JPH1077305A - エポキシ化ポリエン - Google Patents

エポキシ化ポリエン

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JPH1077305A
JPH1077305A JP2108597A JP2108597A JPH1077305A JP H1077305 A JPH1077305 A JP H1077305A JP 2108597 A JP2108597 A JP 2108597A JP 2108597 A JP2108597 A JP 2108597A JP H1077305 A JPH1077305 A JP H1077305A
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JP
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epoxidized
polyene
polybutadiene
epoxy group
hydroxyl group
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JP2108597A
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Hideyuki Takai
英行 高井
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂などの他の樹脂と混合して使用
する場合に、優れた相溶性を発揮し、基体の樹脂自体が
持つ各種物性を低下させないエポキシ化ポリエンを提供
すること。 【解決手段】 エポキシ基およびエポキシ基と水酸基を
持つエポキシ化ポリエンの分子鎖中の炭素上の1H−N
MRのクロマトグラムにおける1〜6ppmの範囲のピ
ーク強度における積分値の合計が、全プロトンシグナル
積分値の15.5〜20.0%の範囲のエポキシ化ポリ
エン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ化ポリエ
ンに関し、さらに詳しくは、分子鎖中に一定量のエポキ
シ基またはエポキシ基と水酸基とを有し、エポキシ樹脂
を含む他の樹脂との相溶性に優れるエポキシ化ポリエン
に関する。本発明に係るエポキシ化ポリエンは、塗料
類、接着剤、光硬化樹脂、樹脂の改質剤などとして有用
である。
【0002】
【従来の技術】エポキシ化ポリブタジエンやエポキシ化
ポリイソプレンなどのエポキシ化ポリエンは、他の樹脂
の改質剤や接着剤、塗料などに多用されている。エポキ
シ化ポリエンの単独使用では製品が耐侯性や耐熱性に劣
る場合があるため、単独での使用は少なく、エポキシ化
ポリエンは他の樹脂と混合または反応させて使用される
ことが多い。
【0003】エポキシ化ポリエンの内エポキシ化ポリブ
タジエンはフェノール系樹脂との相溶性が良いため、フ
ェノール系樹脂との混合使用が多い。例えば、特開昭5
4−57592号公報、特開昭60−65013号公
報、特開昭60−86134号公報などには、フェノー
ル樹脂と混合して可撓性付与剤、成形性改良剤として使
用される例が記載されている。さらに、特開平2−92
916号公報、特開平3−66769号公報には、塗料
用フェノール系樹脂に混合して使用されている例が記載
されている。
【0004】また、エポキシ化ポリブタジエンは、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂と混合して使用される例も多い。例えば、特開
昭62−4755号公報には缶用塗料としての使用例
が、特開昭62−129363号公報には水性塗料とし
ての使用例が記載されている。尚、エポキシ化ポリエン
とビスフェノールA型のエポキシ樹脂とは相溶性が悪い
ため、両者を混合使用する場合は、一般に、両者を溶剤
中で混合し反応させて使用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記公報は、エ
ポキシ化ポリブタジエン等のエポキシ化ポリエンを他の
樹脂と混合使用する場合は、エポキシ化前のポリブタジ
エンのヨウ素価、数平均分子量、内部構造、分子の末端
基、およびエポキシ化ポリブタジエンの数平均分子量、
エポキシ基の数などが特定の範囲にあるものが好適であ
るとする。しかし、本発明者らの実験によると、上記条
件だけでは相溶性の点で不十分であった。一方、他のエ
ポキシ樹脂との相溶性を向上させるためにエポキシ化度
を高める方法もあるが、高エポキシ化物は不安定で実用
上の問題がある。
【0006】本発明の目的は、エポキシ樹脂などの他の
