JPH1076637A - 印刷の見当制御方法 - Google Patents

印刷の見当制御方法

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JPH1076637A
JPH1076637A JP8231675A JP23167596A JPH1076637A JP H1076637 A JPH1076637 A JP H1076637A JP 8231675 A JP8231675 A JP 8231675A JP 23167596 A JP23167596 A JP 23167596A JP H1076637 A JPH1076637 A JP H1076637A
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JP
Japan
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printing
speed
register
web
compensator roll
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JP8231675A
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English (en)
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Mitsuyasu Ino
光泰 井野
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな見当ずれ量を迅速に解消し、コンペン
セータロールを移動させる際にウェブに加わる瞬間的な
張力変動を小さくする。 【解決手段】 連続的に搬送される長尺状のウェブに、
複数の印刷ユニットで印刷する際、隣接する上流側ユニ
ットによる印刷と下流側ユニットによる印刷との間に生
じている見当ずれ量に基づいて、両ユニット間に配設さ
れたコンペンセータロールの位置を移動させ、同ユニッ
ト間のウェブ長さを調節する見当制御装置により見当合
せを行う印刷の見当制御方法において、制御周期毎に、
下流側ユニットの出側で検出された見当ずれを解消する
ために、前記コンペンセータロール16を移動する際、
その移動速度Vc を、検出された見当ずれ量en に応じ
て変更すると共に、該移動速度を演算するために用いる
制御ゲインkpv、iv、kdvを、ウェブを搬送するライ
ン速度vに応じて設定変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷の見当制御方
法、例えば印刷開始直後における見当ずれを早期に解消
する際等に適用して好適な、印刷の見当制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、長尺状の紙やフィルム等のウェ
ブを、複数の印刷ユニットにより2色以上の絵柄を印刷
することが行われている。図6は、このような印刷に適
用される複数の印刷ユニットからなる印刷システムの概
要を示したもので、このシステムでは、ウェブWを矢印
方向に搬送しながら、1色目の絵柄を上流側の第1ユニ
ット10で、2色目の絵柄を隣接する下流側の第2ユニ
ット12で印刷し、必要があれば更に下流側に配設され
ているユニット(図示せず)で3色目、4色目の絵柄の
印刷を順次行っている。
【0003】ここでは、便宜上、第1及び第2ユニット
による2色印刷の場合を例に説明するが、上記印刷シス
テムでは、長尺に巻かれているウェブWを安定に搬送し
ながら、回転する第1ユニット10の版胴10Aと、こ
れを押え付けている圧胴10Bとの間を通過させ、該版
胴10Aに刻まれている凹部に付着されているインキを
ウェブWに転写することにより1色目を印刷し、次いで
同様に第2ユニット12の版胴12Aと圧胴12Bとの
間をウェブWを通過させることにより2色目の印刷を行
っている。
【0004】このように、直列に配置した2つのユニッ
トで複数色を連続印刷する場合、上流側の第1ユニット
で印刷した絵柄と、下流側の第2ユニットで印刷する絵
柄とを完全に一致させる、いわゆる見当合せが重要であ
る。
【0005】このように、隣接する印刷ユニットによる
印刷の見当合せを確実に行われるように、通常は、各色
