JPH1073010A - エンジンの動弁装置 - Google Patents

エンジンの動弁装置

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JPH1073010A
JPH1073010A JP22959996A JP22959996A JPH1073010A JP H1073010 A JPH1073010 A JP H1073010A JP 22959996 A JP22959996 A JP 22959996A JP 22959996 A JP22959996 A JP 22959996A JP H1073010 A JPH1073010 A JP H1073010A
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outer cylinder
lifter
valve
lift amount
engine
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Hiroki Ikejiri
弘樹 池尻
Koji Asaumi
皓二 浅海
Masahiro Chiyoushi
昌博 調枝
Toshiro Nishimoto
敏朗 西本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイドロリックラッシュアジャスタによるク
リアランス調整において経時変化後においても打音、着
座音が発生しないようにする。 【解決手段】 吸気または排気バルブ7の軸端部7aに先
端部16aが当接するリフター16を外筒15に対して摺動自
在に内装し、外筒15を支持母材4の嵌装孔11にバルブ側
から嵌装すると共に、この外筒15の底部に設けた貫通通
路15aを介してリフター16に油圧を作用させる油圧通路
12を設け、外筒15とリフター16との間に両者を引き離す
方向に弾性体17を設けたハイドロリックラッシュアジャ
スタ5を備え、前記外筒15と支持母材4とに係止して外
筒15のバルブ側への移動を防止する規制部材10を設けて
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロリックラ
ッシュアジャスタ(以下HLAと称する)を備えたエン
ジンの動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンの動弁装置におい
て、動弁機構中のクリアランスに伴って発生する打音の
解消、上記クリアランスの調整作業を不要とすることか
ら、油圧タペットとしてHLAを設置することが、例え
ば、実開昭62−88804号、実開昭62−7621
1号等の先行例に見られるように知られている。
【0003】このHLAは、基本的には、背部にチェッ
ク弁を介して油圧が供給されるリフターを摺動自在に設
け、このリフターの先端部をリフトスプリングによって
付勢した状態でバルブの軸端部に当接させて、カム軸の
回転に伴ってチェック弁が閉じた状態でバルブの押し込
み開弁作動を行う一方、バルブが閉じた状態ではリフタ
ーがリフトスプリングによって軸端部との間に隙間がな
いように移動して内部のオイル室にオイルが流入するよ
うにして、常にクリアランスがない状態に作動するもの
である。
【0004】上記HLAは、先行例の前者の公報に見ら
れるように、ロッカアームのバルブ側の一端部に形成し
たシリンダ状の摺動部に、リフターを摺動自在に挿入
し、このリフターの先端部をバルブの軸端部に当接する
と共に、リフター内部にチェック弁を介して油圧を供給
するようにしたものがある。しかし、この構造では、リ
フターはロッカアームに形成された摺動部の壁面に対し
て直接接触して摺動することから、その壁面は耐磨耗性
を有する必要があり、軽量化のためにロッカアームをア
ルミニウム合金で形成する場合にはそのための硬化処理
等を行う必要があると共に、十分な耐磨耗性を得ること
が困難である。
【0005】この点から、先行例の後者のように、ロッ
カアーム等の支持母材の嵌装孔に外筒を挿入し、この外
筒の内部にリフターを摺動自在に装着するようにした構
造が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上記のよう
な外筒を有するHLAを設けた場合に、長時間の使用に
伴う経時変化によってクリアランスが生じて打音が発生
する問題がある。
【0007】具体的には、リフターを突出方向に付勢す
