JPH1062615A - 回折格子及びその製造方法及びそれらを利用した光ピックアップ素子 - Google Patents

回折格子及びその製造方法及びそれらを利用した光ピックアップ素子

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JPH1062615A
JPH1062615A JP8215809A JP21580996A JPH1062615A JP H1062615 A JPH1062615 A JP H1062615A JP 8215809 A JP8215809 A JP 8215809A JP 21580996 A JP21580996 A JP 21580996A JP H1062615 A JPH1062615 A JP H1062615A
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polymer
mold
diffraction grating
liquid crystal
polymerizable compound
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JP8215809A
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Tomonori Korishima
友紀 郡島
Yuzuru Tanabe
譲 田辺
Hiromasa Sato
弘昌 佐藤
Hiroki Hodaka
弘樹 保高
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Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶ホログラムに有用な深い凹凸の格子形状を
有する回折格子を生産性良く製造する。 【解決手段】所望の凹凸部を有する型1に、シリコーン
ゴム等の離型性を有する第1の重合性化合物を付与して
重合し、ゴム状の第1の重合体4を得て、第1の重合体
4を型として用い、光重合可能な重合後に第1の重合体
よりも弾性定数が高い重合体を与える第2の重合性化合
物を付与して重合し、凹凸部の形状を転写した第2の重
合体2を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等の光
記録媒体で情報の記録再生等を行うために用いる回折格
子、その製造方法及びそれらを利用した光ピックアップ
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク等の光記録媒体に情報を記録
/再生する情報記録装置において、ディスクへの情報の
書き込み及び読み取りを行うための光ピックアップ素子
の小型化が要求されている。また、使用するレーザ光等
の減衰をなるべく少なくして、低出力でも充分な情報の
記録再生ができるように、光利用効率の向上が要求され
ている。
【0003】このような要求に対して、凹凸部を有する
基板と平坦な基板との間に液晶を挟持した液晶ホログラ
ムを利用したピックアップ素子を用いることが提案され
ている。しかし、液晶ホログラムを用いた場合、コンパ
クトディスクと比較して格子形状が深いという問題があ
る。
【0004】これは、液晶として高分子液晶を用いた場
合において特に問題となる。すなわち、高分子液晶を使
用した場合、液晶セルの周辺にシールが不要であるとい
う長所がある反面、液晶の重合により複屈折が小さくな
るため、より格子が深くなるという問題が起こる。
【0005】従来このような光ピックアップ素子におけ
る格子形成手段として、次のような製造方法が用いられ
てきた。 (1)ホトリソとエッチングによる製造方法、(2)射
出成形による製造方法、(3)キャスチングによる転写
による製造方法。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(1)のホトリソとエッチングによる製造方法では、基
板がガラスの場合、エッチング速度が小さく生産性が悪
い、非常に腐食性の高いフッ酸を使用する等の問題があ
った。(2)の射出成形による製造方法では、型の摩耗
の問題があった。(3)のキャスチングによる転写によ
る製造方法では、格子形状が深いので型からの離型が困
難という問題があった。これらについて以下にさらに説
明する。
【0007】(1)のホトリソとエッチングによる製造
方法では、例えば、シリコンウエハ上にノボラック系の
樹脂にジアゾナフトキノン誘導体を加えたいわゆるポジ
