JPH1071564A - ローラバニシング装置 - Google Patents

ローラバニシング装置

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JPH1071564A
JPH1071564A JP24396996A JP24396996A JPH1071564A JP H1071564 A JPH1071564 A JP H1071564A JP 24396996 A JP24396996 A JP 24396996A JP 24396996 A JP24396996 A JP 24396996A JP H1071564 A JPH1071564 A JP H1071564A
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shank
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mandrel
spring
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Hideaki Okajima
英昭 岡島
Shunji Otani
俊二 尾谷
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Sugino Machine Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造でさほど精密に製作しなくとも、
良好に回転負荷トルクの変化により駆動体を軸方向移動
できる変位機構を備えたツール径自動制御式のローラバ
ニシング装置を提供する。 【解決手段】 先端部が円錐面状に形成された棒状の回
転駆動体と、駆動体の円錐面上を転動する複数の加工ロ
ーラと、駆動体の回転負荷トルクの変化によって駆動体
をシャンクに対して相対的に軸方向移動させる変位機構
と、変位機構による相対変位を回転負荷トルクが一定値
に保たれるように制御する調整バネ機構とを備えたロー
ラバニシング装置において、変位機構として、円筒状の
ボディと、ボディの軸に対して一定角度θを保ってボデ
ィ外周面に線接触する複数の可撓性ローラと、複数の可
撓性ローラを保持する保持リングとからなるローラユニ
ットを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、円筒状の
被加工物端部の内面又は外面のバニシを転圧して鏡面加
工するローラバニシング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、円筒状の被加工物(以後、被
加工管と記す)端部の内面又は外面を鏡面加工するため
にローラバニシング装置を用いている。このローラバニ
シング装置としては、シャンクを介して回転駆動され、
先端部に円錐面(以後、マンドレルと記す)が形成され
た棒状又は筒状の駆動体と、この駆動体の回転に伴って
マンドレル上を転動し被加工管端部の内面又は外面を転
圧加工する複数の加工ローラとを備えた、ツール径固定
方式のものが一般的である。
【0003】ローラバニシング装置は、マンドレルと被
加工管との間に位置するローラがマンドレルの回転によ
り遊星運動をすることにより、被加工管の表面を鏡面加
工する構成となっている。
【0004】この様なローラバニシング装置において、
被加工管の鏡面加工の際に、被加工管の口径寸法にバラ
ツキがある(被加工管の断面形状が真円となっていない
状態である)と、加工面が一様な鏡面に仕上がらない場
合がある。
【0005】何故ならば、口径寸法のバラツキが0.0
2〜0.03mmを越えると、被加工管にローラを介し
て接触するマンドレルにかかる回転接触圧力が変わるの
で、マンドレルが加工ローラを一定の接触圧力で回転さ
せることができないからである。
【0006】そのため、鏡面加工中に加工ローラの位置
を自動的に被加工管のバラツキに合わせて配置する制御
機構を備えたツール径自動制御式のローラバニシング装
置も提案されている。
【0007】このようなツール径自動制御式のローラバ
ニシング装置として、油圧、空気圧等を利用した制御機
構を内蔵したものが挙げられる。これは、被加工管の口
径寸法のバラツキによって生じるマンドレルとローラと
の相対的なわずかな位置ずれを検出してマンドレルとロ