るリフトスプリングの経時変化によるへたりや、外筒と
支持母材との間のOリングの経時変化による劣化によっ
て外筒の固定力が低下した場合には、バルブが閉弁状態
となってHLAのリフターに対する押圧力が解放され、
内部のオイル室への油圧通路からのオイルが流入する前
に、前記外筒が油圧通路の油圧によって移動して支持母
材の嵌装孔の底部との間にクリアランスが生じる可能性
がある。このときには、次に開弁するためにHLAを介
してバルブを押圧した際に、上記クリアランスを閉じる
ように外筒が移動して嵌装孔の底部と衝突する打音が発
生する恐れがある。
【0008】なお、上記油圧による外筒の移動は、この
外筒の支持母材への固定力を、かしめ等によって高める
ことにより阻止可能であるが、構造上の制約および外筒
に対するリフターの摺動が阻害されることなどから、そ
の構造は採用できない。また、リフターを突出方向に付
勢するリフトスプリングを強くすることによっても、油
圧を速やかに内部のオイル室に導入して外筒の移動によ
るクリアランスの形成を防止することが可能であるが、
このリフトスプリングの径または長さの増大はHLAの
大型化、重量増加を招き、エンジン高回転時のバルブ開
閉の追従性が低下することからそれ程大きくできない。
【0009】一方、前記HLAの通常の作動において、
バルブをバルブスプリングに抗して開弁している際に
は、HLA内に閉じこめられたオイルの一部は、リフタ
ーと外筒との隙間から洩れ出て、このリフターはその洩
れ量に相当する分没入し、次にバルブが閉じた際に前記
リフトスプリングによってリフターを突出移動させると
共に内部のオイル室にオイルを導入することで上記の漏
れたオイルを補充するように作動するものである。そし
て、長時間の運転に伴う動弁機構における各部の磨耗、
例えばロッカーアーム軸受部等の摺動部分の磨耗によ
り、リフターのリフト量(移動量)が増大する傾向にな
り、これに前述の洩れに対する移動量も加わってリフタ
ーのリフト量も増大することになり、HLAをコンパク
トに構成しつつ経時変化後においても十分なリフト量を
確保する必要がある。このリフト量が確保されないと、
リフター先端とバルブ軸端部との間にクリアランスが生
じて打音が発生することになり、各部の寸法交差等を考
慮しても必要なリフト量を確保する必要がある。
【0010】また、エンジンの停止状態において、一部
の気筒ではバルブを開いたタイミングで停止することが
あり、この場合においはHLAのリフターにはバルブス
プリングの付勢力が作用することで、内部のオイル室の
オイルは前述のリフターと外筒との隙間から洩れ出し
て、リフターはリフト量がゼロの状態となる。そしてこ
の状態からエンジンが再始動されると、リフターのリフ
ト量が大きいほど内部のオイル室には多量のオイルを導
入する必要があり、油圧通路からのオイルの導入が遅れ
たり、オイルが劣化してオイルへの混入エア量が増大し
ていると、内部オイル室の疑似剛性が不足してバルブの
押し付け力が低下し、カムの回転に対するバルブリフト
の追従性が悪化し、バルブとバルブシートとの着座音が
発生する恐れがある。
【0011】そこで本発明は上記事情に鑑み、経時変化
後においても上記のような打音、着座音が発生しないよ
うにしたHLAを備えたエンジンの動弁装置を提供せん
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明のエンジンの動弁装置は、吸気または排気バルブの軸
端部に先端部が当接するリフターを外筒に対して摺動自
在に内装し、外筒を支持母材の嵌装孔にバルブ側から嵌
装すると共に、該外筒の底部に設けた貫通通路を介して
リフターに油圧を作用させる油圧通路を設け、前記外筒
とリフターとの間に両者を引き離す方向に弾性体を介装
したハイドロリックラッシュアジャスタを備え、前記外
筒と支持母材とに係止して外筒のバルブ側への移動を防
止する規制部材を設けたことを特徴とするものである。
【0013】また、前記規制部材は断面コの字状の板バ
ネで構成し、一端を外筒に他端を支持母材に係止するの
が好適である。
【0014】一方、本発明の他のエンジンの動弁装置
は、吸気または排気バルブの軸端部に先端部が当接する
リフターを外筒に対して摺動自在に内装し、上記外筒を
ロッカアームの一端部に形成した嵌装孔にバルブ側から
嵌装すると共に、該外筒の底部に設けた貫通通路を介し
てリフターに油圧を作用させる油圧通路を設け、前記外
筒とリフターとの間に両者を引き離す方向に弾性体を介
