JPH1060914A - 土留擁壁 - Google Patents
土留擁壁Info
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- JPH1060914A JPH1060914A JP21756096A JP21756096A JPH1060914A JP H1060914 A JPH1060914 A JP H1060914A JP 21756096 A JP21756096 A JP 21756096A JP 21756096 A JP21756096 A JP 21756096A JP H1060914 A JPH1060914 A JP H1060914A
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Landscapes
- Retaining Walls (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】背後にコンクリート底盤を設けることなく、比
較的高さの高い擁壁や急傾斜地の防災用の大型擁壁を実
現することができる、土留擁壁及びその構築方法を提供
する。 【解決手段】土留擁壁100は、法面1の下端1Aにほ
ぼ沿って所定間隔で立設された複数本の親柱2と、大部
分が法面1内の土中3に略水平方向に貫入されるととも
に、対応する親柱2に根元近傍部分がそれぞれ接続され
た、複数本の挿入形鋼4及びこの挿入形鋼4を内包する
ように固定された鋼製のガイド管5と、これら挿入形鋼
4及びガイド管5の各先端近傍部分を、対応する親柱2
の上端近傍部分にそれぞれ連結するPC鋼線6と、この
PC鋼線に接続されガイド管5内に軸方向に配設された
PC鋼線アンカーワイヤー7と、各親柱2を連結するよ
うに配設された壁体コンクリート8とを有する。
較的高さの高い擁壁や急傾斜地の防災用の大型擁壁を実
現することができる、土留擁壁及びその構築方法を提供
する。 【解決手段】土留擁壁100は、法面1の下端1Aにほ
ぼ沿って所定間隔で立設された複数本の親柱2と、大部
分が法面1内の土中3に略水平方向に貫入されるととも
に、対応する親柱2に根元近傍部分がそれぞれ接続され
た、複数本の挿入形鋼4及びこの挿入形鋼4を内包する
ように固定された鋼製のガイド管5と、これら挿入形鋼
4及びガイド管5の各先端近傍部分を、対応する親柱2
の上端近傍部分にそれぞれ連結するPC鋼線6と、この
PC鋼線に接続されガイド管5内に軸方向に配設された
PC鋼線アンカーワイヤー7と、各親柱2を連結するよ
うに配設された壁体コンクリート8とを有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば法面の保護
のために構築される土留擁壁に関する。
のために構築される土留擁壁に関する。
【0002】
【従来の技術】元来、日本は傾斜地が多く、また土地が
狭く、高度利用のために土留擁壁を必要とする箇所が極
めて多い。これらの擁壁のうち、高さの低いものは通常
の工法で施工できるが、特に、比較的高さの高い擁壁や
急傾斜地の防災用の擁壁では、通常の工法による擁壁の
設置は困難であり、いわゆる逆T式擁壁といった大型の
擁壁が採用される。
狭く、高度利用のために土留擁壁を必要とする箇所が極
めて多い。これらの擁壁のうち、高さの低いものは通常
の工法で施工できるが、特に、比較的高さの高い擁壁や
急傾斜地の防災用の擁壁では、通常の工法による擁壁の
設置は困難であり、いわゆる逆T式擁壁といった大型の
擁壁が採用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記逆
T式擁壁には、以下の課題が存在する。すなわち、逆T
式擁壁では、その構造上、前面のみならず背後にもコン
クリート底盤が設けられる(一般に、かかと盤という)
ので、その分、擁壁背後の法面を新たに掘削する必要が
ある。したがって、例えば擁壁高さが高い場合には、法
定の法面角度を満たすために極めて大量の掘削を行わな
ければならなくなったり、その掘削の際の土留が別途必
要になったりする。このように大規模な工事となる結
果、工費・工期の増大を招くうえ、施工上の安全面を十
分確保するのが困難となる。さらに例えば、急傾斜地で
擁壁背後の掘削が不可能な場合には、その分擁壁の設置
位置を前面側にずらす必要が生じ、設置用地が広く必要
となる。
T式擁壁には、以下の課題が存在する。すなわち、逆T
式擁壁では、その構造上、前面のみならず背後にもコン
クリート底盤が設けられる(一般に、かかと盤という)
ので、その分、擁壁背後の法面を新たに掘削する必要が
ある。したがって、例えば擁壁高さが高い場合には、法
定の法面角度を満たすために極めて大量の掘削を行わな
ければならなくなったり、その掘削の際の土留が別途必
要になったりする。このように大規模な工事となる結
果、工費・工期の増大を招くうえ、施工上の安全面を十
分確保するのが困難となる。さらに例えば、急傾斜地で
擁壁背後の掘削が不可能な場合には、その分擁壁の設置
位置を前面側にずらす必要が生じ、設置用地が広く必要
となる。
【0004】本発明の目的は、背後にコンクリート底盤
を設けることなく、比較的高さの高い擁壁や急傾斜地の
防災用の大型擁壁を実現することができる、土留擁壁を
提供することにある。
を設けることなく、比較的高さの高い擁壁や急傾斜地の
防災用の大型擁壁を実現することができる、土留擁壁を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、法面の下端にほぼ沿って所定間隔
で立設された複数本の柱部材と、先端部分が前記法面内
の土中に略水平方向に貫入されるとともに、対応する前
記柱部材に根元近傍部分がそれぞれ接続された複数本の
アンカー部材と、これら複数本のアンカー部材の各先端
近傍部分を、対応する前記柱部材の上端近傍部分にそれ
ぞれ連結する複数本の斜ケーブル部材と、前記複数本の
柱部材を連結するように配設された土留用壁面部材とを
有することを特徴とする土留擁壁が提供される。すなわ
ち、擁壁の法面側のアンカーとして法面内の土中に略水
平方向に貫入されたアンカー部材を使用する一方、土留
用壁面部材で連結された柱部材の上端近傍部分を、例え
ば耐高張力材といった斜ケーブル部材を介してアンカー
部材の先端近傍部分に連結する。これにより、側断面で
みると、アンカー部材及び柱部材を直交する2辺とし斜
ケーブル部材を斜辺とする略直角三角形を構成して土圧
に対抗する構成となるので、比較的高さの高い擁壁や、
急傾斜地の防災用大型擁壁を実現することができる。
に、本発明によれば、法面の下端にほぼ沿って所定間隔
で立設された複数本の柱部材と、先端部分が前記法面内
の土中に略水平方向に貫入されるとともに、対応する前
記柱部材に根元近傍部分がそれぞれ接続された複数本の
アンカー部材と、これら複数本のアンカー部材の各先端
近傍部分を、対応する前記柱部材の上端近傍部分にそれ
ぞれ連結する複数本の斜ケーブル部材と、前記複数本の
柱部材を連結するように配設された土留用壁面部材とを
有することを特徴とする土留擁壁が提供される。すなわ
