JPH1062412A - クレアチニンを検出する方法 - Google Patents
クレアチニンを検出する方法Info
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Abstract
ニン濃度を正確に測定すること。 【解決手段】 Cu2+イオンと、ヒドロペルオキシド
と、擬ペルオキシダーゼとともに、pKa =約6.6〜
8.0の緩衝剤を必要量用いる。範囲内に保つのに適
Description
々な化合物、例えばフェノール類やアミンの酸化を触媒
する酵素である。加えて、特定の化合物は、ヒドロぺル
オキシドから酸素を遊離させ、この酸素を一定の受容体
化合物へと移転することによって、ペルオキシダーゼ酵
素に似た方式で働くため、擬ペルオキシダーゼと呼ばれ
ている。すなわち、擬ペルオキシダーゼは、過酸化物と
酸化可能な化合物との反応を触媒するか、または他の方
法でそれに参加する点が酵素に似ている。擬ペルオキシ
ダーゼは、ヘモグロビンやその誘導体を包含し、過酸化
活性物質と考えられている。例えば、グルコースについ
ての尿のアッセイでは、グルコース酸化酵素という酵素
が、酸素の存在下で、初めに尿中のグルコースをグルコ
ン酸と過酸化水素とに転換し、その後、アッセイ系に含
まれるペルオキシダーゼという酵素が、過酸化水素(ヒ
ドロぺルオキシド)と酸化可能な染料化合物、例えばo
−トルイジンまたはテトラメチルベンジジンとの相互作
用を触媒して、その還元状態では無色である染料を有色
にさせ、それによって、検出可能な応答を与える。この
有色の応答の程度および強さは、染料の酸化を触媒する
のに充分なペルオキシダーゼが存在するならば、グルコ
ースの転換によって生成される過酸化水素の量に正比例
する。
ような過酸化活性物質は、過酸化水素と酸化可能な染料
との相互作用を触媒することができる。そのような相互
作用では、過酸化活性物質が、ペルオキシダーゼを模倣
し、酸化可能な染料とヒドロぺルオキシドとの相互作用
を触媒する。その結果生じる相互作用は、検出可能な応
答、例えば色の変化を与え、その際、応答の強さは、過
酸化活性物質の濃度を示す。
リン酸になり、筋収縮のためのエネルギー源として用い
られるときの、最終代謝生成物である。生成されたクレ
アチニンは、腎臓の糸球体によって濾過され、次いで、
再吸収されずに尿中に排出される。体液中のクレアチニ
ンの決定は、腎炎や腎不全症のような筋疾患を診断する
のに役立つ。尿中のクレアチニンの決定のための、ヤッ
フェ法として既知の最初の実用的試験は、アルカリ性溶
液中でのピクリン酸とクレアチニンとの結合による、赤
黄色を帯びた褐色のピクリン酸クレアチニンの形成を伴
う。クレアチニン決定のための、より最近の方法は、Be
nedictおよびBehre によってJ. Biol. Chem.、113: 515
(1936) で報告されたが、これは、アルカリ性媒体中で
の3,5−ジニトロ安息香酸とクレアチニンとの反応を
伴う。これらの反応はそれぞれ、クレアチニンを脱プロ
トン化して、系が適正に機能できるようにするために、
高いpH、すなわち12〜13オーダーのそれを必要とす
る。これらの試薬系で適切な高いpHを保つには、典型的
には、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物のよ
うな強塩基性物質を用いる。これらの高いpHレベルで操
作することは、試薬系のための担体として、濾紙または
多孔性薄膜のような吸収性担体を用いるときは特に、様
々な困難を与えるが、それは、アルカリを導入すると、
担体は脆くなる傾向があり、担体マトリックス全体への
アルカリの均等な分布を得るのが困難になるからであ
る。その上、試薬を溶液の形態で担体に適用し、溶媒を
蒸発させて乾燥残渣を残すとき、乾燥したアルカリは、
クレアチニン濃度について調べようとする尿素のような
流体に接触したとき、容易に可溶性にならない。
るのに必要な、高いアルカリ度を扱う際に遭遇する困難
は、これらの高pH値を必要としない代替的試験の探求へ
と導いている。一つのそのような試験は、米国特許第
5,374,561号明細書に開示されていて、そこで
