JPH1073159A - トルクコンバータ付自動変速機の故障診断装置 - Google Patents

トルクコンバータ付自動変速機の故障診断装置

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JPH1073159A
JPH1073159A JP22720696A JP22720696A JPH1073159A JP H1073159 A JPH1073159 A JP H1073159A JP 22720696 A JP22720696 A JP 22720696A JP 22720696 A JP22720696 A JP 22720696A JP H1073159 A JPH1073159 A JP H1073159A
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JP
Japan
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gear ratio
failure diagnosis
failure
speed
automatic transmission
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JP22720696A
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Hiroshi Suzuki
鈴木浩志
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Aisin AW Co Ltd
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Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入力センサを備えないトルクコンバータ付自動
変速機において、自動変速機の故障をより正確に診断す
る。 【解決手段】ステップS5で、車速Vとスロットル開度
θによる車両走行状態が予め設定した故障診断領域にあ
ると判断されると、エンジン回転数と自動変速機の出力
回転数とからギヤ比が算出される。このギヤ比が、ステ
ップS7で制御装置からの指令によるギヤ比の正常範囲
にないと判断されると、ステップS8で次の変速が禁止
され、また算出したギヤ比がこの正常範囲にない状態が
所定時間継続されると、ステップS11で故障と判断
し、かつ警告を発するとともに変速禁止を解除する。こ
れにより、変速による故障診断の中断が防止され、かつ
変速機能の故障が誤判断することなく確実に検出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ
を備えた自動変速機における故障診断装置の技術分野に
属し、特に、自動変速機の入力回転数を検出する入力回
転センサを備えていなく、ギヤ比を自動変速機の入出力
回転数の比で判断することができないような自動変速機
における故障診断装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に自動変速機の故障診断において
は、自動変速機の入力回転数と出力回転数との比からな
るギヤ比を診て、自動変速機の実際の変速段が、電子制
御装置から自動変速機の変速制御用のソレノイドバルブ
に出力される変速の指令信号の変速段通りに達成してい
るか否かを診断している。
【0003】ところが、入力回転センサを備えていない
自動変速機の場合は、入力回転数を検出することができ
ないのでギヤ比を診ることができなく、したがって自動
変速機の実際の変速段を得ることができない。そこで、
自動変速機の入力回転数の代わりにエンジン回転数を用
い、このエンジン回転数と自動変速機の出力回転数との
比を実際のギヤ比とし、このギヤ比を診ることにより故
障を診断することが行われている。
【0004】しかしながら、自動変速機にトルクコンバ
ータが付設されている場合、トルクコンバータの速度比
によってはトルクコンバータの滑りがあるため、トルク
コンバータの入力とトルクコンバータの出力とが一致し
なく、したがってエンジン回転数と自動変速機の入力回
転数とは一致しない。このため、実際のギヤ比を正確に
得ることができない。
【0005】そこで、入力回転センサを備えていないト
ルクコンバータ付自動変速機の変速機能が故障している
か否かを診断する一例として、自動変速機の実際の変速
段が、電子制御装置から自動変速機の変速制御用のソレ
