JPH1071193A - 空気浄化剤および脱臭フィルター - Google Patents

空気浄化剤および脱臭フィルター

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JPH1071193A
JPH1071193A JP9172046A JP17204697A JPH1071193A JP H1071193 A JPH1071193 A JP H1071193A JP 9172046 A JP9172046 A JP 9172046A JP 17204697 A JP17204697 A JP 17204697A JP H1071193 A JPH1071193 A JP H1071193A
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文和 戸田
Noboru Nakao
昇 中尾
Keita Yura
慶太 由良
Kaoru Masuda
薫 増田
Taku Aokata
卓 青方
Tomohiko Matsunaga
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低級脂肪族アルデヒドの除去効率が高く、
しかも、他のアンモニア、酢酸などの臭気成分の除去を
同時に行える空気浄化剤を提供する。 【解決手段】 多孔質体と薬剤を含む空気浄化剤にお
いて、前記多孔質体の全細孔容積を0.90ml/g以上とし、
そのうち孔径が2nm 以下のミクロ孔の容積の占める割合
を20〜60% の範囲とする、および/または、前記薬剤と
して芳香族アミン類と亜鉛化合物の両者を含有させた空
気浄化剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気浄化剤および
脱臭フィルターに係り、特にアセトアルデヒドと他の悪
臭成分とを同時に除去可能な空気浄化剤および脱臭フィ
ルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】室内や車内などの居住空間においては、
様々な種類の悪臭が発生するが、中でも、近年焦点にな
っている煙害問題などにより、たばこ臭の除去に対する
要求が高まってきている。このたばこ臭の主成分は、ア
セトアルデヒド、アンモニア、酢酸などであるが、この
中では、アセトアルデヒドの臭気が最も強く、また、ア
セトアルデヒドは、他の臭気成分に比して、除去が難し
い物質である。その理由は、アセトアルデヒドなどの低
級脂肪族アルデヒドが、脱臭剤として代表的な活性炭や
ゼオライトなどへの吸着性が低いという特異な特性を持
っているからである。更に低級脂肪族アルデヒドは、こ
れら活性炭やゼオライトの吸着力改善のために、表面に
添着される酸や塩基性物質などとの反応性も低いという
問題も有している。
【0003】この課題に対して、特に低級脂肪族アルデ
ヒドの除去性能を強調した脱臭剤もしくは空気浄化剤
が、従来より種々提案されてきた。例えば、特公昭60−
54095号や特開平3 −98642 号では、活性炭にアニリン
やリン酸アニリンを添着したものが提案されている。ま
た、特開平4 −2350号や特開平5 −23588 号では、活性
炭にアミノ酸やアミノ安息香酸を添着したものが提案さ
れている。更にこれら活性炭以外には、特公平5 −1629
9 号でゼオライトなどのアルミノシリケートが、特公平
6 −22673 号でセピオライトが、特開平7 −136502号で
活性炭素繊維にアミノベンゼンスルフォン酸(スルファ
ニル酸)を添着したものが、各々提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の脱臭剤もしくは空気浄化剤は、低級脂肪族アルデ
ヒドの除去に対して実用的では無いという問題がある。
例えば、アニリンやリン酸アニリンは、低級脂肪族アル
デヒドの除去性能は優れるものの、臭気が強く、一般向
