JPH1065570A - 無線装置及び歪み補償方法 - Google Patents

無線装置及び歪み補償方法

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JPH1065570A
JPH1065570A JP8223394A JP22339496A JPH1065570A JP H1065570 A JPH1065570 A JP H1065570A JP 8223394 A JP8223394 A JP 8223394A JP 22339496 A JP22339496 A JP 22339496A JP H1065570 A JPH1065570 A JP H1065570A
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興志 高田
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幸弘 森山
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優 椛島
Yuji Kaneko
祐司 金子
Kimiya Osaki
仁也 大崎
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリディストーション処理により送信信号の
歪みを補償する無線装置及び歪み補償方法に関し、歪み
補償処理の高速化を図る。 【解決手段】 送信データと帰還データとを比較して送
信データにプリディストーション処理を施す演算・制御
部1と、DA変換器2,ローパスフィルタ3,直交変調
器4,周波数変換器5,送信電力増幅器6を含む送信系
の装置と、方向性結合器7により分岐された送信信号を
入力する周波数変換器11,直交復調器12,AD変換
器13を含む帰還系の装置とを有し、周波数変換器5と
送信電力増幅器6との電源を電源制御部14によりオフ
とした時に、演算・制御部1からオフセット検出用デー
タを送出し、その時の直交変調器4の出力信号の電力値
を検出するRSSI検出回路15と、AD変換器16と
を設け、演算・制御部1は、電波送出停止時に直交変調
器4のオフセット検出を行う構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリディストーシ
ョン処理により送信信号の歪み補償を行う無線装置及び
歪み補償方法に関する。QAM方式等の変調方式を適用
したディジタル無線通信方式が実用化されており、この
ような変調方式に於いては、非線形歪みを抑えて帯域の
広がりによる隣接チャネルへの妨害を防止し、無線周波
数の有効利用を図ることが要望されている。その為の各
種の歪み補償方式が提案されている。例えば、アナログ
方式のLINC方式,フィードフォワード方式,アナロ
グカルテシアン方式,ポーラループ方式等が知られてお
り、又ディジタル方式のプリディストーションを用いた
適応線形化方式等も知られている。
【0002】
【従来の技術】図7は従来例の要部説明図であり、エン
ベロープ検出型歪み補償方式を適用した無線装置の要部
を示し、61は演算・制御部、62はDA変換器(D/
A)、63は直交変調器、64はローパスフィルタ(L
PF)、65は周波数変換器、66は送信電力増幅器、
67は方向性結合器、68はアンテナ、69は基準搬送
波の発振器、70は送信周波数の発振器、71は周波数
変換器、72は直交復調器、73はAD変換器(A/
D)である。
【0003】2チャネルの送信データ又は2系列に変換
した送信データをDA変換器62によりアナログ信号に
変換し、ローパスフィルタ63を介して直交変調器64
に、I,Q信号として入力し、発振器69からの基準搬
送波と、それに対して90度位相差の搬送波とを用いて
直交変調し、周波数変換器65に発振器70の出力信号
を入力して、直交変調信号を送信周波数に変換し、送信
電力増幅器66により増幅して、方向性結合器67を介
してアンテナ68から送信する。
【0004】その送信信号の一部を方向性結合器67に
より分岐して周波数変換器71に入力し、且つ発振器7
0の出力信号を入力してミキシングし、ダウンコンバー
