)とを有し、
前記ヒータコア(8)を前記空調ケーシング(24)内に配設し、
前記ヒータコア(8)を迂回するバイパス流路(27)を前記空調ケーシング(24)内に形成し、
さらに、前記バイパス流路(27)を流通する空気と前記ヒータコア(8)を通過する空気との割合を調節するエアミックスドア(28)を配設し
前記流量制御弁(30)は、前記水冷式内燃機関(1)から前記蓄熱タンク(6)へ流れ込む流量の減少に応じて、前記バイパス水路(10)に流通する冷却水量を減少させることを特徴とする。
【0010】
これにより、水冷式内燃機関(1)始動直後の潤滑オイルおよび作動オイルの温度が低い状態に、蓄熱タンク(6)内の高温の冷却水を用いて潤滑オイルおよび作動オイルうち少なくとも一方をオイル熱交換器(15、16)にて温めることができるので、暖機時における燃費低減、排気ガス浄化を効果的に図ることができる。
【0011】
また、流量制御弁(30)がバイパス水路(10)に配設されているので、蓄熱タンク(6)に流通する冷却水量が減少した場合、バイパス水路(10)に流通する冷却水量が減少するので、ヒータコア(8)に流通する冷却水量が過度に減少することを防止するこができる。
請求項3に記載の発明では、バイパス水路(10)の連通状態を制御する流量制御用弁体(32)が、流量制御用弁体(32)に作用する冷却水の動圧の増加に応じて前記バイパス水路(10)を開くことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明では、流量制御用弁体(32)の冷却水流れ下流側に、前記動圧に対抗する弾性力を発生する弾性部材(33)が配設されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、蓄熱タンク(6)の冷却水流れ上流側からヒータコア(8)を迂回してオイル熱交換器の冷却水吸入側に冷却水を導くバイパス水路(40)が設けられ、このバイパス水路(40)に流通する冷却水量を制御する流量制御弁(41、30)は、水冷式内燃機関(1)の暖機時にはバイパス水路(40)を閉じ、暖機終了後にはバイパス水路(40)を開き、かつ、水冷式内燃機関(1)から蓄熱タンク(6)側に向けて流出する冷却水量の増加に応じてバイパス水路(40)に流通する冷却水量を増加させることを特徴とする。
【0013】
これにより、水冷式内燃機関(1)始動直後の潤滑オイルおよび作動オイルの温度が低い状態に、蓄熱タンク(6)内の高温の冷却水を用いて潤滑オイルおよび作動オイルうち少なくとも一方をオイル熱交換器(15、16)にて温めることができるので、暖機時における燃費低減、排気ガス浄化を効果的に図ることができる。
【0014】
また、流量制御弁(41、30)により、蓄熱タンク(6)側に向けて流出する冷却水量が増加した場合は、バイパス水路(40)に流通する冷却水量が増加するので、蓄熱タンク(6)に流入する冷却水量が減少してゆく。したがって、蓄熱タンク(6)に流通する冷却水量が増加した場合の蓄熱タンク(6)内を流通することによる過度の通水抵抗の増大を防止することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、流量制御弁は、冷却水温度に応じてバイパス水路(40)を開閉する感温作動弁(41)と、感温作動弁(41)の冷却水流れ下流側に配設されて、冷却水の動圧の増加に応じて前記バイパス水路(40)を開く動圧作動弁(32)とを有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、動圧作動弁(32)の冷却水流れ下流側には、動圧に対抗する弾性力を発生する弾性部材(33)が配設されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項1、5、6、7のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の冷却系装置を有する車両に適用される車両用空調装置であって、