けの脱臭剤もしくは空気浄化剤として使用しにくい問題
がある。また、ゼオライトやセピオライトなどの金属酸
化物や、アミノ酸やアミノ安息香酸などの有機物質は、
活性炭と組み合わせても、低級脂肪族アルデヒドの除去
性能が、アニリンよりも劣る問題がある。更に、アミノ
ベンゼンスルフォン酸(スルファニル酸)も、前記金属
酸化物やアミノ酸類などよりは、低級脂肪族アルデヒド
の除去性能に優れるものの、アニリンよりは劣るという
問題がある。
【0005】したがって、低級脂肪族アルデヒドの除去
効率が高く、望ましくは、他のアンモニア、酢酸などの
臭気成分の除去を同時に行えることが、この種の脱臭剤
もしくは空気浄化剤に求められている技術的課題であ
る。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑み、特に、低級
脂肪族アルデヒドの除去性能に優れるとともに、他の臭
気成分も同時に除去可能な空気浄化剤を提供しようとす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このための、本発明の手
段は、多孔質体と薬剤を含む空気浄化剤において、新規
な特定の細孔構造を有する多孔質体を用いることであ
り、より具体的には、前記多孔質体の全細孔容積が0.90
ml/g以上であり、かつ前記多孔質体の細孔のうち孔径が
2nm 以下のミクロ孔の容積の、前記全細孔容積に対して
占める割合が20〜60% の範囲にあることである。また、
空気浄化剤として、この多孔質体に加えて、あるいは、
この多孔質体とは別の多孔質体に加えて、芳香族アミン
類および亜鉛化合物の両者を含有させることである。そ
して、本発明における、これら空気浄化剤は、ウレタン
フォームなどの多孔質基材上に添着したり、ハニカムな
どのモノリス成型体にして、脱臭フィルターとしても良
い。
【0008】まず、本発明のうち、新規な特定の細孔構
造を有する多孔質体を用いることについて以下に説明す
る。本発明者らは、多孔質体と薬剤を含む空気浄化剤に
つき検討したところ、低級脂肪族アルデヒドや他の臭気
成分の除去性能は、多孔質体が有する細孔の絶対量と
(全細孔容積)と、細孔の大きさに依存することを知見
した。この多孔質体が有する細孔の点については従来で
も種々検討されており、一般に、多孔質体による気相吸
着においては、多孔質体が有する細孔のうち、ミクロな
孔がかなりの容量を占めるとともに、このミクロな孔が
吸着性能を決めるとされてきた。即ち、従来では、一般
的に、高い吸着性能を発揮させるためには、ミクロ孔を
発達させた多孔質体が必要であると認識されていた。し
たがって、多孔質体と薬剤を含む空気浄化剤でも、この
考え方に基づいて、ミクロ孔を発達させた多孔質体が主
として用いられてきた。
【0009】これに対し、本発明者らの知見によれば、
多孔質体と薬剤を含む空気浄化剤においては、従来のよ
うにミクロ孔が発達した多孔質体を用いた場合には、逆
に、低級脂肪族アルデヒドや他の臭気成分の除去性能は
低下し、むしろミクロ孔を一定レベルに抑えた多孔質体
の方が、前記臭気成分の除去性能は向上する。
【0010】この点を更により詳細に説明すると、多孔
質体に存在する細孔は、大中小様々な大きさのものがあ
るが、一般的にミクロ孔と称される細孔は、IUPAC
(国際純正および応用化学連合)の規格により、孔径が
2 nm以下のものを言う。そしてこの規格では、細孔の孔
径により、細孔径が50nm以上のものをマクロ孔、細孔径
が2 〜50nmのものをメソ孔、細孔径が2 nm以下のものを
ミクロ孔として分類している。
【0011】この細孔の孔径による3 つの分類に従い、
本発明者らは、多孔質体と薬剤を含む空気浄化剤につ
き、これらの各々の孔径の機能(低級脂肪族アルデヒド
や他の臭気成分の除去性能)について調査した。その結
果、多孔質体と薬剤を含む空気浄化剤において、薬剤は
優先的にマクロ孔およびメソ孔に添着し、前記臭気成分
