JP4858629B2 - ボールねじ装置の中間サポート - Google Patents
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Description
前記ねじ軸のボール溝にボールを介して螺合され且つリード角が0°又はその近傍の値に設定されたボール溝を有するサポート用ナットと、該サポート用ナットを前記ねじ軸と平行に案内する案内機構と、該案内機構及び前記サポート用ナット間に介挿されたクラッチ機構とを備え、前記案内機構は、前記サポート用ナットを回動可能に配設した円筒状のナットハウジングと、該ナットハウジングの両端に夫々固定された位置規制板とを少なくとも有して構成され、前記クラッチ機構は、前記サポート用ナットの前記位置規制板との対向面に軸芯を中心とする同一円上に所定間隔を保って形成された係合凹部と、該係合凹部に対向して前記位置規制板側に形成された貫通孔内に配設された弾性体によって当該係合凹部側に付勢されたボールと、前記貫通孔の前記サポート用ナットとは反対側の端面に螺合された押ねじとで構成されていることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の効果に加え、サポート用ナットのボールは、前記ねじ軸に形成された前記ボールねじナットが螺合するボールねじ溝とは異なるボールねじ溝に螺合されているので、サポート用ナットのボールによるボールねじナットのねじ溝の磨耗を確実に防止することができ、ねじ軸の寿命を長期化させることができる共に、サポート用ナットに最適なねじ溝設計を行うことができるという効果が得られる。
LiS =[{π(dm−Da cosα1 )}2 +l2]1/2 ・Ni …(1)
ねじ軸側ボール溝軌道面上A点でのボールの自転によるボールの単位時間当たりの軸方向の移動距離LrS は、
LrS =πDa cosα1Nr …(2)
ねじ軸側ボール溝軌道面上A点でのボールの公転によるボールの単位時間当たりの軸方向の移動距離LcS は、
LcS =[{π(dm−Da cosα1 )}2 +l2]1/2 ・Nc …(3)
サポート用ボールねじナット側ボール溝軌道面上B点でのボールの自転によるボールの単位時間当たりの軸方向の移動距離Lrn は、
Lrn =πDa cosα2Nr …(4)
サポート用ボールねじナット側ボール溝軌道面上B点でのボールの公転によるボールの単位時間当たりの軸方向の移動距離Lcn は、
Lcn =[{π(dm+Da cosα2 )}2 +l2]1/2 ・ Nc …(5)
となる。
[{π(dm−Da cosα1 )}2 +l2]1/2 ・ Ni
=πDa cosα1Nr +[{π(dm−Da cosα1 )}2 +l2]1/2 ・Nc…(6)
0=−πDa cosα2Nr +[{π(dm+Da cosα2 )}2 +l2]1/2 ・Nc…(7)
(6)式、(7)式より、ボールの公転速度Nc及び自転速度Nrはそれぞれ次式で表される。
Nc= cosα2 [{π(dm−Da cosα1 )}2 +l2]1/2 ・Ni/〔 cosα1 [{π(dm+Da cosα2 )}2 +l2]1/2 + cosα2 [{π(dm−Da cosα1 )}2 +l2]1/2 〕 …(8)
Nr=〔[{π(dm+Da cosα2 )}2 +l2]1/2 ・Nc〕・Ni/πDa cosα2 …(9)
サポート用ボールねじナットが固定で、ねじ軸が回転してサポート用ボールねじナット側のボール溝のリード角が“0°”の場合、サポート用ボールねじナットの軸方向の移動距離はボールの軸方向の移動距離と同じであるから、サポート用ボールねじナットの軸方向の移動速度vは、次式のように表される。
v= cosα2 [{π(dm−Da cosα1 )}2 +l2]1/2 ・Ni・l /〔 cosα1 [{π(dm+Da cosα2 )}2 +l2]1/2 + cosα2 [{π(dm−Da cosα1 )}2 +l2]1/2 〕 …(10)
