JPH1067813A - 光重合性組成物 - Google Patents

光重合性組成物

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JPH1067813A
JPH1067813A JP22691996A JP22691996A JPH1067813A JP H1067813 A JPH1067813 A JP H1067813A JP 22691996 A JP22691996 A JP 22691996A JP 22691996 A JP22691996 A JP 22691996A JP H1067813 A JPH1067813 A JP H1067813A
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aryl
alkyl
substituted
compound
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JP22691996A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Fujimaki
一広 藤牧
Tadahiro Sorori
忠弘 曽呂利
Yasuo Okamoto
安男 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長波長光に対し高感度の光重合開始剤を含む
光重合性組成物を提供する。 【解決手段】 i)付加重合可能なエチレン性不飽和結
合を有する化合物、ii)一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1 、R2 はアリール基、R5 、R6 は水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で互い
に結合して脂環構造又は芳香環構造を形成してもよく、
3 、R4 は水素原子、アルキル基またはアリール基、
−X−は−O−、−S−、−NR7 −でR7 は水素原
子、アルキル基、アリール基、置換カルボニル基または
置換スルフォニル基を表す)で表される化合物、及びii
i)該成分ii)との共存下で光照射によって活性ラジカル
を発生する化合物を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光重合性組成物に関
する。さらに詳細には、可視光に対し優れた感光性を有
する新規な組成の光重合開始系からなる光重合性組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は光照射により引き起こ
される重合反応の結果、組成物の物性変化を生じる材料
であり、印刷、プリント回路、超LSI等の微細加工、
塗料、インキ、ホログラム記録、3次元造形等の広い分
野に用いられ、その用途はますます拡大されている。該
組成物は基本的には、付加重合可能なエチレン性不飽和
化合物と光重合開始剤よりなる。この種の組成物は光照
射により重合反応を生じ、硬化し不溶化する事から、該
組成物に、さらに必要に応じて皮膜形成能を有するバイ
ンダー樹脂、熱重合禁止剤等を加えた感光性組成物を適
当な皮膜となし、所望の陰画像を通して光照射を行い、
適当な溶媒により非照射部のみを除去する(以下、単に
現像と呼ぶ)事により所望の硬化画像を形成する事がで
きる。この様な画像形成法が印刷版等を作成する際に使
用されるものとして極めて有用であることはよく知られ
ている。
【0003】該光重合性組成物における、光重合開始剤
としては従来、ベンジル、ベンゾインエーテル、ミヒラ
ーケトン、アントラキノン、アクリジン、フェナジン、
あるいはベンゾフェノン等が用いられてきた。しかしな
がら、これらの光重合開始剤からなる組成物は、感光速
度が低く、さらに、400nm以下の紫外波長域の光に
対する光重合能力に比較し、400nm以上の可視光に
対する光重合能力が顕著に低い。したがって、従来の光
重合開始剤からなる光重合性組成物はその応用範囲が著
しく限定されていた。
【0004】少量の光照射により高い硬化を得ることの
できる感光性組成物は永く望まれている。それは、例え
ば非接触型の投影露光に適合する感光性材料として有用
である。また、近年、可視レーザーを用いた画像形成技
術が実用段階にあり、可視光線に対し、高い光重合能力
を有する感光性組成物が強く望まれている。該可視レー
ザー光としては、Ar+ レーザーの488nm波長光を
用いた方法が有望視されており、また、最近では、YA
G−SHGレーザーの532nm波長光、He−Neレ
ーザーの543nm波長光などのより長波長の光源につ
いても精力的な検討がなされている。
【0005】可視光線に対し、感応する光重合開始系か
らなる光重合組成物に関しては、従来いくつかの提案が
なされてきた。例えば、米国特許2,850,445号
によればある種の感光性染料、例えば、ローズベンガ
ル、エオシン、エリスロシン等が効果的な可視光感応性
を有していると報告されている。また改良技術として、
染料とアミンの複合開始系(特公昭44−20189号
公報)、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生
剤及び染料の系(特公昭45−37377号公報)、ヘ
キサアリールビイミダゾールとp−ジアルキルアミノベ
ンジリデンケトンの系(特公昭47−2528号公報、
特開昭54−155292号公報)、3−ケトクマリン
化合物と活性ハロゲン化合物の系(特開昭58−155
03号公報)、置換トリアジンとメロシアニン色素の系
(特開昭54−15102号公報)等の提案がなされて
きた。これらの技術は確かに可視光線に有効ではあるが
感度が高くなく、実用的見地からは、十分満足すべきも
のではない。また、特開平2−244050号公報には
高感度な開始系として4−チアゾリジノン骨格を有する
色素とラジカル発生剤の系が提案されている。この系は
確かに高感度ではあったが、尚、十分ではなく、さらに
高度な開始系が強く望まれていた。さらに、該開始系
は、500nm以下の波長域に対する感光性に比較し
て、500nmより長波長での感光性が顕著に低下する
という制約を有し、特に前述の長波長レーザ光、例え
ば、YAG−SHGレーザ光に対する感光性は不十分で
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は高感度
の光重合性組成物を提供することである。すなわち、本
発明の目的は広く一般に付加重合性エチレン性不飽和化
合物を含む光重合性組成物の光重合速度を増大させる光
重合開始剤を含んだ光重合性組成物を提供することであ
る。また、本発明の別の目的は、400nm以上の可視
光線、特にAr+レーザーの出力に対応する488n
m、さらには、YAG−SHGレーザーやHe−Neレ
ーザーの出力に対応する500nmより長波長の光に対
しても感度の高い光重合開始剤を含んだ光重合性組成物
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、ある特定の置換基
を有するチアゾリノン骨格を有する色素を用いた光重合
開始系を含む光重合性組成物が、極めて高い光重合速度
を示し、また、400nm以上の可視光線に対しても高
い感光性を示し、さらに500nmより長波長の可視光
線に対しても高い感光性を示すことを見出し、本発明に
到達したものである。
【0008】即ち、本発明は、下記の成分(i)〜(iii)
を含有する事を特徴とする光重合性組成物である。 i)付加重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
一個有する化合物、 ii)一般式〔I〕
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立し
てアリール基または置換アリール基を表し、R5 および
6 はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、置換アルキル基、アリール基または置換アリー
ル基を表し、R5 とR6 が互いに結合して脂環構造又は
芳香環構造を形成してもよく、R3 、R4 はそれぞれ独
立して、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリ
ール基、置換アリール基を表し、−X−は−O−、−S
−、−NR7 −を表し、R7 は、水素原子、アルキル
基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置
換カルボニル基、置換スルフォニル基を表す)で表され
る化合物、及び iii)該成分(ii)との共存下で光照射によって活性ラジ
カルを発生する化合物。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光重合性組成物の
各成分について、詳しく説明する。本発明に使用される
成分(i)の付加重合可能なエチレン性不飽和結合を少
なくとも一個有する化合物は、末端エチレン性不飽和結
合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物
から選ばれる。例えばモノマー、プレポリマー、すなわ
ち2量体、3量体およびオリゴマー、又はそれらの混合
物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつも
のである。モノマーおよびその共重合体の例としては、
不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイ
ン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステ
ル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのア
ミド等が挙げられる。
【0012】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテト
ラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソ
ルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオ
キシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレ
ートオリゴマー等がある。
【0013】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリ
ルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメ
チルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキ
シ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0014】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。
【0015】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロ
トン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソク
ロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネー
ト、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
【0016】マレイン酸エステルとしては、エチレング
リコールジマレート、トリエチレングリコールジマレー
ト、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテ
トラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマ
ーの混合物も挙げることができる。また、脂肪族多価ア
ミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの
具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチ
レンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレン
ビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−
メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリ
ルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレン
ビスメタクリルアミド等がある。
【0017】その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている1分子中に2個以上のイ
ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、
下記の一般式(D)で示される水酸基を含有するビニル
モノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビ
ニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられ
る。
【0018】 CH2 =C(R)COOCH2 CH(R′)OH (D) (ただし、RおよびR′はHあるいはCH3 を示す。) また、特開昭51−37193号に記載されているよう
なウレタンアクリレート類、特開昭48−64183
号、特公昭49−43191号、特公昭52−3049
0号各公報に記載されているようなポリエステルアクリ
レート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応さ
せたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレート
やメタクリレートを挙げることができる。さらに日本接
着協会誌Vol.1、20、No.7、300〜308ページ
(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーと
して紹介されているものを使用することができる。な
お、これらの使用量は、全成分に対し5〜70重量%
(以下%と略称する。)、好ましくは10〜55%であ
る。
【0019】本発明に使用される成分(ii)は下記一般
式〔I〕で表される化合物である。
【0020】
【化3】
【0021】式中のR1 およびR2 はそれぞれ独立して
アリール基および置換アリール基のいずれかであり、R
5 およびR6 はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基および
置換アリール基のいずれかであり、また、R5 とR6
互いに結合して脂環構造又は芳香環構造を形成している
ものも好適であり、R3 、R4 はそれぞれ独立して、水
素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置
換アリール基のいずれかであり、−X−は−O−、−S
−、−NR7 −のいずれかであり、R7 は、水素原子、
アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリー
ル基、置換カルボニル基、置換スルホニル基のいずれか
であるものを使用することができる。
【0022】前記一般式〔I〕で表される化合物におけ
るR3 、R4 の好ましい例について詳述する。
【0023】アルキル基としては炭素原子数が1から2
0までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙
げることができ、その具体例としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、
イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペン
チル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘ
キシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル
基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボ
ルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素
原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12
までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環
状のアルキル基がより好ましい。
【0024】置換アルキル基の置換基としては、水素を
除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例として
は、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒ
ドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカ
プト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジ
チオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルア
ミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールア
ミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−
N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイル
オキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−ア
リールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカル
バモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオ
キシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキ
シ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、
アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルア
ミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、
N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウ
レイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジ
アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール
ウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウ
レイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、
N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′
−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−
ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール
−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリ
ールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキ
ルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリール
ウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−ア
ルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−
N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ
基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−
N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N
−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N
−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−
アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカ
ルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N
−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバ
モイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル
基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ス
ルホ基(−SO3 H)及びその共役塩基基(以下、スル
ホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロ
キシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキル
スルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモ
イル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジ
アリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリ
ールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アル
キルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモ
イル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジア
リールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリール
スルファモイル基、ホスフォノ基(−PO3 2 )及び
その共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジア
ルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2 )、ジアリール
ホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホ
スフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホ
スフォノ基(−PO3 H(alkyl) )及びその共役塩基基
(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリー
ルホスフォノ基(−PO3 H(aryl))及びその共役塩基
基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォ
ノオキシ基(−OPO3 2 )及びその共役塩基基(以
後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフ
ォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2 )、ジアリールホス
フォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリー
ルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モ
ノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3 H(alkyl)
)及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト
オキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基
(−OPO3 H(aryl))及びその共役塩基基(以後、ア
リールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニト
ロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げ
られる。
【0025】これらの置換基における、アルキル基の具
体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール
基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフ
チル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル
基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチ
ルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニ
ル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ア
セトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチ
ルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルア
ミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチル
アミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカ
ルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、
フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバ
モイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、ス
ルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフ
ェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることがで
きる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1
−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−
クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基
の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブ
チニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられ
る。アシル基(R8 CO−)におけるR8 としては、水
素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げるこ
とができる。これら置換基の内、更により好ましいもの
としてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−
I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、、アルキルチオ
基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−
ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカ
ルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ
基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル
基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリール
カルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモ
イル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、
N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルス
ルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−
アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ
基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリ
ールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキ
ルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリー
ルホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナト
オキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
【0026】一方、置換アルキル基におけるアルキレン
基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上
の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基とし
たものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1か
ら12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐
状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレ
ン基を挙げることができる。該置換基とアルキレン基を
組み合わせる事により得られる置換アルキル基の、好ま
しい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル
基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メト
キシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキ
シメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル
基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエ
チルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチ
ルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シ
クロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニ
ルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル
基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキ
ソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピ
ル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカル
ボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル
基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエ
チル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N
−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メ
チル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、
スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイル
ブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N
−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルス
ルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォ
ノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブ
チル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノ
ブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホ
スフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリ
ルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル
基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシ
ブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベン
ジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチ
ルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニ
ルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2
−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−
ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができ
る。
【0027】次に、前記一般式〔I〕で表される化合物
におけるR3 、R4 としてのアリール基としては、1個
から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼ
ン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げるこ
とができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、
アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセ
ナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、
これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ま
しい。
【0028】置換アリール基としては、前述のアリール
基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価
の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置
換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、
ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示
したものを挙げることができる。この様な、置換アリー
ル基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル
基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロ
ロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、
ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシ
エトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノ
キシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフ
ェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフ
ェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェ
ニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキ
シルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカル
バモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル
基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキ
シフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリル
オキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボ
ニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチル
カルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモ
イルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイ
ルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カ
ルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナト
フェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルス
ルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファ
モイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル
基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファ
モイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナ
トフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェ
ニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル
基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノ
フェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル
基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メ
チルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル
基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル
基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができ
る。
【0029】前記一般式〔I〕で表される化合物におけ
るR3 、R4 のさらにより好ましい具体例としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
へキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソ
プロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチ
ル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、アリル
基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メ
チルアリル基、2−メチルプロペニル基、2−プロピニ
ル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ベンジル基、
フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1
−フェネチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル
基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、フェノキ
シエチル基、アリロキシエチル基、メトキシエトキシエ
チル基、エトキシエトキシエチル基、モルホリノエチル
基、モルホリノプロピル基、スルホプロピル基、スルホ
ナトプロピル基、スルホブチル基、スルホナトブチル
基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボ
キシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、2−エ
チルヘキシルオキシカルボニルエチル基、フェノキシカ
ルボニルメチル基、メトキシカルボニルプロピル基、N
−メチルカルバモイルエチル基、N,N−エチルアミノ
カルバモイルメチル基、N−フェニルカルバモイルプロ
ピル基、N−トリルスルファモイルブチル基、p−トリ
エンスルホニルアミノプロピル基、ベンゾイルアミノヘ
キシル基、ホスフォノメチル基、ホスフォノエチル基、
ホスフォノプロピル基、p−ホスフォノベンジルアミノ
カルボニルエチル基、ホスフォナトメチル基、ホスフォ
ナトプロピル基、ホスフォナトブチル基、p−ホスフォ
ナトベンジルアミノカルボニルエチル基、ビニル基、エ
チニル基を挙げることができる。
【0030】前記一般式〔I〕で表される化合物におけ
るR1 およびR2 の、好のましいアリール基および置換
アリール基の例としては、前述のR3 、R4 の例として
挙げたものを挙げることができる。
【0031】次に、前記一般式〔I〕で表される化合物
におけるR5 およびR6 の好ましい例について詳述す
る。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素
原子が好ましい。アルキル基、置換アルキル基、アリー
ル基、置換アリール基の好ましい例としては、前述のR
3 、R4 の例として挙げたものを挙げることができる。
【0032】以上に、挙げたR5 およびR6 の例の内、
より好ましいものとしては、水素原子、ハロゲン原子
(−F、−Cl、−Br、−I)、アルキル基、置換ア
ルキル基、アリール基、置換アリール基を挙げることが
できる。次に、R5 とR6 が互いに結合して脂環構造又
は芳香環構造を形成する場合の例を示す。このような例
としては、R5 とR6 が互いに結合して飽和、もしくは
不飽和の脂肪族環を形成するものを挙げることができ、
好ましくは、これが結合している炭素原子と共同して、
5員環、6員環、7員環及び8員環の脂肪族環を形成す
るものを挙げることができる。さらに、より好ましく
は、5員環、6員環の脂肪族環を挙げることができる。
また、これらは更に、これらを構成する炭素原子上に置
換基を有していても良く(置換基の例としては、先にR
3 、R4 の例として挙げた、置換アルキル基における置
換基の例を挙げることができる)、また、環構成炭素の
一部が、ヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子、窒素原子
等)で置換されていても良い。これらの好ましい具体例
としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シク
ロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロ−1,3−ジ
オキサペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン
環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、シクロ−
1,3−ジオキサペンテン環、シクロ−1,3−ジオキ
サヘキセン環、シクロヘキサジエン環、ベンゾシクロヘ
キセン環、ベンゾシクロヘキサジエン環、等を挙げるこ
とができる。
【0033】次に、前記一般式〔I〕で表される化合物
におけるR7 の好ましい例について詳述する。アルキル
基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基の好
ましい例としては、前述のR3 、R4 の例として挙げた
ものを挙げることができる。
【0034】置換カルボニル基(R9 −CO−)として
は、R9 が一価の非金属原子団のものを使用できる。置
換カルボニル基の好ましい例としては、ホルミル基、ア
シル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ア
リーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキ
ルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル
基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリール
カルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモ
イル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリ
ール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、な
らびにアリール基、置換アリール基として示したものを
挙げることができる。これらの内、より好ましい置換基
としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カ
ルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−
ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル
基、が挙げられ、更により好ましものとしては、ホルミ
ル基、アシル基、アルコキシカルボニル基ならびにアリ
ーロキシカルボニル基が挙げられる。好ましい置換基の
具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル
基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アリルオ
キシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フ
ェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル
基、モルホリノカルボニル基等が挙げられる。
【0035】置換スルホニル基(R10−SO2 −)とし
ては、R10が一価の非金属原子団のものを使用できる。
より好ましい例としては、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基を挙げることができる。これらにおけ
るアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、
置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基
として示したものを挙げることができる。このような、
置換スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル
基、クロロフェニルスルホニル基等が挙げられる。
【0036】以下に、一般式〔I〕で表わされる化合物
の好ましい例を具体的に示す。
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】
【化6】
【0040】
【化7】
【0041】一般式〔I〕で表わされる化合物群は米国
特許2,454,629号に記載の方法で合成すること
ができる。すなわち、例えば、化合物(I−15)は、
5−[4,5−ジフェニル−3−オクチル2(1H)−
チアゾリリデン]−4,5−ジヒドロ−3−エチル−2
−(メチルチオ)−4−オキソチアゾリウム 4−メチ
ルベンゼンスルホネートとクマラ−3−ノンとを塩基性
の条件下で縮合することにより得られる。この際、塩基
としては一般に汎用される塩基、例えば有機アミン、ピ
リジン類(トリアルキルアミン、ジメチルアミノピリジ
ン等)、金属アミド類(リチウムジイソプロピルアミド
等)、金属アルコキシド類(ナトリウムメトキシド、カ
リウム−t−ブトキシド等)、金属水素化物類(水素化
ナトリウム等)が好適に使用できる。尚、一般式〔I〕
の化合物の合成法は上記に限定されるものではない。本
発明の光重合性組成物に用いられる一般式〔I〕の化合
物は単独、あるいは2種以上を併用する事によって、好
適に用いられる。
【0042】次に本発明に使用される成分(iii) につい
て詳しく説明する。本発明における成分(iii) の化合物
は、成分(ii)の共存下、光照射により活性ラジカルを
生成するもので有ればいずれも好適に使用できる。すな
わち、光照射により励起された成分(ii)と何らかの相
互作用(エネルギー移動、電子移動、励起錯体生成等)
を経て活性ラジカルを生成する化合物群が好適に使用で
きる。好ましい活性剤の例としては、(a)炭素ハロゲ
ン結合を有する化合物、(b)芳香族オニウム塩化合
物、(c)有機過酸化物化合物、(d)チオ化合物、
(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケ
トオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、
(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、
(j)活性エステル化合物等が挙げられる。
【0043】成分(iii) の一例である炭素ハロゲン結合
を有する化合物の好ましい例としては、下記一般式[I
I]から[VIII]のものを挙げることができる。