の版胴の周囲長さが同一で、しかも位相を合せるために
全ての版胴は同一のモータで駆動されている。即ち、図
6の場合は、第1ユニット10の版胴10Aと、第2ユ
ニット12の版胴12Aは周囲長さが同一で、しかも同
一のメインモータ20により同位相で回転駆動されるよ
うになっている。
【0006】上記のように、隣接する印刷ユニットで
は、同一周囲長の版胴10A、12Aを同一位相で回転
させたとしても、両ユニット間のウェブ長さが適切な長
さになっていないと見当がずれることになる。そのた
め、見当がずれているときには、それを一致させるため
に、隣接ユニット間のウェブ長さを調整する見当制御装
置が付設されている。
【0007】この見当制御装置は、位置を上下動するこ
とによりユニット間のウェブ長さを調整するためのコン
ペンセータロール16と、見当ずれの程度(見当ずれ
量)を検出するための、第2ユニット出側に設置された
見当センサ18と、そのずれ量に応じてコンペンセータ
ロール16の移動長さ(操作量)を算出し、その結果に
基づいて上記コンペンセータロール16を上下方向に駆
動する制御部(図示せず)とを備えている。この制御装
置では、例えば、見当ずれ量に基づいてPID(比例・
積分・微分)制御が行われている。
【0008】従来、上記のような印刷システムによる複
数色の印刷は、色調整が終了した後、図7に示す搬送速
度(ライン速度)のスケジュールに従って行われてい
る。即ち、まず、低速(例えば、20m/分)の刷出速
度で印刷を開始し、この低速状態で見当合せを行い、見
当ずれ量が許容範囲(例えば、±0.2mm)に入った段
階で、昇速を開始し、定常印刷時の高速(例えば、25
0m/分)状態に上げる。
【0009】上記スケジュールに従って印刷を行う場
合、刷出印刷時に見当が合うまでに印刷した分のウェブ
は不良品となり、その後の昇速時でも通常は許容範囲を
外れるため不良品となり、更に、定常速度に達した後も
10秒程経過しないと許容範囲に入らないため、その間
も不良品となる。
【0010】更に、見当が合った安定した状態で定常印
刷を継続できたとしても、途中で外乱が生じた場合、例
えば、印刷中の原反ウェブ終端と次原反のウェブ始端と
を継げる、いわゆる紙継時には、その時の衝撃や紙継用
テープの印刷機通過に伴って外乱が加わるため、必然的
に見当ずれが発生する。
【0011】従って、連続的に搬送するウェブに対する
複数色の印刷では、上記のような許容範囲を外れる見当
ずれのウェブ長さを極力短くすることが、印刷効率の上
から極めて重要である。
【0012】従来の印刷システムの見当制御装置では、
見当ずれを解消するためにコンペンセータロールを移動
させる際には、移動速度を一定の、例えば0.5[mm
/秒]として、移動時間を変更することにより制御を行
っていた。
【0013】即ち、PID制御であれば、印刷直後に見
当ずれをセンサにて認識すると共に、その積分値、差分
値を計算し、次の(1)式に示すように見当ずれ量en
[mm]、積分値Σen 、差分値(en −en-1)のそれ
ぞれに個別の係数k′p 、k′i 、k′d を掛けたもの
を全て加算し、その値をコンペンセータロールを動かす
移動時間tとする。
【0014】 移動時間t=k′p n +k′i Σen +k′d (en −en-1 )…(1)
【0015】そして、ある一定時間間隔毎(例えば、版
胴が一周する時間毎)に見当センサ18にて見当ずれ量
を認識し、上記(1)式に基づいてコンペンセータロー
ル16を移動させる時間tを計算し、その時間だけモー
ターを駆動させる。
【0016】その際、見当ずれ量の符号を、初めの印刷
が後の印刷に対して進んで印刷されたときをプラスとす
る場合には、(1)式により計算されたtがプラスなら
ば、印刷ユニットの間の長さを長くする方向にコンペン
セータロールを移動させる。逆に、マイナスならば、印
刷ユニット間の長さを短くする方向にコンペンセータロ
ールを移動させる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンペ
ンセータロールの移動速度を一定として、その移動時間
を検出された見当ずれ量に応じて変化させる従来の制御
方法では、発生する見当ずれ量の大小に拘らず常に同一
の速度でコンペンセータロールを移動させているため、
