JPH106450A - 易開封性多層フィルム - Google Patents

易開封性多層フィルム

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JPH106450A
JPH106450A JP8157961A JP15796196A JPH106450A JP H106450 A JPH106450 A JP H106450A JP 8157961 A JP8157961 A JP 8157961A JP 15796196 A JP15796196 A JP 15796196A JP H106450 A JPH106450 A JP H106450A
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JP
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seal layer
vinyl acetate
resin
seal
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JP8157961A
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Keiichi Imamura
啓一 今村
Kenji Yoshida
謙次 吉田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、特殊な処理や複雑な混合組
成物を必要とせずに易開封性を持たせ、密封性、シール
性、剥離後は美麗な外観を呈するといった特性のすべて
を備えた易開封性多層フィルムを提供することである。 【解決手段】 シール層とこれに隣接する樹脂層との層
間剥離機構による易開封性を発揮させる少なくとも2層
以上からなる多層フィルムにおいて、シール層は厚み3
〜15μmのポリオレフィン系樹脂よりなり、これに隣
接する樹脂層は酢酸ビニル濃度が15〜30%のエチレ
ンー酢酸ビニル共重合樹脂であり、シール層の破断強度
がシール層とこれに隣接する樹脂層との層間剥離強度よ
り小さいことを特徴とする易開封性多層フィルム。 【効果】 本発明によれば、従来技術の課題であった特
殊な処理や複雑な混合組成物を必要とせずにシール層の
破壊が容易にでき、きれいに開封でき、密封性、ヒート
シール性、剥離後は美麗な外観を呈する特性をもつ多層
フィルムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】食品、飲料品、医薬品、工業
製品等の包装分野において、特に容器の蓋材として近年
要求度の高い易開封性(イージーピール性とも称す)を
付与させた多層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】包装のもつさまざまな機能の中で内容物
の保護、すなわち消費者の手に届くまでに内容物が漏れ
たり、変質したりするのを防止する事は重要であり、こ
れまで多くの形態で実用化されてきた。しかし、内容物
の密封性を重要視するあまり、消費者が内容物を取り出
す時の簡便さについては、密封性と相反するということ
もあって技術的に困難であるとされてきた。しかし、近
年消費者ニーズの増大、高齢化社会の到来などを背景に
「内容物を完全に容器内に封じ込め、かつ誰でもが容易
に開封できる」といった包装形態が強く求められてお
り、現在の包装には欠く事のできない存在となってお
り、これらのニーズはプラスチック包装においても例外
ではない。
【0003】プラスチックに関する易開封性の適応には
基本的に3つの方法があり、これらを種々応用した技術
開発が行われている(PACKPIA 1995/3
P.24〜29)。その1つは界面剥離であり、例えば
図8において、蓋材5と容器4が完全に密着しない状態
で、微視的には蓋材と容器間に融着部と非融着部があ
り、密着性を維持するもので、開封強度は融着部と非融
着部との比、シールの温度、圧力、時間の影響を受け
る。長所として、スムースな開封感と開封後の剥離面が
きれいであるが、シール面に挾雑物があると密封信頼性
が劣る欠点がある。
【0004】2つめは凝集剥離であり、例えば図9にお
いて、開封時に蓋材5に含まれるシール層自体の内部破
壊が生じ、層の間で剥がしていくことで開封が行われ、
イージピール接着において最も多く用いられている。こ
の方法は、シール面への挾雑物がある時の接着性や耐衝
撃性に優れる反面、温度、時間、圧力等のシール条件の
影響を受け、接着強度、開封強度が左右されやすい。
【0005】3つめは層間剥離であり、例えば図10に
