JPH1073495A - 非鉄金属溶湯浸漬用シース熱電対 - Google Patents

非鉄金属溶湯浸漬用シース熱電対

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JPH1073495A
JPH1073495A JP26647896A JP26647896A JPH1073495A JP H1073495 A JPH1073495 A JP H1073495A JP 26647896 A JP26647896 A JP 26647896A JP 26647896 A JP26647896 A JP 26647896A JP H1073495 A JPH1073495 A JP H1073495A
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film
ceramic
sheath
metal
sprayed
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JP26647896A
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Seiichiro Miyata
征一郎 宮田
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MIYATA R ANDEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム、亜鉛、銅等の非鉄金属溶湯に直
接浸漬して測温することができるシース熱電対に係わる 【解決方法】シース熱電対の金属シース表面に耐酸化性
金属を溶射し、該溶射膜を酸化処理あるいは酸窒化処理
してなると共に、該溶射膜の上にセラミック塗膜を被覆
してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非鉄金属溶湯浸漬用シ
ース熱電対にかかわり、さらに詳しくは、アルミニウ
ム、亜鉛、銅等の非鉄金属溶湯に直接浸漬して測温する
ことができるシース熱電対に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】非鉄金属溶湯の測温には、通常、碍子で
絶縁した熱電対素線、あるいは熱電対素線を金属シース
で保護したものをセラミックあるいは耐火物保護管に挿
入し、保護管を溶湯に浸漬して温度測定している。 現状の問題点 保護管を使用するために、温度の応答性が悪く、急激
な温度変化を測定できない。 保護管が長く、持ち運びに難がある。 保護管が長く、途中で折り曲げできない。 高価である。 保護管が途中で折れやすい。また破損しやすい。
【0003】
【発明が解決する課題】本発明は、かかる問題点に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは、保護管を
使用することなく、シース熱電対をそのまま直接溶湯に
浸漬でき、温度の急速応答性に優れ、軽量で、途中で折
り曲げでき、安価で破損しにくい新しい構造のシース熱
電対を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
行った結果、次の知見を得た。すなわち、 (1) シース熱電対の金属シース表面に高温酸化膜あ
るいは酸窒化膜を形成すると、アルミニウム、亜鉛、銅
等の非鉄金属溶湯に対して顕著な耐溶損性を発揮し、溶
湯に直接浸漬して測温できること。 (2) シース熱電対の金属シース表面を高温酸化処理
あるいは酸窒化処理して表面に高温酸化膜あるいは酸窒
化膜を形成し、この膜の上に更にセラミック塗膜を被覆
すると更に顕著な耐溶損性を発揮し、溶湯に直接浸漬し
て測温できること。 (3) シース熱電対の金属シース表面に耐酸化性金属
あるいはセラミックを溶射し、該溶射膜の上にセラミッ
ク塗膜を被覆すると、溶湯に浸漬しても塗膜は剥離する
こともなく、セラミック塗膜が顕著な顕著な耐溶損性を
発揮し、溶湯に直接浸漬測温できること。そして (4) シース熱電対の金属シース表面に耐酸化性金属
を溶射し、該溶射膜を酸化処理あるいは酸窒化処理する
と、溶射膜はアルミニウム、亜鉛、銅等の溶湯に対して
顕著な耐溶損性を発揮し、溶湯に直接浸漬して測温でき
ること。そして、 (5) シース熱電対の金属シース表面に耐酸化性金属