は、尿試料を、第二銅イオン、ヒドロぺルオキシド、酸
素遊離基の存在下で有色応答を与える酸化可能な染料、
および擬ペルオキシダーゼに接触させる。この試薬系
は、クレアチニン以外の尿成分が第二銅イオンと錯形成
するのを防止するためのキレート化剤として、クエン酸
塩を含有する。この系では、第二銅イオンとクレアチニ
ンとの間に形成される錯体が、それが酸化還元指示薬を
酸化し、それによってこの酸化された酸化還元指示薬の
有色形態をとらせることができるため、擬ペルオキシダ
ーゼとして作用するものと思われる。この米国特許第
5,374,561号明細書は、コハク酸を緩衝剤とし
て用いるこの系では好結果を示す。しかし、現在では、
コハク酸による緩衝系は、尿を幅広く選択した上でのク
レアチニンの決定に用いるには、真に充分ではないこと
が発見されていて、それは、変動するpHと比重とを有す
る尿試料に、一定の結果を与えるのに充分な緩衝能を保
有しないからである。この系を更に詳述すると、反応性
が、反応混合物のpHに非常に敏感である。試験したpHの
範囲内、すなわちpH5.4〜7.5では、系の反応性は
pHの減少とともに増大する。その上、より低いpHはヘモ
グロビン干渉を増大させることになるが、それは、ヘモ
グロビンが、擬ペルオキシダーゼとしても作用し、かつ
アッセイの結果に正の偏りを生じる可能性があり、ヘモ
グロビンの活性が、pHの減少とともに増大するからであ
る。したがって、ヘモグロビンの干渉を最小化し、試験
液のpHの変動からの影響を軽減するような特定のpH
(6.6〜8.0)に、試験系を保つことが非常に重要
である。系のpHの制御には、二つの重要な面が存在す
る。一つは、pKa が作動pHの範囲内にある緩衝剤を有す
ることであり、もう一つは、試験液のpH/SG(比重)
の変動を克服するのに充分な緩衝能を有することであ
る。SGの影響は、尿のSGが増大するにつれて、その
イオン強度も増大するため、重要である。
レアチニンを測定するための系であって、強アルカリ性
の試薬系の維持を必要とせず、高低のpHおよび比重の尿
のクレアチニン濃度を正確に決定する系を提供すること
が、本発明の目的である。
チニンの濃度を決定する方法であって、Cu+2イオン
と、ヒドロぺルオキシドと、擬ペルオキシダーゼの存在
下で酸化されたときに検出可能な応答を与える、酸化可
能な染料とを含む試薬系に、尿の試験試料を接触させる
工程を含む方法に関する。この試薬系は、それに接触し
た際に、該尿試料のpHを6.6〜8.0の範囲内に保つ
のに適したpKa を有し、かつそれに充分な量で存在する
緩衝剤と、クレアチニンの不在下での染料の酸化を防止
するための、第二銅イオンに対するキレート化剤とを更
に含む。
細書に一層充分に説明されているとおり、下記の一組の
式が、クエン酸塩のようなキレート化剤、過酸化物、お
よびテトラメチルベンジジン(TMB)のような酸化還
元指示薬と組合せた第二銅イオンが尿中のクレアチニン
の存在を呈示できることを説明すると考えられる。
レアチニン→Cu+2・クレアチニン+クエン酸 2.Cu+2・クレアチニン+TMB→Cu+1・クレアチ
ニン+TMB+ 3.Cu+1・クレアチニン+ROOH→RO・+OH-
+Cu+2クレアチニン
の休止状態からの形成を表す。反応2は、TMBからC
u+2・クレアチニン錯体への電子1個の移転によってT
MB染料を酸化して、非反応性のCu+1形態を生成する
ことを表す。反応3は、Cu+1錯体が過酸化物へと電子
1個を失ってCu+2を再生する、再生段階である。
オンがクレアチニンの比色分析による検出のための反応
と不都合に作用し合わない、いかなる可溶性銅塩であっ
てもよい。適切な塩は、銅の硫酸塩、硝酸塩、水酸化
物、リン酸塩、ヨウ化物、塩化物、臭化物、酢酸塩また
はシュウ酸塩を包含する。その他の第二銅塩も、それら
がCu+2・クレアチニン錯体の形成を許すならば、用い
てよい。その陰イオンが銅イオンと過度に強く結合する
塩は、Cu+2/クレアチニン錯体を形成させないであろ
う。したがって、第二銅イオンとEDTA、HEDT
A、EGTAおよびDTPAとの間に形成されるものの
