JPH1065336A - 低温焼成ガラスセラミックス多層配線基板とその製造方法 - Google Patents

低温焼成ガラスセラミックス多層配線基板とその製造方法

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JPH1065336A
JPH1065336A JP21487996A JP21487996A JPH1065336A JP H1065336 A JPH1065336 A JP H1065336A JP 21487996 A JP21487996 A JP 21487996A JP 21487996 A JP21487996 A JP 21487996A JP H1065336 A JPH1065336 A JP H1065336A
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JP
Japan
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insulating layer
glass
green sheet
firing
forming
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JP21487996A
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English (en)
Inventor
Yoichi Moriya
要一 守屋
Yoshiaki Yamade
善章 山出
Ichiro Uchiyama
一郎 内山
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面絶縁層が高強度ガラスセラミックス材
料、中間絶縁層が低比誘電率のガラスセラミックス材料
からなる、グリーンシート多層積層法で製造されるガラ
スセラミックス多層配線基板の焼成時の基板の反り、う
ねり、剥離、ひび割れを防止する。 【解決手段】 積層体の一括焼成時に、積層体にその厚
み方向に0.5 kgf/cm2以上の荷重を負荷する。加圧治具
への積層体の融着は、積層体の外面に非焼結性のグリー
ンシートを重ねてから焼成することで防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温焼成ガラスセ
ラミックス多層配線基板とその製造方法に関し、より詳
細には、シリコンチップ (例、LSI) 等の電子部品の
搭載に適した、信頼性の高い外部接続を可能とする低温
焼成ガラスセラミックス多層配線基板とその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁層と配線層が交互に積層されている
セラミックス多層配線基板の製造方法には、厚膜多層印
刷法とグリーンシート多層積層法があるが、多層化が進
むにつれ、グリーンシート多層積層法が主流になってい
る。
【0003】グリーンシート多層積層法では、ドクター
ブレード法等により作製したセラミックス・グリーンシ
ートにビアホール (スルーホールとも呼ばれる) の穴あ
けと導体ペーストの充填および導体ペーストによる内部
配線や表層電極の印刷を行った後、所定枚数を積層プレ
スし、積層体を一括焼成することによりセラミックス多
層配線基板が製造される。セラミックス多層配線基板に
おいて、積層体の両面は内層配線を持たない絶縁層から
なり、この絶縁層に形成されたビアホールを通して、内
部の中間絶縁層に形成された内層配線が表層電極を経て
外部に接続される。
【0004】従来のアルミナからなるセラミックス多層
配線基板は、抗折強度が高いため外部接続信頼性に優れ
ている利点がある一方で、比誘電率が9〜10程度と高い
ので信号遅延が大きく、さらに焼成温度が高いため比抵
抗の高い高融点金属 (W、Mo等) を配線材料として用い
ることもあって、信号伝送損失が大きくなるという欠点
がある。LSIの動作周波数が著しく上昇している現
在、この欠点はコンピュータの高性能化に対して致命的
であり、アルミナに代わるセラミックス系材料の開発が
進められてきた。
【0005】このような問題を解決できるセラミックス
系材料として、比誘電率がアルミナより著しく低く、か
つ焼成温度が低いため低融点で低抵抗金属 (Ag、Cu、Au
等)を配線材料として用いることができる、低温焼成ガ
ラスセラミックス材料が注目されている。
