JPH1064678A - 線状発光体および面状発光体 - Google Patents

線状発光体および面状発光体

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JPH1064678A
JPH1064678A JP8212746A JP21274696A JPH1064678A JP H1064678 A JPH1064678 A JP H1064678A JP 8212746 A JP8212746 A JP 8212746A JP 21274696 A JP21274696 A JP 21274696A JP H1064678 A JPH1064678 A JP H1064678A
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linear
layer
light
emitting
luminant
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JP8212746A
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Inventor
Nobuyuki Okuda
伸之 奥田
Yoshinobu Ueha
良信 上羽
Hiroya Kimura
浩也 木村
Taku Kamimura
卓 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流、低電圧での駆動が可能で、消費電力が
小さく、しかも高輝度、高速応答の発光が可能な線状発
光体、および面状発光体を提供する。 【解決手段】 線状発光体1は、線状導体11の外周面
に、キャリヤ輸送性を有する有機化合物を含有する少な
くとも1層の有機の発光層12を含むエレクトロルミネ
ッセンス素子12を形成した。面状発光体は、上記線状
発光体、または半球状導体の外周面のうち球面部に、同
じ有機の発光層を含むエレクトロルミネッセンス素子を
設けた半球状の発光体を、面状に配列した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、新規な線状発光
体、および面状発光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば地下共同溝内等における非常時
の非難誘導表示や、あるいはその他各種の表示に用いら
れる線状発光体としては従来、光ファイバの側面に、当
該光ファイバの長手方向に沿って多数の傷をつけて、こ
の傷の部分から漏れる光を利用したものがあった(実開
昭60−68582号公報)。
【0003】しかし、上記の線状発光体は発光輝度が不
十分で、高輝度の光源が必要になるという問題があっ
た。また上記のように傷の部分から漏れる光を利用する
ものゆえ、通常の光ファイバのように光の強度を維持で
きず、光ファイバの端部に設けた光源から離れるほど、
輝度が低下するという問題もあった。そこでかかる問題
点を解消すべく、線状導体の外周面に、発光層と透明電
極層とをこの順に積層してなるエレクトロルミネッセン
ス素子が設けられた線状発光体が提案された(特開平7
−235375号公報、特開平7−235376号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記線状発
光体においてエレクトロルミネッセンス素子を構成する
発光層は、誘電体であるバインダー樹脂中に、蛍光体粒
子を分散させた誘電性のものであって、その駆動には交
流の高電圧の電源が必要であり、 駆動電源が大掛かりになる、 消費電力が大きい、 またその割には依然として輝度が低い、 応答速度が遅い、 といった問題があった。
【0005】また発明者らは、上記の線状発光体を複数
本、面状に配置して面状発光体を構成して、たとえば液
晶ディスプレイのバックライト等に利用することを検討
したが、上記のように1本でも消費電力が大きい線状発
光体を複数本使用するというのは、できるだけ消費電力
を小さくし、またその駆動のための電源もできるだけコ
ンパクトにするという、液晶ディスプレイ等の電子機器
用部品の技術的な動向に反するものであり、現実的でな
かった。
【0006】この発明の目的は、直流、低電圧での駆動
が可能で、消費電力が小さく、しかも高輝度、高速応答