ち、擁壁の法面側のアンカーとして法面内の土中に略水
平方向に貫入されたアンカー部材を使用する一方、土留
用壁面部材で連結された柱部材の上端近傍部分を、例え
ば耐高張力材といった斜ケーブル部材を介してアンカー
部材の先端近傍部分に連結する。これにより、側断面で
みると、アンカー部材及び柱部材を直交する2辺とし斜
ケーブル部材を斜辺とする略直角三角形を構成して土圧
に対抗する構成となるので、比較的高さの高い擁壁や、
急傾斜地の防災用大型擁壁を実現することができる。
【0006】好ましくは、前記土留擁壁において、前記
斜ケーブル部材は、耐高張力材であることを特徴とする
土留擁壁が提供される。
斜ケーブル部材は、耐高張力材であることを特徴とする
土留擁壁が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照しつつ説明する。まず、本発明の第1の実施形態
を、図1〜図13により説明する。本実施形態による土
留擁壁の構造(構築後の状態)を表す側断面図を図1
に、図1中A−A断面による横断面図を図2に示す。図
1及び図2において、本実施形態による土留擁壁100
は、概略的に説明すると、法面1の下端1Aにほぼ沿っ
て所定間隔で立設された、例えばH鋼からなる複数本の
親柱2と、大部分が法面1内の土中(いわゆる地山)3
に略水平方向に貫入されるとともに、対応する親柱2に
根元近傍部分がそれぞれ接続された、複数本の挿入形鋼
4及びこの挿入形鋼4を内包するように固定された例え
ば鋼製のガイド管5と、これら挿入形鋼4及びガイド管
5の各先端近傍部分を、対応する親柱2の上端近傍部分
に連結する耐高張力材、例えばPC鋼線6と、このPC
鋼線6に接続され挿入形鋼4内に軸方向に配設されたP
C鋼線アンカーワイヤー7と、各親柱2を連結するよう
に配設された壁体コンクリート8とを有している。
を参照しつつ説明する。まず、本発明の第1の実施形態
を、図1〜図13により説明する。本実施形態による土
留擁壁の構造(構築後の状態)を表す側断面図を図1
に、図1中A−A断面による横断面図を図2に示す。図
1及び図2において、本実施形態による土留擁壁100
は、概略的に説明すると、法面1の下端1Aにほぼ沿っ
て所定間隔で立設された、例えばH鋼からなる複数本の
親柱2と、大部分が法面1内の土中(いわゆる地山)3
に略水平方向に貫入されるとともに、対応する親柱2に
根元近傍部分がそれぞれ接続された、複数本の挿入形鋼
4及びこの挿入形鋼4を内包するように固定された例え
ば鋼製のガイド管5と、これら挿入形鋼4及びガイド管
5の各先端近傍部分を、対応する親柱2の上端近傍部分
に連結する耐高張力材、例えばPC鋼線6と、このPC
鋼線6に接続され挿入形鋼4内に軸方向に配設されたP
C鋼線アンカーワイヤー7と、各親柱2を連結するよう
に配設された壁体コンクリート8とを有している。
【0008】各親柱2には、H鋼からなる腹起こし9,
10を複数個の連結板11で平行としたものが、略三角
形の受け台であるブラケット12を介し、親柱2をつな
ぐように略水平に固定されている。また、各親柱2の下
部のガイド管5との交差位置近傍には、例えばH鋼から
なるつなぎ材24が設けられ、さらにこのつなぎ材24
を内包しつつ親柱2とガイド管5とを接続するように、
基礎コンクリート21が打設されている。
10を複数個の連結板11で平行としたものが、略三角
形の受け台であるブラケット12を介し、親柱2をつな
ぐように略水平に固定されている。また、各親柱2の下
部のガイド管5との交差位置近傍には、例えばH鋼から
なるつなぎ材24が設けられ、さらにこのつなぎ材24
を内包しつつ親柱2とガイド管5とを接続するように、
基礎コンクリート21が打設されている。
【0009】ガイド管5及び挿入形鋼4内にはモルタル
が注入され固形化されており、これによって挿入形鋼4
内のPC鋼線アンカーワイヤー7が堅固に固定されてい
る。なお、このモルタル注入用のパイプ22が、基礎コ
ンクリート21の法面1側端面近傍のガイド管5上部に
設けられている(詳細は後述)。そして挿入形鋼4内に
おける、PC鋼線6とPC鋼線アンカーワイヤー7との
接続点には、プーリ14が設けられている。またPC鋼
線6としては、防錆カバーつきのものを使用し、永久ア
ンカーと同様の仕様とする。但し、アラミド繊維を採用
した場合には、防錆は必要ない。
が注入され固形化されており、これによって挿入形鋼4
内のPC鋼線アンカーワイヤー7が堅固に固定されてい
る。なお、このモルタル注入用のパイプ22が、基礎コ
ンクリート21の法面1側端面近傍のガイド管5上部に
設けられている(詳細は後述)。そして挿入形鋼4内に
おける、PC鋼線6とPC鋼線アンカーワイヤー7との
接続点には、プーリ14が設けられている。またPC鋼
線6としては、防錆カバーつきのものを使用し、永久ア
ンカーと同様の仕様とする。但し、アラミド繊維を採用
した場合には、防錆は必要ない。
【0010】壁体コンクリート8と法面1との間には、
土砂による埋め戻し25が施されている。
土砂による埋め戻し25が施されている。
【0011】次に、本実施形態の擁壁100の構築方法
を、図3〜図13を用いて順次説明する。まず、図3に
示されるように、スリットつき管部材であるガイド管5
を、所定間隔で法面1内の地山3に略水平方向に貫入す
る。このときの貫入間隔は、対応する親柱2の設置間隔
(後述)に相当するものであり、予め行われる公知の土
圧計算結果と、使用する鋼材の種類に基づき決定され
る。そして各ガイド管5は、親柱2の設置場所に相当す
る位置の近傍から貫入される。貫入方法は、ボーリング
マシンによる方法、ジャッキ圧による圧入、ウォーター
ジェット削孔による方法等、公知の方法が適宜選択して
採用される。なお、ガイド管5は、後述する図7(a)
(b)に示されるように、円管頂部にスリット5Aを切
り欠いて構成されているものである。
を、図3〜図13を用いて順次説明する。まず、図3に
示されるように、スリットつき管部材であるガイド管5
を、所定間隔で法面1内の地山3に略水平方向に貫入す
る。このときの貫入間隔は、対応する親柱2の設置間隔
(後述)に相当するものであり、予め行われる公知の土
圧計算結果と、使用する鋼材の種類に基づき決定され
る。そして各ガイド管5は、親柱2の設置場所に相当す
る位置の近傍から貫入される。貫入方法は、ボーリング
マシンによる方法、ジャッキ圧による圧入、ウォーター
ジェット削孔による方法等、公知の方法が適宜選択して
採用される。なお、ガイド管5は、後述する図7(a)
(b)に示されるように、円管頂部にスリット5Aを切
り欠いて構成されているものである。
【0012】次に、図4に示されるように、法面1の下
端1Aにほぼ沿って親柱2を建て込む。このときの建て
込み方法は、アースオーガー削孔建て込み、ハンマー打
ち込み、バイブロハンマー打ち込み等、公知の方法が適
宜選択して採用される。またその建て込み間隔は、上述
したガイド管5の間隔と略同一であり、予め行われる公
知の土圧計算結果に基づくものである。そしてまた、H
鋼からなる腹起こし9,10を複数個の連結板11で平