【0006】低温焼成ガラスセラミックス多層配線基板
は、アルミナの代わりに、ガラスと骨材と呼ばれる無機
物質 (一般にセラミックス系材料) との混合物を使用す
る点で、従来のセラミックス多層配線基板と異なる。ガ
ラスと骨材の材料および混合割合の選定により、Ag等の
低抵抗の金属を配線材料として使用できる1050℃以下、
好ましくは900 ℃前後の低温焼成により焼結可能であ
り、かつ比誘電率も4〜6と低くすることが可能である
ので、信号伝送損失は大きく改善される。
【0007】しかし、ガラスセラミックス多層配線基板
では、比誘電率の低下に伴って、抗折強度も低下する傾
向がある。そのため、基板にシリコン・チップ等の電子
部品を外部接続して搭載する場合、例えば、チップに大
きな外力が加わると、接続部ではなく基板が破壊する傾
向があり、外部接続の信頼性を確保できないという問題
が新たに生ずる。
【0008】この問題を解決する手段として、実開昭61
−134081号には、表面の絶縁層を両面とも高強度の材料
(例、結晶化ガラス) から形成し、内層配線に接してい
る中間絶縁層は低比誘電率のガラスセラミックス材料か
ら形成することが提案されている。即ち、信号伝搬を行
う内層配線に接する内部の中間絶縁層は、比誘電率が低
いガラスセラミックス材料により形成するが、外部接続
を行う表面絶縁層は、より高強度の別材料から形成し
て、基板破壊を防ぎ、外部接続の信頼性を高める。表面
絶縁層は基板の伝送速度にはさほどは影響しないため、
表面絶縁層の比誘電率が高くても信号伝送損失はそれほ
ど大きくならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した、表面絶縁層
を高強度ガラスセラミックス材料、中間絶縁層を低比誘
電率のガラスセラミックス材料という、異なる材料で構
成したガラスセラミックス多層配線基板を製造する場
合、一括焼成時に問題がある。
【0010】中間絶縁層は、比誘電率を低下させるた
め、ガラスに配合する骨材としては、比誘電率の低い石
英、石英ガラス等を主成分とするものを使用することが
多い。一方、表面絶縁層は、抗折高度を高めるため、骨
材には高強度のアルミナ、ジルコニア等を主成分とする
ものを使用することが多い。このように、材料系や材料
組成比が異なれば、当然グリーンシートの焼成収縮率も
異なってくる。そのため、中間絶縁層形成用グリーンシ
ートと表面絶縁層形成用グリーンシートとの積層体を一
括焼成すると、基板に層間剥離、ひび割れ、うねり (波
状化) 、反り等が発生し易く、このような欠陥のない、
平坦な基板を得ることが困難で、不合格品の発生率が著
しく高くなることが判明した。
【0011】材料系や材料組成比が異なるグリーンシー
トどうしの焼成収縮率を一致させることは困難であるの
で、使用する2種類またはそれ以上のグリーンシートの
焼成収縮率が異なっていても、基板の層間剥離、ひび割
れ、うねり、反り、を生じないガラスセラミックス多層
配線基板を製造することが望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、焼成収縮
率が互いに異なる中間絶縁層形成用グリーンシートと表
面絶縁層形成用グリーンシートとの積層体を、厚み方向
に加圧しながら一括焼成すると、焼成収縮率の差が大き
くても、基板の層間剥離、ひび割れ、うねり、反りを発
生させずに焼成することができることを見出し、本発明
に到達した。
【0013】ここに、本発明は、グリーンシート多層積
層法により積層体を一括焼成することにより製造された
低温焼成ガラスセラミックス多層配線基板において、表
面絶縁層が内部の中間絶縁層より抗折強度の高いガラス
セラミックス材料から形成され、かつ表面絶縁層形成用
グリーンシートの焼成収縮率と中間絶縁層形成用グリー
ンシートの焼成収縮率とが異なり、積層体の一括焼成時
に厚み方向に加圧を受けたことを特徴とする、低温焼成
ガラスセラミックス多層配線基板である。
【0014】本発明において、「表面絶縁層」とは、両
面とも内層配線層に接していない表面側の絶縁層を意味
し、「中間絶縁層」とは、少なくとも片面が内層配線層
に接している絶縁層を意味する。例えば、最も外側の内
層配線層が表面から3層目と4層目の絶縁層の間に形成
されている場合には、3層目の絶縁層は片面が内層配線
層に接しているので中間絶縁層になり、両面とも内層配
線層に接していない1層目と2層目の絶縁層が表面絶縁
