JPH1068436A - 建設車両のネガティブブレーキ解除装置 - Google Patents

建設車両のネガティブブレーキ解除装置

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JPH1068436A
JPH1068436A JP22675096A JP22675096A JPH1068436A JP H1068436 A JPH1068436 A JP H1068436A JP 22675096 A JP22675096 A JP 22675096A JP 22675096 A JP22675096 A JP 22675096A JP H1068436 A JPH1068436 A JP H1068436A
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brake
cylinder chamber
hydraulic
negative
piston
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Miyuki Fujino
野 幸 藤
Tetsuya Koseki
跡 哲 也 古
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Sakai Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの故障時等において建設車両の走行
油圧モータのネガティブブレーキを解除する場合、従来
における、走行油圧モータに解除ボルトを押し込む機械
的解除方法ではモータの取付位置やモータの構造によっ
ては適用できない場合があり、非常用圧油供給装置及び
開閉弁を設ける油圧的解除方法では一度使用した後の再
使用が困難でありまた開閉弁の操作が面倒であるという
問題があった。 【解決手段】 建設車両のネガティブブレーキにおい
て、油圧ポンプ2と走行油圧モータ10のブレーキシリ
ンダ室11とをハンドポンプ20を介して接続するよう
に構成し、ネガティブブレーキの解除時にはハンドポン
プ20のシリンダ室内にピストンを押し込むことにより
ブレーキ解除圧力を得て、ブレーキシリンダ室11内に
圧油を供給することによりネガティブブレーキを解除す
ることとしたため、油圧的な簡単な操作によりネガティ
ブブレーキを解除することができ、一度使用した後の再
使用も容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設車両等におい
て使用されるネガティブブレーキに係り、特にエンジン
の故障時等におけるネガティブブレーキの解除装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、建設車両(例えば、油圧ショ
ベルやロードローラ等)の走行用に油圧モータを用いた
場合には、安全装置として、図3に示すような構成を有
する、いわゆるネガティブブレーキが用いられることが
多い。ここに、図3はネガティブブレーキの構造を示す
断面図である。このネガティブブレーキは、走行油圧モ
ータ10のブレーキシリンダ室11内に、油圧モータの
回転軸14側にスプライン結合された複数のフリクショ
ンプレート12bと油圧モータのケース15側にスプラ
イン結合された複数のセパレートプレート12aを交互
に備え、両プレートを、バネ13の押し付け予圧による
力でブレーキピストン16を介して押し付けて、油圧モ
ータの回転拘束を行うものである。そして、エンジンに
よって駆動されるポンプ(例えば、ギヤポンプ等の固定
容量ポンプ)の作動に連動して、ブレーキを作動又はブ
レーキを解除するものである。
【0003】このネガティブブレーキの詳細な作動状況
は、以下に示すとおりである。 (1) エンジン停止時においては、エンジンにより駆
動される油圧ポンプは停止するので、油圧ポンプから圧
油は供給されず、従って油圧ポンプと接続される走行油
圧モータ10のブレーキシリンダ室11内の圧力が低下
する。すると、前記バネ13によるブレーキピストン1
6の押し付け予圧による力がブレーキシリンダ室11内
の圧力による力に打ち勝って、油圧モータの回転軸14
側のフリクションプレート12bと油圧モータのケース
15側のセパレートプレート12aを押し付けてブレー
キが作動する。あるいは、油圧配管系に破損等があった
