JPH1064047A - 磁気記録媒体用のバック層用塗料及びそれを用いてなる磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用のバック層用塗料及びそれを用いてなる磁気記録媒体

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JPH1064047A
JPH1064047A JP22334296A JP22334296A JPH1064047A JP H1064047 A JPH1064047 A JP H1064047A JP 22334296 A JP22334296 A JP 22334296A JP 22334296 A JP22334296 A JP 22334296A JP H1064047 A JPH1064047 A JP H1064047A
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JP
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polymer
carbon black
back layer
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magnetic recording
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JP22334296A
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Michio Yabuno
通夫 薮野
Yoshio Hara
良男 原
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、磁気記録媒体のバック層に
おいて平滑性、耐久性、走行性を向上せしめることにあ
る。 【解決手段】 支持体に対し互いに反対面に磁性層とバ
ック層とを有する磁気記録媒体用のバック層用塗料であ
って、キノン量が0.1ミリ当量/g以上のカーボンブ
ラックと、アミノ基を有するポリマーとを縮合反応させ
ることによって得られるポリマーグラフトカーボンブラ
ックを含有することを特徴とする磁気記録媒体用のバッ
ク層用塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、平滑性、導電性、遮光性、耐久性、走行特性にに優
れるバック層を形成する塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に高級ビデオテープ(8ミリテー
プ、S−VHS、W−VHS、DVC等)、デジタルオ
ーディオテープ、放送局用テープ、コンピュータ用テー
プ等の磁気記録媒体においては、支持体に対し磁性面と
反対面にバック層が形成されている。このバック層は走
行安定性を付与するとともに、静電気防止効果、テープ
終端検出のための光遮光性が求められている。このため
一般的にはバック層にカーボンブラックを含む充填剤を
分散し、導電性、遮光性を付与せしめている。さらに最
近の磁気テープの小型化、大容量記録化に伴い、支持
体、磁性層には共にさらなる平滑性、さらなる薄膜化が
求められる傾向にあり、バック層においても磁性層の平
滑性を損なわぬように平滑性の向上が求められると共
に、耐久性、走行性の向上も求められている。
【0003】バック層の平滑性を向上するためには1次
粒子径の小さなカーボンブラックを高度に分散、安定化
することが必要であるが、一般にカーボンブラックは比
表面積が大きく難分散性であるためバック層として十分
な平滑性を得ることは困難であった。これに対し結合剤
である有機樹脂中に酸性官能基を導入することによりカ
ーボンブラックの分散性を改善する試みがなされている
が十分平滑なバック層を得るには至っていない。また特
定の分散剤、例えば特開昭61−224136号公報及
び特開平1−232524号公報に記載されるように、
有機色素化合物を分散剤として使用することでバック層
の平滑性を改善する試みがなされている。この有機色素
化合物は、従来の分散剤に比べカーボンブラックの分散
能に優れ、バック層の平滑性を大幅に向上させた。しか
しこれら分散剤による平滑性改善も最近の高平滑化要求
を満たすには至らず、また経時による分散剤の吸脱着等
により塗料粘度が変化する等の問題も指摘されている。
【0004】一方バック層の走行性、耐久性において
は、結合材である樹脂の機械物性を改良したり、異なる
粒子径のカーボンブラックを使用するなどしてバック層
の表面に平滑性を損なわない範囲で微少な突起を形成し
たりすることによって、改良・向上が試みられているが
十分とはいえない。これはカーボンブラックを1次粒子
に分散することが困難なため、バック層中においてはカ
ーボンブラックが凝集体となり塗膜充填密度が低く機械
強度が落ちること、カーボンブラックと樹脂の親和性が
