JPH106510A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH106510A
JPH106510A JP16464896A JP16464896A JPH106510A JP H106510 A JPH106510 A JP H106510A JP 16464896 A JP16464896 A JP 16464896A JP 16464896 A JP16464896 A JP 16464896A JP H106510 A JPH106510 A JP H106510A
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Masami Yokota
雅実 横田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造の際に安価で加工性に優れる材料が容易
に選択・使用でき、液路内に残留物がなく閉塞のおそれ
がない安価で信頼性の高いインクジェット記録ヘッドが
作製できる製造方法を提供する。 【解決手段】 吐出圧発生素子が設けられた第1の基板
と液路となる部分を占有する第1の固体層と液室となる
部分を占有する第2の固体層とを順次積層し、その上に
第2の基板を載置し、次いで該第2の基板と前記第1の
基板との間の空隙に前記液路の壁となる樹脂を注入し、
該樹脂を固化した後、前記第1の固体層および前記第2
の固体層を除去する工程を有するインクジェット記録ヘ
ッドの製造方法において、前記第2の固体層の表面に該
第2の固体層と前記液路の壁となる樹脂との相溶を防止
する相溶防止層を設けることを特徴とするインクジェッ
ト記録ヘッドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録ヘッドの製造
方法として、例えば特開昭62−253457号公報に
は、第1の基板上に液路となる部分を占有する固体層
(液路形成予定部位に形成された固体層)を形成し、次
いで活性エネルギー線硬化性材料層および第2の基板を
積層し、続いて液室形成予定部位以外の領域に活性エネ
ルギー線を照射し、その硬化後、液室形成予定部位の未
硬化の活性エネルギー線硬化性材料層を除去して液室を
形成し、次いで、前記の液路となる部分を占有する固体
層を除去して、液路を形成する方法が提案されている。
【0003】しかしながら、上記のような製造方法によ
れば、液路の壁を構成する材料は、液室部がパターニン
グ可能な活性エネルギー線硬化性材料に限定され、信頼
性の高い上記材料を選定する上で大きな制約となってい
た。また、インク滴の吐出性能上、共通液室の高さを十
分に確保したい場合、前記活性エネルギー線硬化材料層
が厚くなるため、液室部をパターニングする際に精度が
低下したり、高価な露光装置を長時間占有しコストアッ
プの要因となっていた。
【0004】これらの問題を解決する従来の方法を図
2、図3、図5及び図6を用いて説明する。ただし、図
5及び図6においては、後述する相溶防止層(4)が記
されているが、本従来例では形成されていないものとす
る。
【0005】まず、吐出圧発生素子(不図示)が設けら
れた基板(1)上に、その液路形成予定部位及び液室形
成予定部位に第1の固体層(2)がパターニング等によ
り選択的に形成される(図2)。
【0006】次に、液室の容積を十分に確保すべく、ま
た基板(1)と後述する第2の基板(5)との間の空隙
を確保すべく、第2の固体層(3)が少なくとも液室形
成予定部位に印刷等の方法により形成される(図3)。
【0007】続いて、インク供給口(6)を有する第2
の基板(5)が載置される(図5)。
【0008】次いで、図6に示すごとく液路配列方向の
不要部に配置された樹脂注入口(7)から、第1の基板
(1)と第2の基板(5)との間の空隙に、後に硬化し
液路の壁となる樹脂(8)が注入され、硬化される。以
下、切断工程や固体層(2、3)の溶解工程を経てイン
クジェット記録ヘッドが完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法においては、第1の基板(1)と第2の基
板(5)との間の空隙に注入される樹脂(8)と液室予
定部位に形成された第2の固体層(3)とが、樹脂
(8)が硬化する間に相溶し、後に第1及び第2の固体
層(2、3)を除去する際に、その相溶した層が薄膜状
の残渣として残り、固体層(2、3)の除去の過程や記
録ヘッドの完成後に遊離して液路(ノズル)を閉塞する
という問題があった。
【0010】また、第2の固体層(3)として印刷剤を
用いた場合、その印刷剤には印刷性を向上させるための
添加剤としてエアロジル等のフィラーが多量に含まれて
いるため、樹脂(8)と印刷剤(第2の固体層)との界
面ではフィラーの表面の一部を包む形で樹脂(8)が硬