の除去性能を発揮することを見出した。更に、前記多孔
質体の細孔に占めるミクロ孔の容積の割合が多い場合に
は、薬剤は前記マクロ孔およびメソ孔に添着する他に、
ミクロ孔にも添着し、このミクロ孔に添着した薬剤はミ
クロ孔自体を閉塞して、吸着機能を損なわせることを見
出した。つまり、多孔質体の細孔に占めるミクロ孔の容
積の割合が多い場合には、多量の薬剤を添着しても逆
に、前記臭気成分の十分な除去性能が得られない、若し
くは除去性能を低下させてしまう結果となる。
【0012】したがって、多孔質体と薬剤を含む空気浄
化剤において、前記臭気成分の除去性能を向上させよう
とする場合には、多孔質体の細孔の絶対量を増すととも
に、薬剤が優先的に添着するマクロ孔およびメソ孔を増
やし、ミクロ孔を一定レベルに抑える必要がある。そこ
で、これらの技術思想を、実際の多孔質体と薬剤を含む
空気浄化剤に適用すべく、前記臭気成分の除去性能と多
孔質体の細孔の絶対量およびミクロ孔量との関係を定量
的に検討を行った。その結果、前記臭気成分の十分な
除去性能を有するための多孔質体の細孔の絶対量の確保
の点からは、多孔質体の全細孔容積を0.90ml/g以上とす
べきであること、および前記臭気成分の十分な除去性
能を有するためのマクロ孔およびメソ孔を増やし、ミク
ロ孔を一定レベルに抑える点からは、前記多孔質体の細
孔のうち孔径が2nm 以下のミクロ孔の容積の、前記全細
孔容積に対する割合を20〜60% の範囲とすべきであるこ
と、を各々知見して本発明をなしたものである。
【0013】次に、本発明のうち、多孔質体と薬剤を含
む空気浄化剤において、新規な薬剤を用いる点につい
て、以下に説明する。低級脂肪族アルデヒドの除去用に
従来から提案されている芳香族アミン類は、ある程度の
低級脂肪族アルデヒドの除去性能を有するが、本発明者
らは、この芳香族アミン類に、亜鉛化合物を併用する
と、低級脂肪族アルデヒドの除去性能を飛躍的に向上さ
せるとともに、他の臭気成分の除去性能も落とさず、除
去可能であることを知見した。このメカニズムは定かで
はないが、亜鉛化合物は、芳香族アミン類とアルデヒド
との反応における触媒としての機能を発揮するためと推
考される。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、本発明のうち、多孔質体の
特定の細孔構造について、多孔質体の全細孔容積を0.90
ml/g以上とするのは、前記した通り、低級脂肪族アルデ
ヒドや他の臭気成分の十分な除去性能を得るためであ
る。多孔質体の全細孔容積が0.90ml/g未満では、多孔質
体乃至空気浄化剤の気相吸着量や薬剤の添着量自体が不
足するため、前記臭気成分の十分な除去性能を得ること
ができない。
【0015】また、多孔質体の細孔のうち孔径が2nm 以
下のミクロ孔の容積の、前記全細孔容積に対する割合を
20〜60% の範囲とするのは、前記した通り、低級脂肪族
アルデヒドや他の臭気成分の十分な除去性能を得るため
である。孔径が2nm 以下のミクロ孔の容積割合が20% 未
満の場合は、多孔質体乃至空気浄化剤の気相吸着量が小
さくなりすぎ、前記臭気成分の十分な除去性能を得るこ
とができない。一方、ミクロ孔の容積割合が60% を越え
る場合は、前記した通り、前記マクロ孔およびメソ孔に
添着すべき薬剤が、マクロ孔およびメソ孔が少ないため
にミクロ孔にも添着する。この結果、ミクロ孔自体を閉
塞して吸着機能を損なわせるため、やはり前記臭気成分
の十分な除去性能を得ることができない。
【0016】この多孔質体の全細孔容積およびミクロ孔
( マクロ孔およびメソ孔も) などの細孔容積の測定に
は、例えば、「吸着の化学」( 近藤精一、石川達雄、安
倍郁夫、共著、丸善株式会社発行) に記載の吸着等温線
のt −プロット法により解析する方法を用いる。多孔質
体の細孔容積の測定には、他に、分子プローブ法や水銀
圧入法などの種々の公知の方法があるが、吸着等温線の