の発光が可能な線状発光体、および面状発光体を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の線状発光体は、線状導体の外周面の少な
くとも一部に、キャリヤ輸送性を有する有機化合物を含
有する少なくとも1層の有機の発光層と、透明電極層と
をこの順に積層してなるエレクトロルミネッセンス素子
が設けられたことを特徴としている。
【0008】上記構成からなるこの発明の線状発光体に
おいては、エレクトロルミネッセンス素子の発光層が、
上記のようにキャリヤ輸送性(導電性)を有する有機化
合物を含有する少なくとも1層の有機の発光層にて構成
されており、直流、低電圧での駆動が可能で、消費電力
が小さく、高輝度でしかもns(ナノ秒)オーダーの高
速応答の発光が可能である。
【0009】また、上記のように直流、低電圧での駆動
が可能で、消費電力が小さく、しかも高輝度、高速応答
の発光が可能な上記の線状発光体を複数本、面状に配置
するか、あるいは半球状導体の外周面のうち球面部に、
上記と同じ構成のエレクトロルミネッセンス素子を設け
た半球状の発光体を複数個、上記球面部を上にして面状
に配置したこの発明の面状発光体は、従来、液晶ディス
プレイのバックライトとして用いていた蛍光管(冷陰極
管)に比べて、面内の輝度の均一性が高く、かつ高輝度
化が容易であるとともに、できるだけ消費電力を小さく
し、またその駆動のための電源もできるだけコンパクト
にするという、電子機器用部品の技術的な動向にも沿っ
たものであり、液晶ディスプレイのバックライト等に好
適に使用できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下にこの発明を、その実施の形
態の一例を示す図面を参照しつつ説明する。まず、図1
に示した線状発光体1について説明する。図の線状発光
体1は、丸線状の線状導体11の外周面に、その全周に
わたって、エレクトロルミネッセンス素子12を形成し
たものである。
【0011】上記のうち線状導体11としては、表面の
仕事関数が小さいもの、とくに仕事関数が3.5eV以
下のものが好ましく、また発光体の発光輝度を考慮する
と、エレクトロルミネッセンス素子12からの光を反射
しうる材料からなるものが、より好適に採用される。か
かる線状導体11の材料としては、これに限定されない
がたとえばMg、Mg/Ag、Al/Li等の金属また
は合金や、あるいはY、La、Sm、Eu、Yb等の希
土類金属、または上記希土類金属を含む合金等があげら
れる。
【0012】エレクトロルミネッセンス素子12は、発
光層121と、透明電極層122とを、前述したように
線状導体11の外周面上の全周にわたって、この順に積
層形成したもので、線状導体11を電源の陰極、透明電
極層122を陽極と接続すると、両者から印加された電
圧によって発光層121が発光し、この光が、透明電極
層122を通して線状発光体1の外周面から外方へ放射
されるように構成されている。
【0013】なお線状導体11を電源の陰極と接続する
には、たとえば線状発光体1の片方または両方の端部
に、エレクトロルミネッセンス素子12を形成しない、
線状導体11が露出した領域を設けて、この領域を電源
との接続部とすればよい。上記エレクトロルミネッセン
ス素子12のうち発光層121としては、前述したよう
にキャリヤ輸送性を有する有機化合物を含有する少なく
とも1層の有機の発光層が採用される。
【0014】かかる有機の発光層としては種々の層構成
のものが考えられるが、この例では、図1に示したよう
に、線状導体11上に形成された、電子輸送性にすぐれ
た有機化合物(電子輸送材料)を含有する電子輸送層1
21aと、この電子輸送層121a上に形成された、ホ
ール輸送性にすぐれた有機化合物(ホール輸送材料)を
含有するホール輸送層121bの2層からなる2層構造
のものを採用している。
【0015】上記2層構造の発光層121は、前述した
ように線状導体11および透明電極層122から電圧が
印加されると、電子輸送層121aとホール輸送層12
1bのうちのいずれか一方、または両方が発光する。電
子輸送層121aとホール輸送層121bのいずれが発
光するかは、両層の膜厚の違いや、後述する輸送材料単
独の膜か樹脂分散膜かといった構造の違い、あるいは両
層に含まれる電子輸送材料、ホール輸送材料の組み合わ
せ等によって適宜、設定できる。
【0016】電子輸送層121aおよびホール輸送層1
21bとしてはそれぞれ、上述したように電子輸送材料