見当ずれ量が大きい場合には迅速にそれを解消できない
上に、コンペンセータロールを移動させる度にウェブに
対して大きな瞬間的張力変動(以下、これを悪い張力変
動ともいう)が生じることになるため、円滑な見当制御
ができないという問題があった。
【0018】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、大きな見当ずれ量が生じた場合で
も、それを迅速に解消できる上に、コンペンセータロー
ルを移動させる際にウェブに加わる悪い張力変動を小さ
くできるため、円滑な見当制御を行うことができる技術
を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロールの位置
を移動させ、同ユニット間のウェブ長さを調節する見当
制御装置に連続的に搬送される長尺状のウェブに、複数
の印刷ユニットで印刷する際、隣接する上流側ユニット
による印刷と下流側ユニットによる印刷との間に生じて
いる見当ずれ量に基づいて、両ユニット間に配設された
コンペンセータロールの位置を移動させ、同ユニット間
のウェブ長さを調節する見当制御装置により見当合せを
行う印刷の見当制御方法において、制御周期毎に、下流
側ユニットの出側で検出された見当ずれを解消するため
に、前記コンペンセータロールを移動する際、その移動
速度を、検出された見当ずれ量に応じて変更することに
より、前記課題を解決したものである。
【0020】即ち、本発明においては、制御周期毎に、
検出された見当ずれ量に応じて、所定の移動時間(例え
ば、制御周期間)で見当ずれを解消できる移動速度を計
算して求め、その速度でコンペンセータロールを移動さ
せることができるので、見当ずれ量が大きい場合でも、
迅速に見当ずれを解消できる上に、コンペンセータロー
ルの移動速度を小さくすることができるため、ウェブに
対する悪い張力変動を小さくすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態は、
前記印刷の見当制御方法において、前記コンペンセータ
ロールの移動速度を演算するために用いる制御ゲイン
を、ウェブを搬送するライン速度に応じて設定変更する
ようにしたものである。この場合、例えば、定常印刷時
にはそのライン速度に最適な高い値の制御ゲインに設定
することができるため、紙継時等に外乱が生じた場合で
も、見当ずれを早期に解消することができる。又、刷出
印刷時にはその時の搬送速度に最適の低い値の制御ゲイ
ンに設定することができるため、見当合せを短時間で行
うことが可能である。
【0022】又、本発明の他の好ましい実施の形態は、
上記印刷の見当制御方法において、ライン速度が低速の
刷出印刷で見当合せを行った後、高速の定常印刷状態に
移行して印刷を行う際、前記制御ゲインを刷出印刷時に
は低い値に、定常印刷時には高い値に、それぞれのライ
ン速度に応じて設定すると共に、刷出印刷時の制御ゲイ
ンから定常印刷時の制御ゲインに設定変更する際、直線
的、下に凸の曲線的、上に凸の曲線的又は段階的に増加
させるようにしたものである。この場合、刷出印刷時か
ら定常印刷時までの昇速時にも、適切な制御ゲインの設
定が可能となるため、従来不可能であった昇速時におけ
る見当合せも可能となる。
【0023】以下、図面を参照して、より具体的な発明
の実施の形態の例を詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明に係る一実施形態の見当制
御方法に適用される制御装置の概略構成を、演算処理の
手順と共に示したブロック図であり、この見当制御装置
は、前記図5に示したものと実質的に同一の印刷システ
ムに適用される。
【0025】上記見当制御装置は、PID制御装置で、
前記図5のメインモータ20から入力されるライン速度
(搬送速度)に応じて、最適な制御ゲインを演算する制
御ゲイン計算部22と、ここで算出された制御ゲイン
と、見当センサ18で検出される見当ずれに基づいてコ
ンペンセータロール16の移動速度Vc を計算する移動
速度計算部24と、算出された移動速度Vc に基づいて
コンペンセータロール16を所定時間移動させるコンペ
ンセータロール・ドライバ26とを備えている。
【0026】上記見当センサ18では、図2に示すよう
に、ウェブWの側端部に第1ユニットで印刷された見当
