JPH1067501A - 低酸素濃度オゾンの供給方法 - Google Patents

低酸素濃度オゾンの供給方法

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JPH1067501A
JPH1067501A JP8221061A JP22106196A JPH1067501A JP H1067501 A JPH1067501 A JP H1067501A JP 8221061 A JP8221061 A JP 8221061A JP 22106196 A JP22106196 A JP 22106196A JP H1067501 A JPH1067501 A JP H1067501A
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ozone
oxygen
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JP8221061A
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Hiroshi Sanai
宏 讃井
Nobuhiko Takahashi
信彦 高橋
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オゾン含有ガス中のオゾン濃度の低下を抑え
て酸素濃度のみを低減させることができ、必要なオゾン
濃度を有する低酸素濃度のオゾン含有ガスを供給する方
法を提供する。 【解決手段】 酸素含有ガスをオゾン発生器1へ導入し
てオゾン含有ガスとした後、該オゾン含有ガスを、オゾ
ンを優先的に吸着する吸着剤を充填した充填筒A,B,
Cの内の吸着工程にある吸着筒に導入してオゾンを吸着
剤に吸着させた後、酸素を含まない掃気ガス、例えば窒
素ガスを充填筒に導入しながらオゾンを吸着剤から脱着
させ、掃気ガス中にオゾンを同伴させて充填筒から導出
することにより低酸素濃度のオゾン含有ガスを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低酸素濃度オゾン
の供給方法に関し、詳しくは、所望のオゾン濃度で酸素
含有量が少ない低酸素濃度のオゾン含有ガスを供給する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】オゾン
は、酸化力や殺菌作用が強いことから、化学反応の酸化
剤や水配管内の生物系付着物の付着防止剤等として各種
用途で広く用いられている。このオゾンは、酸素含有ガ
スをオゾン発生器に導入し、オゾン発生器中での無声放
電により酸素の一部をオゾン化することにより得られる
が、不安定で分解し易く、長期保存することが困難なた
め、オゾン使用設備の近傍で製造して直ちに使用設備に
供給するようにしている。
【0003】前記オゾン発生器によりオゾンを発生させ
る際、酸素の全量がオゾンに転化することはなく、酸素
のオゾンへの転化率は、操業条件によっても異なるが、
経済的な操業条件では通常6〜10重量%であり、これ
は、供給する酸素含有ガスの酸素濃度には依存しない。
したがって、オゾン発生器の負荷と、得られるオゾン含
有ガスのオゾン濃度とを考慮すれば、オゾン発生器に供
給する酸素含有ガスは、できるだけ酸素濃度の高いもの
が有利であって、通常、酸素ガス乃至は酸素富有ガスが
用いられている。オゾン発生器に供給する酸素含有ガス
に酸素ガスを用いれば、得られるオゾン含有ガスのオゾ
ン濃度は6〜10重量%で、残りの90〜94重量%が
酸素となり、オゾンに対して酸素は9倍量以上となる。
【0004】しかし、用途によっては、オゾン濃度のも
っと高いオゾン含有ガスが要望されるため、オゾン発生
器で得られたオゾン含有ガスのオゾンを濃縮することが
行われている。このオゾンの濃縮は、一般に、オゾンを
優先的に吸着する吸着剤にオゾンを吸着させる吸着工程
と、吸着剤に吸着したオゾンを吸着剤から脱着させる脱
着工程とを繰返して行うオゾン吸着装置により行われて
いる。すなわち、低温でオゾンを優先的に吸着するシリ
カゲル等の吸着剤を充填した充填筒を冷却し、ここに前