層となる。
【0015】本発明によればまた、中間絶縁層形成用ガ
ラスセラミックス・グリーンシートと、これより抗折強
度の高い焼結体を形成でき、かつこれとは焼成収縮率が
異なる表面絶縁層形成用ガラスセラミックス・グリーン
シートに、所定のビアホール形成とその充填および/ま
たは内層配線もしくは表層電極の印刷を行う工程、両表
面にそれぞれ1枚以上の表面絶縁層用のグリーンシー
ト、内部に複数枚の中間絶縁層用のグリーンシートを配
した積層体の両面を、焼成温度では焼結しない無機材料
からなるグリーンシートで挟んだ多層構造物が得られる
ように積層プレスを行う工程、得られた多層構造物を、
平坦な基板を得るのに十分な荷重で厚み方向に加圧しな
がら1050℃以下の温度で一括焼成する工程、および焼成
体から未焼結部を除去する工程、を含むことを特徴とす
る、低温焼成ガラスセラミックス多層配線基板の製造方
法も提供される。
【0016】異種材料から構成した積層体を一括焼成し
た場合に発生する反りは、そのX−Y平面 (厚み方向と
垂直な平面) での焼成収縮率の差異によるものである。
即ち、焼成収縮は、X、Y、Zの3方向すべてに起こる
が、Z方向 (厚み方向) の焼成収縮率の差異は反りには
寄与しない。X−Y平面での焼成収縮率の差異が大きく
なると、反りだけではこの収縮率の差異を吸収できず、
焼成体に層間剥離、ひび割れ、うねりが発生するように
なる。
【0017】本発明に従って、表面絶縁層形成用と中間
絶縁層形成用の異種のグリーンシートからなる成形体の
一括焼成時に、積層体の厚み方向 (Z方向) に加圧する
と、積層体のX−Y平面での焼成収縮が抑制され、Z方
向のみに焼成収縮を集中させることができる。それによ
り、X−Y平面での焼成収縮の差異に起因する、基板の
剥離、ひび割れ、うねり、反りの発生を防ぐことが可能
となるものと考えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のガラスセラミックス多層
配線基板は、表面絶縁層と中間絶縁層がいずれもガラス
セラミックス材料(即ち、ガラスと骨材の混合物を焼成
した材料)からなるが、その組成が互いに異なり、表面
絶縁層の方がより抗折強度が高い。
【0019】ガラスセラミックス材料は、一般にホウケ
イ酸ガラス (SiO2とB2O3を主成分とし、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、アルミニウム等の他の金属の酸化物
をさらに含有するガラス) に、骨材として各種の無機物
質 (例、アルミナ、石英、溶融石英、コーディエライ
ト、ジルコニア、窒化アルミニウム等のセラミックス材
料) を混合して焼成した材料であり、ガラスと骨材の種
類やその配合割合により、特性や焼成温度が異なる多様
なガラスセラミックス材料を得ることができる。本発明
では、1050℃以下、好ましくは1000℃以下、さらに好ま
しくは950 ℃以下で焼成できるようなガラスセラミック
ス材料を使用する。
【0020】表面絶縁層の役割は、基板やこれに搭載さ
れている電子部品に強い外力が加わったときに、基板の
外部接続部において破壊が起こり、基板破壊を生じない
ように、基板の強度を高めることである。この意味で、
表面絶縁層は、抗折強度が20kgf/mm2以上、特に30 kgf/
mm2以上であることが好ましい。このような高強度のガ
ラスセラミックス材料は、例えば、アルカリ土類金属酸
化物 (例、MgO 、CaO)、アルカリ金属酸化物 (例、Li
2O、Na2O、K2O)、アルミナの1種もしくは2種以上を含
むホウケイ酸ガラスに、アルミナを主成分とする骨材を
配合して得ることができる。ガラスと骨材との配合割合
は、ガラス:骨材の重量比で80:20〜35:65の範囲内と
することが好ましい。もちろん、抗折強度が上記のよう
に高ければ、これ以外の低温焼成可能なガラスセラミッ
クス材料も使用できる。
【0021】表面絶縁層には、内層配線との接続のため
にビアホールが形成される。このビアホールを通る信号
は、内層配線を通る信号に比べれば少ないため、前述し
たように表面絶縁層の比誘電率が比較的高くでも、基板
の伝送速度に大きくは影響しない。しかし、表面絶縁層
が薄いほど、この層のビアホール通過時の信号の遅延
(周囲の比誘電率が比較的高い表面絶縁層による) が少
なくなるので、表面絶縁層の厚みは、上述した基板の強
度確保の目的が達成できる範囲内でできるだけ小さくす