十分でなく走行中にカーボンブラック粒子の脱落が起こ
ることが原因である。これに対し特開昭52−9650
5号公報にはラジカル反応を利用してカーボン表面にポ
リマーをグラフトしたカーボンブラックグラフトポリマ
ーを使用することが記載されている。しかし、ラジカル
反応によるポリマーグラフトはグラフトポリマーの分子
量制御が困難であるため安定した効果が得られない、製
造コストが高い等の問題があり実用化には至っていな
い。また特開昭63−298811号公報には、カーボ
ン表面の官能基と特定の官能基を有する重合体とを反応
することにより得られるポリマーグラフトカーボンブラ
ックを使用することが記載されているが、通常のカーボ
ンでは十分なグラフト率が得られず、ある程度の耐久性
改善はなされるものの、得られるバック層の平滑性は不
十分であり、またグラフト率を高めるために高温で反応
させた場合は、樹脂の変質等により、係るポリマーグラ
フトカーボンブラックをバック層用塗料に使用した場合
塗料としての長期の保存安定性に欠けるばかりでなく、
係るポリマーグラフトカーボンブラックを含有するバッ
ク層としても長期の保存安定性に問題があり、磁性層へ
の悪影響が指摘されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁気
記録媒体のバック層において平滑性、耐久性、走行性を
向上せしめることにある。これらの目的を達成するため
鋭意検討した結果、特定量のキノンを有するカーボンブ
ラックと特定官能基を有するポリマーとを反応させたポ
リマーグラフトカーボンブラックを使用したバック層用
塗料によりバック層を形成することで、バック層の平滑
性、耐久性、走行性を向上させることができることを見
出した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、支持体に対し互いに反対面に磁性層とバック層とを
有する磁気記録媒体用のバック層用塗料であって、キノ
ン量が0.1ミリ当量/g以上のカーボンブラックと、
アミノ基を有するポリマーとを縮合反応させることによ
って得られるポリマーグラフトカーボンブラックを含有
することを特徴とする磁気記録媒体用のバック層用塗料
である。
【0007】第2の発明は、ポリマーの数平均分子量が
300〜50000であることを特徴とする第1の発明
の磁気記録媒体用のバック層用塗料である。
【0008】第3の発明は、ポリマーのアミノ基が1級
または2級のアミノ基であることを特徴とする第1の発
明または第2の発明いずれか記載の磁気記録媒体用のバ
ック層用塗料である。
【0009】第4の発明は、ポリマーのアミノ基が少な
くともポリマーの片末端または両末端に位置することを
特徴とする第1の発明ないし第3の発明いずれか記載の
磁気記録媒体用のバック層用塗料である。
【0010】第5の発明は、支持体に対し互いに反対面
に磁性層とバック層とを有する磁気記録媒体であって、
該バック層が第1の発明ないし第4の発明いずれか記載
のバック層用塗料を用いてなるバック層であることを特
徴とする磁気記録媒体である。
【0011】
【発明の実施の形態】一般にカーボンブラックは、生成
過程で粒子表面にカルボキシル基(−COOH)、フェ
ノール性水酸基(−OH)、キノン(>C=O)といっ
た官能基が生成されるが、本発明のポリマーグラフトカ
ーボンブラックに利用されるカーボンブラックの表面官
能基は、0.10ミリ等量/g以上のキノン(>C=
O)である点に特徴づけられ、またポリマーは、このキ
ノンと反応性を有するアミノ基を有する点に特徴づけら
れる。本発明においてキノン(>C=O)とは、キノン
系ケトン、非キノン系ケトンの両方を指すものであり、
従来よりカーボンブラックの表面官能基としては、>C
=Oが一般的にキノンと称されていることにならい、本
発明においても>C=Oをキノンと称するものである。
【0012】なお、一般的に>C=Oと1級アミノ基
(−NH2 )との反応によって生成するシッフ塩基(>
C=N−)は、加水分解されやすく、元の>C=Oと1
級アミノ基(−NH2 )に戻りやすいとされている。そ
こで、本発明に先立ち、P−キノン、シクロヘキサノン
と、ステアリルアミン、ポリオキシアルキレンアミンと
をそれぞれ反応させて、得られた反応物をアルカリ溶
液、中性溶液、酸性溶液中にそれぞれ入れ混合させて加
水分解の状況を検討したところ、一般論とは異なり生成
したシッフ塩基(>C=N−)の加水分解は認められ
ず、安定であることが確認された。
【0013】本発明において用いられるカーボンブラッ
クとしては、表面官能基のキノン量が0.1ミリ当量/
g以上のものであれば特に種類や製造履歴に制約される
ことはなく、オイルファーネスブラック、ガスファーネ
スブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、
アセチレンブラックなど各種のものが使用し得る。本発