樹脂(基体樹脂)と混合して使用する場合に、優れた相
溶性を発揮し、基体樹脂自体が持つ各種物性を低下させ
ないエポキシ化ポリエンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、他のエポ
キシ樹脂との相溶性に優れたエポキシ化ポリエンを提供
すべく、現在市販されている分子量、内部構造、末端官
能基の違いによる十数種類の液状ポリブタジエンを入手
し、種々のポリブタジエンのエポキシ化の検討を行い、
他の樹脂との相溶性につき検討した。その結果、オキシ
ラン酸素濃度が同じでも、水酸基末端を有するエポキシ
化ポリブタジエンは、水素末端を有するエポキシ化ポリ
ブタジエンより、エポキシ樹脂との相溶性に優れること
を見い出し、これを基に本発明を完成するに至った。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0008】すなわち、本発明は、エポキシ基またはエ
ポキシ基と水酸基を持つエポキシ化ポリエンにおいて、
エポキシ基の付加している炭素上および水酸基の付加し
ている炭素上の水素の 1H−NMRのクロマトグラムに
おける1〜6ppmの範囲のピーク強度における積分値
の合計が、全プロトンシグナル積分値の15.5〜2
0.0%であることを特徴とするエポキシ化ポリエンを
提供するものである。また、ポリブタジエン、ポリイソ
プレンまたは分子中にブタジエン構造もしくはイソプレ
ン構造を有する化合物の共重合体のエポキシ化物である
ことを特徴とする前記エポキシ化ポリエンを提供するも
のである。また、ポリブタジエンのエポキシ化物であっ
て、分子量が500〜50,000であることを特徴と
する前記エポキシ化ポリエンを提供するものである。更
に、エポキシ化ポリエンの原料ポリエンの内部構造が、
二重結合中1,4−結合が50%以上であることを特徴
とする前記エポキシ化ポリエンを提供するものである。
加えて、有機過酸を使用してエポキシ化したことを特徴
とする前記エポキシ化ポリエンを提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ化ポリエンと
は、ポリブタジエン、ポリイソプレンまたはブタジエン
構造もしくはイソプレン構造を有する化合物の共重合体
をエポキシ化したものをいう。具体的には、エポキシ化
ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソプレンの他、ブタ
ジエン構造を有する共重合ポリエンのエポキシ化物、イ
ソプレン構造を有する共重合ポリエンのエポキシ化物な
どが例示できる。
【0010】エポキシ化ポリエンがエポキシ化ポリブタ
ジエンである場合には、原料たるポリブタジエンの数平
均分子量は、500〜50,000であることが好まし
く、より好ましくは1,000〜5,000である。分
子量が50,000を越えると、エポキシ化により液状
とならず作業性に劣るからである。その一方、分子量が
500を下回ると、可撓性付与剤としての効果が低くな
る場合がある。原料たるポリブタジエンの内部構造は、
二重結合中50%以上が1,4−結合であることが好ま
しい。1,2−二重結合は、エポキシ化され難いので好
ましくない。その一方、1,4−結合のものは、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂と良好な相溶性を示す点で好ましい。ポリブタジ
エンの構造は、シス型でもトランス型でもよいが、ポリ
ブタジエンの末端基は、水素または水酸基であることが
好ましい。
【0011】エポキシ化ポリエンが、エポキシ化ポリイ
ソプレン、ブタジエン構造を有する共重合ポリエンのエ
ポキシ化物、イソプレン構造を有する共重合ポリエンの
エポキシ化物のいずれの場合であっても、エポキシ化ポ
リブタジエンの場合と同様に原料たるポリエンの内部構
造は、二重結合中50%以上が1,4−結合であること
が好ましい。1,2−二重結合では、エポキシ化され難
いからである。また、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と良好な相溶性を
示す点でも好ましい。なお、ポリイソプレンの構造は、
シス型でもトランス型でもよいが、ポリイソプレンの末
端基は、水素または水酸基であるものが好ましい。
【0012】上記のポリエンをエポキシ化するには、従
来公知の方法によることができる。すなわち、(1)原料
のポリエンに、エポキシ化剤を加えて加熱する方法、ま
たは(2)原料のポリエンに、反応系でエポキシ化剤とな
り得る化合物を組合わせて加え、加熱する方法などが挙
げられる。