トして直交復調器72に入力する。この直交復調器72
に、発振器69からの基準搬送波と、それに対して90
度位相差の搬送波とを入力して直交復調し、復調出力の
I,Q信号をAD変換器73によりディジタル信号に変
換して演算・制御部61に入力する。
【0005】演算・制御部61は、DSP(ディジタル
・シグナル・プロセッサ)等により構成され、送信系の
I,Q信号と、方向性結合器67により一部分岐した帰
還系のI,Q信号との振幅値を比較し、その差分が零と
なるように、歪み補償係数を演算し、次の送信系のI,
Q信号に対して歪み補償係数を乗算してプリディストー
ション処理する。それにより、アンテナ68から送信さ
れる送信信号の歪みが補償されて、帯域の広がりを抑制
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来例のエンベ
ロープ検出型歪み補償方式の無線装置に於いては、送信
信号を帰還して検波し、送信信号と帰還信号との振幅
を、それぞれディジタル信号に変換して比較すると共
に、送信入力信号のエンベロープを検出して、このエン
ベロープから歪みの補償量を決定するものであり、送信
電力増幅器66等により生じる歪みを補償して帯域の広
がりを抑制することができる。
【0007】しかし、送信系の直交変調器64及び帰還
系の直交復調器(直交検波器)72は、演算増幅器等を
含み、オフセットが存在する場合が一般的であり、その
オフセットにより送信系の信号振幅と帰還系の信号振幅
とにそれぞれ誤差が含まれることになり、正確な歪み補
償ができなくなる問題がある。
【0008】例えば、図7に於けるDA変換器62の出
力点に於けるI,Q信号による原点をAとすると、直交
変調器64のオフセットにより原点はBに移動し、更に
直交復調器72のオフセットにより原点はA’に移動す
ることがある。この場合、演算・制御部61にはAD変
換器73を介してこのA’点を原点とした復調出力ディ
ジタル信号が入力されることになり、このオフセットを
補正しないと正確な歪み補償ができない問題があり、又
このオフセットが大きいと、歪み補償の収束に要する時
間が長くなる問題もある。
【0009】又高速伝送になる程、帯域の広がりが大き
くなるものであり、従って、帯域の広がりに結びつく歪
みを補償する必要性が高くなる。しかし、歪み補償係数
の算出等によるプリディストーション処理も高速処理が
必要となるから、通常のDSPにより構成した演算・制
御部61に於ける演算処理が間に合わなくなる問題があ
る。
【0010】そこで、高速演算処理のDSPを用いるこ
とが考えられるが、非常に高価な構成となる問題があ
る。又TDMA方式のように、自装置に割当てられたタ
イムスロットに於いて送信した送信データを一時的に蓄
積し、次の他のタイムスロットの期間に於いて歪み補償
の演算を行って、次の自装置に割当てられたタイムスロ
ットの送信データに対してプリディストーション処理を
施すことが考えられている。しかし、この場合は、バー
スト毎の歪み補償係数の更新となり、従って、歪み補償
係数が収束するまでに要する時間が長くなる問題があ
る。即ち、収束時間が長くなると、その間に送信される
送信信号は歪みを含むものとなり、帯域の広がりにより
隣接チャネルに妨害を与える問題がある。本発明は、歪
み補償処理の高速化を図り、且つ隣接チャネルへの妨害
を防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の無線装置は、図
1を参照して説明すると、(1)送信データと帰還デー
タとを比較して該送信データにプリディストーション処
理を施す演算・制御部1と、この演算・制御部1の出力
信号を直交変調する直交変調器4と、この直交変調器4
の変調出力信号を送信周波数に変換する周波数変換器5
と、この周波数変換器5の出力信号を増幅する送信電力
増幅器6とを含む送信系の装置と、送信信号の一部を方
向性結合器7等により帰還して直交復調器12により直
交復調して前記帰還データとして演算・制御部1に入力
する帰還系の装置とを有する無線装置に於いて、周波数
変換器5と送信電力増幅器6との電源のオン,オフを制
御する電源制御部14と、直交変調器4の変調出力信号