明において使用するカーボンブラックのキノン量は、従
来公知の水素化硼素ナトリウム溶液からの水素吸収法に
より測定される。本発明においては市販されるカーボン
ブラックのキノン量を水素化硼素ナトリウムの水素吸収
法により測定し、キノン量が0.1ミリ当量/g以上の
カーボンブラックを適宜選択し使用してもよいし、キノ
ン量が0.1ミリ当量/g未満のカーボンブラックやキ
ノン量が0.1ミリ当量/g以上のカーボンブラックを
硝酸、硫酸、次亜塩素酸塩等による湿式酸化処理を施す
方法、空気、オゾンまたは亜硝酸ガスにより乾式酸化処
理を施す方法で処理し、カーボンブラックにキノンを導
入したり、その量を増加せしめたりしたカーボンブラッ
クを使用してもよい。表面官能基のキノン量は、好まし
くは0.1から3.0ミリ当量/g、さらに好ましくは
0.1〜2.0ミリ当量/gである。表面のキノン量が
0.1ミリ当量未満だと、反応点が少ないため、カーボ
ンブラック表面にグラフトするポリマーが少なくなり、
カーボンブラックを被覆するだけの十分なポリマー存在
せず、分散性、安定性を十分に得ることができなくな
り、磁気記録媒体のバック層としての十分な平滑性が得
られない。一方、表面のキノン量が3.0ミリ当量/g
を越えるカーボンブラックを使用しても特に問題はない
が、係るキノン量に対応するポリマーをグラフトせしめ
ても、分散性、安定性の面での効果は殆ど変わらなくな
り、磁気記録媒体のバック層としての平滑性もそれ以上
の向上は殆ど認められなくなる。また、カーボンブラッ
クの他の表面官能基(カルボキシル基(−COOH)、
フェノール性水酸基(−OH)等)については特に制限
されない。ただし−COOH基の増加は表面電気抵抗の
増大を引き起こすため2.0ミリ当量/g以下が好まし
い。
【0014】また,本発明において使用するカーボンブ
ラックの平均1次粒子径は,特に制限されないが、平滑
性の点から100nm以下、さらに好ましくは10〜3
0nmである。また使用するカーボンブラックのPH、
揮発分は特に制限されないが、PHは10以下が好まし
く、さらに好ましくは2〜9であり、揮発分は1%以上
が好ましい。また使用するカーボンブラックの比表面積
は、反応させるポリマーの分子量により適宜選択するこ
とができるが、BET比表面積で80〜2000m2 /
gが好ましい。
【0015】本発明において使用するポリマーは、アミ
ノ基を有するものであり、好ましくは1級または2級ア
ミノ基、さらに好ましくは1級アミノ基を有するもので
ある特に1級アミノ基はカーボンブラック表面のキノン
基との反応性が高く、比較的低温でシッフ塩基、(>C
=N−)を形成するため高いグラフト率を得ることがで
きる。またアミノ基のポリマー中の位置は特に制限され
ないが、片末端、両末端にアミノ基を有するものが好ま
しい。これは末端にアミノ基をもつことによりポリマー
分子の広がりが大きくなりポリマー部分と溶媒との親和
性が増し、分散安定性に寄与するためと考えられる。
【0016】本発明において用いられるポリマーの分子
量は特に制限されるものではないが、好ましくは数平均
分子量で300〜50000、さらに好ましくは500
〜20000である。数平均分子量が300未満になる
とポリマーグラフトカーボンンブラックの溶媒中での安
定性が不良となり、形成されるバック層の平滑性が不十
分であるばかりでなく、経時でバック層用塗料の凝集が
おこる。数平均分子量が50000を超えるとカーボン
ブラックの表面への反応が制限されグラフト化率が低く
なり、バック層の十分な平滑性が得られない。
【0017】本発明において用いられるポリマーの種類
としては、アミノ基を有するものであれば特に制限はな
いが、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹
脂、ポリオキシアルキレン樹脂、ウレタン樹脂、シロキ
サン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、エポキ
シ樹脂、アミノ樹脂等が使用できる。これらは使用され
る溶剤系、後から添加される樹脂系、使用する目的に応
じて適宜選択できる。
【0018】本発明において用いられるポリマーグラフ
トカーボンブラックは溶剤中にポリマーとキノン量が
0.1ミリ当量/g以上のカーボンブラックを混合し一
定温度で攪拌または分散することによって得られる。溶
剤を使用せずカーボンブラックとポリマーを混合練肉し
てもよいが、反応の均一性の面から溶剤中での反応が好
ましい。反応温度は使用する溶剤、ポリマーにより異な
るが、ポリマーの変質等を防ぐため50℃〜200℃で
行うことが好ましい。また反応が終了したポリマーグラ
フトカーボンブラックに含有される未反応のポリマー
は、溶剤で精製、洗浄をすることが好ましいが除去せず
に使用することも可能である。また反応に使用される溶
剤は、ポリマーを溶解するものであれば特に制限はない
が、ケトン系溶剤はポリマー中のアミノ基とシッフ塩基