t −プロット法により解析する方法が最も精度が高い。
その理由は、分子プローブ法は径が1mm 以下の細孔、水
銀圧入法は径が5mm 以上の細孔の測定に有効な方法であ
り、一方、吸着等温線のt −プロット法により解析する
方法は、本発明の対象とする細孔径の範囲(孔径が50nm
以上のマクロ孔から細孔径が2 nm以下のミクロ孔) に最
も適しているからである。この多孔質体の全細孔容積お
よびミクロ孔細孔容積を、吸着等温線のt −プロット法
により測定する方法は、市販の吸着量測定装置により、
まず多孔質体の窒素の吸着等温線を測定する。そして多
孔質体の全細孔容積は飽和蒸気圧での窒素吸着量を多孔
質体の単位重量当たりの値に換算すれば求められる。一
方、ミクロ孔の細孔容積は、標準等温線を用いて前記窒
素の吸着等温線をt −プロットに変換し、高圧部の直線
部分と縦軸との切片から求められる吸着量を、単位重量
当たりの値に換算する。また、ミクロ孔の細孔容積の、
全細孔容積に対する割合を求めるためには、前記した通
り、吸着等温線のt −プロット法により多孔質体の全細
孔容積およびミクロ孔の容積を各々測定して、ミクロ孔
の細孔容積の全細孔容積に対する割合(%) を求める。
【0017】次に、本発明における、低級脂肪族アルデ
ヒドや他の臭気成分の除去のための新規な薬剤について
説明する。本発明において、芳香族アミン類とは、アニ
リンやアミノ安息香酸などの芳香族環とアミノ基を有す
るものであれば良いが、アニリンは臭気が強いことなど
を考慮すると、特にスルファニル酸などのアミノ基とス
ルフォン基を有する芳香族アミン類が好ましい。芳香族
アミン類に、低級脂肪族アルデヒドの除去性能を発揮さ
せるためには、多孔質体100 重量部に対し、芳香族アミ
ン類を3 重量部以上とすることが望ましい。芳香族アミ
ン類が3 重量部未満では、空気浄化剤としての効果の持
続時間が短くなり実用的ではない。また、逆に、芳香族
アミン類の添着量が50重量部を超えると、多孔質体の単
体としての効果が低くなるので、これ以下の添着量とす
ることが好ましい。
【0018】また、亜鉛化合物について、本発明におい
ては、亜鉛化合物として塩化亜鉛、、酸化亜鉛、炭酸亜
鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛アンモニウムなどが
適用可能である。しかし、添加量に対する効果の観点か
らは、塩化亜鉛、、酸化亜鉛、炭酸亜鉛が効果的であ
り、これらの内から1種または2種以上を選択して用い
ることが望ましい。
【0019】この亜鉛化合物に、触媒機能を発揮させる
ためには、芳香族アミン類100 重量部に対して、3 重量
部以上とすることが望ましい。亜鉛化合物が3 重量部未
満では、触媒機能が小さく、反応時間が長くなり実用的
ではない。また、亜鉛化合物を50重量部を超えて含有し
ても、触媒機能は飽和し、コストなどの問題で実用的で
ないので、これ以下の添着量とすることが好ましい。
【0020】なお、脱臭剤の機能向上のために金属や金
属化合物触媒を併用すること自体は公知である。例え
ば、特公平5 −16299 号にはアルミノシリケートに、鉄
や銅などの遷移金属成分を保持させることが開示されて
いる。しかしながら、本発明者らの知見によれば、亜鉛
化合物以外の、鉄や銅などの遷移金属金属化合物を用い
ても、芳香族アミン類とアルデヒドとの反応における触
媒としての機能は無かった。
【0021】更に、本発明における多孔質体について、
以下説明する。多孔質体としては、活性炭、ゼオライ
ト、活性アルミナ、シリカ、シリカゲル、ケイソウ土、
炭素繊維などが適宜使用できる。これらの多孔質体は、
それ自身脱臭性能を有するものが多い。本発明におい
て、低級脂肪族アルデヒド以外の臭気成分の除去も考慮
すると、多孔質体それ自身に脱臭性能を有するものが好
ましい。特に、活性炭は、低級脂肪族アルデヒド以外の