ようなCu+2錯体は、Cu+2/クレアチニン錯体を形成
するのに充分なCu+2を遊離させないであろう。クエン
酸や硫酸の塩は、最低のブランク反応性を有し、したが
って好ましい。クエン酸塩以外のキレート化剤は、クレ
アチニンと銅(II)との結合定数より低いが、遊離して
いる銅(II)がヒドロぺルオキシド/酸化可能な染料の
反応系を酸化するのを妨げるよう、銅と錯形成するのに
充分なだけ高い、結合定数を有するCu+2錯体をそれが
形成するならば、用いてよい。クレアチニンの不在下で
染料を酸化する塩は、当然、適切ではない。例えば、
2,2′−ビピリジン第二銅のような塩は、クレアチニ
ンの不在下でTMBの顕著な酸化を生じることがあり、
したがって、本発明で用いるには不適切である。
範囲は1.3〜36mMであるから、第二銅イオンの濃度
は5〜80mMになる。第一銅イオンは、クレアチニンの
不在下での染料の酸化によりバックグラウンド干渉を生
じる傾向がある。したがって、Cu+1塩を用いることは
できない。
びCu+2/クエン酸塩イオン錯体の比が非常に重要であ
るが、それは、それらがこの系の、そのクエン酸耐性の
面での性能に影響するからである。クエン酸塩イオン
は、このアッセイに顕著な阻害干渉を生じること、また
尿は、6mMという多量のクエン酸塩イオンを含有する場
合があるため、クエン酸イオンは、クレアチニンと競合
して、銅(II)イオンと錯形成することが見出された。
Cu+2/クレアチニン錯体は、DBDHの存在下でTM
Bを酸化するが、Cu+2/クエン酸塩イオン錯体は酸化
しない。実施例6に組み込まれた表1に示すとおり、配
合物A中のCu+2とクエン酸塩イオンとの双方の濃度の
16/27から30/50mMへの上昇は、クエン酸干渉
耐性を増大させ、それによってクエン酸効果を低下させ
ることが見出された。再び表1を参照すると、クエン酸
の阻害効果は、クエン酸塩イオンをそれぞれ10mMおよ
び20mM含有する溶液のための配合物Aでは、配合物B
での僅か53.6%および58.5%と、配合物Cでの
66.3%および86.5%とに比して、16.3%お
よび18.6%へと低下した。表2にその結果を要約し
た、より大規模な研究では、銅の濃度を30mMに保ち、
クエン酸塩イオンの濃度を100mMに増加すること(ク
エン酸塩イオン/Cu比を3.3に増加すること)は、
クエン酸効果を2%へと低下させたが、これは、クエン
酸耐性の面での大幅な改良である。上記により、本発明
を実施する際は、クエン酸塩イオン対Cu+2の比は、
0.5〜3.5の範囲内であるのが好適であり、ここ
で、Cu+2濃度は5〜80mMであり、クエン酸塩イオン
の濃度は3〜280mMである。
薬は、例えば、ベンジジン;o−トリジン;アルキル基
が1〜約6個の炭素原子を有する3,3′,5,5′−
テトラアルキルベンジジン;o−ジアニシジン;2,7
−ジアミノフルオレノン;ビス(N−エチルキノール−
2−オン)アジン;(N−メチルベンゾチアゾール−2
−オン)−(1−エチル−3−フェニル−5−メチルト
リアゾール−2−オン)アジンまたはそれらの組合せを
包含する。
シドは、クメンヒドロぺルオキシド;5−ブチルヒドロ
ぺルオキシド;ジイソプロピルベンゼンヒドロぺルオキ
シド;1−ヒドロキシシクロヘキサン−1−ヒドロぺル
オキシド;2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒド
ロぺルオキシド;p−メンタンヒドロぺルオキシド;
1,4−ジイソプロピルベンゼンモノヒドロぺルオキシ
ド;p−tert−ブチルイソプロピルベンゼンヒドロぺル
オキシド;2−(α−ヒドロぺルオキシイソプロピル)
−6−イソプロピルナフタレン;テトラリンヒドロぺル
オキシドまたはそれらの組合せを包含する。
は、尿試料をpH7.0に保つためのコハク酸緩衝剤の使
用を記載している。この系は、0〜250mg/dlのクレ
アチニン濃度の範囲で、クレアチニン濃度対660nmで
の反射率のかなり線形の用量/応答曲線を与えるには、
充分に作動した。コハク酸緩衝尿は、この実験では充分
に作動したが、図1からわかるように、その系は、高比
重および低比重の範囲では、一定の結果を与えなかっ