(>C=N−)を形成しカーボンブラックのキノン基と
ポリマー中のアミノ基の反応を阻害するため好ましくな
い。また反応においては従来公知の触媒を使用してもよ
い。
【0019】本発明の層用塗料においては、ポリマーグ
ラフトカーボンブラック以外に従来公知の無機フィラ
ー、例えば酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、α酸化鉄、アルミナ等を含有してもよい。またグラ
フトに使用したポリマー以外に従来公知の樹脂を結合材
として使用してもよい。従来公知の樹脂としては、塩ビ
樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、
エポキシ樹脂、シロキサン樹脂、ポリエステル樹脂、セ
ルロース系樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、アミノ樹脂等がある。また従来公知の分散剤、ブロ
ッキング防止剤、防黴剤等の添加剤を使用してもよい。
また硬化剤としては従来公知のポリイソシアネート化合
物を使用することができる。
【0020】本発明に係るバック層用塗料の製造方法と
しては、前述したポリマーグラフトカーボンブラックを
溶剤に溶解した後、必要であれば結合材、添加剤を添加
して得られるが、必要であればさらにロールミル、サン
ドミル、アトライター、ニーダー等の公知の分散機で分
散してもよい。
【0021】また本発明に係わるバック層は該バック層
用塗料にポリイソシアネート等の硬化剤を添加した後、
グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、
ナイフコーター等で乾燥塗膜厚0.3〜3.0μm に塗
布した後90〜110℃で乾燥する事により得られる。
また乾燥後50〜70℃でさらに加熱硬化を行うことに
より架橋が進み、塗膜の機械強度を向上させることがで
きる。また本発明に係わるポリマーグラフトカーボンブ
ラックは、遮光性、導電性、走行安定性を付与するため
に磁性層に含有してもよい。
【0022】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。例中、
「部」「%」は、それぞれ「重量部」「重量%」であ
る。 (製造例1〜5)表1に示したカーボンブラックa〜e
を10gと片末端に1級アミンを有するポリオキシアル
キレンアミンA(ポリオキシエチレン/ポリオキシプロ
ピレン=10/90、Mn=960)5gをトルエン3
00g中で混合攪拌し、70℃にて20時間攪拌して反
応させた。反応後、溶剤のトルエンを乾燥し、重量を測
定した。その後、THFを溶媒として20時間のソック
スレー抽出を行い、未反応のポリオキシアルキレンアミ
ンを除去し、110℃、3時間乾燥し、重量X(g) を測
定し、粉砕して本発明のポリマーグラフトカーボンブラ
ックA〜Eを得た。ソックスレー抽出後の重量X(g) か
らカーボンブラック1gにグラフト化したポリマー量の
百分率(グラフト率)を求め、結果を表2に示した。 グラフトしたポリマー量(g) =ポリマーグラフトカーボンブラック量(g) −用いたカーボンブラック量(g) =X(g) −10(g) グラフト率=(グラフトしたポリマー量/用いたカーボンブラック量)×100 =((X(g) −10(g) )/10(g) )×100
【0023】(製造例6)製造例1で用いたポリオキシ
アルキレンアミンAを片末端に1級アミノ基を有するポ
リオキシアルキレンアミンB(ポリオキシエチレン/ポ
リオキシプロピレン=9/91、Mn=1910)に変
更した以外は製造例1と同様の操作を行い、本発明のポ
リマーグラフトカーボンブラックFを得た。
【0024】(製造例7)製造例1で用いたポリオキシ
アルキレンアミンAを片末端に1級アミノ基を有するポ
リオキシアルキレンアミンC(ポリオキシエチレン/ポ
リオキシプロピレン=76/26、Mn=2080)に
変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、本発明の
ポリマーグラフトカーボンブラックGを得た。
【0025】(製造例8)製造例1で用いたポリオキシ
アルキレンアミンAを両末端に1級アミノ基を有するア
ミノポリシロキサンD(Mn=1200)に変更した以
外は製造例1と同様の操作を行い、本発明のポリマーグ
ラフトカーボンブラックHを得た。
【0026】(製造例9)製造例1で用いたポリオキシ
アルキレンアミンAを両末端に1級アミノ基を有するア
ミノポリシロキサンE(Mn=11000)に変更した
以外は製造例1と同様の操作を行い、本発明のポリマー
グラフトカーボンブラックIを得た。
【0027】(製造例10)製造例1で用いたポリオキ
シアルキレンアミンAを両末端に1級アミノ基を有する
ポリウレタンF(Mn=8000)に、トルエンをTH
Fに変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、本発