【0013】(1)の「エポキシ化剤」としては、過酢
酸、過ギ酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸、過プロ
ピオン酸などの有機過酸類、過酸化水素、t−ブチルヒ
ドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドなど
の有機ヒドロパーオキサイド類などが挙げられる。有機
過酸は、実質的に水分を含まないものが好ましい。オキ
シラン酸素濃度を高めることができるからである。これ
らの中で特に好ましいのは過酢酸である。工業的に安価
に入手でき、かつ安定度も高いからである。エポキシ化
剤の使用量には厳密な規制がなく、エポキシ化剤、所望
するエポキシ化度、用いるポリエンに応じて適宜選択す
ることができる。(2)の「反応系でエポキシ化剤となり
得る化合物」としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸など
のカルボン酸と過酸化水素との組合わせが挙げられる。
【0014】エポキシ化の際には触媒を用いることがで
きる。エポキシ化剤として有機過酸を使用する場合は、
炭酸ソーダなどのアルカリや硫酸などの酸を触媒として
用い得ることができる。また、エポキシ化剤にヒドロパ
ーオキサイド類を使用する場合は、過酸化水素に対しタ
ングステン酸と苛性ソーダの混合物や有機酸を、またt
−ブチルヒドロパーオキサイドに対しモリブデンヘキサ
カルボニルを触媒として使用することができる。
【0015】エポキシ化反応には、原料粘度の低下、エ
ポキシ化剤の希釈による安定化などを目的として不活性
溶媒を使用することができる。例えば、エポキシ化剤が
過酢酸の場合は、ベンゼン、キシレンなどの芳香族化合
物、エーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロ
ホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素などを用
いることができる。特に好ましい溶媒は、ヘキサン、ヘ
プタン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、酢酸エ
チル、四塩化炭素、クロロホルムである。
【0016】エポキシ化の反応温度は、エポキシ化剤に
応じて適宜選択することができる。エポキシ化剤に過酢
酸を使用する場合は、反応温度は20〜80℃であるこ
とが好ましく、特に好ましくは30〜60℃である。2
0℃を下回ると、反応速度が小さく実用的でない。その
一方、80℃を越えると過酸化物の自己分解が著しくな
り好ましくないからである。エポキシ化剤にヒドロパー
オキサイドの1種であるt−ヒドロパーオキサイド/モ
リブデン二酸化物ジアセチルアセトナート系を使用する
場合には、反応温度は20〜150℃が好ましい。過酢
酸の場合と同様に、20℃を下回ると反応速度が小さく
なり、150℃を越えるとエポキシ化剤の自己分解が著
しくなるからである。なお、反応圧力は、大気圧下で十
分であるが、やや減圧またはやや加圧にすることもでき
る。
【0017】ポリエンに対するエポキシ化剤の仕込みモ
ル比は、目的とするエポキシ化度に応じて適宜選択する
ことができる。本発明では、ポリエンが有する不飽和基
1モルに対しエポキシ化剤を1〜2モル加えるのが好ま
しい。この範囲で目的とするエポキシ化ができるからで
あり、2モルを越えても経済性が悪く、副反応生じる場
合があり好ましくないからである。より具体的にはエポ
キシ化剤に過酢酸を使用する場合は、1〜1.5モルで
あることが好ましい。
【0018】エポキシ化剤の滴下終了後の熟成時間は、
反応速度によって適宜選択できるが、通常1〜5時間程
度である。熟成時間が1時間未満の場合には、二重結合
の転化率が低く実用的でない。その一方5時間を越えて
も、例えば過酸化物として過酢酸を用いた場合にはエポ
キシ化物と酢酸の付加反応が増大し、収率の低下や製品
粘度の上昇を招き好ましくない。
【0019】得られたエポキシ化ポリエンは、公知の適
当な方法、例えば貧溶媒で沈殿させる方法、重合体を熱
水中に撹拌下に投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱
溶媒法などで単離することができる。
【0020】本発明のエポキシ化ポリエンは、分子中に
エポキシ基またはエポキシ基と水酸基を有することを要
する。分子鎖中に付加した水酸基は、ポリエン由来のも
のでもポリエンをエポキシ化する過程で生成したもので
あってもよい。
【0021】本発明のエポキシ化ポリエンは、水酸基の
付加している炭素上およびエポキシ基の付加している炭
