JPH1077705A - 固定金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ランナーと協同して断熱内壁下地パネルを複数
の位置に建て込む。 【解決手段】一端に折り返し可能な係止片１３が延設さ
れた水平部１１およびこの水平部１１の他端から垂直に
折曲された垂直部１２から構成され、床材および柱用断
熱内壁下地パネルに水平部１１が固定され、鉄骨梁にラ
ンナー固定金具を介して固定されたランナーに上端部が
差し込まれた断熱内壁下地パネル４の下端部背面もしく
は下端部背面と側端部背面を垂直部１２に当接させて係
止片１３を折り返し、ビスを介して断熱内壁下地パネル
４と固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、断熱内壁下地パネ
ルを建て込む際に用いられる固定金具に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、鉄骨構造の建物において、外壁に
カーテンウォール構造を採用する場合、特開平８−１３
６５４号公報に記載されるように、内壁の施工に際し
て、縦桟および横桟によって矩形に枠組みされた木製枠
材の各区画された枠内部に断熱材を詰め込むとともに、
その片面に防水防湿シートを貼着してなる断熱内壁下地
パネルを外壁から離隔して床材に立設することにより、
断熱内壁下地を形成することが提案されている。

【０００３】この断熱内壁下地は、断熱内壁下地パネル
の上端部に金具本体を固定する一方、床材に鉄骨梁に合
わせてランナーを固定し、断熱内壁下地パネルの下端部
をランナーに差し込むとともに、金具本体を鉄骨梁の下
フランジの室内側端縁に当接させ、固定部材を金具本体
を通して鉄骨梁の下フランジの室内側端縁部に噛み込ま
せて固定することにより形成されるものである。この結
果、室内空間の断熱性を高めると同時に、外壁裏面と断
熱材との間に通風空間を確保して内部結露の発生を防止
するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た断熱内壁下地を形成する場合、断熱内壁下地パネルの
立設位置は、鉄骨梁に合わせて床材に固定されたランナ
ーおよび鉄骨梁の下フランジの室内側端縁に当接する金
具本体によって自動的に決定されることから、断熱内壁
下地パネルを外壁により近づけて、あるいは、外壁から
より離して立設するためには、外壁に対する断熱内壁下
地パネルの立設位置に合わせて大きさの異なる複数種類
の金具本体が必要になるものである。したがって、大き
さが同じ単一の金具本体を使用するかぎり、室内空間を
より広く確保しようとする場合や、和室に障子を設ける
場合、あるいは、柱との関係などにより、外壁からの距
離を変えて断熱内壁下地パネルを立設することは不可能
である。

【０００５】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、ランナーと協同して断熱内壁下地パネルを
複数の位置に建て込むことのできる固定金具を提供する
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、一端に折り返
し可能な係止片が延設された水平部およびこの水平部の
他端から垂直に折曲された垂直部からなり、床材および
柱に取り付けられた柱用断熱内壁下地パネルに水平部が
固定され、鉄骨梁にランナー固定金具を介して固定され
たランナーに上端部が差し込まれた断熱内壁下地パネル
の下端部背面もしくは下端部背面と側端部背面を垂直部
に当接させて係止片を折り返し、ビスを介して断熱内壁
下地パネルと固定することを特徴とするものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の形態を図
面に基づいて説明する。

【０００８】図１には、本発明の固定金具が示されてい
る。

【０００９】この固定金具１は、後述するランナー３を
介して上端部が差し込まれた断熱内壁下地パネル４の下
端部を固定するもので、断熱内壁下地パネル４の奥行き
に相当する長さに形成された水平部１１および水平部１
１の一端から上方に向けて垂直に折曲された垂直部１２
によって断面Ｌ字状に折曲されており、水平部１１の他
端には係止片１３が延設されている。そして、固定金具
１は、ランナー３の固定位置に合わせて床材Ｆに付され
た墨出し線に沿って固定されるものであり、その垂直部
１２に断熱内壁下地パネル４の下端部背面が当接するよ
うになっている。また、固定金具１の水平部１１と係止
片１３との接続部には、係止片１３の折り曲げを容易に
するため、複数個の小穴１ａが形成されている他、係止
片１３には、ビスを打ち込むための複数個のビス穴１３
ａが形成されている。

