JPH1076030A - ゴルフクラブヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

ゴルフクラブヘッドおよびその製造方法

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JPH1076030A
JPH1076030A JP8279667A JP27966796A JPH1076030A JP H1076030 A JPH1076030 A JP H1076030A JP 8279667 A JP8279667 A JP 8279667A JP 27966796 A JP27966796 A JP 27966796A JP H1076030 A JPH1076030 A JP H1076030A
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club head
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JP8279667A
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Satoshi Yamazaki
敏 山崎
Kiyoshi Tamaru
清志 田丸
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度が高く製作が容易なゴルフクラブヘッド
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 フェイス部11とシャフト取付部17と
を一体に形成した前殻部材18の後側に、前面が開口す
る容器状の後殻部材19を接合し、前殻部材18には、
フェイス部11のヒール側の側縁から後方へ向け延出し
てサイド部の一部を構成し、その上端部がシャフト取付
部17に連なるよう設けられたサイド部側補強壁部20
を一体に形成し、後殻部材19には、この後殻部材19
のサイド部を構成する壁部のヒール側前端部に前記補強
壁部が接合される接合空間部を形成する構成とした。前
殻部材18の形成にあたっては、フェイス部11とクラ
ウン部16の前端部とが一平面上に位置する前殻形成部
材を製作、加工することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるメタルウ
ッドとして用いられるゴルフクラブヘッドおよびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、メタルウッドの素材としては、ス
テンレスが主流であったが、近年軽量で充分な強度が得
られるチタンあるいはチタン合金が注目されている。チ
タンあるいはチタン合金は、上記の特性に基づいてゴル
フクラブヘッドの大容量化が可能であり、したがってス
イートエリアの広いヘッドを実現できる。また、反発係
数が高いため、飛距離を伸ばすことができるヘッドを実
現できる。従来のこの種のゴルフクラブヘッドとして
は、例えば、図8に示す特開平7-275408号公報に記載さ
れているものが知られている。図8に示すゴルフクラブ
ヘッドは、前殻部材1と後殻部材2とからなるものであ
り、前殻部材1は平板状に形成されたフェイス部3とシ
ャフト取付部4とから構成され、この前殻部材1の後方
に、開口部5を有する後殻部材2が接合される。
【0003】また、別の例としては、図9、10に示す
登録実用新案3013980号公報に記載されているものが知
られている。図9はこのゴルフクラブヘッドを構成する
前殻部材1および後殻部材2の外観斜視図である。前殻
部材1は、フェイス部3、シャフト取付部4、および、
フェイス部外周縁に形成された外周壁6から構成され
る。また、図10は、前殻部材1および後殻部材2の断
面を示した図である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す従来のゴルフクラブヘッドは、前殻部材1と後殻部
材2との接合面が平面状に形成されており、そのため、
これらを溶接する際に位置ずれが起こりやすいという問
題があった。また、このゴルフクラブヘッドは、前殻部
材におけるシャフト取付部4およびフェイス部3をつな
ぐネック部が細くなるような形状であるため、構造的に
脆弱であるという問題があった。さらに、このゴルフク
ラブヘッドは、後殻部材2の一部をシャフト取付部4に
接合することが必要な形状であるため、この部分を接合
する際には、曲線に沿って溶接を行うことになり、製作
の際の溶接作業が容易でなかった。
【0005】一方、図9に示すようなゴルフクラブヘッ
ドにおいては、シャフト取付部4とフェイス部3の結合
部は、構造的に安定しているが、図10の断面図から明
