JPH1068372A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JPH1068372A
JPH1068372A JP24415996A JP24415996A JPH1068372A JP H1068372 A JPH1068372 A JP H1068372A JP 24415996 A JP24415996 A JP 24415996A JP 24415996 A JP24415996 A JP 24415996A JP H1068372 A JPH1068372 A JP H1068372A
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JP
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fuel
valve
intake passage
injection
intake
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JP24415996A
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Nobuyuki Oka
延由記 岡
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Nok Corp
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射装置において、信頼性の高い簡易な
構成でエンジン低中速度回転における噴射時の燃料の霧
化状態を良好とする。 【解決手段】 ベンチュリ部21A(吸気路)と、アク
セルに連動する回動軸26により開閉するシャッタバル
ブ24,25(吸気絞り弁)と、回動する弁体38を有
するバレルバルブ36(流量調節手段)と、メインジェ
ット50(噴射弁)とを備えた燃料噴射装置1におい
て、メインジェット50の噴射孔51aは、シャッタバ
ルブ24の開弁開始時に負圧が発生する領域近傍に位置
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの吸気路
に備えられる燃料噴射装置に関し、エンジンの低中速回
転時に噴射弁から噴射される燃料の霧化状態を適切なも
のとしてエンジンの性能を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関(エンジン)の燃焼室にガス化
した燃料と空気からなる混合気を供給する燃料供給装置
として、種々の方式のものが提案され実用化されてい
る。例えばガソリンエンジンの大半においては、エンジ
ンの吸気路に気化器あるいは、燃料噴射装置を備え、気
化器においては吸気路を流れる空気の負圧により、また
燃料噴射装置においては噴射ノズルに導入される燃料の
圧力により吸気路内部に霧状の燃料が噴射・供給され
る。そして吸気路に供給された霧状の燃料は、吸気路の
下流あるいはエンジンの圧縮工程で気化して混合気が形
成される。
【0003】図10(a)は、燃料噴射を利用した燃料
供給装置101の従来技術を模式的に説明する図であ
る。燃料供給装置101は、エアクリーナ102とエン
ジン本体の燃焼室103との間の吸気路104に設けら
れており、エアクリーナ102から吸気路の一部となる
筒状のマニホールド105に流入する空気(矢印A10
1)に所定量の燃料をシャワージェット106の複数の
ノズル107から噴射するものであり、その結果、燃焼
室103へは混合気(矢印A102)が供給される。
【0004】マニホールド105内部には、吸気絞り弁
であるシャッターバルブ109が備えられている。この
シャッターバルブ109は、アクセル108に接続して
回動することでその開度を変更し、マニホールド105
を通過する混合気の流量を調節し、付随してエンジン出
力が調整される。
【0005】シャワージェット106は、マニホールド
105のシャッターバルブ109よりも上流側(エアク