この滑りは、溝形状、移動速度、移動加速度、固定しているテーブルの摩擦抵抗等の影響を受ける。このため、長時間ボールねじナット3を移動していると、サポート用ボールねじナットの位置にずれを生じる。このため、サポート用ボールねじナット20aが例えばボールねじナット3と軸受ハウジング5aとの間の中央より左側に位置ずれを生じている場合には、ボールねじナット3が左端側に移動したときに、その移動許容範囲内であっても、図7に示すように、サポート用ボールねじナット20aの軸方向位置規制を行っている位置規制板26を固定しているボルト頭部が軸受ハウジング5aに当接する場合が発生する。
この状態となると、サポート用ボールねじナット20aの左方への移動が軸受ハウジング5aによって阻止されるので、ねじ軸1の回転が継続されると、サポート用ボールねじナット20aに回転トルクが伝達されることになり、この回転トルクがクラッチ機構30のスプリング33の弾性力で設定された許容回転トルク以上となると、ボール34が係合凹部31から左方に押し出され、サポート用ボールねじナット20aがナットハウジング25に対して空転状態となり、ねじ軸1に過大な負荷が掛かることを防止することができる。
このように、サポート用ボールねじナット20a及び/又は20bに位置ずれを生じた場合には、前述したと同様に押しねじ35を緩めてスプリング33の弾性力を低下させることにより、サポート用ボールねじナット20a及び/又は20bを容易に空転させて、位置ずれを補正することができ、押しねじ35を緩めなくてもスプリング33の弾性力で設定される回転トルク以上の回転トルクを発生するように移動体28を移動させることにより、位置ずれを補正することができる。
すなわち、第2の実施形態では、中間サポートのクラッチ機構30を第1の実施形態における係合凹部31、スプリング33、ボール34及び押しねじ35で構成する場合に代えて、図9及び図10に示すように、位置規制板26のサポート用ボールねじナット20aとは反対側における中心を通る線上に一対のエアシリンダ40,41を点対称に配設し、これらエアシリンダ40,41のスプリング(図示せず)によって伸長側に付勢されたピストンロッド42の先端に形成した摩擦板43を位置規制板26に形成した貫通孔44を通じてサポート用ボールねじナット20aの端面に対向させるように構成されている。
ここで、エアシリンダ40,41にフレキシブル配管45を通じて加圧空気を供給することにより、ピストンロッド42を収縮させて摩擦板43をサポート用ボールねじナット20aの端面から離間させて非締結状態となって、サポート用ボールねじナット20aの自由な空転を許容し、この状態からエアシリンダ40,41への加圧空気の供給を遮断して排気状態とすることにより、スプリングによってピストンロッド42が伸長して摩擦板43がサポート用ボールねじナット20aの端面に圧接する締結状態となって、サポート用ボールねじナット20aをナットハウジング25に対して一体に固定する。
そして、各距離センサ50〜51の距離検出値が図12に示すように、制御装置55に入力され、この制御装置55で、距離センサ50で検出したボールねじナット3の距離検出値に基づいてサポート用ボールねじナット20a及び20bの目標距離La* 及びLb* を算出し、算出した目標距離La* 及びLb* と距離センサ51及び52で検出した距離検出値La及びLbとが不一致であるとき即ちサポート用ボールねじナット20a及び20bに位置ずれが発生した場合に、ねじ軸1の回転方向を加味して、目標距離La* 及びLb* と検出距離La及びLbが一致するようにサポート用ボールねじナット20a及び20bに対するエアシリンダ40,41への加圧空気の給排を行うアクチュエータ53及び54を制御するとともに、距離検出値La及びLbが予め設定した最小設定距離Lmin以下となったときに接近異常と判断してアクチュエータ53,54を加圧空気供給状態に制御してエアシリンダ40,41に対して加圧空気を供給する。