型レジストを塗布し、マスクを配置し紫外線を照射後、
紫外線照射部をアルカリにより溶解除去する。
【0008】この技術は基板としてガラス基板を採用し
てもガラス自体をエッチングしなくてよいが、いずれも
耐久性が優れていないことと、レジストの屈折率を液晶
の二つの屈折率の一方と一致させることが困難なため、
後述するような液晶ホログラムとして光ピックアップ素
子に用いる回折格子には適していない。
【0009】(2)の射出成形による製造方法は、格子
形成のための大きな確立された技術としてコンパクトデ
ィスク製造に採用されている。この技術では、ポリカー
ボネートのような熱可塑性樹脂を溶融して型に移し、光
波長以下の凹みを転写する。この方法は深い格子を形成
しようとする場合には、粘度の高い溶融状態の樹脂が型
に接するため型の摩耗が激しく、また樹脂が細かい凹凸
部に回り込みにくい欠点がある。
【0010】(3)のキャスチングといわれる方法は、
格子形状を有する型に高分子の溶液を格子面に塗布した
後、溶媒を蒸発させて残った格子形状を転写された高分
子の格子を得るか、格子形状を有する型に重合能を有す
る粘度の低い重合性化合物を格子面に塗布した後、重合
性化合物を重合させて形成した格子を得る方法である。
このうち、高分子を溶剤に溶解させる方法は、溶媒の蒸
発過程で収縮が起こって精密に格子を転写できない問題
がある。
【0011】また、重合性化合物を用いる方法はキャス
チングでは広く用いられている方法であるが、回折格子
と液晶から構成された回折格子である液晶ホログラムを
形成するには適当ではない。回折格子として適当な透明
なアクリル系又はメタクリル系樹脂は、金属製の型に対
して接着性が強く、無理に型から離そうとすると格子が
深いこともあって、格子形状が壊れてしまうこともある
からである。
【0012】一方、深い格子形状を有する型が、平坦基
板上に形成された高分子の型である場合には回折格子と
して適当な透明なアクリル系又はメタクリル系樹脂は型
に対して接着性が強く、無理に型から離そうとすると格
子が深いこともあって、高分子の型が壊れてしまうこと
もある。
【0013】本発明は上記の従来技術の欠点に鑑みなさ
れたものであって、液晶ホログラムを光ピックアップ素
子として使用できる深い格子形状の回折格子及びその製
造方法及びそれらを用いた光ピックアップ素子の提供を
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、格子形状を有
する型に、重合後に前記型に対して離型性を有する第1
の重合性化合物を格子形状面に付与して重合し、格子形
状を転写した弾性を有するゴム状の第1の重合体を得
て、前記型から第1の重合体を分離した後、第1の重合
体よりも高い弾性定数の重合体を与える第2の重合性化
合物を第1の重合体の格子形状面に付与して重合し、格
子形状を転写した第2の重合体を得て、第1の重合体よ
り第2の重合体を分離して製造してなることを特徴とす
る回折格子を提供する。
【0015】また、格子形状を有する型に、重合後に前
記型に対して離型性を有する第1の重合性化合物を格子
形状面に付与して重合する工程、格子形状を転写した弾
性を有するゴム状の第1の重合体を得て、前記型から第
1の重合体を分離する工程、第1の重合体よりも高い弾
性定数の重合体を与える第2の重合性化合物を第1の重
合体の格子形状面に付与して重合する工程、格子形状を
転写した第2の重合体を得て、第1の重合体より第2の
重合体を分離する工程、を有することを特徴とする回折
格子の製造方法を提供する。
【0016】また、その第1の重合性化合物が付加型の
シリコーンプレポリマーである回折格子の製造方法、及
び、それらの第2の重合性化合物が光重合性のプレポリ
マーである回折格子の製造方法を提供する。
【0017】また、その回折格子又はそれらの製造方法
により製造された回折格子と液晶を組み合わせたことを
特徴とする回折格子、及び、その回折格子で用いられる
液晶が高分子液晶であることを特徴とする回折格子を提
供する。また、それらの回折格子またそれらの製造方法
により製造された回折格子を、光源と光記録媒体との間
に配置したことを特徴とする光ピックアップ素子を提供
する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の回折格子を製造
する工程を順に示す断面図である。図1(A)は、格子
形状を有する型1を示し、その表面には所望の凹部2及
び凸部3が形成されている。
【0019】本発明の回折格子は、格子形状を有する型