た。しかし、コハク酸は、クレアチニンについて試験す
る必要がある尿試料のpHおよび比重(SG)の変動のた
め、必ずしもすべての状況で適切な緩衝剤ではないこと
が判明した。それというのも、250mMの濃度でのコハ
ク酸は、何らかの尿試料のpHの変動や高いイオン強度に
抵抗する緩衝能を保有しないからである。そのような場
合の結果は、試薬パッドが、もはや7.0というような
望ましいpHに保たれなくなることである。例えば、pH
5.6で高いSGの尿試料では、反応系のpHは、6.6
という望ましい最小値未満に低下することになり、pH
8.5で高いSGの尿試料では、反応系のpHは、8.0
という望ましい最大値より高いレベルに上昇することに
なると思われる。この問題の解決は、充分な量で与えら
れたときは、比色分析によるクレアチニン測定の過程で
尿試験試料のpHを、6.6〜8.0の範囲のpHに保つ能
力を有する緩衝剤を用いることにある。そのような緩衝
系を用いることは、試験しようとする尿試料のSGに関
係なく、一定の結果を与えるが、それは、充分に緩衝さ
れた系は、異なるpHを有する他の材料と作用し合うとき
に、pHの僅かな変化を示すにすぎないからである。弱酸
性または弱塩基性群の緩衝能力は、ほぼpH=pKa ±1の
範囲に限定され、pKa に等しいpHで最大効果がある。こ
れは、個々の適用に緩衝剤を選ぶ際の最も重要な要因の
一つである。その他の重要な配慮は、例えばイオン強
度、反応系との緩衝化合物の融和性、およびその溶解度
である。デバイ−ヒュッケルの式によれば、イオン強度
は、下記の式に従って「実用pKa 」を算出する際に包含
させるべきである:
1/2)/(1+I1/2)−0.1I〕
2)ΣcZ2 であり、cはモル濃度、Zは電荷である〕
すなわち緩衝単位または緩衝値βとして表すことができ
る。緩衝系のpHをある少しの値だけ変化させるのに必要
な、強酸または強塩基の最大の量、すなわちβmax は、
緩衝系が充分な緩衝範囲内にあるならば、緩衝能はその
濃度に正比例する。上記の原理によれば、pH7.0で優
れた緩衝剤を与えるには、pKa =pH±1=6.0〜8.
0である緩衝試薬を用いるべきである。コハク酸は、
5.6というpKa を有し、4.6〜6.6の範囲内で優
れた緩衝作用を与えるにすぎない。一方、グリセロール
−2−リン酸は、6.65というpKa 値を有する。その
優れた緩衝範囲は、5.65〜7.65であり、したが
って、0.5〜0.75モルの濃度では、0.25モル
のコハク酸より適切な緩衝剤である。
的には6.6〜8.0、好ましくは6.7〜7.4の範
囲内のpKa を有するものである。これは、感度、安定
性、ならびに温度変化、アスコルビン酸干渉およびクエ
ン酸塩イオンやヘモグロビンからの干渉に対する耐性の
最良の均衡を有するpHを与える。加えて、そのような緩
衝系は、大幅に変動し得るpHや比重の値を有する尿試料
を検定するときに、正確な結果を与える。この範疇に属
する緩衝剤のうち、特に、リン酸塩、グリセロール−2
−リン酸塩、マレイン酸、3−N−モルホリノプロパン
スルホン酸(MOPS)、マロン酸、カコジル酸、3,
3−ジメチルグルタル酸、炭酸、4−ヒドロキシメチル
イミダゾール、ビス−トリス〔ビス(2−ヒドロキシエ
チル)イミノ〕−トリス〔(ヒドロキシメチル)メタ
ン〕、オルト亜リン酸、ジメチルアミノエチルアミン、
(N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸)(AD
A)、ピロリン酸、N,N′−ビス(3−スルホプロピ
ル)エチレンジアミン、ピペラジン−N,N′−ビス
(2−エタンスルホン酸)、1,3−ビス〔トリス(ヒ
ドロキシメチル)メチルアミノ〕プロパン、エチレンジ
アミン、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタン
スルホン酸、イミダゾール、(2−アミノエチル)トリ
メチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、3,6
−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタ
ル酸、2,3−ジヒドロキシプロピル−トリス(ヒドロ
キシメチル)メチルアミン、2,4,6−トリメチルピ
リジン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−
アミノエタンスルホン酸、4−メチルイミダゾール、N
−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−エタン
スルホン酸、N−エチルモルホリン、トリエタノールア
ミン、モノ−トリス−2−ヒドロキシエチルイミノ−ト
リス(ヒドロキシメチル)メタン、トリイソプロピルア
ミン、5,5−ジエチルバルビツル酸、N−2−ヒドロ
キシエチルピペラジンプロパンスルホン酸、グリシルグ
リシン、リン酸フェニル、リン酸ニトロフェニル、リン
酸ナフチル、リン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸、
アミノエチルホスホン酸、エチルホスホン酸、カルボキ
シエチルホスホン酸、リン酸エチル、リン酸アミノエチ
ル、グリセロールリン酸、フィチン酸、6−グルコース
リン酸および1−グルコースリン酸、またはそれらの組
合せがある。緩衝剤の濃度範囲は、典型的には250〜
1,000mM、好ましくは300〜750mMである。こ
れらの緩衝剤は、充分量で用いたとき、臨床試験の際に
遭遇することが予測されると思われる、尿のSGの範囲
にわたって、望ましいレベル内に試薬系のpHを保つこと
になる。
セイは、湿式または乾式(試験片)のいずれかの形式で
実施することができる。アッセイを実施するには、試薬
系を有する試験片または試薬溶液の利用を介して、尿試
験試料を銅塩、例えば硫化第二銅またはクエン酸第二
銅、酸化還元染料およびヒドロぺルオキシドと、緩衝系
と混合する。試薬片は、吸収性担体を第二銅塩および緩
衝剤の水溶液に浸し、担体を乾燥し、次いで染料および
ヒドロぺルオキシドの有機溶液にそれを浸した後、乾燥
する、慣用の方式で調製する。試験片が製作できる適切
な材料は、米国特許第3,846,247号明細書に記
載された、織り上げたか、または編み上げたガラス繊
維、フェルトおよび多孔性セラミック片を包含する。米
国特許第3,552,928号明細書に記載された、粘
土質物質、木、布およびスポンジ材料も適している。濾
紙が好適な材料である。
5〜80mMにわたるであろう。用いる緩衝剤がグリセロ
ール−2−リン酸であるときは、浸液中でのその濃度
は、尿試験試料に浸したとき望ましいpHを保つと思われ
る試薬片を与えるために、通常、250〜1,000mM
にわたることになる。有機浸液中の酸化還元染料の濃度
は、通常、10〜150mMにわたり、30〜90mMが好
ましいと思われるのに対し、ヒドロぺルオキシドは、濃
度が18〜270mMにわたり、54〜162mMが好まし
いと思われる。DBDH対TMBの比は、1.8で最適
である。
法を更に説明する。
いて、水溶液中のクレアチニンを測定する試験片を調製
した。二浸液法によってそれらを調製したが、第一の浸
液は、緩衝剤、第二銅イオン源としての硫酸銅、および
クエン酸を含有する水溶液であった。溶液は、緩衝試
薬、硫酸銅、クエン酸その他の試薬をビーカー内に正確
に秤量することによって調製した。水を加えた後、得ら
れた混合物を、磁気攪拌プレート上で環境温度で攪拌し
て、すべての固体を溶解した。呈色を改善し、系の反応
性を高めるために、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)
を50倍の濃縮液として別個に調製し、緩衝液に加え
た。次いで、10規定と1規定の水酸化ナトリウム溶液
を用いて、溶液のpHを望みのレベルに調整した。望みの
体積まで水を加え、そこで最終pHを測定かつ記録した。
ンジジン(TMB)、およびヒドロぺルオキシドとして
ジイソプロピルベンゼンジヒドロぺルオキシド(DBD
H)を含有する有機溶液(溶媒としてアセトニトリルま
たはエタノール)であった。染料およびヒドロぺルオキ
シドを、メスフラスコ内に正確に秤量した後、溶媒を加
えて混合物を与え、これを磁気攪拌プレート上で環境温