化して、第1及び第2の固体層(2、3)の除去後に、
樹脂(8)と印刷剤との界面部にフィラーが残留し、後
に遊離して液路を閉塞するという問題があった。
【0011】さらに、第1の固体層(2)と第2の固体
層(3)と樹脂(8)は三者とも互いに相溶してはなら
ないが、これら三者の非相溶性を満足する材料の選択の
余地は極めて狭く、加えて、インクジェット記録ヘッド
の構成材料となる樹脂(8)に必要な特性(例えばイン
クに対する耐性や接着性等)を考えると完全に満足する
材料を選択することは極めて困難であった。
【0012】そこで本発明の目的は、製造の際に安価で
加工性に優れる材料が容易に選択・使用でき、液路内に
残留物がなく閉塞のおそれがない安価で信頼性の高いイ
ンクジェット記録ヘッドが作製できる製造方法を提供す
ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を完
成した。
【0014】第1の発明は、少なくとも吐出圧発生素子
が設けられた第1の基板と少なくとも液路となる部分を
占有する第1の固体層と少なくとも液室となる部分の少
なくとも一部を占有する第2の固体層とを順次積層し、
その上に第2の基板を載置し、次いで該第2の基板と前
記第1の基板との間の空隙に前記液路の壁となる樹脂を
注入し、該樹脂を固化した後、前記第1の固体層および
前記第2の固体層を除去する工程を有するインクジェッ
ト記録ヘッドの製造方法において、前記第2の固体層の
表面に該第2の固体層と前記液路の壁となる樹脂との相
溶を防止する相溶防止層を設けることを特徴とするイン
クジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
【0015】第2の発明は、相溶防止層を第1の固体層
と同一の材料で形成する第1の発明のインクジェット記
録ヘッドの製造方法に関する。
【0016】第3の発明は、第1の固体層及び相溶防止
層をポジ型レジスト材料で形成する第1又は第2の発明
のインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
【0017】第4の発明は、相溶防止層を水溶性樹脂で
形成する第1の発明のインクジェット記録ヘッドの製造
方法に関する。
【0018】第5の発明は、相溶防止層を、ポリビニル
アルコールを主成分とする水溶性樹脂で形成する第1の
発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて詳細
に説明する。
【0020】図1〜図8は本発明の第1の実施形態を示
す図であり、これらの図をもとに本発明のインクジェッ
ト記録ヘッドの製造方法の一実施形態を工程にしたがっ
て順次説明する。
【0021】図1は、本発明の特徴を最もよく表わす図
であり、1は吐出圧発生素子(不図示)が設けられた第
1の基板であり、2は後に除去され液路(9)及び液室
(10)の一部となる第1の固体層、3は後に除去され
液室(10)の一部となる第2の固体層、4は本発明の
特徴である相溶防止層であり、後述する液路の壁となる
樹脂(8)と第2の固体層(3)との相溶を防止する層
である。5はインク供給口(6)が設けられた第2の基
体、6はインク供給口、8は第1の基板(1)と第2の
基板(5)との間の空隙に注入され固化した後に液路の
壁となる樹脂を表わす。
【0022】上記構成とするために、まず、図2に示す
ごとく、吐出圧発生素子(不図示)が設けられた第1の
基板(1)上に、その液路形成予定部位及びそれと連通
する液室形成予定部位に第1の固体層(2)を形成す
る。なお、本発明においては液路形成予定部位及び液室
形成予定部位の双方に固体層を設けることは必ずしも必
要ではなく、第1の固体層は少なくとも液路予定部位に
設ければよい。
【0023】第1の固体層(2)は、後述する各工程を
経た後に除去され、残された空間部分が少なくとも液路
(9)となる。なお、第1の固体層(2)は、液路に加
えて必要に応じて液室等が同時に形成される場合は、液
室等の形成予定部も占有するように設けられる。
【0024】上記第1の固体層(2)の具体的な形成手
段としては、例えばPMER−AR900或いはPME
R−AR900i(東京応化(株)製)、PL−268
(ヘキスト社製)等のポジ型感光性レジストをスピンナ
ー等により、10〜100μm程度の厚さで塗布・乾燥
した後、露光・現像することにより所望の密度及び寸法
の第1の固体層(2)が得られる。或いは、ポジ型ドラ
イフィルム、又はネガ型の液状レジストやネガ型のドラ
イフィルム等の感光性樹脂を前述と同様な方法でパター
ニングしてもよい。
【0025】以上のような感光性樹脂群の中で加工精度
や除去の容易性、或いは作業性やコスト等の点から見て
前述の液状のポジ型感光性レジストを用いるのが特に好