ーラとを相対移動させ、ツールの径を変えるという構成
のものである。
【0008】また、別の構成として、マンドレルにかか
る回転負荷トルクの変化を利用して駆動体をシャンクに
対して相対的に軸方向移動させ、回転負荷トルクを予め
定めた値に制御するツール径自動制御式ローラバニシン
グ装置も挙げられる。
【0009】この様なツール径自動制御式ローラバニシ
ング装置の一例として、本件出願人が実開平7−426
81号において提案した、マンドレルにかかる回転負荷
トルクの変化により駆動体をシャンクに対して相対的に
軸方向移動させる変位機構と、回転負荷トルクが予め定
められた設定値に保たれるように制御する調整バネ機構
とを備えたローラバニシング装置が挙げられる。
【0010】このローラバニシング装置において、駆動
体をシャンクに対して相対的に軸方向移動させる変位機
構の一例として、実開平7−42681号には、ネジ部
とボールガイドナット部とから構成されるボールネジ機
構を用いて、マンドレルの回転変化分を軸方向変位に変
換するものが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ツール径自動制御式のローラバニシング装置は、以下に
述べる難点を有している。
【0012】即ち、前者の構成のツール径自動制御式の
ローラバニシング装置の場合、マンドレルとローラとの
相対的な位置ずれはわずかであるため、送り速度など加
工圧以外の影響を受け易く、制御系が不安定なものとな
るという難点がある。また、一般的に使用されている回
転駆動機に取り付けることが面倒なばかりでなく、価格
が高いという難点もある。
【0013】また、後者の構成の場合、マンドレルにか
かる回転負荷トルクの変化により駆動体をシャンクに対
して相対的に軸方向移動させる構成であるため、他の方
法と比較して応答性が良く、機能的には優れているが、
このローラバニシング装置は変位機構としてボールネジ
機構を用いているため、コンパクト化が困難でコストの
高いものとなる。
【0014】即ち、ボールネジ機構は、その製作過程に
おいて、かなり高い水準の精密さを必要とするだけでな
く、機構自体も複雑であるため、組み立てに手間がかか
りコストの高いものとなる。そのため、このようなボー
ルネジ機構を組み込んだツール径自動制御式のローラバ
ニシング装置もコストの高いものとなるという難点があ
る。
【0015】そこで本発明は、簡単な構造でさほど精密
に製作しなくとも、良好に回転負荷トルクの変化により
駆動体を軸方向移動できる変位機構を備えたツール径自
動制御式のローラバニシング装置を提供することを主目
的とする。
【0016】勿論、ツール径の制御を安定して行えるツ
ール径自動制御式のローラバニシング装置を提供するこ
とも目的の一つである。また、製作コストの低いツール
径自動制御式のローラバニシング装置を提供することも
目的の一つである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1の発明では、回転駆動機構によってシャンクを
介して回転駆動され、先端部が円錐面状に形成された棒
状又は筒状の駆動体と、該駆動体の円錐面上を該駆動体
の回転に伴って転動することにより、円筒状の被加工物
の円周外面又は円周外面を転圧加工する複数の加工ロー
ラとを有し、前記シャンクと前記駆動体との間に、前記
駆動体の回転負荷トルクの変化によって前記駆動体を前
記シャンクに対して相対的に軸方向移動させる変位機構
と、前記変位機構による前記駆動体と前記シャンクとの
間の相対変位を、前記回転負荷トルクが予め定められた
設定値に保たれるように制御する調整バネ機構とを備え
たローラバニシング装置において、前記変位機構が、回
転軸と平行な軸を有する円筒状のボディと、該ボディの
軸に対して予め定められた角度θを保ってボディ外周面
に線接触する複数の可撓性ローラと、該複数の可撓性ロ
ーラを保持し軸方向に移動可能な保持リングとからなる
ローラユニットを備えているものを提案している。
【0018】即ち、本発明のローラバニシング装置は、
先端部が円錐面上に形成された棒状又は筒状の駆動体
と、複数の加工ローラと、駆動体の回転負荷トルクの変
化によって駆動体をシャンクに対して相対的に軸方向移
動させる変位機構と、回転負荷トルクが予め定められた
