JPH1068010A - 溶銑予備処理方法 - Google Patents
溶銑予備処理方法Info
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- JPH1068010A JPH1068010A JP22713896A JP22713896A JPH1068010A JP H1068010 A JPH1068010 A JP H1068010A JP 22713896 A JP22713896 A JP 22713896A JP 22713896 A JP22713896 A JP 22713896A JP H1068010 A JPH1068010 A JP H1068010A
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- injection lance
- lance
- molten iron
- injection
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 予備処理作業や精錬作業の前工程に湯面レベ
ルの測定時間を設けなくても、作業中の一工程として連
続的に湯面レベルを測定でき、煩雑なメンテナンス作業
を必要とせず、しかも精度良く湯面レベルを測定するこ
とのできる溶銑予備処理方法を提供する。 【解決手段】 キャリアガスを用いて精錬剤をインジェ
クションランスより溶湯中に吹き込む溶銑予備処理方法
であって、上記インジェクションランスにレベル計と振
動計を配設し、振動計から得られた振動波形の変化から
インジェクションランスの下端が溶湯中に突入した時点
を検出し、その突入時点でのインジェクションランスレ
ベルを基準にしてインジェクションランスの浸漬深さを
設定する。
ルの測定時間を設けなくても、作業中の一工程として連
続的に湯面レベルを測定でき、煩雑なメンテナンス作業
を必要とせず、しかも精度良く湯面レベルを測定するこ
とのできる溶銑予備処理方法を提供する。 【解決手段】 キャリアガスを用いて精錬剤をインジェ
クションランスより溶湯中に吹き込む溶銑予備処理方法
であって、上記インジェクションランスにレベル計と振
動計を配設し、振動計から得られた振動波形の変化から
インジェクションランスの下端が溶湯中に突入した時点
を検出し、その突入時点でのインジェクションランスレ
ベルを基準にしてインジェクションランスの浸漬深さを
設定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶銑予備処理容器
内の溶湯におけるインジェクションランスの浸漬深さを
正確に把握した上で溶銑予備処理を行う方法に関するも
のであり、溶銑予備処理容器としては、転炉形式,取鍋
形式,トピードカー形式等、いずれの容器でも用いるこ
とができ、溶銑処理以外にも溶鋼処理に用いてもよい。
内の溶湯におけるインジェクションランスの浸漬深さを
正確に把握した上で溶銑予備処理を行う方法に関するも
のであり、溶銑予備処理容器としては、転炉形式,取鍋
形式,トピードカー形式等、いずれの容器でも用いるこ
とができ、溶銑処理以外にも溶鋼処理に用いてもよい。
【0002】
【従来の技術】インジェクションランスから脱りん剤や
脱硫剤等の精錬剤を溶湯に供給する溶銑予備処理方法に
おいては、溶湯中に精錬剤が吹き込まれるインジェクシ
ョン位置から溶湯表面までの距離(以下、インジェクシ
ョン深さという)が、精錬効率等の精錬特性を決定づけ
ることから、上記インジェクション深さを制御すること
は非常に重要である。
脱硫剤等の精錬剤を溶湯に供給する溶銑予備処理方法に
おいては、溶湯中に精錬剤が吹き込まれるインジェクシ
ョン位置から溶湯表面までの距離(以下、インジェクシ
ョン深さという)が、精錬効率等の精錬特性を決定づけ
ることから、上記インジェクション深さを制御すること
は非常に重要である。
【0003】例えば、脱りん剤を窒素ガスにより溶湯中
に吹込む場合、インジェクション深さが最適値より深い
とインジェクションランスから溶湯中に供給される窒素
ガスおよび脱りん剤の撹拌力が大きくなり、その結果と
して炉内スラグ中のT・Feが低下することによりスラ
グの脱りん能が低下する。一方インジェクション深さが
浅過ぎるとインジェクションランスから溶湯中に供給さ
れる脱りん剤の吹き抜けが発生して脱りん能の低下を招
く。
に吹込む場合、インジェクション深さが最適値より深い
とインジェクションランスから溶湯中に供給される窒素
ガスおよび脱りん剤の撹拌力が大きくなり、その結果と
して炉内スラグ中のT・Feが低下することによりスラ
グの脱りん能が低下する。一方インジェクション深さが
浅過ぎるとインジェクションランスから溶湯中に供給さ
れる脱りん剤の吹き抜けが発生して脱りん能の低下を招