【００１０】ところで、断熱内壁下地パネル４を固定す
るため、前述した固定金具１とともに、ランナー固定金
具２およびランナー３が採用されている。まず、ランナ
ー固定金具２は、鉄骨梁Ｈの下フランジｈ１に取り付け
られるもので、鋼板を折り曲げて形成され、図２に示す
ように、取り付け部２１１、この取り付け部２１１の両
側縁から上方に向けて折曲された垂直部２１２およびこ
れらの垂直部２１２の上端から外方に向けて折曲された
当接部２１３を備える断面逆ハット状の下地材２１と、
この下地材２１の各垂直部２１２の一端縁に連続して形
成され、鉄骨梁Ｈの下フランジｈ１の端縁に係合可能な
係合部２２ａを有する係合片２２と、下地材２１の各当
接部２１３の他端縁に連続して形成され、上方に向けて
折曲された係止片２３と、からなり、係合片２２の係合
部２２ａと係止片２３との間隔は、鉄骨梁Ｈの下フラン
ジｈ１の幅に設定されている。

【００１１】このランナー固定金具１を鉄骨梁Ｈに取り
付けるには、下地材２１の当接部２１３を鉄骨梁Ｈの下
フランジｈ１の下面に当接させた状態で係合片２２の係
合部２２ａを鉄骨梁Ｈの下フランジｈ１の外壁側端縁に
係合させた後、係止片２３を折り返して鉄骨梁Ｈの下フ
ランジｈ１の室内側端縁に固定すればよく、鉄骨梁Ｈに
簡単に取り付けることができる（図３参照）。

【００１２】また、ランナー３は、断熱内壁下地パネル
４の上端部を差し込むことができるように、断面略コ字
状に形成され、前述したランナー固定金具２にビスを介
して固定されるようになっている。この際、ランナー３
は、基準位置から設定された距離をおいてランナー固定
金具２の下地材２１の取り付け部２１１に付された墨出
し線に合わせて固定されるものである。すなわち、ラン
ナー３は、その中心と鉄骨梁Ｈの中心とが一致する標準
位置（図４（ａ）参照）あるいはランナー固定金具２の
長さの範囲内において標準位置から室外側または室内側
に一定距離移動させた位置（図４（ｂ），（ｃ）参照）
にそれぞれ固定することができる。

【００１３】なお、断熱内壁下地パネル４は、縦桟およ
び横桟によって矩形に枠組みされた木製枠材４１の各区
画された空間内にロックウールやグラスウールなどの断
熱材４２を詰め込み、片面に防水防湿シート（図示せ
ず）を貼着して形成されている。

【００１４】次に、前述した固定金具１、ランナー固定
金具２、ランナー３および断熱内壁下地パネル４によっ
て断熱内壁下地１０を形成する場合について、図５に基
づいて説明する。まず、複数個のランナー固定金具２を
一定間隔をおいて鉄骨梁Ｈの下フランジｈ１に取り付け
る。すなわち、ランナー固定金具２の下地材２１の当接
部２１３を鉄骨梁Ｈの下フランジｈ１の下面に当接させ
た状態で係合片２２の係合部２２ａを鉄骨梁Ｈの下フラ
ンジｈ１の外壁側端縁に係合させた後、係止片２３を鉄
骨梁Ｈの下フランジｈ１の室内側端縁に折り返して固定
する。

【００１５】ランナー固定金具２が取り付けられたなら
ば、ランナー固定金具２の下地材２１の取り付け部２１
１に基準位置から設定された距離をおいて墨を打ち、そ
の墨出し線に合わせてランナー３を配置し、ビスを介し
て固定する。さらに、ランナー３の固定位置に合わせて
床材Ｆに墨を打ち、その墨出し線に合わせて一定間隔を
おいて複数個の固定金具１をビスを介して固定する。こ
の結果、固定金具１およびランナー３は、家を建築する
際の基準位置から正確に距離をおいて位置決めされるこ
とになる。

【００１６】次いで、断熱内壁下地パネル４を把持し、
その上端部をランナー３に差し込むとともに、その下端
部背面を固定金具１の垂直部１２に当接させた後（図６
参照）、固定金具１の係止片１３を上方に向けて折り返
して断熱内壁下地パネル４の下端部表面に密着させ、ビ
ス穴１３ａを通してビスを打ち込んで固定する。このた
め、断熱内壁下地パネル４の横桟に防湿シートの一部を
破って直接ビスを打ち込む場合に比較して、防湿性能を
低下させることがなく、また、破った防湿シートの補修
作業も不要となる利点がある。