車室内に吹き出す空気の流路をなす空調ケーシング(24)を有し、
前記ヒータコア(8)を前記空調ケーシング(24)内に配設し、
前記ヒータコア(8)を迂回するバイパス流路(27)を前記空調ケーシング(24)内に形成し、
さらに、前記バイパス流路(27)を流通する空気と前記ヒータコア(8)を通過する空気との割合を調節するエアミックスドア(28)を配設することを特徴とする。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1において、1は車両の走行用の水冷式内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ。)であり、2はラジエータで、冷却ファン2aにより送風される空気と冷却水とを熱交換して冷却水を冷却するものである。3はエンジン1により駆動されるウォータポンプであり、冷却水回路に冷却水を循環するためのものである。4はラジエータ2を迂回するラジエータバイパス水路であり、5はラジエータバイパス水路4を流通する流量とラジエータ2を流通する流量との割合を冷却水温度に応じて制御する周知のサーモスタットである。
【0018】
6は、二重タンク構造を有してエンジン1から吐出した冷却水を保温貯蔵する蓄熱タンクであり、7は後述するヒータコア8に連通するヒータ水路9、およびヒータコア8を迂回するヒータバイパス水路10の開閉を行う第1流量制御弁である。11はエンジン1に吸入される空気の脈動を平滑化するサージタンクであり、このサージタンク11内には、エンジン1の吸入空気と冷却水との間で熱交換を行う吸気熱交換器12が配設されている。
【0019】
13は、吸気熱交換器12に連通する吸気熱交換器水路14と、エンジン1内を循環するエンジンオイルと冷却水とを熱交換させる第1オイル熱交換器15、および車両の自動変速機の作動オイル(A/Tオイル)と冷却水とを熱交換させる第2オイル熱交換器16に連通するオイル熱交換器水路17との2つの水路14、17を開閉する第2流量制御弁である。
【0020】
なお、オイル熱交換器水路17と吸気熱交換器水路14とは、吸気熱交換器12の冷却水流れ下流側でオイル熱交換器水路17と合流しており(図1のA点)、両オイル熱交換器15、16には、吸気熱交換器12にて熱交換を終えた冷却水とオイル熱交換器水路17を流通してきた冷却水との両者が流れ込むように構成されている。
【0021】
因みに、両流量制御7、13は、サーボモータ等のアクチュエータ7a、13bによって駆動されており、アクチュエータ7a、13bは、図2に示すように、制御装置18によって制御されている。この制御装置18には、第1流量制御弁7の流入口側と蓄熱タンク6の流出口側との間に配設された水温センサ19からの信号19a、エンジン1のサージングタンク(図示せず)内に配設された吸気温度を検出する吸気温度センサ20からの信号20a、エンジン1の吸入負圧を検出する圧力センサ21からの信号21a、エンジン1流出直後の冷却水温度を検出する冷却水温センサ22からの信号22a、および車室内温度を検出する内気センサ、外気温度を検出する外気センサ、日射量を検出する日射センサ、蒸発器冷却温度を検出する蒸発器温度センサ等の空調センサ23からの信号23aが入力されている。
【0022】
なお、制御装置18は、図示しない内外気切替ドア、吹出口切替ドアおよび送風機25等の空調機器の作動も予め設定されたプログラムに基づいて自動制御している。
また、図1中、24は車室内空気の調和を図る空調装置の空気流路をなす空調ケーシングであり、この空調ケーシング24のうち上流側端部には、車室内に吹き出す空気の送風手段をなす送風機25が配設され、下流側端部は車室内に空気を吹き出す車室内吹出口(図示せず)に連通している。
【0023】
そして、空調ケーシング24のうち送風機25の下流側には、空調ケーシング24内を流通する空気の冷却手段をなす周知のエバポレータ26が配設され、このエバポレータ26の下流には、冷却水と空調ケーシング24内を流通する空気との間で熱交換を行うヒータコア8が配設されている。