ノイドバルブに出力される変速の指令信号の変速段通り
に達成しているか否かを診断する自動変速機の故障診断
装置が、特開平6ー331021号公報により提案され
ている。
【0006】この公報の故障診断装置においては、トル
クコンバータの速度比がほぼ1.0となる車両走行状態
で、エンジン回転数と自動変速機の出力軸回転数とから
算出されるギヤ比と、電子制御装置から指令される変速
段のギヤ比とを比較し、その比較の結果、両者がほぼ一
致しているか否かによって変速機能の故障を判断してい
る。トルクコンバータの速度比が1.0のときは、スロ
ットル開度が大でかつ車速が大きく、トルクコンバータ
の滑りが生じていないときであるので、トルクコンバー
タの入出力が同じになっている。したがって、このよう
にトルクコンバータの速度比がほぼ1.0となる車両走
行状態のときに算出されるギヤ比で、変速機能の故障を
診断した場合は、より正確な診断結果が得られるように
なる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、正確な故障
診断を行うためには異常値が連続的に検出されたか否か
を診る必要があり、このためには診断に所定の時間が必
要となる。しかしながら、例えば2速時の故障を判定し
ようとした場合、この2速での速度比がほぼ1.0とな
る走行状態がかなり限られた範囲であるばかりでなく、
3速シフトアップ線と隣接している、すなわち3速寄り
に接近しているため、このように診断に所定の時間を要
してしまうと、診断している時間内に変速が実行されて
しまう場合がある。このため、この変速により故障診断
が中断されてしまうばかりでなく、今までの診断が無駄
になってしまい、正確な故障判定を行うことができな
い。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、入力センサを備えないト
ルクコンバータ付自動変速機において、自動変速機の故
障をより正確に診断することのできる自動変速機の故障
診断装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、エンジンにトルクコンバータ
を介して連結され、制御装置から指令される変速制御信
号により、この変速制御信号に対応したギヤ比を設定す
る自動変速機において、車両走行状態が予め設定されて
いる故障診断領域にあるか否かを判断する手段と、前記
車両走行状態が前記故障診断領域にあるときエンジン回
転数と自動変速機の出力回転数とからギヤ比を算出する
算出手段と、算出された前記ギヤ比が前記変速制御信号
による変速段のギヤ比の正常範囲にあるか否かを判断す
る手段と、算出された前記ギヤ比が前記正常範囲外にあ
るとき変速を禁止する手段と、算出された前記ギヤ比が
前記正常範囲外にある状態が所定時間継続したとき変速
機能が故障したと判断する手段とを少なくとも備えてい
ることを特徴としている。
【0010】また請求項2の発明は、エンジンにトルク
コンバータを介して連結されるとともに、制御装置から
指令される変速制御信号によりオン・オフ作動する複数
のソレノイドバルブを備え、前記変速制御信号に対応し
たギヤ比を設定する自動変速機において、車両走行状態
が予め設定されている故障診断領域にあるか否かを判断
する手段と、前記車両走行状態が前記故障診断領域にあ
るときエンジン回転数と自動変速機の出力回転数とから
ギヤ比を算出する算出手段と、算出された前記ギヤ比が
前記変速制御信号による変速段のギヤ比の正常範囲にあ
るか否かを判断する手段と、前記複数のソレノイドバル
ブがそれぞれ故障したとき、各ソレノイドバルブが達成
する変速段をそれぞれ予め記憶する記憶手段と、算出さ
れた前記ギヤ比が前記正常範囲外にあるとき、算出され
た前記ギヤ比から変速段を特定する手段と、特定された
変速段および前記記憶手段に記憶されている変速段に基
づいて前記複数のソレノイドバルブのいずれのソレノイ
ドバルブがどのように故障したかを判断する手段と、算
出された前記ギヤ比が前記正常範囲外にあるとき変速を
禁止する手段と、算出された前記ギヤ比が前記正常範囲
外にある状態が所定時間継続したとき変速機能が故障し
たと判断する手段とを少なくとも備えていることを特徴
としている。
【0011】更に請求項3の発明は、前記故障診断領域
が、ある変速段で前記トルクコンバータのスリップ量を
含めて算出され得るギヤ比が、他の変速段で前記トルク
コンバータのスリップ量を含めて算出され得るギヤ比を
含まないように設定されていることを特徴としている。
【0012】