度で攪拌して、すべての固体を溶解した。次いで、有機
溶媒を規定体積まで充分量加えた。
インチ)を枠にクランプで固定し、第一の浸液(水溶
液)に浸し、対流オーブン内で、50℃で5分間乾燥し
た。この手順を第二の浸液(溶媒)で繰り返した。含浸
および乾燥の後、密閉した円筒容器内に、該片を乾燥剤
ととも保存し、その後、アクリル基材の接着剤、および
ポリスチレンの裏張に取り付けた。
液を与えることによって、試験片を評価した。試験液
は、尿中に見出される高低のSGおよびpH値を模倣する
よう設計した。高SG(HSG)液は、SGが1.02
0で、pHが5.6であったのに対して、低SG(LS
G)液は、SGが1.005で、pHが7.2であった。
試験液には、それぞれ、5段階のレベル、すなわち0、
50、100、200および300mg/dlのクレアチニ
ンを投与した。
mlを試験管に加えた。CLINITEK−10(登録商
標)反射分光光度計の開始ボタンを押すのと同時に、試
験片を試験液に浸した。試験液に浸した後、該片をこの
計器の読取り卓上に置き、測定された反射率から導かれ
るK/S値として計器が与える計器の読取り値を、応答
シグナルとして記録した。すべての試験液に対して、5
回の試験よりなる反復を実施した。
記の浸液を用いた二重浸漬の手順によって調製した:
図1に示されるとおり、SG/pH効果が著しいことを示
した。図1では、緩衝系として250mMでコハク酸を用
いることの結果が示され、顕著なpH/SG効果が観察さ
れた。この効果は、低SGの傾きのK/Sに対する高S
Gのそれの比として表される。この場合の比は2.70
であって、pH/SG効果が170%であることを示す。
リウムを緩衝系として用いる、試験片の第二の組を、下
記の浸液から調製した:
し、前記のとおり評価した。この評価の結果を、図2に
グラフで示す。図2を参照すると、LSGの試料に対す
るHSGの試料の用量応答(K/Sによって示される)
の傾きの比は、1.12である。これは、コハク酸を単
一緩衝剤として用いて得られた2.70という比より好
ましいが、それは、より優れた緩衝系を用いることによ
って、pH/SG効果が顕著に軽減されたからである。傾
きの比は1.12、すなわちpH/SG効果は12%であ
る。
得られた用量応答を、図3にグラフで示す。
たが、ここでMOPSは、7.2というpKa 値を有する
3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸である。緩
衝試薬のこの組合せを用いることによって、より広範囲
のpHを網羅することができる。すなわち、グリセロール
−2−リン酸(pKa 6.65)はpH5.65〜7.65
を網羅し、MOPSはpH6.2〜8.2を網羅して、尿
試料中に見出される5.65〜8.2という全pH範囲を
与える。
は、pH/SG効果が僅かであるにすぎない優れた用量
応答を得られることを立証した。
スドンを含むため、より安定であった。
塩イオンは、クレアチニン測定法に負の偏りを生じるこ
とが発見された。より詳しくは、クエン酸塩イオンはア
ッセイに、分析対象物(クレアチニン)の回収が真の濃
度より低くなるように干渉した。Cu+2/クエン酸塩イ
オン錯体の濃度を上昇させることは、尿試験試料からの
クエン酸塩イオンの干渉に対する耐性を増大させること
が見出された。A、BおよびCとして特徴付けた3種類
のクレアチニン試薬片配合物について、研究を実施し
た。研究では、初めに標準曲線を作成し、100mg/dl
(最終濃度としては95mg/dl)のクレアチニンを含有
し、200mg/dlおよび400mg/dlのクエン酸溶液
(クエン酸溶液のpHは7.2であった)を加えた、低比
重(LSG)試験液(pH7.2)を四重に検定した。標
準曲線から試験液中のクレアチニンの量を決定し、回収
率(%)を算出した。配合物A、BおよびCについての
結果を表1に示す。より高い銅/クエン酸塩イオン錯体
濃度を有する配合物Aは、最良のクエン酸耐性を示し、
Bについての46.4%および41.5%や、Cについ
ての33.7%および13.5%に比して、200.5