く。
【0004】また、湯面からの酸素ランスの高さを正確
に把握して制御することも、酸素ランスから溶湯に供給
される酸素による脱炭効率等の精錬特性を決定づける非
常に重要な因子である。
に把握して制御することも、酸素ランスから溶湯に供給
される酸素による脱炭効率等の精錬特性を決定づける非
常に重要な因子である。
【0005】上記インジェクション深さ及び酸素ランス
高さは、いずれも湯面を基準とした距離であるので、湯
面レベルを何らかの方法で測定して把握する必要があ
る。そこで、転炉等の酸素精錬設備において湯面レベル
の測定を行うにあたっては、以下の〜の方法等が提
案されている。
高さは、いずれも湯面を基準とした距離であるので、湯
面レベルを何らかの方法で測定して把握する必要があ
る。そこで、転炉等の酸素精錬設備において湯面レベル
の測定を行うにあたっては、以下の〜の方法等が提
案されている。
【0006】マイクロ波を溶湯表面に照射し、その反
射波を導波管内のセンサーで感知して、マイクロ波照射
源と溶湯表面の距離を測定する方法。 サブランスに湯面レベル測定用プローブを配設し、溶
湯に接触した際の温度上昇を感知することにより溶湯表
面の位置を確認する方法。 酸素ランスの下方端に鉄製の棒等を延設し、その一部
を溶湯に浸漬し、その溶損状況からその湯面レベルを測
定する方法。
射波を導波管内のセンサーで感知して、マイクロ波照射
源と溶湯表面の距離を測定する方法。 サブランスに湯面レベル測定用プローブを配設し、溶
湯に接触した際の温度上昇を感知することにより溶湯表
面の位置を確認する方法。 酸素ランスの下方端に鉄製の棒等を延設し、その一部
を溶湯に浸漬し、その溶損状況からその湯面レベルを測
定する方法。
【0007】しかしながら、上記の測定方法では、予
備処理炉内で発生するダストやスラグ等が飛散する雰囲
気内にセンサーを配置してマイクロ波を検知する必要が
あることから、上記導波管が短期間で閉塞しやすい。こ
れをメンテナンスして継続的に使用するのは困難である
ことから、センサー自体の耐久性が乏しいという問題が
あった。
備処理炉内で発生するダストやスラグ等が飛散する雰囲
気内にセンサーを配置してマイクロ波を検知する必要が
あることから、上記導波管が短期間で閉塞しやすい。こ
れをメンテナンスして継続的に使用するのは困難である
ことから、センサー自体の耐久性が乏しいという問題が
あった。
【0008】また上記の測定方法では、湯面レベル測
定用プローブに配設された熱電対を1回の測定毎に交換
する必要がある。従って、測定ごとに交換作業を要し、
メンテナンス面で不利であると共に、ランニングコスト
がかかるという欠点を有している。
定用プローブに配設された熱電対を1回の測定毎に交換
する必要がある。従って、測定ごとに交換作業を要し、
メンテナンス面で不利であると共に、ランニングコスト
がかかるという欠点を有している。
【0009】更に上記の測定方法では、精錬作業の前
に湯面レベル測定のための時間を設ける必要があり生産
効率が悪く、また作業者の熟練度によって測定値が異な
り、必ずしも正確な湯面レベル測定値を得ることはでき
なかった。
に湯面レベル測定のための時間を設ける必要があり生産
効率が悪く、また作業者の熟練度によって測定値が異な
り、必ずしも正確な湯面レベル測定値を得ることはでき
なかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、予備処理作業や精錬作業
の前工程に湯面レベルの測定時間を設けなくても、作業
中の一工程として連続的に湯面レベルを測定でき、煩雑
なメンテナンス作業を必要とせず、しかも精度良く湯面
レベルを測定することのできる溶銑予備処理方法を提供
しようとするものである。
目してなされたものであって、予備処理作業や精錬作業
の前工程に湯面レベルの測定時間を設けなくても、作業
中の一工程として連続的に湯面レベルを測定でき、煩雑
なメンテナンス作業を必要とせず、しかも精度良く湯面
レベルを測定することのできる溶銑予備処理方法を提供
しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の溶銑予備処理方法とは、キャリアガスを用いて精錬
剤をインジェクションランスより溶湯中に吹き込む溶銑
予備処理方法であって、上記インジェクションランスに
レベル計と振動計を配設し、振動計から得られた振動波
形の変化からインジェクションランスの下端が溶湯中に
突入した時点を検出し、その突入時点でのインジェクシ
ョンランスレベルを基準にしてインジェクションランス
の浸漬深さを設定することを要旨とするものである。ま
た、インジェクションランスを溶湯に浸漬するにあたっ
ては、湯面付近まで下降した時点でランス下降速度を減