ましい。すなわち、ポジ型感光性材料は、例えば解像度
がネガ型の感光性材料よりも優れており、レリーフパタ
ーンが垂直かつ平滑な側壁面をもつ、或いはテーパ型な
いし逆テーパ型の断面形状が容易に作れるという特徴を
有し、液路を形づくる上で最適である。また、レリーフ
パターンを現像液や有機溶剤で溶解除去できる等の特徴
も有しており、本発明における固体層の形成材料として
好ましいものである。特に、ナフトキノンジアジドとノ
ボラック型フェノール樹脂を用いたポジ型感光性材料で
は、弱アルカリ水溶液またはアルコールで完全溶解でき
るので、吐出エネルギー発生素子に何ら損傷を与えるこ
とがなく、かつ後工程での除去も極めて速やかに行え
る。このようなポジ型感光性材料の中でも、液状のもの
は、所望の膜厚が任意で得られる点及び価格が安い点で
最も好ましい材料である。
【0026】次に、図3に示すごとく、液室形成予定部
位に十分な容積を確保すべく、また、第1の基板(1)
と第2の基板(5)との間の空隙を適当に保つために、
例えば30〜300μm程度の厚さの第2の固体層
(3)を形成する。この第2の固体層(3)は、後述す
る工程を経た後に除去され、残された空間部分がインク
の液室の少なくとも一部となる。
【0027】上記第2の固体層(3)の具体的な形成方
法としては、印刷による方法が挙げられる。例えば、穴
埋め用無溶剤UV硬化型インキ TH−700T(ソマ
ール(株)製)、ソルダーマスク用熱乾燥型印刷インキ
ノプコマスク4038(サンノプコ(株)製)等の印
刷剤を、例えば#200メッシュ、乳剤厚150μmの
スクリーン印刷版を用いて印刷することにより約100
μmの厚さのパターンが得られる。ここで、該印刷剤と
しては、後に除去できればいなかるものでも使用可能で
あるが、前記ポジ型感光性レジストで形成された第1の
固体層(2)上に或いは接して該印刷剤が形成される場
合は、該印刷剤中の溶剤及び樹脂成分が前記ポジ型感光
性レジストを溶解しないものを選択することが望まし
い。
【0028】次いで、図4に示すごとく、第2の固体層
(3)の表面に、後述する樹脂(8)との相溶を防止す
る相溶防止層(4)を設ける。
【0029】この相溶防止層(4)を形成する具体的材
料としては、例えば、第1の固体層(2)に用いたポジ
型感光性レジスト、環化ゴム或いはポリビニルシンナメ
ート等からなるネガ型レジスト、アクリル系樹脂等の材
料が挙げられるが、第2の固定層(3)及び後述する樹
脂(8)との非相溶性、並びに第1の固体層(2)と同
一の除去液で除去できる点から第1の固体層(2)と同
一の材料すなわちポジ型感光性レジストを用いることが
特に望ましい。
【0030】また、相溶防止層(4)の具体的形成手段
としては、例えばロールコーターで第2の固定層(3)
の上面に接し且つ下層の第1の固定層(2)には接しな
いようにロールギャップを適度に調整してコーティング
した後、加熱し、若干フローさせるとともに乾燥させる
ことにより第2の固定層(3)の表面に相溶防止層
(4)が形成できる。
【0031】続いて、図5に示すごとく、第2の固体層
(3)上に形成された相溶防止層(4)上に、インク供
給口(6)が設けられた第2の基板(5)が位置合わせ
の後、載置される。
【0032】次いで、図6に示すごとく、液路配列方向
の外部に設けられた樹脂注入口(7)から第1の基板
(1)と第2の基板(5)との間の空隙に、後に硬化し
て液路の壁となる硬化性の樹脂(8)を注入する。続い
て、樹脂(8)に対してUV硬化、常温放置、加熱等の
硬化処理を施し、その後、ヘッド側側面の精度を得るた
め、図中の切断線に沿って切断を行い記録ヘッドの側面
を形成する。なお、上記部分の切断は必ずしも必要では
ない。この切断を必要としない場合、外部をヘッド内に
残すことにより、基板と硬化性樹脂の接着面積を増すこ
とができ、有利である。
【0033】上記の樹脂(8)の材料としては、インク
に対する耐性、第1の固体層(2)に対する非相溶性、
及び第2の固体層(3)に対する非相溶性等の観点から
選ばれるが、従来は、第1の固体層(2)及び第2の固
体層(3)の両者とも相溶しない樹脂(8)を選定する
場合、選択の余地は極めて狭く、両者とのそれぞれの非
相溶性及びインクに対する耐性の三つの条件を満足する
ことは極めて困難であった。また、第2の固体層(3)
と樹脂(8)との相溶部分は、ある状態で樹脂(8)を
硬化させると、後の除去の際に完全に除去されず、薄膜
状の残渣となる。また、第2の固体層(3)に用いられ
る印刷剤中に含まれるフィラーの印刷剤表面に出ている
部分が、樹脂(8)とともに硬化され、第2の固定層
(3)と樹脂(8)との界面にフィラーのみが粒状に残
留する。しかしながら、相溶防止層(4)を設けること
によって、第2の固体層(3)と樹脂(8)は完全に分
離され、相溶やフィラー成分の残留が起こらない。