明のポリマーグラフトカーボンブラックJを得た。
【0028】(製造例11)製造例1で用いたポリオキ
シアルキレンアミンAを両末端に1級アミノ基を有する
ポリウレタンG(Mn=28000)に、トルエンをT
HFに変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、本
発明のポリマーグラフトカーボンブラックKを得た。
【0029】(製造例12)製造例1で用いたポリオキ
シアルキレンアミンAを側鎖に1級アミノ基を有する塩
ビ樹脂H(Mn=24000)に、トルエンをTHFに
変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、本発明の
ポリマーグラフトカーボンブラックLを得た。
【0030】(製造例13)製造例1で用いたポリオキ
シアルキレンアミンAを両末端にOH基を有するポリオ
キシアルキレンI(Mn=1100)に変更した以外は
製造例1と同様の操作を行い、ポリマーグラフトカーボ
ンブラックMを得た以上の製造例1〜13で得た測定し
たグラフト率を求め、結果を表2に示した。
【0031】(実施例1〜4) (磁性塗料) メタル磁性粉(比表面積50m2/ g、保磁力1500Oe) 100部 塩化ビニル樹脂(MR−110、日本ゼオン(株)) 固形分 10部 ウレタン樹脂(N−2304、日本ポリウレタン( 株) ) 固形分 5部 αアルミナ(粒径0.5μm ) 3部 カーボンブラック 5部 ステアリン酸 1部 ステアリン酸ブチル 1部 メチルエチルケトン 120部 トルエン 120部 シクロヘキサノン 60部 上記組成物をサンドミルで分散した磁性塗料にポリイソ
シアネート化合物(コロネートL、日本ポリウレタン
(株))を固形分で3部加え、10μm厚のポリエチレ
ンテレフタレート支持体上に塗布、配向、乾燥後、カレ
ンダー処理による鏡面加工を行い3μm 厚の磁性塗膜を
作成した。次に、ポリマーグラフトカーボンブラックA
〜Dを用いてなる下記バック層組成物をサンドミルを用
いて分散して得られた塗料に、ポリイソシアネート化合
物(コロネートL、日本ポリウレタン(株))を固形分
で12部加えた後、この塗料を磁性面と反対面に塗布
し、100℃乾燥後、60℃、20時間硬化し、1/2
インチ幅に裁断し実施例1〜4の磁気テープを作成し
た。 (バック層組成物) ポリマーグラフトカーボンブラックA〜D 100部 ポリウレタン樹脂(モルセンCA−118 モートンケミカル(株)) 80部 メチルエチルケトン 328部 トルエン 328部 シクロヘキサノン 164部
【0032】(実施例5)実施例1のバック層組成物に
おいて用いたポリマーグラフトカーボンブラックAをポ
リマーグラフトカーボンブラックFに変えた以外は実施
例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0033】(実施例6)実施例1のバック層組成物に
おいて用いたポリマーグラフトカーボンブラックAをポ
リマーグラフトカーボンブラックGに変えた以外は実施
例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0034】(実施例7)実施例1のバック層組成物に
おいて用いたポリマーグラフトカーボンブラックAをポ
リマーグラフトカーボンブラックHに変えた以外は実施
例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0035】(実施例8)実施例1のバック層組成物に
おいて用いたポリマーグラフトカーボンブラックAをポ
リマーグラフトカーボンブラックIに変えた以外は実施
例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0036】(実施例9)実施例1のバック層組成物に
おいて用いたポリマーグラフトカーボンブラックAをポ
リマーグラフトカーボンブラックJに変えた以外は実施
例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0037】(実施例10)実施例1のバック層組成物
において用いたポリマーグラフトカーボンブラックAを
ポリマーグラフトカーボンブラックKに変えた以外は実
施例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0038】(実施例11)実施例1のバック層組成物
において用いたポリマーグラフトカーボンブラックAを
ポリマーグラフトカーボンブラックLに変えた以外は実
施例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0039】(比較例1〜5)実施例1のバック層組成
物を下記の組成に変更した以外は実施例1と同様にして