リーナ102側)の内径部に嵌着されるリング状の部材
であり、その外周部には、環状溝106aが全周にわた
り形成されてマニホールド105の内径部との間で環状
方向の燃料流路110を形成している。この燃料流路1
10には流量調節弁111を介して燃料供給経路112
a,112bにより、燃料加圧装置113から所定の圧
力の燃料が供給される。そして、燃料流路110から内
径側まで貫通して開口するノズル107が複数個、環状
方向に等間隔に設けられている。
【0006】燃料加圧装置113は、エンジンの回転数
の上昇に伴い供給する燃料のポンプ圧力を変える不図示
の燃料ポンプを備えているので、エンジンが低・中速回
転時は燃料のポンプ圧力は低く、エンジンの回転数が高
速になるにつれて燃料の圧力は上昇する。
【0007】また、この燃料供給装置では空燃比に関係
する燃料計量の制御を、上記したエンジンの回転数に比
例する燃料の圧力及び、流量調節弁111の開弁量をシ
ャッターバルブ109の開度に従って変化させる流量調
整手段114による燃料の流量によりコントロールして
いる。
【0008】このような構成の燃料供給装置101は、
いわゆる固定ベンチュリタイプとなり、燃料計量部の可
動部分が少ないことや、構造も比較的簡単なことなどか
ら、出力特性として低速回転から高速回転までの広い範
囲にわたるトルクバンドをあまり必要とせず、所定の回
転数以上での出力を重視するような用途に主として利用
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この燃料供給装置10
1では、エンジンの回転数が低速の場合であっても燃料
加圧装置113により加圧された所定量の燃料がノズル
107から強制的に噴射されるので、流入する空気に対
する燃料の量としては一定の空燃比となるものである
が、低速回転時の空気の流れは図10(b)のようにな
り、シャワージェット106の内側の領域P101(破
線で囲まれた領域)での流速は遅く滞留状態となってし
まう。
【0010】この状態で燃料を噴射すると、燃料加圧装
置113のポンプ圧力が低いと共に、吸入空気量も少な
いことから領域P101に発生する負圧、すなわち吸入
圧力(一般的にはこの負圧はエンジンの吸入空気量の2
乗に比例している。)も低いことから、噴射された燃料
はシャワージェット106やマニホールド105の内面
及び、シャッターバルブ109等に付着して液膜化して
しまう分量が多くなり、不安定な燃料の霧化及び気化が
行われるようになってしまう。
【0011】また、低速回転時の空気の流速の速い部分
は矢印A103及びA104のシャッターバルブ109
の回動軸から離れた開口部近傍であるが、シャッターバ
ルブ109の回動軸近傍からその軸方向の端部(矢印A
105)及び、矢印A106の位置するマニホールド1
05の中心部では空気の流入方向への流れの流速が遅く
滞留状態となってしまい、気化が遅れてエンジン側に供
給される混合気の空燃比が一時的(断続的)に低い(リ
ーンな状態)で供給される傾向がある。
【0012】従って、円滑な燃焼が行われずにエンジン
の低・中速回転時における出力が低下したり、安定した
運転(特にアイドリング時において)が得られないとい
う問題があった。
【0013】さらに、この燃料供給装置101は構造が
簡単で軽量であることから、この特徴を生かすためにエ
ンジン重量の軽い2ストロークエンジンに備えられるこ
とが多く、例えば水上バイクのエンジン等に採用されて
いるが、このような2ストロークエンジンの場合に、ポ
ート側(燃焼室側)からの吹き返しにより、霧化状態の
燃料がエアクリーナ側へと逆流してエアクリーナを汚し
てしまう問題も発生していた。
【0014】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、エンジ
ンの低速回転時に噴射弁から噴射される燃料の霧化状態
の改善により効率良く混合気を作成してエンジン性能を
向上させること、及び噴射燃料の吹き返しを防止するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、燃焼室に混合気を送る吸気路と、