らかなように、前殻部材1の全体に占める割合が相対的
に大きくなる。前殻部材1のフェイス部3は、このフェ
イス部3を鍛造法により製造する場合には、当該フェイ
ス部に連なる外周壁6を薄肉に形成することが困難であ
り、したがって外周壁6が強度的に必要以上に厚肉とな
り、ゴルフクラブヘッドの軽量化を図ることが困難であ
るという問題があった。さらに、このゴルフクラブヘッ
ドにおいては、図8に示したものと同様に、後殻部材2
の一部をシャフト取付部4に接合することが必要な形状
とされており、溶接作業が容易でなかった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑み行われたもの
で、その目的は、強度が高く製作が容易なゴルフクラブ
ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。ま
た、別の目的は、高い強度と軽量・大容量化とを同時に
実現し得るゴルフクラブヘッドおよびその製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては以下の手段を採用した。すなわ
ち、請求項1記載のゴルフクラブヘッドは、フェイス
部、ソール部、前記フェイス部のトウ、ヒール側両端縁
から後方へ延出するサイド部、前記フェイス部の上端縁
から後方へ延出するクラウン部、および前記フェイス部
のヒール側上端縁近傍に設けられるシャフト取付部を有
し、その内部が中空とされたゴルフクラブヘッドにおい
て、前記フェイス部と前記シャフト取付部とを一体に形
成した前殻部材の後側に、前面が開口する容器状の後殻
部材を接合してなり、前記前殻部材には、前記フェイス
部のヒール側の側縁から後方へ向け延出して前記サイド
部の一部を構成し、その上端部が前記シャフト取付部に
連なるよう設けられたサイド部側補強壁部が一体に形成
され、前記後殻部材には、この後殻部材の前記サイド部
を構成する壁部のヒール側前端部に前記補強壁部が接合
される接合空間部が形成されていることを特徴とする。
【0008】このゴルフクラブヘッドにおいては、前殻
部材におけるフェイス部のヒール側側縁後方にシャフト
取付部に連なるようにサイド部側補強壁部が設けられ、
後殻部材においては、このサイド部側補強壁部と嵌合す
るような接合空間部が設けられることによって、これら
を接合する際の位置決め作業が容易となり、同時に、シ
ャフト取付部およびフェイス部の結合部が補強され、高
強度化が図られる。
【0009】請求項2記載のゴルフクラブヘッドは、請
求項1記載のゴルフクラブヘッドにおいて、前記前殻部
材には、前記フェイス部材の上端縁から後方へ向け延出
して前記クラウン部の一部を構成し、そのヒール側端部
が前記シャフト取付部に連なるよう設けられたクラウン
部側補強壁部が一体に形成され、該クラウン部側補強壁
部は、前記フェイス部材の上端縁から後方へ延出する幅
寸法がヒール側よりトウ側が小となるよう形成されるこ
とを特徴とする。
【0010】このゴルフクラブヘッドにおいては、シャ
フト取付部とフェイス部との結合部がクラウン部側補強
壁部によってさらに補強され、また、このクラウン部側
補強壁部の形状が、幅寸法がヒール側よりトウ側に向か
って小となるように構成されているため、前殻部材の幅
がヒール側からトウ側に向かって一定の幅をもつような
従来のゴルフクラブヘッドに比べ、軽量・大容量化を図
ることができる。
【0011】請求項3記載のゴルフクラブヘッドは、請
求項2記載のゴルフクラブヘッドにおいて、前記後殻部
材は、その底部が前記ソール部を構成するとともに、そ
の壁部が前記サイド部を構成し、この後殻部材のソール
部前端縁およびトウ側サイド部前端縁と前記フェイス部
材の下端縁およびトウ側側端縁とが稜線部を形成するよ
う接合されていることを特徴とする 。
【0012】このゴルフクラブヘッドおいては、トウ側
側部および底部においても、前殻部材の全体に占める割
合を減らすことができ、より一層の軽量・大容量化を図
ることができる。また、このとき、ソール部が全て後殻
部材から形成されることにより、製作時におけるソール
部の意匠的な形状の変更が可能となる。
【0013】請求項4記載のゴルフクラブヘッドは、請
求項1記載のゴルフクラブヘッドにおいて、前記サイド
部側補強壁部は、その下端縁と後端縁のなす輪郭形状が
略L字状とされ、前記接合空間部は、前記後殻部材に設
けられたサイド部の上下方向に延在するヒール側前端縁
と該後殻部材の下部に設けられたソール部のヒール側側
端縁との間に形成されていることを特徴とする。
【0014】このゴルフクラブヘッドにおいては、前殻
部材のサイド部側補強壁部が略L字状に構成され、か
つ、接合空間部が後殻部材のソール部のヒール側側端縁
