JPH1076240A - 重金属固定剤 - Google Patents

重金属固定剤

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JPH1076240A
JPH1076240A JP8253879A JP25387996A JPH1076240A JP H1076240 A JPH1076240 A JP H1076240A JP 8253879 A JP8253879 A JP 8253879A JP 25387996 A JP25387996 A JP 25387996A JP H1076240 A JPH1076240 A JP H1076240A
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dithiocarbamate
heavy metal
fixing agent
metal fixing
aqueous solution
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JP8253879A
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Hideaki Gondaira
英昭 権平
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Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来品よりも、より少量で重金属類の不溶化
処理をすることができる高いキレート性能を有するジア
ルキルジチオカルバミン酸塩水溶液からなる重金属固定
剤を提供する。 【解決手段】 ジチオカルバミン酸塩が溶解しているジ
チオカルバミン酸塩水溶液からなる重金属固定剤におい
て、該ジチオカルバミン酸塩が、炭素原子数の合計が5
以上7以下である2つの直鎖アルキル基を有する。特
に、ジチオカルバミン酸塩が、ジプロピルジチオカルバ
ミン酸塩、N−エチルプロピルジチオカルバミン酸塩、
N−ブチルメチルジチオカルバミン酸塩、N−ブチルエ
チルジチオカルバミン酸塩又はN−ヘキシルメチルジチ
オカルバミン酸塩のいずれかであることが好ましい。更
に、カウンターイオンはカリウムまたはナトリウムであ
る方がよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジチオカルバミン
酸塩水溶液からなる重金属固定剤に関する。より詳しく
は、工場排水、あるいはゴミ焼却場などにおいて発生す
る飛灰や焼却灰等に含有される重金属、特に飛灰に含有
される重金属に好適に用いられる固定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴミ焼却場において発生する焼却灰や飛
灰は最終的には埋め立て処理されるが、その灰の中には
有害な重金属類が含まれており、未処理のまま埋め立て
てしまうと、水分等によってそれらの重金属類が地中に
溶出し環境を汚染する可能性がある。そこで、重金属類
を不溶化する技術が提案されており、例えば、特開平1
−218672号公報には、重金属を不溶化する固定剤
としてキレート化合物が開示されている。しかし、ゴミ
焼却によって発生する飛灰等は、焼却中に発生する塩酸
や亜硫酸ガスなどの酸性ガスを中和するために用いられ
る消石灰などのアルカリ剤を含んでいることから、強い
アルカリ性を示す。特開平1−218672号公報で記
載されているキレート化合物は、強アルカリ下では十分
にキレート性能を発現することができない性質であるこ
とから、pHが12以下になるように飛灰等を前処理し
なければならない。そこで、pH処理等することなく、
アルカリ条件下のままでも灰中の重金属類とキレートを
形成し不溶化させることができるジアルキルジチオカル
バミン酸塩水溶液が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、重金属の固定剤
として用いられているジアルキルジチオカルバミン酸塩
水溶液としては、特開平7−284748号公報に記載
のジメチルジチオカルバミン酸塩水溶液や、特開平8−
41017号公報に記載のジエチルジチオカルバミン酸
塩水溶液、ジブチルジチオカルバミン酸塩水溶液が挙げ
