JPH1068819A - 光学積層体およびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

光学積層体およびそれを用いた液晶表示装置

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JPH1068819A
JPH1068819A JP8225524A JP22552496A JPH1068819A JP H1068819 A JPH1068819 A JP H1068819A JP 8225524 A JP8225524 A JP 8225524A JP 22552496 A JP22552496 A JP 22552496A JP H1068819 A JPH1068819 A JP H1068819A
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JP
Japan
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liquid crystal
film
optical laminate
light transmittance
adhesive layer
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JP8225524A
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Inventor
Yoshihiro Kimura
佳宏 木村
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶表示素子の視認性の改善、特に使用環境の
変化に対する視認性の低下を抑制することができる耐使
用環境性に優れた光学積層体を提供する。 【解決手段】偏光フィルム1の少なくとも片面に接着剤
層2を介して保護フィルム3を貼着してなる偏光板4の
保護フィルム3面側に、粘着剤層5が形成された光学積
層体7である。そして、この光学積層体7を2枚用い、
ガラス板の両面に、光学積層体7の偏光板4の光軸が互
いに直交するよう貼着して、下記(X)を測定したと
き、その測定値が下記の特性(Y)を満たすものであ
る。 (X)ガラス板の両面に上記偏光板4を貼着してなる積
層体を、69℃の雰囲気中で750時間放置した後、垂
直方向の光透過率を面内均等分割9点測定した際の光透
過率。 (Y)上記光透過率の最大値が0.7%以下であり、か
つ、その光透過率の最大値と最小値の差が0.2%以
下。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車や
機械類の計器類等の液晶表示装置に用いられる液晶表示
素子の視認性の改善、特に使用環境の変化に対する視認
性の低下を抑制することができる光学積層体およびそれ
を用いた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、卓上電子計算機、電子時計、ワー
プロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用い
られ、これに伴い偏光板の需要も増大している。偏光板
は一般に偏光能を有する偏光フィルムの両面あるいは片
面に、接着剤層を介して保護フィルムを形成させたもの
である。現在、知られている代表的なポリビニルアルコ
ール(以下「PVA」と略す)系偏光フィルムとして
は、PVA系フィルムにヨウ素を染色させたものや、二
色性染料を染色させたもの等がある。これらはPVAの
水溶液を製膜し、これを一軸延伸させてヨウ素染色する
か、あるいはヨウ素染色した後一軸延伸してから、好ま
しくはホウ素化合物で耐久化処理を行ったものが用いら
れている。また、上記保護フィルムとしては、酢酸セル
ロース系フィルムが表面保護フィルムとして光学的透明
性、無配向性等に優れているため汎用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の偏光板を用いた液晶表示装置にあっては、液晶表示
装置の構成材料である液晶(液晶表示素子)、配向膜、
偏光板等に有機材料が広く用いられているため、液晶表
示装置の使用環境の変化によって液晶表示素子の表示特
性が大きく低下するという問題がある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、液晶表示素子の視認性の改善、特に使用環境の
変化に対する視認性の低下を抑制することができる耐使
用環境性に優れた光学積層体およびそれを用いた液晶表
示装置の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、偏光フィルムの少なくとも片面に接着
剤層を介して保護フィルムを貼着してなる偏光板の保護
フィルム面側に、粘着剤層が形成された光学積層体であ
って、この光学積層体を2枚用い、ガラス板の両面に、
光学積層体の偏光板の光軸が互いに直交するよう貼着し
て、下記(X)を測定したとき、その測定値が下記の特
性(Y)を満たすことを特徴とする光学積層体を第1の
要旨とする。 (X)ガラス板の両面に上記偏光板を貼着してなる積層
体を、69℃の雰囲気中で750時間放置した後、垂直
方向の光透過率を面内均等分割9点測定した際の光透過
率。 (Y)上記光透過率の最大値が0.7%以下であり、か
つ、その光透過率の最大値と最小値の差が0.2%以
下。
【0006】また、液晶セルの少なくとも片面に、上記
粘着剤層を介して上記光学積層体が貼着された液晶表示
装置を第2の要旨とする。
【0007】この発明者は、液晶表示素子の使用環境の
変化に対する視認性の改善、すなわち耐使用環境性の向
上について鋭意研究を重ねた。その結果、上記光学積層
体を2枚用い、これをガラス板の両面に、光学積層体の
偏光板の光軸が互いに直交するよう貼着してなる積層体
の光透過率に注目し、この垂直方向の光透過率が、上記
耐使用環境性と密接に関係するという知見を得た。そし
て、さらに研究を重ねた結果、上記積層体を69℃の雰
囲気中で750時間放置した後、垂直方向の光透過率を
面内均等分割9点測定した際の光透過率の最大値が0.