行としたものを、略三角形の受け台であるブラケット1
2を介し、各親柱2をつなぐように略水平に固定する
(図2参照)。このとき各連結板11には、最後にPC
鋼線6に所定の引張強度を与える際に用いられる締め付
け金具23が設けられている(詳細は後述)。また腹起
こし9,10を用いて、各ガイド管5上方に相当する位
置となるように、回動自在なプーリ13を固定する。
端1Aにほぼ沿って親柱2を建て込む。このときの建て
込み方法は、アースオーガー削孔建て込み、ハンマー打
ち込み、バイブロハンマー打ち込み等、公知の方法が適
宜選択して採用される。またその建て込み間隔は、上述
したガイド管5の間隔と略同一であり、予め行われる公
知の土圧計算結果に基づくものである。そしてまた、H
鋼からなる腹起こし9,10を複数個の連結板11で平
行としたものを、略三角形の受け台であるブラケット1
2を介し、各親柱2をつなぐように略水平に固定する
(図2参照)。このとき各連結板11には、最後にPC
鋼線6に所定の引張強度を与える際に用いられる締め付
け金具23が設けられている(詳細は後述)。また腹起
こし9,10を用いて、各ガイド管5上方に相当する位
置となるように、回動自在なプーリ13を固定する。
【0013】その後、図5に示されるように、H鋼の先
端部近傍に回動自在なプーリ14を設けた構造の挿入形
鋼4(後述する図7(a)参照)を水平状態に構えると
ともに、土砂切削用のワイヤーソー15(幅10〜15
mm程度)をこの挿入形鋼4の管口から挿入形鋼4内下
部を軸方向に通し、プーリ14を介して上方へまわして
腹起こし9と10に固定したプーリ13に通し、下方に
向かってほぼ地上まで垂らしておく。このとき、挿入形
鋼4の長さはガイド管5の長さに対応して予め決定され
ているが、これら挿入形鋼4及びガイド管5の長さ・太
さは、地山の性質等に応じて、予め行われる公知の土圧
計算結果に基づき決定される。例えば地山3が岩盤等に
なると切断張力が大きくなるので、これに見合うだけの
長さ・太さとされる。なお、ワイヤーソー15の径は、
土質により決定される。
端部近傍に回動自在なプーリ14を設けた構造の挿入形
鋼4(後述する図7(a)参照)を水平状態に構えると
ともに、土砂切削用のワイヤーソー15(幅10〜15
mm程度)をこの挿入形鋼4の管口から挿入形鋼4内下
部を軸方向に通し、プーリ14を介して上方へまわして
腹起こし9と10に固定したプーリ13に通し、下方に
向かってほぼ地上まで垂らしておく。このとき、挿入形
鋼4の長さはガイド管5の長さに対応して予め決定され
ているが、これら挿入形鋼4及びガイド管5の長さ・太
さは、地山の性質等に応じて、予め行われる公知の土圧
計算結果に基づき決定される。例えば地山3が岩盤等に
なると切断張力が大きくなるので、これに見合うだけの
長さ・太さとされる。なお、ワイヤーソー15の径は、
土質により決定される。
【0014】そして、図6に示されるように、プーリ1
4でワイヤーソー15を押し込みつつ、挿入形鋼4をガ
イド管5内に挿入する。すると、ワイヤーソー15は、
スリット5A上の地山3に遮られる形で略L字状に折れ
曲がることになる。このときのガイド管5に挿入された
状態の挿入形鋼4の詳細構造を表す、図6の部分拡大図
を図7(a)に、この図7(a)中B方向から見た図を
図7(b)に示す。このようにして所定位置まで挿入さ
れた挿入形鋼4は、端部4A近傍においてガイド管5と
固定される。このときの固定方法は、溶接やボルト締め
等で行われる。
4でワイヤーソー15を押し込みつつ、挿入形鋼4をガ
イド管5内に挿入する。すると、ワイヤーソー15は、
スリット5A上の地山3に遮られる形で略L字状に折れ
曲がることになる。このときのガイド管5に挿入された
状態の挿入形鋼4の詳細構造を表す、図6の部分拡大図
を図7(a)に、この図7(a)中B方向から見た図を
図7(b)に示す。このようにして所定位置まで挿入さ
れた挿入形鋼4は、端部4A近傍においてガイド管5と
固定される。このときの固定方法は、溶接やボルト締め
等で行われる。
【0015】そして、図8に示されるように、例えばH
鋼からなる架台16を親柱2の手前側に略水平方向に固
定し、この架台16上に、例えば鋼製のモータ台17を
介してモータ18を摺動可能に設ける。モータ18を図
8中C方向からみた図を図9に示す。そして、プーリ1
3を通して下方に垂らされたワイヤーソー15の一端
と、挿入形鋼4の管口から手前側に引き出されたワイヤ
ーソー15の他端とを接続し、すなわちワイヤーソー1
5を、モータ18のピニオン18Aを通るループ状にす
る。なおこのとき、架台16の端部には手巻きレバーブ
ロック19が設けられ、ワイヤー20を介してモータ台
17に接続されている。これにより、手巻きレバーブロ
ック19を操作することで、モータ18は架台16上を
スライド可能となっている。
鋼からなる架台16を親柱2の手前側に略水平方向に固
定し、この架台16上に、例えば鋼製のモータ台17を
介してモータ18を摺動可能に設ける。モータ18を図
8中C方向からみた図を図9に示す。そして、プーリ1
3を通して下方に垂らされたワイヤーソー15の一端
と、挿入形鋼4の管口から手前側に引き出されたワイヤ
ーソー15の他端とを接続し、すなわちワイヤーソー1
5を、モータ18のピニオン18Aを通るループ状にす
る。なおこのとき、架台16の端部には手巻きレバーブ
ロック19が設けられ、ワイヤー20を介してモータ台
17に接続されている。これにより、手巻きレバーブロ
ック19を操作することで、モータ18は架台16上を
スライド可能となっている。
【0016】その後、図10に示されるように、手巻き
レバーブロック19でモータ台17を図示左方に引っ張
って所定の張力を与えつつ、ループ状にしたワイヤーソ
ー15をモータ18で牽引駆動し、ワイヤーソー15の
上方に位置する法面10内の地山3を溝状に切削しワイ
ヤーソー15を切り込ませる。そして最終的には、ワイ
ヤーソー15が、挿入形鋼4内のプーリ14と腹起こし
9と10に固定されたプーリ13とを直線的に結ぶよう
になるまで切削を行う。なお実際には、切削した結果生
じる溝状の切り込みは、切削終了後には、周囲の地山3
からの土砂の流入によりほとんど埋まってしまう。
レバーブロック19でモータ台17を図示左方に引っ張
って所定の張力を与えつつ、ループ状にしたワイヤーソ
ー15をモータ18で牽引駆動し、ワイヤーソー15の
上方に位置する法面10内の地山3を溝状に切削しワイ
ヤーソー15を切り込ませる。そして最終的には、ワイ
ヤーソー15が、挿入形鋼4内のプーリ14と腹起こし
9と10に固定されたプーリ13とを直線的に結ぶよう
になるまで切削を行う。なお実際には、切削した結果生
じる溝状の切り込みは、切削終了後には、周囲の地山3
からの土砂の流入によりほとんど埋まってしまう。
【0017】このような切削が終了した後、図11に示
されるように、ワイヤーソー15をある位置で切断して
ループ状を解き、その切断したワイヤーソー15の一端
に、PC鋼線6及びPC鋼線アンカーワイヤー7を接続
して再びループ状とし、モータ18によってこれらを牽