マークM1と、第2ユニットで印刷された見当マークM
2との間隔Lを定期的に検出し、n番目に検出した該間
隔と目標の間隔Lo との偏差(L−Lo )を見当ずれe
n として検出する。
【0027】この見当制御装置では、PID制御が行わ
れるため、上記制御ゲイン計算部22では見当ずれ量e
n に対する比例ゲイン(係数)kp と、積分値Σen
対する積分ゲインki と、差分値(微分値)en −e
n-1 に対する微分ゲインkd とを、それぞれ次の(2)
〜(4)式で計算し、ライン速度20m/分のときの各
制御ゲインkp20 、ki20 、kd20 を基準に、ライン速
度vの変化に応じて適切な値が算出されるようになって
いる。
【0028】 kpv=kp20 +α×(v−20) …(2) kiv=ki20 +β×(v−20) …(3) kdv=kd20 +γ×(v−20) …(4)
【0029】上記各式の係数α、β、γは、例えば、図
3の(A)のような直線的に増加するように設定する。
【0030】上記制御ゲイン計算部22で、入力された
ライン速度vから、それぞれ適切な制御ゲインが算出さ
れると、移動時間計算部24でn番目の検出値である見
当ずれ量en に応じて、それを許容範囲内に収める(見
当ずれを解消する)ために必要な、ウェブWの長さに変
更するために、コンペンセータロール16を移動させる
際に設定する移動速度Vc を、次の(5)式で算出す
る。なお、ここでは、コンペンセータロール16の移動
時間が一定であり、見当ずれを解消するに必要なコンペ
ンセータロール16の移動量(距離)を、上記移動速度
Vc で設定するようになっている。
【0031】 Vc =kpvn +kivΣen +kdv(en −en-1 ) …(5)
【0032】上記(5)式によるコンペンセータロール
16の移動速度Vc は、制御周期に当る一定時間毎(例
えば、版胴が1周する時間毎)に見当ずれ量を検出して
計算され、モータドライバ26に出力され、その一定時
間だけモータを駆動させてコンペンセータロール16を
上記移動速度Vc で上方又は下方に移動させ、ウェブW
が適切な長さになる位置に移動させる。
【0033】その際、前記(1)式についての説明の場
合と同様に、見当ずれ量の符号を、初めの印刷が後の印
刷に対して進んで印刷されたときをプラスとする場合に
は、上記(5)式により計算されたVc がプラスなら
ば、印刷ユニットの間の長さを長くする方向にコンペン
セータロールを移動させる。逆に、マイナスならば、印
刷ユニット間の長さを短くする方向にコンペンセータロ
ールを移動させる。
【0034】即ち、制御周期毎に上記(5)式で求まる
移動速度Vc で一定時間(実質上制御周期に等しい)だ
け、上記移動速度Vc でコンペンセータロール16を移
動させる制御を行うことは、見当ずれが生じてen ≠0
のとき、その位置からコンペンセータロール16を、見
当が合ってen =0となる目標位置迄移動させる際、e
n が大きい程大きい移動速度で移動させることに当る。
【0035】従って、本実施形態によれば、従来のよう
にコンペンセータロールを一定速度で移動時間を変更し
て制御する場合に比べ、コンペンセータロールの移動量
を大幅に増大させることができるため、発生している見
当ずれ量が大きい場合でも、それを迅速に解消すること
ができることから、制御の応答性を向上することができ
る。
【0036】例えば、版胴1周毎に見当センサ18で見
当を検出する(サンプリングする)、即ち制御周期がサ
ンプリング間隔と実質的に同一である場合、版胴周長6
00[mm]、ライン速度200[m/分]ではサンプ
リング時間(間隔)は0.18[秒]となるが、サンプ
リング時間内でコンペンセータロールの移動量の範囲を
比較すると、従来の一定速度制御では、0から最大で
0.5[mm/秒]×0.18[秒]=0.09[m
m]であるのに対し、本発明の可変速度制御では、0か
ら最大で5.0[mm/秒]×0.18[秒]=0.9
0[mm]となる。
【0037】なお、可変速度の最大値は、機械仕様によ
り異なるが、あまり速すぎても実用的ではない。
【0038】版胴周長を0.6[m]、印刷速度250
[m/分]とすると、見当ずれ認識のサンプリング時間
は0.144[秒]であり、このサンプリング時間当り
のコンペンセータロール移動量の分解能は、以下のよう