7%以下であり、かつ、その光透過率の最大値と最小値
の差が0.2%以下であれば、液晶表示素子の使用環境
の変化に対する視認性を改善することができ、耐使用環
境性が向上することを見いだし本発明に到達した。
【0008】本発明においては、上記積層体を69℃の
雰囲気中で750時間放置した後、垂直方向の光透過率
を面内均等分割9点測定した際の光透過率は、大塚電子
社製の光学測定装置RETS2000を用いて測定する
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0010】本発明の光学積層体は、例えば、図1に示
すように、偏光フィルム1の片面に接着剤層2を介し
て、保護フィルム3が積層形成された偏光板4の保護フ
ィルム3面側に、粘着剤層5が積層形成されたものであ
る。図において、7は光学積層体である。
【0011】上記偏光フィルム1としては、特に限定さ
れるものではないが、PVA系フィルム、エチレンビニ
ルアルコール系フィルム、セルロース系フィルム、ポリ
カーボネート系フィルム等があげられ、なかでも、PV
A系フィルムが好適である。
【0012】上記PVAは通常、酢酸ビニルを重合した
ポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、本発明では
必ずしもこれに限定されるものではなく、少量の不飽和
カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含
む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホ
ン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有してい
てもよい。PVAにおける平均ケン化度は85〜100
モル%、好ましくは98〜100モル%が実用的であ
る。また、本発明のPVAの平均重合度としては任意の
ものが使用可能であるが、1500〜5000、好まし
くは2600〜5000、より好ましくは3000〜5
000が有利である。
【0013】上記接着剤層2形成材料としては、特に限
定されるものではなく、例えば、PVA系樹脂(アセト
アセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシア
ルキレン基等により変性されたPVAを含む)、ホウ素
化合物等の水溶液が適宜採用されるが、なかでもPVA
系樹脂、特にPVAの水溶液が好ましい。このPVAに
ついては、平均重合度500〜4000、好ましくは1
500〜3000、ケン化度90.0〜99.9モル
%、好ましくは95.0〜99.9モル%のPVAが好
適に用いられる。さらに、水溶液の濃度は0.1〜15
重量%、特に1〜10重量%が好ましい。
【0014】上記保護フィルム3形成材料としては、従
来から知られているセルロースアセテート系フィルム、
アクリル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィル
ム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリカーボネート
系フィルム、ポリエーテルエーテルケトン系フィルム、
ポリスルホン系フィルム等があげられるが、なかでも、
二酢酸セルロースや三酢酸セルロースフィルム(TA
C)等のセルロースアセテート系フィルムが好適であ
る。
【0015】上記偏光板4の保護フィルム3面側に形成
される粘着剤層5形成材料としては、透明性を有するも
のであれば特に限定はなく、例えば、ポリビニルエーテ
ル系、ゴム系等の材料があげられるが、特に、アクリル
酸エステルと、α−モノオレフィンカルボン酸との共重
合物(アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチロール等の
ビニル単量体を添加したものも含む)を主体とするもの
が、上記偏光フィルム1の偏光特性を阻害することがな
いという点で好適である。上記アクリル酸エステルとし
ては、例えば、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が
あげられる。また、上記α−モノオレフィンカルボン酸
としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸、メタクリン酸、クロトン酸等があげられる。
【0016】また、本発明の液晶表示装置としては、例
えば、図2に示すように、液晶セル6の片面に、上記光