の電力値を求める検出回路15とを設け、演算・制御部
1は、電源制御部14により周波数変換器5と送信電力
増幅器6との電源をオフとした時にオフセット検出用の
データを送出し、検出回路15による電力値を基に直交
変調器4のオフセットを検出して、オフセット補正を行
わせるオフセット演算制御部を備えている。従って、電
波を放射していない状態に於いて直交変調器4のオフセ
ットを検出して補正するから、送信時の歪み補償係数の
算出処理に於いて高速に収束し、且つ正確に歪み補償を
行うことができる。
【0012】又(2)演算・制御部1は、オフセット演
算制御部によるオフセット補正値を、直交変調器4の直
交変調時のリファレンス電圧として、直交変調器4に入
力する構成を備えることができる。即ち、直交変調器4
に於いてオフセット補正を行う構成とする。
【0013】又(3)本発明の歪み補償方法は、送信デ
ータと帰還データとを比較して該送信データにプリディ
ストーション処理を施す演算・制御部1と、この演算・
制御部1の出力信号を直交変調する直交変調器4と、こ
の直交変調器4の変調出力信号を送信周波数に変換する
周波数変換器5と、この周波数変換器5の出力信号を増
幅する送信電力増幅器6とを含む送信系の装置と、送信
信号の一部を帰還して直交復調器12により直交復調し
て前記帰還データとして、演算・制御部1に入力する帰
還系の装置とを有する無線装置に於ける歪み補償方法に
於いて、周波数変換器5と送信電力増幅器6との電源を
オフとし、且つ直交変調器4の変調出力信号の変調信号
点が異なる象限となるオフセット検出用のデータを演算
・制御部1から送出し、このデータによる直交変調器4
の変調出力信号の電力値を検出し、この電力値の比較処
理により直交変調器4のオフセットを検出する過程を含
むものである。
【0014】又(4)オフセット検出用のデータにより
直交変調器4のオフセットの方向を推定し、摂動アルゴ
リズムによりオフセット位置を探索する過程を含むこと
ができる。
【0015】又(5)直交復調器12により復調された
帰還データの前記オフセット検出用データの変化点を除
く安定点の帰還データをサンプル値とし、このサンプル
値を基に直交変調器4のオフセット検出を行う過程を含
むことことができる。即ち、オフセット検出用データも
ローパスフィルタ3を介して直交変調器4に入力される
から、データの変化点は急峻でなくなり、その変化点の
近傍の値は不正確なものとなるから、この不正確なサン
プル値を除くことにより、オフセット検出精度を向上す
る。
【0016】又(6)送信割当タイムスロット以外のタ
イムスロットに於いて、電源制御部14により周波数変
換器5及び送信電力増幅器6の電源をオフとし、演算・
制御部1からオフセット検出用のデータを送出して、直
交変調器4のオフセットを検出する過程を含むことがで
きる。即ち、TDMA方式に於いて、自装置に割当てれ
らたタイムスロットに於いては直交変調により送信し、
その他のタイムスロットに於いて電波を放射することな
く、オフセット検出や歪み補償係数の演算処理等を行う
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
の説明図であり、1は演算・制御部、2はDA変換器
(D/A)、3はローパスフィルタ(LPF)、4は直
交変調器、5は周波数変換器、6は送信電力増幅器、7
は方向性結合器、8はアンテナ、9は基準搬送波の発振
器、10は送信周波数の発振器、11は周波数変換器、
12は直交復調器、13はAD変換器(A/D)、14
は電源制御部、15は検出回路、16はAD変換器(A
/D)、17は分岐回路である。
【0018】DA変換器2とローパスフィルタ3と直交
変調器4と送信キミサ5と送信電力増幅器6とを含む送
信系の装置と、周波数変換器11と直交復調器12とA
D変換器13とを含む帰還系の装置とについては、図6
に示す従来例と同様であるが、送信系の装置の中の周波
数変換器5と送信電力増幅器6とは、電源制御部14に
よって電源のオン,オフが制御される。周波数変換器5
と送信電力増幅器6との電源がオフとなると、それらの
動作は停止されて、アンテナ8からの電波の放射は停止
される。
【0019】又検出回路15は、RSSI(Received