やホール輸送材料単独からなる膜や、あるいは電子輸送
材料やホール輸送材料を適当なバインダー樹脂中に分散
した樹脂分散膜等があげられる。このうち前者の単独の
膜は、いずれかの輸送材料を蒸着するか、あるいはいず
れかの輸送材料を適当な溶媒中に溶解した溶液を塗布し
たのち乾燥する、いわゆる溶液塗布法により形成され
る。また後者の樹脂分散膜は、電子輸送材料またはホー
ル輸送材料と、バインダー樹脂とを適当な溶媒中に溶解
した溶液を用いて、上記と同様に溶液塗布法により形成
される。
【0017】電子輸送層121aに含まれる電子輸送材
料としては、従来公知の種々の、電子輸送性を有する有
機化合物がいずれも使用可能である。かかる電子輸送材
料としては、これに限定されないがたとえば式(1) :
【0018】
【化1】
【0019】で表されるトリス(8−キノリノラート)
アルミニウム(III) 錯体(Alq)、式(2) :
【0020】
【化2】
【0021】で表される2−(4′−tert−ブチルフェ
ニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾール(Bu−PBD)等があげられる。またホ
ール輸送層121bに含まれるホール輸送材料として
は、従来公知の種々の、ホール輸送性を有する有機化合
物がいずれも使用可能である。かかるホール輸送材料と
しては、これに限定されないがたとえば式(3) :
【0022】
【化3】
【0023】で表されるN,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(3−メチルフェニル)−1,1′−ビフェ
ニル−4,4−ジアミン(TPD)等の、比較的低分子
量の芳香族アミン類や、あるいは式(4) :
【0024】
【化4】
【0025】〔式中nは重合度を示し、およそ20〜5
000程度である。〕で表されるポリ−N−ビニルカル
バゾール(PVK)、ポリフェニレンビニレン(PP
V)等の、それ自体がキャリヤ輸送性を有する高分子な
どがあげられる。このうち前者の、比較的低分子量の芳
香族アミン類をホール輸送材料として使用する場合に
は、ホール輸送層121bの耐熱性を考慮して、当該ホ
ール輸送層121bを、前述した樹脂分散膜とするのが
好ましい。
【0026】電子輸送層121a、またはホール輸送層
121bが樹脂分散膜である場合に、上記の電子輸送材
料、ホール輸送材料とともに膜を形成するバインダー樹
脂としては、たとえば前記PPVやPVK等を使用して
もよいが、一般的にはキャリヤ輸送性を有しない通常の
高分子が使用される。上記キャリヤ輸送性を有しない高
分子としては、たとえばポリメチルメタクリレート、ポ
リカーボネート、ポリスチレン等の、光学特性にすぐれ
た種々の高分子が、いずれも使用可能であるが、とくに
層の耐熱性を向上するためには、たとえばポリエーテル
スルフォン(PES)や、ポリスルフォン(いわゆるユ
ーデル・ポリスルフォン)等のポリスルフォン系樹脂等
の、剛直な主鎖を有し、ガラス転移温度の高い高分子が
好適に使用される。
【0027】電子輸送層121aおよびホール輸送層1
21bの膜厚はとくに限定されないが、輸送材料単独の
膜の場合はおよそ30〜80nm程度であるのが好まし
く、樹脂分散膜の場合はおよそ20〜60nm程度であ
るのが好ましい。上記2層構造の発光層121は主に、
線状導体11から注入された電子と、透明電極層122
から注入されたホールとの、電子輸送層121a内およ
び/またはホール輸送層121b内での再結合により生
成した励起子によって、同じ層中に含まれる前記電子輸
送材料および/またはホール輸送材料が励起されること
により発光するが、輸送材料の発光波長は限られるた
め、それ以外の波長で発光させるには、たとえばレーザ
ー用の色素等の、励起子によって発色しうる種々の蛍光
色素を、1種または2種以上添加してもよい。
【0028】かかる蛍光色素としては、たとえばシアニ
ン染料、キサンテン染料、オキサジン染料、クマリン誘
導体、ペリレン誘導体、アクリジン染料、アクリドン染
料、キノリン染料等があげられる。なお、上記2層構造
以外の有機の発光層としては、たとえば後述する図2の
例で採用している、1層の有機の層のみからなる単層構
造のものの他、3層あるいは4層等の多層構造のものが
あげられる。
【0029】上記のうち3層構造の発光層の例として
は、たとえば前述した電子輸送層とホール輸送層の間に
発光材料を含む狭義の発光層を挟んだものや、上記両輸