他の多くの臭気成分の除去性能を有するものとして本発
明における多孔質体として特に好ましい。
【0022】多孔質体の形状としては、粒状、球状、ペ
レット状、粉末状など、使用環境や条件に合わせて、種
々の形状が選択される。粉末の多孔質体を用いる場合に
は、有機物や無機物のバインダーを添加して、ハニカム
やシートのモノリス状の脱臭フィルターにすることがで
きる。この脱臭フィルターは、室内や車内の空気清浄器
内や通気口に適宜簡便に配置でき、取り替えや保守が簡
単であるなどの使用上の利点が多い。また、本空気浄化
剤を、目的に合わせ、任意の形状に成型した多孔質基材
上に添着させることもできる。多孔質基材としては、多
孔性合成樹脂、ポリウレタンフォーム、不織布、ハニカ
ム構造体(セラミックス、金属、紙、樹脂などの)、ル
ープ状積層体などが用いられる。
【0023】
【実施例】
(実施例1)本発明の細孔構造を有する多孔質体と薬剤
を含む空気浄化剤を用いて、実際にアセトアルデヒドを
除去した結果を以下に説明する。使用した多孔質体の全
細孔容積A と孔径が2nm 以下のミクロ孔の容積B および
全細孔容積に対する比A/B を表1 に示す。また、使用し
た薬剤の種類と量を表2 に示す。空気浄化剤の製造は、
多孔質体として粉末状の活性炭、芳香族アミン類として
スルファニル酸、亜鉛化合物として塩化亜鉛を、所定の
割合で混合し、さらに、有機バインダーを加えて水で希
釈した後に、押出成形により粒状物を作成し、乾燥後切
断して粒径2mmの各空気浄化剤を得た。
【0024】アセトアルデヒド除去率測定のための流通
試験は、20ppm の濃度のアセトアルデヒドを混合した空
気を、0.2m/sの流速で、各空気浄化剤0.5gが仕込まれた
サンプルフォルダー内に流し、入口および出口のアセト
アルデヒド濃度を一定時間毎に各々測定して行い、次式
を用いてアセトアルデヒド除去率 (脱臭率) を算出し
た。脱臭率(%)=[(Ci─Co)/Ci] ×100[但
し、Ci:アセトアルデヒド (悪臭成分ガス) 入口濃
度、Co:アセトアルデヒド (悪臭成分ガス) 出口濃
度] 。この測定結果について、各空気浄化剤のアセトア
ルデヒドの除去率の経時変化を図1 に示す。なお、表2
、図1 のNo. は同じ試験材を示している。
【0025】表1 の通り、多孔質体No.1〜2 は本発明例
で、多孔質体No.3〜6 は多孔質体の全細孔容積A が0.90
ml/g未満、または孔径が2nm 以下のミクロ孔の容積B の
全細孔容積A に対する割合 (A/B)が20〜60% の範囲から
はずれた比較例である。表2および図1 に示す通り、こ
の比較例多孔質体を用いた空気浄化剤No.5〜8 は、例え
薬剤として本発明の低級脂肪族アルデヒド等の臭気成分
除去のための新規な薬剤を使用しても、アセトアルデヒ
ドの除去率が、本発明例空気浄化剤No.1〜4 に比して劣
っている。これに対し、本発明例空気浄化剤No.1〜4
は、アセトアルデヒドの除去率自体が高く、しかも除去
率の時間的な低下が少なく、空気浄化剤として非常に実
用的であることが分かる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】(実施例2)次に、薬剤による脱臭性能の
差を比較するために、空気浄化剤をウレタンフォームに
添着した脱臭フィルターを以下の通り製作した。多孔質
体としては粉末状の活性炭、芳香族アミン類としてスル
ファニル酸、亜鉛化合物として塩化亜鉛、酸化亜鉛、炭
酸亜鉛を選択した。これらを所定の割合で混合し、さら
に、有機バインダーを加えて水で希釈した溶液に、ウレ
タンフォームを浸漬したのち、乾燥して脱臭フィルター
とした。 また、比較のために、粉末状の活性炭のみの
例と、粉末状の活性炭とスルファニル酸のみの例を比較
例として用意し、前記実施例と同様にして脱臭フィルタ
ーとした。
【0029】これらの製作条件を表3 に示す。なお、配
合量は重量部で表し、含有量は脱臭フィルターの単位体