記オゾン発生器から得られた、例えば10重量%のオゾ
ン含有ガスを導入してオゾンを吸着剤に吸着させた後、
該充填筒を加熱してオゾンを吸着剤から脱着させるとと
もに充填筒内に所定量の掃気ガスを導入し、該掃気ガス
中にオゾンを同伴させて導出することによりオゾン濃度
を20〜30重量%に濃縮するようにしている。なお、
オゾン濃度の上限は、オゾン含有ガスの取扱上の安全性
から、30重量%程度である。
【0005】このようにオゾン吸着装置によりオゾンを
濃縮して供給するにあたって、オゾンを吸着剤に吸着さ
せた後に充填筒から導出されるオゾンをほとんど含まな
いガスは、酸素含有ガスとしてオゾン発生器へ循環使用
するのが一般的であるが、この循環するガス中に酸素以
外の成分、例えば窒素が存在すると、これが循環ライン
内に濃縮してオゾンの発生に支障を来すことになる。し
たがって、オゾンを濃縮して供給する際にオゾン発生器
に原料として導入するガスには、通常、酸素ガスが用い
られている。また、前記掃気ガスには、空気,酸素,窒
素等の各種ガスを用いることができるが、別のガス供給
源を設置する手間を省くため、掃気ガスにも酸素ガスを
使用するのが一般的である。
【0006】ところで、オゾン含有ガスを実際に使用す
るとき、該オゾン含有ガス中の酸素が、オゾン含有ガス
の使用目的によっては障害となることがある。化学反
応、例えば、メチルアルコール溶媒に溶解したオレフィ
ンをオゾンで酸化してアルデヒドを得る場合、酸素が共
存すると、生成するアルデヒドが爆発するおそれがある
ため、ここに供給するオゾン含有ガスは、その酸素濃度
を爆発限界以下に抑える必要がある。しかし、このため
に供給するオゾン含有ガスを希釈すると、オゾン濃度も
低下して反応効率が低下するという不都合があった。
【0007】また、水配管は、微生物による堆積物が付
着することがあるため、酸化作用と殺菌作用とを有する
オゾンを溶解させた水を管内に流通させて微生物の付着
を防止することが行われている。オゾンを溶解させた水
は、水中にオゾン含有ガスを吹き込むことにより得られ
るが、このとき、酸素濃度の高いオゾン含有ガスを吹き
込むと、オゾンと共に酸素も水中に溶解するため、得ら
れたオゾン溶解水には、相当量の溶存酸素が存在するこ
とになる。そして、このようなオゾン溶解水を使用する
と、活性なオゾンは生物系と反応して消耗するが、溶存
酸素は、水中に残留して配管内部の腐食の原因となる。
しかし、溶存酸素濃度を低くするために吹き込むオゾン
含有ガスを希釈すると、オゾンの濃度までが低下し、微
生物による堆積物の付着を充分に防止できないという不
都合があった。
【0008】そこで本発明は、オゾン含有ガス中のオゾ
ン濃度の低下を抑えて酸素濃度のみを低減させることが
でき、必要なオゾン濃度を有する低酸素濃度のオゾン含
有ガスを供給することができる方法を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の低酸素濃度オゾンの供給方法は、オゾンを
優先的に吸着する吸着剤を充填した充填筒にオゾン・酸
素含有ガスを導入し、前記吸着剤にオゾンを吸着させた
後、該吸着剤からオゾンを脱着させるとともに酸素を含
まない掃気ガスを充填筒に導入し、該掃気ガスにオゾン
を同伴させて充填筒から導出し、必要に応じて酸素を含
まないガスを混合して所定のオゾン濃度に調節した後、
オゾン使用設備に供給することを特徴としている。
【0010】すなわち、本発明の低酸素濃度のオゾン含
有ガスを供給する方法は、酸素含有ガスをオゾン発生器
へ導入し、オゾンを発生させてオゾン含有ガスとした
後、該オゾン発生器から導出したオゾン含有ガスを、酸
素に比べてオゾンを優先的に吸着する吸着剤を充填した
充填筒に導入してオゾンを吸着剤に吸着させた後、酸素
を含まない掃気ガス、例えば窒素ガスを充填筒に導入し
ながらオゾンを吸着剤から脱着させ、掃気ガス中にオゾ
ンを同伴させて充填筒から導出することにより低酸素濃
度のオゾン含有ガスを得るものである。
【0011】前記オゾンを優先的に吸着する吸着剤とし
ては、例えば、低温でオゾンを吸着し、高温(前記低温
に比較して高温)でオゾンを脱着する性質を有するシリ
カゲルを使用することができる。このシリカゲルにおけ