られる。しかし、これらのジアルキルジチオカルバミン
酸塩水溶液のキレート性能は十分とは言えず、重金属類
を全て不溶化するためにモル数などから理論的に求めら
れた量を焼却灰や飛灰などと混合しても重金属類は完全
に不溶化されず、溶出してきてしまうことがある。従っ
て、通常は理論量よりかなり多いジアルキルジチオカル
バミン酸塩水溶液を用いなければならない。しかし、不
溶化処理後は廃棄物として埋め立て処理をするため、な
るべく廃棄物となる量が少ない方がよいことから、より
少ない量で重金属類を不溶化処理することができるキレ
ート性能の高いジアルキルジチオカルバミン酸塩水溶液
の開発が求められている。本発明の目的は、従来品より
も、より少量で重金属類を不溶化処理をすることができ
るキレート性能が高いジチオカルバミン酸塩水溶液から
なる重金属固定剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべ
く、本発明の請求項1に記載の発明は、ジチオカルバミ
ン酸塩が溶解しているジチオカルバミン酸塩水溶液から
なる重金属固定剤において、前記ジチオカルバミン酸塩
が2つの直鎖アルキル基を有し、それら直鎖アルキル基
の炭素原子数の合計が5以上7以下であることを特徴と
する。また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、ジチオカルバミン酸塩が、ジプロピ
ルジチオカルバミン酸塩、N−エチルプロピルジチオカ
ルバミン酸塩、N−ブチルメチルジチオカルバミン酸
塩、N−ブチルエチルジチオカルバミン酸塩又はN−ヘ
キシルメチルジチオカルバミン酸塩のいずれかであるこ
とが望ましい。さらに、請求項3に記載の発明では、請
求項1または2に記載の発明において、ジチオカルバミ
ン酸塩が、ジチオカルバミン酸カリウムまたはジチオカ
ルバミン酸ナトリウムであることが好ましい。請求項1
〜3に記載の重金属固定剤は、キレート性能が高いこと
から、有害な重金属類を従来よりも少量で不溶化するこ
とができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の重金属固定剤は、ジチオ
カルバミン酸塩水溶液からなりここで用いられるジチオ
カルバミン酸塩は、2つの直鎖アルキル基を有し、それ
ら2つの直鎖アルキル基の炭素原子数の合計は5以上7
以下である。
【0006】ジチオカルバミン酸塩は、水溶液中で金属
と安定なキレート構造を形成することが知られている。
種々のジチオカルバミン酸塩のキレート性能は、アルキ
ル基によってかなり影響され、我々の研究によると、2
つのアルキル基の炭素原子数の合計が7以下のものが良
く、炭素原子数の合計が8以上のものはキレート性能が
かなり劣る。合計が7以下のものでは、5以上7以下の
ジアルキルジチオカルバミン酸塩が比較的キレート性能
が優れており、このような、ジチオカルバミン酸塩とし
ては、ジプロピルジチオカルバミン酸塩、N−エチルプ
ロピルジチオカルバミン酸塩、N−ブチルメチルジチオ
カルバミン酸塩、N−ブチルエチルジチオカルバミン酸
塩、N−ヘキシルメチルジチオカルバミン酸塩、N−メ
チルペンチルジチオカルバミン酸塩、N−エチルペンチ
ルジチオカルバミン酸塩、N−ブチルプロピルジチオカ
ルバミン酸塩が挙げられる。このうち、ジプロピルジチ
オカルバミン酸塩、N−エチルプロピルジチオカルバミ
ン酸塩、N−ブチルメチルジチオカルバミン酸塩、N−
ブチルエチルジチオカルバミン酸塩及びN−ヘキシルメ
チルジチオカルバミン酸塩がより好ましい。
【0007】また、ジチオカルバミン酸塩の2つの直鎖
アルキル基は、原料であるジアルキルアミン由来である
ので、炭素原子数の合計が5以上7以下のジアルキルア
ミンを原料として用いることになる。これまでしばしば
使われてきたジメチルジチオカルバミン酸塩やジエチル
ジチオカルバミン酸塩の原料として使用されるジアルキ
ルアミンは、炭素原子数の合計が2または4で分子量が
小さいことから気化しやすく、ジチオカルバミン酸塩生
成後に未反応のまま残っていると、強い刺激臭を発し人
体に悪影響を及ぼしていた。これに対して、これらより
も分子量が大きい炭素原子数の合計が5〜7であるジア
ルキルアミンを原料として用いたときには、気化しにく
くなることからジチオカルバミン酸塩の生成後に未反応
アミンが残っていたとしても刺激臭はそれほど強くはな