積当たりの空気浄化剤の含有量を示す。また、空気浄化
剤をハニカム状モノリスに成型した脱臭フィルターも以
下の通り製作した。なお、材料の選定は、前記脱臭フィ
ルターの場合と同じである。活性炭とスルファニル酸、
亜鉛化合物 (塩化亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛) を所定の
割合で混合し、さらに、有機バインダーおよび水を加え
て良く混練した。これを押し出し成型により、ハニカム
状モノリスを製作した。これらの製作条件を同じく表3
に示す。なお、カサ密度は単位体積当たりのフィルター
重量を示す。
【0030】
【表3】
【0031】次に、前記表3 のうち、テストNo.1〜3 の
ウレタンフォーム脱臭フィルターと、No.7〜9 のハニカ
ム状モノリス脱臭フィルターの、アセトアルデヒド、ア
ンモニア、酢酸の3成分に対する、脱臭率の測定を行っ
た。脱臭率測定のための流通試験は、所定濃度の前記悪
臭成分ガスを混合した空気を、0.2m/sの流速で脱臭フィ
ルター内に流し、入口および出口の悪臭ガス濃度を各々
測定して行い、前記実施例1 と同じ脱臭率の算出式式を
用いて脱臭率を算出した。悪臭成分ガス3成分の濃度
は、アセトアルデヒド12ppm 、アンモニア50ppm 、酢酸
12ppm とした。
【0032】ウレタンフォームとハニカムタイプの各々
のフィルターの脱臭性能を、悪臭成分ガス毎に図2 〜7
に示す。図2 〜4 は各々、アセトアルデヒド、アンモニ
ア、酢酸に対するウレタンフォームの脱臭性能(脱臭率
の経時変化)を示し、図5 〜7 は各々、アセトアルデヒ
ド、アンモニア、酢酸に対するハニカムタイプの脱臭性
能を示す。図2 〜7 の通り、本発明に係るスルファニル
酸と塩化亜鉛化合物とを含む空気浄化剤(図の○、×、
+印、表3 のNo.1、7 、10、11、14、15)は、活性炭の
み(図の□印、表3 のNo.2、8 )や、スルファニル酸の
み(図の◇印、表3 のNo.3、9)に比して、アンモニアや
酢酸の他の悪臭成分ガスの除去効率を低下させることな
く、アセトアルデヒドを効率よく除去することが可能で
ある。しかも除去率の時間的な低下が少なく、空気浄化
剤乃至脱臭フィルターとして非常に実用的であることが
分かる。
【0033】次に、前記表3 のうち、テストNo.4〜9 の
空気浄化剤について、実際の煙草の燃焼ガスを用いて、
脱臭テストを行った。脱臭テストは、体積が1m3 のアク
リルケースの中で、煙草を5 本燃焼させたのち、脱臭フ
ィルターを組み込んだブロワーを0.5m/sの流速で30分間
運転してケース内の脱臭を行う条件とした。そして、ブ
ロワーの運転前後のアセトアルデヒド、アンモニア、酢
酸の濃度を各々測定して、脱臭率を算出し、すべての悪
臭成分の脱臭率が50% 以下に低下するまで、この操作を
繰り返して行った。各悪臭成分の脱臭率が50% を割るま
での使用たばこ本数を、その成分に対する脱臭限界本数
=耐久本数として、各成分毎にたばこの耐久本数を測定
した。性能評価結果を表4 に示す。
【0034】
【表4】
【0035】この表4 からも明らかな通り、本発明によ
るスルファニル酸と亜鉛化合物とを含むテストNo.4、7
、12〜15の空気浄化剤は、No.5、8 の活性炭のみや、N
o.6、9 の活性炭+スルファニル酸の空気浄化剤に比し
て、アンモニアや酢酸の他の悪臭成分ガスの除去効率を
低下させることなく、アセトアルデヒドを効率よく除去
していることが分かる。
【0036】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明空気浄化剤に
よれば、特に、低級脂肪族アルデヒドの除去性能に優れ
るとともに、他の臭気成分も除去可能である。したがっ
て、低級脂肪族アルデヒドと他の臭気成分を同時に除去
可能という、この分野の相矛盾する技術課題を一気に達