設定値に保たれるように制御する調整バネ機構とから主
に構成される。
【0019】前記駆動体は、シャンクを介して回転駆動
機構により回転駆動されるものであり、その先端部の円
錐面には、回転軸と平行な軸を有する複数の加工ローラ
が配置されている。これら複数の加工ローラは、駆動体
の回転に伴って転動する構成となっており、この転動に
より被加工管の内面又は外面が鏡面加工される。
【0020】また、本発明のローラバニシング装置で
は、鏡面加工中に加工ローラの位置を自動的に被加工管
のバラツキに合わせて配置する制御機構として、変位機
構と調整バネ機構とを備えている。
【0021】変位機構は、シャンクと駆動体との間に配
置されたローラユニットを備え、このローラユニットに
より、前記駆動体の回転負荷トルクの変化によって駆動
体をシャンクに対して相対的に軸方向移動させている。
【0022】ローラユニットは、円筒状のボディと、該
ボディの軸に対して予め定められた角度θ(以後、フィ
ードアングルと記す)を保ってボディ外周面に線接触す
る複数の可撓性ローラと、該複数の可撓性ローラを保持
し軸方向に移動可能な保持リング(以後、リテーナリン
グと記す)とを備えており、可撓性ローラの遊星運動と
フィードアングルによる送り機構を利用して、駆動体を
シャンクに対して軸方向移動させている。
【0023】尚、本発明では、ボディ外周面に配置する
ローラを可撓性のものとしているが、このローラが可撓
性でないと、ローラは内輪のボディに対しては一点で接
触し、外輪のシャンクに対しては二点で接触するため、
ローラとシャンクとの間に転がり抵抗が発生して、ロー
ラとボディとの間に滑りが発生し易くなる。
【0024】これは、安定して回転負荷トルクを軸方向
に変換するのを難しくするため、本発明ではボディ外周
面に配置されるローラを可撓性のものにし、内輪のボデ
ィに対しても外輪のシャンクに対しても線接触するよう
にしている。このような可撓性ローラとしては、例え
ば、スプリング、ゴムやシリコンなどの高分子化合物等
が挙げられる。
【0025】図3は、この様な変位機構を簡単に示した
概念図であり、図3(a)は回転軸に垂直な面における
断面図、図3(a)は回転軸に平行な面から見た図であ
る。図3(a)に示したように、図示しない回転駆動機
構により駆動体が回転されるとボディ2が回転し、ボデ
ィ2の回転により、可撓性ローラ1がボディ2の回転方
向と逆方向に自転しながらボディ2の軸を中心として公
転(遊星運動)する。
【0026】側面の孔の中に可撓性ローラ1を保持する
リテーナリング3は、ボディ2と同じ方向に回転する
が、可撓性ローラ1はボディ2の回転方向と逆方向に自
転しているため、ボディ2の回転速度よりも減速されて
回転することとなる。
【0027】また、可撓性ローラ1は、ボディ2の軸に
対してフィードアングルθを保って配置されており、リ
テーナリング3はボディ2の軸方向に対して移動自由に
設けられているため、可撓性ローラ1の回転と共にリテ
ーナリング3には軸方向の分力が作用する。
【0028】このフィードアングルθは、特に限定され
るものではないが、通常は10〜50°、特に好ましく
は20〜30°の範囲内に定められる。
【0029】ここで、可撓性ローラ1の動きについて、
図4を示して簡単に説明する。図4は、可撓性ローラ1
の動きを回転軸に平行な面から見た模式図である。図4
(a)は、ボディ2に対する可撓性ローラ1の動きを示
し、図4(b)は、リテーナリング3の外側のシャンク
4に対する可撓性ローラ1の動きを示している。
【0030】可撓性ローラ1は、フィードアングルθの
作用により、ボディ2に対しては図4(a)に示したよ
うに図中で左方へ螺旋軌跡をたどるように移動しようと
し、同時にシャンク4に対しては図4(b)に示したよ
うに前記移動方向とは逆方向に螺旋軌跡をたどるように
移動しようとする。
【0031】従って、以上説明した可撓性ローラ1の動
きにより、ボディ2とシャンク4とが相対的に逆方向に
移動しようとすることとなるため、このローラユニット
は、バニシ加工による回転負荷トルクの変動に対して優
れた応答性を示すものとなる。
【0032】更に、このような変位機構(ローラユニッ
ト)による駆動体とシャンクとの間の相対変位は、回転
負荷トルクの変動に対して調整バネ機構により制御され
る。この調整バネ機構は、シャンクと駆動体との間に配