おいて、蓋材5とシール層3との間(剥離面)の接着強
度をあらかじめシール層3と容器4との間(シール面)
の接着強度より小さく設定しておき、まず開封はシール
面で行い、何らかの方法によりこの開封をシール層を破
壊することにより停止させ、引き続き剥離面での開封に
移行させ、内容物を取り出す方法である。この方式は、
シール面と剥離面との2つの界面をもつため、積層体と
しては複雑になるが、シール面では密封を重視した、剥
離面では開封を重視した選択ができる。しかし、シール
層の破壊がフランジ面(図10において、容器4の上面
部)で終了しない場合は、内容物を取り出すことができ
ない。
【0006】これら、3つの剥離方法を比較すると層間
剥離法が、シール安定性、挾雑物シール性、密封性、剥
離面の外観に対し総合的に最も有効な特性を示す。層間
剥離による易開封性技術に関するものは、上記のように
基本的にシール面での接着力を強固にし、開封時は多層
フィルム又はシートの最も層間剥離強度の弱い部分を層
構成や樹脂組成などを調整することで剥離面に設けてお
き、ここから剥離を起こさせて開封するものである。
【0007】しかしながら、従来の層間剥離による易開
封性技術は、上記のように剥離界面の開封をシール終了
部で停止させることができず、蓋材のシール層が容器上
に残り、開封できない等の問題があった。この問題を解
決するために数々の工夫がなされている。例えば、シー
ル層の開封終了希望点となる部分に弱め線と称される
破断点を設ける、シール層を部分的に薄肉化する、
シール層や容器のフランジ部にノッチを入れる、シー
ル層に欠落部を設ける、微少凹部を設けるなど蓋材の
シール層、容器側のシール層、フランジ部に種々の工夫
を加えて、剥離層が破断して開封できるようにした技術
の開示が数々ある。しかし、これらの技術は包装材の設
計上、非常に繁雑な作業であり、特殊な処理や高度な技
術を要求され、またコスト高を余儀なくさせるという問
題を含んでいる。
【0008】また、多層フィルム又はシートを用いた場
合、中間層の組成で層間接着力を制御することにより、
上記の問題を解決した例として、特開平6−47878
号公報がある。ここではシール層にポリエチレン及び/
又はエチレン共重合体を、中間層に結晶性プロピレンラ
ンダム共重合体20〜80%とエチレン系重合体及び/
又はエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム80〜20
%の混合物、外層にポリエチレン又はポリプロピレンを
配して問題を解決している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
繁雑な作業、特殊な処理や高度な技術を必要とせず、簡
単に開封できる易開封性多層フイルムを得るため鋭意検
討した結果、シール層に用いる樹脂とこのシール層に隣
接する樹脂層に用いる樹脂との組合せを特定することに
より、シール層の破断強度がシール層とこのシール層に
隣接する樹脂層間の層間剥離強度より小さくなるため、
従来技術の課題であったシール層の破壊が容易にでき、
きれいに開封できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の課題は、上記のような特殊な処理や
複雑な混合組成物を必要とせずに易開封性を持たせ、密
封性、シール性、剥離後は美麗な外観を呈するといった
特性のすべてを備えた易開封性多層フィルムを提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、シ
ール層とこれに隣接する樹脂層との層間剥離機構による
易開封性を発揮させる少なくとも2層以上からなる多層
フィルムにおいて、該シール層は厚み3〜15μmのポ
リオレフィン系樹脂よりなり、これに隣接する樹脂層は
酢酸ビニル濃度が15〜30%のエチレンー酢酸ビニル
共重合樹脂であり、かつ該シール層の破断強度(g/1
5mm)がシール層とこれに隣接する樹脂層との層間剥
離強度(g/15mm)より小さいことを特徴とする易
開封性多層フィルムである。
【0011】以下、本発明の内容を説明する。本発明の
多層フィルムが従来技術と相違するところは、(1)シ
ール層の厚みを3〜15μmの範囲に規定すること、
(2)シール層に隣接するエチレンー酢酸ビニル共重合
樹脂(EVA)の酢酸ビニル濃度を15〜30%とする
ことであり、この構成要件(1)と(2)との組み合わ
せにより、シール層の破断強度がシール層とエチレンー
酢酸ビニル共重合樹脂層間の層間剥離強度より小さくな
り本発明の課題とする易開封性を達成することができ
る。
【0012】上記構成要件(1)が果たす役割は、シー