になる。但し、モータの駆動単位時間0.01[秒]
や、係数30000はモータ及びモータドライバの分解
能により決まる。
【0039】従来(一定速度) 0.01[秒]×0.5[mm/秒]=5.0×10-3
[mm] 本発明(可変速度) 5.0[mm/秒]×0.144[秒]/30000=
2.88×10-5[mm]
【0040】なお、従来の制御法でのコンペンセータロ
ールの移動速度(ここでは、0.5[mm/秒])は、
大きいとそれだけ制御周期(時間)内の移動量を大きく
とれるため、大きな見当変動の修正には有利であるが、
分解能が大きくなるために、定常印刷時の見当安定性は
悪くなることから、自ずと制限される。
【0041】又、見当ずれ量en が特別に大きくない場
合には、本実施形態によれば、コンペンセータロール1
6を一定速度で移動させ、その移動時間を変更して制御
する従来法に比べ、ウェブWに対する瞬間的な張力変動
(悪い張力変動)を小さくできるため、滑らかな張力変
動の下で見当制御を行うことができる。
【0042】図4は、上記張力変動の発生を説明するた
めに、モータ速度の変化を概念的に示したタイムチャー
トであり、(A)は本発明法、(B)は従来法を、同一
の見当ずれが発生している場合について、それぞれ対比
して示してあり、モータ速度0の基本線と制御周期毎の
モータ速度を示す実線で囲まれた矩形の面積は、コンペ
ンセータロール16の移動距離に相当するため、それぞ
れ等しい。なお、点線はセンサによる検出タイミング
を、点線間の時間は計算遅れがあるものの実質上制御周
期に相当する。
【0043】この図4より、従来方法では、モータの駆
動時間により制御していたため、コンペンセータロール
16を移動させる時には常にモータ速度を0から一定速
度に急激に変化させている。即ち、ウェブWに対して大
きな瞬間的な張力変動がモータを駆動する度に加わる。
【0044】これに対して、本実施形態では、制御周期
(時間)をフルに使ってコンペンセータロール16を移
動させるようにしてあるので、各周期毎のモータ速度を
小さく出来ると共に、同方向へ更に移動させる場合は、
前の周期のモータ速度から不足の速度分だけ変化させれ
ば良いため、急激なモータ速度の変更、即ちウェブWに
対する瞬間的な張力変動を一段と小さくすることが可能
となる。
【0045】又、図5には、制御周期0.18秒で、ラ
イン速度200m/分の定常印刷状態において、強制的
にen =0.8〜0.9mmの見当ずれの外乱を発生さ
せた際の初期値応答性を示した。図5(A)は、コンペ
ンセータロールの移動時間一定(0.18秒)で、移動
速度Vc を0〜5[mm/秒]の範囲で調整した本実施
形態による制御結果を、同図(B)は、移動速度を一定
(0.5[mm/秒])、移動時間を0〜0.18秒の
範囲で調整した従来法による制御結果を、それぞれ示し
たものである。
【0046】この図5より、本実施形態によれば、外乱
が収束するまでの時間は、従来の1/2位であることか
ら応答性に優れ、しかも略en =0に収束していること
から安定性の高い見当制御が可能であることが判る。従
って、定常印刷中の紙継時に発生する外乱に対しても見
当制御性能が良好であることから、見当不良の発生長さ
を大幅に短縮することができる。
【0047】又、本実施形態においては、前述した如
く、コンペンセータロール16を移動させ、その位置を
制御する際の移動速度Vc を演算するための、前記
(5)式の各制御ゲインkp 、ki 、kd を、ライン速
度が低速の刷出印刷時には、その低速度に合った最適な
ゲインにし、高速の定常印刷時には、その設定された速
度に最適のゲインに設定することができる。
【0048】従って、刷出印刷時には低速度に適した制
御ゲインに設定することにより、最適な制御が可能とな
るため、定常印刷までの時間を短縮でき、作業効率を大
幅に向上することができると共に、高速の定常印刷時で
も、最適な制御ゲインに設定されているので、安定した
見当制御が可能となる。
【0049】更に、昇速時にも各速度毎に適切な制御ゲ
インを設定することが可能であるため、この昇速過程で
も見当ずれの発生を有効に防止することが可能となる。
【0050】なお、制御ゲインの設定方法は、前記
(2)〜(4)式のように制御ゲインを設定する場合、
各制御ゲイン毎に適切な比率α、β、γが設定されるこ
