JP2001099260A - ボールねじ装置の中間サポート - Google Patents

ボールねじ装置の中間サポート

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JP2001099260A
JP2001099260A JP27664199A JP27664199A JP2001099260A JP 2001099260 A JP2001099260 A JP 2001099260A JP 27664199 A JP27664199 A JP 27664199A JP 27664199 A JP27664199 A JP 27664199A JP 2001099260 A JP2001099260 A JP 2001099260A
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ball
support
nut
ball screw
screw shaft
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Hitoshi Sannomiya
仁志 三宮
Tsutomu Okubo
努 大久保
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持軸受との間の距離(支持スパン)を短縮
できるのは勿論のこと、簡単な構造で位置ずれやねじ軸
に過大な負荷を与えることがないボールねじ装置の中間
サポートを提供する。 【解決手段】 ボール溝2を有するねじ軸1と、ボール
溝2にボールを介して螺合されるボールねじナットと、
該ボールねじナットとねじ軸1との間でボールを循環さ
せる循環機構とを備えたボールねじ装置のねじ軸1に取
り付けられる中間サポートであって、ねじ軸1のボール
溝2にボール21を介して螺合され、該ねじ軸1の回転
によって軸方向に移動可能とされたサポート用ボールね
じナット20aとこのナット20aを案内する案内機構
を構成する部材との間にクラッチ機構30を設け、この
クラッチ機構30を締結状態とすることにより、サポー
ト用ボールねじナット20aと案内機構とが一体化する
が、非締結状態とすることによりサポート用ボールねじ
ナット20aが空転状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールねじ装置の
中間サポートの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールねじ装置を構成するねじ軸の回転
数が該ねじ軸の固有振動数に近くなると、共振を起こし
て激しく振動し、振幅が増大するようになって危険であ
る。このときの回転速度を危険速度といい、この危険速
度はねじ軸の支持スパンの2乗に反比例するため、該支
持スパンは短いほど好ましい。
【0003】ところで、NC制御の平面研削盤などのよ
うにテーブルストロークが長い場合には、テーブルを送
るねじ軸が長くなって該ねじ軸の支持スパンが長くなる
ので、危険速度が低い回転域となる。一方、送り速度の
高速化に伴いねじ軸が高回転で使用されるが、この場
合、危険速度が低い回転域だと上述した共振を避けるこ
とができない。また、ねじ軸の回転時に、ねじ軸の自重
たわみ等によってボールねじナットやねじ軸の端部にラ
ジアル荷重が作用し、ねじ軸に過大な繰り返し荷重(回
転曲げ応力)が加わってボールねじの寿命に悪い影響を
及ぼす。
【0004】そこで、従来においては、ねじ軸の中間部
を支持する中間サポートを設けて支持スパンを短くし、
これにより、ねじ軸を多点で支持して危険速度を安全側
の高い回転域にすると共に、ねじ軸の自重たわみ等を減
少させるようにしている。従来のこの種の中間サポート
としては、例えば、実開平2−4736号公報に示すよ
うに、ねじ軸の両端部を支持する支持軸受間に中間サポ
ートを構成する二個のすべり軸受を互いに連結した状態
でねじ軸の軸方向に移動自在に取り付けて、各すべり軸
受の間にねじ軸の回転によって移動するボールねじナッ
トを位置せしめ、そして、各すべり軸受の内の一方のす
べり軸受にねじ軸の回転によって移動するボールねじナ
ットが当接した場合には該一方のすべり軸受がボールね
じナットに押されて該ボールねじナットと共に移動する
ようにしたものが知られている。
【0005】しかしながら、かかる中間サポートにおい
ては、構造は比較的簡単であるが、ボールねじナットが
いずれかのすべり軸受に当接してから移動するようにな
っているので、ボールねじナットが各すべり軸受の中間
位置にある間は、該ボールねじナットがすべり軸受に当
接するまで該すべり軸受と支持軸受との間の距離(支持
スパン)を短縮することができず、危険速度をあまり高
くすることができないという問題がある。
【0006】そこで、かかる問題を解消すべく、特開平
6−129510号公報に示すように、ねじ軸に螺合さ
れた中間サポートナットと、ねじ軸と平行に設けられた
補助ねじ軸と、該補助ねじ軸に螺合されて補助ねじ軸の
回転によって軸方向に移動する補助ナットと、軸方向に
移動自在に設けられて、中間サポートナットを回転自在
に支持するとともに、補助ナットを回転不能に支持する
中間サポートフレームとを備え、補助ねじ軸及びねじ軸
のねじピッチを同一にして補助ねじ軸の回転数をねじ軸
の回転数より少なくすることにより、中間サポートナッ
トがねじ軸の回転に影響されずに補助ねじ軸の回転のみ
によってねじ軸に螺合されたボールねじナットと独立し
て移動できるようにし、これにより、中間サポートナッ
トと支持軸受との間の距離(支持スパン)の短縮を可能
にしたものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来技術においては、中間サポートナットの他に、補助