送層の間に、陰極から注入された電子を電子輸送層に封
じ込める働きをする電子ブロック層を挟んだもの(この
場合は電子輸送層が発光する)、あるいは上記両輸送層
の間に、陽極から注入されたホールをホール輸送層に封
じ込める働きをするホールブロック層を挟んだもの(こ
の場合はホール輸送層が発光する)等があげられる。
【0030】さらに4層構造の発光層の例としては、た
とえば陽極からホール輸送層にホールが注入されるのを
助けるホール注入層と、ホール輸送層と、前述した狭義
の発光層と、電子輸送層との組み合わせや、あるいは上
記ホール注入層と、ホール輸送層と、ホールブロック層
と、電子輸送層との組み合わせ(この場合はホール輸送
層が発光する)等があげられる。
【0031】発光層121の上に積層される透明電極層
122としては、上記発光層121からの光の透過率に
すぐれるとともに、仕事関数が大きい膜が好適に採用さ
れる。かかる透明電極層122としては、これに限定さ
れないがたとえばITO(インジウムチンオキサイド)
膜、SnO2 膜、ZnO膜等の酸化物系導電膜や、ある
いはAuの蒸着薄膜等があげられる。
【0032】透明電極層122の膜厚はとくに限定され
ないが、たとえば上記ITO膜等の酸化物系導電膜の場
合は、電極層としての特性を考慮すると、100〜30
0nm程度であるのが好ましい。上記の各部からなる図
1の例の線状発光体においてはさらに、透明電極層12
2の外面の全体を、透明樹脂等の透光性を有する保護膜
でカバーしてもよい。
【0033】つぎに、図2に示した線状発光体1につい
て説明する。図の線状発光体1は、帯状の線状導体11
の外周面に、その全周にわたって、エレクトロルミネッ
センス素子12を形成したものである。上記線状導体1
1としては、前記と同様の理由で、Mg、Mg/Ag、
Al/Li等の金属からなるものが好適に使用される。
【0034】エレクトロルミネッセンス素子12は、発
光層121と、透明電極層122とを、線状導体11の
外周面上の全周にわたって、この順に積層形成すること
で構成されており、上記発光層121として、図の例で
は単層構造のものを採用している。上記単層構造の発光
層121としては、たとえばバインダー樹脂中に、電子
輸送材料および/またはホール輸送材料と、さらに必要
に応じて蛍光色素とを分散させたものが好適に採用され
る。またバインダー樹脂として、それ自体がキャリヤ輸
送性(とくにホール輸送性)を有するものを使用して、
ホール輸送材料を省略してもよい。
【0035】上記バインダー樹脂、キャリヤ輸送性を有
するバインダー樹脂、電子輸送材料、ホール輸送材料お
よび蛍光色素としては、前記例示のものがいずれも使用
できる。上記単層構造の発光層121は、前記と同様に
溶液塗布法により形成される。また単層構造の発光層1
21の膜厚はとくに限定されないが、およそ50〜15
0nm程度であるのが好ましい。
【0036】なお発光層121としては、上述した単層
構造のものに代えて、前述した図1の例で採用している
2層構造の発光層や、あるいは3層、4層等の多層構造
の発光層を採用してもよい。発光層121上に形成され
る透明電極層122は、前記図1の例の場合と同様に構
成することができる。
【0037】エレクトロルミネッセンス素子12の発光
層121を発光させるには、やはり前記と同様に、線状
導体11を電源の陰極、透明電極層122を陽極と接続
して、この両者から発光層121に電圧を印加すればよ
く、線状導体11を電源の陰極と接続するには、たとえ
ば線状発光体1の片方または両方の端部に、前記と同様
の電源との接続部を設ければよい。
【0038】上記各部からなる図2の線状発光体は、上
記透明電極層122の外面の全体を、前記と同様に、透
明樹脂等の透光性を有する保護膜でカバーしてもよい。
つぎに、図3に示した面状発光体2について説明する。
図の面状発光体2は、前記図1に示した丸線状の線状発
光体1を複数本、1枚の基体21の表面に平行に配列し
て構成されたものである。
【0039】上記基体21としては、たとえばガラス
板、金属板、硬質樹脂板等の剛直な基体が使用できる
他、金属箔、樹脂フィルム等の柔軟な基体を使用して、
面状発光体2が可撓性を有するようにしてもよい。基体
21上に、複数本の線状発光体1を配列して固定するに
は、従来公知の接着剤や両面粘着テープ等を用いればよ
い。また導電性接着剤を用いることで、各線状発光体1