27は、空調ケーシング24内に形成されてヒータコア8を迂回するバイパス流路であり、28はバイパス流路27を流通する風量とヒータコア8を通過する風量との割合を調節するエアミックスドアである。
【0024】
図3は、第2流量制御弁13の作動を示すフローチャートであり、以下、このフローチャートに基づいて本実施形態の作動およびその特徴を述べる。
図示されていないイグニッションスイッチが投入されてエンジン1が始動すると、水温センサ19からの信号19a、吸気温度センサ20からの信号20a、圧力センサ21からの信号21aおよび冷却水温センサ22からの信号22aを読み込み(ステップ100)、冷却水温センサ22により検出した冷却水温TE が85℃より大きいか否かを判定する(ステップ110)。
【0025】
そして、冷却水温が85℃以下のときは、水温センサ19により検出した冷却水温TW が60℃より大きいか否かを判定し(ステップ120)、冷却水温TW が60℃より大きいときは、吸気熱交換器水路14を開く(ステップ130)。次に、冷却水温TW と冷却水温TE とを比較し(ステップ140)、冷却水温TW が冷却水温TE より大きい間は、吸気熱交換器水路14を開き続け、一方、冷却水温TW が冷却水温TE 以下に低下したときは、吸気熱交換器水路14を閉じる(ステップ150)。
【0026】
次に、圧力センサ21により検出された吸入負圧PINが−200mmHg未満であるか否かを判定し(ステップ160)、吸入負圧PINが−200mmHg以上のときは、吸気温度センサ20により検出された吸入空気温度TINが30℃より大きいか否か(ステップ170)、および冷却水温TW が35℃未満か否かを判定(ステップ180)し、両判定ステップ170、180の判定結果が真(YES)であるときは、吸気熱交換器水路14を開く(ステップ190)。
【0027】
また、吸入負圧PINが−200mmHg未満であるときは、吸気温度センサ20により検出された吸入空気温度TINが85℃未満か否か(ステップ200)、および冷却水温TW が85℃より大きいか否かを判定する(ステップ210)し、両判定ステップ200、210の判定結果が真(YES)であるときは、吸気熱交換器水路14を開く(ステップ190)。
【0028】
なお、判定ステップ170、180、200、210の判定結果が偽(NO)であるときは、ステップ160に戻り、ステップ160〜210を繰り返す。
因みに、本実施形態では、図4に示すように、エンジン1が停止したときに、吸気熱交換器水路14を閉じるための割り込みルーチン(ステップ300、310)が図3に示すメインルーチンに対して所定時間毎(例えば、3秒毎)に割り込に制御している。
【0029】
なお、第1流量制御弁7は、通常は、ヒータ水路9およびヒータバイパス水路10を開いており、空調装置が最大冷房状態(エアミックスドア28によりヒータコア8の上流側を閉じた状態)となったときに、ヒータ水路9を閉じる。
以上に述べたように、本実施形態によれば、エンジン1始動直後の冷却水温度およびエンジン1の吸入空気温度が低い状態である暖機運転時に、蓄熱タンク6内の高温の冷却水を用いて吸入空気を温めることができる。したがって、暖機時における燃費低減、排気ガス浄化を効果的に図ることができる。
【0030】
また、冷却水温TE が上昇して冷却水温TW と等しくなったときに、暖機運転が終了したものとして吸気熱交換器水路14を閉じるので、吸入空気温度が過度に上昇することを防止することができる。したがって、暖機終了後においても燃費低減を図ることができる。
ところで、発明者等は、エンジン1の負荷をパラメータとして燃費と吸入空気温度TINとの関係を試験により求めたところ、エンジン1の負荷が所定値以上の場合には、吸入空気温度TINが低いほど燃費が向上し、一方、所定値未満の場合には、吸入空気温度TINが高いほど燃費が向上するということが明らかになった。
【0031】
そして、本実施形態によれば、吸入負圧PINを検出することによりエンジン1の負荷を検出して、吸入空気温度TINの制御を行っているので、より燃費の向上を図ることができることができる。