を用いて作成する。この格子形状は通常0.8μm以上
のかなり深い格子を有する。この成形に用いる型は、種
々の材質の型が使用でき、耐久性の点から見て金属性の
型を用いることが好ましい。特に、この金属製の型の格
子面の材質は、耐久性の点でニッケルとすることが好ま
しい。
【0020】また、このような金属製の型に代えて、ホ
トリソポリマーからなる型を用いてもよい。この場合、
そのホトリソポリマーを載せる基板は、ガラス又は高分
子材料であればよい。
【0021】図2にこのような型の製造方法の例の断面
図を示す。図2(A)は平坦な基板12を表す。図2
(B)はこの平坦な基板12の上にホトリソポリマーの
重合体13の層を形成したところを示す。図2(C)は
その重合体13の層をホトリソにより部分的に除去し
て、凹部14及び凸部15を形成した型11を製造した
ところを示す。
【0022】この場合には、型は平坦度がよく寸法変化
の少ない無アルカリガラス基板又は高分子基板に形成し
たホトリソポリマーが好ましい。このホトリソポリマー
はポジ型でもネガ型でもよい。ホトリソポリマー金型は
例えばノボラック系の樹脂にジアゾナフトキノン誘導体
を加えた、いわゆるポジ型レジストを塗布し、マスク紫
外線を照射後、紫外線照射部をアルカリにより溶解除去
して形成する。さらにホトリソポリマーの強度を大きく
するために後加熱することが好ましい。
【0023】このような金属製の型又はホトリソポリマ
ーの型の格子面は、格子形状が深さ0.8μm以上であ
り、そのピッチが10μm以下であることが好ましい。
さらに好ましくは格子形状が深さ1μm以上であり、そ
のピッチが2μm以上10μm以下である。
【0024】この場合、このように製造された回折格子
と液晶から構成された回折格子である液晶ホログラム
も、型の格子が転写されているので、格子形状が深さ
0.8μm以上であり、そのピッチが10μm以下であ
ることが好ましい。さらに好ましくは格子形状が深さ1
μm以上であり、そのピッチが2μm以上10μm以下
である。
【0025】図1(B)は、この型1の上に、型1に対
して離型性を有する第1の重合性化合物を付与して重合
させて第1の重合体4を形成したところを示す。本発明
では、型1の凹部2と凸部3とからなる格子形状面に、
第1の重合性化合物を付与して重合させる。
【0026】この第1の重合性化合物はその重合体が型
に対して離型性を有する化合物である。特に、シリコー
ンゴムを形成する付加型のシリコーンプレポリマーとす
ることが好ましい。この第1の重合性化合物の重合によ
り深い格子形状を転写した弾性を有するゴム状の第1の
重合体4が得られる。この第1の重合性化合物の付与
は、塗布、印刷、流延、スプレー等公知の型への重合性
化合物の付与方法が使用できる。
【0027】図1(C)は、この型1から凹部と凸部と
を転写された第1の重合体4を分離したところを示す。
第1の重合体は、シリコーンゴムであることが好まし
い。これは、第1の重合体は、型、特に金属製の型と第
2の重合体に対して離型性がよいことが必要であり、特
に第1の重合体は第2の重合体用の型として繰り返し使
用されるため、第2の重合体との離型に際して永久変形
を伴ったり、破損してはならないからである。
【0028】第1の重合体であるシリコーンゴムは、前
述の第1の重合性化合物(シリコーンプレポリマー)か
ら製造される。シリコーンプレポリマーは縮合型と付加
型とに大別される。縮合型は重合に際してメタノールの
ような低分子揮発物を生成して大きな体積変化を生じる
ので、精密に格子を転写できない場合がある。これに対
し、付加型は揮発物の揮散がないので好ましい。
【0029】図1(D)は、第1の重合体4を型にし
て、第2の重合性化合物を付与して重合させ、第2の重
合体5を形成したところを示す。第2の重合性化合物
を、第1の重合体の型の格子形状面に付与して重合させ
る。この第1の重合性化合物の付与は、塗布、印刷、流
延、スプレー等公知の型への重合性化合物の付与方法が
使用できる。
【0030】第2の重合性化合物は、その重合体が第1
の重合性化合物の重合体より高い弾性定数となる化合物
とされる。これにより、深い格子形状を転写した第2の
重合体を、第1の重合体の型から容易に離型できる。
【0031】第2の重合体はアクリル系又はメタクリル
系重合体であることが好ましい。第2の重合体は、耐久
性があり、液晶による膨潤又は破壊がないものとされ
る。また、重合に際して揮発物の揮散がないものが好ま
しい。その具体的な例としてはエポキシ系樹脂、シリコ
ーン系樹脂、アクリル系又はメタクリル系重合体が好ま