素上の水素の1H−NMRのクロマトグラムにおける1
〜6ppmの範囲のピーク強度における積分値の合計
(B)が、全プロトンシグナル積分値(A)の15.5
〜20.0%であることが好ましく、特に好ましくは1
7.0〜20.0%である。(A)に対する(B)の割
合が20.0%を越える場合は、製品の安定性が低く実
用性に劣るため好ましくない。その一方、15.5%未
満のエポキシ化ポリエンは、他のエポキシ樹脂に対する
相溶性が低い。すなわち、極性官能基である水酸基およ
びエポキシ基またはエポキシ基が一定量以上の場合は、
他のエポキシ樹脂との相溶性が向上する。また、本発明
のエポキシ化ポリエンは、オキシラン酸素濃度が同値で
あっても、水酸基末端を有するエポキシ化ポリブタジエ
ンの方が水素末端を有するものより、他のエポキシ樹脂
との相溶性に優れる。
【0022】本発明における積分値の算出は、以下に従
った。 (1)エポキシ化ポリエンは、一般に表−1に示す濃度
位置に各官能基のピークが現われる。従って、1H−N
MRのクロマトグラムによる全プロトンシグナル積分値
(A)は、下記範囲の積分値の総計を100%として算
出した。 (2)水酸基の付加している炭素上およびエポキシ基の
付加している炭素上の水素の1H−NMRのクロマトグ
ラムにおける1〜6ppmの範囲のピーク強度における
積分値の合計(B)は、b、f、gのピーク強度の積分
値の和とした。 (3)1,4−二重結合が50%以上のポリブタジエン
は、1,4−二重結合が優先的にエポキシ化され1,2
−二重結合はほとんどエポキシ化されないため、「6.
1,2−ビニル二重結合がエポキシ化された炭素の水素
(e)」のピークは、(B)の積分値の計算に入れな
い。 (4)水酸基を持つ炭素に付加した水素の積分値は、
「3.水酸基のついた炭素に付いている水素(b)」の
ピークの積分値とした。
【0023】
【表1】
【0024】
【化1】
【0025】本発明のエポキシ化ポリエンは、他のエポ
キシ樹脂などとの相溶性に優れ、これら基材樹脂の物性
を向上させ、その用途を拡大させる。本発明に係るエポ
キシ化ポリエンと相溶性のよい樹脂の例としては、従来
公知のもの、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂などが例示できる。本発明に
係るエポキシ化ポリエンは、電着塗料、水性塗料など塗
料類、接着剤、光硬化性樹脂、積層板、樹脂改質の添加
剤として有用である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下に記載の例において、オキシラン酸素濃度は、
ASTM−D1652法(臭化水素酸法)によって分析
したものであり、エポキシ化ポリエンについての1H−
NMRの測定は、日本電子製JNM−EX270によっ
た。
【0027】<エポキシ化ポリブタジエンの合成例> [実施例1]攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた
容量500mlの4つ口フラスコに、数平均分子量16
00、二重結合中1,4−結合が96%以上で水素末端
を有するポリブタジエン(日本ゼオン(株)製:pol
yoil−110)200gと、溶媒として酢酸エチル
100gを仕込み混合した。フラスコ内温を40℃に昇
温し、攪拌しながらこれに濃度29.0%の過酢酸酢酸
エチル溶液583gを、滴下ロートを用いて約3時間で
滴下しエポキシ化反応を行ない、さらに40℃の温度で
1時間熟成させた。熟成終了後、ポリブタジエンの2重
量倍の水で3回水洗を行い、過酢酸から由来する酢酸を
除去した。さらに、減圧濃縮を行い、酢酸エチルや少量
含まれる水などの揮発成分を除去した。得られた反応生
成物は、オキシラン酸素濃度10.6%のエポキシ化ポ
リブタジエンであった。このものの諸物性値を、表−2
に示す。また1H−NMRチャートを図1に示す。
【0028】[実施例2]原料として数平均分子量が2
800、二重結合中1,4−結合が81%、1,2−結
合が19%で、水酸基末端を有するポリブタジエン(出
光石油化学(株)製:R−45HT)を使用し、濃度2
9.0%の過酢酸酢酸エチル溶液の仕込み量を414g
とした他は、実施例1と同様の手法でエポキシ化を行な
い、オキシラン酸素濃度8.3%のエポキシ化ポリブタ
ジエンを得た。このものの諸物性値を、表−2に示す。
また1H−NMRチャートを図2に示す。
【0029】[実施例3]原料として数平均分子量20
00、二重結合中1,4−結合が79%、1,2−結合
が21%で水酸基末端を有するポリブタジエン(出光石
油化学(株)製:R−15HT)を使用し、濃度29.