速することが推奨される。
明の溶銑予備処理方法とは、キャリアガスを用いて精錬
剤をインジェクションランスより溶湯中に吹き込む溶銑
予備処理方法であって、上記インジェクションランスに
レベル計と振動計を配設し、振動計から得られた振動波
形の変化からインジェクションランスの下端が溶湯中に
突入した時点を検出し、その突入時点でのインジェクシ
ョンランスレベルを基準にしてインジェクションランス
の浸漬深さを設定することを要旨とするものである。ま
た、インジェクションランスを溶湯に浸漬するにあたっ
ては、湯面付近まで下降した時点でランス下降速度を減
速することが推奨される。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は転炉形式の溶銑予備処理炉
を用いて本発明の予備処理方法を適用した場合の概略説
明図である。インジェクションランス1の本体上部には
振動計2を設置し、インジェクションランス1の上方に
はレベル計3が配設されている。上記振動計2はインジ
ェクションランスに発生した振動を検出する。振動計2
からの信号はレベル計3からの信号と共に、信号変換器
5を経由してプロセス・コンピューター6に出力され
る。従って、インジェクションランスが溶湯に突入した
時点での振動を検知して、その時点でのレベル計からの
信号を読めば溶湯表面の位置を正確に把握でき、溶湯表
面を基準としてインジェクション深さを求めることがで
きる。
を用いて本発明の予備処理方法を適用した場合の概略説
明図である。インジェクションランス1の本体上部には
振動計2を設置し、インジェクションランス1の上方に
はレベル計3が配設されている。上記振動計2はインジ
ェクションランスに発生した振動を検出する。振動計2
からの信号はレベル計3からの信号と共に、信号変換器
5を経由してプロセス・コンピューター6に出力され
る。従って、インジェクションランスが溶湯に突入した
時点での振動を検知して、その時点でのレベル計からの
信号を読めば溶湯表面の位置を正確に把握でき、溶湯表
面を基準としてインジェクション深さを求めることがで
きる。
【0013】このとき、湯面付近まで下降した時点でラ
ンス下降速度を減速して、溶湯中にインジェクションラ
ンスを突入させれば湯面レベルの測定精度を上げること
ができる。
ンス下降速度を減速して、溶湯中にインジェクションラ
ンスを突入させれば湯面レベルの測定精度を上げること
ができる。
【0014】また、酸素ランスから溶湯表面に酸素を吹
込むことにより精錬を行ったり、予備処理を行う場合に
は、酸素吹きを開始すると溶湯表面は大きく湾曲し且つ
波打つので、酸素吹きを行う前に湯面レベルを測定し、
酸素供給量等の他の条件を湊合して酸素ランス高さを設
定すれば良い。
込むことにより精錬を行ったり、予備処理を行う場合に
は、酸素吹きを開始すると溶湯表面は大きく湾曲し且つ
波打つので、酸素吹きを行う前に湯面レベルを測定し、
酸素供給量等の他の条件を湊合して酸素ランス高さを設
定すれば良い。
【0015】尚、酸素ランスに振動計等を配設し、転炉
内のスロッピングを検出する方法は公知であるが、イン
ジェクションランスに振動計を配設して溶湯の湯面レベ
ルを測定する方法はこれまで知られていない。
内のスロッピングを検出する方法は公知であるが、イン
ジェクションランスに振動計を配設して溶湯の湯面レベ
ルを測定する方法はこれまで知られていない。
【0016】本発明は、インジェクションランスに配設
される振動計を限定するものではなく、接触式及び非接
触式のものがあるが、いずれの形式の振動計を用いても
よい。インジェクションランスから吹込む精錬剤として
は、脱りん剤や脱硫剤等があるが、キャリアガスにより
吹込むことができる粉体であれば精錬剤以外の粉体であ
ってもよい。またキャリアガスとしては窒素ガスやアル
ゴンガス等の不活性ガスを用いればよい。
される振動計を限定するものではなく、接触式及び非接
触式のものがあるが、いずれの形式の振動計を用いても
よい。インジェクションランスから吹込む精錬剤として
は、脱りん剤や脱硫剤等があるが、キャリアガスにより
吹込むことができる粉体であれば精錬剤以外の粉体であ
ってもよい。またキャリアガスとしては窒素ガスやアル
ゴンガス等の不活性ガスを用いればよい。
【0017】本発明によれば、特別に湯面レベル測定の
ための時間を設けなくとも予備処理を行うことができ、
溶湯の装入量の変化によりチャージごとに変化する湯面
レベルを毎チャージ簡便に測定することができる。
ための時間を設けなくとも予備処理を行うことができ、
溶湯の装入量の変化によりチャージごとに変化する湯面
レベルを毎チャージ簡便に測定することができる。
【0018】更にマイクロ波による測定方法や熱電対を
用いる方法の様に、特別なメンテナンスを施す必要がな