装したハイドロリックラッシュアジャスタを設け、前記
リフターの前記外筒に対する初期組み付け時のバルブの
閉弁時におけるリフト量を、前記リフターの前記外筒に
対する摺動の最大リフト量の1/2よりも小さいリフト
量に設定したことを特徴とするものである。
【0015】特に、前記最大リフト量は、寸法公差にお
ける下限値で設定するのが望ましい。そして、前記リフ
ターの初期組み付け時のリフト量の設定は、前記外筒を
嵌装する嵌装孔の深さで調整するか、前記外筒を嵌装す
る嵌装孔の底部と外筒端面との間に調整用シムを介装し
て調整することによって行える。
【0016】
【発明の効果】上記のような本発明のエンジンの動弁装
置によれば、HLAにおける外筒と支持母材とに係止し
て外筒のバルブ側への移動を防止する規制部材を設けた
ことにより、バルブ着座後にはリフターは弾性体による
付勢力で移動して内部に油圧通路から油圧が導入され、
弾性体のへたりやOリングの劣化等の各部の経時変化に
よって外筒自体が支持母材に対して移動しやすくなって
もその移動が前記規制部材によって規制され、上記油圧
通路から作用する油圧によって外筒自体が支持母材に対
して移動し嵌装孔の底部にクリアランスが形成されるこ
となく、この移動が原因で発生する打音が防止でき、H
LAの所期の機能が維持できるものである。
【0017】特に規制部材としてコの字状の板バネを使
用したものでは、一端が外筒に他端が支持母材に係止し
て、この外筒の移動を防止することで、HLAを組み付
けた後に装着が容易に行え、係止性能が向上できる。
【0018】また、本発明の他のエンジンの動弁装置に
よれば、ロッカアームの一端にHLAを設けると共に、
リフターの外筒に対する初期組み付け時のバルブ開弁時
におけるリフト量を、最大リフト量の1/2よりも小さ
いリフト量に設定したことにより、リフターのバルブ側
へのリフト移動に余裕が大きくあり、エンジンの運転に
伴い経時変化としてロッカアーム軸受部等の磨耗によっ
て前記リフターのリフト量が増大するか、オイルの劣化
によって疑似剛性が低下した場合においても、これに追
従してリフターが移動してカムの回転に対するバルブリ
フトの追従性を確保し、バルブとバルブシートとの着座
音の発生を防止できる。
【0019】さらに、前記最大リフト量を寸法公差にお
ける下限値で設定すると、経時変化に対しより一層リフ
ターの移動量が確保できる。そして、前記リフターの初
期組み付け時のリフト量の設定は、嵌装孔の深さで調整
することによって行え、また、嵌装孔の底部と外筒端面
との間に調整用シムを介装することによっても簡単に行
える。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す一つの実施の形
態に基づいて本発明を詳細に説明する。図1はオーバー
ヘッドカム方式のエンジンの動弁装置の要部断面正面
図、図2はHLA部分の断面図である。
【0021】エンジンのシリンダヘッド1上にカムシャ
フト2が回転自在に支承され、このカムシャフト2はエ
ンジンのクランクシャフト(図示せず)に同期して回転
駆動され、所定形状のカム面2aが設けられている。ま
た、上記カムシャフト2と平行に延びるロッカーシャフ
ト3がシリンダヘッド1上に支持され、このロッカーシ
ャフト3に揺動可能にロッカーアーム4が支承され、該
ロッカーアーム4の一端部4a(図では左端部)は上記
カムシャフト2のカム面2aに当接しており、カムシャ
フト2の回転によりロッカーアーム4が所定角度揺動さ
れるようになっている。
【0022】一方、ロッカーアーム4の他端部4b(図
では右端部)には、後述のハイドロリックラッシュアジ
ャスター5(HLA)を介して、吸気または排気ポート
6を開閉する吸気または排気用のバルブ7における軸端
部7aが当接しており、上記ロッカーアーム4の揺動に
伴いバルブ7を閉弁方向に付勢するバルブスプリング8
の付勢力に抗して押圧して開弁し、バルブ7をバルブス
プリング8の付勢力でバルブシート9に着座させて所定
のタイミングで開閉するように構成されている。
【0023】そして、上記ロッカーアーム4の他端部4
bには、バルブ7に面する側に径の大きい嵌装孔11が
開口され、この嵌装孔11の底部11aに段部を介して
連続する径の小さい油圧通路12が設けられている。上
記油圧通路12はさらにロッカーアーム4内部に設けら
れたオイル孔4cを介してロッカーシャフト3の中心油
路3aに連通して油圧が供給される。