学積層体7の粘着剤層5が貼着されたものがあげられ
る。または、図3に示すように、液晶セル6の両面に粘
着剤層5を介して、上記光学積層体7がそれぞれ貼着さ
れたものがあげられる。なお、光学積層体7を液晶セル
6の両面に貼着する際には、光学積層体7の偏光板4の
光軸が互いに直交するように設定される。
【0017】上記液晶セル6としては、特に限定される
ものではなく、従来公知のものがあげられる。例えば、
TN型、STN型、TFT型、透過型、反透過型、反射
型等の液晶セルがあげられる。
【0018】つぎに、本発明の光学積層体7および液晶
表示装置の製法について具体的に説明する。まず、光学
積層体7の製法について説明する。
【0019】上記偏光フィルム1は、例えば、PVAを
溶媒に溶解した原液を流延製膜した後、延伸、染色、ホ
ウ素化合物処理を施すことにより得られる。
【0020】上記原液調製に際して使用される溶媒とし
ては、例えば、水はもちろん、ジメチルスルホキシド
(DMSO)、N−メチルピロリドン、グリセリン、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコー
ルや、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のア
ミン類等の溶媒が用いられる。これらは単独であるいは
二種以上併せて用いられる。上記溶媒中には、例えば、
5〜30重量%の少量の水を含有させても差し支えな
い。また、原液中のPVAの濃度としては、5〜20重
量%が実用的である。
【0021】上記原液の製膜法としては、特に限定はな
く、例えば、キャスト法、押出法等の任意の方法があげ
られる。具体的には、乾・湿式製膜法により、すなわ
ち、上記原液を口金スリットから一旦空気中、または窒
素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し、
ついで凝固浴中に導くことにより未延伸フィルムが得ら
れる。なお、口金から吐出された製膜原液を、一旦ロー
ラーやベルトコンベアー等の上で一部乾燥した後、凝固
浴中に導入しても差し支えない。また、PVAの原液を
凝固浴中に導入してフィルム化するいわゆるゲル製膜法
等も実施可能である。
【0022】上記凝固浴に用いる溶媒としては、上記P
VAの溶媒と混和性を有するものであれば特に限定はな
く、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール等のアルコール類や、アセトン、ベンゼン、
トルエン等があげられる。
【0023】つぎに、上記のようにして得られるPVA
未延伸フィルムは、延伸、染色、ホウ素化合物処理が施
される。この場合、延伸、染色、ホウ素化合物処理は別
々に行っても、同時に行ってもよい。例えば、上記PV
A未延伸フィルムを延伸してヨウ素または二色性染料の
水溶液に浸漬し染色するか、または延伸と染色を同時に
行うか、あるいはヨウ素または二色性染料により染色し
て延伸する等した後、ホウ素化合物処理する方法があげ
られる。また、染色した後ホウ素化合物の溶液中で延伸
する方法等もあり、適宜選択して用いることができる。
本発明においては、染色、ホウ素化合物処理工程の少な
くとも一方の工程中に延伸を実施することが好ましい。
【0024】上記延伸は一軸方向に3.5〜10倍、好
ましくは4.5〜7倍延伸することが好ましい。この
際、前記と直角方向にも若干の延伸(軸方向の収縮を防
止する程度あるいはそれ以上の延伸)を行っても差し支
えない。延伸時の温度条件は40〜130℃から選ぶの
が好ましい。さらに、上記延伸倍率は最終的に上記の範
囲に設定されれば良く、延伸操作は一段階のみならず、
製造工程の任意の範囲の段階に実施すれば良い。
【0025】上記延伸は、延伸後のフィルムの膜厚が、
20μm以下になるよう行うのが好ましく、特に好まし
くは、15〜20μmである。なお、延伸前のPVAの
原反フィルムとしては、その膜厚は30〜100μm、
好ましくは50〜90μmが必要である。すなわち、3
0μm未満では延伸不能となり、逆に、100μmを超
えると、膜厚精度が低下し不適当となるからである。
【0026】上記フィルムへのヨウ素の染色は、通常は
ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液を接触させることによ
って行われる。この場合、ヨウ素の濃度は0.1〜2g
/l、ヨウ化カリウムの濃度は10〜50g/l、ヨウ
素とヨウ化カリウムの重量比は、ヨウ素/ヨウ化カリウ