ねじ軸、補助ナット、中間サポートフレーム及び補助ね
じ軸を回転駆動する駆動装置等が必要になるため、構造
が複雑になるとともに、コスト高になるという不都合が
ある。
【0008】本発明はかかる不都合を解消するためにな
されたものであり、ボールねじナットと独立して移動で
きるようにして支持軸受との間の距離(支持スパン)を
短縮できるのは勿論のこと、簡単な構造で且つ低コスト
で製作することができるとともに、中間サポートの移動
が規制された場合にボールねじに伝達される負荷を低減
させることが可能であるとともに、中間サポートの位置
ずれの補正が容易であり、さらにねじ溝の磨耗を軽減し
て寿命を長期化させることが可能なボールねじ装置の中
間サポートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1に係るボールねじ装置の中間サポート
は、外周面に螺旋状のボール溝を有するねじ軸と、該ね
じ軸に遊嵌される内周面に前記ねじ軸のボール溝に対応
するボール溝を有するボールねじナットと、前記両ボー
ル溝間に転動可能に嵌合された多数のボールとを備え、
該ボールが前記ボールねじナットに嵌合されたボール循
環部品に案内されて循環するボールねじ装置の前記ねじ
軸に取り付けられるとともに、前記ボールねじナットの
移動速度より遅い速度で移動する中間サポートであっ
て、前記ねじ軸のボール溝にボールを介して螺合された
サポート用ナットと、該サポート用ナットを前記ねじ軸
と平行に案内する案内機構と、該案内機構及び前記サポ
ート用ナット間に介挿されたクラッチ機構とを備えてい
ることを特徴とする。
【0010】ここで、クラッチ機構としては、サポート
用ナット及び案内機構の何れか一方の対向面に形成され
た係合凹部と、他方に形成された押圧手段で付勢された
前記係合凹部に係合する係合ボールとを備えた機械式ク
ラッチ、前記案内機構に配設されたサポート用ナットに
対して圧接する接続位置及びサポート用ナットに対して
離間する切断位置との間で電気的又は機械的に移動制御
されるアクチュエータを有する摩擦式クラッチや、電磁
クラッチ等で構成することが好ましい。
【0011】また、請求項2に係るボールねじ装置の中
間サポートは、請求項1に係る発明において、外周面に
螺旋状のボール溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に遊嵌さ
れる内周面に前記ねじ軸のボール溝に対応するボール溝
を有するボールねじナットと、前記両ボール溝間に転動
可能に嵌合された多数のボールとを備え、該ボールが前
記ボールねじナットに嵌合されたボール循環部品に案内
されて循環するボールねじ装置の前記ねじ軸に取り付け
られるとともに、前記ボールねじナットの移動速度より
遅い速度で移動する中間サポートであって、前記ねじ軸
のボール溝にボールを介して螺合されたサポート用ナッ
トと、該サポート用ナットを前記ねじ軸と平行に案内す
る案内機構とを備えており、前記サポート用ナットのボ
ールは、前記ねじ軸に形成された前記ボールねじナット
が螺合するボールねじ溝とは異なるボールねじ溝に螺合
されていることを特徴とする。
【0012】ここで、ねじ軸のボールねじ溝は、多条ね
じ溝に形成し、このうちの少なくとも1条のねじ溝にサ
ポート用ナットのボールを螺合させ、残りのねじ溝にボ
ールねじナットのボールを螺合させることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の
一例であるボールねじ装置の中間サポートを直動案内装
置に使用した例を示す概略図、図2は中間サポートのク
ラッチ機構を拡大して示す断面図、図3はサポート用ボ
ールねじナットの側面図、図4は図2の左側面図、図5
はサポート用ボールねじナットの軸方向の移動速度を求
める式の説明に用いる説明図、図6は中間サポートの動
作を説明するための説明図である。
【0014】まず、説明の便宜上、直動案内装置から先
に説明すると、図1において符号1はボールねじ装置の
比較的長尺なねじ軸であり、このねじ軸1は外周面に螺
旋状のボール溝(2条ねじ)2を有している。ねじ軸1
には、内周面にねじ軸1のボール溝2に対応するボール
溝(図示せず。)を有するボールねじナット3が遊嵌さ
れている。ねじ軸1のボール溝2とボールねじナット3
のボール溝との間には多数のボール(図示せず。)が転
動可能に嵌合されており、該ボールはボールねじナット
3に嵌合されたボール循環部品(図示せず。)に案内さ
れて循環するようになっている。
【0015】ねじ軸1の両端部はベッド4に取り付けら
れた二個の軸受ハウジング5a,5b内の支持軸受(図
示せず。)によって回転自在に支持されるとともに、一
方(左方)の軸端はカップリング6を介してステップモ
ータ等で構成される回転駆動装置7に連結されている。
また、ボールねじナット3は、ナットハウジング8内に
嵌合され、このナットハウジング8の下部が例えばリニ
アガイドで構成される送り案内9によってねじ軸1の円
周方向の回転が規制された状態で左右方向に案内され、
また、ナットハウジング8の上部にテーブル10が取り
付けられている。
【0016】次に、本発明の実施の形態の一例である中
間サポートについて説明する。この中間サポートは、ボ
ールねじナット3の軸方向の両側位置でねじ軸1のボー
ル溝2にボール21(図2参照)を介して螺合された一
対のサポート用ボールねじナット20a,20bを備え
る。サポート用ボールねじナット20a,20bは共に
構成が同一であるので、図2〜図4を参照して、サポー
ト用ボールねじナット20aについて説明する。
【0017】サポート用ボールねじナット20aのボー
ル溝22は、全周溝、即ち、リード角が“0°”とされ
て軸方向に複数箇所(ここでは4か所)設けられてお
り、ねじピッチはボール21が多く入るように適当な最