とサイド部のヒール側前端縁との間に、サイド部側補強
壁部と嵌合可能なように形成されることにより、前殻部
材と後殻部材の位置合わせおよび溶接作業時における容
易化を同時に図ることができる。
【0015】請求項5記載のゴルフクラブヘッドは、請
求項2記載のゴルフクラブヘッドにおいて、前記クラウ
ン部側補強壁部は、前記幅寸法がヒール側からトウ側へ
向け漸次小となり、その後端縁が直線状となるよう形成
されていることを特徴とする。このゴルフクラブヘッド
においては、クラウン部側補強壁部の後端縁の形状が、
直線状とされることにより溶接作業の容易化を図ること
ができる。
【0016】請求項6記載のゴルフクラブヘッドの製造
方法は、フェイス部、ソール部、前記フェイス部のト
ウ、ヒール側両端縁から後方へ延出するサイド部、前記
フェイス部の上端縁から後方へ延出するクラウン部、お
よび前記フェイス部のヒール側上端縁近傍に設けられる
シャフト取付部を有し、その内部が中空とされたゴルフ
クラブヘッドの製造に際して、予め、前記フェイス部、
シャフト取付部、およびクラウン部の前端部を一体に形
成した前殻部材と、前面が開口する容器状の後殻部材と
を製作しておき、その後これら前殻部材、後殻部材を接
合するようにしたゴルフクラブヘッドの製造方法であっ
て、前記前殻部材を製作するに際して、前記フェイス部
と前記クラウン部の前端部が一平面上に位置するととも
に、該クラウン部の前端部と前記シャフト取付部との間
に切れ目の形成された前殻形成部材を製作し、この前殻
形成部材の前記クラウン部の前端部を前記フェイス部と
の境界線において折り曲げて、該前端部側縁と前記シャ
フト部とを接合することにより、該前殻部材を製作する
ことを特徴とする。
【0017】このゴルフクラブヘッドの製造方法によれ
ば、前殻部材を形成する際に、フェイス部とクラウン部
の前端部とが一平面上に位置する前殻形成部材を製作
し、この前殻形成部材を加工するという手順が用いられ
るため、フェイス部およびクラウン部の前端部を鍛造法
によって成形することが容易となる。
【0018】請求項7記載のゴルフクラブヘッドの製造
方法は、請求項6記載のゴルフクラブヘッドの製造方法
であって、前記前殻部材を製作するに際して、前記前殻
形成部材の前記クラウン部の前端部を前記フェイス部と
の境界線にて折り曲げて、該前端部側縁と前記シャフト
部とを接合した後、前記前殻形成部材に熱処理を施し該
前殻形成部材を高強度化することにより、該前殻部材を
製作することを特徴とする。このゴルフクラブヘッドの
製造方法によれば、前殻形成部材が成形された後に、熱
処理によって高強度化が図られるために、前殻形成部材
の成形を、熱処理以前のヤング率の比較的小さい状態に
おいて行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。ここで説明する実施の形態は、
本発明を例えばドライバー等のウッドに適用した場合の
ものである。図3は、本発明によるゴルフクラブヘッド
Aを示す図であり、通常のゴルフクラブヘッドと同様
に、フェイス部11、ソール部12、トウ13側および
ヒール14側の、フェイス部11から後方へ延出するサ
イド部15、フェイス部11の上端縁から後方へ延出す
るクラウン部16、フェイス部11のヒール14側上端
縁近傍に設けられるシャフト取付部17を有し、その内
部が中空とされているものである。
【0020】このゴルフクラブヘッドAは、鍛造法によ
り一体に形成された前殻部材18と、鋳造法により一体
に形成された後殻部材19とを溶接により接合してなる
ものである。前殻部材18は、フェイス部11とシャフ
ト取付部17とを一体に形成したものであり、また、後
殻部材19は、ソール部12、およびサイド部15、ク
ラウン部16の主要部を一体に形成したものである。
【0021】これらの前殻部材18と後殻部材19を斜
視図により示したのが図1である。図1に示すように、
前殻部材18には、フェイス部11のヒール14側の側
縁11aから後方へ向け延出してサイド部15の一部を
構成し、その上端部がシャフト取付部17に連なるよう
設けられたサイド部側補強壁部20が一体的に形成され
ている。サイド部側補強壁部20はその下端縁20aと
後端縁20bのなす輪郭形状が略L字状とされている。
また、フェイス部11の上端縁11bから、後方に向け
てクラウン部16の一部を構成するクラウン部側補強壁
部21が設けられている。クラウン部側補強壁部21は
その幅寸法がヒール14側からトウ13側に向けて漸次
小さくなっており、かつその後端縁21aが直線をなす
ように構成されている。さらに、トウ13側の先端部
は、フェイス部11のトウ側側縁11cの上端と一致す
るよう構成されている。