【0024】前記ロッカーアーム4の嵌装孔11にはH
LA5が装着されるもので、この嵌装孔11にはHLA
5の外筒15が嵌装される。図5にも示すように、上記
外筒15は先端部(下端部)が開放する有底筒状で、底
部の中心部には貫通通路15aが開口され、底面15b
が前記嵌装孔11の底部11aに当接するまで嵌装され
ている。この外筒15の内部には、プランジャ状のリフ
ター16が摺動自在に挿入され、リフター16の先端部
16aが前記バルブ7の軸端部7aと当接する。
【0025】上記リフター16の後部には外筒15の底
部との間に、リフター16の移動に対応して拡大、縮小
するオイル室18が構成され、このオイル室18内には
リフター16を突出方向、すなわちオイル室18を拡大
する方向に付勢する弾性体としてのリフトスプリング1
7が縮装されると共に、前記貫通通路15aを開閉する
ボールによるチェック弁20が配設され、このチェック
弁20はスプリング21によって閉弁方向に付勢されて
いる。
【0026】なお、前記外筒15の外周部にはOリング
23が装着されて嵌装孔11の内周面との間のシールを
行うと共に、このOリング23より上方の外筒15には
内外周を貫通するリターン通路24が設けられ、リフタ
ー16と外筒15との間を漏れるオイルが油圧通路12
側に戻るように設けられている。
【0027】前記外筒15の先端部には係止キャップ2
5が固着され、この係止キャップ25の内縁がリフター
16の段部16cに係止して最突出位置が規制される。
また、リフター16の後端部16bが外筒15内面の係
止段部15cに当接して最後退位置が規制される。
【0028】上記のようなHLA5の装着に対し、さら
に、このHLA5の外筒15と支持母材としてのロッカ
ーアーム4との両者に係止して、外筒15のバルブ7側
への突出方向への移動を規制する板バネによる規制部材
10が設置されている。
【0029】この規制部材10は、図3に平面構造を示
すように、板バネが側方から見て略コの字状に屈曲形成
され、下端部10aが外筒15の先端部に係止すると共
に、この下端部10aの中央にはリフター16の先端部
16aが挿通する開口10cが設けられ、上端部10b
はフォーク状に両側に分かれて延びロッカーアーム4の
他端部4bの嵌装孔11上部の外側段部4dに係止する
ように設けられ、上端部10bの先端部は上方に屈曲し
ている。この規制部材10は自由状態では下端部10a
と上端部10bとの間隔が狭くなるように設けられ、図
4に示すように装着するのに応じて下端部10aと上端
部10bとの間隔が拡がるようにセットされて、その弾
性力が外筒15を没入方向に付勢するように作用する。
【0030】図4の装着過程は、まず規制部材10を斜
め下方から、その下端部10aをHLA5の外筒15先
端に係止させた後、上端部10bを上方に拡げるように
ロッカーアーム4の外側段部4d上に押し上げて装着す
るものである。
【0031】また、前記HLA5においては、図5
(A)にリフター16の移動範囲を示し、実線で示す状
態がリフター16の外周段部16cが係止キャップ25
に係止した最突出位置(最大リフト位置)であり、この
状態から鎖線で示すようにリフター16の後端部16b
が外筒15の内周係止段部15cに当接した最後退位置
(リフト量ゼロ位置)に移動する範囲Aがリフター16
の最大リフト量となる。
【0032】そして、図5(B)に初期の組み付け状態
を示すように、バルブ7がバルブシート9に着座した閉
弁状態にある際に、上記バルブ7の軸端部7aに当接し
て停止しているリフター16の最後退位置から移動した
リフト量Bが、上記最大リフト量Aの1/2よりも小さ
い範囲となるように、リフター16の初期組み付け位置
が設定されている。換言すれば、リフター16の突出方
向への許容リフト量が、最大リフト量Aの1/2以上と
大きくなるように設定されている。
【0033】なお、前記最大リフト量Aは、HLA5の
外筒15、リフター16、係止キャップ25の寸法公差
の影響を受けるものであるが、上記最大リフト量Aの1
/2という値は、この寸法公差における下限値で規定さ
れるものである。
【0034】また、前記リフター16の初期組み付けリ
フト量Bは、バルブ7の着座位置がバルブ7およびバル
ブシート9の形状によって規定される固定位置であるこ
とから、外筒15のロッカーアーム4の嵌装孔11に対
する嵌装位置によって調整可能である。具体的には、図
6に示すように、上記嵌装孔11の深さLの調整で前記