とは言うまでもない。
【0051】又、刷出印刷時の最適ゲインk20から、例
えばライン速度250m/分の定常印刷時の最適ゲイン
250 までの変化の仕方を規定する、前記(2)〜
(4)式の係数α、β、γは、前記図3に示す(A)の
ように、直線的な比例係数に限らず、下に凸の曲線的係
数(B)や、上に凸の曲線的係数(C)であっても、更
には、例えばライン速度100m/分までは低速のゲイ
ンk20で、それ以上では高速のゲインk250 にするとい
う、段階的に変化する係数(D)としてもよい。
【0052】又、制御ゲインとしては必ずしも、全ての
ゲインを変化させる必要はなく、例えば、積分ゲインk
i は零としても、又は一定値としてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
大きな見当ずれ量が生じた場合でも、それを迅速に解消
できる上に、コンペンセータロールを移動させる際にウ
ェブに加わる瞬間的な張力変動を小さくできるために円
滑な見当制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用される見当制御装置
の概略構成を示すブロック図
【図2】見当ずれを説明するための線図
【図3】制御ゲインの増大パターンの変形例を示す線図
【図4】本発明の効果を示す線図
【図5】本発明の効果を示す他の線図
【図6】複数の印刷ユニットからなるグラビア印刷シス
テムを示す説明図
【図7】印刷開始時のウエブ搬送スケジュールを示す線
【符号の説明】
W…ウェブ 10…第1ユニット 12…第2ユニット 10A、12A…版胴 10B、12B…圧胴 14…ガイドロール 16…コンペンセータロール 18…見当センサ 20…メインモータ 22…制御ゲイン計算部 24…移動時間計算部 26…コンペンセータロール・ドライバ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続的に搬送される長尺状のウェブに、複
    数の印刷ユニットで印刷する際、隣接する上流側ユニッ
    トによる印刷と下流側ユニットによる印刷との間に生じ
    ている見当ずれ量に基づいて、両ユニット間に配設され
    たコンペンセータロールの位置を移動させ、同ユニット
    間のウェブ長さを調節する見当制御装置により見当合せ
    を行う印刷の見当制御方法において、 制御周期毎に、下流側ユニットの出側で検出された見当
    ずれを解消するために、前記コンペンセータロールを移
    動する際、その移動速度を、検出された見当ずれ量に応
    じて変更することを特徴とする印刷の見当制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記コンペンセータロールの移動速度を演算するために
    用いる制御ゲインを、ウェブを搬送するライン速度に応
    じて設定変更することを特徴とする印刷の見当制御方
    法。
  3. 【請求項3】請求項2において、 ライン速度が低速の刷出印刷で見当合せを行った後、高
    速の定常印刷状態に移行して印刷を行う際、前記制御ゲ
    インを刷出印刷時には低い値に、定常印刷時には高い値
    に、それぞれのライン速度に応じて設定すると共に、 刷出印刷時の制御ゲインから定常印刷時の制御ゲインに
    設定変更する際、直線的、下に凸の曲線的、上に凸の曲
    線的又は段階的に増加させることを特徴とする印刷の見
    当制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002273857A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Dainippon Printing Co Ltd 印刷の見当制御方法および装置
US6938543B2 (en) 2003-10-03 2005-09-06 Tokyo Kikai Seisakusho, Ltd. Web fed printing machine having pasting-related misregistration eliminating apparatus

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