引駆動し挿入形鋼4内に引き込む。そして、腹起こし9
と10に固定されたプーリ13から挿入形鋼4内のプー
リ14までの部分(大部分が法面1内部となる)をPC
鋼線6に置き換え、プーリ14から挿入形鋼4の端部4
A近傍までのガイド管5の内部となる部分をPC鋼線ア
ンカーワイヤー7に置き換える。すなわちPC鋼線6と
PC鋼線アンカーワイヤー7とがほぼプーリ14におい
て接続されるようにする。このときプーリ13〜プーリ
14〜端部4A近傍までのすべてをPC鋼線6とせず一
部PC鋼線アンカーワイヤー7を用いるのは、PC鋼線
6が高価であり、全部をPC鋼線6に置き換えるとコス
ト高となるからである。その後、図12に示されるよう
に、挿入形鋼4の前面側端部4A近傍の適当な箇所と、
その近傍にあるPC鋼線アンカーワイヤー7の端部近傍
とを固定し、架台16、モータ台17、モータ18、手
巻きレバーブロック19、及びワイヤー20を撤去す
る。このとき併せて、ワイヤーソー15のうち、挿入形
鋼4の前面側端部4Aからモータ18までの部分と、プ
ーリ13からモータ18までの部分もほとんど撤去す
る。そして、支持地盤に応じて適宜選択された公知の施
工方法を用いて、挿入形鋼4の前面側端部4A近傍と、
その近傍にある親柱2を固定するように基礎コンクリー
ト21を打設する。この基礎コンクリート21の打設時
には、親柱2と法面1との間に、後述するモルタル注入
用のパイプ22を、その底面がガイド管5のスリット5
Aに連通するように設け、また、各親柱2と各ガイド管
5とを接続するために、例えばH鋼からなるつなぎ材2
4を設ける(図2参照)。なおこのとき併せて、腹起こ
し9と10に固定されたプーリ13を取り外し、さらに
予めネジが切られていたPC鋼線6の先端を締め付け金
具23(公知のPC鋼線固定金具)の穴に通しておく。
されるように、ワイヤーソー15をある位置で切断して
ループ状を解き、その切断したワイヤーソー15の一端
に、PC鋼線6及びPC鋼線アンカーワイヤー7を接続
して再びループ状とし、モータ18によってこれらを牽
引駆動し挿入形鋼4内に引き込む。そして、腹起こし9
と10に固定されたプーリ13から挿入形鋼4内のプー
リ14までの部分(大部分が法面1内部となる)をPC
鋼線6に置き換え、プーリ14から挿入形鋼4の端部4
A近傍までのガイド管5の内部となる部分をPC鋼線ア
ンカーワイヤー7に置き換える。すなわちPC鋼線6と
PC鋼線アンカーワイヤー7とがほぼプーリ14におい
て接続されるようにする。このときプーリ13〜プーリ
14〜端部4A近傍までのすべてをPC鋼線6とせず一
部PC鋼線アンカーワイヤー7を用いるのは、PC鋼線
6が高価であり、全部をPC鋼線6に置き換えるとコス
ト高となるからである。その後、図12に示されるよう
に、挿入形鋼4の前面側端部4A近傍の適当な箇所と、
その近傍にあるPC鋼線アンカーワイヤー7の端部近傍
とを固定し、架台16、モータ台17、モータ18、手
巻きレバーブロック19、及びワイヤー20を撤去す
る。このとき併せて、ワイヤーソー15のうち、挿入形
鋼4の前面側端部4Aからモータ18までの部分と、プ
ーリ13からモータ18までの部分もほとんど撤去す
る。そして、支持地盤に応じて適宜選択された公知の施
工方法を用いて、挿入形鋼4の前面側端部4A近傍と、
その近傍にある親柱2を固定するように基礎コンクリー
ト21を打設する。この基礎コンクリート21の打設時
には、親柱2と法面1との間に、後述するモルタル注入
用のパイプ22を、その底面がガイド管5のスリット5
Aに連通するように設け、また、各親柱2と各ガイド管
5とを接続するために、例えばH鋼からなるつなぎ材2
4を設ける(図2参照)。なおこのとき併せて、腹起こ
し9と10に固定されたプーリ13を取り外し、さらに
予めネジが切られていたPC鋼線6の先端を締め付け金
具23(公知のPC鋼線固定金具)の穴に通しておく。
【0018】その後、図13に示されるように、締め付
け金具23に通したPC鋼線6の先端にさらにナット2
7を通し、そのナット27を軽く締めることにより、前
面側端部4A近傍の部分が基礎コンクリート21に固定
されたPC鋼線アンカーワイヤー7を介し、PC鋼線6
に、たるまない程度の第1の所定の引張張力を与える。
そしてこの状態で、ガイド管5内にモルタルをグラウト
し(図示せず)、ガイド管5及び挿入形鋼4内に存在す
るPC鋼線アンカーワイヤー7を固定する。そして、グ
ラウトされたモルタルに所定の強度が発生した後、再び
ナット27を締めることにより、PC鋼線6に、予め行
われる公知の土圧計算結果に基づく第2の所定の引張張
力を与えて設計長さとし、この状態でPC鋼線6の端部
を連結板11を介して腹起こし9,10に固定する。な
おこのとき、腹起こし9,10への固定が、柱部材の上
端近傍部分への固定に相当する。
け金具23に通したPC鋼線6の先端にさらにナット2
7を通し、そのナット27を軽く締めることにより、前
面側端部4A近傍の部分が基礎コンクリート21に固定
されたPC鋼線アンカーワイヤー7を介し、PC鋼線6
に、たるまない程度の第1の所定の引張張力を与える。
そしてこの状態で、ガイド管5内にモルタルをグラウト
し(図示せず)、ガイド管5及び挿入形鋼4内に存在す
るPC鋼線アンカーワイヤー7を固定する。そして、グ
ラウトされたモルタルに所定の強度が発生した後、再び
ナット27を締めることにより、PC鋼線6に、予め行
われる公知の土圧計算結果に基づく第2の所定の引張張
力を与えて設計長さとし、この状態でPC鋼線6の端部
を連結板11を介して腹起こし9,10に固定する。な
おこのとき、腹起こし9,10への固定が、柱部材の上
端近傍部分への固定に相当する。
【0019】その後、所定間隔で立設された親柱2を連
結するように、基礎コンクリート21の上部前面側に壁
体コンクリート8を配設する。そして、その背面である
法面1側に土砂の埋め戻し25を行う。この埋め戻しに
使用する土砂としては、PC鋼線6を内包することか
ら、流動化した軽量盛土が適するが、山砂で水締めして
もよい。また急傾斜用擁壁の場合には、そのままでよ
い。そして必要に応じて、壁体コンクリート8のさらに
前面側に、基礎コンクリート21の上面より高い位置ま
で盛土26を構成する。これによって図1の状態に仕上
げることができる。
結するように、基礎コンクリート21の上部前面側に壁
体コンクリート8を配設する。そして、その背面である
法面1側に土砂の埋め戻し25を行う。この埋め戻しに
使用する土砂としては、PC鋼線6を内包することか
ら、流動化した軽量盛土が適するが、山砂で水締めして
もよい。また急傾斜用擁壁の場合には、そのままでよ
い。そして必要に応じて、壁体コンクリート8のさらに
前面側に、基礎コンクリート21の上面より高い位置ま
で盛土26を構成する。これによって図1の状態に仕上
げることができる。
【0020】なお、以上説明した構成の擁壁100にお
いて、親柱2は、法面1の下端にほぼ沿って所定間隔で
立設された複数本の柱部材を構成し、挿入形鋼4及びガ
イド管5は、先端部分が法面1内の土中に略水平方向に