ム=20〜100が適当である。また、染色時間は30
〜500秒程度が実用的であり、処理浴の温度は5〜5
0℃が好ましい。なお、水溶液以外に水と相溶性のある
有機溶媒を少量含有させても差し支えない。接触手段と
しては、浸漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用でき
る。
【0027】染色処理されたフィルムは、ついでホウ素
化合物によって処理される。ホウ素化合物としてはホウ
酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は水溶液また
は水−有機溶媒混合液の形で濃度40g/l以下で用い
るのが好ましく、特に好ましくは、濃度20〜40g/
lである。すなわち、濃度40g/lを超えると、液晶
表示素子の耐使用環境性が劣る傾向がみられるからであ
る。なお、上記液中には少量のヨウ化カリウムを共存さ
せるのが実用上好ましい。ヨウ化カリウムの濃度は30
g/l以上が好ましく、特に好ましくは30〜70g/
lである。処理法は浸漬法が好ましいが、もちろん塗布
法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は40〜7
0℃程度、処理時間は5〜20分程度が好ましく、また
必要に応じて処理中に延伸操作を行っても良い。
【0028】そして、上記偏光フィルムは、さらに水洗
処理が施される。
【0029】つぎに、上記処理により得られた偏光フィ
ルム1面あるいは保護フィルム3面上に、上記接着剤層
2形成材料を塗布する。この場合、上記接着剤層2形成
材料は、偏光フィルム1面または保護フィルム3面上に
均一な膜を形成するように塗布されるのが有利であり、
塗布に際しては、乾燥後の厚みが0.01〜10μm、
好ましくは0.05〜5μmとなるようにするのが実用
的である。すなわち、0.01μm未満では接着力が不
充分であり、逆に、10μmを超える場合は、使用量の
割には効果は増加せず、また外観が悪化し、実用的でな
いからである。塗布操作は必ずしもロール等を用いる塗
布手段に限定されるものではなく、噴霧法、浸漬法等の
手段が適用可能である。また、上記保護フィルム3の表
面をアルカリでケン化処理したり、プラズマ処理、グロ
ー放電処理、コロナ放電処理、高周波処理、電子線処理
等を行うと、さらに効果的である。
【0030】そして、上記偏光フィルム1の少なくとも
片面に、上記接着剤層2形成材料を塗布し、保護フィル
ム3を貼り合わせた後、40〜100℃、好ましくは5
5〜90℃で、1〜20分間、好ましくは1〜15分間
熱処理を行うことにより、偏光フィルム1面と保護フィ
ルム3面が強固に接着した偏光板4が得られる。また、
保護フィルム3面上に上記接着剤層2形成材料を塗布
し、偏光フィルム1と貼り合わせて偏光板4を作製して
も差し支えない。
【0031】上記保護フィルム3は、寸法変化0.30
%以下であることが好ましく、特に好ましくは、0〜
0.25%である。すなわち、寸法変化が0.30%を
超えると、液晶表示素子の耐使用環境性が劣る傾向がみ
られるからである。
【0032】上記寸法変化は、例えば、つぎのようにし
て求めることができる。すなわち、保護フィルム3を2
5×180mm(長辺、MD)の大きさに切り出し、こ
れを100℃で150時間放置した後、このフィルムの
MD方向(縦方向)の寸法変化率(%)を測定すること
により求められる。
【0033】そして、上記偏光板4の保護フィルム3面
に、上記粘着剤層5形成材料を塗布等により形成するこ
とにより、図1に示すような光学積層体7が得られる。
なお、図1においては、偏光フィルム1の片面のみに、
接着剤層2、保護フィルム3および粘着剤層5が形成さ
れた光学積層体7を示したが、上記と同様の方法で、偏
光フィルム1の両面に、接着剤層2、保護フィルム3お
よび粘着剤層5をそれぞれ形成することも可能である。
【0034】上記粘着剤層5は、ゲル化分率の変化値が
5〜20%の範囲に設定されていることが好ましく、特
に好ましくは、5〜15%である。すなわち、上記ゲル
化分率の変化値が5〜20%の範囲外であれば、液晶表
示素子の耐使用環境性が劣る傾向がみられるからであ
る。
【0035】そして、上記ゲル化分率の変化値は、つぎ
のようにして求めることができる。すなわち、まず、粘
着剤層5から粘着剤をピンセットを使って採取し、これ
をサンプル瓶(風袋)に入れて重量を測定し、これから
サンプル瓶の重量を差し引いて、粘着剤量()を求め