【作用および効果】このように構成された本発明の発明
のトルクコンバータ付自動変速機の故障診断装置におい
ては、予め設定した故障診断領域において故障診断が行
われるようになる。したがって、故障診断領域を適宜設
定することにより、従来のようなトルクコンバータの速
度比が1.0の近傍に限定されることなく、より広い領
域にわたって故障検出が誤検出されることなく、より正
確に行うことができる。
【0013】また、算出されたギヤ比が電子制御装置か
ら指令されたギヤ比の正常範囲外にあるときには、自動
変速機の次の変速が禁止されるようになる。したがっ
て、変速により故障診断が中断されるようなことはなく
なり、今までの診断が無駄になるのを防止でき、より正
確な故障判定を行うことができる。
【0014】更に、算出されたギヤ比が電子制御装置か
らのギヤ比の正常範囲外にある状態が所定時間診断さ
れ、この状態が所定時間継続されたときに、はじめて変
速機能が故障していると判断される。したがって、変速
機能の故障を誤判断することなくより正確に検出でき
る。
【0015】特に請求項2の発明においては、更にいず
れかのソレノイドバルブが故障したときに達成される変
速段が決定され、電子制御装置に予め記憶される。そし
て、算出されたギヤ比から変速段が特定され、特定され
た変速段と記憶されている変速段とから、変速機能の故
障が判断される。したがって、どのソレノイドバルブが
どのように故障しているのか、すなわちスティック・オ
ンによる故障なのかあるいはスティック・オフによる故
障なのかを正確に判別できる。
【0016】また請求項3の発明においては、更に故障
診断領域が、正常時でも誤検出しないトルクコンバータ
のスリップ量の多い領域を含む比較的広い領域にわたっ
て設定されるようになる。したがって、故障検出の誤検
出を確実に防止でき、故障検出をより正確に行うことが
できる。しかも、故障診断領域が拡大するので、故障診
断の機会を増大させることができ、その結果故障診断を
より確実に行うことができて、故障診断の信頼性を向上
させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明のトルクコンバータ
付自動変速機の故障診断装置の実施の形態の一例を示す
概略構成図である。
【0018】図1に示すように、本例においても従来の
トルクコンバータ付自動変速機と同様にエンジン1の出
力軸(不図示)にトルクコンバータ2の入力軸(不図
示)が連結されているとともに、トルクコンバータ2の
出力軸(不図示)に自動変速機3の入力軸(不図示)が
連結されている。
【0019】また本例の故障診断装置4は、トルクコン
バータ2の入力回転数に対応するエンジン回転数を検出
するエンジン回転センサ5と、自動変速機3のレンジが
Dレンジであるか否かを検出するレンジセンサ6と、車
速に対応する自動変速機3の出力軸3aの出力回転数を
検出する出力回転センサ8と、スロットル弁9のスロッ
トル開度θを検出するスロットル開度センサ10と、故
障時に警告を発する、例えば警告ランプ等の警告装置1
1と、各センサ5,6,8,10からそれぞれ検出信号が
入力されてこれらの各検出信号に基づいて故障診断を行
うとともに、故障診断結果、故障であると診断したとき
警告装置11を作動する自動変速制御用の電子制御装置
12とを備えている。また電子制御装置12は、自動変
速機3の変速のためのクラッチやブレーキ等の各種変速
制御要素への油圧を制御する複数のソレノイドバルブ
(不図示)を制御することにより、所定のギヤ比への変
速制御を行うようになっている。
【0020】また、電子制御装置12はエンジン回転数
と自動変速機3の出力軸3aの出力回転数との比である
速度比が、後述するように車両走行状態が故障診断領域
にあるときを検出し、この車両走行状態を検出したとき
に自動変速機の変速機能の故障診断を行うようになって
いる。
【0021】次に、本例の故障診断装置4による故障診
断について説明する。本例の故障診断装置4において
は、故障診断を行う領域が各速度段毎におよび各ソレノ
イドバルブ毎に予め設定されている。すなわち、本例の
故障診断装置4ではいつでも故障診断が行われるのでは
なく、例えば車速Vおよびスロットル開度θ等の車両の
走行に関係する量に基づく車両走行状態が、予め各速度
段毎におよび各ソレノイドバルブ毎に設定された故障診
断領域にある場合にのみ、故障診断が行われるようにし
ている。
【0022】この故障診断領域は、たとえトルクコンバ
ータ2のスリップ量が多い領域でも入出力回転数から算
出したギヤ比で、確実に故障診断できる領域に設定され