ル層を破断し易くするためである。すなわち、図1に示
すように、基材層1、エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂
層(EVA層)2、シール層3からなる複層フイルムの
蓋材5の右端を上に持ち上げると、シール面Sで蓋材5
と容器4とが分離をし始め、ある点まで分離が進むとシ
ール層3のみが破断してEVA層2とシール層3間の剥
離面Pで剥離が生じ、シール最終部(容器4のフランジ
端)で再びシール層3が破断してシール層3と容器4と
がシール面Sで離れ、開封が達成される。
【0013】そのためにも、シール層3に使用する樹脂
は、ヒートシール性に優れ、かつ破断強度の小さいポリ
オレフィン系樹脂でなければならない。これには、例え
ば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密
度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、
エチレンープロピレン共重合体、エチレンーアクリル酸
共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン
ーエチルアクリレート共重合樹脂などやこれらの2種以
上の混合物が挙げられるが、好ましくは低密度ポリエチ
レン又はエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂が最も良い。
【0014】シール層3の厚みは3〜15μmでなけれ
ばならない。シール層の厚みが3μm未満であると、開
封強度が小さくなりすぎて内容物の密封性に不安があ
り、逆に15μmを越えるとシール層の破断強度が大き
くなり、シール最終部(容器4のフランジ端)でシール
層3が破断せず、剥離面Pでの層間剥離が継続してしま
い開封ができなくなる(図2)。この特性をよりバラン
ス良く付加させるためのシール層の厚みは5〜12μm
が好ましく、更に良好な開封強度と易開封性を高度に両
立させる最適なシール層の厚みは6〜9μmの範囲が最
も好ましい。
【0015】上記構成要件(2)が果たす役割は、EV
A層2がシール層3と容易に接着し、シール層3の破断
強度に負けない層間剥離強度を付加することである。こ
のためには、シール層3に隣接するEVA層2を構成す
るエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂の酢酸ビニル濃度は
15〜30%でなければならない。酢酸ビニル濃度が1
5%未満であると、シール層3とEVA層2との接着力
が大きくなりすぎ、剥離面Pでの層間剥離がスムーズに
ならず、剥離後の外観が汚くなる。酢酸ビニル濃度が3
0%を越えるとシール層3とEVA層2との接着力が小
さくなって、シール最終部(容器4のフランジ端)をす
ぎても、剥離面Pでの層間剥離が続き開封できなくなる
(図2)。この剥離後の外観と、開封性を最適に付加で
きる好ましい酢酸ビニル濃度は20〜26%の範囲であ
る。
【0016】以上、構成要件(1)と(2)の組み合わ
せにより、優れた密封性、シール性を維持した上で、か
つスムースな開封ができ、開封した後の剥離面も綺麗な
外観をもつ蓋材と容器からなるプラスチック包装品が得
られるという本発明の課題が達成できる。実際に蓋材等
に使用する場合には、図1のようにシール層3/EVA
層2/基材層1の3層フィルムとすることが好ましい。
【0017】また、バリア性を必要とするならば、EV
A層2と基材層1との間にポリ塩化ビニリデン、エチレ
ンービニルアルコール共重合樹脂等の層を追加して更に
多層化しても構わない。しかし、シール層3とEVA層
2とは共押出による加工が必須である。この代わりに、
接着剤を用いてドライラミネート法で得たものは、両層
間の層間剥離強度が増大し、易開封性フィルムは得られ
ない。基材層1はドライラミネートでも共押出のどちら
の方法でも構わない。
【0018】本発明の多層フィルムは、蓋材に限らず容
器側の内面に貼り合わせて使用することも可能である。
この場合は蓋材のシール層に多層フィルムのシール層と
同一か、もしくはヒートシール可能なポリオレフィン系
樹脂を使用すれば良い。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明を実施例を用いて具体的に
説明する。
【0020】
【実施例】
(a)シール層の厚みと引張破断強度との関係 シール層として低密度ポリエチレンF1920(旭化成
製)、エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂D2010F