貫入されるとともに、対応する柱部材に根元近傍部分が
それぞれ接続された複数本のアンカー部材を構成する。
そしてPC鋼線6は、複数本のアンカー部材の各先端近
傍部分を、対応する柱部材の上端近傍部分にそれぞれ連
結する複数本の斜ケーブル部材を構成する。
いて、親柱2は、法面1の下端にほぼ沿って所定間隔で
立設された複数本の柱部材を構成し、挿入形鋼4及びガ
イド管5は、先端部分が法面1内の土中に略水平方向に
貫入されるとともに、対応する柱部材に根元近傍部分が
それぞれ接続された複数本のアンカー部材を構成する。
そしてPC鋼線6は、複数本のアンカー部材の各先端近
傍部分を、対応する柱部材の上端近傍部分にそれぞれ連
結する複数本の斜ケーブル部材を構成する。
【0021】以上のように構築した本実施形態の土留擁
壁100によれば、以下の効果を得る。すなわち、擁壁
100の法面1側のアンカー部材として、法面1内の地
山13中に略水平方向に設けられた挿入形鋼4及びガイ
ド管5を利用する一方、この挿入形鋼4中の先端のプー
リ14を通したPC鋼線アンカーワイヤー7及びPC鋼
線6を親柱2の上端近傍に連結する。このような構成と
することにより、図1に示されるように、側断面でみる
と、挿入形鋼4及びその中のPC鋼線ワイヤーアンカー
7と親柱2とを直交する2辺とし、PC鋼線6を斜辺と
する、略直角三角形を構成して地山3からの土圧に対抗
する構成となる。したがって、比較的高さの高い擁壁
や、急傾斜地の防災用大型擁壁を実現することができ
る。そしてこのとき、アンカーとしては、挿入形鋼4及
びガイド管5を法面1内の土中に略水平方向に貫入して
用いるので、従来の逆T式擁壁のように法面処理として
擁壁背面側を大きく掘削する必要がなく、工費・工期を
抑制するとともに施工上の安全面を十分確保することが
できる。さらに急傾斜地で擁壁背後の掘削が不可能な場
合であっても、逆T式擁壁のように擁壁を前面側にずら
す必要がなくなり、用地を節約することができる。
壁100によれば、以下の効果を得る。すなわち、擁壁
100の法面1側のアンカー部材として、法面1内の地
山13中に略水平方向に設けられた挿入形鋼4及びガイ
ド管5を利用する一方、この挿入形鋼4中の先端のプー
リ14を通したPC鋼線アンカーワイヤー7及びPC鋼
線6を親柱2の上端近傍に連結する。このような構成と
することにより、図1に示されるように、側断面でみる
と、挿入形鋼4及びその中のPC鋼線ワイヤーアンカー
7と親柱2とを直交する2辺とし、PC鋼線6を斜辺と
する、略直角三角形を構成して地山3からの土圧に対抗
する構成となる。したがって、比較的高さの高い擁壁
や、急傾斜地の防災用大型擁壁を実現することができ
る。そしてこのとき、アンカーとしては、挿入形鋼4及
びガイド管5を法面1内の土中に略水平方向に貫入して
用いるので、従来の逆T式擁壁のように法面処理として
擁壁背面側を大きく掘削する必要がなく、工費・工期を
抑制するとともに施工上の安全面を十分確保することが
できる。さらに急傾斜地で擁壁背後の掘削が不可能な場
合であっても、逆T式擁壁のように擁壁を前面側にずら
す必要がなくなり、用地を節約することができる。
【0022】なお、上記第1の実施形態においては、プ
ーリ13から挿入形鋼4内のプーリ14までの部分をP
C鋼線6、プーリ14から挿入形鋼4の端部4A近傍ま
でをPC鋼線アンカーワイヤー7としたが、これに限ら
れない。すなわち、PC鋼線6は少なくともプーリ13
からプーリ14までに配置されれば足り、挿入形鋼4内
のプーリ14より手前側にPC鋼線6部分が存在しても
良い。そして、PC鋼線6のうちガイド管5内に残るこ
ととなる部分には、モルタルの定着を良好とするため
に、定着用金物をとりつけておくことが好ましい。さら
に、上記第1の実施形態においては、図8で説明したよ
うに、モータ台17を載置する架台16を親柱2に固定
したが、これに限られず、別途ベースコンクリートを打
設し、これに固定しても良い。また、手巻きレバーブロ
ック19を使用したが、これに限られず、親柱2を反力
受けとした油圧ジャッキを設け、これを用いても良い。
これらの場合も、同様の効果を得る。また、上記第1の
実施形態においては、ガイド管5は、鋼製円管の頂部に
スリット5Aを切り欠いて構成されていたが、これに限
られない。すなわち、スリットつきのパイプであれば足
りるので、スリットが形成された角管等でも構わない。
また必ず鋼管である必要もない。これらの場合も、同様
の効果を得る。さらに、上記第1の実施形態において
は、腹起こし9,10をH鋼から構成したが、これに限
られず、溝型鋼等でもよい。この場合も、同様の効果を
得る。
ーリ13から挿入形鋼4内のプーリ14までの部分をP
C鋼線6、プーリ14から挿入形鋼4の端部4A近傍ま
でをPC鋼線アンカーワイヤー7としたが、これに限ら
れない。すなわち、PC鋼線6は少なくともプーリ13
からプーリ14までに配置されれば足り、挿入形鋼4内
のプーリ14より手前側にPC鋼線6部分が存在しても
良い。そして、PC鋼線6のうちガイド管5内に残るこ
ととなる部分には、モルタルの定着を良好とするため
に、定着用金物をとりつけておくことが好ましい。さら
に、上記第1の実施形態においては、図8で説明したよ
うに、モータ台17を載置する架台16を親柱2に固定
したが、これに限られず、別途ベースコンクリートを打
設し、これに固定しても良い。また、手巻きレバーブロ
ック19を使用したが、これに限られず、親柱2を反力
受けとした油圧ジャッキを設け、これを用いても良い。
これらの場合も、同様の効果を得る。また、上記第1の
実施形態においては、ガイド管5は、鋼製円管の頂部に
スリット5Aを切り欠いて構成されていたが、これに限
られない。すなわち、スリットつきのパイプであれば足
りるので、スリットが形成された角管等でも構わない。
また必ず鋼管である必要もない。これらの場合も、同様
の効果を得る。さらに、上記第1の実施形態において
は、腹起こし9,10をH鋼から構成したが、これに限
られず、溝型鋼等でもよい。この場合も、同様の効果を
得る。
【0023】次に、本発明の第2の実施形態を、図14
〜図26により説明する。本実施形態は、PC鋼線アン
カーケーブルワイヤーを用いない工法により、第1の実
施形態と若干異なった構造の擁壁200を構築する場合
の実施形態である。第1の実施形態と同等の部材には同
一の符号を付す。本実施形態による土留擁壁200の構
造(構築後の状態)を表す側断面図を図14に、図14
中D−D断面による横断面図を図15に示す。図14及
び図15において、本実施形態による土留擁壁200
は、概略的に説明すると、法面1の下端1Aにほぼ沿っ
て所定間隔で立設された、例えばH鋼からなる複数本の
親柱2と、大部分が法面1内の土中(いわゆる地山)3
に略水平方向に貫入されるとともに、対応する親柱2に
根元近傍部分がそれぞれ接続された複数本の横管204
と、これら横管204の各先端近傍部分を対応する親柱
2の上端近傍部分に連結しさらに横管204内の管奥側
に軸方向に配設されるPC鋼線6と、横管204内の管
口側にPC鋼線6と接続して配設されるワイヤーソー1