なお、本実施形態では、上記所定値に対応する吸入負圧PINとして−200mmHgとしたが、上記所定値に対応する吸入負圧PINはこの値に限定されるものではなく、エンジン1の大きさ(排気量)およびエンジン特性等により適宜選定すべき値である。
【0032】
また、暖機時に蓄熱タンク6内の高温の冷却水によってエンジンオイルおよびA/Tオイルを温めることができるので、フリクションロス(摩擦損失)の低減を図ることができ、より一層燃費の向上を図ることができることができる。
(第2実施形態)
図5は本実施形態に係る冷却装置の冷却水回路を示しており、第1実施形態と異なり、吸気熱交換器12をヒータコア8の下流側に配設し、ヒータコア8から流出する冷却水を直接、吸気熱交換器12に導くように構成したものである。そして、第1実施形態に於ける第2流量制御弁13を廃止し、蓄熱タンク6に流れ込む流量に応じてヒータバイパス水路10を流通する冷却水量を調節する流量制御弁30を配設している。
【0033】
この流量制御弁30は、ハウジング31内に配設された弁体(動圧作動弁)32と、この弁体32に作用する動圧に対抗する弾性力を発生するコイルバネ等の弾性体33とから構成されている。
ところで、例えば暖房運転中に、エンジン1の負荷が増大すると、サーモスタット5が開き、ラジエータ2側に流通する冷却水量が増加して蓄熱タンク6に流通する冷却水量が減少してしまうので、ヒータコア8に流通する冷却水量が低下してしまう。
【0034】
これに対して、本実施形態によれば、蓄熱タンク6に流通する冷却水量が減少してヒータバイパス水路10に流れ込む冷却水量が減少すると、弁体32に作用する動圧が減少し、弾性体33の弾性力により弁体32を上流側に押し上げてヒータバイパス水路10を閉じてゆく。したがって、蓄熱タンク6に流通する冷却水量が減少した場合、ヒータバイパス水路10が閉じてゆくので、ヒータコア8に流通する冷却水量が過度に減少することを防止するこができる。
【0035】
(第3実施形態)
図6は本実施形態に係る冷却装置の冷却水回路を示しており、第1実施形態と異なり、吸気熱交換器12をヒータコア8の下流側に配設し、ヒータコア8から流出する冷却水を直接、吸気熱交換器12に導くように構成したものである。
そして、第1実施形態に於ける第2流量制御弁13を廃止するとともに、蓄熱タンク9の流入口側からオイル熱交換器水路17に接続するタンクバイパス水路40を設け、このタンクバイパス水路40に流量制御弁30を配設している。
【0036】
また、タンクバイパス水路40と蓄熱タンク9の流入口側の冷却水路との分岐部位にサーモスタット(感温作動弁)41が配設されており、このサーモスタット41は、冷却水温度が所定温度(例えば、70℃程度)以上に上昇したときに、タンクバイパス水路40を開くものである。
以上に述べた構成により、暖機時等の冷却水温度が低いときには、蓄熱タンク6内の高温の冷却水がヒータコア8、吸気熱交換器12および両オイル熱交換器15、16内に流通し、冷却水温度が前記所定温度以上になり暖機が終了したときは、タンクバイパス水路40に冷却水が流通する。
【0037】
また、タンクバイパス水路40には、流量制御弁30が配設されているので、蓄熱タンク6に流通する冷却水量が増加した場合は、タンクバイパス水路40が開いてゆくので、蓄熱タンク6に流入する冷却水量が減少してゆく。
したがって、蓄熱タンク6に流通する冷却水量が増加した場合の蓄熱タンク6による過度の通水抵抗の増大を防止することができる。延いては、両オイル熱交換器15、16に流通する冷却水量が過度に減少することを防止するこができる。
【0038】
なお、図7は、サーモスタット41と流量制御弁30とを一体化した制御弁42を示しており、図8は、この一体化した制御弁42の作動状態を示す模式図である。