小ピッチ(この実施の形態では、ねじ軸1のボール溝2
のねじピッチの1/2)とされている。また、サポート
用ボールねじナット20aの内径面とねじ軸1の外径面
との間には、樹脂や真鍮等からなる円筒状のリテーナ2
3が介設されている。
【0018】リテーナ23には、ねじ軸1のボール溝2
が2条ねじで、且つ、サポート用ボールねじナット20
aのボール溝22のねじピッチがねじ軸1のボール溝2
のねじピッチの1/2の場合において、周方向に互いに
180°離間配置された二個の穴24が形成されてお
り、該二個の穴24は軸方向に交互に位相を90°をず
らしながらボール溝22のねじピッチに対応して4か所
配置されている。穴24はボール溝22とボール溝2と
の間に挟まれたボール21を転動可能に保持するための
ものであり、公知の無循環ボールねじ装置に用いられる
ものと同様のものである。
【0019】かかる構成のサポート用ボールねじナット
20aは円筒状のナットハウジング25の内周面に回動
可能に配設されており、このナットハウジング25の両
端に夫々ボルト締めされた位置規制板26及び27によ
って軸方向の移動が規制されている。また、ナットハウ
ジング25が前述した送り案内9によって案内される移
動体28の中心部に遊嵌され、位置規制板26が移動体
28にボルト締めされている。
【0020】ここで、この実施の形態では、送り案内
9、ナットハウジング25、位置規制板26,27及び
移動体28で案内機構が構成されている。そして、位置
規制板26とこれに対向するサポート用ボールねじナッ
ト20aとの間にクラッチ機構30が配設されている。
このクラッチ機構30は、図3に示すように、サポート
用ボールねじナット20aの位置規制板26との対向面
に軸芯を中心とする同一円状に所定間隔を保って形成さ
れた多数の円錐状の係合凹部31と、図2及び図4に示
すように、各係合凹部31に対向する位置規制板26側
に形成された貫通孔32内に配設されたコイルスプリン
グ33によって係合凹部31側に付勢されたボール34
と、貫通孔32のサポート用ボールねじナット20aと
は反対側の端面に螺合されたスプリング33の弾性力を
調整する押ねじ35とで構成されている。
【0021】次に、ねじ軸1の回転速度とサポート用ボ
ールねじナット20a,20bの軸方向の移動速度との
関係について図5及び図6を伴って説明する。ここで、
Ni:ねじ軸の回転速度(rpm)、Nc:ボールの公転
(ねじ軸周り)速度(rpm)、Nr:ボールの自転速度
(rpm)、l :ねじ軸のリード(mm)、α1 :ねじ
軸側のボール溝軌道面でのボールの接触角(°)、
α2 :サポート用ボールねじナット側のボール溝軌道面
でのボールの接触角(°)、dm:B.C.D(鋼球の
中心円径)(mm)、Da:ボール径(mm)とする
と、ねじ軸が回転速度Niで回転した場合に、ねじ軸側ボ
ール溝軌道面上A点(図5参照)の単位時間当たりの軸
方向の移動距離LiS は、 LiS =[{π(dm−Da cosα1 )}2 +l21/2 ・Ni …(1) ねじ軸側ボール溝軌道面上A点でのボールの自転による
ボールの単位時間当たりの軸方向の移動距離LrS は、 LrS =πDa cosα1Nr …(2) ねじ軸側ボール溝軌道面上A点でのボールの公転による
ボールの単位時間当たりの軸方向の移動距離LcS は、 LcS =[{π(dm−Da cosα1 )}2 +l21/2 ・Nc …(3) サポート用ボールねじナット側ボール溝軌道面上B点で
のボールの自転によるボールの単位時間当たりの軸方向
の移動距離Lrn は、 Lrn =πDa cosα2Nr …(4) サポート用ボールねじナット側ボール溝軌道面上B点で
のボールの公転によるボールの単位時間当たりの軸方向
の移動距離Lcn は、 Lcn =[{π(dm+Da cosα2 )}2 +l21/2 ・ Nc …(5) となる。
【0022】ここで、サポート用ボールねじナットが固
定で、ねじ軸が回転してボールが転がり運動する場合、
ボールとねじ軸が転がり運動するため、接触点Aでのボ
ールとねじ軸の軸方向の移動速度は同じであり、ボール
とねじ軸は軸方向に同じ距離だけ進むことになる。従っ
て、ねじ軸側ボール溝軌道面上A点の軸方向の移動距離
LiS は、ボールの自転による移動距離LrS とボールの公
転による移動距離LcSとの和(LiS =LrS +LcS )にな
り、次式で表される。
【0023】 [{π(dm−Da cosα1 )}2 +l21/2 ・ Ni =πDa cosα1Nr +[{π(dm−Da cosα1 )}2 +l21/2 ・Nc…(6) 一方、サポート用ボールねじナットは固定されているの
で、サポート用ボールねじナット側ボール溝軌道面上B
点の軸方向の移動距離は0となり、また、ボールの接触
点Bは、ねじ軸側の接触点Aと同様に考えられるがボー
ルの自転と公転の方向が逆なので0=−Lrn +Lcn とな
り、次式のように表される。 0=−πDa cosα2Nr +[{π(dm+Da cosα2 )}2 +l21/2 ・Nc…(7) (6)式、(7)式より、ボールの公転速度Nc及び自転
速度Nrはそれぞれ次式で表される。 Nc= cosα2 [{π(dm−Da cosα1 )}2 +l21/2 ・Ni/〔 cosα1 [{π (dm+Da cosα2 )}2 +l21/2 + cosα2 [{π(dm−Da cosα1 )}2 + l21/2 〕 …(8) Nr=〔[{π(dm+Da cosα2 )}2 +l21/2 ・Nc〕・Ni/πDa cosα2 …(9) サポート用ボールねじナットが固定で、ねじ軸が回転し
てサポート用ボールねじナット側のボール溝のリード角
が“0°”の場合、サポート用ボールねじナットの軸方
向の移動距離はボールの軸方向の移動距離と同じである