mg/dlのクエン酸で83.8%、および401mg/dlで
81.4%のクレアチニンを検出した。
クエン酸塩イオンの総量を増加させることによって、軽
減できることがわかる。
いて、前記のとおり試験片を調製した。硫酸銅を含有す
る配合物は、30〜80mMに変動したのに対し、クエン
酸塩イオン濃度は50〜120mMに変動した。pH/SG
効果を調べた。pH/SG効果は、クレアチニン濃度の測
定に対するpH/SGの干渉、すなわち、Cr=クレアチ
ニンとして、 pH/SG効果=(LSGについて観測されたCr濃度−
HSGについて観測されたCr濃度)/HSGで観測さ
れたCr濃度×100 である。この研究では、試験片をそれぞれ、0、30、
100、200および300mg/dlのクレアチニンを含
有する尿試料で試験し、K/Sの形で活性を表す反射分
光光度計で示度を読取ったが、その結果を表2に示す。
って、pH/SG効果は、170%から20%未満へと
大幅に軽減されたことがわかる。配合物Hでは、pH/S
G効果は、僅か4%にまで軽減された。
G効果を示す。
塩化ナトリウムを緩衝剤として用いた場合(pH=6.
8)の、pH/SG効果を示す。
塩化ナトリウムを緩衝剤として用いた場合(pH=7.1
8)の、pH/SG効果を示す。
Claims (15)
- 【請求項1】 尿中のクレアチニンを検出する方法であ
って、尿試料を、尿試料に接触した際に、該尿試料のpH
を約6.6〜8.0の範囲内に保つのに適したpKa を有
し、それに充分な量で有する緩衝系、およびクレアチニ
ンの不在下での染料の酸化を防止するための、第二銅イ
オンに対するキレート化剤とともに、Cu++イオンと、
ヒドロぺルオキシドと、擬ペルオキシダーゼの存在下で
酸化されたときに検出可能な応答を与える、酸化可能な
染料とを含む試薬系に接触させる工程を含むことを特徴
とする方法。 - 【請求項2】 キレート化剤が、クレアチニンと第二銅
イオンとの錯体の結合定数より低いが、第二銅イオンと
の安定的な錯体を形成するには充分高い結合定数を有す
る、第二銅イオンとのCu+2錯体を形成するキレート化
剤から選ばれる、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 キレート化剤がクエン酸塩である、請求
項1記載の方法。 - 【請求項4】 Cu+2に対するクエン酸塩イオンの比が
0.5〜3.5の範囲内であり、Cu+2の濃度が5〜8
0mMであり、そしてクエン酸塩イオンの濃度が3〜28
0mMである、請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 酸化可能な染料が、ベンジジン、o−ト
リジン;アルキル基が1〜約6個の炭素原子を有する
3,3′,5,5′−テトラアルキルベンジジン;o−
ジアニシジン;2,7−ジアミノフルオレノン;ビス
(N−エチルキノール−2−オン)アジン;(N−メチ
ルベンゾチアゾール−2−オン)−(1−エチル−3−
フェニル−5−メチルトリアゾール−2−オン)アジン
またはそれらの組合せである、請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 ヒドロぺルオキシドが、クメンヒドロぺ
ルオキシド、5−ブチルヒドロぺルオキシド、ジイソプ
ロピルベンゼンヒドロぺルオキシド、1−ヒドロキシシ
クロヘキサン−1−ヒドロぺルオキシド、2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロぺルオキシド、p−メ
ンタンヒドロぺルオキシド、1,4−ジイソプロピルベ
ンゼンモノヒドロぺルオキシド、p−t−ブチルイソプ
ロピルベンゼンヒドロぺルオキシド、2−(α−ヒドロ
ぺルオキシイソプロピル)−6−イソプロピルナフタレ
ン、テトラリンヒドロぺルオキシドまたはそれらの組合
せである、請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 緩衝剤が、リン酸塩、グリセロール−2
−リン酸塩、マレイン酸、3−N−モルホリノプロパン
スルホン酸(MOPS)、マロン酸、カコジル酸、3,
3−ジメチルグルタル酸、炭酸、4−ヒドロキシメチル