設されており、変位機構(ローラユニット)にかかる回
転負荷トルクとバランスすることにより、駆動体とシャ
ンクとの間の相対変位を、回転負荷トルクが予め定めら
れた設定値(一定値)に保たれるように制御している。
【0033】即ち、本発明のローラバニシング装置は、
被加工管の口径に多少のバラツキがある場合に、加工ロ
ーラの回転負荷の変動に応じて変位機構及び調整バネ機
構によってマンドレルをシャンクに対して相対的に軸方
向に移動させることにより、結果的に加工ローラの回転
負荷を一定に保つ機械的なフィードバック機構が働く構
成となっている。
【0034】特に、変位機構が、回転軸と平行な軸を有
する円筒状のボディと、該ボディの軸に対して予め定め
られた角度θを保ってボディ外周面に線接触する複数の
可撓性ローラと、該複数の可撓性ローラとその内周面で
線接触し軸方向に移動可能な保持リングとからなるロー
ラユニットを備えているため、加工トルクに対して優れ
た応答性を持つという効果を有している。
【0035】また、この変位機構は、従来用いられてい
るボールネジ機構のように高精度の溝加工やボールネジ
のような循環機構が不要であり構成も簡単であるため、
安価に得られるだけでなく、外輪とシャンクの一体化が
可能であるため、コンパクト化が容易であるという効果
も達成する。
【0036】また、請求項2の発明は、請求項1のロー
ラバニシング装置において、前記可撓性ローラは、コイ
ルスプリング形状を備えていることを特徴とするものと
している。
【0037】即ち、コイルスプリング形状は、外部から
の荷重に対する弾性変形量が大きいため、可撓性ローラ
をこのような形状とすることによって、簡単な構成で優
れた応答性を持つものとすることができるだけでなく、
予圧設定が容易であるので取り付け部に高い精度が必要
ではない。言い換えると圧入代が変動しても与圧の変動
が小さいため、精密に組み立てる必要がなく、組み立て
において手間がかからないという利点が得られる。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のローラバニシン
グ装置の一実施形態を示す一部切欠き断面図である。こ
のローラバニシング装置は、主に、可撓性ローラである
複数のスプリングローラ1とボディ2とリテーナリング
3とからなるローラユニットと、図示しない駆動機構に
より回転駆動されるシャンク4と、調整バネ機構である
第1スプリング5と、マンドレル(棒状の駆動体)6
と、複数の加工ローラ7と、ハウジングナット8と、第
1アジャストナット9から構成されている。
【0039】駆動機構により回転駆動されるシャンク4
の外周面には、第1アジャストナット9とハウジングナ
ット8とが、螺合によって軸方向の相対位置が調整可能
に装備されている。第1アジャストナット9は、六角穴
付き止ネジ10によって前記シャンク4の外周面上で固
定可能となっており、ハウジングナット8はアジャスト
リング12により前記シャンク4の外周面上で固定可能
となっている。そして、第1アジャストナット9とハウ
ジングナット8は、それぞれ固定状態では、前記シャン
ク4と一体に回転するように構成されている。
【0040】また、前記シャンク4とマンドレル6との
間には、可撓性ローラである複数のスプリングローラ1
とボディ2とリテーナリング3とからなるローラユニッ
トが介装されている。
【0041】ボディ2は、図示しない回転駆動機構によ
りマンドレル6が回転されるとマンドレル6の回転と共
に回転する構成となっている。ボディ2の外周面には、
両端にスチールボール1aを備えた複数のスプリングロ
ーラ1が配置されており、それぞれのスプリングローラ
1は、ボディ2の周囲を取り囲むリテーナリング3に設
けられた側面孔の中でそれぞれ保持されている。
【0042】ここで、本実施形態におけるスプリングロ
ーラ1を図2に示して、簡単に説明する。図2に示した
ようにスプリングローラ1は、ローラ自体がコイルスプ
リング形状であり、外周面は精密外径の円筒面に研削仕
上されている。この研削仕上により、スプリングローラ
1の外周面は、シャンク4とボディ2に対する接触面積
が増加したものとなるため、滑りの発生が防止されると
同時に転がり抵抗が減少され、かなり正確に回転負荷ト
ルクの変化を軸方向変位に変換できるものとなる。