【００１７】以下、同様に断熱内壁下地パネル４を建て
込んで区画する。その後、石膏ボードなどの内壁ボード
５を取り付け、天井６を施工すればよい（図７および図
８参照）。

【００１８】なお、前述した固定金具１の実施形態にお
いては、断熱内壁下地パネル４の下端部を固定する場合
について説明したが、柱に隣接して建て込む断熱内壁下
地パネル４の側端部を固定する場合についても使用され
ている。すなわち、図６および図９に示すように、柱Ｐ
からの熱損失を防止するため、室内側に露出する柱Ｐの
側面には、断熱内壁下地パネル４とほぼ同一構造の柱用
断熱内壁下地パネル７が取り付けられており、この柱用
断熱内壁下地パネル７の横桟に固定金具１が固定されて
いる（図１０（ａ）参照）。この際、床材Ｆに固定金具
１を固定する場合と同様に、柱用断熱内壁下地パネル７
にランナー３の固定位置に合わせて墨を打ち、その墨出
し線に合わせて固定する。

【００１９】床材Ｆおよび柱用断熱内壁下地パネル７に
固定金具１が固定されたならば、柱に隣接して建て込む
断熱内壁下地パネル４を把持し、その下端部とともに側
端部を固定金具１の垂直部１２に当接させた後、固定金
具１の係止片１３を順次折り返して断熱内壁下地パネル
４の下端部表面および側端部表面に密着させ、ビス穴１
３ａを通してビスを打ち込んで固定すればよい（図１０
（ｂ）参照）。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、一端に折
り返し可能な係止片が延設された水平部およびこの水平
部の他端から垂直に折曲された垂直部からなり、床材お
よび柱に取り付けられた柱用断熱内壁下地パネルに水平
部が固定され、鉄骨梁にランナー固定金具を介して固定
されたランナーに上端部が差し込まれた断熱内壁下地パ
ネルの下端部背面もしくは下端部背面と側端部背面を垂
直部に当接させて係止片を折り返し、ビスを介して断熱
内壁下地パネルと固定することにより、ランナーと協同
して断熱内壁下地パネルを複数の位置に建て込むことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の固定金具を示す斜視図である。

【図２】ランナー固定金具を示す斜視図である。

【図３】ランナー固定金具を鉄骨梁およびランナーとと
もに示す斜視図である。

【図４】ランナー固定金具に対するランナーの固定位置
を示す断面図である。

【図５】断熱内壁下地の施工状態を示す説明図である。

【図６】断熱内壁下地パネルを建て込む場合の説明図で
ある。

【図７】断熱内壁下地を有する内壁の縦断面図である。

【図８】図７の内壁を一部省略して示す拡大図である。

【図９】柱に柱用断熱内壁下地パネルを取り付ける場合
の説明図である。

【図１０】柱用断熱内壁下地パネルに本発明の固定金具
を固定して断熱内壁下地パネルを取り付ける場合の説明
図である。

【符号の説明】

１ ランナー固定金具 １１ 下地材 １１１ 取り付け部 １１２ 垂直部 １１３ 当接部 １２ 係合片 １２ａ 係合部 １３ 係止片 ２ ランナー ３ 固定金具 ３１ 水平部 ３２ 垂直部 ３３ 係止片 ４ 断熱内壁下地パネル ７ 柱用断熱内壁下地パネル １０ 断熱内壁下地 Ｈ 鉄骨梁 ｈ１ 下フランジ Ｐ 柱

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｂ 2/56 ６１１ Ｅ０４Ｂ 2/56 ６１１Ｂ ６３１ ６３１Ａ ６３２ ６３２Ｂ ６３２Ｃ ６３２Ｌ ６３３ ６３３Ａ ６３３Ｇ ６４４ ６４４Ｂ ６４５ ６４５Ｃ ６４５Ｇ 1/80 1/80 Ｇ 2/82 ５０１ 2/82 ５０１Ａ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端に折り返し可能な係止片が延設され
   た水平部およびこの水平部の他端から垂直に折曲された
   垂直部からなり、床材および柱に取り付けられた柱用断
   熱内壁下地パネルに水平部が固定され、鉄骨梁にランナ
   ー固定金具を介して固定されたランナーに上端部が差し
   込まれた断熱内壁下地パネルの下端部背面もしくは下端
   部背面と側端部背面を垂直部に当接させて係止片を折り
   返し、ビスを介して断熱内壁下地パネルと固定すること
   を特徴とする固定金具。