る。そして、上記サンプル瓶の中にトルエン40mlを
入れ、これを23℃で48時間放置する。その後、20
0メッシュの籠(風袋)〔SUS200メッシュ5×5
cm〕の重量を測定し、これを用いて、未溶解粘着剤の
ゲルを濾過し、続いて105℃の乾燥機に2時間入れて
上記トルエンを留去する。最後に、乾燥後の重量を測定
し、未溶解粘着剤の重量()を測定し、下記式(1)
によりゲル化分率()を求める。
【0036】
【数1】 ゲル化分率(%)=(÷)×100 …(1)
【0037】つぎに、上記粘着剤を69℃で750時間
加熱処理した後、上記式(1)によりゲル化分率()
を求める。
【0038】そして、先に求めた加熱処理前のゲル化分
率()と、加熱処理後のゲル化分率()とから、下
記式(2)によりゲル化分率の変化値を求める。
【0039】
【数2】 ゲル化分率の変化値(%)={(−)/}×100 …(2)
【0040】このようにして得られる本発明の光学積層
体7は、偏光フィルム1の厚みは特に限定はなく、ま
た、接着剤層2の厚みは、0.01〜10μmが好まし
く、特に好ましくは0.05〜5μmである。そして、
上記保護フィルム3の厚みは、10〜200μmが好ま
しく、特に好ましくは30〜150μmである。また、
上記粘着剤層5の厚みは、1〜100μmが好ましく、
特に好ましくは5〜50μmである。
【0041】つぎに、本発明の液晶表示装置の製法につ
いて説明する。まず、図2に示す液晶表示装置について
述べる。この液晶表示装置は、液晶セル6の片面に、上
記粘着剤層5を介して光学積層体7を貼着することによ
り得られる。
【0042】つぎに、図3に示す液晶表示装置について
述べる。この液晶表示装置は、液晶セル6の両面に、上
記偏光板4の光軸が互いに直交するよう、上記粘着剤層
5を介して光学積層体7をそれぞれ貼着することにより
得られる。
【0043】このようにして得られる本発明の液晶表示
装置において、上記液晶セル6の厚みは、通常、0.5
〜5mm程度である。
【0044】本発明の光学積層体7を用いてなる液晶表
示装置の具体例として、図4に示すカラーSTN液晶表
示モジュールがあげられる。図において、13は液晶セ
ルであり、この液晶セル13は、液晶10の両面に透明
電極11,12がそれぞれ貼着された構成からなる。そ
して、上記液晶セル13の両面には、偏光板(光学積層
体7の一構成部分)の光軸が互いに直交するよう、ガラ
ス基板14,15を介して上記光学積層体7がそれぞれ
貼着されている。なお、上記液晶セル13を中心に、バ
ックライトと反対側の透明電極11とガラス基板14の
間には、カラーフィルター16が介在されている。
【0045】本発明においては、上記光学積層体7は、
下記(X)を測定したとき、その測定値が下記の特性
(Y)を満たすことが必要である。すなわち、上記光学
積層体7を2枚用い、これをガラス板の両面に、上記光
学積層体7の偏光板4の光軸が互いに直交するよう貼着
して、下記(X)を測定したとき、その測定値が下記の
特性(Y)を満たすことが必要である。
【0046】(X)ガラス板の両面に上記偏光板4を貼
着してなる積層体を、69℃の雰囲気中で750時間放
置した後、垂直方向の光透過率を面内均等分割9点測定
した際の光透過率。
【0047】(Y)上記光透過率の最大値が0.7%以
下であり、かつ、その光透過率の最大値と最小値の差が
0.2%以下。
【0048】上記光透過率の測定において用いられるガ
ラス板としては、液晶セル構成用として一般に用いられ
る白板ガラスがあげられ、その厚みは通常1.1mm程
度、またその透過率は99.5%程度のものが好適に使
用される。
【0049】本発明の光透過率の測定において、上記積
層体の垂直方向の光透過率を面内均等分割9点測定した
際の光透過率とは、具体的にはつぎのものをいう。すな
わち、偏光板試料面を3×3点に面内均等分割し、それ
ぞれの中心点につき、大塚電子社製の光学測定装置、R
ETS2000を用いて、その垂直方向での光透過率を
いう。
【0050】そして、本発明においては、上記光透過率
の最大値が0.7%以下であることが必要であるが、好
ましくは、0〜0.5%である。すなわち、上記光透過
率の最大値が0.7%を超えると、液晶表示素子の耐使
用環境性が劣るからである。
【0051】また、本発明においては、上記光透過率の
最大値と最小値の差が0.2%以下であることが必要で
あるが、好ましくは、0〜0.15%である。すなわ
ち、上記光透過率の最大値と最小値の差が0.2%を超
えると、液晶表示素子の耐使用環境性が劣るからであ