【0034】次に、図7に示すごとく、オリフィスを形
成するためにダイシングソー等の周知の方法により切断
を行う。なお、オリフィスの形成方法によっては、この
切断は必ずしも必要であるとは限らない。
【0035】次いで、図8に示すごとく、相溶防止層
(4)、第2の固体層(3)及び第1の固体層(2)を
有機溶剤やアルカリ水溶液等により溶解除去する。これ
らの除去液の具体例としては、例えば相溶防止層として
ネガ型のレジストを用いた場合は、塩化メチレン等の塩
素系の有機溶剤で相溶防止層を除去した後、エチルセロ
ソルブ、アセトン、アルコール等の有機溶剤で、或いは
第2の固体層がアルカリ可溶型である場合は苛性ソーダ
水溶液等で除去される。一方、相溶防止層としてポジ型
レジストを用いた場合は、エチルセロソルブ等の有機溶
剤又は苛性ソーダ水溶液等で相溶防止層と第2の固体層
と第1の固体層を同時に除去可能となる。
【0036】最後に、インク供給口(6)上にフタ部材
及びインク供給チューブ等を接続してインクジェット記
録ヘッドが完成する。
【0037】次に、第2の実施形態について説明する。
【0038】上述の第1の実施形態においては、相溶防
止層(4)として溶剤可溶型或いはアルカリ可溶型樹
脂、特にポジ型感光性レジストが好適であると述べた
が、水溶性の樹脂を用いることも相溶防止効果及び除去
の容易性の点で有効な手段である。
【0039】例えば、ポリビニルアルコールを主成分と
するデンカポバールK−05(電気化学工業(株)製)
を濃度1〜10重量%程度の水溶液になるように水また
は温水に溶解させ、この水溶液を前記第1の実施形態と
同様にしてロールコーターで第2の固体層(3)の表面
に1〜10μm程度の厚さに塗布し、乾燥する。
【0040】次いで、第1の実施形態と同様の工程で樹
脂(8)を注入し硬化させた後、切削水等をかけながら
スライサー等の周知の方法で切断を行い、続いてこの切
削時の汚れや切り粉等を落す目的で水洗を行う。この切
断工程の際に相溶防止層(4)であるポリビニルアルコ
ール層は、その厚さが薄い場合は、前記切削水により或
いは前記切断後の水洗の際に同時に除去される。相溶防
止層を厚く形成した場合は、水または温水による超音波
洗浄やシャワー洗浄等の手段によりポリビニルアルコー
ル層を洗浄除去し、その後、第2の固体層(3)及び第
1の固体層(2)をエチルセロソルブ、アセトン、アル
コール等の有機溶剤或いは1〜10重量%苛性ソーダ水
溶液等のアルカリ溶液で除去し、記録ヘッドが完成す
る。特に、前記除去液としてアセトンやアルコール等の
水系溶剤またはアルカリ水溶液等を用いる場合は、上記
のように相溶防止層(4)を水または温水で予め洗浄除
去する必要はない。
【0041】以上述べたように相溶防止層(4)として
水溶性樹脂、好ましくはポリビニルアルコールを主成分
とする水溶性樹脂を用いることにより、第2の固体層
(3)と樹脂(8)との相溶を十分に防止できるととも
に、その相溶防止層(4)を除去するための新たな有機
溶剤や新たな除去工程が不要となる。
【0042】次に、第3の実施形態について説明する。
【0043】前記第1及び第2の実施形態においては、
第2の固体層(3)の表面にのみ選択的に相溶防止層
(4)を形成する方法として、ロールコーターによる方
法を述べたが、印刷による方法も有効な手段である。
【0044】例えば、第1の実施形態で述べた第2の固
体層(3)を形成するためのスクリーン印刷版と同一
版、或いはパターンは共通でメッシュ及び乳剤厚を変更
したスクリーン印刷版で前記ポジ型レジストやポリビニ
ルアルコール等を印刷することにより、ロールコーター
等の新たな塗布設備を必要とせず、第2の固体層(3)
上に選択的に相溶防止層(4)を形成できる。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば以下の効果が得られる。
【0046】第1の発明によれば、第2の固体層(3)
と樹脂(8)との相溶を防止する相溶防止層(4)を設
けることにより、該二者の相溶による除去液に溶解しな
い薄膜状残渣の形成や第2の固体層中に含まれるフィラ
ー等の残留を防止でき、後にこれらの残留物が遊離して
液路を閉塞することのない信頼性の高いインクジェット
記録ヘッドが得られる。また、相溶防止層を設けること
により、第2の固体層(3)及び樹脂(8)の材料の選
択が容易となり、安価で加工性に優れた材料を用いてイ
ンクジェット記録ヘッドを製造することができる。
【0047】第2の発明によれば、第1の固体層と同じ
材料を相溶防止層の材料として用いることにより、上記
の相溶防止効果が発揮されると共に、第1の固体層及び
第2の固体層の除去と同時に相溶防止層が除去でき、該
相溶防止層を除去するための新たな除去液や除去手段・
除去工程が不要であり、簡便な製法で安価で信頼性の高