ることが好ましい。これは材料コスト面でも有利であ
る。
【0022】中間絶縁層は、比誘電率が低いガラスセラ
ミックス材料から形成することが好ましい。中間絶縁層
の比誘電率は、好ましくは6以下、さらに好ましくは5
以下である。このような比誘電率が低いガラスセラミッ
クス材料は、例えば、SiO2とB2O3以外の他の金属酸化物
の含有量が少なく (例、合計で10重量%以下) 、かつア
ルカリ土類金属酸化物をほとんど含まないホウケイ酸ガ
ラスに、比誘電率の低い石英系材料 (石英、溶融石英)
を主成分とする骨材を配合して得ることができる。ガラ
スと骨材との配合割合は、ガラス:骨材の重量比で80:
20〜35:65の範囲内とすることが好ましい。やはり、比
誘電率が低ければ、その他の低温焼成可能なガラスセラ
ミックス材料も使用できる。
【0023】本発明のガラスセラミックス多層配線基板
は、周知のグリーンシート多層積層法により製造され
る。但し、表面絶縁層と中間絶縁層とで、異なるガラス
セラミックス材料を使用し、表面絶縁層は抗折強度がよ
り高いガラスセラミックス材料から形成し、中間層は好
ましくは比誘電率が低いガラスセラミックス材料から形
成する。表面絶縁層と中間絶縁層のいずれも、それぞれ
2種以上のガラスセラミックス材料から形成することも
できる (その場合、表面絶縁層の最も低い抗折強度が、
中間絶縁層の最も高い抗折強度より高くする) が、通常
は表面絶縁層と中間絶縁層にそれぞれ1種類づつのガラ
スセラミックス材料を使用すればよい。
【0024】表面絶縁層と中間絶縁層のそれぞれのガラ
スセラミックス材料について、周知のドクターブレード
法等により、適当な厚さのガラスセラミックス・グリー
ンシートを形成する。適当な大きさに裁断した各グリー
ンシートに対して、所定のビアホールの穴あけ、導体ペ
ーストによるその充填を行う。中間絶縁層形成用のグリ
ーンシートに対しては、内層配線を形成するように導体
ペーストを印刷し、表面絶縁層形成用のグリーンシート
のうち最外層になるものについても、表層電極を形成す
るように導体ペーストを印刷する。
【0025】その後、両面に1枚以上の表面絶縁層形成
用のグリーンシート、内部に複数枚の中間絶縁層形成用
のグリーンシートを配した積層体を積層プレス法により
形成し、その厚み方向 (Z方向) に加圧しながら積層体
を一括焼成する。この一括焼成時の加圧は、焼成収縮が
Z方向に集中し、X−Y平面での焼成収縮が著しく抑制
できるように、積層体のZ方向に加圧できれば、どのよ
うな手段で達成してもよい。
【0026】ただし、ガラスセラミックス材料の積層体
を、例えば2枚の加圧治具の間に挟んでZ方向に加圧し
て焼成すると、焼成中に軟化したガラスが加圧治具に融
着するため、焼成された基板が加圧治具に固着し、基板
を加圧治具から分離することが困難となる。
【0027】このような焼成中の基板の加圧治具への固
着を防ぐには、焼成温度では焼結しない無機材料からな
るグリーンシート (以下、非焼結性グリーンシートとい
う)を、前記積層体の上下の両面に積層してから一括焼
成を行えばよい。即ち、一括焼成の前に、この非焼結性
グリーンシートが加圧治具と接触する最外層を構成し、
その内部に前記積層体を挟んだ多層構造物を形成する。
【0028】この多層構造物は、前記積層体を形成する
ための積層プレス工程において、両面の最外層として非
焼結性グリーンシートを1枚づつ以上配置することによ
り、1回の積層プレスにより形成することもでき、或い
は上記のガラスセラミックス・グリーンシートからなる
積層体を積層プレス法で形成した後、さらにその両面に
非焼結性グリーンシートを積層プレスすることにより、
2回の積層プレスで形成することもできる。
【0029】非焼結性グリーンシートは、焼成温度で溶
融しない無機材料の粉末と、焼成温度では蒸発または分
解する有機樹脂や有機溶媒等とから構成することができ
る。無機バインダーとなるガラスや焼結助剤は添加しな
い。適当な無機材料の例としては、アルミナ、窒化アル
ミニウムなどが挙げられるが、これら以外のガラスとの
反応性が低い材料も使用可能である。このグリーンシー
トの厚みは、焼成中に溶融したガラスセラミックス・グ
リーンシート中のガラスが、この非焼結性グリーンシー
ト (多孔質) を経て加圧治具に接触するのを防ぐのに十
分であればよい。通常は、厚み50〜300 μm程度であれ
ばよいが、必要に応じて変動させる。