る。
【0052】そして、本発明において、上記光透過率の
最大値を0.7%以下、かつ、その光透過率の最大値と
最小値の差を0.2%以下に設定する方法としては、例
えば、上記偏光フィルム1の製法において述べたよう
に、PVAにヨウ素を吸着させた後、濃度40g/l以
下のホウ酸とヨウ化カリウムとを含有する溶液で処理す
るとともに延伸処理する方法があげられる。更には、偏
光フィルムの保護フィルム(TAC)の弾性率(寸法変
化)あるいは粘着剤の凝集力(ゲル化分率)で制御する
方法等もあげられる。
【0053】このようにして得られる本発明の光学積層
体7は、偏光フィルム1と保護フィルム3との接着性に
優れるため、耐久性が向上し、高温、高湿状態で長期間
放置してもその偏光性が低下しないという特性を持ち、
このような特性を利用して液晶表示装置の用途に用いら
れ、特に車両用途、各種工業計器類、家庭用電化製品の
表示等に有用である。
【0054】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0055】
【実施例1】平均重合度3800、平均ケン化度99.
5モル%のPVAを水に溶解し、5.0重量%の溶液を
得た。この溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム
上に流延した後乾燥して、厚み50μmの原反フィルム
を得た。この原反フィルムを10cm幅に切断してチャ
ックに装着した後、ヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリウ
ム60g/lよりなる水溶液に30℃にて240秒間浸
漬し、ついでホウ酸40g/l、ヨウ化カリウム30g
/lの組成の水溶液に浸漬するとともに、同時に6.0
倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行
い、厚み20μmのPVAフィルムを作製した。つぎ
に、これを20℃の水で5秒間水洗処理し、風乾で24
時間乾燥を行って偏光フィルムを得た。つぎに、この偏
光フィルムの両面に、PVA系接着剤を介して、寸法変
化0.30%のTACフィルムを積層して偏光板を得
た。そして、粘着剤として、ブチルアクリレート(B
A)とアクリル酸(AAc)とを主成分とし〔BA:A
Ac=85:15(重量比)〕、イソシアネート化合物
で架橋したものを準備し、この粘着剤を上記偏光板の片
面に塗布して厚み20μmの粘着剤層を形成し、光学積
層体を得た。
【0056】
【実施例2〜6、比較例1〜6】ホウ酸の濃度、水洗処
理の条件および保護フィルムの寸法変化を、後記の表1
および表2に示すようにそれぞれ変えた。それ以外は、
実施例1と同様にして光学積層体を得た。
【0057】このようにして得られた実施例1〜6品お
よび比較例1〜6品の光学積層体を用いて、下記の基準
に従い、光透過率および液晶表示素子の視認性について
比較評価を行った。これらの結果を、後記の表1および
表2に併せて示す。
【0058】〔光透過率〕まず、上記光学積層体を2枚
準備するとともに、ガラス板を1枚準備した。つぎに、
上記ガラス板の両面に、上記光学積層体の粘着剤層側を
それぞれ貼着して積層体を作製した。この場合、2枚の
光学積層体の偏光板の光軸が互いに直交するよう貼着し
た。そして、先に述べたように、大塚電子社製の光学測
定装置RETS2000を用いて、上記積層体を69℃
の雰囲気中で750時間放置した後、垂直方向の光透過
率を面内均等分割9点測定した際の光透過率を測定し
た。
【0059】〔液晶表示素子の視認性〕まず、液晶表示
素子(10.4インチサイズ、TFTタイプ、画素数V
GA)の両面に、69℃の雰囲気中で750時間放置後
の上記光学積層体を貼着して液晶表示装置を作製し、こ
れを垂直方向および上下左右方向から見た時の液晶表示
素子の見やすさを10人のパネラーにより評価した。そ
の結果は、良好と判断した人が5人以上の場合を○、良
好と判断した人が5人未満の場合を×として表示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】上記表1および表2の結果から、実施例1
〜6品の光学積層体を用いた場合には、比較例1〜6品
の光学積層体を用いた場合に比べて、液晶表示素子の視
認性が優れていることがわかる。このことから、上記光
透過率の最大値が0.7%以下であり、かつ、その光透
過率の最大値と最小値の差が0.2%以下であれば、使
用環境の変化に対する視認性の低下を抑制でき、耐使用