しい。なかでも、アクリル系又はメタクリル系重合体は
その屈折率が液晶の異常光屈折率に近いので好ましい。
また、架橋性の重合体は耐久性が大きいので好ましい。
【0032】このような第2の重合体を作成するための
第2の重合性化合物としては、光重合可能な重合性化合
物が好ましく、特に光重合可能なプレポリマーが好まし
い。第2の重合性化合物は熱重合又は光重合によって第
2の重合体に変換される。光重合によれば反応時間が短
く、しかも室温で可能なので好ましい。
【0033】このような第2の重合性化合物は、アクリ
ル系又はメタクリル系の重合性化合物であることが好ま
しい。この第2の重合性化合物は下記式1に示されるn
価アルコール(nは1、2又は3)のアクリル系又はメ
タクリル系のエステルが好ましい。
【0034】nが2又は3である式1の化合物はその重
合によって生成するポリマーが架橋体となるため耐久性
に富むのでいわゆるアクリル又はメタクリルオリゴマー
といわれている分子量300から1万程度の化合物であ
ることが好ましい。
【0035】(CH2=CX-CO-O)nR ・・・式1 ただし、式1において、Xは水素原子又はメチル基、n
は1、2又は3、Rはn価アルコールのn個の水酸基か
らn個の水素原子を除いた残基を表す。
【0036】図1(E)は、第2の重合体5を第1の重
合体の型から離型して、凹部6及び凸部7を有する第2
の重合体5による回折格子としたところを示す。第2の
重合体5は、元の型1の凹部2及び凸部3と同じ形状の
凹部6及び凸部7を有する。
【0037】本発明の第2の重合体5による回折格子
は、そのまま回折格子としても使用できるが、液晶と組
み合わせて液晶ホログラムの回折格子として使用するこ
とが好ましい。
【0038】図3は、このような液晶ホログラムの回折
格子の例の断面図である。図3において、21は本発明
の凹凸のある回折格子による基板、22は平坦な基板、
23は周辺のシール材、24は2枚の基板間に挟持され
た液晶を示す。
【0039】この液晶としては、通常のネマチック液晶
又はその高分子化された高分子液晶が好ましい。また、
この液晶は基板に水平配向していることが好ましく、さ
らに液晶の常光屈折率又は異常光屈折率と回折格子とな
る基板の凸部の屈折率とがほぼ一致していることが好ま
しい。
【0040】このような特性を有する高分子液晶はアク
リル系又はメタクリル系であり、その格子形状が深さ
1.5μm以上であり、そのピッチが10μm以下であ
ることが好ましい。
【0041】高分子液晶はシリコーン骨格にメソーゲン
が導入された構造やアクリル系又はメタクリル系が知ら
れている。このうち、シリコーン骨格にメソーゲンが導
入された構造の高分子液晶は、本発明の回折格子と密着
させる際に粘度を下げるために加熱を要するので、低粘
度のモノマーから製造できるアクリル系又はメタクリル
系が好ましい。このアクリル系又はメタクリル系モノマ
ーの一般式は下記式2に示される。
【0042】 CH2=CX-CO-O-(CH2)m-(O)n-A-(B)p-D-E ・・・式2 式2において、Xは水素原子又はメチル基、mは0〜8
の整数、nは1、ただしmが0又は1の場合にはnは
0、pは0又は1、Aはフェニレン基又はトランスシク
ロヘキシレン基、Bはエステル結合又はオキシメチレン
結合、Dはフェニレン基又はトランスシクロヘキシレン
基、Eは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のア
ルコキシ基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表
す。
【0043】アクリル系又はメタクリル系モノマーは熱
重合又は光重合によって対応するポリマーに転換でき
る。光重合は一般に重合速度が速く、室温でも重合可能
なので好ましい。アクリル系又はメタクリル系モノマー
を重合して生成した高分子液晶は、その誘電率異方性が
モノマーのそれの6割程度になるので、高分子液晶の誘
電率異方性は低分子液晶のそれよりも小さい。したがっ
て、高分子液晶用には、より深い格子形状であることが
好ましく、深さは1.5μm以上が望ましく、そのピッ
チは10μm以下であることが好ましい。
【0044】前述のように本発明の回折格子は、格子形
状を有する型に、重合後に型に対して離型性を有する第
1の重合性化合物を格子形状面に付与して重合し、格子
形状を転写した弾性の有するゴム状の第1の重合体を
得、次いで、型から第1の重合体を分離し、重合後に第
1の重合体よりも弾性定数が高い第2の重合性化合物を