0%の過酢酸酢酸エチル溶液の仕込み量を518gとし
た他は、実施例1と同様の手法でエポキシ化を行ない、
オキシラン酸素濃度7.1%のエポキシ化ポリブタジエ
ンを得た。このものの諸物性値を、表−2に示す。また
1H−NMRチャートを図3に示す。
【0030】[実施例4]濃度29.0%の過酢酸酢酸
エチル溶液の仕込み量を518gとした他は、実施例1
と同様の手法でエポキシ化を行ない、オキシラン酸素濃
度9.1%のエポキシ化ポリブタジエンを得た。このも
のの諸物性値を、表−2に示す。また1H−NMRチャ
ートを図4に示す。
【0031】[実施例5]温度計、攪拌機及び還流冷却
器を備えた内容積1000mlの4つ口丸底フラスコに
実施例1で用いたポリブタジエン250g、溶媒として
酢酸エチル125g、酢酸180gと95%硫酸10.
4gを採り混合した。これを50℃に加温した。ここに
純度60%の過酸化水素水340gを滴下ロートを用い
て約3時間で滴下反応させ、更に反応温度50℃で3時
間熟成した。熟成終了後、反応液の2重量倍の水で3回
水洗し、過酢酸から由来する酢酸や硫酸を除去した。さ
らに、減圧濃縮を行い酢酸エチルや少量含まれる水など
の揮発成分を除去した。得られた反応生成物は、オキシ
ラン酸素濃度8.5%のエポキシ化ポリブタジエンであ
った。このものの諸物性値を表−2に示す。
【0032】[実施例6]温度計、攪拌機及び還流冷却
器を備えた内容積1000mlの4つ口丸底フラスコに
実施例2で使用したポリブタジエン250g、溶媒とし
て酢酸エチル125g、酢酸150g、95%硫酸8.
7gを採り混合した。これに純度60%の過酸化水素水
283gを滴下ロートを用いて約3時間で滴下反応さ
せ、更に反応温度50℃で3時間熟成した。熟成終了
後、反応液の2重量倍の水で4回水洗し、過酢酸から由
来する酢酸を除去した。さらに、減圧濃縮を行い酢酸エ
チルや少量含まれる水などの揮発成分を除去した。得ら
れた反応生成物は、オキシラン酸素濃度7.3%のエポ
キシ化ポリブタジエンであった。このものの諸物性値を
表−2に示す。
【0033】[比較例1]実施例1に記載の例におい
て、濃度29.0%の過酢酸酢酸エチル溶液の仕込み量
を390gとした他は、同例におけると同様の手法でエ
ポキシ化を行ない、オキシラン酸素濃度8.2%のエポ
キシ化ポリブタジエンを得た。このものの諸物性値を、
表−2に示す。
【0034】[比較例2]実施例1に記載の例におい
て、濃度29.0%の過酢酸酢酸エチル溶液の仕込み量
を296gとした他は、同例におけると同様の手法でエ
ポキシ化を行ない、オキシラン酸素濃度6.8%のエポ
キシ化ポリブタジエンを得た。このものの諸物性値を、
表−2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】<エポキシ化ポリブタジエンの評価試験>
実施例1〜4、比較例1〜2で得られた6種のエポキシ
化ポリブタジエンにつき、エポキシ樹脂との相溶性試験
を行った。
【0037】1.原料樹脂 (1)エポキシ化ポリブタジエン:実施例1〜4、比較例
1〜2で得られた6種のエポキシ化ポリブタジエン (2)エポキシ樹脂:ビスフェノールA型のエピコート1
009(油化シェル社製)、アラルダイトAER−50
09(アサヒチバ製)、クレゾールノボラック型のアラ
ルダイトECN−1273
【0038】2.相溶性の試験方法 原料樹脂、溶剤(ブチルカルビトール)およびエポキシ
樹脂を、重量比で50:50:140の割合で混合し、
この混合物をガラス板に塗布し、常温で乾燥させ、一週
間後外観を目視観察し判定した。評価は、[○]を透明
なもの、[×]を白濁または白いもやがかかっているも
のとした。評価結果を表−3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】(結果)表−2および表−3より、x=b
+f+g{水酸基とエポキシ基(極性のある官能基)の