この吸気路の開口面積を変化させて通過する空気の量を
調節する吸気絞り弁と、前記吸気路の内周壁面に嵌合す
る環状体を有し、該環状体の円周上の異なる位置に配置
されて吸気路に開口する複数の噴射孔から燃料を噴射す
る噴射弁と、を備えた燃料噴射装置において、前記噴射
孔の少なくとも一つを、前記吸気絞り弁の開弁開始時に
負圧が発生する領域近傍に開口するように位置させるこ
とを特徴とする。
【0016】これによると、吸気絞り弁の開弁開始時、
すなわち吸気絞り弁がほとんど閉弁しているアイドリン
グや開弁量の少ない低中回転時等の状態では、流入する
空気は吸気路内部と吸気絞り弁との間のスリット状にわ
ずかに開弁した開口部を通過し、この領域のみ空気の流
速が高まり負圧が発生する。
【0017】従って、吸気絞り弁の開弁開始時に負圧が
発生する領域に開口するように備えられた噴射孔から噴
射される燃料は、燃料噴射装置で加圧された燃料による
噴射圧に加えて空気の流入に伴う負圧により吸引されて
霧化状態となり、効率良く混合気が作成される。
【0018】また、吸気絞り弁の開弁開始時に負圧の発
生しない領域に開口する噴射孔は、エンジンの低中回転
時には、吸気絞り弁の開弁開始時に負圧が発生する領域
に備えられた噴射孔に比べて噴射量が少なくなるが、吸
気絞り弁の開弁量が大きくなるにつれて負圧の差が少な
くなり、噴射量の差は解消される。
【0019】また、前記環状体は、外周部に前記吸気路
の内周壁面との間に燃料の流路を形成する環状方向に延
びる溝を備え、前記噴射孔は、前記溝に連通することも
好ましい。
【0020】これによると、噴射孔は環状体の内周壁面
から溝まで連通する孔であるので、噴射孔の配設位置や
噴射方向を所望の位置及び方向に形成可能であり、また
噴射弁の取り付け角度を変えることで燃料の噴射位置を
変更可能である。また、製作は環状体に溝と噴射孔を設
けるだけであるので、容易に行うことができる。
【0021】また、前記噴射孔は、空気の通過方向の下
流側に向けて傾いていることを特徴とすることも良い。
【0022】これによると、燃料の噴射方向が空気の通
過する方向に沿って効果的に燃焼室側へと送られると共
に、逆流しにくくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0024】図1は本発明を適用した燃料噴射装置1の
正面図である。この図は、不図示のエアクリーナとエン
ジン本体の燃焼室とを結ぶ吸気路に介装されると共に吸
気路の一部として機能する燃料噴射装置1を、エアクリ
ーナ側から見た図であり、即ち、空気の流入方向上流側
から吸気路の内部を覗き見た図である。
【0025】そして図1を基図として、図2はS1断面
図であり、図3はV1方向に燃料噴射装置1を見る上面
図、図4はS2断面図、図5はS3断面図、図6はV2
方向に燃料噴射装置1を見る側面図、図7はS4断面図
である。図8はこの燃料噴射装置1の燃料の流れを説明
する流体回路図である。
【0026】最初に図8の流体回路図を使用し、この燃
料噴射装置1の概略構成から説明する。燃料噴射装置1
は点線で囲まれた上側のブロックB1内の構成であり、
ブロックB2は燃料噴射装置1に燃料タンク3から燃料
Fを供給する燃料ポンプユニットを示している。燃料F
は、燃料タンク3から燃料ポンプ4により吸引・加圧さ
れ、一方向弁5を経て流量調節手段6に供給される。そ
して流量調節手段6により燃料Fの流量が調節されて、
噴射弁としてのメインジェット50から燃料Fが噴射さ
れる燃料ポンプ4はエンジンに直結した駆動手段8の回
転により駆動され、エンジンの回転数に比例して供給す
る燃料の流量及びポンプ圧力が変化する。従って、エン
ジンが低・中速回転時では燃料Fの流量及びポンプ圧力
は少なく、エンジンの回転数が高速になるにつれて増加
する。
【0027】また、流量調節手段6の手前の燃料供給経
路9には分岐経路10a,11aが配設され、それぞれ
燃料ポンプ4からの燃料の圧力を一定の範囲に調節する