【0044】
【化8】
【0045】(式中、Xはハロゲン原子を表わす。Y1
は−CX3 、−NH2 、−NHR′、−NR′2 、−O
R′を表わす。ここでR′はアルキル基、置換アルキル
基、アリール基、置換アリール基を表わす。またRは−
CX3 、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置
換アリール基、置換アルケニル基を表わす。)で表わさ
れる化合物。
【0046】
【化9】
【0047】(ただし、R15は、アルキル基、置換アル
キル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール
基、置換アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、置
換アルコキシル基、ニトロ基又はシアノ基であり、Xは
ハロゲン原子であり、nは1〜3の整数である。)で表
わされる化合物。
【0048】一般式[IV]: R16−Z−CH(2-m) X″m −R17 [IV] (ただし、R16は、アリール基又は置換アリール基であ
り、R17は、−C(=O)−NR1819、−C(=S)
NR1819
【0049】
【化10】
【0050】又はハロゲン原子であり、Zは−C(=
O)−、−C(=S)−又は−SO2 −であり、R18
19はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置
換アルケニル基、アリール基又は置換アリール基であ
り、R20は一般式[II]中のR′と同じであり、X″は
ハロゲン原子であり、mは1又は2である。)で表わさ
れる化合物。
【0051】
【化11】
【0052】ただし、式中R21は置換されていてもよい
アリール基又は複素環式基であり、R22は炭素原子1〜
3個を有するトリハロアルキル基又はトリハロアルケニ
ル基であり、pは1、2又は3である。
【0053】
【化12】
【0054】(ただし、Lは水素原子又は式:CO−
(R23) q (CX3)r の置換基であり、Qはイオウ、セ
レン又は酸素原子、ジアルキルメチレン基、アルケン−
1,2−イレン基、1,2−フェニレン基又はN−R基
であり、Mは置換又は非置換のアルキレン基又はアルケ
ニレン基であるか、又は1,2−アリーレン基であり、
24はアルキル基、アラルキル基又はアルコキシアルキ
ル基であり、R23は炭素環式又は複素環式の2価の芳香
族基であり、Xは塩素、臭素またはヨウ素原子であり、
q=0及びr=1であるか又はq=1及びr=1又は2
である。)で表わされる、トリハロゲノメチル基を有す
るカルボニルメチレン複素環式化合物。
【0055】
【化13】
【0056】(ただし、Xはハロゲン原子であり、tは
1〜3の整数であり、sは1〜4の整数であり、R25
水素原子又はCH(3-t)t 基であり、R26はs価の置
換されていてもよい不飽和有機基である)で表わされ
る、4−ハロゲノ−5−(ハロゲノメチル−フェニル)
−オキサゾール誘導体。
【0057】
【化14】
【0058】(ただし、X′はハロゲン原子であり、v
は1〜3の整数であり、uは1〜4の整数であり、R27
は水素原子又はCH(3-v)v 基であり、R28はu価の
置換されていてもよい不飽和有機基である。)で表わさ
れる、2−(ハロゲノメチル−フェニル)−4−ハロゲ
ノ−オキサゾール誘導体。
【0059】このような炭素−ハロゲン結合を有する化
合物の具体例としては、たとえば、若林ら著、Bull. Ch
em. Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合
物、たとえば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロ
ルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニ
ル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリア
ジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロル
メチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニ
ル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリア
ジン、2−(2′,4′−ジクロルフェニル)−4,6
−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,
4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジ
ン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−
S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリ
クロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−
トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチ
ル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特
許1388492号明細書記載の化合物、たとえば、2
−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−
トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビ
ス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−
メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチ
ル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)
−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン
等、特開昭53−133428号記載の化合物、たとえ
ば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6
−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4
−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリ
クロルメチル−S−トリアジン、2−[4−(2−エト
キシエチル)−ナフト−1−イル]−4,6−ビス−ト
リクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメ
トキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロ
ルメチル−S−トリアジン、2−(アセナフト−5−イ
ル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジ
ン等、独国特許3337024号明細書記載の化合物、
たとえば、
【0060】
【化15】
【0061】
【化16】
【0062】等を挙げることができる。また、F.C.Scha
efer等によるJ. Org. Chem.;29、1527(196
4)記載の化合物、たとえば2−メチル−4,6−ビス
(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−
トリス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,
4,5−トリス(ジブロムメチル)−S−トリアジン、
2−アミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−S−
トリアジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロ
メチル−S−トリアジン等を挙げることができる。
【0063】さらに特開昭62−58241号記載の化
合物、たとえば
【0064】
【化17】
【0065】
【化18】
【0066】等を挙げることができる。更に特開平5−
281728記載の化合物、例えば、
【0067】
【化19】
【0068】等を挙げることができる。あるいはさらに
M.P.Hutt, E.F.ElslagerおよびL.M.Merbel著Journal of
Heterocyclic chemistry 第7巻(No.3)、第511
頁以降(1970年)に記載されている合成方法に準じ
て、当業者が容易に合成することができる次のような化
合物群
【0069】
【化20】
【0070】
【化21】
【0071】
【化22】
【0072】
【化23】
【0073】
【化24】
【0074】
【化25】
【0075】あるいは、ドイツ特許第2641100号
に記載されているような化合物、例えば、4−(4−メ
トキシ−スチリル)−6−(3,3,3−トリクロルプ
ロペニル)−2−ピロンおよび4−(3,4,5−トリ
メトキシ−スチリル)−6−トリクロルメチル−2−ピ
ロン、あるいはドイツ特許第3333450号に記載さ
れている化合物、例えば、
【0076】
【化26】
【0077】
【化27】
【0078】
【化28】
【0079】また、成分(iii )の別の例である芳香族
オニウム塩としては、周期律表の第V、VIおよびVII 族
の元素、具体的にはN,P,As,Sb,Bi,O,
S,Se,Te,またはIの芳香族オニウム塩が含まれ
る。このような芳香族オニウム塩の例としては、特公昭
52−14277号、特公昭52−14278号、特公
昭52−14279号に示されている化合物を挙げるこ
とができる。
【0080】具体的には、
【0081】
【化29】
【0082】
【化30】
【0083】
【化31】
【0084】
【化32】
【0085】本発明に使用される成分(iii)の他の例で
ある有機過酸化物としては分子中に酸素−酸素結合を1
個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、
その例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、
シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘ
キサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサ
イド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(te
rt−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス
(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラ
メタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,
3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、
ジtert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(tert−
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こは
く酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキ
シエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプ
ロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−
メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブ
チルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピ
バレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、
tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチル
パーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネ
ート、3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルパー
オキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,
4′−テトラ−(t−アミノパーオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ−(t−ヘ
キシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,
3′,4,4′−テトラ(t−オクチルパーオキシカル
ボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ
(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,
3′,4,4′−テトラ(p−イソプロピルクミルパー
オキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t
−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニル
ジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が
ある。
【0086】これらの中で、3,3′,4,4′−テト
ラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、3,3′,4,4′−テトラ−(t−アミノパーオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′
−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−オクチル
パーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,
4,4′−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベン
ゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(p−イソプ
ロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸
化エステル系が好ましい。
【0087】本発明で使用される成分(iii )としての
チオ化合物は、下記一般式[IX]で示される。
【0088】
【化33】
【0089】(ここで、R29はアルキル基、アリール基
または置換アリール基を示し、R30は水素原子またはア
ルキル基を示す。また、R29とR30は、互いに結合して
酸素、硫黄および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を含
んでもよい5員ないし7員環を形成するのに必要な非金
属原子群を示す。) 上記一般式〔IX〕におけるR29のアルキル基としては炭
素原子数1〜4個のものが好ましい。またR29のアリー
ル基としてはフェニル、ナフチルのような炭素原子数6
〜10個のものが好ましく、置換アリール基としては、
上記のようなアリール基に塩素原子のようなハロゲン原
子、メチル基のようなアルキル基、メトキシ基、エトキ
シ基のようなアルコキシ基で置換されたものが含まれ
る。R30は、好ましくは炭素原子数1〜4個のアルキル
基である。
【0090】一般式[IX]で示されるチオ化合物の具体
例としては、下記に示すような化合物が挙げられる。
【0091】
【化34】
【0092】本発明に使用される成分(iii)の他の例で
あるヘキサアリールビイミダゾールとしては、2,2′
−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−
テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−
ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニ
ルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロ
フェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイ
ミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−
4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)
ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロ
フェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイ
ミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−
4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,
5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−
ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,
5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
【0093】本発明で使用される成分(iii )の他の例
であるケトオキシムエステルとしては3−ベンゾイロキ
シイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタ
ン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−
2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、
2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン
−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノ
ブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミ
ノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
【0094】本発明における成分(iii )の他の例であ
るボレート塩の例としては下記一般式[X]で表わされ
る化合物を挙げる事ができる。
【0095】
【化35】
【0096】(ここで、R31、R32、R33およびR34
互いに同一でも異なっていてもよく、各々置換又は非置
換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又
は非置換のアルケニル基、置換又は非置換のアルキニル
基、もしくは置換又は非置換の複素環基を示し、R31
32、R33およびR34はその2個以上の基が結合して環
状構造を形成してもよい。ただし、R31、R32、R33
よびR34のうち、少なくとも1つは置換又は非置換のア
ルキル基である。Z+ はアルカリ金属カチオンまたは第
4級アンモニウムカチオンを示す)。
【0097】上記R31〜R34のアルキル基としては、直
鎖、分岐、環状のものが含まれ、炭素原子数1〜18の
ものが好ましい。具体的にはメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オク
チル、ステアリル、シクロブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシルなどが含まれる。また置換アルキル基とし
ては、上記のようなアルキル基に、ハロゲン原子(例え
ば−Cl、Brなど)、シアミ基、ニトロ基、アリール
基(好ましくはフェニル基)、ヒドロキシ基、
【0098】
【化36】
【0099】(ここでR35、R36は独立して水素原子、
炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示
す。)、−COOR37(ここでR37は水素原子、炭素数
1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す。)、−
OCOR38又は−OR38(ここでR 38は炭素数1〜14
のアルキル基、又はアリール基を示す。)を置換基とし
て有するものが含まれる。
【0100】上記R31〜R34のアリール基としては、フ
ェニル基、ナフチル基などの1〜3環のアリール基が含
まれ、置換アリール基としては、上記のようなアリール
基に前述の置換アルキル基の置換基又は、炭素数1〜1
4のアルキル基を有するものが含まれる 上記R31〜R34のアルケニル基としては、炭素数2〜1
8の直鎖、分岐、環状のものが含まれ、置換アルケニル
基の置換基としては、前記の置換アルキル基の置換基と
して挙げたものが含まれる。
【0101】上記R31〜R34のアルキニル基としては、
炭素数2〜28の直鎖又は分岐のものが含まれ、置換ア
ルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の置
換基として挙げたものが含まれる。また、上記R51〜R
54の複素環基としては、N,SおよびOの少なくとも1
つを含む5員環以上、好ましくは5〜7員環の複素環基
が挙げられ、この複素環基には縮合環が含まれていても
よい。更に置換基として前述の置換アリール基の置換基
として挙げたものを有していてもよい。
【0102】一般式〔X〕で示される化合物例としては
具体的には米国特許3,567,453号、同4,34
3,891号、ヨーロッパ特許109,772号、同1
09,773号に記載されている化合物および以下に示
すものが挙げられる。
【0103】
【化37】
【0104】本発明の成分(iii)の他の例であるアジニ
ウム塩化合物の例としては、USP4,743,528
号、特開昭63−138345号、特開昭63−142
345号、特開昭63−142346号、特開昭63−
143537号ならびに特公昭46−42363号記載
のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
この様なアジニウム塩化合物の具体例としては1−メト
キシ−4−フェニルピリジニウム テトラフルオロボレ
ートを挙げることができる。成分(iii)の他の例である
メタロセン化合物の例としては、特開昭59−1523
96号、特開昭61−151197号、特開昭63−4
1484号、特開平2−249号、特開平2−4705
号、特開平5−83588号記載の種々のチタノセン化
合物、例えばジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−
フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペン
タジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ
−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−
2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シク
ロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テト
ラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニ
ル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロ
フェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−
Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ
−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,
6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロ
ペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラ
フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジ
エニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフル
オロフェニ−1−イル等を挙げることができる。また、
特開平1−304453号、特開平1−152109号
記載の鉄−アレーン錯体も好適である。
【0105】成分(iii )の他の例である活性エステル
化合物の例としては特公昭62−6223号記載のイミ
ドスルホネート化合物、特公昭63−14340号、特
開昭59−174831号記載の活性スルホネート類を
挙げることができる。
【0106】本発明における成分(iii) は単独もしくは
2種以上の併用によって好適に用いられる。本発明の組
成物中のこれらの光重合開始系、すなわち成分(ii)お
よび成分(iii)の含有濃度は通常わずかなものである。
また、不適当に多い場合には有効光線の遮断等好ましく
ない結果を生じる。
【0107】本発明における光重合開始系の量は、光重
合可能なエチレン性不飽和化合物と必要に応じて添加さ
れる線状有機高分子重合体との合計に対して0.01%
から60%、より好ましくは、1%から30%の範囲で
ある。本発明に使用される光重合開始系の成分である成
分(ii)と成分(iii )の比は、成分(ii)の有機染料
1重量部に対して成分(iii)を0.01〜50重量部使
用するのが適当であり、更に好ましくは0.02〜20
重量部、最も好ましくは0.05〜10重量部である。
【0108】本発明の光重合性組成物には、感度を一層
向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等
の作用を有する公知の化合物を共増感剤として、さらに
加えて良い。この様な共増感剤の例としては、アミン
類、例えばM.R.Sanderら著「Journalof Polymer Societ
y」第10巻、3173頁(1972年)、特公昭44
−20189号、特開昭51−82102号、特開昭5
2−134692号、特開昭59−138205号、特
開昭60−84305号、特開昭62−18537号、
特開昭64−33104号、Research Disclosure 33
825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリ
エタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル
エステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチル
チオジメチルアニリン、等が挙げられる。
【0109】共増感剤の別の例としては、チオールおよ
びスルフィド類、例えば、特開昭53−705号、特公
昭55−500806号、特開平5−142772号記
載のチオール化合物、特開昭56−75643号のジス
ルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカ
プトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾ
ール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカ
プト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタ
レン等が挙げられる。
【0110】また別の例としては、アミノ酸化合物
(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−429
65号記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテ
ート等)、特公昭55−34414号記載の水素供与
体、特願平5−91089号記載のイオウ化合物(例、
トリチアン等)、特開平6−250389号記載のリン
化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191
605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられ
る。
【0111】さらに別の例としては、米国特許4,31
8,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記
載のアミノケトン化合物、例えば、
【0112】
【化38】
【0113】等が挙げられる。さらに他の例としては、
特願平7−13108号記載のオキシムエーテル類も好
適である。具体例としては、例えば以下のもの等が挙げ
られる。
【0114】
【化39】
【0115】この様な共増感剤を使用する場合には、成
分(ii)の化合物1重量部に対して、0.01〜50重
量部使用するのが適当であり、より好ましくは0.02
〜20重量部、最も好ましくは0.05〜10重量部で
ある。本発明の光重合性組成物には、バインダーとして
の線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。
このような「線状有機高分子重合体」としては、光重合
可能なエチレン性不飽和化合物と相溶性を有している線
状有機高分子重合体である限り、どれを使用しても構わ
ない。好ましくは水現像或は弱アルカリ水現像を可能と
する水あるいは弱アルカリ水可溶性又は膨潤性である線
状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合
体は、該組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、現像剤
として水、弱アルカリ水或は有機溶剤のいずれが使用さ
れるかに応じて適宜選択使用される。例えば、水可溶性
有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。この
様な線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸
基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615
号、特公昭54−34327号、特公昭58−1257
7号、特公昭54−25957号、特開昭54−927
23号、特開昭59−53836号、特開昭59−71
048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル
酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合
体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エ
ステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖
にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。
この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付
加させたものなどが有用である。特にこれらの中で〔ベ
ンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必
要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合
体及び〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリ
ル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマ
ー〕共重合体が好適である。この他に水溶性線状有機高
分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキ
サイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を挙げるた
めにアルコール可溶性ポリアミドや2,2−ビス−(4
−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリ
ンのポリエーテル等も有用である。これらの線状有機高
分子重合体は全組成中に任意な量を混和させることがで
きる。しかし90重量%を超える場合には形成される画
像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは3
0〜85%である。また光重合可能なエチレン性不飽和
化合物と線状有機高分子重合体は、重量比で1/9〜7
/3の範囲とするのが好ましい。より好ましい範囲は3
/7〜5/5である。
【0116】また、本発明においては以上の基本成分の
他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合
可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱重合を阻止す
るために少量の熱重合防止剤を添加することが望まし
い。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−
メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノ
ン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒ
ドロキシアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱
重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.