Signal Strength Indicator)検出回路に相当し、直
交変調器4の変調出力信号の一部を分岐回路17により
分岐して入力し、変調出力信号の電力値を検出してAD
変換器16によりディジタル信号に変換し、演算・制御
部1に入力する。その場合、演算・制御部1からオフセ
ット検出用のデータを出力した時の検出回路15による
検出電力値を演算・制御部1に入力することにより、演
算・制御部1は、直交変調器4のオフセットを検出す
る。この直交変調器4のオフセットを検出して補正する
ことにより、送信系のI,Q信号と帰還系のI,Q信号
との振幅を比較し、歪み補償係数を算出する過程に於い
て、その収束を高速化することができる。なお、RSS
I検出回路は、通常の無線装置に設けられている場合が
多いものであるから、そのRSSI検出回路を利用する
ことも可能である。
【0020】図2はオフセット検出処理の説明図であ
り、図1のDA変換器2の出力点に於けるI’(t),
Q’(t)の直交座標の原点をAとし、直交変調器4の
出力点に於けるRI,RQの直交座標の原点がオフセッ
トが存在する為にBであるとすると、演算・制御部1
は、電源制御部14に指示して周波数変換器5と送信電
力増幅器6との電源をオフとし、且つ変調信号点が、例
えば、α(x,0),β(0,x),γ(−x,0),
ε(0,−x)となるオフセット検出用のデータを送出
する。
【0021】これらのオフセット検出用のデータは、順
次送出されてDA変換器2によりアナログ信号に変換さ
れ、ローパスフィルタ3を介して直交変調器4に入力さ
れて直交変調され、その変調信号点がα,β,γ,εと
なる。そして、検出回路15によりそれぞれの電力値R
α,Rβ,Rγ,Rεが検出され、AD変換器16によ
りディジタル信号に変換されて演算・制御部1に入力さ
れる。なお、R0はキャリアリーク(オフセット)電力
値を示す。
【0022】演算・制御部1に於いては、 Rα,Rβ>Rγ,Rε → 第3象限 Rγ,Rε>Rα,Rβ → 第1象限 Rα,Rε>Rβ,Rγ → 第2象限 Rβ,Rγ>Rα,Rε → 第4象限 Rα≒Rβ≒Rγ≒Rε → 原点近傍 の条件を基に原点Aに対するオフセットによる原点Bの
方向を判別する。図2の状態に於いては、Rγ,Rε>
Rα,Rβの条件となるから、原点Bは第1象限に位置
することが判る。
【0023】図3はオフセット方向判定処理の説明図で
あり、演算・制御部1からのデータIK ,QK と、検出
回路15による検出電力RK と、AD変換器16に於け
るサンプリングクロック信号SCとを示し、IK =x,
K =0により図2の変調信号点αとなる。又IK
0,QK =xにより変調信号点β、IK =−x,QK
0により変調信号点γ、IK =0,QK =−xにより変
調信号点ε、IK =0,QK =0により変調信号点は原
点Aとなる。
【0024】そして、検出回路15による検出電力値R
K は、R0,Rα,Rβ,Rγ,Rεの何れかとなり、
演算・制御部1に於いては、サンプリングクロック信号
SCに従ってAD変換したサンプル値が入力されて、オ
フセット検出用のデータIK,QK による電力値を識別
することになるが、送信系にはローパスフィルタ3が含
まれているから、実線波形の変化点は点線波形で示すよ
うに緩やかなものとなる。そこで、データ変化点の近傍
の範囲を無効IVとし、データ変化点を除く安定な期間
の範囲を有効SGとして、その有効SGの範囲内のサン
プリング値を用いてオフセット検出処理を行うものであ
る。
【0025】そして、電力値RK を基にオフセットによ
る原点Bの象限を判定し、既に知られている摂動アルゴ
リズムを適用してB点を検出する。例えば、図4に示す
ように、B点が第1象限であると推測できた時に、変調
前の原点A0 からI軸に沿ったA1 ,A2 の軌跡で摂動
し、その時の電力値RA0 ,RA1 ,RA2 を求め、R
0 ≒RA1 ≒RA2 の場合、更にQ軸に沿って摂動処
理することにより、それぞれの電力値を求め、各電力値
が近似している場合は、B点は第1象限に位置している
と判定することができる。それにより、電力値R0を基
にオフセット量のI,Q成分値を得ることができるか