を溶射し、該溶射膜を酸化処理あるいは酸窒化処理し、
該溶射膜の上に更にセラミック塗膜を被覆すると更に顕
著な耐溶損性を発揮し、溶湯に直接浸漬して測温できる
こと。以上の知見を得た。本発明は以上の知見に基づい
て成されたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で酸化膜とは、500℃以
上の高温酸化による酸化膜を意味する。高温酸化膜の組
成は、通常、炭素鋼では、部材に接してFeOに代表さ
れるMO系の酸化膜、さらにこの上にFeに代表
されるM系,あるいはさらにこの上にFe
に代表されるM系の酸化膜からなるようである。
クロム鋼では、最表面にFeに代表されるM
系の酸化膜、その下にFeに代表されるM
系,その下に、FeOに代表されるMO系の酸化膜、
あるいはMO・Cr系酸化物が生成されているよ
うである。クロムが高くなると(15%あたにから)、
MO・Cr系酸化物の下にCr系酸化物が
生成されているようである。ニッケル・クロムステンレ
ス鋼、インコネル合金等については正確な組成は不確か
ある。
【0006】高温酸化膜の中で、とくに水蒸気を含んだ
雰囲気での酸化膜はとりわけ優れた耐溶損性を発揮す
る。理由は不明であるが、耐溶損性は上記した通常の高
温酸化膜に比較して少なくとも約1.5倍程度向上す
る。水蒸気を含んだ雰囲気とは、雰囲気に水蒸気を加え
た雰囲気、および雰囲気中の反応によって水蒸気が生成
される雰囲気、例えば雰囲気中に含まれた水素が燃焼し
て水を生成するような場合を意味する。石油や天然ガス
の燃焼雰囲気もこれにあたる。水蒸気を含んだ雰囲気で
の酸化膜の場合、上記した酸化膜は黒変し、酸化膜の組
成も変化してくるものと推察されるが、正確な組成は不
明である。
【0007】加熱雰囲気は、必ずしも酸化雰囲気のみに
限定されるものではなく、アンモニア、窒素等の存在す
る窒化雰囲気でもよいし、あるいは窒化雰囲気や、水
素、一酸化炭素等のいわゆる還元ガス雰囲気でも、これ
らの雰囲気に水蒸気を共存させることにより、弱酸化性
雰囲気になり酸化膜あるいは酸窒化膜が形成される。
【0008】酸化物、炭化物、窒化物、ホー化物等々の
セラミックのフィラーとケイ酸塩、リン酸塩、クロム
酸、クロム酸塩、各種ゾルーゲル類等のいわゆるセラミ
ックバインダーを混合して調製したスラリー状のセラミ
ック塗料の塗膜は非鉄金属溶湯に対して優れた耐溶損性
を発揮する。上記高温酸化膜(水蒸気を含んだ雰囲気で
の高温酸化膜も含む)にセラミック塗膜を被覆すると更
に優れた耐溶損性を発揮する。セラミック塗膜は高温酸
化膜に優れた密着性を発揮する。これは高温酸化膜処理
(水蒸気を含んだ雰囲気での高温酸化膜も含む)によっ
て表面が粗面化するためである。またセラミック塗膜と
高温酸化膜の化学的な反応で結合力が強くなる。高温酸
化膜処理は塗膜の密着性を助長するための一つの手段で
もある。
【0009】セラミック塗膜の密着性の改良には、溶射
も極めて有効である。金属シース管に耐熱金属、あるい
はセラミックを溶射してセラミック塗膜を塗着すると、
塗膜は溶射膜の気孔に浸透して、一種の根を張った状態
で塗着するために溶湯に浸漬しても剥離することがな
い。溶射材料は、耐熱金属、セラミックいずれでもよ
い。とくにセラミックの場合、これ単独でも非鉄金属に
耐溶損性があるが、溶湯浸漬時の急激な熱衝撃で割れた
り、剥離することがあるが、セラミック溶射膜の上にセ
ラミック塗膜を形成することで、溶湯浸漬時の急激な熱
衝撃によるセラミック溶射膜の割れ、剥離に効果があ
る。耐熱金属には(Fe,Ni,Co)−Cr系、(F
e,Ni,Co)−Cr−(AL,Si,Y)系等の金
属がとくに有効である。セラミック溶射膜の材質は、加
熱、冷却時の割れ、剥離を防ぐために、線膨張係数がシ
ース管の線膨張係数と同等か、あるいは多少小さい材質
を選定する方がよい。シース管が鉄鋼材料の場合、ジル
コニア、アルミナ、クロミア、シリカ、等が単独あるい
はこれらが適度に混合、あるいはその他の酸化物、窒化
物、炭化物セラミック等が適度に混合された組成がよ
い。あるいは線膨張係数のことなるセラミック層が多層
に溶射されたものでもよい。
【0010】溶射金属は、高温酸化膜処理(水蒸気を含
んだ雰囲気での高温酸化膜も含む),窒化処理、酸窒化
処理すると耐溶損性は更に向上する。また高温酸化膜処