01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸素に
よる重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミ
ドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾
燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪
酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約10%
が好ましい。
【0117】本発明においては、感光層の着色を目的と
して染料または顔料を添加することができる。染料もし
くは顔料の添加量は全組成物の0.01%〜20%であ
り、より好ましくは0.5〜10%である。また、染料
よりも顔料の方がより好ましい。顔料としては、市販の
ものの他、各種文献等に記載されている公知のものが利
用できる。文献に関しては、カラーインデックス(C.
I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、
1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、
1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1
984年刊)等がある。
【0118】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、橙色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔
料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマ
ー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔
料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔
料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペ
リレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キ
ナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリ
ノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、
アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍
光顔料、無機顔料等が挙げられる。この中でより好まし
いのは、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、フタロシア
ニン系顔料、アントラキノン系顔料等である。
【0119】また、これらの顔料はポリマーの存在下に
分散されたものであってもよく、そのようなポリマーと
しては、例えば特願平6−193357号に記載の一般
式(イ)〜(ハ)で表されるような、主鎖又は側鎖に脂
肪族二重結合を有するポリマーを挙げることができる。
【0120】
【化40】
【0121】式中、R39、R40、R41、R42、R43、R
44およびR45は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基
またはアリール基を示す。X,Y及びZは、それぞれ独
立に、二価の連結基である。Qは、脂肪族環を形成する
原子団である。アルキル基としては、炭素原子数が好ま
しくは20以下、より好ましくは10以下、更に好まし
くは6以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、イソプロピル
基など)が挙げられる。
【0122】アリール基としては、炭素数6〜22のア
リール基(例えばフェニル基、ナフチル基、アンスリル
基など)を挙げることができる。アルキル基及びアリー
ル基は、置換基としてアルコキシ基、アミド基、アルコ
キシカルボニル基などで置換されていてもよい。R39
40、R41、R42、R43、R44およびR45は、それぞ
れ、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、
水素原子またはメチルであることが特に好ましい。
【0123】XおよびYで表される二価の連結基の例と
しては、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、
イミノ基、酸素原子、硫黄原子およびそれらの組み合わ
せを挙げることができる。二価の連結基は、アリール
基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基あるいはシアノ基等
で置換されていてもよい。アルキレン基としては、炭素
原子数が好ましくは10以下、より好ましくは6以下、
更に好ましくは3以下のアルキレン基(例えば、−CH
2 CH2 CH2 −、−CH2 CH2 −、−CH2 CH
(CH3 )−など)が挙げられる。
【0124】アリーレン基としては、炭素数6〜22の
アリーレン基(例えば、
【0125】
【化41】
【0126】など)が挙げられる。Xは、アルキレン基
であることが好ましい。Yは、アルキレン基、カルボニ
ル基、酸素原子およびそれらの組み合わせであることが
好ましい。Qが形成する脂肪族環は、5員または6員環
の組み合わされた炭素数5〜30の脂肪族環(例えばシ
クロヘキサン環、ノルボルネニル環、ジシクロペンタジ
エン環)であることが好ましい。脂肪族環には、橋頭炭
素原子を有する二環系あるいは三環系炭化水素が含まれ
る。脂肪族環内の炭素原子間二重結合は、1つであるこ
とが好ましい。
【0127】本発明の光重合性組成物には、硬化皮膜の
物性を改良するために無機充填剤や、その他の公知の添
加剤を加えてもよい。さらに塗布における面状をよくす
るために界面活性剤の添加が好ましい。界面活性剤とし
ては、フッ素系の界面活性剤が好ましい。本発明の光重
合性組成物を支持体上に塗布する際には種々の有機溶剤
に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒として
は、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、
酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラ
ン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセ
トンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタ
ノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,
N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ
−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがあ
る。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用するこ
とができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2
〜50重量%が適当である。その被覆量は乾燥後の重量
で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。
より好ましくは0.5〜5g/m2である。
【0128】上記支持体としては、寸度的に安定な板状
物が用いられる。該寸度的に安定な板状物としては、
紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、また、
例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む。)、亜
鉛、銅などのような金属の板、さらに、例えば二酢酸セ
ルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロ
ース,ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセタールなどのようなプラスチックのフィル
ム、上記の如き金属がラミネートもしくは蒸着された紙
もしくはプラスチックフィルムなどが挙げられる。これ
らの支持体のうち、アルミニウム板は寸度的に著しく安
定であり、しかも安価であるので特に好ましい。更に、
特公昭48−18327号に記載されているようなポリ
エチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシー
トが結合された複合体シートも好ましい。
【0129】また金属、特にアルミニウムの表面を有す
る支持体の場合には、砂目立て処理、珪酸ソーダ、弗化
ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処
理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされてい
ることが好ましい。砂目立て処理としては、ブラシグレ
イン又は電解グレインが好ましい。電解グレインの電解
液としては硝酸又は塩酸の水溶液が好ましく、特に硝酸
が好ましい。
【0130】さらに、砂目立てしたのちに珪酸ナトリウ
ム水溶液に浸漬処理されたアルミニウム板が好ましく使
用できる。特公昭47−5125号に記載されているよ
うにアルミニウム板を陽極酸化処理したのちに、アルカ