い。
【0008】さらに、本発明で用いられるジチオカルバ
ミン酸塩水溶液は、貯蔵や運搬といった取扱いの点から
より濃度が高いほうがよいが、2つのアルキル基の炭素
原子数の合計が8以上になると疎水性が増し、水溶性が
劣りあまり高濃度にはできない。しかし、アルキル基の
炭素原子数の合計が7以下のものは良好な水溶性を有し
高濃度の水溶液(30〜60%程度)を得ることができ
ることから、取扱い上も都合がよい。
【0009】本発明のジチオカルバミン酸塩のカウンタ
ーイオンはカリウム、ナトリウム、リチウムが挙げら
れ、このうち溶解度の点からカリウム、ナトリウムが好
ましい。
【0010】本発明の重金属固定剤は、他の成分を含ん
でいてもよく、例えば、寒冷地の焼却処理場で使用する
場合、析出を防ぐためにキサントゲン酸塩やチオ尿素と
いった成分を加えてもよい。
【0011】本発明のジチオカルバミン酸塩水溶液は、
一般的には、以下の方法により製造される。ジアルキル
アミンとアルカリ水溶液を混合する。これらは互いにほ
とんど溶解しないことから2相分離する。この分離液を
攪拌しながら二硫化炭素を滴下するとジアルキルアミン
と二硫化炭素が素早く反応して、ジアルキルジチオカル
バミン酸が生成し、さらにこれがジアルキルアミンと反
応してジアルキルジチオカルバミン酸のジアルキルアン
モニウム塩を生成する。このアンモニウム塩はアルカリ
水溶液に溶解していき、そこで塩を形成していたジアル
キルアミンは分離しジチオカルバミン酸のアルカリ塩が
生成される。分離したジアルキルアミンは再び有機相に
移行する。この過程を繰り返すことによりジアルキルジ
チオカルバミン酸塩水溶液が得られる。ジアルキルアミ
ンと二硫化炭素の反応は発熱反応であることから、反応
系全体の温度が上昇すると、ジアルキルアミンと二硫化
炭素が気化し気相反応を起こす。そしてジアルキルジチ
オカルバミン酸のアンモニウム塩が生成し反応槽に付着
する。この気相反応をなるべく抑制するため反応系の温
度は常に45℃以下になるように調節される。また、反
応槽に付着したアンモニム塩は25℃以上であれば融解
して反応槽に流れ落ちてくる。従って、反応温度は25
℃以上45℃以下であり、好ましくは25℃以上40℃
以下である。また、異なるジアルキルアミンを原料とし
て上記の方法で得られたジチオカルバミン酸塩水溶液ど
うしを混合してもよい。さらに、このようにして得られ
た水溶液からジチオカルバミン酸塩を析出等により固体
で取り出し、使用する際に再溶解させて水溶液を得ても
よい。
【0012】このように得られたジチオカルバミン酸塩
水溶液はそのまま重金属固定剤として用いることもでき
るし、適宜濃度を調節したり、あるいは前述の他の成分
を混合するなどの処理後重金属固定剤として使用するこ
ともできる。
【0013】本発明のジチオカルバミン酸塩水溶液から
なる重金属固定剤は、焼却場で発生する飛灰や焼却灰だ
けでなく工場等から排出される排水中に含まれる重金属
類の固定剤として使用することができ、特に飛灰中の重
金属固定剤としてに好適に利用することができる。
【0014】重金属固定剤中、ジチオカルバミン酸はイ
オン化している。そのジチオカルバミン酸イオンは、ア
ルカリ下で安定に存在することから、消石灰等でアルカ
リ処理されている重金属類を含む飛灰のpH処理をする
ことなく、ジチオカルバミン酸塩水溶液と飛灰とを単に
混合するだけでキレートを形成し不溶性の塩が生じる。
【0015】以上述べたように、本発明のジチオカルバ
ミン酸塩水溶液からなる重金属固定剤によれば、優れた
キレート性能を有することから、効率よく、飛灰等に含
まれる有害な重金属類を不溶化処理することができる。
【0016】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。
【0017】1 ジチオカルバミン酸塩水溶液からなる
重金属固定剤の製造 (実施例1)300mlの二口フラスコ中に、攪拌子を
入れ、純度99%のジプロピルアミン(DPA)を2
0.4g(DPA:0.20mol)、49%NaOH
水溶液を16.3g(NaOH:0.20mol)及び
水47.8g入れた。また、純度98%の二硫化炭素を
15.5g(CS2:0.20mol)と封入水10g
を入れた50ml等圧滴下ロートと温度計を前記フラス
コに取り付けた。フラスコ内が25℃以上40℃以下の