理(水蒸気を含んだ雰囲気での高温酸化膜も含む),窒
化処理、酸窒化処理すると、溶射膜単独で耐溶損性を発
揮する。溶射膜に高温酸化膜処理(水蒸気を含んだ雰囲
気での高温酸化膜も含む),窒化処理、酸窒化処理をし
たとき、溶射層の気孔内部まで酸化、窒化、酸窒化さ
れ、気孔内がこれらの酸化、窒化、酸窒化膜で埋めら
れ、被膜厚さが厚くなり、耐溶損性に関しては直接金属
部材に形成したものよりも有利になる。高温酸化膜処
理、窒化処理、酸窒化処理する場合、溶射金属の組成
は、耐酸化性金属のほか、通常の炭素鋼、合金鋼、鋳鉄
等すべての鉄系、ニッケル系、コバルト系金属を使用で
きる。これらの中でとくに鉄系金属が好ましい。
【0011】上記したようにセラミック塗膜のバインダ
ーには、ケイ酸塩、リン酸塩、クロム酸、クロム酸塩、
各種ゾルーゲル類等のいわゆるセラミックバインダー全
般を使用できるが、ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウ
ム、カリウム、リチウム等が、リン酸塩には、リン酸ア
ルミニウム等が、ゾルーゲルには、アルミナゾル等が好
適に使用できる。
【0012】シース管の組成は、通常のステンレス系、
インコネル合金等、通常この種の用途に使用されている
すべての組成を使用できるが、本発明は高価な合金を使
用しなくても耐溶損性が発揮されるのが特徴であるの
で、安価な鉄系合金を好適に使用できる。
【0013】高温酸化膜の厚さは、10〜500ミクロ
ンの範囲が最も好ましい。厚さが上限を越えると、被膜
が剥離しやすくなる。下限未満では溶湯に対する耐溶損
効果が小さい。セラミック塗膜の厚さは50〜1000
ミクロンの範囲が最も好ましい。厚さが上限を越える
と、被膜が剥離しやすくなる。下限未満では溶湯に対す
る耐溶損効果が小さい。溶射膜の厚さは、金属溶射膜の
厚さには特別な制約はないが、セラミック溶射の場合、
10〜1000ミクロンの範囲が最も好ましい。厚さが
上限を越えると、被膜が剥離しやすくなる。下限未満で
はセラミック塗膜の密着効果が小さい。
【0014】本発明の非鉄金属溶湯浸漬用シース熱電対
とは、溶湯に直接浸漬されるシース熱電対、及び溶湯に
直接浸漬されることはないが溶湯が表面に接触する部位
に使用されるシース熱電対も総称するものである。
【0015】なお本発明でいうシース熱電対とは金属シ
ース管の中に熱電対素線が差込まれ、素線とシース管の
隙間にMgOのような熱伝導に優れた絶縁体セラミック
の粉が充填された構造のものである。通常パイプの中に
素線と絶縁体の粉を詰めてパイプを外側から冷間で絞り
加工してパイプと素線との間の絶縁粉を高密度に圧縮し
て高密度充填しているが、本発明のシース熱電対は、こ
の様な充填法のみに限定されるものではなく、要は素線
とシース管の間に絶縁体が充填されたものであれば、い
かなる構造のものでもよい。また、シース管の先端部は
閉じられた構造のみに限定されるものではなく、先端が
開孔し、開孔部にセラミック塗料が塗着されて孔を塞い
でもよい。またセラミック溶射で孔を塞いだものでもよ
い。
【0016】
【実施例】
実施例1 図に示す構造のシース熱電対(クロメルーアルメル・K
熱電対)をアルミニウム溶湯に直接浸漬して耐溶損性を
調べた。 シース管の材質: フェライト系ステンレス鋼(SUS
430)。 シース管の外径: 8.0mm [図1の構造]図1は、プロパンガス燃焼炉で、100
0℃で1時間酸化処理したものである。1はシース管、
2は高温酸化膜である。 [図2の構造]図2は図1の構造の酸化膜の上に下記組
成のセラミック塗膜300μmを塗着したものである。
1はシース管、2は高温酸化膜,3はセラミック塗膜。 [セラミック塗料の組成]フィラーとして粒度10ミク
ロン以下のアルミナ粉末、シリカ粉末を使用。 アルミナ粉末とシリカ粉末の重量比率は、7:3 バインダーとしてケイ酸ソーダーを使用。フィラーとケ
イ酸ソーダーを6:4の割合で混合。上記組成の塗料を
酸化膜の上に塗着し、乾燥した後、600℃で1時間加
熱して炉冷した。 [図3の構造]図3は金属シース表面にFe−15Cr
−3AL鋼を0.3mm厚さ溶射し、溶射膜の上にさら
に図2のセラミック塗料を300μmを塗着したもので
ある。1はシース管、3はセラミック塗膜、4は溶射
膜。セラミック塗膜は図2と同じ条件(乾燥後、600