リ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものが好適に使用
される。陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫
酸、硼酸等の無機酸、若しくは蓚酸、スルファミン酸等
の有機酸またはそれらの塩の水溶液又は非水溶液の単独
又は二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板
を陽極として電流を流すことにより実施される。
【0131】また、米国特許第3,658,662号に
記載されているようなシリケート電着も有効である。更
に、特公昭46−27481号、特開昭52−5860
2号、特開昭52−30503号に開示されているよう
な電解グレインと、上記陽極酸化処理および珪酸ソーダ
処理を組合せた表面処理も有用である。ただし、珪酸ソ
ーダ処理は必ずしもなくてもよい。
【0132】また、特開昭56−28893号に開示さ
れているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解
グレイン、陽極酸化処理さらに珪酸ソーダ処理を順に行
ったものも好適である。更に、これらの処理を行った後
に、水溶性の樹脂、たとえばポリビニルホスフォン酸、
スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポ
リアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしく
は、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適であ
る。
【0133】これらの親水化処理は、支持体の表面を親
水性とするために施される以外に、その上に設けられる
光重合性組成物の有害な反応を防ぐため、かつ感光層の
密着性の向上等のために施されるものである。さらに支
持体裏面には現像液へのアルミニウムの溶出を防止する
ために特開平5−2271号や特開平6−35174号
に記載のバックコートを施こすのも好ましい。
【0134】支持体上に設けられた光重合性組成物の層
の上には、空気中の酸素による重合禁止作用を防止する
ため、例えばポリビニルアルコール、特にケン化度95
%以上のポリビニルアルコール、酸性セルロース類など
のような酸素遮断性に優れたポリマーよりなる保護層を
設けてもよい。この様な保護層の塗布方法については、
例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−
49729号に詳しく記載されている。塗布量は0.1
〜5.0gが好ましく、0.5〜3gがさらに好まし
い。
【0135】また本発明の光重合性組成物は通常の光重
合反応に使用できる。さらに、印刷版、プリント基板等
作成の際のフォトレジスト等多方面に適用することが可
能である。特に本発明の光重合性組成物の特徴である高
感度性と可視光領域までの幅広い分光感度特性により、
Ar+ レーザー、YAG−SHGレーザー等の可視光レ
ーザー用の感光材料に適用すると良好な効果が得られ
る。
【0136】また、本発明の光重合性組成物は、高感度
でかつ可視光に感光性があるため、マイクロカプセルを
利用した画像形成システム用として特に有利に用いるこ
とができる。マイクロカプセルを利用した画像形成シス
テムに利用するには例えば、特開昭57−197538
号、同61−130945号、同58−88739号、
同58−88740号、欧州特許第223,587A1
号明細書等を参考にできる。この画像形成方法は例え
ば、エチレン性のビニル化合物及び光重合開始剤から成
る光重合開始剤組成物と色素プレカーサーを含むマイク
ロカプセルを支持体に塗設し、この感光シートを画像様
露光して露光部のマイクロカプセルを硬化させた後、顕
色剤シートを重ねて全面加圧することにより、未露光部
のマイクロカプセルを破壊し、色画像形成物質(例えば
色素プレカーサー)を受像要素(例えば顕色剤層)に転
写し、発色させる方法である。
【0137】本発明の光重合性組成物を用いた感光材料
は、画像露光したのち、加熱してもよい。加熱温度は6
0〜160℃が好ましくさらに好ましくは80℃〜13
0℃である。加熱時間は1秒〜5分が好ましい。さら
に、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。
これらの光重合性組成物を平版印刷版の作成に使用する
際の好ましい現像液としては、特公昭57−7427号
に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナト
リウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二
リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン
酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリ
ウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノ
エタノールアミン又はジエタノールアミンなどのような
有機アルカリ剤の水溶液が適当である。該アルカリ剤
は、濃度が0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5
重量%になるように添加される。
【0138】また、該アルカリ性水溶液には、必要に応
じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシ
エタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒
を少量含むことができる。例えば、米国特許第3,37
5,171号および同第3,615,480号に記載さ
れているものを挙げることができる。更に、特開昭50
−26601号、同58−54341号、特公昭56−
39464号、同56−42860号の各公報に記載さ
れている現像液も優れている。
【0139】しかし、有機溶媒等を含有すると、作業時
の毒性、臭気等の衛生上の問題、火炎等の安全性の問
題、泡の発生等の作業性の問題、廃液による公害等の問
題等が発生するため、実質上有機溶媒を含まないものが
好ましい。このような、実質上有機溶媒を含まない水性
アルカリ現像液として例えば特開昭59−84241号
及び特開昭57−192952号公報等に記載されてい
る現像液組成物を使用することができる。
【0140】好適に用いられる市販の現像液は、DP−
4(富士写真フイルム(株)製)を水で1/6〜1/3
0に稀釈した液である。本発明の光重合性組成物を用い
た感光性平版印刷版は、特開昭54−8002号、同5
5−115045号、特開昭59−58431号の各公
報に記載されている方法、即ち、現像処理後、水洗して
から不感脂化処理、またはそのまま不感脂化処理、また
は酸を含む水溶液での処理、または酸を含む水溶液で処
理後不感脂化処理を施してもよい。さらに、この種の感
光性平版印刷版の現像工程では、処理量に応じてアルカ
リ水溶液が消費されアルカリ濃度が減少したり、あるい
は、自動現像液の長時間運転により空気によってアルカ
リ濃度が減少するため処理能力が低下するが、その際、
特開昭54−62004号、同55−22759号、同
55−115039号、同56−12645号、同58
−95349号、同64−21451号、特開平1−1
80548号、特開平2−3065号に記載の補充液、
並びに補充方法によって、処理能力を回復させることが
できる。
【0141】また、上記のような製版処理は、特開平2
−7054号、同2−32357号に記載されているよ
うな自動現像機で行なうことが好ましい。なお、製版工
程の最終工程で所望により塗布される不感脂化ガムとし
ては、特公昭62−16834号、同62−25118
号、同63−52600号、特開昭62−7595号、
同62−11693号、同62−83194号の各公報
に記載されているものが好ましい。
【0142】さらに現像処理後、バーニング加熱処理又
は後露光を行って印刷時の耐刷力を向上させることもで
きる。
【0143】
【実施例】以下、本発明を合成例、実施例および比較例
により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越
えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0144】本発明のii) 成分である化合物の合成例を
以下に示す。 合成例1(増感剤(I−15)の調製) 窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム0.6gをTH
F溶媒60mlに懸濁、0℃に冷却した後、5−[4,
5−ジフェニル−3−オクチル−2(1H)−チアゾリ
リデン]−4,5ジヒドロ−3−エチル−2−(メチル
チオ)−4−オキソチアゾリウム 4−メチルベンゼン
スルフォネート4.9gを加え、続いてクマラ−3−ノ
ン2.0gのTHF20ml溶液を滴下した。室温で3
時間反応させた後、反応混液を氷水中に注ぎ、水層を酢
酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次
洗浄した後、MgSO4 で乾燥し、溶媒を減圧留去し
た。得られた粗(I−15)をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて精製し、(I−15)3.2gを得
た。(I−15)は核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収ス
ペクトルにより同定された。 融点 239−240℃
【0145】合成例2(増感剤(I−20)の調製) 窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム0.4gをTH