ている。すなわち、正常時でも誤検出しないトルクコン
バータ2のスリップ領域を含み、必ずしも、前述の従来
技術のようにトルクコンバータの速度比が1.0近傍で
なくてもよい。
【0023】図2は、本例の故障診断装置4において、
予め設定された故障診断領域の一例および各速度段での
ギヤ比の一例を示す図である。この故障診断領域の例
は、変速制御用の第1ソレノイドバルブS1および第2ソ
レノイドバルブS2と、トルクコンバータ2用のロックア
ップソレノイドバルブSLの3個のソレノイドバルブが設
けられている場合の例である。また、この例の場合の車
両走行状態はスロットル開度θと車速Vとにより決定さ
れている。
【0024】図2において、例えば第1ソレノイドバル
ブS1について説明すると、この第1ソレノイドバルブS1
がオン状態でスティックしたか否かを診断するのは、車
両走行状態が、変速段が4速で、スロットル開度θ1〜
θ2で、車速がV1〜V2の範囲内にあるときである。
【0025】また、第1ソレノイドバルブS1がオフ状態
でスティックしたか否かを診断するのは、車両走行状態
が、変速段が2速で、スロットル開度θ3〜θ4で、車
速がV3〜V4の範囲内にあるときである。
【0026】第2ソレノイドバルブS2およびロックアッ
プソレノイドバルブSLの各スティック・オンおよび各ス
ティック・オフの場合についても、前述と同様であり、
それぞれの故障診断領域はそれらの詳細な説明を省略す
るが図2に示すように予め設定される。
【0027】一方、本例の故障診断装置4は、エンジン
回転数と自動変速機の出力回転数とからギヤ比を算出し
ている。この算出されるギヤ比は、ある変速段でトルク
コンバータ2のスリップ量を含めて算出され得る値であ
り、その場合他の変速段でトルクコンバータ2のスリッ
プ量を含めて算出され得るギヤ比を含まないように設定
している。
【0028】例えば、図2において第1ソレノイドバル
ブS1のスティック・オンの故障診断領域内で、第1ソレ
ノイドバルブS1が正常時のギヤ比は、トルクコンバータ
の最大滑り量を含めて0.5〜1.0の範囲にある。した
がって、エンジン回転数と出力回転数とから算出された
ギヤ比がこの正常範囲にあるか否かによって故障診断が
行われる。第1ソレノイドバルブS1のスティック・オフ
診断、第2ソレノイドバルブS2およびロックアップソレ
ノイドバルブSLのスティック・オンーオフ診断の場合
も、それぞれ故障診断領域内での正常時のギヤ比が設定
されており、算出されたギヤ比がその正常範囲にあるか
否かによって行われる。
【0029】更に、図2に示すように第1および第2ソ
レノイドバルブS1,S2の各スティック・オン時の各故障
診断が行われる変速段として、2速が設定されている
が、故障時に算出されるギヤ比は、第1ソレノイドバル
ブS1では0.7〜1.4の範囲に、第2ソレノイドバルブ
S2では2.5〜5.0の範囲に設定されており、互いに重
ならないようにされている。これにより、どのソレノイ
ドバルブが故障しているのかを検出できるようにしてい
る。
【0030】同様に、第1および第2ソレノイドバルブ
S1,S2の各スティック・オン時に故障診断が行われる変
速段として、4速が設定されているが、故障時に算出さ
れるギヤ比が互い重ならないようにされている。
【0031】更に本例の故障診断装置4は、算出したギ
ヤ比が正常なギヤ比の範囲外にあるときは自動変速機3
の変速を禁止するようにしている。更に、算出したギヤ
比が範囲外にある状態が所定時間継続されたときに、は
じめて変速機能が故障であると判断している。そして、
変速機能が故障であると判断されたときは、警告装置1
1により警告を発するとともに、変速禁止を解除するよ
うにしている。その場合、この所定時間は、各ソレノイ
ドバルブS1,S2,SL毎、およびスティック・オンースティ
ック・オフ毎にそれぞれ設定されている。
【0032】図3は、本例の故障診断装置4による故障
診断のフローチャートを示す図である。図3に示すよう
に、まずステップS1において自動変速機3のレンジが
Dレンジであるか否かが判断される。この判断はレンジ
センサ6からのレンジ検出信号に基づいて行われる。D
レンジであると判断されると、ステップS2においてN
レンジからDレンジにシフトした直後であるか否か(例
えば、20秒以上経過したか否か)が判断される。この
判断は同様にレンジセンサ6からのレンジ検出信号に基
づいて行われる。
【0033】NレンジからDレンジへのシフト直後でな
いと判断されると、ステップS3において自動変速機の