【0022】また、後殻部材19は、その底部19aが
ゴルフクラブヘッドのソール部12の全てを構成し、側
部に位置する壁部19bはサイド部15の主要部を構成
し、上部19cはクラウン部16の主要部を構成してい
る。また、壁部19bのヒール14側前端部には、前殻
部材18のサイド部側補強壁部20が接合される接合空
間部22が形成されている。また、後殻部材19の上部
19cは、ヒール14側からトウ13側に向かってクラ
ウン部側補強壁部21と接合可能なように徐々にその幅
寸法が広がっており、その前端縁は直線状とされてい
る。さらに、壁部19bのトウ側の側縁は、フェイス部
11のトウ側側縁11cと接合するように構成されてい
る。
【0023】図2は、図1におけるI面での前殻部材1
8の断面を示した図である。この図に示すように、前殻
部材18はフェイス部11とクラウン部側補強壁部21
がL字型に一体形成された構造となっている。また、前
殻部材18は、底部を有さず、フェイス部11の下端縁
11dが後殻部材19の底部19aと稜線状に接合可能
となるように構成されている。
【0024】図4は、前殻部材18と後殻部材19とを
接合した際の、後殻部材19の底部19aとフェイス部
11の下端縁11dとの接合状態を示した断面図であ
る。このように下端縁11dにはその後面部に切欠凹部
23が形成されており、この切欠凹部23内に底部19
aが接合されている。このような接合形状は後殻部材1
9の壁部19bのトウ側側縁とフェイス部11の側縁1
1cとの接合にも適用されている。また、これらの接合
は、突き合わせ溶接または開先溶接により行われる。
【0025】上記のゴルフクラブヘッドにおいては、前
殻部材18と後殻部材19の接合部のほとんどの部分が
直線状となっており、したがって、接合の際に溶接が容
易に実施できる。それと同時に、前殻部材18のサイド
側補強壁部20と、後殻部材19における接合空間部2
2が、嵌合可能な形状として構成されており、かつ、後
殻部材19の底部19aが、フェイス部11の下端縁1
1dにおいて、図4に示したような形状ではめ合わされ
ることになるため、前殻部材18および後殻部材19の
接合の際に、これらがずれる心配が少なくなり、位置決
めの作業が容易となる。このように、本実施の形態にお
いては、ゴルフクラブヘッドの製作時の作業の容易化を
図ることができる。
【0026】また、本実施の形態においては、フェイス
部11とシャフト取付部17の結合部が、サイド側補強
壁部20およびクラウン部側補強壁部21によって補強
される形状とされているため、強度的に安定しており、
フェイス部11にインパクトの瞬間強い力が作用する前
殻部材18を、高強度のものとすることができる。
【0027】さらに、前殻部材18は、ソール部を有さ
ず、かつ上部に設けたクラウン部側補強壁部21もヒー
ル14側からトウ13側に向けてその幅寸法が漸次小さ
くなるような形状とされている。この前殻部材18は、
強い力が作用するため、肉厚に形成しなければならない
部材であるが、本実施の形態においては、上記のような
形状をとることにより、前殻部材18が全体において占
める割合を小さくでき、軽量・大容量化を図ることがで
きる。このように、本実施の形態は、ゴルフクラブヘッ
ドAの高強度化および軽量・大容量化を同時に実現する
ものである。また、後殻部19の底部19aがゴルフク
ラブヘッドAのソール部12の全ての部分を形成してい
ることから、ソール部12に継ぎ目を形成しないで済
み、したがって、このソール部12に突条を設けたり、
文字などの刻印をする場合など、ソール部への意匠的、
形態的な要素の付加を良好に行えるという効果もある。
【0028】以上が本実施の形態における作用および効
果であるが、次に本実施の形態におけるゴルフクラブヘ
ッドAの製造方法について説明する。ゴルフクラブヘッ
ドAは図1に示すように、前殻部材18および後殻部材
19を嵌合することによって形成される。これらのうち
後殻部材19は、鋳造法により容易に製作が可能である
が、前殻部材18については、インパクトの瞬間におい
て強い力が作用することが想定されることから、鍛造法
によって形成する必要がある。前殻部材18を鍛造法に
よって形成する場合には、図1に示したような形状のも
のを、直接、形成するようにしてもよいが、例えば、丸
棒を加工して前殻部材18を形成しようとする場合など
には、シャフト取付部17およびサイド部側補強壁部2
0からフェイス部11に向けては肉が流れるようにする
ことは比較的容易であっても、クラウン部側補強壁部2
1はフェイス部11からさらに立ち上がる形状とされて
いるために肉が流れにくい、という製作上の困難が生じ
る。したがって、以下に述べるような方法により前殻部
材18を形成するのが製作上有利である。