く継続して湯面レベルを測定できる。しかも湯面レベル
の測定を作業者の熟練度に頼ることがないので、従来よ
りも精度良くインジェクション深さや酸素ランス高さを
制御して精錬効率を向上させることができ、精錬剤(脱
りん剤、脱硫剤等)や酸素等の使用量を低減することが
可能である。
用いる方法の様に、特別なメンテナンスを施す必要がな
く継続して湯面レベルを測定できる。しかも湯面レベル
の測定を作業者の熟練度に頼ることがないので、従来よ
りも精度良くインジェクション深さや酸素ランス高さを
制御して精錬効率を向上させることができ、精錬剤(脱
りん剤、脱硫剤等)や酸素等の使用量を低減することが
可能である。
【0019】また既存のインジェクションランスを活用
すれば良く、湯面レベル測定用の設備化を低コストで行
うことができ、しかも測定ごとに交換が必要である熱電
対の様な消耗品がなく経済的である。
すれば良く、湯面レベル測定用の設備化を低コストで行
うことができ、しかも測定ごとに交換が必要である熱電
対の様な消耗品がなく経済的である。
【0020】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の主旨に適合し得る範囲で適当に変
更して実施することはいずれも本発明の技術的範囲に含
まれるものである。
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の主旨に適合し得る範囲で適当に変
更して実施することはいずれも本発明の技術的範囲に含
まれるものである。
【0021】
【実施例】実施例1 転炉形式の溶銑予備処理炉を用いて、本発明方法により
溶銑予備処理を行った結果を以下に示す。予備処理炉を
傾動して炉に溶湯を装入した後、炉を垂直に立てて保持
した。続いてインジェクションランスの下部に開けてあ
る孔(1孔)より脱りん剤(CaO:スケール=2:
1)と窒素ガスを混合して噴出しつつ、インジェクショ
ンランスを炉上方より下降させて溶湯中に突入させた。
このとき、湯面付近まで下降した時点でランス下降速度
を減速した後、インジェクションランスを溶湯に浸漬
し、湯面レベル測定精度を上げるようにした。吹込みの
条件は表1に示す(尚、かっこ内の数字は、本実施例に
用いた設備の設定可能範囲である)。
溶銑予備処理を行った結果を以下に示す。予備処理炉を
傾動して炉に溶湯を装入した後、炉を垂直に立てて保持
した。続いてインジェクションランスの下部に開けてあ
る孔(1孔)より脱りん剤(CaO:スケール=2:
1)と窒素ガスを混合して噴出しつつ、インジェクショ
ンランスを炉上方より下降させて溶湯中に突入させた。
このとき、湯面付近まで下降した時点でランス下降速度
を減速した後、インジェクションランスを溶湯に浸漬
し、湯面レベル測定精度を上げるようにした。吹込みの
条件は表1に示す(尚、かっこ内の数字は、本実施例に
用いた設備の設定可能範囲である)。
【0022】
【表1】
【0023】図2(a)はインジェクションランスの下
降開始から下降停止までの振動(加速度)を示したもの
であり、1Hz〜200KHzの範囲の振動を検出して
いる。この生波形では低周波成分が含まれているので解
析を容易にすべく、ハイパスフィルタ(High Pass Filte
r)を用いて50Hz以下の低周波領域を削除することに
より図2(b)に示す波形を得た。
降開始から下降停止までの振動(加速度)を示したもの
であり、1Hz〜200KHzの範囲の振動を検出して
いる。この生波形では低周波成分が含まれているので解
析を容易にすべく、ハイパスフィルタ(High Pass Filte
r)を用いて50Hz以下の低周波領域を削除することに
より図2(b)に示す波形を得た。
【0024】インジェクションランスの下降開始から約
8秒後に振幅の増大が見られるが、これは上部クランプ
内側のガイドローラーにインジェクションランス本体が
接触したことによるものである。その後、すぐに波形は
安定し、約13秒後に非常に大きな振動が検出されてい
る。これは粉体およびガスを噴出しているランス孔が溶
湯中に突入したタイミングでインジェクションランスに
急激な反力が加わることによりガイドローラーと激しく
衝突し、大きな振動が発生したからである。このときの
ランスレベル計のレベル信号から湯面レベルを測定し
た。
8秒後に振幅の増大が見られるが、これは上部クランプ
内側のガイドローラーにインジェクションランス本体が
接触したことによるものである。その後、すぐに波形は
安定し、約13秒後に非常に大きな振動が検出されてい
る。これは粉体およびガスを噴出しているランス孔が溶
湯中に突入したタイミングでインジェクションランスに
急激な反力が加わることによりガイドローラーと激しく
衝突し、大きな振動が発生したからである。このときの