リフター16の初期組み込み状態の設定を行うことが可
能である。
【0035】また、同様なことから、前記リフト量Bは
嵌装孔11の底部11aと外筒15の底面15bとの間
に調整用シム30を介装することによって調整可能であ
る。この調整用シム30の厚みを変更することによって
さらに調整可能である。例えば、厚さdの調整用シム3
0を介装した場合には、外筒15が突出方向にこのdだ
け移動することで、もとの最大リフト量Aの範囲が、量
は同一であるがA′に変化し、前記リフト量BはB′と
小さい値に変更される。
【0036】上記のような動弁機構における作用を説明
すれば、HLA5の基本動作は、カムシャフト2の回転
に伴って、カム面2aの突部がロッカーアーム4の一端
部4aに摺接すると、ロッカーアーム4は図1で右回転
するように揺動し、他端部4bがHLA5を介してバル
ブ7の軸端部7aを押し下げるように開弁方向に付勢す
る。この場合、HLA5では、チェック弁20が確実に
閉じるまでリフター16が微小量後退した後、オイル室
18が密閉されてリフター16の移動は停止され、この
リフター16によってバルブ7をバルブスプリング8に
抗して開弁方向に移動させる。
【0037】所定期間開いた後にカムシャフト2が回転
してカム面2aの突部が経過すると、ロッカーアーム4
は逆方向に回動して、バルブ7はバルブスプリング8の
付勢力によって閉弁する。バルブ7がバルブシート9に
着座すると、バルブスプリング8の付勢力はHLA5の
リフター16には作用しなくなり、このリフター16は
内部のリフトスプリング17によって突出方向に付勢さ
れてリフト移動し、チェック弁20が開いて油圧通路1
2から貫通通路15aを通って内部のオイル室18に油
圧が供給される。
【0038】なお、上記作動において、バルブ7を押し
下げて開いている期間には、オイル室18の圧力は上昇
してリフター16と外筒15との隙間を通ってオイルが
漏れるが、この漏れたオイル量についてもオイル室18
内に補充され、バルブ7の着座状態においては、常にリ
フター16の先端部16aがバルブ7の軸端部7aに当
接し、この部分にクリアランスが発生しないようにして
いる。これにより、ロッカーアーム4を支持している部
分のロッカーシャフト3の磨耗等による変位を、リフタ
ー16の移動によって調整吸収するように作用する。
【0039】そして、上記のような基本作動に加えて、
前述の規制部材10の設置により、次のような打音防止
作用を有する。前記油圧通路12内の油圧は、貫通通路
15aを通して外筒15内部のオイル室18に流入する
ように作用すると共に、外筒15の底面15bにも作用
して外筒15を嵌装孔11から突出させるように付勢す
るものであり、リフター16に対してバルブ7からの付
勢力が低減したバルブ着座時に、オイル室18への流入
が遅れた場合などに上記油圧通路12の油圧による外筒
15の突出移動により、外筒15の底面15bと嵌装孔
11の底部11aとの間にクリアランスが生起するの
を、上記規制部材10により外筒15の移動を規制する
ことで防止する。
【0040】上記外筒15の底面15bと嵌装孔11の
底部11aとの間にクリアランスが発生すると、バルブ
7を開弁するためにロッカーアーム4が揺動してバルブ
7の軸端部7aを押圧した際に、その押圧によってリフ
ター16が没入すると共に、外筒15が前記クリアラン
スをなくすように後退移動して、この外筒底面15bと
嵌装孔11の底部11aとが衝突する打音が発生するこ
とになるが、前記規制部材10によりこの打音の発生が
未然に防止される。
【0041】また、上記のようなHLA5は、例えばロ
ッカーシャフト3の磨耗、カム面2aまたはロッカーア
ーム4の一端部の磨耗等の経時変化によっては、前記リ
フター16のリフト量が増大する方向の変位を生じるも
のであり、このリフター16は初期の組み付け状態にお
いては突出方向への変位に余裕を持たせて設定している
ことで、長時間の運転後においても所定のHLA5の調
整機能が得られ、リフター16が最大リフト位置となっ
てそれ以上の調整が行えずにバルブ7の軸端部7aとの
間にクリアランスが発生して打音が発生するのを有効に
防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態によるエンジンの動
弁装置の要部断面正面図
【図2】ハイドロリックラッシュアジャスタを含むロッ
カアームの要部断面図
【図3】規制部材とロッカーアームの装着前の状態を示
す平面図