る酸素とオゾンとの吸着特性について本発明者らが種々
検討した結果、シリカゲルにおけるオゾンの吸着率は、
5〜10重量%であり、酸素とオゾンとの吸着量比は、
0.27〜0.4対1の範囲であることが判明した。す
なわち、オゾン含有ガスを、シリカゲルを用いて吸脱着
させるとともに、掃気ガスに酸素を含まないガスを用い
ることにより、得られるオゾン含有ガスにおける酸素と
オゾンとの比を0.27〜0.4対1にまで低下させる
ことができる。
【0012】また、前記掃気ガスとしては、実質的に酸
素を含まないガスならば各種のガス、例えば、窒素ガ
ス,アルゴンガス等を用いることができ、この掃気ガス
の流量や圧力を適当に選定することにより、得られる低
酸素濃度のオゾン含有ガスにおけるオゾン濃度や圧力を
任意に設定することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照して
さらに詳細に説明する。図1は、本発明方法を実施する
ための装置構成の一例を示すもので、オゾンの吸着剤と
してシリカゲルを充填した3基の充填筒A,B,Cを備
えている。この低酸素濃度オゾンの供給装置は、各充填
筒に接続する配管に設けた切換弁(図示せず)を所定の
順序で切換開閉するとともに、各充填筒を冷却又は加温
することにより、前記3基の充填筒A,B,Cを、吸着
剤を低温に保持してオゾン発生器1から供給されるオゾ
ン含有酸素ガス中のオゾンを吸着剤に吸着させる吸着工
程と、吸着剤を加温して吸着剤からオゾンを脱着させ、
同時に、充填筒内に一定量の掃気ガスを導入して脱着し
たオゾンを掃気ガスに同伴させて導出する脱着工程と、
脱着工程後の吸着剤を前記吸着工程温度に冷却する冷却
工程とに順次切換えて、いわゆる温度変動式吸着分離
(TSA)法によりオゾンを吸着剤に吸脱着させるもの
である。
【0014】ここで、充填筒Aが吸着工程、充填筒Bが
脱着工程、充填筒Cが冷却工程にあるとする。このと
き、原料供給経路2から供給される酸素ガスを原料とし
てオゾン発生器1で発生したオゾン含有酸素ガスは、入
口経路3aを経て吸着工程にある充填筒Aに導入され、
例えば液体窒素や液体酸素等の冷媒により−80℃に冷
却保持されている吸着剤にオゾンが吸着し、オゾンと酸
素との分離が行われる。吸着剤にほとんど吸着しない酸
素ガスは、吸着塔Aから出口経路4aに導出し、酸素ガ
ス回収経路5から原料供給経路2の酸素ガスに合流して
オゾン発生器1に循環供給される。
【0015】また、脱着工程にある充填筒Bでは、ヒー
ター等により吸着剤が所定温度に加温されるとともに、
掃気ガス供給系統6からの酸素を含まない掃気ガス、例
えば窒素ガスが掃気ガス導入経路7,掃気ガス入口経路
8bを介して一定流量で導入されており、吸着剤から脱
着したオゾンは、掃気ガスに伴われてオゾン導出経路9
bに導出し,低酸素濃度オゾン供給系統10から使用先
に供給される。一方、冷却工程にある充填筒Cは、必要
に応じて筒内をオゾン含有酸素ガス等でパージし、前記
冷媒により前記吸着工程の操作温度まで冷却される。
【0016】そして、所定時間経過した後、各経路の弁
が開閉してガスの流路が切換えられ、充填筒Aが吸着工
程から脱着工程に、充填筒Bが脱着工程から冷却工程
に、充填筒Cが冷却工程から吸着工程に、それぞれ切換
えられる。以下、各充填筒を、吸着工程,脱着工程,冷
却工程の順に順次切換えて繰り返すことにより、脱着工
程にあるいずれかの充填筒から連続的に低酸素濃度オゾ
ンが導出される。
【0017】このように、脱着工程時の掃気ガスに酸素
を含まないガス、例えば窒素ガスを用いてオゾンを同伴
させることにより、窒素ガス中に所定濃度のオゾンを含
み、酸素濃度が低いガスを連続的に供給することができ
る。このときの低酸素濃度オゾンにおけるオゾンの濃度
は、装置構成が通常のオゾン濃縮装置と同様なことか
ら、掃気ガスの供給量により任意に設定することがで
き、必要に応じてオゾンを濃縮することもできるので、
例えば、オゾン濃度を20重量%以上に高めることも可
能である。また、低酸素濃度オゾンにおける酸素濃度
は、オゾンの濃度に対して0.27〜0.4となってい
るので、低酸素濃度オゾン供給系統10内を流れる低酸