から、サポート用ボールねじナットの軸方向の移動速度
vは、次式のように表される。
【0024】 v= cosα2 [{π(dm−Da cosα1 )}2 +l21/2 ・Ni・l /〔 cosα1 [ {π(dm+Da cosα2 )}2 +l21/2 + cosα2 [{π(dm−Da cosα1 )} 2 +l21/2 〕 …(10) ここで、図1に示すように、直動案内装置にサポート用
ボールねじナット20a,20bを用いて、dm:26
mm、l :50mm、Da:3.9688mmとすると
共に、ねじ軸1側のボール溝2及びサポート用ボールね
じナット20a,20b側のボール溝22を共にゴシッ
クアーチ形状としてボール21がボール溝2側で2点、
ボール溝22側で2点(合計4点)で接触するように
し、α1 :45°、α2 :45°とした場合に、ボール
ねじナット3の軸方向の移動速度はNi・l になるのに対
して、サポート用ボールねじナット20a,20bの軸
方向の移動速度vは(10)式より0.46Ni・l とな
る。つまり、ねじ軸1が一回転した場合に、ボールねじ
ナット3は軸方向に1リード分だけ進むのに対し、サポ
ート用ボールねじナット20a,20bはボールねじナ
ット3の移動距離の略1/2だけ軸方向に進むことにな
る。
【0025】次に、図6を参照して、中間サポートの動
作について説明する。まず、組立時において、ねじ軸1
のボール溝2に螺合される一対のサポート用ボールねじ
ナット20a,20bの内の一方のすべりねじナット2
0aをボールねじナット3と軸受ハウジング5aとの間
の略中央に位置させると共に、他方のサポート用ボール
ねじナット20bをボールねじナット3と軸受ハウジン
グ5bとの間の略中央に位置させる。
【0026】この場合のサポート用ボールねじナット2
0a及び20bの位置調整は、ねじ軸1を回転停止させ
た状態で、位置規制板26の押しねじ35を緩めてボー
ル34の係合凹部31への押圧力を小さくしておき、こ
の状態で、移動体28を軸方向に移動させることによ
り、サポート用ボールねじナット20a及び20bをね
じ軸1の周囲で空転させて、所定位置に位置調整し、そ
の後、ボール34を係合凹部31に係合させた状態で、
押しねじ35を締めつけてスプリング33の弾性力を調
整することにより、移動体28の移動が規制されたとき
にサポート用ボールねじナット20a又は20bが空転
を開始する回転トルクを調整する。
【0027】そして、この状態で回転駆動装置7でねじ
軸1を回転させると、ボールねじナット3がリニアガイ
ド装置10に案内されつつねじ軸1に沿って移動すると
ともに、サポート用ボールねじナット20a,20bが
送り案内9に案内されつつねじ軸1に沿ってボールねじ
ナット3と同一方向に移動する。この時、サポート用ボ
ールねじナット20a,20bの移動速度v は上述した
ようにボールねじナット3の略1/2となるため、ボー
ルねじナット3の軸方向の位置にかかわらず、サポート
用ボールねじナット20aは常にボールねじナット3と
軸受ハウジング5aとの間の略中央に位置すると共に、
サポート用ボールねじナット20bが常にボールねじナ
ット3と軸受ハウジング5bとの間の略中央に位置する
ことになる(図6において、L1 :L2 ≒1:1、
3 :L4 ≒1:1)。
【0028】これにより、図6に示すように、ボールね
じナット3が軸受ハウジング5a側に移動するにつれて
サポート用ボールねじナット20aと軸受ハウジング5
aとの間の距離(支持スパン)が短縮されるとともに、
サポート用ボールねじナット20bと軸受ハウジング5
aとの間の距離(支持スパン)が短縮され、この結果、
危険速度を安全側の高い回転域にすることができると共
に、ねじ軸1が多点で支持されることによってねじ軸1
の自重たわみを減少させることができる。
【0029】また、サポート用ボールねじナット20a
を常にボールねじナット3と軸受ハウジング5aとの間
の略中央に位置させると共に、サポート用ボールねじナ
ット20bを常にボールねじナット3と軸受ハウジング
5bとの間の略中央に位置させることができることか
ら、サポート用ボールねじナット20a,20bがボー
ルねじナット3や軸受ハウジング5a,5bに干渉する
までのボールねじナット3の軸方向の移動量を大きくと
ることができ、この結果、テーブルストロークが長いN
C制御の平面研削盤などに好適なものとすることができ
る。
【0030】更に、ねじ軸1のボール溝2にサポート用
ボールねじナット20a,20bを螺合するだけでよい
ため、簡単な構造で且つ低コストで効果的な制振を行う
ことができる中間サポートシステムを提供することがで
きる。このように、ねじ軸1の回転に伴ってボールねじ
ナット3の移動速度の半分の速度でサポート用ボールね
じナット20a及び20bが移動することになるが、こ
の移動は転動体、ねじ軸及びナット間の摩擦により行わ
れているので、移動時には必ず滑りが発生する。この滑
りは、溝形状、移動速度、移動加速度、固定しているテ
ーブルの摩擦抵抗等の影響を受ける。このため、長時間
ボールねじナット3を移動していると、サポート用ボー
ルねじナットの位置にずれを生じる。このため、サポー
ト用ボールねじナット20aが例えばボールねじナット
3と軸受ハウジング5aとの間の中央より左側に位置ず
れを生じている場合には、ボールねじナット3が左端側
に移動したときに、その移動許容範囲内であっても、図
7に示すように、サポート用ボールねじナット20aの
軸方向位置規制を行っている位置規制板26を固定して
いるボルト頭部が軸受ハウジング5aに当接する場合が
発生する。この状態となると、サポート用ボールねじナ
ット20aの左方への移動が軸受ハウジング5aによっ
て阻止されるので、ねじ軸1の回転が継続されると、サ
ポート用ボールねじナット20aに回転トルクが伝達さ