リリーフバルブ10、及び流量調節手段6へ流れる燃料
Fの流量を手動により調節可能とするアジャストバルブ
11へと接続されている。
【0028】リリーフバルブ10とアジャストバルブ1
1に流入した燃料Fは、それぞれのバルブで圧力または
流量の調節が行なわれた後、リターン経路12を通って
燃料タンク3へと戻される。
【0029】尚、流量調節手段6は、燃料供給経路9に
より供給される燃料Fに対してメインジェット50から
噴射される燃料の量が少ない場合に、供給過剰となった
燃料Fをリターン経路12に戻すことを可能としてい
る。
【0030】次に、図1乃至図6を参照しながら燃料噴
射装置1の構成を説明する。まず、図2を参照して空気
の吸気系から説明する。燃料噴射装置1は吸気路に介装
されるボディ20を備えている。このボディ20は例え
ばアルミ等の金属鋳造品で一体的に製作されており、吸
気路としてのベンチュリ部21Aとエンジン側の吸気口
に接続するフランジ部21Bを備えている。
【0031】ベンチュリ部21Aには2本の円筒形状の
吸気路22,23が形成されており、いわゆる2バレル
タイプとなっている。そして吸気路22,23のフラン
ジ部22の反対側を、不図示のエアクリーナに接続する
接続端部22a,23aとしている。従って、エアクリ
ーナから吸気路22,23に流入する空気は矢印A1か
らA2及びA3からA4への方向に流れる。
【0032】24,25は吸気路22,23を通過する
空気の量を調節する吸気絞り弁としてのシャッタバルブ
であり、不図示のアクセルに連動する回動軸26に固定
されている。回動軸26はベンチュリ部21Aの2つの
吸気路22,23を貫通するものであり、各吸気路2
2,23の壁面に形成された軸受孔22b,22c及び
23b,23cにより軸支されている。尚、吸気路23
側には、軸受27,28が介在して摺動をスムーズなも
のとしている。
【0033】また、回動軸26の図2において右端側は
吸気路23から外側に突出しており、アクセルワイヤ2
9が引かれることで、回動軸26を回動させる円盤状の
ワイヤホルダ30が取り付けられている(図1と図6参
照)。ワイヤホルダ30にはストッパ部材31が共に固
定されており、アイドル側の回動位置を定めるアイドル
爪31a及び全開時の回動位置を定めるリミット爪31
bがアジャストネジ32の先端に当接することで、回動
軸26の回動角度を制限している。33はアジャストネ
ジ32の回り止めとして機能するスプリングである。
【0034】次に燃料Fの経路を説明する。燃料Fは燃
料タンク3から燃料ポンプ4により吸引・加圧され、一
方向弁5を経た後に(図8参照)、図1の燃料噴射装置
1のボディ20において、各吸気路22,23を接続す
る中央部の下面側に設けられた燃料流入接続孔34に供
給される。そして、図5のS3断面図を参照すると、燃
料Fは燃料流入接続孔34から管路35を通って流量調
節手段6として機能するバレルバルブ36に供給され
る。
【0035】バレルバルブ36は、回動軸26がその内
部に同一軸的に挿通される円柱状の弁室37と、弁室3
7の内部で回動軸26に連結固定されて一体的に回動す
る円筒状の弁体38とを備えている。
【0036】弁室37には、燃料Fの流入ポート36a
及び燃料Fを噴射弁側へと供給する流出ポート36bが
弁室37の内周壁面の軸方向に同一な領域、すなわちこ
の実施の形態においては上下に対向する位置に設けられ
ている。そして、流出ポート36bからの燃料Fのメイ
ンジェット50への供給量が少ない場合等に、供給過剰
となった燃料Fを戻すことを可能としている排出ポート
36cが設けられている。この排出ポート36cは、戻
り管路39に接続され、排出ポート36cから排出され
た燃料Fは戻り管路39を通り、燃料流出接続孔40を
経て燃料タンク3へと戻される。
【0037】弁体38は、その回動角度に応じて流出ポ
ート36b及び排出ポート36cへの燃料Fの分配量を
吸入空気量に応じて変更し、適切な燃料供給を可能とす
るするように構成されており、閉弁状態で弁室37の内
周壁面に密接して流入ポート36aに位置することが可