【0043】勿論、スプリングローラ1は、外部からの
荷重Gに対する弾性変形量が中実ローラに比べて大きい
ため、予圧設定が容易で取り付け部の精度を要しないと
いう利点も備えている。
【0044】このようなスプリングローラ1は、回転軸
に対して一定角度θ(即ちフィードアングル)を持たせ
て撓みによりボディ2に線接触しているので、ボディ2
が回転すると、ボディ2の回転方向と逆方向に自転しな
がらボディ2の軸を中心として公転すると共に、スプリ
ングローラ1を介して互いに相対回転するシャンク4と
ボディ2との間に軸方向の分力を与えて、回転負荷トル
クの変動を高効率でボディ2の軸方向変位に変換する。
【0045】ここで、スプリングローラユニットのトル
クTと軸方向の荷重Fとの関係を図5を参照しながら簡
単に説明する。まず、ボディ2の直径をD、スプリング
ローラ1の直径をdとした時、ボディ2が回転された時
のスプリングローラ1のシャンク4内面での転がり距離
は、以下に示す(1)式で表すことができる。 aπ(D+2d)・・・・(1)式 尚、aは、シャンク4全内周長(1周分)を1としたと
きのシャンク4内周長に対するスプリングローラ1の移
動割合である。
【0046】また、ボディ2が回転された時のスプリン
グローラ1のボディ2外面での転がり距離は、以下に示
す(2)式で表すことができる。 bπD・・・・(2)式 尚、bは、ボディ2全外周長(1周分)を1としたとき
のボディ2外周長に対するスプリングローラ1の移動割
合である。
【0047】ボディ2を1回転させるとa+b=1・・・・
(3)式と表すことができ、ボディ2とスプリングロー
ラ1とシャンク4との間に滑りがないと仮定した場合
に、上記(1)式と上記(2)式から、以下の(4)式
が成り立つ。 aπ(D+2d)=bπD・・・・(4)式
【0048】(3)式及び(4)式より以下の式が成り
立ち、a及びbを求めることができる。即ち、 aπ(D+2d)=(1−a)πD ∴a=D/2(D+d)・・・・(5)式 従って、b=1−{D/2(D+d)}・・・・(6)式
【0049】ここで、(5)式を(1)式に代入すると
(1)式は以下のように表すことができる。 πD(D+2d)/2(D+d)・・・・(7)式
【0050】また、(6)式を(2)式に代入すると
(2)式は以下のように表すことができる。 {1−D/2(D+d)}πD=πD(D+2d)/2(D+d)・・・・(8)式
【0051】一般に、加工トルクはT、リードはPと表
されることから、軸方向の荷重Fは以下の(9)式で表
すことができる。 F=2πT/P・・・・(9)式
【0052】スプリングローラユニットのフィードアン
グルをθとするとリードPは(7)式及び(8)式より
以下の(10)式で表すことができる。 P={πD(D+2d)/2(D+d)+πD(D+2d)/2(D+d)}× tanθ=πD(D+2d)/(D+d)×tanθ・・・・(10)式
【0053】従って、(9)式と(10)式より、軸方
向の荷重Fと加工トルクTの関係は以下の(11)式で
表すことができる。 F=2π(D+d)T/πD(D+2d)×tanθ ={2(D+d)/D(D+2d)×tanθ}×T・・・・(11)式
【0054】また、第1スプリング5は、ボディ2とシ
ャンク4のガイド13との間に弾設されており、ローラ
ユニットにかかる回転負荷トルクの変動に応じたボディ
2の軸方向変位の力とバランスして、回転負荷トルクが
予め定められた設定値に保たれるように制御している。
なお、ガイド13にはピン14が挿込まれており、この
ピン14は、両端部が第1アジャストナット9の内周面
に設けられたリング15内に保持されている。
【0055】第1アジャストナット9は、シャンク4の
外周面に螺合しており、第1アジャストナット9を回動
して軸方向に移動させることにより、ピン14を介して
第1スプリング5のたわみ量、すなわちローラユニット
の変位に対する付勢力が調整されるようになっている。
【0056】マンドレル6は、その後端部においてボデ
ィ2の頭部2aと接続されており、その先端部において
は、先端に向かって小径となる円錐外面を有している。
そして、このマンドレル6の先端の円錐外面上には、先
端に向かって大径となる円錐外面を有する複数の加工ロ
ーラ7が、ローラフレーム16によって軸受け保持され
た状態で、マンドレル6と相対回転可能に配設されてい