【図4】規制部材の装着過程を示す正面図
【図5】ハイドロリックラッシュアジャスタのリフター
の移動範囲を示す断面図
【図6】ハイドロリックラッシュアジャスタの初期組み
付け位置の調整を示す断面図
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 カムシャフト 3 ロッカーシャフト 4 ロッカーアーム(支持母材) 5 ハイドロリックラッシュアジャスタ(HLA) 7 吸気または排気バルブ 7a 軸端部 8 バルブスプリング 10 規制部材 11 嵌装孔 11a 底部 12 油圧通路 15 外筒 15a 貫通通路 16 リフター 17 リフトスプリング(弾性部材) 18 オイル室 20 チェック弁 25 係止キャップ 30 調整用シム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 敏朗 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気または排気バルブの軸端部に先端部
    が当接するリフターが外筒に対して摺動自在に内装さ
    れ、上記外筒が支持母材の嵌装孔にバルブ側から嵌装さ
    れると共に、該外筒の底部に設けられた貫通通路を介し
    てリフターに油圧を作用させる油圧通路が設けられ、前
    記外筒とリフターとの間に両者を引き離す方向に弾性体
    が介装されたハイドロリックラッシュアジャスタを備え
    たエンジンの動弁装置において、 前記外筒と支持母材とに係止して外筒のバルブ側への移
    動を防止する規制部材を設けたことを特徴とするエンジ
    ンの動弁装置。
  2. 【請求項2】 前記規制部材は、断面コの字状に形成さ
    れた板バネであることを特徴とする請求項1に記載のエ
    ンジンの動弁装置。
  3. 【請求項3】 吸気または排気バルブの軸端部に先端部
    が当接するリフターが外筒に対して摺動自在に内装さ
    れ、上記外筒がロッカアームの一端部に形成された嵌装
    孔にバルブ側から嵌装されると共に、該外筒の底部に設
    けられた貫通通路を介してリフターに油圧を作用させる
    油圧通路が設けられ、前記外筒とリフターとの間に両者
    を引き離す方向に弾性体が介装されたハイドロリックラ
    ッシュアジャスタを備えたエンジンの動弁装置におい
    て、 前記リフターの前記外筒に対する初期組み付け時のバル
    ブの閉弁時におけるリフト量を、前記リフターの前記外
    筒に対する摺動の最大リフト量の1/2よりも小さいリ
    フト量に設定したことを特徴とするエンジンの動弁装
    置。
  4. 【請求項4】 前記最大リフト量は、寸法公差における
    下限値であることを特徴とする請求項3に記載のエンジ
    ンの動弁装置。
  5. 【請求項5】 前記リフターの初期組み付け時のリフト
    量の設定は、前記外筒を嵌装する嵌装孔の深さで調整す
    ることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの動弁装
    置。
  6. 【請求項6】 前記リフターの初期組み付け時のリフト
    量の設定は、前記外筒を嵌装する嵌装孔の底部と外筒端
    面との間に調整用シムを介装して調整することを特徴と
    する請求項3に記載のエンジンの動弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010006494A1 (zh) * 2008-07-17 2010-01-21 无锡开普动力有限公司 一种气缸斜置发动机气门摇臂的润滑结构
JP2011174418A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Toyota Motor Corp 密閉型ラッシュアジャスタ
CN102400734A (zh) * 2011-11-15 2012-04-04 中国嘉陵工业股份有限公司(集团) 一种发动机气门升程可变装置
JP2018524518A (ja) * 2015-07-16 2018-08-30 イートン ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータEaton SRL 弁列アセンブリのための配列

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