れることになり、この回転トルクがクラッチ機構30の
スプリング33の弾性力で設定された許容回転トルク以
上となると、ボール34が係合凹部31から左方に押し
出され、サポート用ボールねじナット20aがナットハ
ウジング25に対して空転状態となり、ねじ軸1に過大
な負荷が掛かることを防止することができる。
【0031】同様に、サポート用ボールネジナット20
bがボールねじナット3と軸受ハウジング5bとの中間
より右側に位置ずれを生じて、サポート用ボールねじナ
ット20bが軸受ハウジング5bに当接して場合にも、
サポート用ボールねじナット20bが空転して、ネジ軸
1に過大な負荷が掛かることを防止することができる。
【0032】さらに、サポート用ボールねじナット20
a又は20bがボールねじナット3側に位置ずれを生じ
て、ボールねじナット3と干渉する場合にも、サポート
用ボールねじナット20a又は20bが空転してねじ軸
1に過大な負荷が掛かることを防止することができる。
このように、サポート用ボールねじナット20a及び/
又は20bに位置ずれを生じた場合には、前述したと同
様に押しねじ35を緩めてスプリング33の弾性力を低
下させることにより、サポート用ボールねじナット20
a及び/又は20bを容易に空転させて、位置ずれを補
正することができ、押しねじ35を緩めなくてもスプリ
ング33の弾性力で設定される回転トルク以上の回転ト
ルクを発生するように移動体28を移動させることによ
り、位置ずれを補正することができる。
【0033】なお、上記第1の実施形態においては、ボ
ール34をコイルスプリング33で押圧する場合につい
て説明したが、これに限定されるものではなく、板バネ
等の他のスプリングを適用することができる他、ゴム等
の他の弾性体を適用するようにしてもよい。また、上記
第1の実施形態においては、係合凹部31とボール34
とを係合させる場合について説明したが、これに限ら
ず、係合凹部31及びボール34を省略してこれらに代
えて摩擦板をスプリングでサポート用ボールねじナット
20a及び20bの端面に接触させるようにしてもよ
い。
【0034】さらに、第1の実施形態においては、スプ
リング33の弾性力を押しねじ35の締め付け位置によ
って調整する場合について説明したが、これに限定され
るものではなく、押しねじ35とスプリング33との間
にスプリングシートを設け、このスプリングシートの厚
みを変更することにより、スプリング33の弾性力を調
整するようにしてもよい。
【0035】次に、本発明の第2の実施形態を図8〜図
11を伴って説明する。この第2の実施形態は、クラッ
チ機構の断続を任意に制御するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、中間サポートのクラッ
チ機構30を第1の実施形態における係合凹部31、ス
プリング33、ボール34及び押しねじ35で構成する
場合に代えて、図9及び図10に示すように、位置規制
板26のサポート用ボールねじナット20aとは反対側
における中心を通る線上に一対のエアシリンダ40,4
1を点対称に配設し、これらエアシリンダ40,41の
スプリング(図示せず)によって伸長側に付勢されたピ
ストンロッド42の先端に形成した摩擦板43を位置規
制板26に形成した貫通孔44を通じてサポート用ボー
ルねじナット20aの端面に対向させるように構成され
ている。ここで、エアシリンダ40,41にフレキシブ
ル配管45を通じて加圧空気を供給することにより、ピ
ストンロッド42を収縮させて摩擦板43をサポート用
ボールねじナット20aの端面から離間させて非締結状
態となって、サポート用ボールねじナット20aの自由
な空転を許容し、この状態からエアシリンダ40,41
への加圧空気の供給を遮断して排気状態とすることによ
り、スプリングによってピストンロッド42が伸長して
摩擦板43がサポート用ボールねじナット20aの端面
に圧接する締結状態となって、サポート用ボールねじナ
ット20aをナットハウジング25に対して一体に固定
する。
【0036】また、軸受ハウジング5aには、図8に示
すように、超音波又はレーザ光を照射した時点から反射
波又は反射光を受信又は受光した時点までの時間を測定
することにより距離を計測する超音波測距装置又はレー
ザ測距装置で構成される2つの距離センサ50,51が
配設され、距離センサ50でボールねじナット3に取り
付けたテーブル10の左端までの距離を測定し、距離セ
ンサ51でサポート用ボールねじナット20aに取り付
けたテーブル29の左端までの距離を測定する。
【0037】さらに、軸受ハウジング5bに距離センサ
50,51と同様の距離センサ53が配設され、この距
離センサ53で、サポート用ボールねじナット20bに
取り付けたテーブル29の右端までの距離を測定する。
そして、各距離センサ50〜51の距離検出値が図12
に示すように、制御装置55に入力され、この制御装置
55で、距離センサ50で検出したボールねじナット3
の距離検出値に基づいてサポート用ボールねじナット2
0a及び20bの目標距離La* 及びLb* を算出し、
算出した目標距離La* 及びLb* と距離センサ51及
び52で検出した距離検出値La及びLbとが不一致で
あるとき即ちサポート用ボールねじナット20a及び2
0bに位置ずれが発生した場合に、ねじ軸1の回転方向
を加味して、目標距離La* 及びLb* と検出距離La
及びLbが一致するようにサポート用ボールねじナット
20a及び20bに対するエアシリンダ40,41への
加圧空気の給排を行うアクチュエータ53及び54を制
御するとともに、距離検出値La及びLbが予め設定し
た最小設定距離Lmin以下となったときに接近異常と
判断してアクチュエータ53,54を加圧空気供給状態