【0029】その製作方法とは、図5に示すような前殻
形成部材23を形成しておき、これを加工することによ
って、前殻部材18を形成しようとするものである。前
殻形成部材23は、図7中に示すように、フェイス部1
1およびクラウン部の前端部24が一平面上に位置する
形状とされており、シャフト取付部17とクラウン部の
前端部24との間には、切れ目25が形成されている。
前殻部材18の製作に際しては、まず、図6に示すよう
な前殻形成部材23を鍛造法によって形成する。このと
き、前殻形成部材23の材質としては、例えばTi−1
1.5Mo−6Zr−4.5Snを用いるのが好適であ
り、その場合には比較的ヤング率が低いことから加工が
容易となる。
【0030】ついで、クラウン部の前端部24をフェイ
ス部11との境界線26において図5中に矢印で示した
ような方向に折り曲げる。このようにして、クラウン部
の前端部24を折り曲げたときの前殻形成部材23の外
観を示したのが図6である。このようにクラウン部の前
端部24を折り曲げた場合、これらとシャフト取付部1
7との間には間隙27が形成されるので、この間隙27
を、例えば溶接などの手段によって接合する。このよう
に接合を行うことによって、クラウン部の前端部24と
シャフト取付部17が一体となり、図1に示すような前
殻部材18が実現される。なお、図5、図6におけるク
ラウン部の前端部24は、図1におけるクラウン部側補
強壁部21となる。前殻部材18を上記のような方法に
よって形成したら、さらに、熱処理(500℃×500
分程度)を加えることによって前殻部材18を硬化させ
る。このようにして前殻部材18を高強度のものとする
ことができる。
【0031】以上が、本実施の形態における前殻部材1
8の製作方法であり、ゴルフクラブヘッドAを形成する
には、前殻部材18を上記のような方法により形成する
一方で、後殻部材19を精密鋳造によって形成してお
き、後殻部材19と前殻部材18を例えば溶接により接
合することによって、ゴルフクラブヘッドAを形成する
ようにすればよい。なお、この場合、後殻部材19に使
用する材質としては、例えばTi−6V−4Alなどが
好適である。
【0032】このように本実施の形態においては、上記
のように、いったん図5に示すような前殻形成部材23
を形成し、これを加工することによって前殻部材18が
形成される。この前殻形成部材23はフェイス部11と
クラウン部の前端24が一平面上に位置する形状とされ
ているため、例えば、丸棒を鍛造法により加工して前殻
部材18を形成しようとする場合においても、シャフト
取付部17およびサイド部側補強壁部20からフェイス
部11を通してクラウン部の前端24にまで肉が流れる
ようにすることは比較的容易である。したがって、本実
施の形態のゴルフクラブヘッドの製造方法においては、
直接、前殻部材18を鍛造法によって形成する場合に比
べ、加工の容易化が図られ、また、このように加工上の
制約が少なくなるため、前殻部材18の材質として高強
度のものを選択することが可能となる。また、本実施の
形態においては、成形した前殻形成部材23に熱処理を
加えることによって前殻形成部材23を高強度化させ前
殻部材18を製作するという手法が用いられているた
め、熱処理を加える以前のヤング率の小さい状態で前殻
形成部材23の鍛造法による成形を行うことができ、し
たがって、前殻形成部材23の成形を容易に行うことが
可能となる。
【0033】以上において本発明の一実施の形態を説明
したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでは
なく、形態、材質等の変更が可能である。例えば、図7
は、図1に示した上記実施の形態における前殻部材18
のサイド部側補強壁部20および後殻部材19の接合空
間部22の形状を変更した場合の実施の形態を示したも
のである。また、図7中には、上記実施の形態における
図1に示したようなサイド部側補強壁部20および接合
空間部22の形状を二点鎖線によってあわせて示してあ
る。このように、図7に示す実施の形態は、サイド部側
補強壁部20の形状を、図1に示す形状から、L字形の
角部を欠落させ、接合空間部22をこの形状に対応させ
たものである。本発明の主旨は、溶接、位置合わせ等の
製作作業の容易化、および、軽量・大容量化と高強度化
との同時実現であり、このように一部の形状を変更して
も、上記実施の形態と全く同様の効果を得ることができ
る。
【0034】さらに、上記実施の形態においては、前殻
部材18の材質としてTi−11.5Mo−6Zr−
4.5Snが用いられているが、そのかわりに、例えば
Ti−10V−2Fe−3Alや、Ti−9V−2Mo