る。このローラフレーム16は、マンドレル6の外周面
を囲むように配設された第1のステム17と接続されて
おり、第1のステム17の後端部には、第2のステム1
8が配置されている。
【0057】この第2のステム18は、ハウジングナッ
ト8内に配設された第2スプリング20に対してはスト
ップリング21により接接されると共に、第1のステム
17に対してはアンギュラ玉軸受19により相対回転可
能に当接されている。従って、第2のステム18は、第
2スプリング20によって常にアンギュラ玉軸受19に
押し付けられている。
【0058】ここで、このような構成のローラバニシン
グ装置において、第2アジャストナット12を緩めてハ
ウジングナット8をシャンク4上で回動操作させて軸方
向に移動させると、第2のステム18と第1のステム1
7とに接続されているローラフレーム16が、ハウジン
グナット8に伴って軸方向に移動するので、ローラフレ
ーム16に軸受け保持されている加工ローラ7が、マン
ドレル6に対して軸方向に相対変位する。
【0059】マンドレル6の先端部は、先端に向かって
小径となる円錐外面を有しているため、加工ローラ7が
マンドレル6上を先端方向に変位すれば加工径Aは小さ
くなり、加工ローラ7がマンドレル6上を後端方向に変
位すれば加工径Aは大きくなる。即ち、被加工管の内径
にツールの加工径Aを適合させるには、第2アジャスト
ナット12を緩めてハウジングナット8をシャンク4上
で回動操作させるだけで良い。
【0060】上述のような初期設定を行なった後、ツー
ルの先端部を被加工管の端部内面に挿入するとともに、
シャンク4を図示しない回転駆動機構によって回転駆動
すると、駆動されたシャンク4の回転力が、スライドキ
ー22を介して第2アジャストナット11に伝えられ、
更に第2アジャストナット11からマンドレル6へ伝達
される。
【0061】この結果、マンドレル6先端部上に配設さ
れている複数の加工ローラ7が、ローラフレーム16内
でマンドレル6に対して相対回転する。このとき、加工
ローラ7がマンドレル6先端部上で回転することによ
り、ローラフレーム16はマンドレル6の先端部外周を
マンドレル6より若干遅く同一方向に公転する。このよ
うにして、加工ローラ7が被加工管の端部内周面上を転
動するため、被加工管の端部内周面が鏡面加工される。
【0062】また、被加工管の内径寸法にバラツキがあ
る場合、本実施例では、このバラツキに起因してマンド
レル6の回転負荷トルクが増加すると、この回転負荷ト
ルクの増加分がローラユニットによる変位機構によって
軸方向の力に変換され、マンドレル6を先端方向に付勢
している第1スプリング5のたわみ量の増加による付勢
力の増加分と平衡する位置まで、マンドレル6が軸方向
後端に向かって移動される。
【0063】これにより実質的にマンドレル6の先端で
は加工径Aの縮小が生じ、この結果、マンドレル6の回
転負荷トルクが増加しても、それに見合って加工径Aが
自動的に縮小されるので、マンドレル6の回転負荷トル
クは一定値に保たれる。尚、加工中のマンドレル6の回
転負荷トルクが減少した場合も、上記と逆動作により回
転負荷トルクが一定に保たれることは述べるまでもな
い。
【0064】また、マンドレル6の回転負荷トルクを設
定するのは、第1スプリング5のばね力、即ち、たわみ
量であり、これを初期設定のために調整するには、六角
穴付き止ネジ10を緩め、第1アジャストナット9をシ
ャンク4上で回動操作して軸方向に移動させる。これに
より、頭部が第1アジャストナット9内に保持されてい
るピン14が、第1アジャストナット9の軸方向移動に
伴って軸方向に変位し、マンドレル6に対する第1スプ
リング5のたわみ量が間隔Bの範囲内において調整され
る。
【0065】このようにして、被加工管の端部内周面が
真円となっていない場合でも、マンドレル6の回転負荷
トルクの変化に応じて、マンドレル6がローラユニット
による変位機構によって軸方向に変位し、且つこの変位
が第1スプリング5によって、予め設定された力と平衡
する位置に制御されるため、マンドレル6の回転負荷ト
ルクは常に設定値に保持される。
【0066】従って、加工ローラ7は、常に一定の接触
圧力で回転され、被加工管の端部内周面に対して一様に
鏡面加工を行うことが可能となる。
【0067】尚、前記シャンク4が回転すると、シャン