ところで、上述の実施形態では、エアミックスドア28により吹き出し空気温度を制御する、いわゆるエアミックス方式の空調装置を有する車両を例に説明したが、本発明は、ヒータコア8に流通する冷却水量を第1制御弁7にて制御するこにより吹き出し空気温度を制御する、いわゆるリヒート式の空調装置を有する車両にも適用することができる。
【0039】
また、上述の実施形態では、蓄熱タンク4内に高温の冷却水を蓄えることにより冷却水の熱を蓄えたが、CH3 COONa、Ba(OH)2 −8H2 O等の潜熱蓄熱材からなる蓄熱タンクを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る冷却装置の冷却水回路図である。
【図2】第1実施形態に係る冷却装置の制御系を示すブロックである。
【図3】第2流量制御弁の制御を示すフローチャート(メインルーチン)である。
【図4】第2流量制御弁の制御を示すフローチャート(割り込みルーチン)である。
【図5】第2実施形態に係る冷却装置の冷却水回路図である。
【図6】第3実施形態に係る冷却装置の冷却水回路図である。
【図7】サーモスタットと第2流量制御弁とを一体化した制御弁の模式図である。
【図8】制御弁の作動状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1…エンジン(水冷式内燃機関)、2…ラジエータ、3…ウォータポンプ、
4…ラジエータバイパス水路、5…サーモスタット、6…蓄熱タンク、
7…第1流量制御弁、8…ヒータコア、9…ヒータ水路、
10…ヒータバイパス水路、11…エアクリーナボックス、
12…吸気熱交換器、13…第2流量制御弁、14…吸気熱交換器水路、
15…第1オイル熱交換器、16…第2オイル熱交換器、
17…オイル熱交換器水路(バイパス水路)、18…制御装置、
24…空調ケーシング、25…送風機、26…エバポレータ、
27…バイパス流路、28…エアミックスドア、30…流量制御弁、
31…ハウジング、32…弁体(動圧作動弁)、33…弾性体、
40…タンクバイパス水路、41…サーモスタット(感温作動弁)。
Claims (8)
- 水冷式内燃機関(1)の冷却水をポンプ(3)にて循環するようにした車両用内燃機関の冷却系装置において、
前記水冷式内燃機関(1)内を循環する冷却水の熱を蓄える蓄熱タンク(6)と、
前記蓄熱タンク(6)から導かれる冷却水と、前記水冷式内燃機関(1)に吸入される吸入空気との間で熱交換を行う吸気熱交換器(12)と、
前記吸気熱交換器(12)に流入する冷却水量を制御する流量制御弁(13)と、
前記蓄熱タンク(6)と前記吸気熱交換器(12)とを接続する冷却水回路(10)と独立して配設され、前記蓄熱タンク(6)から流出した冷却水と車室内に吹き出す空気との間で熱交換を行うヒータコア(8)と、
前記ヒータコア(8)から流出する冷却水を前記吸気熱交換器(12)を迂回して前記水冷式内燃機関(1)の冷却水吸入側に導くバイパス水路(17)とを有し、
前記水冷式内燃機関(1)の暖機時には前記流量制御弁(13)を開き、暖機終了後には前記流量制御弁(13)を閉じることを特徴とする車両用内燃機関の冷却系装置。 - 水冷式内燃機関(1)の冷却水をポンプ(3)にて循環するようにした車両用内燃機関の冷却系装置を有する車両に適用される車両用空調装置であって、
前記水冷式内燃機関(1)から流出した冷却水を保温貯蔵する蓄熱タンク(6 ) と、
前記蓄熱タンク(6)の冷却水流れ下流側に設置され、この蓄熱タンク(6)から流出した冷却水と車室内に吹き出す空気との間で熱交換を行うヒータコア(8)と、
前記蓄熱タンク(6)の冷却水流れ下流側から前記ヒータコア(8)を迂回して前記水冷式内燃機関(1)の冷却水吸入側に冷却水を導くバイパス水路(10)と、
前記バイパス水路(10)に流通する冷却水量を制御する流量制御弁(30)と、
前記蓄熱タンク(6)の冷却水流れ下流側に設置され、前記水冷式内燃機関(1)の潤滑オイルおよび車両自動変速機の作動オイルの少なくとも一方と前記蓄熱タンク(6)から流出した冷却水との間で熱交換を行うオイル熱交換器(15、16)と、
車室内に吹き出す空気の流路をなす空調ケーシング(24)とを有し、