の透明電極層122を電気的に接続してもよい。その際
には、基体21の全体または表面を、導電性を有するも
のとしてもよい。
【0040】上記各部からなる図3の例の面状発光体2
においては、たとえば前述したように各線状発光体1の
片方または両方の端部に設けた、線状導体11を露出さ
せた接続部を、それぞれ電源の陰極と接続するととも
に、各線状発光体1の透明電極層122を陽極と接続す
ると、それぞれの線状発光体1が発光して、均一な面状
の発光がえられる。
【0041】なお上記の面状発光体2においては、その
発光側の表面の全体を、ガラス板や透明樹脂フィルム等
の、透光性を有する保護膜でカバーしてもよい。つぎ
に、図4に示した面状発光体2について説明する。図の
面状発光体2は、前記図2に示した帯状の線状発光体1
を複数本、布帛状に織成して構成されたものである。
【0042】上記の面状発光体2は、織成後に、接着剤
や透明樹脂等を含浸させて、各線状発光体1同士を固定
してもよい。またこの含浸に導電性接着剤を用いれば、
各線状発光体1の透明電極層122を電気的に接続でき
る。あるいはまた織成後の面状発光体2の背面側に、前
記図3の例と同様な基体を接着して補強してもよい。
【0043】上記各部からなる図4の例の面状発光体2
においては、たとえば前述したように各線状発光体1の
片方または両方の端部に設けた、線状導体11を露出さ
せた接続部を、それぞれ電源の陰極と接続するととも
に、各線状発光体1の透明電極層122を陽極と接続す
ると、それぞれの線状発光体1が発光して、均一な面状
の発光がえられる。
【0044】なお上記の面状発光体2においては、前記
と同様に、その発光側の表面の全体を、ガラス板や透明
樹脂フィルム等の、透光性を有する保護膜でカバーして
もよい。つぎに、図5に示した面状発光体2について説
明する。図の面状発光体2は、半球状の発光体3を複数
個、球面部を上にして、基体21上に面状に配置すると
ともに、上記各発光体3を、その上から、透光性を有す
る保護膜22でカバーして構成されるものである。
【0045】上記のうち半球状の発光体3は、たとえば
図6に示すように、半球状導体31の外周面のうち球面
部に、前記線状発光体のところで説明したのと同様の、
発光層321と、透明電極層322とをこの順に積層形
成したエレクトロルミネッセンス素子32を形成して製
造される。なお図の例では、上記発光層321として、
先の図2の例と同様の単層構造のものを採用している
が、かかる発光層321は、図1の例と同様な2層構造
であってもよいし、3層または4層等の多層構造であっ
てもよい。
【0046】また、たとえば後述するように半球状の発
光体3を、導電性接着剤等を用いて、少なくともその表
面が導電性を有する基体21上に固定するとともに、当
該発光体3の半球状導体31を上記基体21と電気的に
接続する際には、透明電極層322と、基体21、半球
状導体31との間で短絡が生じるのを防止すべく、当該
透明電極層322は、図にみるように半球の裾の部分に
は形成しないようにするのが好ましい。
【0047】上記の発光層321や透明電極層322の
細部(材料、膜厚等)は、前記と同様に構成できる。ま
た半球状導体31としては、前記と同様の理由で、仕事
関数が3.5eV以下であるMg、Mg/Ag、Al/
Li等の金属または合金や、あるいはY、La、Sm、
Eu、Yb等の希土類金属、または上記希土類金属を含
む合金等からなるものが好適に使用される。
【0048】上記半球状の発光体3を、図5に示すよう
に基体21上に固定するには、前記と同様に、接着剤や
両面粘着テープ等が使用できる。また上記の固定に際
し、基体21として、その全体または表面を導電性とし
たものを使用するとともに、この基体21に、導電性接
着剤によって発光体3を固定するか、あるいははんだ付
け等によって発光体3を固定すると、各発光体3の半球
状導体31への配線も同時に完了するため、構造を簡略
化できる。
【0049】また各発光体3の透明電極層322への配
線としては、前記保護膜22の、発光体3側の表面に透
明導電膜を形成して、この透明導電膜と、各発光体3の
透明電極層322とを直接に、あるいは導電性接着剤等
を介して電気的に接続すること等が考えられる。また、
各発光体3の半球状導体31への配線および/または透
明電極層322への配線を、各発光体3ごとに独立した
ものとすれば、各発光体3をそれぞれ独立して発光させ
ることもでき、この場合に、各発光体3として、R