ク4に対して固定状態にあるハウジングナット8と第1
アジャストナット9がシャンク4と一体となって同一方
向に回転する。
【0068】ここで、ローラフレーム16と接続されて
いる第1のステム17は、ローラフレーム16がマンド
レル6に対して若干遅く公転するため、第2のステム1
8に対して周速差を生じるが、この周速差は、第2のス
テム18に配設されたアンギュラ玉軸受19によって吸
収される。
【0069】また、本実施形態では、第1のステム17
と第2のステム18との間に周速差を生じさせる構成と
したので、第2スプリング20がその周速差によりねじ
れる恐れがないという利点がある。
【0070】尚、以上説明したツール径自動制御式のロ
ーラバニシング装置は、被加工管の端部内周面を加工す
る構成のものとしているが、勿論、被加工管の端部外周
面を加工する構成のものや、被加工管の端部を両面加工
する構成のものにも応用することができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、簡単
な構造で精密さが要求されない構造の変位機構を備えた
ものとすることができるので、製作コストの低いツール
径自動制御式のローラバニシング装置を提供することが
できる。
【0072】また、回転負荷トルクの変化を精度良く感
知して駆動体を軸方向移動できる変位機構を備えたツー
ル径自動制御式のローラバニシング装置を提供すること
ができる。
【0073】更に、円筒状被加工物の口径にバラツキが
あっても、常に一定の加工圧で円筒状被加工物を鏡面加
工できるツール径自動制御式のローラバニシング装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローラバニシング装置の一実施形態を
示す一部切欠き断面図である。
【図2】本発明のローラバニシング装置に用いる可撓性
ローラの一構成例を示す断面図である。
【図3】本発明のローラバニシング装置に用いられる変
位機構の概念図である。
【図4】本発明の変位機構に用いられる可撓性ローラの
動きを示した説明図である。
【図5】本発明のローラバニシング装置において、ボデ
ィが1回転した時のスプリングローラの転がり状態を示
す概念図である。
【符号の説明】
1 スプリングローラ 1a スチールボール 2 ボディ 2a ネジ部 3 リテーナリング 4 シャンク 5 第1スプリング 6 マンドレル 7 加工ローラ 8 ハウジングナット 9 第1アジャストナット 10 六角穴付き止ネジ 11 第2アジャストナット 12 アジャストリング 13 ガイド 14 ピン 15 リング 16 ローラフレーム 17 第1のステム 18 第2のステム 19 アンギュラ玉軸受 20 第2スプリング 21 ストップリング 22 スライドキー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動機構によってシャンクを介して
    回転駆動され、先端部が円錐面状に形成された棒状又は
    筒状の駆動体と、該駆動体の円錐面上を該駆動体の回転
    に伴って転動することにより、円筒状被加工物の円周外
    面又は円周外面を転圧加工する複数の加工ローラとを有
    し、 前記シャンクと前記駆動体との間に、前記駆動体の回転
    負荷トルクの変化によって前記駆動体を前記シャンクに
    対して相対的に軸方向移動させる変位機構と、 前記変位機構による前記駆動体と前記シャンクとの間の
    相対変位を、前記回転負荷トルクが予め定められた設定
    値に保たれるように制御する調整バネ機構とを備えたロ
    ーラバニシング装置において、 前記変位機構が、回転軸と平行な軸を有する円筒状のボ
    ディと、該ボディの軸に対して予め定められた角度θを
    保ってボディ外周面に線接触する複数の可撓性ローラ
    と、該複数の可撓性ローラを保持し軸方向に移動可能な
    保持リングとからなるローラユニットを備えていること
    を特徴とするローラバニシング装置。
  2. 【請求項2】 前記可撓性ローラは、コイルスプリング
    形状を備えていることを特徴とする請求項1に記載のロ
    ーラバニシング装置。
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