℃で1時間加熱して炉冷)で塗着した。 [図4の構造]図4は金属シース表面にFe−17Cr
鋼を0.3mm厚さ溶射し、プロパンガス燃焼炉で、1
000℃で1時間酸化処理したものである。1はシース
管、5は酸化した溶射金属層である。 [図5の構造]図5は金属シース表面にFe−17Cr
鋼を0.3mm厚さ溶射し、プロパンガス燃焼炉で、1
000℃で1時間酸化処理し、さらに酸化膜の上に図2
のセラミック塗料を300μmを塗着し、乾燥した後、
600℃で1時間加熱して炉冷したものである。1はシ
ース管、3はセラミック塗料、5は酸化した溶射金属層
である。 [図6の構造]図6は金属シース表面に下記組成のセラ
ミックを0.3mm厚さ溶射し、溶射膜の上にさらに図
2のセラミック塗料を300μmを塗着したものであ
る。1はシース管、3はセラミック塗膜、4は溶射膜。
セラミック塗膜は図2と同じ条件(乾燥後、600℃で
1時間加熱して炉冷)で塗着した。 セラミック溶射膜の組成(wt%): シリカ :60 アルミナ:34 酸化鉄:3 カルシア:1.5 その他 :1.5 [浸漬テスト]図1〜6の構造のシース熱電対を750
℃のAl−Si溶湯に50時間浸漬した。なお、比較の
ために無処理のシース熱電対もテストした。 [評価]シース管の溶損量(mm)で評価した。 [結果]無処理のシース熱電対は30分で測温不能にな
った。 本発明のシース熱電対は、アルミニウム溶湯に対して極
めて優れた耐溶損性を有することが確認できた。
【0017】
【実施例】 実施例2 下記3種類の構造のシース熱電対(クロメルーアルメル
・K熱電対)を亜鉛溶湯に直接浸漬して耐溶損性を調べ
た。 シース管の材質: オーステナイト系ステンレス鋼。 シース管の外径: 3.2mm [1の構造]1050℃で1時間,NH+水蒸気混合
ガスで酸窒化した後、炉冷した。 [2の構造]金属シース表面にFe−15Cr−3AL
鋼を0.3mm厚さ溶射し、溶射膜の上に下記2種類の
組成のセラミック塗膜を積層して塗着したもの。下地層
200μm、表面層100μm。 [セラミック塗料の組成] [下地層塗膜の組成]フィラーとして粒度10ミクロン
のアルミナ粉末、シリカ粉末を使用。アルミナ粉末とシ
リカ粉末の重量比率は、4:6 バインダーとしてケイ酸ソーダーを使用。フィラーとケ
イ酸ソーダーを6:4の割合で混合。上記組成の塗料を
酸化膜の上に塗着し、乾燥した後、600℃で1時間加
熱して炉冷した。 [表面層塗膜の組成]フィラーとして粒度10ミクロン
以下のアルミナ粉末を使用。バインダーとしてリン酸ア
ルミニウムを使用。フィラーとリン酸アルミニウムを
6:4の割合で混合。上記組成の塗料を下地層の上に塗
着し、乾燥した後、500℃で1時間加熱して炉冷し
た。 [3の構造]金属シース表面に下記組成のセラミックを
0.3mm厚さ溶射し、溶射膜の上にさらに上記2の構
造のセラミック塗料を積層して塗着したものである。セ
ラミック塗膜は2と同じ厚さ、条件で塗着した。 セラミック溶射膜の組成(wt%): シリカ :60 アルミナ:34 酸化鉄:3 カルシア:1.5 その他 :1.5 [浸漬テスト]1〜3の構造のシース熱電対を550℃
に保持した亜鉛溶湯に100時間浸漬した。なお、比較
のために無処理のシース熱電対もテストした。 [評価]シース管の溶損量(mm)で評価した。 [結果]無処理のシース熱電対は、70分で測温不能に
なった。 [結果] 本発明のシース熱電対は、亜鉛溶湯に対しても極めて優
れた耐溶損性を有することが確認できた。
【0018】
【実施例】
実施例3 下記3種類の構造のシース熱電対(クロメルーアルメル
・K熱電対)を黄銅溶湯に直接浸漬して耐溶損性を調べ
た。 シース管の材質: フェライト系ステンレス鋼。 シース管の外径: 6.0mm [1の構造]金属シース表面にFe−15Cr−3AL
鋼を0.3mm厚さ溶射し、溶射膜の上に下記組成のセ
ラミック塗膜を300μm塗着したもの。 [セラミック塗料の組成]フィラーとして粒度10ミク
ロン以下のアルミナ粉末、シリカ粉末を使用。アルミナ
粉末とシリカ粉末の重量比率は、7:3 バインダーとしてケイ酸ソーダーを使用。フィラーとケ
イ酸ソーダーを6:4の割合で混合。上記組成の塗料を
酸化膜の上に塗着し、乾燥した後、600℃で1時間加
熱して炉冷した。 [2の構造]金属シース表面にFe−13Cr鋼を0.