温度範囲になるようにウォーターバスの温度を制御しつ
つ、フラスコの内容物を攪拌しながら二硫化炭素と水を
滴下した。二硫化炭素の滴下終了後約30分間攪拌を続
けて鮮黄色の水溶液を得た。この水溶液の1H−NMR
スペクトルと13C−NMRスペクトルを測定したところ
プロピル基の1Hと13Cに対応するシグナル及びジチオ
カルボキシル基の13Cに対応するシグナル得られ、これ
ら以外は確認されなかった。表1は、1Hおよび1 3Cの
ケミカルシフト値を示したものである。これにより、ジ
プロピルジチオカルバミン酸塩が生成され、副反応も起
きなかったことが分かった。
【0018】(実施例2)300ml二口フラスコ中
に、攪拌子を入れ、純度99%のN−エチルプロピルア
ミン(EPA)を17.6g(EPA:0.20mo
l)、49%NaOH水溶液を16.3g(NaOH:
0.20mol)及び水50.6gを入れた。その他に
ついては実施例1と同様の方法で反応させ、鮮黄色の水
溶液を得た。この水溶液の1H−NMRスペクトルと13
C−NMRスペクトルを測定したところ、エチル基、プ
ロピル基及びジチオカルボキシル基それぞれに対応する
シグナルが確認され、これら以外は確認されなかった。
その結果を表1に示した。これにより、N−エチルプロ
ピルジチオカルバミン酸塩が生成され、副反応も起きな
かったことが分かった。
【0019】(実施例3)300ml二口フラスコ中
に、攪拌子を入れ、純度99%のN−ブチルメチルアミ
ン(BMA)を17.6g(BMA:0.20mo
l)、49%NaOH水溶液を16.3g(NaOH:
0.20mol)及び水50.6gを入れた。その他に
ついては実施例1と同様の方法で反応させ、淡黄色の水
溶液を得た。この水溶液の1H−NMRスペクトルと13
C−NMRスペクトルを測定したところ、メチル基、ブ
チル基及びジチオカルボキシル基それぞれに対応するシ
グナルが確認され、これら以外は確認されなかった。そ
の結果を表1に示した。これにより、N−ブチルメチル
ジチオカルバミン酸塩が生成され、副反応も起きなかっ
たことが分かった。
【0020】(実施例4)DPAの代わりに純度99%
のN−ブチルエチルアミン(BEA)を20.4g(B
EA:0.20mol)を用いた以外は実施例1と全く
同様の方法で反応させ、黄土色の水溶液を得た。この水
溶液の1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペクト
ルを測定したところ、エチル基、ブチル基及びジチオカ
ルボキシル基それぞれに対応するシグナルが確認され、
これら以外は確認されなかった。その結果を表1に示し
た。これにより、N−ブチルエチルジチオカルバミン酸
塩が生成され、副反応も起きなかったことが分かった。
【0021】(実施例5)300mlの二口フラスコ
に、攪拌子を入れ、純度98%のN−ヘキシルメチルア
ミン(HMA)を17.6g(HMA:0.15mo
l)と49%NaOH水溶液12.2g(NaOH:
0.15mol)、水58.6gを入れた。また、50
ml等圧滴下ロートには、純度98%の二硫化炭素1
1.6g(0.15mol)と封入水10gを入れた。
実施例1と同様に反応させ、鮮黄色の水溶液を得た。こ
の水溶液の1H−NMRスペクトルと13C−NMRスペ
クトルを測定したところ、メチル基、ヘキシル基及びジ
チオカルボキシル基それぞれに対応するシグナルが確認
され、これら以外は確認されなかった。その結果を表1
に示した。これにより、N−ヘキシルメチルジチオカル
バミン酸塩が生成され、副反応も起きなかったことが分
かった。
【0022】(比較例1)300mlの二口フラスコ中
に、攪拌子を入れ、純度99.5%のジエチルアミン
(DEA)を22.0g(DEA:0.30mol)、
48%KOH水溶液を35.0g(KOH:0.30m
ol)及び水19.7g入れた。また、純度98%の二
硫化炭素を23.3g(CS2:0.30mol)と封
入水10gを入れた。実施例1と同様に反応させ、淡黄
色の水溶液を得た。この水溶液の1H−NMRスペクト
ルと13C−NMRスペクトルを測定したところエチル基
1Hと13Cに対応するシグナル及びジチオカルボキシ
ル基の13Cに対応するシグナル得られ、これら以外は確
認されなかった。表1は、1Hおよび13Cのケミカルシ