ランスレベル計のレベル信号から湯面レベルを測定し
た。
【0025】尚、ランスが溶湯に浸漬した後も図2
(b)の波形では数回の振幅が検出されているが、突入
時点の大きな振動を越えることはないので、突入のタイ
ミングを誤ることなく測定することができる。
(b)の波形では数回の振幅が検出されているが、突入
時点の大きな振動を越えることはないので、突入のタイ
ミングを誤ることなく測定することができる。
【0026】この様にして測定した湯面レベルからイン
ジェクション深さを決定し、脱りん処理を行った結果か
ら算出した脱りん効率を図3に示す。また従来例とし
て、酸素ランスに鉄製の棒をくくりつけて湯面付近まで
下降させ上記鉄棒の溶損状況から測定した湯面レベルか
ら、インジェクション深さを決定し、脱りん処理を行っ
た場合の脱りん効率を図3に示す。
ジェクション深さを決定し、脱りん処理を行った結果か
ら算出した脱りん効率を図3に示す。また従来例とし
て、酸素ランスに鉄製の棒をくくりつけて湯面付近まで
下降させ上記鉄棒の溶損状況から測定した湯面レベルか
ら、インジェクション深さを決定し、脱りん処理を行っ
た場合の脱りん効率を図3に示す。
【0027】図3の結果から、本発明方法を採用するこ
とによりインジェクション深さの制御精度が向上し、脱
りん効率が最適になる範囲にインジェクション深さを制
御できるようになったことが分かる。
とによりインジェクション深さの制御精度が向上し、脱
りん効率が最適になる範囲にインジェクション深さを制
御できるようになったことが分かる。
【0028】実施例2 取鍋形式の溶銑予備処理容器を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして溶銑予備処理を行った。吹込みの条件
は表2に示す(尚、かっこ内の数字は、本実施例に用い
た設備の設定可能範囲である)。
例1と同様にして溶銑予備処理を行った。吹込みの条件
は表2に示す(尚、かっこ内の数字は、本実施例に用い
た設備の設定可能範囲である)。
【0029】
【表2】
【0030】実施例1と同様にして算出した脱りん効率
を図5に示す。この結果から、本発明方法を採用するこ
とによりインジェクション深さの制御精度が向上し、脱
りん効率が最適になる範囲にインジェクション深さを制
御できるようになったことが分かる。
を図5に示す。この結果から、本発明方法を採用するこ
とによりインジェクション深さの制御精度が向上し、脱
りん効率が最適になる範囲にインジェクション深さを制
御できるようになったことが分かる。
【0031】実施例3 トピードカー形式の溶銑予備処理容器を用い、脱りん剤
としてCaO:スケール:蛍石=65:30:5からな
る粉体を、溶湯中に吹き込んだこと以外は、実施例1と
同様にして、溶銑予備処理を行った。吹込みの条件は表
3に示す(尚、かっこ内の数字は、本実施例に用いた設
備の設定可能範囲である)。
としてCaO:スケール:蛍石=65:30:5からな
る粉体を、溶湯中に吹き込んだこと以外は、実施例1と
同様にして、溶銑予備処理を行った。吹込みの条件は表
3に示す(尚、かっこ内の数字は、本実施例に用いた設
備の設定可能範囲である)。
【0032】
【表3】
【0033】脱りん処理を行った結果から算出した脱り
ん効率を図5に示す。この結果から、本発明方法を採用
することによりインジェクション深さの制御精度が向上
し、脱りん効率が最適になる範囲にインジェクション深
さを制御できるようになったことが分かる。
ん効率を図5に示す。この結果から、本発明方法を採用
することによりインジェクション深さの制御精度が向上
し、脱りん効率が最適になる範囲にインジェクション深
さを制御できるようになったことが分かる。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、予備処理作業や精錬作業の前工程に湯面レベルの測
定時間を設けなくても、作業中の一工程として連続的に
湯面レベルを測定でき、煩雑なメンテナンス作業を必要
とせず、しかも精度良く湯面レベルを測定することので
きる溶銑予備処理方法が提供できることとなった。その
結果、実操業においてインジェクション深さ及び酸素ラ
ンス高さを最適な値に調整して精錬特性を向上させるこ
とができるので、精錬剤(脱りん剤、脱硫剤等)・酸素
等の使用量を低減することができるようになった。
で、予備処理作業や精錬作業の前工程に湯面レベルの測
定時間を設けなくても、作業中の一工程として連続的に
湯面レベルを測定でき、煩雑なメンテナンス作業を必要
とせず、しかも精度良く湯面レベルを測定することので
きる溶銑予備処理方法が提供できることとなった。その
結果、実操業においてインジェクション深さ及び酸素ラ
ンス高さを最適な値に調整して精錬特性を向上させるこ