ら、I,Q信号に対してそれぞれオフセット補正を施す
ことができる。
【0026】又A0 点とB点との間の距離が大きいと、
即ち、オフセットが大きいと、ローカルリークによる信
号点を検出する可能性が大きくなり、オフセットの検出
に大きな誤差が生じることになる。そこで、AD変換器
16により変換された電力値の期待値を定め、その期待
値を外れたものは、ローカルリークによるものと判定し
て、オフセット検出の再開を行わせることができる。例
えば、AD変換器16により4ビット構成のディジタル
信号に変換される場合に、その上位2ビットを0とし、
下位2ビットを有意ビットとした期待値を定めて摂動処
理を行うことができる。
【0027】前述の処理により直交変調器4のオフセッ
トを識別できるから、オフセットのI,Q成分値に従っ
て送信I,Qデータを補正して、直交変調器4のオフセ
ット補正を行い、又電源制御部14によって周波数変換
器5と送信電力増幅器6との電源をオンとして電波を送
出した時、方向性結合器7により送信信号の一部を帰還
して、送信系のI,Qデータと帰還系のI,Qデータと
の振幅を比較してプリディストーション処理を行う時
に、既に直交変調器4のオフセットを補正しているか
ら、歪み補償係数演算を迅速に収束させることができ
る。
【0028】図5は本発明の第2の実施の形態の説明図
であり、21はDSP等により構成され、プリディスト
ーション演算制御部44とオフセット演算制御部45等
の機能を含む演算・制御部、22は送信系バッファメモ
リ(BFM)、23はDA変換器及びローパスフィルタ
(D/A+LPF)、24は直交変調器、25は図示を
省略した発振器からの送信周波数の信号を入力してアッ
プコンバータとして動作する周波数変換器(FC)、2
6は送信電力増幅器、27は方向性結合器、28はアン
テナ、29は基準搬送波を発生する発振器である。
【0029】又31は図示を省略した発振器からの送信
周波数の信号を入力してダウンコンバータとして動作す
る周波数変換器(FC)、32は直交復調器(直交検波
器)、33はAD変換器(A/D)、34は周波数変換
器25と送信電力増幅器26との電源のオン,オフを制
御する電源制御部、35はRSSI検出回路等の検出回
路、36はAD変換器(A/D)、37は帰還系バッフ
ァメモリ(BFM)、38はコーディック(CODE
C)、39はTDMA制御部、40は入力バッファメモ
リ、41はメモリ(MEM)、42はキーボード等の操
作部、43は各部を制御するマイクロプロセッサ等のプ
ロセッサ(CPU)である。
【0030】入力されたアナログ音声信号は、コーディ
ック38により符号化され、TDMA制御部39により
バーストデータとして処理されて入力バッファメモリ4
0に一時的に蓄積され、演算・制御部21の制御により
I,Q信号に変換されて送信系バッファメモリ22に転
送され、送信タイムスロットに於いて、送信系バッファ
メモリ22からDA変換器及びローパスフィルタ23を
介して直交変調器24に転送されて直交変調される。
【0031】即ち、送信バッファメモリ22からのI,
Q信号はDA変換器及びローパスフィルタ23によりア
ナログ信号に変換され、帯域制限されて直交変調器24
に入力され、発振器29からの基準搬送波とI信号、基
準搬送に対して90度位相差の搬送波とQ信号とがそれ
ぞれ乗算されて合成されることにより、直交変調信号と
なる。
【0032】周波数変換器25及び送信電力増幅器26
は、電源制御部34の制御によって電源オンの状態の時
に、直交変調信号を送信周波数に変換する周波数変換及
び電力増幅を行うものであり、増幅された送信信号は方
向性結合器27を介してアンテナ28から送信される。
【0033】送信信号の一部は方向性結合器27により
分岐されて周波数変換器31に入力されてダウンコンバ
ートされ、直交復調器32に入力されて、発振器29か
らの基準搬送波とそれに対して90度位相差の搬送波と
により直交復調され、AD変換器33によりディジタル
信号に変換され、帰還系バッファメモリ37に一旦蓄積
され、この帰還系バッファメモリ37から演算・制御部
21に帰還信号として入力される。
【0034】又検出回路35は、直交変調器24の変調