【0030】この両面の最外層が非焼結性グリーンシー
トからなる多層構造物を、加圧治具の間に挟んで、Z方
向に加圧しながら一括焼成する。加圧時の負荷荷重は、
焼成後に平坦で表面に欠陥がない基板が得られるように
選択すればよい。通常は、負荷荷重は0.5 kgf/cm2 以上
とすることが好ましい。荷重が0.5 kgf/cm2 未満だと、
積層体のX−Y平面での焼成収縮の抑制が不十分とな
り、反りやひび割れが発生することがある。好ましい荷
重は 0.5〜20 kgf/cm2である。焼成温度は、1050℃以
下、好ましくは1000℃以下、より好ましくは950 ℃以
下、例えば、900 ℃前後である。焼成中に各グリーンシ
ートから多量のガス (蒸気) が発生するので、ガス抜け
が良くなるように、加圧治具を有孔板から構成してもよ
い。
【0031】このように焼成温度が低いので、ガラスセ
ラミックス・グリーンシートに用いる導体ペーストに
は、Ag、Au、Cuなどの低融点で比抵抗の低い金属または
これらの金属の合金または混合物 (例、Ag−Pd系) を使
用できる。焼成雰囲気は導体ペーストがCuを含む場合に
は還元性または不活性雰囲気とする必要があるが、Agや
Auでは大気中で焼成できる。
【0032】焼結物と加圧治具との間に非焼結性グリー
ンシートが介在しているため、焼成により得られたガラ
スセラミックス多層配線基板は、加圧治具に固着してお
らず、加圧治具から簡単に取り出せる。多層構造物の最
外層を構成していた非焼結性グリーンシートは、焼結せ
ず、焼成中にバインダーであった有機樹脂が失われたた
め、一般にボロボロに粉化しており、基板から容易に除
去することができる。この非焼結性グリーンシート中の
無機材料の粉末の一部が基板の表面に融着している場合
には、研磨等の手段で除去すればよい。
【0033】
【実施例】実施例で使用した中間絶縁層および表面絶縁
層のガラスセラミックス材料のガラスと骨材の組成およ
びその配合比をそれぞれ表1および表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】上記組成のガラスと骨材をそれぞれ平均粒
径 0.5〜5μmに粉砕した後、有機バインダー (例、ア
クリル樹脂) 、有機溶剤 (例、キシレン) 、可塑剤
(例、ジオクチルフタレード) 、分散剤を適量添加し
て、アルミナボールミルで混合した後、ドクターブレー
ド法によりシート成形し、100 ℃で10分間加熱乾燥し
て、それぞれ厚み150 μmの表面絶縁層形成用グリーン
シートと中間絶縁層形成用グリーンシートを作成した。
【0037】この2種類の各グリーンシートを単独で大
気中にて焼成して得た基板の材料特性を表3に示す。表
3に示した焼成収縮率は、X方向とY方向の収縮率の平
均値である。
【0038】
【表3】
【0039】次に、各グリーンシートを適宜寸法に切断
し、ビアホールを形成した後、内層配線とビアホールの
穴埋めには市販のAgペーストを、表層配線はAgとPdの割
合が重量比で8:2の混合金属粉末と有機樹脂 (エチル
セルロース系樹脂) および有機溶剤 (テルピネオール)
からなるAg−Pdペーストを用いて、各グリーンシートを
印刷、穴埋めした。
【0040】その後、中間絶縁層形成用グリーンシート
6枚の上下両面に2枚づつの表面絶縁層形成用グリーン
シートを配して積層プレスして積層体を得た。さらに、
アルミナ粉末と有機樹脂 (例、アクリル樹脂) および有
機溶剤 (例、キシレン) からなる、厚み200 μmの非焼
結性グリーンシートを、この積層体上下面に積層プレス
し、最外寸法が60mm角の正方形の多層構造物を作成し
た。
【0041】この多層構造物を、炭化珪素系耐火レンガ
製の有孔板からなる加圧治具の間に挟んで厚み方向に各
種の荷重で加圧しながら、大気中にて最高保持温度900
℃×30 m分の一括焼成を行った。いずれの場合も、焼成
後に基板は加圧治具に固着しておらず、簡単に取り出せ
た。また、非焼結性グリーンシートは粉化しており、ブ
ラシで簡単に基板から除去できた。焼成中に積層体の上
下面 (厚み方向) に負荷した荷重と焼成後の基板の状態
を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】0.5 kgf/cm2 以上の荷重を厚み方向に加え
ながら積層体を一括焼成すると、表面絶縁層と中間絶縁
層を異種材料から構成しても、反りがなく平坦で、層間