場合にも、圧油はブレーキシリンダ室11内に供給され
ないため、同様にブレーキが作動する。 (2) エンジン作動時においては、エンジンにより駆
動される油圧ポンプも作動するので、油圧ポンプから油
圧ポンプと接続されるブレーキパイロットポート17に
圧油が供給され、ブレーキパイロットポート17に接続
される走行油圧モータ10のブレーキシリンダ室11内
の圧力が上昇する。すると、前記バネ13の押し付け予
圧による力がブレーキシリンダ室11内の圧力による力
により打ち消されて、油圧モータの回転軸14側のフリ
クションプレート12bと油圧モータのケース15側の
セパレートプレート12aが離れ、ブレーキが解除され
る。
【0004】建設車両の走行油圧モータに、以上に説明
したようなネガティブブレーキを用いることとすれば、
坂道等において、エンジンの故障、過負荷、燃料切れあ
るいは油圧配管系の破損等があった場合に、運転者がブ
レーキペダルを踏む等の制動操作をしなくても自動的に
ブレーキが作動するので至極安全である。しかしなが
ら、上記ネガティブブレーキが作動している状態では建
設車両の牽引をすることができないため、建設車両を修
理できる所に移動するためには、何らかの方法でネガテ
ィブブレーキを解除する必要がある。即ち、エンジンが
かからない場合におけるネガティブブレーキの解除方法
を、別途設ける必要がある。
【0005】従来においては、エンジン故障時等におい
て、作動中のネガティブブレーキを解除する方法として
は、以下のような方法があった。 (1) まず、機械的ブレーキ解除方法としては、図3
に記載のプラグ8を取り外し、次に、図4に示すよう
に、走行油圧モータ10のブレーキシリンダ室11内に
設けられるブレーキ用のブレーキピストン16を解除ボ
ルト7にて引張り込み、ネガティブブレーキを解除する
方法がある。即ち、ブレーキシリンダ室11内に設けら
れるバネ13の押し付け予圧による力により油圧モータ
の回転軸14側のフリクションプレート12bと油圧モ
ータのケース15側のセパレートプレート12aの接続
を、モータ内に解除ボルト7を押し込み回転させること
により強制的にブレーキピストン16を引き戻し、ブレ
ーキを解除する方法である。これによれば、比較的簡単
な構成により、作動中のネガティブブレーキを解除する
ことができる。
【0006】(2) 次に、油圧的ブレーキ解除方法と
しては、図5に示すように、ブレーキシリンダ室11に
圧油を供給しうる非常用圧油供給装置5を接続し、ブレ
ーキシリンダ室11に油圧ポンプ2の圧油を供給する管
路に開閉弁6を設ける方法がある(実開昭57−109
303号)。即ち、前記管路に設けられる開閉弁6を閉
じ、その状態で非常用圧油供給装置5を操作してブレー
キシリンダ室11に圧油を供給し、走行油圧モータ10
を制動している摩擦板12a、同12bを引き離すこと
により、ネガティブブレーキを解除する方法である。な
お、ここにおける摩擦板12a、同12b自体の構造
は、上記(1)に示す従来の機械的ブレーキ解除方法に
おけるセパレートプレート12aとフリクションプレー
ト12bからなるような構造を含めて、シンボル的に示
している。これによれば、作動中のネガティブブレーキ
の解除に際し、グリースポンプやエアポンプ等の非常用
注入器具が不要であり、作動油内に異種の流体が混入す
ることがないとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のネガティブブレーキ解除方法には、以下のような欠
点が存在する。 (1) まず、上記機械的ブレーキ解除方法にあって
は、走行油圧モータ10のブレーキシリンダ室11内に
設けられるブレーキ用のブレーキピストン16を解除ボ
ルト7にて機械的に引き戻すため、走行油圧モータ10
が複数ある場合においては、それぞれのモータのすべて
について上記解除方法を施す必要があり、手間がかか
る。また、解除ボルト7を押し込む孔は、通常時におい
ては目隠し用のプラグ8で覆われており、モータ内の油
の漏れを防止しているが、解除ボルト7を押し込むべく
目隠し用のプラグ8を抜いた場合には、若干ではあるが
モータ内の油が漏れ出てしまう。さらに、解除ボルト7
をモータ内に押し込む際に解除ボルト7をきれいに洗浄
しておかないと、モータ内にゴミ等が侵入して、モータ
の故障の原因となってしまう。
【0008】また、走行油圧モータ10の取付位置によ