フト値を示したものである。これにより、ジエチルジチ
オカルバミン酸塩が生成され、副反応も起きなかったこ
とが分かった。
【0023】(比較例2)300mlの二口フラスコ中
に、攪拌子を入れ、純度99%のジブチルアミン(DB
A)を26.1g(DBA:0.20mol)、49%
NaOH水溶液を16.3g(NaOH:0.20mo
l)及び水42.1g入れた。また、純度98%の二硫
化炭素を15.5g(CS2:0.20mol)と封入
水10gを入れた。実施例1と同様に反応させ、黄土色
の水溶液を得た。この水溶液の1H−NMRスペクトル
13C−NMRスペクトルを測定したところブチル基の
1Hと13Cに対応するシグナル及びジチオカルボキシル
基の13Cに対応するシグナル得られ、これら以外は確認
されなかった。表1に、1Hおよび13Cのケミカルシフ
ト値を示した。これにより、ジブチルジチオカルバミン
酸塩が生成され、副反応も起きなかったことが分かっ
た。
【0024】
【表1】
【0025】2 重金属固定能の評価 (1)ブランクテスト A焼却場で得られたゴミ焼却処理後の飛灰100gと水
47gとをホバートミキサーに入れて混練して餅状のサ
ンプルを得た。これを7日間養生させて溶出テストの試
料とした。溶出テストは、環境庁告示13号に準じて実
施した。その結果、重金属のPbの溶出量は、9.4m
g/lであった。 (2)本発明の重金属固定剤の評価 (1)と同じ飛灰100gと水47gに、さらに実施例
1で得られた重金属固定剤を飛灰に対して1%〜5%に
なるように加えた試料を3つ調製し、それぞれホバート
ミキサーに入れて混練して餅状のサンプルを得た。これ
を、7日間養生させて溶出テストの試料とした。環境庁
告示13号に準じて溶出テストを実施し、Pbの溶出量
を測定した。この結果に基づいて、検量線を作成し、P
bの規制値である0.3mg/l以下となる重金属固定
剤の必要量を求めたところ2.8%であった。これはジ
チオカルバミン酸塩のモル数に換算すると5.6×10
-3モルであった。同様の評価を実施例2〜5、比較例1
及び2で得られた重金属固定剤に対して実施し、これら
の結果を表2に示した。
【0026】
【表2】 表2より、本発明の重金属固定剤は、高いキレート性能
を有していることが分かった。
【0027】
【発明の効果】本発明の重金属固定剤によれば、キレー
ト性能が高いことから、有害な重金属類を従来よりも少
量で不溶化処理することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジチオカルバミン酸塩が溶解しているジ
    チオカルバミン酸塩水溶液からなる重金属固定剤におい
    て、前記ジチオカルバミン酸塩が2つの直鎖アルキル基
    を有し、前記2つの直鎖アルキル基の炭素原子数の合計
    が5以上7以下であることを特徴とする重金属固定剤。
  2. 【請求項2】 前記ジチオカルバミン酸塩が、ジプロピ
    ルジチオカルバミン酸塩、N−エチルプロピルジチオカ
    ルバミン酸塩、N−ブチルメチルジチオカルバミン酸
    塩、N−ブチルエチルジチオカルバミン酸塩又はN−ヘ
    キシルメチルジチオカルバミン酸塩のいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の重金属固定剤。
  3. 【請求項3】 前記ジチオカルバミン酸塩が、ジチオカ
    ルバミン酸カリウムまたはジチオカルバミン酸ナトリウ
    ムであることを特徴とする請求項1または2に記載の重
    金属固定剤。
JP8253879A 1996-09-03 1996-09-03 重金属固定剤 Pending JPH1076240A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001049235A (ja) * 1999-08-16 2001-02-20 Nippon Soda Co Ltd 重金属固定剤
JP2003105317A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nippon Soda Co Ltd 重金属固定剤、その製造方法及び焼却灰等の処理方法

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