5と、各親柱2を連結するように配設された壁体コンク
リート8とを有している。
〜図26により説明する。本実施形態は、PC鋼線アン
カーケーブルワイヤーを用いない工法により、第1の実
施形態と若干異なった構造の擁壁200を構築する場合
の実施形態である。第1の実施形態と同等の部材には同
一の符号を付す。本実施形態による土留擁壁200の構
造(構築後の状態)を表す側断面図を図14に、図14
中D−D断面による横断面図を図15に示す。図14及
び図15において、本実施形態による土留擁壁200
は、概略的に説明すると、法面1の下端1Aにほぼ沿っ
て所定間隔で立設された、例えばH鋼からなる複数本の
親柱2と、大部分が法面1内の土中(いわゆる地山)3
に略水平方向に貫入されるとともに、対応する親柱2に
根元近傍部分がそれぞれ接続された複数本の横管204
と、これら横管204の各先端近傍部分を対応する親柱
2の上端近傍部分に連結しさらに横管204内の管奥側
に軸方向に配設されるPC鋼線6と、横管204内の管
口側にPC鋼線6と接続して配設されるワイヤーソー1
5と、各親柱2を連結するように配設された壁体コンク
リート8とを有している。
【0024】各親柱2には、H鋼からなる腹起こし9,
10を複数個の連結板11で平行としたものが、略三角
形の受け台であるブラケット12を介し、親柱2をつな
ぐように略水平に固定されている。また、各親柱2の下
部の横管204との交差位置近傍には、例えばH鋼から
なるつなぎ材24が設けられ、さらにこのつなぎ材24
を内包しつつ親柱2と横管204とを接続するように、
基礎コンクリート21が打設されている。
10を複数個の連結板11で平行としたものが、略三角
形の受け台であるブラケット12を介し、親柱2をつな
ぐように略水平に固定されている。また、各親柱2の下
部の横管204との交差位置近傍には、例えばH鋼から
なるつなぎ材24が設けられ、さらにこのつなぎ材24
を内包しつつ親柱2と横管204とを接続するように、
基礎コンクリート21が打設されている。
【0025】横管204内にはコンクリートが注入され
固形化されており、これによって横管204内のワイヤ
ーソー15及びPC鋼線6が堅固に固定されている。そ
して横管204内の先端部近傍にはプーリ214が設け
られており、このプーリ214にPC鋼線6がかけられ
ている。なおこのPC鋼線6としては、防錆カバーつき
のものを使用し、永久アンカーと同様の仕様とする。但
し、アラミド繊維を採用した場合には、防錆は必要な
い。
固形化されており、これによって横管204内のワイヤ
ーソー15及びPC鋼線6が堅固に固定されている。そ
して横管204内の先端部近傍にはプーリ214が設け
られており、このプーリ214にPC鋼線6がかけられ
ている。なおこのPC鋼線6としては、防錆カバーつき
のものを使用し、永久アンカーと同様の仕様とする。但
し、アラミド繊維を採用した場合には、防錆は必要な
い。
【0026】壁体コンクリート8と法面1との間には、
土砂による埋め戻し25が施されている。
土砂による埋め戻し25が施されている。
【0027】次に、本実施形態の擁壁200の構築方法
を、図16〜図26を用いて順次説明する。まず、図1
6に示されるように、法面1内の地山3における擁壁2
00底盤に相当する位置に所定間隔で削孔を行い、各孔
に、横管204よりひとまわり大きいスリットつき円管
である外管205を、後に挿入される横管204のケー
シングとして略水平方向に貫入する。このときの削孔
は、柔らかい土砂ではオーガータイプ、硬い土質ではボ
ーリングタイプで行う。また孔ピッチは、対応する親柱
2の設置間隔(後述)に相当するものであり、予め行わ
れる公知の土圧計算結果と、使用する鋼材の種類に基づ
き決定される。そして各外管205は、親柱2の設置場
所に相当する位置の近傍から貫入される。その後、図1
7に示されるように、横管204(詳細は後述)を水平
状態に構えるとともに、切削用のワイヤーソー15(幅
10〜15mm程度)をこの横管204の管口から横管
204内を軸方向に通した後、プーリ214を介して管
口まで折り返しておく。この横管204は、図18
(a)(b)にプーリ取り付け部の横断面図及び縦断面
図を示すように、円管頂部にスリット204Aを形成す
るとともにその下部に溝形鋼204Bを溶接して幅止め
し、さらに先端部近傍に取り付け金具204Cを介し回
動自在なプーリ214を取り付けた構造となっている。
このプーリ214の近傍の溝形鋼204Bは、図18
(b)に示されているように底を取り去り、ブラシ状部
材204Dで異物の侵入を防止するようになっている。
なお、このプーリ214は、横管204内の複数箇所に
設けてもよい。またこのとき、横管204の長さは外管
205の長さに対応して予め決定されているが、これら
横管204及び外管205の長さ・太さは、地山の性質
等に応じて、予め行われる公知の土圧計算結果に基づき
決定される。例えば地山3が岩盤等になると切断張力が
大きくなるので、これに見合うだけの長さ・太さとされ
る。さらに、ワイヤーソー15の径は、土質により決定
される。
を、図16〜図26を用いて順次説明する。まず、図1
6に示されるように、法面1内の地山3における擁壁2
00底盤に相当する位置に所定間隔で削孔を行い、各孔
に、横管204よりひとまわり大きいスリットつき円管
である外管205を、後に挿入される横管204のケー
シングとして略水平方向に貫入する。このときの削孔
は、柔らかい土砂ではオーガータイプ、硬い土質ではボ
ーリングタイプで行う。また孔ピッチは、対応する親柱
2の設置間隔(後述)に相当するものであり、予め行わ
れる公知の土圧計算結果と、使用する鋼材の種類に基づ
き決定される。そして各外管205は、親柱2の設置場
所に相当する位置の近傍から貫入される。その後、図1
7に示されるように、横管204(詳細は後述)を水平
状態に構えるとともに、切削用のワイヤーソー15(幅
10〜15mm程度)をこの横管204の管口から横管
204内を軸方向に通した後、プーリ214を介して管
口まで折り返しておく。この横管204は、図18
(a)(b)にプーリ取り付け部の横断面図及び縦断面
図を示すように、円管頂部にスリット204Aを形成す
るとともにその下部に溝形鋼204Bを溶接して幅止め
し、さらに先端部近傍に取り付け金具204Cを介し回
動自在なプーリ214を取り付けた構造となっている。
このプーリ214の近傍の溝形鋼204Bは、図18
(b)に示されているように底を取り去り、ブラシ状部
材204Dで異物の侵入を防止するようになっている。
なお、このプーリ214は、横管204内の複数箇所に
設けてもよい。またこのとき、横管204の長さは外管
205の長さに対応して予め決定されているが、これら
横管204及び外管205の長さ・太さは、地山の性質
等に応じて、予め行われる公知の土圧計算結果に基づき
決定される。例えば地山3が岩盤等になると切断張力が
大きくなるので、これに見合うだけの長さ・太さとされ
る。さらに、ワイヤーソー15の径は、土質により決定
される。