っては、解除ボルト7をモータ内に押し込むことが困難
である場合がある。例えば、鉄輪とタイヤを組み合わせ
たコンバインドローラにおいて、タイヤローラをチェー
ンを介して駆動する走行油圧モータ10が、フレーム内
奥にある場合等においては、各種部材を予め取り外さな
ければならない等の困難が生ずる。さらに、モータの種
類によってはモータ内部奥深くにネガティブブレーキが
存在するような場合があり、モータの構造上の問題か
ら、モータ外部からの解除ボルト7による機械的なブレ
ーキ解除が不可能な場合がある。例えば、走行油圧モー
タ10としてオービットモータを使用した場合には、上
記機械的ブレーキ解除方法は適用できないことが多い。
【0009】(2) 次に、上記油圧的ブレーキ解除方
法にあっては、非常用圧油供給装置5を一度使用した
後、簡単に再使用をすることが困難であるという問題が
ある。即ち、非常用圧油供給装置5は、油圧ポンプ2と
ブレーキシリンダ室11を接続する管路の経路上から外
れた位置に設けられているため、非常用圧油供給装置5
の油室内に管路上の油を再充填することは困難であり、
また、管路上の油ではなく別の油を再充填することとす
れば、油の中に空気等が混入するおそれがあり、いずれ
にせよ再使用は困難である。また、開閉弁6を閉じてか
ら非常用圧油供給装置5を操作する手順をたどるため、
操作が面倒であり手間がかかるという問題がある。
【0010】従って、従来におけるネガティブブレーキ
解除方法に存在する上記欠点を解消するには、走行油圧
モータの個数、取付位置、構造上の問題等にとらわれる
ことなくネガティブブレーキの解除を行うことのできる
油圧的ブレーキ解除方法を採用しつつも、一度ネガティ
ブブレーキ解除方法を使用した後の再使用が容易であ
り、望ましくは開閉弁を用いることのないネガティブブ
レーキ解除装置を構成する必要がある。さらに望ましく
は、コスト面やスペース面を考慮して、なるべく簡便な
装置により上記目的を達成することが要請される。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上記
課題を解決すべくなされたものであり、その手段とし
て、走行油圧モータのブレーキシリンダ室内に、ブレー
キ用の摩擦板及び摩擦板に押し付け予圧力を与える弾性
体を備える、走行油圧モータのブレーキ装置であって、
エンジンにより駆動される油圧ポンプからの圧油供給停
止時に、該弾性体の押し付け予圧による力でブレーキ用
の摩擦板を押し付けてブレーキを作動させ、該油圧ポン
プから該ブレーキシリンダ室内への圧油供給時に、ブレ
ーキ用の摩擦板に対する該弾性体の押し付け予圧による
力を打ち消してブレーキを解除する、建設車両のネガテ
ィブブレーキにおいて、油圧ポンプと走行油圧モータの
ブレーキシリンダ室とを、シリンダ室を有する枠体、シ
リンダ室に嵌入されるピストン、ピストンを作動する機
構により構成されるハンドポンプを介して接続したこと
を特徴とする、建設車両のネガティブブレーキ解除装置
を提供するものである。これにより油圧的ブレーキ解除
方法によるネガティブブレーキの解除が可能であり、ま
た一度使用した後の再使用も容易となる。
【0012】また、他の手段として、前記ハンドポンプ
は、シリンダ室内における油圧ポンプ側への配管口を、
走行油圧モータのブレーキシリンダ室側への配管口より
もピストン押し込み元側寄りに設け、ピストンを押し込
んだ状態で、そのピストンが油圧ポンプ側への配管口を
閉鎖して、シリンダ室内の油圧が上昇するように構成さ
れることを特徴とする、建設車両のネガティブブレーキ
解除装置を提供するものである。これにより管路の途中
に開閉弁を設ける必要がなく、簡単な操作によるネガテ
ィブブレーキの解除が可能となる。
【0013】さらに、他の手段として、前記建設車両の
ネガティブブレーキ解除装置において、油圧ポンプとハ
ンドポンプを接続する配管の途中に、逆止弁を設けたこ
とを特徴とする、建設車両のネガティブブレーキ解除装
置を提供するものである。これにより、ブレーキ系統の
油圧配管における圧力変動を防止して、ネガティブブレ
ーキ解除装置の効果を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る建設車両のネ
ガティブブレーキ解除装置の実施の形態について、図1
及び図2に基づいて説明を行う。ここに、図1は本発明