(住友化学製)の2種類の樹脂をTダイ法によって押出
し、厚みをそれぞれ3、5、10、15、20μmに調
整して冷却ローラーにて固化して巻取り、2×5種類の
フィルムを作成した。これらを幅15mm、長さ10c
mに切り、引張り試験機で把握長20mm、引張り速度
500mm/分で引張り、それぞれの破断強度(g/1
5mm)を求め、厚み(μm)と破断強度(g/15m
m)の関係をF1920については図3に、D2010
Fについては図4に示した。また、これらの結果を表1
の実験No.1〜20のシール層厚み(μm)及びシー
ル層破断強度(g/15mm)欄に示した。
【0021】(b)層間剥離強度(シール層ーEVA
層)と酢酸ビニル濃度との関係 (イ)シール層用樹脂: 低密度ポリエチレンF1920(旭化成製) エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂 D2010F(住
友化学製)酢酸ビニル濃度5% (ロ)EVA層用樹脂(エチレンー酢酸ビニル共重合樹
脂): ・ウルトラセンUE540(酢酸ビニル濃度10%(東
ソー製)) ・EF1530(酢酸ビニル濃度15%(旭化成製)) ・ウルトラセンUE634(酢酸ビニル濃度26%(東
ソー製)) ・ウルトラセンUE750(酢酸ビニル濃度32%(東
ソー製)) 以上、4種のエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂を使い下
記の組合わせ、組成比にて酢酸ビニル濃度を調整しテス
トに供した。
【0022】 樹脂の組み合わせ 組成比 酢酸ビニル濃度 UE540/EF1530= 40/60 13% EF1530 = 100 15% EF1530/UE634=54.5/45.5 20% UE634 = 100 26% UE634/UE750=33.3/66.7 30% UE750 = 100 32% 上記の2種類のシール層用樹脂と6種類のEVA層用樹
脂とを組み合わせて用い、多層Tダイ法により、シール
層の厚み100μm/EVA層の厚み30μmとの2層
のフイルムとして押出し、冷却ローラーにて固化後巻取
った。同様に、Tダイ法で作成した厚み300μmの低
密度ポリエチレンF1920を基材層として、この基材
層の一方の面を上記の2層のフィルムのEVA層面に合
わせ、温度180℃、時間2秒、圧力2kg/cm2
条件で両者をヒートシールし、固化後幅15mmに切
り、引張り試験機(速度50mm/分)でシール層とE
VA層との間を引き剥がし、シール層とEVA層間の層
間剥離強度(g/15mm)を測定した。得られたシー
ル層とEVA層間の層間剥離強度(g/15mm)とエ
チレンー酢酸ビニル共重合樹脂の酢酸ビニル濃度(%)
との関係をF1920については図5に、D2010F
については図6に示すと共に、この結果を表1の実験N
o.1〜20の酢酸ビニル濃度(%)及び層間剥離強度
(g/15mm)の欄に示した。
【0023】(c)シール層厚み、層間剥離強度、およ
び易開封性 (b)で用いた2種類のシール層用樹脂と6種類のEV
A層用樹脂とを組み合わせて用い、厚みがそれぞれ3、
5、10、15、20μmのシール層用樹脂、酢酸ビニ
ル濃度がそれぞれ13、15、20、26、30、32
%の10μmのEVA層用脂層、および厚み30μmの
低密度ポリエチレン(F1920)の基材層用樹脂の3
層フィルムを多層Tダイ法により、押出し、冷却後巻取
った。この3層フイルムの低密度ポリエチレン側に、別
にTダイにて押出した低密度ポリエチレンをはさみ、そ
の外側に50μmのアルミ箔を貼り合わせ、テストフィ
ルムとした。これを幅30mm、長さ50mmに切り出
し、蓋材テストピースとした。
【0024】つぎに、厚み1mmの低密度ポリエチレン
シートをTダイ法にて作成し、蓋材テストピースと同様
に幅30mm、長さ50mmに切り、この低密度ポリエ
チレンシートを上記の蓋材テストピースに重ね、これに
内径16mm、外径20mmのそれぞれの円で囲まれた
中抜き円部分がヒータとなるヒートシーラーで温度18
0℃、時間0.7秒の条件で蓋材テストピース側からヒ
ートシールし、固化後、蓋材テストピースと低密度ポリ
エチレンシートとのそれぞれの端部を引張り試験機(速
度50mm/分)のチャックで把持し、両者を引き剥が
し、開封強度を求め、表1の実験No.1〜20の開封
強度(g)の欄に示した。また、中抜き円状のシール層
の剥離が継続してしまいシール層が残る度合い、すなわ
ち窓残り(図7参照)を下記に示す易開封性の評価尺度
に従い評価し(n=10)、表1の実験No.1〜20
のランクの欄に示した。さらに、このテスト時に、シー