能な閉鎖部38aと、この閉鎖部38aが流入ポート3
6aに位置する状態で流入ポート36aからの燃料Fを
排出ポート36cへと連通する連通路としての流路38
b,38cを備えている。流路38bは弁体の外周表面
から内周側へとラジアル方向に向いた孔であり、流路3
8cは流路38bと接続する位置から排出ポート36c
方向に、回動軸26の表面との間に設けられた環状の隙
間である。
【0038】また、閉鎖部38aが流入ポート36aか
ら離れた回動位置にある場合に流入ポート36aと流出
ポート36bとを連通する流路を弁室37の内周壁面と
の間に形成可能とする溝部38dを備えている。この溝
部38dは少なくとも弁室37の流入ポート36a及び
流出ポート36bを連通するだけの周方向長さを備え、
軸方向の断面形状は三日月状を呈している。この軸方向
の断面形状(または溝の深さや巾等)により、所定角度
弁体38が回動した時の燃料Fの供給量が決定されるの
で、その形状の決定は、目的とする燃料噴射量に応じて
決定することが必要である。
【0039】図9は、バレルバルブ36の回動している
状態及び燃料分配を模式的に説明する図である。閉弁状
態では、メインジェット50へと供給される燃料Fの流
出量はアイドリング状態に必要な微小量であり、その他
の燃料Fは排出ポート36cから燃料タンク3へと戻さ
れることになる。そして弁体38の開弁方向の回動につ
れてメインジェット50へと供給される燃料Fの流量も
多くなっていく。但し、流出量の1/5,2/5等の数
字はあくまでも一実施の形態での値であり、例えば、流
出量を回動角度の二乗に比例するように設定することも
可能である。
【0040】弁体38は回動軸26の溝26aにボルト
38eにより固定されるが、回動軸26との角度の調整
は、ボディ20の中央部に設けられた調整窓20aから
このボルト38eを調節することで可能である。
【0041】尚、バレルバルブ36部の燃料のシール性
は、バレルバルブ36の軸方向両側に弁室37と回動軸
26との間の空間を密封するオイルシール45,46を
備えることで確保することができる。さらに、弁体38
の外周表面にラビリンス溝やねじ溝を彫設してそれらの
溝によりシール性を発揮させることも可能であり、簡易
な構成で同等な機能を備えることも可能である。
【0042】そして、バレルバルブ36により計量され
た燃料Fは、流出ポート36bから管路41a,41b
を経て管路41bの先端側の分岐部41cより、管路4
2,43を経て各吸気路22,23へと供給される。吸
気路22,23の形状は、ボディ20のフランジ部21
Bから円筒状に突出するもので、吸気路22,23にお
ける管路42,43の接続部位は、接続端部22a,2
3a近傍のP1及びP2の位置(図3参照)であり、吸
気路22,23の周壁を貫通して吸気路の内部まで燃料
Fを導くことが可能となっている。
【0043】尚、バレルバルブ36の流出ポート36b
から管路41a,42bと分岐部41c及び管路42,
43はボディ20のベンチュリ部21に一体的に構成さ
れており、燃料Fを供給するための別体構成の燃料チュ
ーブ等は不要であり、振動等による燃料チューブのゆる
みやはずれ等の保守性及び、劣化や使用環境(温湿度条
件及び耐寒性)に対する信頼性を向上させている。
【0044】当実施の形態では上記の各管路の作成方法
は、ボディ20の鋳造時は中実にしておき、ドリル加工
でそれぞれの管路を形成する方法が採用され、閉鎖すべ
き開口端は、鋼球が嵌め込まれたり、プラグにより閉鎖
されている。
【0045】また、図8を参照して既に説明したよう
に、この燃料噴射装置1には、燃料ポンプ4から流入す
る燃料Fの圧力を一定の範囲に調整するリリーフバルブ
10、及びバレルバルブ36へ流れる燃料Fの流量を手
動により調整可能とするアジャストバルブ11が備えら
れており、これらのバルブの具体的な構成は図7に示さ
れている。
【0046】管路35は燃料流入接続孔34からバレル
バルブ36までの流入側の燃料Fの経路であり、この管
路35から管路44が分岐して燃料Fをリリーフバルブ