(赤)、G(緑)、B(青)の3色の発光色のものを画
素ごとに組み合わせれば、フルカラーの平面ディスプレ
イを構成することができる。
【0050】各発光体3の半球状導体31への配線およ
び/または透明電極層322への配線を独立したものと
するには、たとえばフォトリソグラフィ法等によって、
前記基体21上の導電膜や、あるいは保護膜22上の透
明導電膜をパターン化すればよい。なおこの発明の構成
は、以上で説明した各例に限定されるものではない。
【0051】たとえば線状発光体の線状導体としては、
前記丸線状や帯状の他、種々の断面形状を有するものが
使用できる。その他、この発明の要旨を変更しない範囲
で、種々の設計変更を施すことができる。
【0052】
【実施例】以下に、この発明の線状発光体、面状発光体
を、実施例に基づいて説明する。 実施例1(線状発光体) 直径1mm、長さ50mmの丸線状である、Mg製の線
状導体の外周面の全周に、Alq単独の膜(電子輸送
層、膜厚60nm)を、真空蒸着法により形成した。
【0053】つぎに上記電子輸送層上に、TPD単独の
膜(ホール輸送層、膜厚60nm)を、真空蒸着法によ
り形成して、2層構造の発光層を構成した。つぎに上記
ホール輸送層上に、膜厚100nmのITO透明電極層
を、真空蒸着法により形成してエレクトロルミネッセン
ス素子を構成して、図1に示す構造の線状発光体を製造
した。
【0054】なお上記線状発光体の両方の端部にはそれ
ぞれ、エレクトロルミネッセンス素子を形成しない、線
状導体が露出した領域を長さ5mmにわたって設けて、
電源との接続部とした。上記のようにして製造した線状
発光体の線状導体とITO透明電極層とをそれぞれ、電
源の陰極および陽極と接続して、室温、大気中で発光層
に電圧を印加したところ、7Vの印加電圧で、緑色に発
光するのが確認された。またその発光輝度は、およそ1
00cd/m2であった。
【0055】実施例2(線状発光体) 幅2mm、厚み0.1mm、長さ50mmの帯状であ
る、Mg製の線状導体の外周面の全周に、PVK中にB
u−PBDと、蛍光色素である、式(5) :
【0056】
【化5】
【0057】で表されるクマリン6とを分散させた樹脂
分散膜(膜厚100nm)を、溶液塗布法により形成し
て、単層型の発光層とした。つぎに上記発光層上に、膜
厚100nmのITO透明電極層を、真空蒸着法により
形成してエレクトロルミネッセンス素子を構成して、図
2に示す構造の線状発光体を製造した。
【0058】なお上記線状発光体の両方の端部にはそれ
ぞれ、エレクトロルミネッセンス素子を形成しない、線
状導体が露出した領域を長さ5mmにわたって設けて、
電源との接続部とした。上記のようにして製造した線状
発光体の線状導体とITO透明電極層とをそれぞれ、電
源の陰極および陽極と接続して、室温、大気中で発光層
に電圧を印加したところ、9Vの印加電圧で、緑色に発
光するのが確認された。またその発光輝度は、およそ8
0cd/m2であった。
【0059】実施例3(面状発光体) 前記実施例1で製造した丸線状の線状発光体を複数本、
ガラス製の基体上に、光硬化性樹脂接着剤を用いて平行
に配列、固定して、発光領域の寸法が縦40mm×横4
0mmである、図3に示す構造の面状発光体を製造し
た。そして、上記のようにして製造した面状発光体を構
成する各線状発光体の、線状導体とITO透明電極層と
をそれぞれ、電源の陰極および陽極と接続して、室温、
大気中で発光層に電圧を印加したところ、7Vの印加電
圧で、上記発光領域の全体が緑色に発光するのが確認さ
れた。また、上記発光領域の数カ所で発光輝度を測定し
たところ、いずれもおよそ100cd/m2でほぼ等し
く、このことから上記発光領域の全体が均一に発光して
いることが確認された。
【0060】実施例4(面状発光体) 前記実施例2で製造した帯状の線状発光体を複数本、布
帛状に織成して、発光領域の寸法が縦40mm×横40
mmである、図4に示す構造の面状発光体を製造した。
そして、上記のようにして製造した面状発光体を構成す
る各線状発光体の、線状導体とITO透明電極層とをそ
れぞれ、電源の陰極および陽極と接続して、室温、大気
中で発光層に電圧を印加したところ、9Vの印加電圧
で、上記発光領域の全体が緑色に発光するのが確認され
た。また、上記発光領域の数カ所で発光輝度を測定した
ところ、いずれもおよそ80cd/m2でほぼ等しく、
このことから上記発光領域の全体が均一に発光している