環境性が向上することがわかる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明の光学積層体は、
偏光フィルムの少なくとも片面に接着剤層を介して保護
フィルムを貼着してなる偏光板の保護フィルム面側に、
粘着剤層が形成された光学積層体であって、この光学積
層体を2枚用い、ガラス板の両面に、光学積層体の偏光
板の光軸が互いに直交するよう貼着して、上記(X)を
測定したとき、その測定値が上記特性(Y)を満たすも
のである。このため、液晶表示素子の使用環境の変化に
対する視認性の低下を抑制することができ、耐使用環境
性が向上する。したがって、この光学積層体を貼着して
得られる液晶表示装置は、使用環境の変化によってその
表示特性が大きく低下することがなく視認性に優れたも
のである。
【0064】そして、上記偏光フィルムが、ヨウ素吸着
ポリビニルアルコール系フィルムを、ホウ酸濃度が特定
の溶液で処理するとともに延伸した後水洗処理して得ら
れたたものであり、また、上記保護フィルムが、特定の
寸法変化の三酢酸セルロースフィルムからなり、さら
に、上記粘着剤層のゲル化分率の変化値が、特定範囲に
設定されたもので構成することにより、上記特性(Y)
を満たす光学積層体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学積層体の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の液晶表示装置の一実施例を示す断面図
である。
【図3】本発明の液晶表示装置の一実施例を示す断面図
である。
【図4】カラーSTN液晶表示モジュールを示す一部切
欠断面斜視図である。
【符号の説明】
1 偏光フィルム 2 接着剤層 3 保護フィルム 4 偏光板 5 粘着剤層 7 光学積層体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光フィルムの少なくとも片面に接着剤
    層を介して保護フィルムを貼着してなる偏光板の保護フ
    ィルム面側に、粘着剤層が形成された光学積層体であっ
    て、この光学積層体を2枚用い、ガラス板の両面に、光
    学積層体の偏光板の光軸が互いに直交するよう貼着し
    て、下記(X)を測定したとき、その測定値が下記の特
    性(Y)を満たすことを特徴とする光学積層体。 (X)ガラス板の両面に上記偏光板を貼着してなる積層
    体を、69℃の雰囲気中で750時間放置した後、垂直
    方向の光透過率を面内均等分割9点測定した際の光透過
    率。 (Y)上記光透過率の最大値が0.7%以下であり、か
    つ、その光透過率の最大値と最小値の差が0.2%以
    下。
  2. 【請求項2】 上記偏光フィルムが、ヨウ素を吸着させ
    たポリビニルアルコール系フィルムを、濃度40g/l
    以下のホウ酸とヨウ化カリウムとを含有する溶液で処理
    してなるものである請求項1記載の光学積層体。
  3. 【請求項3】 上記保護フィルムが、寸法変化0.30
    %以下の三酢酸セルロースフィルムからなるものである
    請求項1または2記載の光学積層体。
  4. 【請求項4】 上記粘着剤層の69℃×750時間加熱
    処理後のゲル化分率の変化値が、5〜20%の範囲に設
    定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学
    積層体。
  5. 【請求項5】 液晶セルの少なくとも片面に、上記粘着
    剤層を介して請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学
    積層体が貼着された液晶表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002022942A (ja) * 2000-07-04 2002-01-23 Fuji Photo Film Co Ltd 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP2009116346A (ja) * 2008-12-24 2009-05-28 Fujifilm Corp 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置

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