10とアジャストバルブ11へと導いている。リリーフ
バルブ10は鋼球10aが所定の圧力で開弁するように
スプリング10bで付勢している構成である。アジャス
トバルブ11は、弁座11aと弁体11bの先端との距
離を調節することで管路44から戻り管路39へと流れ
る燃料Fの流量を変更している。11cはアジャストバ
ルブの回り止めとして機能するスプリングである。
【0047】従って、リリーフバルブ10とアジャスト
バルブ11に流入した燃料Fは、それぞれのバルブで圧
力または流量の調節が行なわれた後、戻り管路39を通
って燃料タンク3へと戻される。
【0048】ここで、メインジェット50の構成を図4
により行う。図4(b)は図4(a)のD1部の拡大詳
細図である。メインジェット50は、吸気路22の内周
壁面に嵌合する環状体を備え、吸気路22の内周壁面と
の間に経路42により供給された燃料Fの流路を形成す
る環状方向に延びる溝51を備えている。溝51の軸方
向の前後には供給された燃料Fのシール及びメインジェ
ット50の嵌合固定を行うOリング52,53が嵌め込
まれている。このメインジェット50は吸気路22に対
して軸方向に相対移動させることで簡単に取り付け・取
り外しが行え、交換作業も容易である。
【0049】溝51には、この溝51から内周壁面54
まで連通して円周上の異なる位置に配置されて吸気路2
2に開口する複数の噴射孔55及び55aが開けられて
おり、溝51に供給される燃料Fは各噴射孔55,55
aから噴射される。
【0050】噴射孔55は、吸気路22に対して垂直な
方向に開けられており、吸気路22の内周を6分割する
位置にそなえられている。
【0051】噴射孔55aは、シャッタバルブ24の開
弁開始時に負圧が発生する領域近傍に開口するように位
置している。すなわちシャッタバルブ24は回動軸26
を回動中心として回動するものであり、開弁開始時にお
いてシャッタバルブ24の回動軸26から最も離れた端
部からスリット状に開口する。(点線のシャッタバルブ
24’)そしてこの状態では、流入する空気は矢印A5
のように流入するのでシャッタバルブ24の端部と吸気
路22の内周壁面との間で流速が速くなり、負圧を発生
させながら流入している。
【0052】従って噴射孔55aから噴射される燃料
は、燃料ポンプ4で加圧された燃料Fによる噴射圧に加
えて空気の流入に伴う負圧により吸引されて霧化状態と
なり、低中回転時においても効率良く混合気が作成され
る。
【0053】噴射孔55は、エンジンの低中回転時に
は、噴射孔55aに比べて負圧による吸引効果がない分
噴射量が少なくなるが、吸気絞り弁の開弁量が大きくな
るにつれて負圧の差が少なくなり、噴射量の差は解消さ
れる。
【0054】また、噴射孔55aは、空気の通過方向の
下流側に向けて傾いているので、燃料Fの噴射方向が空
気の通過する方向に沿って効果的に燃焼室側へと送られ
ると共に、逆流しにくくなる。
【0055】尚、メインジェット50の内周壁面54
は、吸気路22の内径部とスムーズに連続する寸法に設
定したり、また端部にテーパ54a,54bを設けるこ
とで、流入される空気の流れがスムーズになる。またメ
インジェット50の内径部を通る空気の流速を高めるた
めのベンチュリとして機能するように山形に膨らませ、
ベンチュリ状断面を備えたメインジェット50とするこ
とも可能である。
【0056】噴射孔55,55aの設ける個数や位置及
び燃料の噴射される方向等は、この実施の形態に限ら
ず、必要とするエンジン特性に合うように、適宜設定す
れば良い。
【0057】
【発明の効果】上記実施の形態により説明された本発明
の燃料噴射装置においては、エンジンの低中回転時等の
状態においても、加圧された燃料による噴射圧に加えて
空気の流入に伴う負圧により吸引されて霧化状態となる
ので、効率良く混合気が作成され、アイドリング運転の
安定、低中回転時の出力増加などがもたらされてエンジ
ン性能が向上する。
【0058】噴射孔は環状のボディの内周壁面から溝ま
で連通する孔であるので、噴射孔の配設位置や噴射方向