3mm厚さ溶射し、1000℃で1時間、水蒸気酸化処
理。水蒸気酸化膜のうえに上記セラミック塗膜を300
μm塗着。塗着後、乾燥、600℃で1時間加熱して炉
冷した。 [3の構造]金属シース表面に下記組成のセラミックを
0.3mm厚さ溶射し、溶射膜の上にさらに上記1のセ
ラミック塗料を塗着。セラミック塗膜は2と同じ厚さ、
条件で塗着した。 セラミック溶射膜の組成(wt%): シリカ :60 アルミナ:34 酸化鉄:3 カルシア:1.5 その他 :1.5 [浸漬テスト] 1〜3の構造のシース熱電対を110
0℃に保持した黄銅溶湯に300時間浸漬した。なお、
比較のために無処理のシース熱電対、およびセラミック
塗料を塗着しないセラミック溶射だけの試料も作成して
テストした。 [評価] シース管の片肉の溶損量(mm)で評価し
た。 [結果] 無処理のシース熱電対は、5分で測温不能に
なった。 本発明のシース熱電対は、黄銅溶湯に対しても極めて優
れた耐溶損性を有することが確認できた。とくに2,3
の構造は顕著な耐溶損性を示すことが確認できた。ま
た、セラミック塗膜は溶射被膜の溶湯浸漬時の熱衝撃に
よる剥離の防止に効果があることを確認できた。
【0019】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明のシース熱
電対は非鉄金属の溶湯に対して優れた耐溶損性を有し、
非鉄金属溶湯の測温の分野に対して多大な貢献を成すも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、シース熱電対を高温酸化した実施例の
説明図。
【図2】図2は、シース熱電対の高温酸化膜の上にセラ
ミック塗膜を塗着した実施例の説明図。
【図3】図3は、シース熱電対表面に耐酸化性金属を溶
射し、溶射膜の上にセラミック塗料を塗着した実施例の
説明図。
【図4】図4は、シース熱電対表面に耐酸化性金属を溶
射し、溶射膜を高温酸化した実施例の説明図。
【図5】図5は、シース熱電対表面に耐酸化性金属を溶
射し、溶射膜を高温酸化し、さらに酸化膜の上にセラミ
ック塗料を塗着した実施例の説明図。
【図6】図6は、シース熱電対表面にセラミックを溶射
し、溶射膜の上にセラミック塗料を塗着した実施例の説
明図。
【符号の説明】
1… シース管 2… 高温酸化膜 3…セラミッ
ク塗膜 4… 溶射膜 5…酸化した溶射金属層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シース熱電対の金属シース表面に高温酸
    化膜あるいは酸窒化膜を形成してなることを特徴とする
    非鉄金属溶湯浸漬用シース熱電対。
  2. 【請求項2】 シース熱電対の金属シース表面に高温酸
    化膜あるいは酸窒化膜を形成し、該膜の上にセラミック
    塗膜を被覆してなることを特徴とする非鉄金属溶湯浸漬
    用シース熱電対。
  3. 【請求項3】 シース熱電対の金属シース表面に耐酸化
    性金属を溶射し、該溶射膜の上にセラミック塗膜を被覆
    してなることを特徴とする非鉄金属溶湯浸漬用シース熱
    電対。
  4. 【請求項4】 シース熱電対の金属シース表面に耐酸化
    性金属を溶射し、該溶射膜を酸化処理あるいは酸窒化処
    理してなることを特徴とする非鉄金属溶湯浸漬用シース
    熱電対。
  5. 【請求項5】 シース熱電対の金属シース表面に耐酸化
    性金属を溶射し、該溶射膜を酸化処理あるいは酸窒化処
    理してなると共に、該溶射膜の上にセラミック塗膜を被
    覆してなることを特徴とする非鉄金属溶湯浸漬用シース
    熱電対。
  6. 【請求項6】 シース熱電対の金属シース表面にセラミ
    ックを溶射し、該溶射膜の上にセラミック塗膜を被覆し
    てなることを特徴とする非鉄金属溶湯浸漬用シース熱電
    対。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001289715A (ja) * 2000-04-05 2001-10-19 Yamari Sangyo Kk 測温基板
CN110117762A (zh) * 2018-02-05 2019-08-13 美的集团股份有限公司 制备绝缘涂层的方法、金属板材、热电偶、电器

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