成したことになり、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る各空気浄化剤のアセトアルデヒ
ドの除去率の経時変化を示す説明図である。
【図2】実施例2に係るウレタンフォーム空気浄化剤の
アセトアルデヒド脱臭率の経時変化を示す説明図であ
る。
【図3】実施例2に係るウレタンフォーム空気浄化剤の
アンモニア脱臭率の経時変化を示す説明図である。
【図4】実施例2に係るウレタンフォーム空気浄化剤の
酢酸脱臭率の経時変化を示す説明図である。
【図5】実施例2に係るハニカム状空気浄化剤のアセト
アルデヒド脱臭率の経時変化を示す説明図である。
【図6】実施例2に係るハニカム状空気浄化剤のアンモ
ニア脱臭率の経時変化を示す説明図である。
【図7】実施例2に係るハニカム状空気浄化剤の酢酸脱
臭率の経時変化を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 昇 神戸市西区高塚台1丁目5−5 株式会社 神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 由良 慶太 神戸市西区高塚台1丁目5−5 株式会社 神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 増田 薫 神戸市西区高塚台1丁目5−5 株式会社 神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 青方 卓 神戸市西区高塚台1丁目5−5 株式会社 神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 松永 智彦 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質体と薬剤を含む空気浄化剤におい
    て、多孔質体の全細孔容積が0.90ml/g以上であり、その
    うち孔径が2nm 以下のミクロ孔の容積の占める割合が20
    〜60% の範囲にあることを特徴とする空気浄化剤。
  2. 【請求項2】 前記薬剤の添着量が、多孔質体100 重量
    部に対し、3 〜50重量部の範囲である請求項1に記載の
    空気浄化剤。
  3. 【請求項3】 前記薬剤が芳香族アミン類である請求項
    1又は2に記載の空気浄化剤。
  4. 【請求項4】 前記薬剤が芳香族アミン類と亜鉛化合物
    からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気浄
    化剤。
  5. 【請求項5】 多孔質体と、芳香族アミン類および亜鉛
    化合物を含むことを特徴とする空気浄化剤。
  6. 【請求項6】 前記亜鉛化合物の含有量が、芳香族アミ
    ン類100 重量部に対し、3 〜50重量部の範囲である請求
    項5に記載の空気浄化剤。
  7. 【請求項7】 前記亜鉛化合物が塩化亜鉛、酸化亜鉛、
    炭酸亜鉛の内から選択された1種または2種以上である
    請求項4乃至6のいずれか1項に記載の空気浄化剤。
  8. 【請求項8】 前記芳香族アミン類がスルファニル酸で
    ある請求項3乃至7に記載の空気浄化剤。
  9. 【請求項9】 前記多孔質体が活性炭である請求項1乃
    至8のいずれか1項に記載の空気浄化剤。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1項に記載
    の空気浄化剤を、多孔質基材に添着してなる脱臭フィル
    ター。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか1項に記
    載の空気浄化剤を、モノリス状に成形してなる脱臭フィ
    ルター。
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