格子形状面に付与して重合し、格子形状を転写した第2
の重合体を得て、第1の重合体より分離して製造する。
【0045】このような回折格子の製造方法において、
第1の重合体の格子形状面に、第1の重合体よりも高い
弾性定数の重合体を与える第2の重合性化合物を付与し
て重合しているので、第1の重合体を第2の重合体の型
として複数回使用できる。
【0046】図4は、本発明の回折格子を使用した光ヘ
ッド装置の正面図である。図4において、31は光源、
32は回折格子、33は位相差板、34は集光レンズ、
35は光記録媒体、36は光検出器を示す。
【0047】この光源としては半導体レーザ、YAGレ
ーザ等の固体レーザ、He−Ne等の気体レーザ等の各
種の固体、気体レーザが使用でき、半導体レーザが小型
軽量化、連続発振、保守点検等の点で好ましい。光源部
に半導体レーザ等と非線形光学素子を組み込んだ高調波
発生装置(SHG)を使用し、青色レーザ等の短波長レ
ーザを用いると、高密度の光記録及び読み取りができ
る。
【0048】凹凸を形成した基板の屈折率を液晶の常光
屈折率にほぼ一致させ、格子の長手方向に液晶分子が配
列するように配向処理したとする。この場合、往路にお
いては、光源31からのP波(図4の紙面に平行な偏光
方向の光)に対して、凹凸の格子部と液晶部の屈折率は
ほぼ等しいため、回折格子32をそのまま光は透過す
る。次いでλ/4板等の位相差板33により円偏光に変
えられ、集光レンズ34で集光して光記録媒体35に到
達する。
【0049】復路においては、位相差板33によって偏
光方向は円偏光から直線偏光に変化し回折格子32にS
波で入射する。そのとき、S波に対応する液晶の屈折率
は異常光屈折率であり、凹凸の格子部の屈折率とは差が
あるため、回折格子として機能し光の回折が起き、光検
出器36に到達する。
【0050】この光学異方性の回折格子は、高い光の利
用効率が得られ、光ピックアップ素子として利用した場
合に、光源の出力を低下できるので、光ピックアップ素
子の小型化、低消費電力化に有利である。
【0051】
【実施例】ヘキスト社製のホトレジストを用いて、ホト
リソによりガラス基板上に、格子ピッチ6μm、深さ3
μmのレジストによる矩形の凹凸を有する回折素子の型
を形成した。
【0052】次に、東芝シリコーン社製の「TSE34
50」32.92gと「TSE3450(B)」3.4
7gとを混合したものを前記レジストによる回折格子の
型に充填し、96時間室温で重合させた。このシリコー
ン樹脂(第1の重合体)をレジストの型からゆっくり剥
し、シリコーン樹脂製の型を形成した。
【0053】光重合性アクリルオリゴマーを3.43
g、光重合性アクリルモノマーとして日本化薬社製のビ
ス(アクリロイルオキシネオペンチルグリコール)アジ
ペートを3.41g、光重合開始剤として2−メチル−
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ
プロペン−1を0.066g混合した。
【0054】このアクリル系材料を、シリコーン樹脂製
の型に充填し、室温にて波長365nmの紫外線を15
00mJ/cm2 照射し光重合を行った。その後、シリ
コーン樹脂製の型からゆっくり剥し、アクリル樹脂によ
る凹凸を有する回折格子を形成した。この回折格子の格
子ピッチは6μm、深さは3μmで、最初に作成した回
折素子の型と正確に同じ形状であった。
【0055】この回折格子による凹凸を有する基板上に
ポリイミドをスピンコーターでコートし、熱処理後ナイ
ロン布で格子の長手方向に沿ってラビング処理を行っ
た。もう1枚の基板として平らなガラス基板を準備し、
ポリイミドをスピンコーターでコートし、熱処理後ナイ
ロン布で凹凸を有する基板と同じ方向にラビング処理を
行った。
【0056】4−[ω−(プロペノイルオキシ)プロピ
ルオキシ]−4’−シアノビフェニル50重量%、4−
(トランス−4’−n−プロピルシクロヘキシルカルボ
ニルオキシ)−フェニルアクリレート50重量%を混合
し、これに光重合開始剤として2−メチル−1−[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−ホルモリノプロペン−
1を1重量%添加して注入用の液晶とした。
【0057】上記の2枚の基板をそのラビング方向が同
じ方向になるように配向膜面が相対向するように配置
し、その周辺をシール材でシールし、内部に上記の液晶
を注入した。次いで、20℃で10mW/cm2 の強度
の紫外線を150秒照射し、光重合を行った。
【0058】この液晶の常光屈折率は、アクリル樹脂に