【0028】次に、プーリ214でワイヤーソー15を
押し込みつつ横管204を外管205内に挿入する。こ
の状態を図19に示す。その後、外管205を引き抜き
ながら、CBモルタル等土砂と同程度の強度の注入材2
28を横管204の周辺に充填する。この状態を図20
に示す。なお、これ以降、図の煩雑化を避けるために注
入材228の図示を省略する。
押し込みつつ横管204を外管205内に挿入する。こ
の状態を図19に示す。その後、外管205を引き抜き
ながら、CBモルタル等土砂と同程度の強度の注入材2
28を横管204の周辺に充填する。この状態を図20
に示す。なお、これ以降、図の煩雑化を避けるために注
入材228の図示を省略する。
【0029】その後、法面1の下端1Aにほぼ沿って擁
壁200となる位置に親柱2を建て込む。このときすべ
り防止上から根入れを取り、また建て込み間隔を、横管
204の間隔と略同一とする。そしてまた、H鋼からな
る腹起こし9,10を複数個の連結板11で平行とした
ものを、略三角形の受け台であるブラケット12を介
し、各親柱2をつなぐように略水平に固定する(図15
参照)。このとき各連結板11には、最後にPC鋼線6
に所定の引張強度を与える際に用いられる締め付け金具
(公知のPC鋼線固定金具)23が設けられている(詳
細は後述)。また腹起こし9,10を用いて、各横管2
04上方に相当する位置となるように、回動自在なプー
リ13を固定する。そして、横管204のスリット20
4Aからワイヤーソー15を取り出し上方へまわしてプ
ーリ13に通し、さらに下方に向かって地上まで引きお
ろしておく。これにより、ワイヤーソー15は、スリッ
ト204A上の地山3に遮られる形で略L字状に折れ曲
がることになる。この状態を図21に示す。
壁200となる位置に親柱2を建て込む。このときすべ
り防止上から根入れを取り、また建て込み間隔を、横管
204の間隔と略同一とする。そしてまた、H鋼からな
る腹起こし9,10を複数個の連結板11で平行とした
ものを、略三角形の受け台であるブラケット12を介
し、各親柱2をつなぐように略水平に固定する(図15
参照)。このとき各連結板11には、最後にPC鋼線6
に所定の引張強度を与える際に用いられる締め付け金具
(公知のPC鋼線固定金具)23が設けられている(詳
細は後述)。また腹起こし9,10を用いて、各横管2
04上方に相当する位置となるように、回動自在なプー
リ13を固定する。そして、横管204のスリット20
4Aからワイヤーソー15を取り出し上方へまわしてプ
ーリ13に通し、さらに下方に向かって地上まで引きお
ろしておく。これにより、ワイヤーソー15は、スリッ
ト204A上の地山3に遮られる形で略L字状に折れ曲
がることになる。この状態を図21に示す。
【0030】そして、図22に示されるように、例えば
H鋼からなる架台16を親柱2の手前側に略水平方向に
固定し、この架台16上に、例えば鋼製のモータ台を介
してモータ18を摺動可能に設ける。なおこのモータ1
8は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので
詳細構造の説明を省略する。そして、プーリ13を通し
て下方に垂らされたワイヤーソー15の一端と、横管2
04の管口から手前側に引き出されたワイヤーソー15
の他端とを接続し、すなわちワイヤーソー15を、モー
タ18のピニオン18Aを通るループ状にする。このと
き、架台16の端部には手巻きレバーブロック19が設
けられ、ワイヤー20を介してモータ台17(図9参
照)に接続されている。これにより、手巻きレバーブロ
ック19を操作することで、モータ18は架台16上を
スライド可能となっている。
H鋼からなる架台16を親柱2の手前側に略水平方向に
固定し、この架台16上に、例えば鋼製のモータ台を介
してモータ18を摺動可能に設ける。なおこのモータ1
8は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので
詳細構造の説明を省略する。そして、プーリ13を通し
て下方に垂らされたワイヤーソー15の一端と、横管2
04の管口から手前側に引き出されたワイヤーソー15
の他端とを接続し、すなわちワイヤーソー15を、モー
タ18のピニオン18Aを通るループ状にする。このと
き、架台16の端部には手巻きレバーブロック19が設
けられ、ワイヤー20を介してモータ台17(図9参
照)に接続されている。これにより、手巻きレバーブロ
ック19を操作することで、モータ18は架台16上を
スライド可能となっている。
【0031】その後、手巻きレバーブロック19でモー
タ台17を図示左方に引っ張って所定の張力を与えつ
つ、ループ状にしたワイヤーソー15をモータ18で牽
引駆動し、ワイヤーソー15の上方に位置する法面10
内の地山3を溝状に切削しワイヤーソー15を切り込ま
せる。そして最終的には、ワイヤーソー15が、横管2
04内のプーリ214と腹起こし9と10に固定された
プーリ13とを直線的に結ぶようになるまで切削を行
う。この状態を図23に示す。なお実際には、切削した
結果生じる溝状の切り込みは、切削終了後には、周囲の
地山3からの土砂の流入によりほとんど埋まってしま
う。
タ台17を図示左方に引っ張って所定の張力を与えつ
つ、ループ状にしたワイヤーソー15をモータ18で牽
引駆動し、ワイヤーソー15の上方に位置する法面10
内の地山3を溝状に切削しワイヤーソー15を切り込ま
せる。そして最終的には、ワイヤーソー15が、横管2
04内のプーリ214と腹起こし9と10に固定された
プーリ13とを直線的に結ぶようになるまで切削を行
う。この状態を図23に示す。なお実際には、切削した
結果生じる溝状の切り込みは、切削終了後には、周囲の
地山3からの土砂の流入によりほとんど埋まってしま
う。
【0032】このような切削が終了した後、ワイヤーソ
ー15をある位置で切断してループ状を解き、その切断
したワイヤーソー15の一端に、PC鋼線6を接続して
再びループ状とし、モータ18によってこれらを牽引駆
動して横管204内に引き込み、ワイヤーソー15の一
部をPC鋼線6に入れ換える。このとき、PC鋼線6が
太くて円滑に入れ換えられないときは、ワイヤーソー1
5に節をつけて数珠のようにし、その数珠をだんだん大
きくしていく(コンクリートのときのダイヤモンドワイ
ヤと同様)ことによって、PC鋼線6に円滑に入れ換え
られるようにする。そして、あらかじめPC鋼線6の長
さを計算しておき、最終的に、PC鋼線6の一部を横管
204に残存させる(すなわち横管204の管口側部分
にはワイヤーソー15が残っている)ようにするととも
に、PC鋼線6の先端を、腹起こし9と10に固定され
たプーリ13近傍まで引張り、コッターで締めて仮固定
する。また横管204内のワイヤーソー15の管口側端
も、仮止めしておく。この状態を図24に示す。これを
親柱2の数(すなわちプーリ13の数)だけ奥から順番
に行った後、横管204内にコンクリート(図示せず)
を充填してPC鋼線6をプーリ214とともに埋め殺
し、固定する。なおこのとき、PC鋼線6の横管204