素濃度オゾンに、掃気ガス導入経路7から分岐した希釈
経路11を介して酸素を含まないガスを添加混合するこ
とにより、酸素濃度を更に低くすることができる。
【0018】なお、オゾン発生器に供給するオゾン原料
ガスとしては、酸素ガス以外の酸素含有ガス、例えば空
気や酸素富有ガスを用いることもできるが、この場合
は、酸素ガス回収経路を設ける必要はない。また、吸着
剤の冷却及び加温の程度は、吸着剤の種類や冷却及び加
温に用いる方式に応じて適宜に設定することが可能であ
り、充填筒の設置数も3基に限るものではない。
【0019】
【実施例】
実験例 シリカゲルを充填した充填筒にオゾン含有ガスを導入
し、充填筒から導出されるガス中のオゾン濃度の経時変
化を測定した。その結果、図2に示すように、時間t1
まではオゾンは検出されず、時間t1でオゾンが検出さ
れた後、時間の経過と共にオゾン濃度が増加し、時間t
2からはオゾン濃度は一定となった。シリカゲルのオゾ
ン吸着量は、時間t2までの時間に流したオゾン量か
ら、時間t1から時間t2までの時間に充填筒から流出
したオゾン量(図の斜線部の面積に相当)を差し引いた
量となる。このようにして、充填したシリカゲルの重量
当たりのオゾン吸着率を算出した。
【0020】そして、市販のシリカゲルを種々用意し、
上記の方法でオゾンの吸着率を測定したところ、シリカ
ゲル重量当たりのオゾン吸着量は、約5〜10重量%の
範囲であった。なお、吸着条件は下記の通りとした。
【0021】 導入ガス組成:オゾン6重量%、酸素94重量% シリカゲル温度:−85℃ 圧力:1kg/cm2 G 実施例1 実験例におけるオゾン吸着量が5重量%のシリカゲル
(S1)と、10重量%のシリカゲル(S2)との2種
のシリカゲルをそれぞれ用い、前記図1に示す構成の装
置で窒素ガスを掃気ガスとして連続運転し、図1に〜
で示す箇所の物質収支を測定した。シリカゲルS1を
用いたときの結果を表1に、シリカゲルS2を用いたと
きの結果を表2に、それぞれ示す。
【0022】
【表1】
【表2】 図3は、アルデヒド−酸素−窒素の状態図上に爆発範囲
を示したものである。図中、アルデヒド−酸素系(三角
図の左斜線)では、酸素7容量%が爆発限界であり、こ
れは重量換算して5.2重量%となる。この図は容量%
で表しており、アルデヒド−酸素−窒素3元系でも酸素
7容量%の爆発限界は変わらないが(図中、直線Aは三
角図の右斜線に平行)、重量%で表わすと、窒素の分子
量がアルデヒドの分子量よりもはるかに小さいので、窒
素の増加とともに爆発限界の数値が大きくなるため、
5.2重量%の爆発限界は3元系での下限値となる。し
たがって、酸素−窒素2元系で酸素濃度5.2重量%以
下にしておけば、爆発範囲から回避することができる。
このため、オゾン含有ガス中の酸素濃度を5.2重量%
以下にすることが要求される。
【0023】上記酸素濃度5.2重量%のオゾン含有ガ
スを得るためには、従来、オゾン発生器で発生したオゾ
ン含有ガスを窒素で希釈していた。したがって、例え
ば、オゾン6重量%、酸素94重量%のオゾン含有ガス
を窒素で希釈して酸素を5.2重量%にすると、オゾン
は0.33重量%に低下してしまう。
【0024】一方、上記シリカゲルS1あるいはシリカ
ゲルS2を用いて得られたオゾン含有ガスの酸素濃度
は、表1,表2に示したとおり、2.7重量%あるいは
4重量%であり、いずれも爆発限界の5.2重量%より
も低いので、そのまま使うことができ、オゾン濃度10
重量%のオゾン含有ガスを使用することができることに
なる。
【0025】比較例1 酸素ガスをオゾン発生器に導入し、導出したオゾン含有
ガスを窒素ガスで希釈して酸素濃度を5.2%重量にし
た場合、オゾン発生器からの導出ガスの組成がオゾン1
0重量%、酸素90重量%のときても、最終的なオゾン
濃度は、0.58重量%に低下してしまう。また、オゾ
ン発生器からの導出ガスを従来の濃縮方法で掃気ガスに
酸素を用いてオゾンを30重量%に濃縮した後、これを
窒素で希釈して酸素濃度を5.2重量%にする場合で
も、オゾン濃度は0.74重量%に低下してしまう。い
ずれにしても、オゾン濃度が1重量%以下となってしま
い、オゾンによる効果的な酸化作用が期待できない。