よる凹凸を有する回折格子基板の屈折率とほぼ同じであ
った。この液晶を用いた回折格子を、図4に示すよう
に、波長650nmのレーザ光源、位相差板(λ/4
板)、集光レンズ、光検出器とともに配置し、光ピック
アップ素子を構成した。この光ピックアップ素子の光の
利用効率は1次と−1次を合計して72%であった。
【0059】
【発明の効果】本発明では、格子形状を有する型の格子
面に、第1の重合性化合物を付与して、型を転写して弾
性を有するゴム状の第1の重合体の型を形成し、その第
1の重合体の型に、第2の重合性化合物を付与して、あ
らかじめ用意した型と同様の形状の凹凸部を有する回折
格子が得られる。
【0060】第1の重合体は、弾性を有するゴム状であ
るので、固い型からも容易に分離でき、かつ分離後にも
正確な形状を維持できる。第2の重合体は第1の重合体
よりも弾性定数が高いので、第2の重合体を第1の重合
体から容易に分離できるので、生産性が高い。この離型
時に摩耗現象を生じにくく、深い格子形状も容易に転写
できる。また、第1の重合体は複数回繰り返して、第2
の重合体に格子形状を転写する型として使用できるの
で、生産性が良い。
【0061】本発明によれば、深い格子形状も確実に転
写して効率良く精密な回折格子が作製できる。これによ
り、深い格子形状を必要とする液晶ホログラムによる回
折格子が容易に製造され、この液晶ホログラムを用いて
小型で光利用効率の高い光ピックアップ素子が得られ
る。本発明は、本発明の効果を損しない範囲内で、種々
の応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回折格子を製造する工程を順に示した
断面図。
【図2】本発明で使用する型の製造方法の例の断面図。
【図3】本発明の液晶ホログラムの回折格子の例の断面
図。
【図4】本発明の回折格子を使用した光ヘッド装置の正
面図。
【符号の説明】
1:型 2:凹部 3:凸部 4:第1の重合体 5:第2の重合体 6:凹部 7:凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保高 弘樹 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】格子形状を有する型に、重合後に前記型に
    対して離型性を有する第1の重合性化合物を格子形状面
    に付与して重合し、格子形状を転写した弾性を有するゴ
    ム状の第1の重合体を得て、前記型から第1の重合体を
    分離した後、第1の重合体よりも高い弾性定数の重合体
    を与える第2の重合性化合物を第1の重合体の格子形状
    面に付与して重合し、格子形状を転写した第2の重合体
    を得て、第1の重合体より第2の重合体を分離して製造
    してなることを特徴とする回折格子。
  2. 【請求項2】格子形状を有する型に、重合後に前記型に
    対して離型性を有する第1の重合性化合物を格子形状面
    に付与して重合する工程、格子形状を転写した弾性を有
    するゴム状の第1の重合体を得て、前記型から第1の重
    合体を分離する工程、第1の重合体よりも高い弾性定数
    の重合体を与える第2の重合性化合物を第1の重合体の
    格子形状面に付与して重合する工程、格子形状を転写し
    た第2の重合体を得て、第1の重合体より第2の重合体
    を分離する工程、を有することを特徴とする回折格子の
    製造方法。
  3. 【請求項3】第1の重合性化合物が付加型のシリコーン
    プレポリマーである請求項2記載の回折格子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】第2の重合性化合物が光重合性のプレポリ
    マーである請求項2又は3記載の回折格子の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1の回折格子又は請求項2、3もし
    くは4の製造方法により製造された回折格子と液晶を組
    み合わせたことを特徴とする回折格子。
  6. 【請求項6】液晶が高分子液晶である請求項5の回折格
    子。
  7. 【請求項7】請求項1、5もしくは6の回折格子又は請
    求項2、3もしくは4の製造方法により製造された回折
    格子を、光源と光記録媒体との間に配置したことを特徴
    とする光ピックアップ素子。
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