前記ヒータコア(8)を前記空調ケーシング(24)内に配設し、
前記ヒータコア(8)を迂回するバイパス流路(27)を前記空調ケーシング(24)内に形成し、
さらに、前記バイパス流路(27)を流通する空気と前記ヒータコア(8)を通過する空気との割合を調節するエアミックスドア(28)を配設し
前記流量制御弁(30)は、前記水冷式内燃機関(1)から前記蓄熱タンク(6)へ流れ込む流量の減少に応じて、前記バイパス水路(10)に流通する冷却水量を減少させることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記流量制御弁(30)は、前記バイパス水路(10)内に配設されて、前記バイパス水路(10)の連通状態を制御する流量制御用弁体(32)を有しており、
前記流量制御用弁体(32)は、前記流量制御用弁体(32)に作用する冷却水の動圧の増加に応じて前記バイパス水路(10)を開くことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。 - 前記流量制御用弁体(32)の冷却水流れ下流側に、前記動圧に対抗する弾性力を発生する弾性部材(33)が配設されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
- 水冷式内燃機関(1)の冷却水をポンプ(3)にて循環するようにした車両用内燃機関の冷却系装置において、
前記水冷式内燃機関(1)から流出した冷却水を保温貯蔵する蓄熱タンク(6)と、
前記蓄熱タンク(6)の冷却水流れ下流側に設置され、この蓄熱タンク(6)から流出した冷却水と車室内に吹き出す空気との間で熱交換を行うヒータコア(8)と、
前記ヒータコア(8)の冷却水流れ下流側に設置され、前記水冷式内燃機関(1)の潤滑オイルおよび車両自動変速機の作動オイルの少なくとも一方と前記蓄熱タンク(6)か ら流出した冷却水との間で熱交換を行うオイル熱交換器(15、16)と、
前記蓄熱タンク(6)の冷却水流れ上流側から前記ヒータコア(8)を迂回して前記オイル熱交換器の冷却水流入側に冷却水を導くバイパス水路(40)と、
前記バイパス水路(40)に流通する冷却水量を制御する流量制御弁(41、30)とを有し、
前記流量制御弁(41、30)は、前記水冷式内燃機関(1)の暖機時には前記バイパス水路(40)を閉じ、暖機終了後には前記バイパス水路(40)を開き、かつ、前記水冷式内燃機関(1)から前記蓄熱タンク(6)側に向けて流出する冷却水量の増加に応じて前記バイパス水路(40)に流通する冷却水量を増加させることを特徴とする車両用内燃機関の冷却系装置。 - 前記流量制御弁は、
冷却水温度に応じて前記バイパス水路(40)を開閉する感温作動弁(41)と、
前記感温作動弁(41)の冷却水流れ下流側に於ける前記バイパス水路(40)に配設され、冷却水の動圧の増加に応じて前記バイパス水路(40)を開く動圧作動弁(32)とを有することを特徴とする請求項5に記載の車両用内燃機関の冷却系装置。 - 前記動圧作動弁(32)の冷却水流れ下流側には、前記動圧に対抗する弾性力を発生する弾性部材(33)が配設されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用内燃機関の冷却系装置。
- 請求項1、5、6、7のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の冷却系装置を有する車両に適用される車両用空調装置であって、
車室内に吹き出す空気の流路をなす空調ケーシング(24)を有し、
前記ヒータコア(8)を前記空調ケーシング(24)内に配設し、
前記ヒータコア(8)を迂回するバイパス流路(27)を前記空調ケーシング(24)内に形成し、
さらに、前記バイパス流路(27)を流通する空気と前記ヒータコア(8)を通過する空気との割合を調節するエアミックスドア(28)を配設することを特徴とする車両用空調装置。
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