出力信号の電力値を検出し、AD変換器36によりディ
ジタル信号に変換し、演算・制御部21に入力する。又
プロセッサ43は、操作部42からの各種の設定パラメ
ータ等に従って各部を制御するものであり、又メモリ4
1は、リードオンリメモリやランダムアクセスメモリ等
により構成され、歪み補償係数や他のパラメータ等を格
納している。
【0035】又歪み補償制御を開始する前に、前述の実
施の形態と同様に、電源制御部34により周波数変換器
25と送信電力増幅器26との電源をオフとして、アン
テナ28から電波が放射されない状態とし、演算・制御
部21から図2について説明したような変調信号点α,
β,γ,εとなる送信データを出力する。直交変調器2
4の変調出力信号は、その送信データに対応したものと
なるが、オフセットを含む場合に、それぞれの電力値が
異なるものとなり、検出回路35により検出した電力値
を基に、演算・制御部21のオフセット演算制御部45
に於いて直交変調器24のオフセットを検出する。
【0036】そして、電源制御部34により周波数変換
器25及び送信電力増幅器26の電源をオンとし、アン
テナ28から電波を放射する状態として送信を開始す
る。そして、演算・制御部21のプリディストーション
演算制御部44は、送信系バッファメモリ22から送信
済みの送信データを読出し、又帰還系バッファメモリ3
7から帰還データを読出して、メモリ41に格納された
レベル対応の歪み補償係数を用い、且つ前述のように検
出回路35による直交変調器24の変調出力信号の電力
値を用いて求めた直交変調器24のオフセットの値を含
めて、次の送信データに対するプリディストーション処
理を施し、送信系バッファメモリ22に蓄積する。それ
によって、送信信号の歪みを正確に補償することができ
る。
【0037】例えば、1フレームを40msとし、10
msの第1〜第4のタイムスロットの何れかを割当てる
TDMA方式の場合に、第1タイムスロットが割当てら
れたとすると、演算・制御部21は、第1タイムスロッ
ト以前に、入力バッファメモリ40から送信データを取
込み、I,Q信号に変換し、プリディストーション演算
制御部44に於いて送信データのレベルに対応した歪み
補償係数を用いてプリディストーション処理を行い、送
信系バッファメモリ22に書込む。
【0038】DA変換器及びローパスフィルタ23は、
割当てられた第1タイムスロットに於いて、送信系バッ
ファメモリ22からI,Q信号を読出してDA変換し、
直交変調器24に入力して直交変調し、周波数変換器2
5,送信電力増幅器26,方向性結合器27を介してア
ンテナ28から送信する。
【0039】又方向性結合器27を介して分岐した送信
信号の一部を周波数変換器31により周波数変換し、直
交復調器32により直交復調し、AD変換器33により
AD変換して帰還系バッファメモリ37に蓄積する。従
って、送信系バッファメモリ22には第1タイムスロッ
トに於いて送信する送信データが格納され、又帰還系バ
ッファメモリ37にはその送信データに対応する帰還デ
ータが格納されることになる。
【0040】又演算・制御部21は、第1タイムスロッ
ト及び次の第2〜第4タイムスロットに於いて、送信系
バッファメモリ22の送信データと、帰還系バッファメ
モリ37の帰還データとを1サンプル毎に読出して振幅
値を比較し、その振幅値が零となるように、歪み補償係
数の演算処理を行う。この場合、オフセット演算制御部
45に於いて求めた直交変調器24のオフセット補正を
同時に行うことができる。そして、算出された歪み補償
係数を基に次の送信データについてのプリディストーシ
ョン処理を行う。
【0041】又第2〜第4タイムスロットに於いて、電
源制御部34により周波数変換器25と送信電力増幅器
26との電源をオフとし、演算・制御部21からオフセ
ット検出用のデータを送出することにより、不要な電波
を放射することなく、オフセット演算制御部45により
直交変調器24のオフセット検出を行わせることができ
る。なお、送信系バッファメモリ22と帰還系バッファ
メモリ37とを省略した構成とすることも可能であり、
その場合にも、前述のように、直交変調器24のオフセ
ット検出を行うことにより、そのオフセット補正を行っ