イミダゾール、ビス−トリス〔ビス(2−ヒドロキシエ
チル)イミノ〕−トリス〔(ヒドロキシメチル)メタ
ン〕、オルト亜リン酸、ジメチルアミノエチルアミン、
(N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸)(AD
A)、ピロリン酸、N,N′−ビス(3−スルホプロピ
ル)エチレンジアミン、ピペラジン−N,N′−ビス
(2−エタンスルホン酸)、1,3−ビス〔トリス(ヒ
ドロキシメチル)メチルアミノ〕プロパン、エチレンジ
アミン、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタン
スルホン酸、イミダゾール、(2−アミノエチル)トリ
メチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、3,6
−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタ
ル酸、2,3−ジヒドロキシプロピル−トリス(ヒドロ
キシメチル)メチルアミン、2,4,6−トリメチルピ
リジン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−
アミノエタンスルホン酸、4−メチルイミダゾール、N
−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−エタン
スルホン酸、N−エチルモルホリン、トリエタノールア
ミン、モノ−トリス−2−ヒドロキシエチルイミノ−ト
リス(ヒドロキシメチル)メタン、トリイソプロピルア
ミン、5,5−ジエチルバルビツール酸、N−2−ヒド
ロキシエチルピペラジンプロパンスルホン酸、グリシル
グリシン、リン酸フェニル、リン酸ニトロフェニル、リ
ン酸ナフチル、リン酸ジフェニル、フェニルホスホン
酸、アミノエチルホスホン酸、エチルホスホン酸、カル
ボキシエチルホスホン酸、リン酸エチル、リン酸アミノ
エチル、グリセロールリン酸、フィチン酸、6−グルコ
ースリン酸、1−グルコースリン酸、またはそれらの組
合せである、請求項1記載の方法。 - 【請求項8】 緩衝剤の濃度が250〜1,000mMで
ある、請求項1記載の方法。 - 【請求項9】 pHを、6.7〜7.4のpHに保つ、請求
項1記載の方法。 - 【請求項10】 Cu+2源が硫酸第二銅である、請求項
1記載の方法。 - 【請求項11】 酸化可能な染料が3,3′,5,5′
−テトラメチルベンジジン(TMB)であり、ヒドロぺ
ルオキシドがジイソプロピルベンゼンジヒドロぺルオキ
シドであり、そしてキレート化剤がクエン酸塩である、
請求項1記載の方法。 - 【請求項12】 尿中のクレアチニンの濃度を測定する
試験具を製造する方法であって、 (a)吸収性担体材料を、第二銅塩と、キレート化剤
と、尿試料に接触した際に、乾燥した際の該吸収性担体
材料中のその濃度およびそのpKa によって、該試料のpH
を約6.6〜8.0の範囲内に保つことができる、緩衝
剤との水溶液に接触させ、そして該吸収性担体材料を乾
燥する工程;ならびに(b)該吸収性担体材料を、酸化
可能な染料と、ヒドロぺルオキシドとの有機溶液に接触
させた後、該吸収性担体材料を乾燥する工程を含むこと
を特徴とする方法。 - 【請求項13】 第二銅塩が硫酸第二銅であり、キレー
ト化剤がクエン酸塩であり、緩衝剤がグリセロール−2
−リン酸であり、酸化可能な染料が3,3′,5,5′
−テトラメチルベンジジンであり、そしてヒドロぺルオ
キシドがジイソプロピルベンゼンジヒドロぺルオキシド
である、請求項12記載の方法。 - 【請求項14】 水性浸液中のCu+2の濃度が5〜80
mMであり、キレート化剤の濃度が3〜280mMであり、
緩衝剤の濃度が250〜1,000mMであり、そしてC
u+2に対するキレート化剤の比が0.5〜3.5であ
る、請求項12記載の方法。 - 【請求項15】 請求項12〜14の方法で製造するこ
とができる、尿中のクレアチニンの測定のための試験
片。
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