剥離やひび割れといった欠陥のないガラスセラミックス
多層配線基板が得られることがわかる。ただし、平坦な
基板が得られる最低荷重は、積層体の厚み、および表面
絶縁層厚みと中間絶縁層厚みとの比で異なるため、必ず
しも0.5 kgf/cm2 以上の荷重で平坦になるとは限らな
い。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る低温
焼成ガラスセラミックス多層配線基板とその製造方法に
あっては、表面絶縁層を中間絶縁層とは異種のより高強
度のガラスセラミックス材料から形成し、これらの絶縁
層を形成するグリーンシートの焼成収縮率が互いに異な
るが、上記のように厚み方向に加圧しながら一括焼成を
行うことにより、焼成収縮がZ方向に集中し、基板の層
間剥離、ひび割れといった欠陥がなく、平坦なガラスセ
ラミックス多層配線基板を確実に製造することができ
る。
【0045】このガラスセラミックス多層配線基板の絶
縁層は、表面が高強度であり、内部は好ましくは低比誘
電率であるので、基板破壊が防止され、外部接続の信頼
性が確保されると同時に、信号伝送損失も小さい。従っ
て、本発明により、動作周波数の高いLSIの搭載も可
能で、実用的な強度を備えたセラミックス系多層配線基
板の提供が可能となり、コンピュータの高性能化に貢献
する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリーンシート多層積層法により積層体
    を一括焼成することにより製造された低温焼成ガラスセ
    ラミックス多層配線基板において、表面絶縁層が内部の
    中間絶縁層より抗折強度の高いガラスセラミックス材料
    から形成され、かつ表面絶縁層形成用グリーンシートの
    焼成収縮率と中間絶縁層形成用グリーンシートの焼成収
    縮率とが異なり、積層体の一括焼成時に厚み方向に加圧
    を受けたことを特徴とする、低温焼成ガラスセラミック
    ス多層配線基板。
  2. 【請求項2】 低温焼成ガラスセラミックス多層配線基
    板の製造方法であって、 中間絶縁層形成用ガラスセラミックス・グリーンシート
    と、これより抗折強度の高い焼結体を形成でき、かつこ
    れとは焼成収縮率が異なる表面絶縁層形成用ガラスセラ
    ミックス・グリーンシートに、所定のビアホール形成と
    その充填および/または内層配線もしくは表層電極の印
    刷を行う工程、 両表面にそれぞれ1枚以上の表面絶縁層用のグリーンシ
    ート、内部に複数枚の中間絶縁層用のグリーンシートを
    配した積層体の両面を、焼成温度では焼結しない無機材
    料からなるグリーンシートで挟んだ多層構造物が得られ
    るように積層プレスを行う工程、 得られた多層構造物を、平坦な基板を得るのに十分な荷
    重で厚み方向に加圧しながら1050℃以下の温度で一括焼
    成する工程、および焼成体から未焼結部を除去する工
    程、を含むことを特徴とする方法。
JP21487996A 1996-08-14 1996-08-14 低温焼成ガラスセラミックス多層配線基板とその製造方法 Pending JPH1065336A (ja)

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JP21487996A Pending JPH1065336A (ja) 1996-08-14 1996-08-14 低温焼成ガラスセラミックス多層配線基板とその製造方法

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6797093B2 (en) * 2001-06-05 2004-09-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. Glass ceramic multilayer substrate manufacturing method and glass ceramic multilayer substrate product
JP2005323339A (ja) * 2004-03-24 2005-11-17 Soc D Technologie Michelin タイヤ用無線周波数アンテナ及びそのための方法

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