に係る建設車両のネガティブブレーキ解除装置の回路構
成を示す図であり、図2は本発明に係る建設車両のネガ
ティブブレーキ解除装置を構成するハンドポンプの構成
を示す断面図である。なお、図3ないし図5で説明した
機器等と同様のものについては、同一の符号を用いるも
のとする。
【0015】まず、本発明に係る建設車両のネガティブ
ブレーキ解除装置の提供にあたり必要とされるハンドポ
ンプの構成について、図2に基づいて説明を行う。ハン
ドポンプ20は、シリンダ室23を有する枠体21、シ
リンダ室23に嵌入されるピストン24、ピストン24
を作動する機構及びその他の部品により構成される。枠
体21は、その内部にピストン24を嵌入すべきシリン
ダ室23を有しており、シリンダ室23はカバー22に
より密閉されて外気が侵入しないように構成されてい
る。シリンダ室23には、油圧ポンプ側配管口29とブ
レーキシリンダ室側配管口30が設けられており、それ
ぞれ油圧ポンプ2、走行油圧モータ10のブレーキシリ
ンダ室11に、管路を介して接続される。それぞれの配
管口は1つには限定されず、油圧ポンプ2や走行油圧モ
ータ10の数に応じて複数設けられる場合もある。
【0016】ここで、本発明において用いられるハンド
ポンプ20にあっては、シリンダ室23内における上記
両配管口の配置に特徴があり、具体的には、油圧ポンプ
側配管口29がブレーキシリンダ室側配管口30よりも
ピストン24の押し込み元側寄りに設けられている。こ
のように構成することにより、通常時においてはピスト
ン24が両配管口をふさぐことなく、油の流れを確保す
ることができる。また、ネガティブブレーキを解除する
場合においては、ピストン24を押し込んだ状態で、ピ
ストン24がまず油圧ポンプ側配管口29を閉鎖するた
め、開閉弁を設けてその開閉弁を操作するという手間を
とらずに、シリンダ室23内の油圧の上昇を図ることが
でき、その圧油によりネガティブブレーキを解除するこ
とができる。従って、ピストン24を押し込むことによ
り圧力が上昇したシリンダ室23内の油圧によって、ブ
レーキ解除圧力、即ち、ブレーキ用の摩擦板12a、同
12bに対する弾性体13の押し付け予圧による力を打
ち消すだけの圧力及び油量が得られるように、シリンダ
室23とピストン24の大きさの関係を決定する必要が
ある。
【0017】ピストン24の作動機構に関し、本実施の
形態においては、ハンドル26を締め込むあるいは緩め
ることにより、ピストン24を押し込みあるいは引き上
げる構成としている。ナット27は緩み止め用ナットで
ある。もっとも、ピストン24を容易に押し込むことが
でき、かつ簡便な構成によるピストン作動機構であれ
ば、本実施の形態に示されるものに限定されないことは
もとよりである。一度使用した後の再使用時あっては、
ピストン24を元の位置に復元する必要があるため、復
元の際の便宜のためにシリンダ室23内にバネ等の弾性
体28を設け、ピストン24が復元する方向に押し付け
予圧による力を与える構成とするのが望ましい。さら
に、シリンダ室23内の油が漏れることを防止すべく、
シリンダ室23とピストン24の間にはオイルシール2
5が設けられる。
【0018】次に、本発明に係る建設車両のネガティブ
ブレーキ解除装置の実施の形態について、図1に基づい
て説明を行う。本発明に係る建設車両のネガティブブレ
ーキ解除装置の基本的な構成は、図5に示す従来の油圧
的ブレーキ解除方法の構成と同様である。即ち、走行油
圧モータ10のブレーキシリンダ室11内に、ブレーキ
用の摩擦板12a、同12b及び両摩擦板に押し付け予
圧力を与える弾性体13を備える、走行油圧モータ10
のブレーキ装置であって、エンジン1により駆動される
油圧ポンプ2からの圧油供給停止時に、弾性体13の押
し付け予圧による力でブレーキ用の摩擦板12a、同1
2bを押し付けてブレーキを作動させ、油圧ポンプ2か
らブレーキシリンダ室11内への圧油供給時に、ブレー
キ用の摩擦板12a、同12bに対する弾性体13の押
し付け予圧による力を打ち消してブレーキを解除する、
建設車両のネガティブブレーキを構成するものである。
その他、上記建設車両のネガティブブレーキの油圧回路
上においては、走行油圧モータ10の作動と停止を切り
替える電磁弁3、油の供給及び戻しのためのオイルタン
ク4が設けられ、走行油圧モータ10には、それにより
駆動される前輪18又は後輪19が接続されている。