F溶媒100mlに懸濁、0℃に冷却した後、5−
[4,5−ジフェニル−3−オクチル−2(1H)−チ
アゾリリデン]−4,5ジヒドロ−3−エチル−2−
(メチルチオ)−4−オキソチアゾリウム 4−メチル
ベンゼンスルフォネート3.3gを加え、続いてチオイ
ンドキシル1.5gのTHF20ml溶液を滴下した。
室温で3時間反応させた後、反応混液を氷水中に注ぎ、
水層を酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩
水で順次洗浄した後、MgSO4 で乾燥し、溶媒を減圧
留去した。得られた粗(I−20)をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにて精製し、(I−20)1.4g
を得た。(I−20)は核磁気共鳴スペクトル、赤外吸
収スペクトルにより同定された。 融点 227−229℃
【0146】合成例3(増感剤(I−25)の調製) 窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウム0.4gをTH
F溶媒100mlに懸濁、0℃に冷却した後、5−
[4,5−ジフェニル−3−オクチル−2(1H)−チ
アゾリリデン]−4,5ジヒドロ−3−エチル−2−
(メチルチオ)−4−オキソチアゾリウム 4−メチル
ベンゼンスルフォネート3.3gを加え、続いて1−フ
ェニルスルフォニルインドロン2.7gのTHF30m
l溶液を滴下した。室温で3時間反応させた後、反応混
液を氷水中に注ぎ、水層を酢酸エチルにて抽出した。有
機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、MgSO4
乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗(I−25)
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、
(I−25)1.2gを得た。(I−25)は核磁気共
鳴スペクトル、赤外吸収スペクトルにより同定された。 融点 208−210℃
【0147】以下、上記の合成例等によって合成された
化合物等を実施例として本発明を説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。厚さ0.3
mmのアルミニウム板を10%水酸化ナトリウムに60℃
で25秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後2
0%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波
の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クー
ロン/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。
引き続いて1%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5
秒間浸漬後30%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で4
0秒間デスマット処理した後、20%硫酸水溶液中、電
流密度2A/dm2 において陽極酸化皮膜の厚さが2.7
g/m2になるように2分間陽極酸化処理した。その表面
粗さを測定したところ、0.3μ(Ra表示)であっ
た。
【0148】このように処理された基板の裏面に下記の
ゾル−ゲル反応液をバーコータで塗布し80℃で1分間
乾燥し、乾燥後の塗布量が70mg/m2 のバックコー
ト層を設けた支持体Aを作成した。 (ゾル−ゲル反応液の調製) テトラエチルシリケート 50重量部 水 20重量部 メタノール 15重量部 リン酸 0.05重量部 上記成分を混合、攪はんすると約5分で発熱が開始し
た。60分間反応させた後、以下に示す液を加えること
によりバックコート塗布液を調製した。
【0149】 ピロガロールホルムアルデヒド縮合樹脂(M.W.2000) 4重量部 ジメチルフタレート 5重量部 フッ素系界面活性剤(N−ブチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエチル アクリレート/ポリオキシエチレンアクリレート共重合体・分子量2万) 0.7重量部 メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製 メタノール30%) 50重量部 メタノール 800重量部 このように処理されたアルミニウム板の面上に、下記組
成の感光性組成物を乾燥塗布重量が1.5g/m2 とな
るように塗布し、80℃で2分間乾燥させ感光層を形成
させた。
【0150】 ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.0g アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合モル比 80/20) 2.0g 成 分 (ii) Xg 成 分 (iii) Yg 共増感剤(S) Zg フッ素系ノニオン界面活性剤 (F−177 大日本インキ(株)製) 0.03g 熱重合禁止剤 N−ニトロソフェニル ヒドロキシルアミンアルミニウム塩 0.01g
【0151】
【表1】
【0152】 メチルエチルケトン 20g プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g 尚、成分(ii)と成分(iii)ならびに共増感剤(S)の
内容は下記表A参照。この感光層上にポリビニルアルコ
ール(ケン化度98モル%、重合度1000)の3重量
%の水溶液を乾燥塗布重量が2g/m2となるように塗布
し、100℃/2分間乾燥させ保護層とした。
【0153】このようにして得られた感材上に富士写真
フイルム(株)製の富士PSステップガイド(ΔD=
0.15で不連続に透過濃度が変化するグレースケー
ル)を密着させ、その上から露光した。光源には、キセ
ノンランプを用い、ケンコー光学フィルターBP−53
を通した光を照射した。PSステップガイド面でのエネ
ルギーは0.25mJ/cm2であった。
【0154】露光した感材は120℃にて20秒間加熱
を行なった後に現像した。感度は現像後のPSステップ
ガイドのクリアー段数で示した。この段数の値が大きい
ほど感度が高い。尚、現像は下記の現像液に25℃、1
0秒間浸漬して行った。 DP−4(富士写真フイルム社製) 65.0g 水 880.0g リポミンLA(20%水溶液) 50.0g
【0155】
【表2】
【0156】また同様に下記組成の感光層からなる感材
を作成し、BP−49フィルターを用いて感度を調べ
た。
【0157】 ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.4g アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 2.0g (共重合モル比 75/25) 成 分 (ii) Xg 成 分 (iii) Yg 共増感剤(S) Zg フッ素系ノニオン界面活性剤(F−177 0.03g 大日本インキ(株)製) 熱重合禁止剤 N−ニトロソフェニル 0.01g ヒドロキシルアミンアルミニウム塩
【0158】
【表3】
【0159】 メチルエチルケトン 20g プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g 尚、成分 (ii) と成分 (iii)ならびに共増感剤(S)の
内容は下記表B参照。
【0160】
【表4】
【0161】本発明における成分(ii)は比較例の化合
物に対し、可視光に対する感光性に優れ、さらに500
nmより長波長の光に対する感光性が著しく優れる事は
明白である。
【0162】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物は、紫外線から
可視光の幅広い領域の活性光線に対して高感度を有す
る。従って、光源として超高圧、高圧、中圧、低圧の各
水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン
灯、メタルハライド灯、可視及び紫外の各種レーザーラ
ンプ、蛍光灯、タングステン灯、及び太陽光等が使用で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027 H01L 21/30 502R

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】i)付加重合可能なエチレン性不飽和結合
    を少なくとも一個有する化合物、 ii)一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立してアリール基
    を表し、R5 およびR6はそれぞれ独立して水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を表し、R
    5 とR6 が互いに結合して脂環構造又は芳香環構造を形
    成してもよく、R 3 、R4 はそれぞれ独立して、水素原
    子、アルキル基またはアリール基を表し、−X−は−O
    −、−S−、−NR7 −を表し、R7 は、水素原子、ア
    ルキル基、アリール基、置換カルボニル基または置換ス
    ルフォニル基を表す)で表される化合物、及び iii)該成分(ii)との共存下で光照射によって活性ラジ
    カルを発生する化合物を含有することを特徴とする光重
    合性組成物。
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