に制御してエアシリンダ40,41に対して加圧空気を
供給する。
【0038】この第2の実施形態によると、常時ボール
ねじナット3の位置を距離センサ50で検出するととも
に、サポート用ボールねじナット20a及び20bの位
置を常時距離センサ51及び52で検出しており、サポ
ート用ボールねじナット20a及び20bが位置ずれを
生じることなく正規の位置にある状態では、アクチュエ
ータ43,54が排気状態に制御されてエアシリンダ4
0,41から加圧空気が排気された状態に維持されるた
め、ピストンロッド42がスプリングの弾性力によって
伸長して摩擦板43がサポート用ボールねじナット20
a及び20bに圧接してクラッチ機構30が締結状態と
なり、サポート用ボールねじナット20a及び20bが
ナットハウジング25に一体に固定され、ねじ軸1の回
転に応じてボールねじナット3の移動速度の半分の速度
で移動する。
【0039】この正常状態から例えばサポート用ボール
ねじナット20aが軸受ハウジング5a寄りとなる位置
ずれが生じた場合には、ボールねじナット3が軸受ハウ
ジング5a側に移動するようにねじ軸1が回転駆動され
た時に、アクチュエータ53を供給状態に制御し、エア
シリンダ40に対して加圧空気を供給して、ピストンロ
ッド42をスプリングに抗して収縮させることにより、
摩擦板43とサポート用ボールねじナット20aとを離
間させてクラッチ機構30を非締結状態とし、これによ
ってサポート用ボールねじナット20aをナットハウジ
ング25に対して空転可能とすることにより、サポート
用ボールねじナット20aの移動距離を低下させ、距離
センサ51で検出される距離検出値Laがボールねじナ
ット3の距離検出値Lに基づいて算出される目標距離L
* と一致した時点でアクチュエータ53を排気状態に
制御してエアシリンダ40から加圧空気を排気すること
により、クラッチ機構30を締結状態に復帰させ、サポ
ート用ボールねじナット20aをボールねじナット3の
移動速度の半分の移動速度で移動する正規の移動状態に
復帰させる。
【0040】逆に、サポート用ボールねじナット20a
がボールねじナット3寄りに位置ずれを生じたときに
は、ボールねじナット3が軸受ハウジング5b側に移動
するようにねじ軸1が回転駆動された時に、前記と同様
にアクチュエータ53を加圧供給供給状態に制御し、エ
アシリンダ40に加圧空気を供給してクラッチ機構30
を非締結状態として、サポート用ボールねじナット20
aをナットハウジング25に対して空転状態として、サ
ポート用ボールねじナット20aの右方への移動速度を
低下させて位置調整を行い、正規の位置に達した時点で
アクチュエータ53を排気状態に制御し、エアシリンダ
40から加圧空気を排気することにより、クラッチ機構
30を締結状態に制御して、サポート用ボールねじナッ
ト20aを正規の移動速度に復帰させる。
【0041】同様に、サポート用ボールねじナット20
bについても位置ずれが発生した場合には、ねじ軸1が
位置ずれを補正可能な回転方向となったときにクラッチ
機構30を非締結状態として位置ずれを補正し、位置ず
れが解消した時点でクラッチ機構30を締結状態に復帰
させて、サポート用ボールねじナット20bを正規の移
動速度に復帰させる。
【0042】さらに、サポート用ボールねじナット20
a又は20bの距離検出値La又はLbが最小設定距離
Lmin以下となった時にも、クラッチ機構30を非締
結状態として、サポート用ボールねじナット20a又は
20bをナットハウジング25に対して空転状態とし
て、サポート用ボールねじナット20a又は20bが軸
受ハウジング5a又は5bに衝接することを未然に防止
することができ、ねじ軸1に過大な負荷が掛かることを
防止することができる。
【0043】なお、上記第2の実施形態においては、ク
ラッチ機構30として、バネ付エアシリンダを適用した
場合について説明したが、複動エアシリンダを適用して
ピストンロッドの伸縮をともに異なる端部に加圧空気を
供給することにより行うようにしてもよい。また、上記
第2の実施形態においては、クラッチ機構30をエアシ
リンダで構成する場合について説明したが、これに限定
されるものではなく、油圧シリンダ等の他の流体シリン
ダで構成するようにしてもよく、さらには、電磁ソレノ
イド等の電気的アクチュエータを適用するようにしても
よく、なおさらに、電磁クラッチや電磁粉クラッチ等を
適用するようにしてもよい。
【0044】また、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、サポート用ボールねじナット20a及び20bの
リード角を“0°”とした場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、厳密にリード角を“0
°”にする必要はなく、“0°近傍の値に設定すること
ができ、特に第2の実施形態においては、サポート用ボ
ールねじナット20a及び20bの位置をクラッチ機構
30を使用して制御することができるので、リード角を
“0°”より大きな角に設定して、サポート用ボールね
じナット20a及び20bの移動速度を速め、クラッチ
機構30によって目標距離に位置制御するようにしても
よい。
【0045】次に、本発明の第3の実施形態を図13に
ついて説明する。この第3の実施形態は、上記第1及び
第2の実施形態では、ボールねじナット3のボールとサ
ポート用ボールねじナット20a及び20bのボールと
でねじ軸1のボール溝2を共有する場合について説明し
たが、これに代えて、両者を異なるボール溝に転動させ
るようにしたものである。
【0046】すなわち、第3の実施形態では、図13に
示すように、前述した第1の実施形態において、ねじ軸
1に2条のねじ溝2a及び2bを形成し、一方のねじ溝
2aにボールねじナット3のボールを転動させ、他方の