【0019】本発明に係る建設車両のネガティブブレー
キ解除装置にあっては、上記構成を有する建設車両のネ
ガティブブレーキにおいて、油圧ポンプ2と走行油圧モ
ータ10のブレーキシリンダ室11とを、ハンドポンプ
20を介して接続した点に特徴がある。具体的には、電
磁弁3と各走行油圧モータ10の各ブレーキシリンダ室
11との間に、ハンドポンプ20を配置する。このよう
に構成することにより、機械的な解除方法によらず油圧
的な解除が行うことができ、後述するように一度使用し
た後の再使用も容易になる。さらに、複数の走行油圧モ
ータ10を有する建設車両であっても、一のハンドポン
プ20の操作によりすべての走行油圧モータ10におけ
るネガティブブレーキを解除することができ、操作が非
常に容易である。
【0020】さらに、上記建設車両のネガティブブレー
キ解除装置において、油圧ポンプ2と電磁弁3との間に
逆止弁40を設けると、油圧ポンプ2側において圧力変
動が生じても電磁弁3以降のブレーキ系統には圧力変動
を生じないため、安定したブレーキ解除圧力が得られる
という利点がある。
【0021】以上に説明した本発明に係る建設車両のネ
ガティブブレーキ解除装置の使用方法及び作動状況につ
いて説明を行う。 (1) エンジン1の故障等によりネガティブブレーキ
が作動している場合においてブレーキを解除する場合に
は、まずハンドポンプ20のナット27を緩め、次いで
ハンドル26を右に回して締め込むことにより、シリン
ダ室23内にピストン24を押し込む。すると、ピスト
ン24によりまず油圧ポンプ側配管口29が閉鎖される
ため、ピストン24を押し込む毎にシリンダ室23内の
油圧は上昇し、やがてその油圧がブレーキ解除圧力に達
する。その際、ブレーキ解除圧力になったことを確認し
て、ナット27を締めてハンドル26を固定し、ピスト
ン24を固定する。シリンダ室23内においてブレーキ
解除圧力に達した油が管路を介して走行油圧モータ10
のブレーキシリンダ室11内に流れ込み、その圧力によ
り、ブレーキ用の摩擦板12a、同12b同士を押し付
けている弾性体13の押し付け予圧による力を打ち消し
て、摩擦板12a、同12bが接続しなくなり、油圧モ
ータ内のブレーキが解除される。従って、油圧的な操作
によりネガティブブレーキの解除が可能である。また、
ハンドポンプ20とは別に開閉弁を設ける必要がないた
め、構成が簡単であり操作も容易である。
【0022】(2) 上記建設車両のネガティブブレー
キ解除装置を一度作動させた後、再度使用をするために
初期状態に復帰させる場合には、油圧ポンプ1が停止し
ていることを確認した後、ナット27を緩めてハンドル
26を一旦ハンドポンプ20から外し、シリンダ室23
内に押し込まれているピストン24を初期位置まで復帰
させる。このとき、シリンダ室23内に備えられピスト
ン24に押し付け予圧による力を与える弾性体28が、
ピストン24の復帰をスムーズに行うための役割を担
う。ピストン24が初期位置に復帰したことを確認して
からハンドル26を再び挿入し、ナット27を締めてハ
ンドル26を固定する。従って、ハンドポンプ20が油
圧ポンプ2と走行油圧モータ10のブレーキシリンダ室
11を接続する管路の途中に設けられているため、ブレ
ーキシリンダ室11から逆流してオイルタンク4に戻る
油が必ずハンドポンプ20のシリンダ室23内を経由す
るので、ハンドポンプ20の初期状態への復帰は容易で
ある。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る建設車両のネガティブブレ
ーキ解除装置は、油圧ポンプと走行油圧モータのブレー
キシリンダ室との間にハンドポンプを設け、エンジン等
の故障によりネガティブブレーキが解除できない状態に
おいて、ハンドポンプのピストンを押し込むことにより
ブレーキ解除圧力に達した油を走行油圧モータのブレー
キシリンダ室内に送り込み、強制的にネガティブブレー
キを解除するように構成したので、以下の効果を奏する
ものである。
【0024】(1) 建設車両のネガティブブレーキを
解除するに際し、従来のような機械的解除方法によらず
油圧的に解除することとしたので、一度の操作で複数の
ネガティブブレーキの解除を同時に行うことができ、走
行油圧モータからの油の漏れやモータ内へのゴミ等の侵
入も起こらず、しかもモータの設置場所やモータの構造
にとらわれることなくネガティブブレーキの解除を行う