て、歪み補償の精度を向上することができる。
【0042】図6は本発明の第3の実施の形態の要部説
明図であり、51は演算・制御部、52,55,56,
58はDA変換器(D/A)、53,57はローパスフ
ィルタ(LPF)、54は直交変調器、59はコーディ
ック(CODEC)、60はTDMA制御部である。
【0043】演算・制御部51は、前述のように、直交
変調器54のオフセットを検出し、このオフセット量に
対応した補正値をDA変換器55,58によりアナログ
信号に変換し、直交変調器54に於けるリファレンス電
圧Iref,Qrefとしてオフセット補正を行うもの
である。即ち、直交変調器54のオフセットの象限及び
大きさを検出することができるから、オフセットのI,
Q成分値に従ったリファレンス電圧Iref,Qref
を形成し、直交変調時に、入力されたI,Q信号に加算
又は減算することにより、オフセット補正を行うことが
できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、送信系
の周波数変換器5及び送信電力増幅器6の電源をオフと
した時のオフセット検出用データによる直交変調器4の
変調出力信号の電力値を、検出回路15に於いて検出
し、その検出値により直交変調器4のオフセットの方向
及び大きさを識別して、そのオフセット補正を行うもの
である。従って、妨害波を送出することなく、送信系の
直交変調器4のオフセットを検出できることになり、且
つオフセット補正を行うことにより、送信データと帰還
データとを比較して歪み補償を行う処理を迅速に収束さ
せることができる利点がある。
【0045】又演算・制御部1に於けるプリディストー
ション処理と同時的にオフセット補正を行うか、又は直
交変調器4に於いてオフセットのI,Q成分値に従った
リファレンス電圧としてオフセット補正を行うことがで
きる。又オフセット検出用のデータは、図タイムスロッ
トに示す順序に限定されるものではなく、又他のI,Q
信号の組合せを適用することも可能である。即ち、オフ
セット検出用のデータを演算・制御部1から送出してい
る期間に於いては、電波が送出されないように電源制御
部14により制御されているから、任意のオフセット検
出用のデータを適用することができる。
【0046】又TDMA方式又はTDMA/TDD方式
等に適用した場合、自装置に割当てられたタイムスロッ
ト以外のタイムスロットを利用してオフセット検出を行
うことが可能となり、直交変調器4の経時変化に対応し
ても追従してオフセット補正を行うことができる。それ
によって、正確な歪み補償が可能となり、帯域の広がり
を抑えて隣接チャネルへの妨害を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図2】オフセット検出処理の説明図である。
【図3】オフセット方向判定処理の説明図である。
【図4】摂動アルゴリズムの説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の要部説明図であ
る。
【図7】従来例の要部説明図である。
【符号の説明】
1 演算・制御部 2 DA変換器(D/A) 3 ローパスフィルタ(LPF) 4 直交変調器 5 周波数変換器 6 送信電力増幅器 7 方向性結合器 9 基準搬送波の発振器 10 送信周波数の発振器 11 周波数変換器 12 直交復調器 13 AD変換器(A/D) 14 電源制御部 15 検出回路 16 AD変換器(A/D)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椛島 優 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目22番8 号 富士通九州ディジタル・テクノロジ株 式会社内 (72)発明者 金子 祐司 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目22番8 号 富士通九州ディジタル・テクノロジ株 式会社内 (72)発明者 大崎 仁也 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目22番8 号 富士通九州ディジタル・テクノロジ株 式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信データと帰還データとを比較して該