とができるので、精錬剤(脱りん剤、脱硫剤等)・酸素
等の使用量を低減することができるようになった。
【図1】転炉形式の溶銑予備処理炉を用いて本発明の予
備処理方法を行った場合の概略説明図である。
備処理方法を行った場合の概略説明図である。
【図2】図2(a)は実施例1で測定した振動波形であ
り、図2(b)は周波数50Hz以上の振動波形である。
り、図2(b)は周波数50Hz以上の振動波形である。
【図3】転炉形式の予備処理容器を用いた場合における
本発明の脱りん効率を示すグラフである。
本発明の脱りん効率を示すグラフである。
【図4】取鍋形式の予備処理容器を用いた場合における
本発明の脱りん効率を示すグラフである。
本発明の脱りん効率を示すグラフである。
【図5】トピードカー形式の予備処理容器を用いた場合
における本発明の脱りん効率を示すグラフである。
における本発明の脱りん効率を示すグラフである。
1 インジェクションランス 2 振動計 3 レベル計 4 上部クランプ
Claims (2)
- 【請求項1】 キャリアガスを用いて精錬剤をインジェ
クションランスより溶湯中に吹き込む溶銑予備処理方法
であって、 上記インジェクションランスにレベル計と振動計を配設
し、 振動計から得られた振動波形の変化からインジェクショ
ンランスの下端が溶湯中に突入した時点を検出し、 その突入時点でのインジェクションランスレベルを基準
にしてインジェクションランスの浸漬深さを設定するこ
とを特徴とする溶銑予備処理方法。 - 【請求項2】 インジェクションランスを溶湯に浸漬す
るにあたり、湯面付近まで下降した時点でランス下降速
度を減速する請求項1に記載の溶銑予備処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22713896A JPH1068010A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 溶銑予備処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22713896A JPH1068010A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 溶銑予備処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1068010A true JPH1068010A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=16856087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22713896A Withdrawn JPH1068010A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 溶銑予備処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1068010A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012107304A (ja) * | 2010-11-19 | 2012-06-07 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 転炉吹錬方法 |
JP2014031564A (ja) * | 2012-08-06 | 2014-02-20 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 転炉の吹錬方法 |
JP2018508730A (ja) * | 2014-12-24 | 2018-03-29 | オウトテック (フィンランド) オサケ ユキチュアOutotec (Finland) Oy | トップサブマージランシング注入反応炉システムの溶湯における運転状態を判定する検出装置 |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP22713896A patent/JPH1068010A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2018508730A (ja) * | 2014-12-24 | 2018-03-29 | オウトテック (フィンランド) オサケ ユキチュアOutotec (Finland) Oy | トップサブマージランシング注入反応炉システムの溶湯における運転状態を判定する検出装置 |
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