ねじ溝2bにサポート用ボールねじナット20a及び2
0bのボール21を転動させるように構成されている。
【0047】この第3の実施形態によると、ボールねじ
ナット3のボールとサポート用ボールねじナット20a
及び20bのボール21とがねじ軸1の異なるねじ溝2
a,2bを転動することになるため、サポート用ボール
ねじナット20a及び20bのボール21がねじ溝2a
を磨耗させることを確実に回避することができ、ねじ溝
2aの寿命を長期化することができると共に、サポート
用ボールねじナット20a及び20bのねじ溝2bをサ
ポート用ボールねじナット20a及び20bに最適な溝
形状,粗さ等に設計することができ、溝設計の自由度を
向上させることができる。
【0048】すなわち、上記第1及び第2の実施の形態
では、ねじ軸1側のボール溝2及びサポート用ボールね
じナット20a,20b側のボール溝22の形状を共に
ゴシックアーチ形状として、ボール21がボール溝2側
で2点、ボール溝22側で2点(合計4点)で接触する
ようにした場合を例に採ったが、これに代えて図14に
示すように、ねじ軸1側のボール溝2の形状をゴシック
アーチ形状としてボール21をボール溝2側でP1 ,P
2 の2点で接触させるとともに、サポート用ボールねじ
ナット20a,20b側のボール溝22の形状を単一R
形状としてボール21をボール溝22側でP3 の1点
(合計3点)で接触させて軽い予圧をかけ、これによ
り、ボール21ひいてはサポート用ボールねじナット2
0a,20bの安定した動きを得ることができる。
【0049】詳述すると、ねじ軸1のボール溝2とサポ
ート用ボールねじナット20a,20bのボール溝22
とのリード角が互いに異なる場合、ボール21とそれぞ
れのボール溝2,22との間で転がり運動に加えて、す
べり運動が大きくなる。従来の無循環ボールねじ装置の
場合、ねじ軸側のボール溝とナット側のボール溝の形状
が共にゴシックアーチ形状で同じであったため、ボール
がねじ軸側のボール溝で2点、ナット側のボール溝で2
点、合計4点で接触することになり、すべり摩擦が大き
かった。
【0050】これは、図14を参照して、ねじ軸1のボ
ール溝2のP1 ,P2 の2点でボール21が転がり運動
する場合、サポート用ボールねじナット20a(20
b)側ではベクトルaの方向にボール21が進めば転が
りとなるが、実際には、ナット側のボール溝のリード角
が0°なのでボール21はベクトルbの方向に進む。つ
まり、ベクトルaとベクトルbとの差(ベクトルc)が
ボール21のすべりとなり、ボール21をボール溝22
で2点で接触させるようにした場合はこのすべりを良好
に吸収することができず、すべり摩擦が大きくなってし
まう。
【0051】これに対し、図14に示すように、ねじ軸
1側のボール溝2の形状をゴシックアーチ形状としてボ
ール21をボール溝2側でP1 ,P2 の2点で接触させ
るとともに、サポート用ボールねじナット20a,20
b側のボール溝22の形状を単一R形状としてボール2
1をボール溝22側でP3 の1点(合計3点)で接触さ
せて軽い予圧をかけるようにすると、ボール21は点P
1 ,P2 ,P3 で接触し、このうちのねじ軸1のボール
溝2側のP1 ,P2 点では転がり運動となり、ボール溝
22側のP3 点では接触点周りの回転すべりを伴う転が
り運動となって、該回転すべりによってベクトルaとベ
クトルbの差分(ベクトルc)が吸収され、これによ
り、すべり摩擦が小さくなってボール21ひいてはサポ
ート用ボールねじナット20a,20bの安定した動き
を得ることができる。
【0052】また、図1及び図8の直動案内装置に用い
られるサポート用ボールねじナット20a,20bのボ
ール21を3点接触にした場合は、dm:26mm、l
:50mm、Da:3.9688mm、α1 :45
°、α2 :0°とすると、ボールねじナット3の軸方向
の移動速度がNi・l になるのに対して、サポート用ボー
ルねじナット20a,20bの軸方向の移動速度vは
(10)式より0.54Ni・l となり、この場合も上記
実施の形態と同様に、ねじ軸1が一回転した際に、ボー
ルねじナット3が軸方向に1リード分だけ進むのに対
し、サポート用ボールねじナット20a,20bはボー
ルねじナット3の移動距離の略1/2だけ軸方向に進む
ことになり、上記実施の形態と同様の作用効果が得られ
る。
【0053】なお、上記第3の実施形態においては、第
1の実施形態に2条ねじを適用した場合について説明し
たが、これに限らず、第2の実施形態に2条ねじを適用
するようにしてもよいことは言うまでもない。また、上
記第3の実施形態においては、ねじ軸1に2条ねじ溝を
形成した場合について説明したが、これに限定されるも
のではなく、ねじ軸1に3条ねじ溝を形成し、このうち
の2つをボールねじナット用として、残りの1つをサポ
ート用ボールねじナット用としたり、3条のねじ溝を夫
々ボールねじナット用、サポート用ボールねじナット2
0a用及びサポート用ボールねじナット20b用とする
こともでき、さらには、ねじ軸1に4条ねじ溝を形成
し、このうちの2つのねじ溝をボールねじナット3用、
残りの2つをサポート用ボールねじナット20a,20
b用としたり、3つのねじ溝をボールねじナット3用と
し、残りの1つのねじ溝をサポート用ボールねじナット
20a,20b用とし、1つのねじ溝をボールねじナッ
ト3用とし、残りの3つのねじ溝をサポート用ボールね
じナット20a,20b用とすることもでき、要はねじ
軸1に多条ねじ溝を形成し、ボールねじナット3用とサ
ポート用ボールねじナット20a,20b用とで異なる
ねじ溝を使用するようにすればよい。
【0054】さらに、上記各実施の形態では、ねじ軸1
のボール溝2に二個のサポート用ボールねじナット20
a,20bを螺合した場合を例に採ったが、これに限定