を所望の位置及び方向に形成可能であり、また噴射弁の
取り付け角度を変えることで燃料の噴射位置を変更可能
である。また、製作は環状体に溝と噴射孔を設けるだけ
であるので、容易に行うことができる。
【0059】噴射孔が空気の通過方向の下流側に向けて
傾いていることで、噴射された燃料が空気の通過する方
向に従って効果的に燃焼室側へと送られると共に、逆流
しにくくなり、噴射燃料の吹き返しを低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明を適用した燃料噴射装置1の正面
図。
【図2】図2は図1のS1断面図。
【図3】図3は図1のV1方向に燃料噴射装置1を見る
上面図。
【図4】図4は図1のS2断面図及び噴射弁の詳細図。
【図5】図5は図1のS3断面図。
【図6】図6は図1のV2方向に燃料噴射装置1を見る
側面図。
【図7】図7は図1のS4断面図。
【図8】図8は燃料噴射装置1の燃料の流れを説明する
流体回路図
【図9】図9はバレルバルブの動作説明図。
【図10】図10は従来の燃料噴射装置の説明図。
【符号の説明】 1 燃料噴射装置 3 燃料タンク 4 燃料ポンプ 5 一方向弁 6 流量調整手段 8 駆動手段 9 燃料供給経路 10 リリーフバルブ 10a,11a 分岐経路 11 アジャストバルブ 12 リターン経路 20 ボディ 21A ベンチュリ部(吸気路) 21B フランジ部 22,23 吸気路 22a,23a,接続端部 22b,22c,23b,23c 軸受孔 24,25 シャッタバルブ(吸気絞り弁) 26 回動軸 27,28 軸受 29 アクセルワイヤ 30 ワイヤホルダ 31 ストッパ部材 31a アイドル爪 31b リミット爪 32 アジャストネジ 33 スプリング 34 燃料流入接続孔 35,41a,41b,42,43,44 管路 36 バレルバルブ(流量調節手段) 36a 流入ポート 36b 流出ポート 36c 排出ポート 37 弁室 38 弁体 38a 閉鎖部 38b,38c 流路(連通路) 38d 溝部 39 戻り管路 40 燃料流出接続孔 45,46 オイルシール 50 メインジェット(噴射弁) 51 溝 52,53 Oリング 54 内周壁面 55,55a 噴射孔 B1 ブロック(燃料噴射装置1) B2 ブロック(燃料ポンプユニット) F 燃料

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に混合気を送る吸気路と、 この吸気路の開口面積を変化させて通過する空気の量を
    調節する吸気絞り弁と、 前記吸気路の内周壁面に嵌合する環状体を有し、該環状
    体の円周上の異なる位置に配置されて吸気路に開口する
    複数の噴射孔から燃料を噴射する噴射弁と、 を備えた燃料噴射装置において、 前記噴射孔の少なくとも一つを、前記吸気絞り弁の開弁
    開始時に負圧が発生する領域近傍に開口するように位置
    させることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記環状体は、外周部に前記吸気路の内
    周壁面との間に燃料の流路を形成する環状方向に延びる
    溝を備え、 前記噴射孔は、前記溝に連通することを特徴とする請求
    項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記噴射孔は、空気の通過方向の下流側
    に向けて傾いていることを特徴とする請求項1または2
    に記載の燃料噴射装置。
JP24415996A 1996-08-27 1996-08-27 燃料噴射装置 Withdrawn JPH1068372A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020197196A (ja) * 2019-06-05 2020-12-10 株式会社ミクニ エンジンのスロットル装置

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