−3Alを用いるようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明のゴルフクラブヘッドにおいて
は、前殻部材におけるフェイス部のヒール側側縁後方に
シャフト取付部に連なるようにサイド部側補強壁部を設
け、後殻部材においては、このサイド部側補強壁部と嵌
合するような接合空間部を設けることにより、製作時の
位置決め作業が容易となると同時に、シャフト取付部お
よびフェイス部の結合部が補強され、高強度化が図られ
る。
【0036】また、前殻部材において、フェイス部の上
端縁から後方へ向けて延出するクラウン部側補強壁部
が、シャフト取付部と一体に形成されることにより、シ
ャフト取付部とフェイス部との結合部がさらに補強され
るとともに、このクラウン部側補強壁部の形状が、幅寸
法がヒール側よりトウ側が小となるよう構成されている
ため、前殻部材の幅がヒール側からトウ側に向かって一
定の幅をもつような従来のゴルフクラブヘッドに比べ、
軽量・大容量化を図ることができる。
【0037】さらに、後殻部材のソール部前端縁とトウ
側サイド部前端縁が、フェイス部の下端縁およびトウ側
側端縁と、稜線部をなすように接合されることにより、
トウ側側部および底部においても、前殻部材の全体に占
める割合を減らすことができ、一層の軽量・大容量化を
図ることができる。また、このとき、ソール部が全て後
殻部材から形成されることにより、製作時にソール部の
意匠的、形態的付加を良好になし得る。
【0038】また、前殻部材のサイド部側補強壁部を略
L字状に構成し、かつ、接合空間部を後殻部材のソール
部のヒール側側端縁とサイド部のヒール側前端縁との間
に、サイド部側補強壁部と嵌合するように形成すること
により、前殻部材と後殻部材の位置合わせおよび溶接作
業時における容易化を同時に図ることができる。
【0039】さらに、クラウン部側補強壁部の後端縁の
形状もまた、直線状とすることにより溶接作業のより一
層の容易化を図ることができる。
【0040】また、本発明のゴルフクラブヘッドの製造
方法によれば、フェイス部とクラウン部の前端部が一平
面上に位置するような前殻形成部材をあらかじめ形成し
ておき、その後、この前殻形成部材を加工することによ
って前殻部材が形成される。このような製造方法を採用
することによって、フェイス部を含む前殻部材の鍛造法
による形成が、前殻部材を直接成形する場合に比べて容
易化される。また、このように鍛造法による加工上の制
約が少なくなることから、フェイス部の材質としてより
高強度の材料の選択が可能となる。
【0041】さらに、成形した前殻形成部材に対して熱
処理を施し、高強度化させることによって前殻部材を製
作するようにした場合には、熱処理を施す前のヤング率
の比較的小さい段階で前殻形成部材を鍛造法により形成
することができ、したがって前殻形成部材を容易に形成
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す前殻部材および
後殻部材の斜視図である。
【図2】 図1に示した後殻部材の断面図である。
【図3】 本発明の一実施の形態を示すゴルフクラブヘ
ッドの斜視図である。
【図4】 図3に示したゴルフクラブヘッドの一部を拡
大して図示した断面図である。
【図5】 本発明におけるゴルフクラブヘッドの製造方
法を示すための前殻形成部材の斜視図である。
【図6】 図5に示した前殻形成部材におけるクラウン
部の前端部を折り曲げた際の状態を示す斜視図である。
【図7】 本発明の他の実施の形態を示す、前殻部材お
よび後殻部材の斜視図である。
【図8】 本発明の従来の技術を説明するための、前殻
部材および後殻部材の斜視図である。
【図9】 本発明の従来の技術を説明するための、前殻
部材および後殻部材の斜視図である。
【図10】 図9に示した前殻部材および後殻部材の断
面図である。
【符号の説明】
11 フェイス部 12 ソール部 13 トウ 14 ヒール 15 サイド部 16 クラウン部 17 シャフト取付部 18 前殻部材 19 後殻部材 20 サイド部側補強壁部 21 クラウン部側補強壁部 22 接合空間部 23 前殻形成部材 24 クラウン部の前端部 25 切れ目 26 境界線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェイス部、ソール部、前記フェイス部
    のトウ、ヒール側両端縁から後方へ延出するサイド部、
    前記フェイス部の上端縁から後方へ延出するクラウン
    部、および前記フェイス部のヒール側上端縁近傍に設け
    られるシャフト取付部を有し、その内部が中空とされた
    ゴルフクラブヘッドにおいて、前記フェイス部と前記シ
    ャフト取付部とを一体に形成した前殻部材の後側に、前