いインクジェット記録ヘッドが提供できる。
【0048】第3の発明によれば、相溶防止層および第
1の固体層にポジ型レジスト材料を用いることにより、
第1及び第2の発明と同様な上記効果が発揮されると共
に、各層の形成時の加工性・作業性の向上やコストの低
下が図れ、また塩素系溶剤等を使うことなく一般の有機
溶剤やアルカリ水溶液等で相溶防止層の剥離片等の不溶
物を発生させることなく両層を容易に除去でき、環境等
への影響が少ない製法で信頼性の高い安価なインクジェ
ット記録ヘッドを提供できる。
【0049】また、第4及び第5の発明によれば、相溶
防止層として水溶性樹脂、好ましくはポリビニルアルコ
ールを主成分とする水溶性樹脂を用いることにより、十
分な上記相溶防止効果を保ちつつ、極めて容易に該相溶
防止層を除去でき、また、第1の固体層及び第2の固体
層の除去をアセトンやアルコール等の水系溶剤或いはア
ルカリ水溶液で行う場合は、第1及び第2の固体層と同
時に該相溶防止層を除去することができ、安価で信頼性
の高いインクジェット記録ヘッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
の説明図(液路方向の断面図)である。
【図2】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
の説明図(液路方向の断面図)である。
【図3】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
の説明図(液路方向の断面図)である。
【図4】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
の説明図(液路方向の断面図)である。
【図5】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
の説明図(液路方向の断面図)である。
【図6】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
の説明図(液路配列方向の断面図)である。
【図7】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
の説明図(液路方向の断面図)である。
【図8】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
の説明図(液路方向の断面図)である。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 第1の固定層 3 第2の固定層 4 相溶防止層 5 第2の基板 6 インク供給口 7 樹脂注入口 8 樹脂 9 液路 10 液室

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも吐出圧発生素子が設けられた
    第1の基板と少なくとも液路となる部分を占有する第1
    の固体層と少なくとも液室となる部分の少なくとも一部
    を占有する第2の固体層とを順次積層し、その上に第2
    の基板を載置し、次いで該第2の基板と前記第1の基板
    との間の空隙に前記液路の壁となる樹脂を注入し、該樹
    脂を固化した後、前記第1の固体層および前記第2の固
    体層を除去する工程を有するインクジェット記録ヘッド
    の製造方法において、前記第2の固体層の表面に該第2
    の固体層と前記液路の壁となる樹脂との相溶を防止する
    相溶防止層を設けることを特徴とするインクジェット記
    録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 相溶防止層を第1の固体層と同一の材料
    で形成する請求項1記載のインクジェット記録ヘッドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 第1の固体層及び相溶防止層をポジ型レ
    ジスト材料で形成する請求項1又は2記載のインクジェ
    ット記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 相溶防止層を水溶性樹脂で形成する請求
    項1記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 相溶防止層を、ポリビニルアルコールを
    主成分とする水溶性樹脂で形成する請求項1記載のイン
    クジェット記録ヘッドの製造方法。
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JP (1) JPH106510A (ja)

Cited By (2)

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