積分値の比}の総計が15.5%より高い実施例のエポ
キシ化ポリブタジエンは、ガラス板に塗布して形成した
塗布膜が透明であり、エポキシ樹脂との相溶性に優れて
いた。
【0041】
【発明の効果】本発明は、次のような特別に有利な効果
を奏し、その産業上に利用価値は極めて大である。 1.本発明に係るエポキシ化ポリエンは、一定量の水酸
基とエポキシ基またはエポキシ基を含有するので、エポ
キシ樹脂との相溶性に優れている。 2.従来は、エポキシ樹脂との相溶性を向上させるため
に高エポキシ化ポリエンを使用していたが、製品にした
時に不安定で使用の際に問題であった。これに対し、本
発明に係るエポキシ化ポリエンは、製品にした時に安定
で使用の際に問題になることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたエポキシ化ポリブタジエン
1H−NMRチャートである。
【図2】実施例2で得られたエポキシ化ポリブタジエン
1H−NMRチャートである。
【図3】実施例3で得られたエポキシ化ポリブタジエン
1H−NMRチャートである。
【図4】実施例4で得られたエポキシ化ポリブタジエン
1H−NMRチャートである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基またはエポキシ基と水酸基を
    持つエポキシ化ポリエンにおいて、エポキシ基の付加し
    ている炭素上および水酸基の付加している炭素上の水素
    1H−NMRのクロマトグラムにおける1〜6ppm
    の範囲のピーク強度における積分値の合計が、全プロト
    ンシグナル積分値の15.5〜20.0%であることを
    特徴とするエポキシ化ポリエン。
  2. 【請求項2】 ポリブタジエン、ポリイソプレンまたは
    分子中にブタジエン構造もしくはイソプレン構造を有す
    る化合物の共重合体のエポキシ化物であることを特徴と
    する請求項1記載のエポキシ化ポリエン。
  3. 【請求項3】 ポリブタジエンのエポキシ化物であっ
    て、分子量が500〜50,000であることを特徴と
    する請求項2記載のエポキシ化ポリエン。
  4. 【請求項4】 エポキシ化ポリエンの原料ポリエンの内
    部構造が、二重結合中1,4−結合が50%以上である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエポキシ化ポ
    リエン。
  5. 【請求項5】 有機過酸を使用してエポキシ化したこと
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ
    化ポリエン。
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PCT/JP1997/002051 WO1997048749A1 (fr) 1996-06-17 1997-06-13 Polyene epoxyde, composition de resine epoxy et produit resultant de son durcissement, et materiau de revetement pulverulent

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005003194A1 (ja) * 2003-07-07 2005-01-13 Ube Industries, Ltd. 固相転移現象を示す結晶性ポリマー、およびその応用
WO2009093532A1 (ja) * 2008-01-23 2009-07-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 改質ゴム及びその製造方法

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