作動油の油温が所定値T0(例えば、60℃)より大き
いか否かが判断される。この判断は油温センサからの油
温検出信号に基づいて行われる。作動油の油温が所定温
度T0より大きいと判断されると、ステップS4におい
て車速センサ、スロットルセンサ、エンジン回転セン
サ、ATF油温センサ、Nスイッチからの各入力信号お
よびソレノイド信号がそれぞれが正常であるか否かが判
断される。この判断は、各センサからの検出信号に基づ
いて行われる。
【0034】各信号がすべて正常であると判断される
と、ステップS5において車速Vおよびスロットル開度
θが故障診断領域にあるか否かが判断される。この故障
診断領域は、例えば前述の図2に示す故障診断領域が用
いられる。
【0035】車速Vおよびスロットル開度θが故障診断
領域にあると判断されると、ステップS6においてギヤ
比が算出される。すなわち、電子制御装置12は車速V
およびスロットル開度θが故障診断領域にあるときに、
自動変速機3の故障診断を開始する。まず、出力回転数
とトルクコンバータ入力回転数であるエンジン回転数と
の比を求めることによりギヤ比を算出する。次いで、ス
テップS7において算出したギヤ比が正常範囲にある否
かが判断される。このギヤ比の正常範囲は、正常時に、
トルクコンバータのスリップ量を含めて取り得るギヤ比
の範囲に設定されている。
【0036】ギヤ比が正常範囲にないと判断されると、
ステップS8において故障判定タイマtによりカウント
が開始されるとともに、ステップS9において変速が禁
止される。すなわち、故障判定タイマtが作動してカウ
ントを開始するとともに、故障判定を行うために、所定
時間変速を禁止する。次に、ステップS10において故
障判定タイマtのカウント値が故障判定時間t0を越え
たか否かが判断される。カウント値が故障判定時間t0
を越えてりいないと判断されると、再びステップS1に
戻って、故障診断の各処理を繰り返す。
【0037】ステップS10においてカウント値が所定
時間t0を越えたと判断されると、ステップS11にお
いて故障と判断するとともに警告装置11を作動して警
告を発する(例えばインストールメントパネルに設けら
れた警告ランプを点灯して警告表示する)。更に変速禁
止を解除する。
【0038】また、ステップS1でDレンジでないと判
断されたとき、ステップS2でNレンジからDレンジへ
のシフトが直後でないと判断されたとき、ステップS3
で作動油の油温が所定温度T0以下であると判断された
とき、ステップS4で各信号のいずれかが異常であると
き、およびステップS5で車速Vおよびスロットル開度
θがそえれぞれ故障診断領域でないと判断されたとき、
ステップS12において故障判定タイマtがクリアされ
た後、ステップS10に移行する。すなわち、これらの
ときは故障診断は行われない。また、ステップS7でギ
ヤ比が正常範囲であると判断されたときも、同様にステ
ップS12を経てステップS10に移行し、それ以上の
故障診断は行われない。
【0039】このように本例の故障診断装置4によれ
ば、予め設定した故障診断領域において故障診断を行う
ようにしているので、従来のようなトルクコンバータ2
の速度比が1.0の近傍でなくても、正常時でも誤検出
しないトルクコンバータ2のスリップ量の多い領域を含
む比較的広い領域にわたって、故障検出を誤検出するこ
となく、より正確に行うことができるようになる。しか
も、故障診断領域が拡大するので、故障診断の機会を増
やすことが可能となる。これにより、故障診断をより確
実に行うことができ、故障診断の信頼性が向上する。
【0040】また、算出されたギヤ比が電子制御装置か
ら指令されたギヤ比の正常範囲外にあるときには、自動
変速機の次の変速を禁止しているので、変速による故障
診断の中断を防止することができる。
【0041】更に、算出されたギヤ比が電子制御装置か
らのギヤ比の正常範囲外にあることが所定時間が継続さ
れたときに、はじめて変速機能の故障であると判断して
いるので、誤判断することなく確実に変速機能の故障を
検出することができる。
【0042】次に、本発明の故障診断装置の実施の形態
の他の例について説明する。本例の故障診断装置4は、
前述の例の故障診断装置4の構成に加えて、更に複数の
ソレノイドバルブがそれぞれ故障したとき、各ソレノイ
ドバルブが達成する変速段をそれぞれ予め決めて、電子
制御装置12のメモリに記憶させておく。そして、前述
の算出したギヤ比が正常範囲外にあるときに、このギヤ
比から変速段を特定するとともに、この特定された変速
段および記憶手段に記憶されている変速段に基づいて複