    面が開口する容器状の後殻部材を接合してなり、前記前
    殻部材には、前記フェイス部のヒール側の側縁から後方
    へ向け延出して前記サイド部の一部を構成し、その上端
    部が前記シャフト取付部に連なるよう設けられたサイド
    部側補強壁部が一体に形成され、前記後殻部材には、こ
    の後殻部材の前記サイド部を構成する壁部のヒール側前
    端部に前記サイド部側補強壁部が接合される接合空間部
    が形成されていることを特徴とするゴルフクラブヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のゴルフクラブヘッドにお
    いて、前記前殻部材には、前記フェイス部材の上端縁か
    ら後方へ向け延出して前記クラウン部の一部を構成し、
    そのヒール側端部が前記シャフト取付部に連なるよう設
    けられたクラウン部側補強壁部が一体に形成され、該ク
    ラウン部側補強壁部は、前記フェイス部材の上端縁から
    後方へ延出する幅寸法がヒール側よりトウ側が小となる
    よう形成されることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のゴルフクラブヘッドにお
    いて、前記後殻部材は、その底部が前記ソール部を構成
    するとともに、その壁部が前記サイド部を構成し、この
    後殻部材のソール部前端縁およびトウ側サイド部前端縁
    と前記フェイス部材の下端縁およびトウ側側端縁とが稜
    線部を形成するよう接合されていることを特徴とするゴ
    ルフクラブヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のゴルフクラブヘッドにお
    いて、前記サイド部側補強壁部は、その下端縁と後端縁
    のなす輪郭形状が略L字状とされ、前記接合空間部は、
    前記後殻部材に設けられたサイド部の上下方向に延在す
    るヒール側前端縁と該後殻部材の下部に設けられたソー
    ル部のヒール側側端縁との間に形成されていることを特
    徴とするゴルフクラブヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のゴルフクラブヘッドにお
    いて、前記クラウン部側補強壁部は、前記幅寸法がヒー
    ル側からトウ側へ向け漸次小となり、その後端縁が直線
    状となるよう形成されていることを特徴とするゴルフク
    ラブヘッド。
  6. 【請求項6】 フェイス部、ソール部、前記フェイス部
    のトウ、ヒール側両端縁から後方へ延出するサイド部、
    前記フェイス部の上端縁から後方へ延出するクラウン
    部、および前記フェイス部のヒール側上端縁近傍に設け
    られるシャフト取付部を有し、その内部が中空とされた
    ゴルフクラブヘッドの製造に際して、 予め、前記フェイス部、シャフト取付部、およびクラウ
    ン部の前端部を一体に形成した前殻部材と、前面が開口
    する容器状の後殻部材とを製作しておき、その後これら
    前殻部材、後殻部材を接合するようにしたゴルフクラブ
    ヘッドの製造方法であって、 前記前殻部材を製作するに際して、前記フェイス部と前
    記クラウン部の前端部が一平面上に位置するとともに、
    該クラウン部の前端部と前記シャフト取付部との間に切
    れ目の形成された前殻形成部材を製作し、この前殻形成
    部材の前記クラウン部の前端部を前記フェイス部との境
    界線にて折り曲げて、該前端部側縁と前記シャフト部と
    を接合することにより、該前殻部材を形成することを特
    徴とするゴルフクラブヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のゴルフクラブヘッドの製
    造方法であって、前記前殻部材を製作するに際して、前
    記前殻形成部材の前記クラウン部の前端部を前記フェイ
    ス部との境界線にて折り曲げて、該前端部側縁と前記シ
    ャフト部とを接合した後、前記前殻形成部材に熱処理を
    施し該前殻形成部材を高強度化することにより、該前殻
    部材を製作することを特徴とするゴルフクラブヘッドの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003079769A (ja) * 2001-09-10 2003-03-18 Sumitomo Rubber Ind Ltd ウッド型ゴルフクラブヘッド
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