ことが確認された。
【0061】実施例5(面状発光体) 直径2mmの、Mg製の半球状導体の外周面のうち球面
部に、PVK中にBu−PBDとクマリン6とを分散さ
せた樹脂分散膜(膜厚100nm)を、溶液塗布法によ
り形成して、単層型の発光層とした。つぎに上記発光層
上に、膜厚100nmのITO透明電極層を、真空蒸着
法により形成してエレクトロルミネッセンス素子を構成
して、図6に示す構造の半球状の発光体を製造した。
【0062】つぎに、その表面に導電膜が形成された基
体上に、上記半球状の発光体を複数個、球面部を上にし
た状態で、導電性接着剤によって配列、固定するととも
に、各半球状導体を導電膜と電気的に接続した。つぎ
に、その片面に透明導電膜が形成された、ポリエーテル
スルフォン(PES)製の保護膜を、上記透明導電膜が
基体側に面するように、導電性接着剤を介して重ねて、
発光領域の寸法が縦10mm×横10mmである、図5
に示す構造の面状発光体を製造した。
【0063】そして、上記のようにして製造した面状発
光体の、基体の導電膜と保護膜の透明導電膜とをそれぞ
れ、電源の陰極および陽極と接続して、室温、大気中で
発光層に電圧を印加したところ、9Vの印加電圧で、上
記発光領域の全体が緑色に発光するのが確認された。ま
た、上記発光領域の数カ所で発光輝度を測定したとこ
ろ、いずれもおよそ70cd/m2でほぼ等しく、この
ことから上記発光領域の全体が均一に発光していること
が確認された。
【0064】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、直流、低電圧での駆動が可能で、消費電力が小さ
く、しかも高輝度、高速応答の発光が可能な線状発光
体、および面状発光体を提供できるという特有の作用効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の線状発光体の、実施の形態の一例を
示す、部分切り欠き斜視図である。
【図2】この発明の線状発光体の、実施の形態の他の例
を示す、部分切り欠き斜視図である。
【図3】この発明の面状発光体の、実施の形態の一例を
示す、部分拡大斜視図である。
【図4】この発明の面状発光体の、実施の形態の他の例
を示す、部分拡大斜視図である。
【図5】この発明の面状発光体の、実施の形態のさらに
他の例を示す、部分拡大分解斜視図である。
【図6】図5の面状発光体に用いられる半球状の発光体
の断面図である。
【符号の説明】
1 線状発光体 11 線状導体 121 発光層 122 透明電極層 12 エレクトロルミネッセンス素子 2 面状発光体 21 基体 3 半球状の発光体 31 半球状導体 321 発光層 322 透明電極層 32 エレクトロルミネッセンス素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 卓 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】線状導体の外周面の少なくとも一部に、キ
    ャリヤ輸送性を有する有機化合物を含有する少なくとも
    1層の有機の発光層と、透明電極層とをこの順に積層し
    てなるエレクトロルミネッセンス素子が設けられたこと
    を特徴とする線状発光体。
  2. 【請求項2】線状導体が、仕事関数3.5eV以下の金
    属からなる請求項1記載の線状発光体。
  3. 【請求項3】請求項1記載の線状発光体を複数本、面状
    に配置したことを特徴とする面状発光体。
  4. 【請求項4】複数本の線状発光体を、基体表面に平行に
    配列して構成されている請求項3記載の面状発光体。
  5. 【請求項5】複数本の線状発光体を布帛状に織成して構
    成されている請求項3記載の面状発光体。
  6. 【請求項6】半球状導体の外周面のうち球面部に、キャ
    リヤ輸送性を有する有機化合物を含有する少なくとも1
    層の有機の発光層と、透明電極層とをこの順に積層して
    なるエレクトロルミネッセンス素子が設けられた半球状
    の発光体を複数個、上記球面部を上にして面状に配置し
    たことを特徴とする面状発光体。
  7. 【請求項7】半球状導体が、仕事関数3.5eV以下の
    金属からなる請求項6記載の面状発光体。
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