数のソレノイドバルブのいずれのソレノイドバルブがど
のように故障したのか、すなわちスティック・オンの故
障なのかあるいはスティック・オフの故障なのかを診断
するようにしている。
【0043】図4は、本例の故障診断装置4において、
予め設定された、各ソレノイドバルブがそれぞれ故障し
たときに達成する変速段の一例を示す図である。この例
においても、前述の図2と同様に3個のソレノイドバル
ブS1,S2,SLが設けられる場合の例である。
【0044】図4に示すように、第1ソレノイドバルブ
S1に関しては、3速でのスティックオンによる故障の場
合は、正常時の2速と同じ状態に設定し、また4速での
スティック・オンによる故障の場合は、正常時の1速と
同じ状態に設定されている。同様に第1ソレノイドバル
ブS1に関して、1速でのスティック・オフによる故障の
場合は、正常時の4速と同じ状態に設定され、また2速
でのスティック・オフによる故障の場合は、正常時の3
速と同じ状態に設定されている。同様に、他のソレノイ
ドバルブS2,SLについても図4に示すように設定されて
いる。
【0045】そして、特に図4において黒塗りされてい
るように、例えば第1ソレノイドバルブS1のスティック
・オンの状態では、前述のように4速の場合を故障診断
するようにしているので、4速での故障診断時に算出し
たギヤ比が1速と同じ状態のときは、第1ソレノイドバ
ルブS1のスティック・オンによる故障であると、予め決
めてある。同様に、2速での故障診断時に算出したギヤ
比が3速と同じ状態のときは、第1ソレノイドバルブS1
のスティック・オフによる故障であると、予め決めてあ
る。同様に、他のソレノイドバルブS2,SLについても図
4に黒塗りされているように予め決めてある。
【0046】図5は、本例の故障診断装置4による故障
診断のフローチャートを示す図である。図5に示すよう
に、本例の故障診断のフローチャートにおいて、ステッ
プS21からステップ27までの各処理は、それぞれ前
述の図3に示す例のフローチャートにおけるステップS
1からステップS7までの各処理とまったく同じであ
る。また、ステップS29からステップ33までの各処
理は、それぞれ前述の図3に示す例のフローチャートに
おけるステップS8からステップS33までの各処理と
まったく同じである。したがって、これらの各ステップ
の処理の説明は省略する。
【0047】更に本例のフローチャートでは、ステップ
S27においてギヤ比が正常範囲にないと判断されたと
きに、ステップS29の故障判定タイマtによるカウン
ト開始の処理とステップS30の変速禁止の処理に加え
て、ステップS28の故障ソレノイドの判定の処理が行
われるようになっている。この処理は、算出されたギヤ
比による変速段が前述の図4に示すように予め決められ
た速度段のどれにあたるかを判断し、どのソレノイドバ
ルブのどのような故障なのかが確定される。すなわち、
例えば、2速時には3個のソレノイドバルブS1,S2,SLの
故障診断が行われるが、そのとき算出されたギヤ比が、
第1ソレノイドバルブS1のスティック・オンの故障によ
るギヤ比なのか、第1ソレノイドバルブS1のスティック
・オフの故障によるギヤ比なのか、第2ソレノイドバル
ブS2のスティック・オンまたスティック・オフの故障に
よるギヤ比なのか、あるいはロックアップソレノイドバ
ルブSLのスティック・オンまたスティック・オフの故障
によるギヤ比なのかが判別されて特定される。
【0048】このように本例の故障診断装置4によれ
ば、前述の故障診断装置4の効果に加えて、更に複数の
ソレノイドバルブのいずれかが故障したとき、どのソレ
ノイドバルブがどのように故障したのかを正確に特定す
ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトルクコンバータ付自動変速機の故
障診断装置の実施の形態の一例を示す概略構成図であ
る。
【図2】 予め設定された故障診断領域の一例および各
速度段でのギヤ比の一例を示す図である。
【図3】 図1に示す例の故障診断装置による故障診断
のフローチャートの一例を示す図である。
【図4】 図1に示す例の故障診断装置において、予め
設定された、各ソレノイドバルブがそれぞれ故障したと
きに達成する変速段の一例を示す図である。
【図5】 図1に示す例の故障診断装置による故障診断
のフローチャートの他の例を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…トルクコンバータ、3…自動変速