ことができる。 (2) 建設車両のネガティブブレーキを解除するに際
し、ハンドポンプを操作するのみでネガティブブレーキ
の解除を行うことができ、従来の油圧的ブレーキ解除方
法のように開閉弁を特に設ける必要がなくその操作も必
要ないため、構造が簡単であり、操作も容易である。 (3) 建設車両のネガティブブレーキを一度使用した
後再度使用する場合において、ハンドポンプが油圧ポン
プと走行油圧モータのブレーキシリンダ室とを接続する
管路の途中に設けてあるという構造上、初期状態への復
帰が容易であり、その際に空気等の異物が混入するおそ
れもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建設車両のネガティブブレーキ解
除装置の回路構成を示す図である。
【図2】本発明に係る建設車両のネガティブブレーキ解
除装置を構成するハンドポンプの構成を示す断面図であ
る。
【図3】ネガティブブレーキの構造を示す断面図であ
る。
【図4】従来の機械的ブレーキ解除方法の実施の形態を
示す図である。
【図5】従来の油圧式ブレーキ解除方法の回路構成を示
す図である。
【符号の説明】 1 エンジン 2 油圧ポンプ 3 電磁弁 4 オイルタンク 5 非常用圧油供給装置 6 開閉弁 7 解除ボルト 8 プラグ 10 走行油圧モータ 11 ブレーキシリンダ室 12a 摩擦板(セパレートプレート) 12b 摩擦板(フリクションプレート) 13 弾性体(バネ) 14 回転軸 15 ケース 16 ブレーキピストン 17 ブレーキパイロットポート 18 前輪 19 後輪 20 ハンドポンプ 21 枠体 22 カバー 23 シリンダ室 24 ピストン 25 オイルシール 26 ハンドル 27 ナット 28 弾性体 29 油圧ポンプ側配管口 30 ブレーキシリンダ室側配管口 40 逆止弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行油圧モータのブレーキシリンダ室内
    に、ブレーキ用の摩擦板及び摩擦板に押し付け予圧力を
    与える弾性体を備える、走行油圧モータのブレーキ装置
    であって、 エンジンにより駆動される油圧ポンプからの圧油供給停
    止時に、該弾性体の押し付け予圧による力でブレーキ用
    の摩擦板を押し付けてブレーキを作動させ、該油圧ポン
    プから該ブレーキシリンダ室内への圧油供給時に、ブレ
    ーキ用の摩擦板に対する該弾性体の押し付け予圧による
    力を打ち消してブレーキを解除する、建設車両のネガテ
    ィブブレーキにおいて、 油圧ポンプと走行油圧モータのブレーキシリンダ室と
    を、 シリンダ室を有する枠体、シリンダ室に嵌入されるピス
    トン、ピストンを作動する機構により構成されるハンド
    ポンプを介して接続したことを特徴とする、建設車両の
    ネガティブブレーキ解除装置。
  2. 【請求項2】 前記ハンドポンプは、 シリンダ室内における油圧ポンプ側への配管口を、走行
    油圧モータのブレーキシリンダ室側への配管口よりもピ
    ストン押し込み元側寄りに設け、 ピストンを押し込んだ状態で、そのピストンが油圧ポン
    プ側への配管口を閉鎖して、シリンダ室内の油圧が上昇
    するように構成されることを特徴とする、請求項1に記
    載の建設車両のネガティブブレーキ解除装置。
  3. 【請求項3】 前記建設車両のネガティブブレーキ解除
    装置において、 油圧ポンプとハンドポンプを接続する配管の途中に、逆
    止弁を設けたことを特徴とする、請求項1又は請求項2
    に記載の建設車両のネガティブブレーキ解除装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122106A (ja) * 1999-10-26 2001-05-08 Tcm Corp 産業用車両の駐車ブレーキ解除装置
JP2019051787A (ja) * 2017-09-14 2019-04-04 日立建機株式会社 建設機械のネガティブブレーキ解除装置
JP2021080972A (ja) * 2019-11-15 2021-05-27 株式会社豊田自動織機 ブレーキシステム

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