【0026】実施例2 水配管の生物系付着物の付着を防止するためのオゾン含
有水を製造した。オゾンの水に対する溶解濃度は、水中
に吹き込むオゾン含有ガスにおけるオゾンの分圧、即ち
濃度に依存するが、通常、ガス中のオゾン濃度が約1重
量%のときで、水1リットル当たり約4mgのオゾンが
溶解する。
【0027】そこで、前記実施例1で得た表1,表2に
示すオゾン含有ガスを、それぞれ窒素ガスで10倍に希
釈してオゾン濃度を1重量%とし、これを水に吹き込ん
でオゾン含有水を製造し、鉄配管内に流通させた。この
とき、ガス中の酸素濃度は、それぞれ、0.27重量
%,0.4重量%となる。その結果、生物系付着物の付
着はなく、鉄配管内面の腐食も認められなかった。
【0028】比較例2 オゾン濃度30重量%、酸素濃度70重量%のガスを3
0倍に希釈し、オゾン濃度1重量%、酸素濃度2.3重
量%のガスとし、これを実施例2と同様の試験に供した
ところ、生物系付着物の付着は防止されたが、鉄配管内
面に褐色の錆びが観察された。
【0029】実施例2及び比較例2の結果について考察
すると、鉄−水系では、溶存酸素によって腐食が促進さ
れることが知られており、一般に、水1リットル当たり
の溶存酸素量が1mg程度になると腐食のおそれがある
ため、通常は、これよりも溶存酸素を低くして腐食を防
止している。そこで、オゾンと共に溶解する酸素が、ガ
ス中の酸素分圧による飽和濃度であると仮定すると、実
施例2の場合は、水1リットル当たりの酸素量が0.1
mgあるいは0.15mgとなり、1mgよりはるかに
溶存酸素が低いのに対し、比較例2の場合は、酸素量が
0.9mgとなるため、この溶存酸素の影響で配管内面
に腐食が発生したものと考えられる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の低酸素濃
度オゾンの供給方法によれば、所望のオゾン濃度で、酸
素含有量の少ないオゾン含有ガスを供給することができ
るので、オゾンの酸化力や殺菌作用を低下させることな
く、酸素の悪影響を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を実施するための装置構成の一例
を示す系統図である。
【図2】 シリカゲルを充填した充填筒から導出される
ガス中のオゾン濃度の経時変化を示す図である。
【図3】 アルデヒド−酸素−窒素の状態図上に爆発範
囲を示した図である。
【符号の説明】
A,B,C…充填筒、1…オゾン発生器、2…原料供給
経路、3a…入口経路、4a…出口経路、5…酸素ガス
回収経路、6…掃気ガス供給系統、7…掃気ガス導入経
路、8b…掃気ガス入口経路、9b…オゾン導出経路、
10…低酸素濃度オゾン供給系統、11…希釈経路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾンを優先的に吸着する吸着剤を充填
    した充填筒にオゾン・酸素含有ガスを導入し、前記吸着
    剤にオゾンを吸着させた後、該吸着剤からオゾンを脱着
    させるとともに酸素を含まない掃気ガスを充填筒に導入
    し、該掃気ガスにオゾンを同伴させて充填筒から導出す
    ることを特徴とする低酸素濃度オゾンの供給方法。
  2. 【請求項2】 前記充填筒から導出したオゾン含有掃気
    ガスに、酸素を含まないガスを混合して所定のオゾン濃
    度に調節することを特徴とする請求項1記載の低酸素濃
    度オゾンの供給方法。
JP8221061A 1996-08-22 1996-08-22 低酸素濃度オゾンの供給方法 Pending JPH1067501A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010285317A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Sumitomo Seika Chem Co Ltd アルゴン精製方法、アルゴン精製装置、目的ガス精製方法、および目的ガス精製装置

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