機、4…故障診断装置、5…エンジン回転センサ、6…
レンジセンサ、7…油温センサ、8…出力回転センサ、
9…スロットルバルブ、10…スロットル開度センサ、
11…警告装置、12…電子制御装置、V…車速、θ…
スロットル開度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにトルクコンバータを介して連
    結され、制御装置から指令される変速制御信号により、
    この変速制御信号に対応したギヤ比を設定する自動変速
    機において、 車両走行状態が予め設定されている故障診断領域にある
    か否かを判断する手段と、前記車両走行状態が前記故障
    診断領域にあるときエンジン回転数と自動変速機の出力
    回転数とからギヤ比を算出する算出手段と、算出された
    前記ギヤ比が前記変速制御信号による変速段のギヤ比の
    正常範囲にあるか否かを判断する手段と、算出された前
    記ギヤ比が前記正常範囲外にあるとき変速を禁止する手
    段と、算出された前記ギヤ比が前記正常範囲外にある状
    態が所定時間継続したとき変速機能が故障したと判断す
    る手段とを少なくとも備えていることを特徴とするトル
    クコンバータ付自動変速機の故障診断装置。
  2. 【請求項2】 エンジンにトルクコンバータを介して連
    結されるとともに、制御装置から指令される変速制御信
    号によりオン・オフ作動する複数のソレノイドバルブを
    備え、前記変速制御信号に対応したギヤ比を設定する自
    動変速機において、 車両走行状態が予め設定されている故障診断領域にある
    か否かを判断する手段と、前記車両走行状態が前記故障
    診断領域にあるときエンジン回転数と自動変速機の出力
    回転数とからギヤ比を算出する算出手段と、算出された
    前記ギヤ比が前記変速制御信号による変速段のギヤ比の
    正常範囲にあるか否かを判断する手段と、前記複数のソ
    レノイドバルブがそれぞれ故障したとき、各ソレノイド
    バルブが達成する変速段をそれぞれ予め記憶する記憶手
    段と、算出された前記ギヤ比が前記正常範囲外にあると
    き、算出された前記ギヤ比から変速段を特定する手段
    と、特定された変速段および前記記憶手段に記憶されて
    いる変速段に基づいて前記複数のソレノイドバルブのい
    ずれのソレノイドバルブがどのように故障したかを判断
    する手段と、算出された前記ギヤ比が前記正常範囲外に
    あるとき変速を禁止する手段と、算出された前記ギヤ比
    が前記正常範囲外にある状態が所定時間継続したとき変
    速機能が故障したと判断する手段とを少なくとも備えて
    いることを特徴とするトルクコンバータ付自動変速機の
    故障診断装置。
  3. 【請求項3】 前記故障診断領域は、ある変速段で前記
    トルクコンバータのスリップ量を含めて算出され得るギ
    ヤ比が、他の変速段で前記トルクコンバータのスリップ
    量を含めて算出され得るギヤ比を含まないように設定さ
    れていることを特徴とする請求項1または2記載のトル
    クコンバータ付自動変速機の故障診断装置。
JP22720696A 1996-08-28 1996-08-28 トルクコンバータ付自動変速機の故障診断装置 Pending JPH1073159A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006300285A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Mazda Motor Corp 自動変速機の故障検出装置
KR20090041024A (ko) * 2007-10-23 2009-04-28 주식회사 케피코 자동변속기의 페일 세이프티 제어 방법
JP2012092939A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Jatco Ltd 自動変速機
CN102563041A (zh) * 2010-10-28 2012-07-11 加特可株式会社 自动变速器
JP2016098923A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 日立オートモティブシステムズ株式会社 無段変速機の変速制御装置

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