磁気テープを作成した。 カーボンブラックa〜e 100部 ポリウレタン樹脂(モルセンCA−118 モートンケミカル(株)) 100部 分散剤(下記構造式の有機色素化合物) 5部 CuPc−SO2 NH(CH2 ) 3 N−(C2 5 ) 2 CuPc;銅フタロシアニン メチルエチルケトン 374部 トルエン 374部 シクロヘキサノン 187部
【0040】(比較例6)実施例1のバック層組成物に
おいて用いたポリマーグラフトカーボンブラックAをポ
リマーグラフトカーボンブラックEに変えた以外は実施
例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0041】(比較例7)比較例1のバック層組成物に
おいて、有機色素化合物を除いた以外は比較例1と同様
にして磁気テープを作成した。
【0042】(比較例8)実施例1のバック層組成物に
おいて用いたポリマーグラフトカーボンブラックAをポ
リマーグラフトカーボンブラックMに変えた以外は実施
例1と同様にして磁気テープを作成した。
【0043】以上の実施例1〜11、比較例1〜8で作
成した磁気テープのバック層の中心線表面粗さRa、6
0゜鏡面反射率、表面電気抵抗、バック層の動摩擦係
数、500 パス繰り返し走行後の動摩擦係数、500 パス走
行後のバック層の傷つき程度を評価しその結果を表3に
示した。
【0044】[中心線表面粗さRa]:触針式表面粗さ
計によりJIS-B-0601-1982 に基づきカットオフ値0.0
8で測定した。
【0045】[60゜鏡面反射率]:光沢計によりバッ
ク層塗膜の60゜−60゜反射率を測定した。
【0046】[表面電気抵抗]:デジタルエレクトロメ
ーターにより印加電圧1Vでのバック層塗膜表面の表面
電気抵抗を測定した。
【0047】[動摩擦係数]:テープ走行試験機を用い
て、テープ速度3.33cm/sec、インサイドテン
ション25g、巻き付け角度180゜におけるステンレ
スピンとの動摩擦係数を測定した。
【0048】[500パス走行後のバック層の傷つき程
度]:500パス繰り返し走行後のバック層の塗膜の傷
の本数を顕微鏡で評価した。 ○:3本以下 ○〜△:4〜9本 △:10〜19本 ×:20本以上
【0049】[500パス走行後のバック層のエッジダ
メージ] ○:塗膜のはがれが全くない △:エッジの10%以内で塗膜のはがれが認められる。 ×:エッジの10%を越える塗膜のはがれが認められ
る。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】表3から明らかなようにバック層に本発明
のポリマーグラフトカーボンブラックを使用することに
より分散剤を使用せずに平滑なバック層が得られ、また
カーボンブラックとポリマーの結合力が増し粉落ちが防
止される結果、テープ走行摩擦係数及びバック層の傷つ
き性改良されていることがわかる。
【0054】
【発明の効果】磁気記録媒体のバック層に表面キノン基
を0.1ミリ当量/g以上含むカーボンブラックとアミ
ノ基を有するポリマーを縮合反応しおて得られるポリマ
ーグラフトカーボンブラックを使用することにより、バ
ック層の平滑性、耐久性が向上し、ひいては磁気記録媒
体に要求される特性を向上せしめることに成功した。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体に対し互いに反対面に磁性層とバ
    ック層とを有する磁気記録媒体用のバック層用塗料であ
    って、キノン量が0.1ミリ当量/g以上のカーボンブ
    ラックと、アミノ基を有するポリマーとを縮合反応させ
    ることによって得られるポリマーグラフトカーボンブラ
    ックを含有することを特徴とする磁気記録媒体用のバッ
    ク層用塗料。
  2. 【請求項2】 ポリマーの数平均分子量が300〜50
    000であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    媒体用のバック層用塗料。
  3. 【請求項3】 ポリマーのアミノ基が1級または2級の
    アミノ基であることを特徴とする請求項1または2記載
    の磁気記録媒体用のバック層用塗料。
  4. 【請求項4】 ポリマーのアミノ基が少なくともポリマ
    ーの片末端または両末端に位置することを特徴とする請
    求項1ないし3いずれか記載の磁気記録媒体用のバック
    層用塗料。
  5. 【請求項5】 支持体に対し互いに反対面に磁性層とバ
    ック層とを有する磁気記録媒体であって、該バック層が
    請求項1ないし4いずれか記載のバック層用塗料を用い
    てなるバック層であることを特徴とする磁気記録媒体。
JP22334296A 1996-08-26 1996-08-26 磁気記録媒体用のバック層用塗料及びそれを用いてなる磁気記録媒体 Pending JPH1064047A (ja)

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