    送信データにプリディストーション処理を施す演算・制
    御部と、該演算・制御部の出力信号を直交変調する直交
    変調器と、該直交変調器の変調出力信号を送信周波数に
    変換する周波数変換器と、該周波数変換器の出力信号を
    増幅する送信電力増幅器とを含む送信系の装置と、送信
    信号の一部を帰還して直交復調器により直交復調して前
    記帰還データとして前記演算・制御部に入力する帰還系
    の装置とを有する無線装置に於いて、 前記周波数変換器と前記送信電力増幅器との電源のオ
    ン,オフを制御する電源制御部と、前記直交変調器の変
    調出力信号の電力値を求める検出回路とを設け、 前記演算・制御部は、前記電源制御部により前記周波数
    変換器と前記送信電力増幅器との電源をオフとした時に
    オフセット検出用のデータを送出し、前記検出回路によ
    る電力値を基に前記直交変調器のオフセットを検出し
    て、オフセット補正を行わせるオフセット演算制御部を
    備えたことを特徴とする無線装置。
  2. 【請求項2】 前記演算・制御部は、前記オフセット演
    算制御部によるオフセット補正値を、前記直交変調器の
    直交変調時のリファレンス電圧として該直交変調器に入
    力する構成を備えたことを特徴とする請求項1記載の無
    線装置。
  3. 【請求項3】 送信データと帰還データとを比較して該
    送信データにプリディストーション処理を施す演算・制
    御部と、該演算・制御部の出力信号を直交変調する直交
    変調器と、該直交変調器の変調出力信号を送信周波数に
    変換する周波数変換器と、該周波数変換器の出力信号を
    増幅する送信電力増幅器とを含む送信系の装置と、送信
    信号の一部を帰還して直交復調器により直交復調して前
    記帰還データとして前記演算・制御部に入力する帰還系
    の装置とを有する無線装置に於ける歪み補償方法に於い
    て、 前記周波数変換器と前記送信電力増幅器との電源をオフ
    とし、且つ前記直交変調器の変調出力信号の変調信号点
    が異なる象限となるオフセット検出用のデータを前記演
    算・制御部から送出し、該データによる前記直交変調器
    の変調出力信号の電力値を検出し、該電力値の比較処理
    により前記直交変調器のオフセットを検出する過程を含
    むことを特徴とする歪み補償方法。
  4. 【請求項4】 前記オフセット検出用のデータにより前
    記直交変調器のオフセットの方向を推定し、摂動アルゴ
    リズムによりオフセット位置を探索する過程を含むこと
    を特徴とする請求項3記載の歪み補償方法。
  5. 【請求項5】 前記直交復調器により復調された帰還デ
    ータの前記オフセット検出用データの変化点を除く安定
    点の帰還データをサンプル値とし、該サンプル値を基に
    前記直交変調器のオフセット検出を行う過程を含むこと
    を特徴とする請求項3記載の歪み補償方法。
  6. 【請求項6】 送信割当タイムスロット以外のタイムス
    ロットに於いて、前記電源制御部により前記周波数変換
    器及び送信電力増幅器の電源をオフとし、前記演算・制
    御部からオフセット検出用のデータを送出して前記直交
    変調器のオフセットを検出する過程を含むことを特徴と
    する請求項3乃至5の何れか1項記載の歪み補償方法。
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Cited By (6)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100299027B1 (ko) * 1998-10-07 2001-09-22 윤종용 무선단말기의출력전력검출장치_
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