また、上記第2の実施形態においては、クラッチ機構30をエアシリンダで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、油圧シリンダ等の他の流体シリンダで構成するようにしてもよく、さらには、電磁ソレノイド等の電気的アクチュエータを適用するようにしてもよく、なおさらに、電磁クラッチや電磁粉クラッチ等を適用するようにしてもよい。
2…ねじ軸のボール溝
3…ボールねじナット
20a,20b…サポート用ボールねじナット
21…サポート用ボールねじナット側のボール
22…サポート用ボールねじナット側のボール溝
25…ナットハウジング
26,27…位置規制板
30…クラッチ機構
31…係合凹部
33…スプリング
34…ボール
35…押しねじ
40,41…エアシリンダ
42…ピストンロッド
43…摩擦板
50〜52…距離センサ
53,54…アクチュエータ
55…制御装置
2a,2b…ねじ溝
Claims (2)
- 外周面に螺旋状のボール溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に遊嵌される内周面に前記ねじ軸のボール溝に対応するボール溝を有するボールねじナットと、前記両ボール溝間に転動可能に嵌合された多数のボールとを備え、該ボールが前記ボールねじナットに嵌合されたボール循環部品に案内されて循環するボールねじ装置の前記ねじ軸に取り付けられるとともに、前記ボールねじナットの移動速度より遅い速度で移動する中間サポートであって、
前記ねじ軸のボール溝にボールを介して螺合され且つリード角が0°又はその近傍の値に設定されたボール溝を有するサポート用ナットと、該サポート用ナットを前記ねじ軸と平行に案内する案内機構と、該案内機構及び前記サポート用ナット間に介挿されたクラッチ機構とを備え、
前記案内機構は、前記サポート用ナットを回動可能に配設した円筒状のナットハウジングと、該ナットハウジングの両端に夫々固定された位置規制板とを少なくとも有して構成され、
前記クラッチ機構は、前記サポート用ナットの前記位置規制板との対向面に軸芯を中心とする同一円上に所定間隔を保って形成された係合凹部と、該係合凹部に対向して前記位置規制板側に形成された貫通孔内に配設された弾性体によって当該係合凹部側に付勢されたボールと、前記貫通孔の前記サポート用ナットとは反対側の端面に螺合された押ねじとで構成されていることを特徴とするボールねじ装置の中間サポート。 - 外周面に螺旋状のボール溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に遊嵌される内周面に前記ねじ軸のボール溝に対応するボール溝を有するボールねじナットと、前記両ボール溝間に転動可能に嵌合された多数のボールとを備え、該ボールが前記ボールねじナットに嵌合されたボール循環部品に案内されて循環するボールねじ装置の前記ねじ軸に取り付けられるとともに、前記ボールねじナットの移動速度より遅い速度で移動する中間サポートであって、
前記ねじ軸のボール溝にボールを介して螺合され且つリード角が0°又はその近傍の値に設定されたボール溝を有するサポート用ナットと、該サポート用ナットを前記ねじ軸と平行に案内する案内機構と、該案内機構及び前記サポート用ナット間に介挿されたクラッチ機構とを備え、
前記サポート用ナットのボールは、前記ねじ軸に形成された前記ボールねじナットが螺合するボールねじ溝とは異なるボールねじ溝に螺合され、
前記案内機構は、前記サポート用ナットを回動可能に配設した円筒状のナットハウジングと、該ナットハウジングの両端に夫々固定された位置規制板とを少なくとも有して構成され、
前記クラッチ機構は、前記サポート用ナットの前記位置規制板との対向面に軸芯を中心とする同一円上に所定間隔を保って形成された係合凹部と、該係合凹部に対向して前記位置規制板側に形成された貫通孔内に配設された弾性体によって当該係合凹部側に付勢されたボールと、前記貫通孔の前記サポート用ナットとは反対側の端面に螺合された押ねじとで構成されていることを特徴とするボールねじ装置の中間サポート。
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