ル層の剥離状況の良、不良を目視にて外観検査し、表1
の実験No.1〜20のシール部外観の欄に示した。
【0025】<易開封性テストの評価尺度> ランク ○:シール層の窓残りが全くない(図7a参照) △:シール層の窓残りが円形シール面積の1/5未満
(図7b参照) ×:シール層の窓残りが円形シール面積の1/5以上
(図7c参照) 以上、表1の結果から、シール層の厚みが本発明外の2
0μmで、かつシール層の破断強度が層間剥離強度より
大きい実験No.5と15の蓋材テストピースは、易開
封性のランクが×でシール層の窓残りが円形シール面積
の1/5以上を占めていた。
【0026】また、酢酸ビニル濃度(%)が本発明外の
13%の実験No.6、16の蓋材テストピースは、シ
ール部の外観が不良であり、さらに酢酸ビニル濃度
(%)が本発明外の32%の実験No.10、20の蓋
材テストピースは、実験No.5と15と同じく易開封
性のランクが×であった。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、シール層に用いる樹脂
とこのシール層に隣接する樹脂層に用いる樹脂との組合
せを特定することにより、従来技術の課題であった特殊
な処理や複雑な混合組成物を必要とせずにシール層の破
壊が容易にでき、きれいに開封でき、密封性、ヒートシ
ール性、剥離後は美麗な外観を呈する特性をもつ多層フ
ィルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の層間剥離により蓋材が開封されるメカ
ニズムを説明する図
【図2】シール最終部でシール層が破断せず、層間剥離
が継続してしまい開封ができなくなるメカニズムを説明
する図
【図3】低密度ポリエチレン(F1920)をシール層
に用いた時のシール層の厚みと引張り強度との関係を示
す図
【図4】エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(D2010
F)をシール層に用いた時のシール層の厚みと引張り強
度との関係を示す図
【図5】シール層を低密度ポリエチレン(F1920)
とした時のエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂の酢酸ビニ
ル濃度とシール層との層間剥離強度の関係を示す図
【図6】シール層をエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂
(D2010F)とした時のエチレンー酢酸ビニル共重
合樹脂の酢酸ビニル濃度とシール層との層間剥離強度の
関係を示す図
【図7】蓋材テストピースと低密度ポリエチレンシート
とを引き剥がしたとき、シール層の剥離が継続してしま
いシール層が残る度合い、すなわち窓残りを示す図
【図8】界面剥離の剥離メカニズムを示す図
【図9】凝集剥離の剥離メカニズムを示す図
【図10】層間剥離の剥離メカニズムを示す図
【符号の説明】
1 基材層 2 エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂層(EVA層) 3 シール層 4 容器 5 蓋材 P 剥離面 S シール面 R 窓残り

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シール層とこれに隣接する樹脂層との層
    間剥離機構による易開封性を発揮させる少なくとも2層
    以上からなる多層フィルムにおいて、該シール層は厚み
    3〜15μmのポリオレフィン系樹脂よりなり、これに
    隣接する樹脂層は酢酸ビニル濃度が15〜30%のエチ
    レンー酢酸ビニル共重合樹脂であり、かつ該シール層の
    破断強度(g/15mm)が該シール層とこれに隣接す
    る樹脂層との層間剥離強度(g/15mm)より小さい
    ことを特徴とする易開封性多層フィルム。
JP8157961A 1996-06-19 1996-06-19 易開封性多層フィルム Withdrawn JPH106450A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002127334A (ja) * 2000-10-19 2002-05-08 Dainippon Printing Co Ltd 易剥離性積層体およびその製造方法
WO2019093227A1 (ja) * 2017-11-10 2019-05-16 共同印刷株式会社 ブリスターパック用蓋材
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