されず、例えば、ねじ軸1の支持端側(右端側)のみに
サポート用ボールねじナット20aを螺合するようにし
ても大きな制振効果を得ることができる。さらに、上記
各実施の形態では、ねじ軸1は左端側が支持端となって
いるが、これが固定端や自由端であってもよい。
【0055】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、請求項
1に係る発明によれば、ねじ軸のボール溝にボールを介
して螺合されたサポート用ナットと、該サポート用ナッ
トをねじ軸と平行に案内する案内機構との間にクラッチ
機構を介挿したので、クラッチ機構を締結状態とするこ
とにより、サポート用ナットと案内機構とを一体化させ
てねじ軸の回転に伴ってサポート用ナットを移動させ、
非締結状態とすることにより、サポート用ナットを空転
させて、サポート用ナットの移動を停止させることがで
き、サポート用ナットの位置調整を自在に行うことがで
きるとともに、サポート用ナットの移動が規制されたと
きにねじ軸に過大な負荷を与えることを確実に防止する
ことができるという効果が得られる。
【0056】また、請求項2に係る発明によれば、サポ
ート用ナットのボールは、前記ねじ軸に形成された前記
ボールねじナットが螺合するボールねじ溝とは異なるボ
ールねじ溝に螺合されているので、サポート用ナットの
ボールによるボールねじナットのねじ溝の磨耗を確実に
防止することができ、ねじ軸の寿命を長期化させること
ができる共に、サポート用ナットに最適なねじ溝設計を
行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるボールねじ装
置の中間サポートを直動案内装置に使用した例を示す概
略図である。
【図2】中間サポートのクラッチ機構を拡大して示す断
面図である。
【図3】サポート用ボールねじナットの側面図である。
【図4】図2の左側面図である。
【図5】サポート用ボールねじナットの軸方向の移動速
度を求める式の説明に用いる説明図である。
【図6】中間サポートの動作を説明するための説明図で
ある。
【図7】第1の実施形態の動作の説明に供する図1と同
様の概略図である。
【図8】本発明の第2の実施形態であるボールねじ装置
の中間サポートを直動案内装置に使用した例を示す概略
構成図である。
【図9】第2の実施形態における中間サポートの断面図
である。
【図10】図9の左側面図である。
【図11】第2の実施形態における動作の説明に供する
図8と同様の概略構成図である。
【図12】第2の実施形態における制御装置の一例を示
すブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施形態を示す中間サポート
の断面図である。
【図14】第3の実施形態に適用し得るサポート用ボー
ルねじナットのボール溝とねじ軸のボール溝との間に介
在されるボールがサポート用ボールねじナットのボール
溝側で1点、ねじ軸のボール溝側で2点で接触している
状態を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…ねじ軸 2…ねじ軸のボール溝 3…ボールねじナット 20a,20b…サポート用ボールねじナット 21…サポート用ボールねじナット側のボール 22…サポート用ボールねじナット側のボール溝 25…ナットハウジング 26,27…位置規制板 30…クラッチ機構 31…係合凹部 33…スプリング 34…ボール 35…押しねじ 40,41…エアシリンダ 42…ピストンロッド 43…摩擦板 50〜52…距離センサ 53,54…アクチュエータ 55…制御装置 2a,2b…ねじ溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に螺旋状のボール溝を有するねじ
    軸と、該ねじ軸に遊嵌される内周面に前記ねじ軸のボー
    ル溝に対応するボール溝を有するボールねじナットと、
    前記両ボール溝間に転動可能に嵌合された多数のボール
    とを備え、該ボールが前記ボールねじナットに嵌合され
    たボール循環部品に案内されて循環するボールねじ装置
    の前記ねじ軸に取り付けられるとともに、前記ボールね
    じナットの移動速度より遅い速度で移動する中間サポー
    トであって、前記ねじ軸のボール溝にボールを介して螺
    合されたサポート用ナットと、該サポート用ナットを前
    記ねじ軸と平行に案内する案内機構と、該案内機構及び
    前記サポート用ナット間に介挿されたクラッチ機構とを
    備えていることを特徴とするボールねじ装置の中間サポ
    ート。
  2. 【請求項2】 外周面に螺旋状のボール溝を有するねじ
    軸と、該ねじ軸に遊嵌される内周面に前記ねじ軸のボー
    ル溝に対応するボール溝を有するボールねじナットと、
    前記両ボール溝間に転動可能に嵌合された多数のボール
    とを備え、該ボールが前記ボールねじナットに嵌合され
    たボール循環部品に案内されて循環するボールねじ装置
    の前記ねじ軸に取り付けられるとともに、前記ボールね
    じナットの移動速度より遅い速度で移動する中間サポー
    トであって、前記ねじ軸のボール溝にボールを介して螺
    合されたサポート用ナットと、該サポート用ナットを前
    記ねじ軸と平行に案内する案内機構とを備えており、前
    記サポート用ナットのボールは、前記ねじ軸に形成され
    た前記ボールねじナットが螺合するボールねじ溝とは異
    なるボールねじ溝に螺合されていることを特徴とする請
    求項1記載のボールねじ装置の中間サポート。
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