内に残る部分には、コンクリートの定着をよくするため
の金物(図示せず)を取り付けておく。
ー15をある位置で切断してループ状を解き、その切断
したワイヤーソー15の一端に、PC鋼線6を接続して
再びループ状とし、モータ18によってこれらを牽引駆
動して横管204内に引き込み、ワイヤーソー15の一
部をPC鋼線6に入れ換える。このとき、PC鋼線6が
太くて円滑に入れ換えられないときは、ワイヤーソー1
5に節をつけて数珠のようにし、その数珠をだんだん大
きくしていく(コンクリートのときのダイヤモンドワイ
ヤと同様)ことによって、PC鋼線6に円滑に入れ換え
られるようにする。そして、あらかじめPC鋼線6の長
さを計算しておき、最終的に、PC鋼線6の一部を横管
204に残存させる(すなわち横管204の管口側部分
にはワイヤーソー15が残っている)ようにするととも
に、PC鋼線6の先端を、腹起こし9と10に固定され
たプーリ13近傍まで引張り、コッターで締めて仮固定
する。また横管204内のワイヤーソー15の管口側端
も、仮止めしておく。この状態を図24に示す。これを
親柱2の数(すなわちプーリ13の数)だけ奥から順番
に行った後、横管204内にコンクリート(図示せず)
を充填してPC鋼線6をプーリ214とともに埋め殺
し、固定する。なおこのとき、PC鋼線6の横管204
内に残る部分には、コンクリートの定着をよくするため
の金物(図示せず)を取り付けておく。
【0033】そして、横管204内のコンクリートが硬
化した後に、図25に示されるように、仮固定されてい
たPC鋼線6の先端を締め付け金具23を挟んでナット
27に通し、そのナット27を締めることにより、PC
鋼線6をゆるみのない設計長さとしつつ腹おこし9,1
0に定着する。その後、支持地盤に応じて適宜選択され
た公知の施工方法を用いて、横管204の前面側端部2
04A近傍と、その近傍にある親柱2を固定するように
基礎コンクリート21を打設する。このとき、各親柱2
と各横管204とを接続するために、例えばH鋼からな
るつなぎ材24を設ける(図15参照)。この状態を図
26に示す。なお仮設のときは、つなぎ材24に横矢板
を掛ける等、簡略化も可能である。
化した後に、図25に示されるように、仮固定されてい
たPC鋼線6の先端を締め付け金具23を挟んでナット
27に通し、そのナット27を締めることにより、PC
鋼線6をゆるみのない設計長さとしつつ腹おこし9,1
0に定着する。その後、支持地盤に応じて適宜選択され
た公知の施工方法を用いて、横管204の前面側端部2
04A近傍と、その近傍にある親柱2を固定するように
基礎コンクリート21を打設する。このとき、各親柱2
と各横管204とを接続するために、例えばH鋼からな
るつなぎ材24を設ける(図15参照)。この状態を図
26に示す。なお仮設のときは、つなぎ材24に横矢板
を掛ける等、簡略化も可能である。
【0034】そして、所定間隔で立設された親柱2を連
結するように、基礎コンクリート21の上部前面側に立
ち上がりの壁体コンクリート8を打設する。そして、そ
の背面である法面1側に土砂の埋め戻し25を行う。こ
の埋め戻しに使用する土砂としては、PC鋼線6を内包
することから、流動化した軽量盛土が適するが、山砂で
水締めしてもよい。また急傾斜用擁壁の場合には、その
ままでよい。そして必要に応じて、壁体コンクリート8
のさらに前面側に、基礎コンクリート21の上面より高
い位置まで盛土26を構成する。これによって図14の
状態に仕上げることができる。
結するように、基礎コンクリート21の上部前面側に立
ち上がりの壁体コンクリート8を打設する。そして、そ
の背面である法面1側に土砂の埋め戻し25を行う。こ
の埋め戻しに使用する土砂としては、PC鋼線6を内包
することから、流動化した軽量盛土が適するが、山砂で
水締めしてもよい。また急傾斜用擁壁の場合には、その
ままでよい。そして必要に応じて、壁体コンクリート8
のさらに前面側に、基礎コンクリート21の上面より高
い位置まで盛土26を構成する。これによって図14の
状態に仕上げることができる。
【0035】なお、以上説明した構成の擁壁200にお
いて、親柱2は、法面1の下端にほぼ沿って所定間隔で
立設された複数本の柱部材を構成し、横管204は、先
端部分が法面1内の土中に略水平方向に貫入されるとと
もに、対応する柱部材に根元近傍部分がそれぞれ接続さ
れた複数本のアンカー部材を構成する。そしてPC鋼線
6は、複数本のアンカー部材の各先端近傍部分を、対応
する柱部材の上端近傍部分にそれぞれ連結する複数本の
斜ケーブル部材を構成する。
いて、親柱2は、法面1の下端にほぼ沿って所定間隔で
立設された複数本の柱部材を構成し、横管204は、先
端部分が法面1内の土中に略水平方向に貫入されるとと
もに、対応する柱部材に根元近傍部分がそれぞれ接続さ
れた複数本のアンカー部材を構成する。そしてPC鋼線
6は、複数本のアンカー部材の各先端近傍部分を、対応
する柱部材の上端近傍部分にそれぞれ連結する複数本の
斜ケーブル部材を構成する。
【0036】本実施形態の擁壁200によっても、第1
の実施形態の擁壁100と同様の効果を得る。すなわ
ち、擁壁200の法面1側のアンカー部材として、法面
1内の地山13中に略水平方向に設けられた横管204
を利用する一方、この横管204中の先端のプーリ21
4を通したPC鋼線6を親柱2の上端近傍に連結する。
このような構成とすることにより、図14に示されるよ
うに、側断面でみると、横管204及びその中のPC鋼
線6・ワイヤーソー15と親柱2とを直交する2辺と
し、PC鋼線6を斜辺とする、略直角三角形を構成して
地山3からの土圧に対抗する構成となる。したがって、
比較的高さの高い擁壁や、急傾斜地の防災用大型擁壁を
実現することができる。そしてこのとき、アンカーとし
ては、横管204を法面1内の土中に略水平方向に貫入
して用いるので、従来の逆T式擁壁のように法面処理と
して擁壁背面側を大きく掘削する必要がなく、工費・工
期を抑制するとともに施工上の安全面を十分確保するこ
とができる。さらに急傾斜地で擁壁背後の掘削が不可能
な場合であっても、逆T式擁壁のように擁壁を前面側に
ずらす必要がなくなり、用地を節約することができる。
の実施形態の擁壁100と同様の効果を得る。すなわ
ち、擁壁200の法面1側のアンカー部材として、法面
1内の地山13中に略水平方向に設けられた横管204
を利用する一方、この横管204中の先端のプーリ21
4を通したPC鋼線6を親柱2の上端近傍に連結する。
このような構成とすることにより、図14に示されるよ
うに、側断面でみると、横管204及びその中のPC鋼
線6・ワイヤーソー15と親柱2とを直交する2辺と
し、PC鋼線6を斜辺とする、略直角三角形を構成して
地山3からの土圧に対抗する構成となる。したがって、
比較的高さの高い擁壁や、急傾斜地の防災用大型擁壁を
実現することができる。そしてこのとき、アンカーとし
ては、横管204を法面1内の土中に略水平方向に貫入
して用いるので、従来の逆T式擁壁のように法面処理と
して擁壁背面側を大きく掘削する必要がなく、工費・工
期を抑制するとともに施工上の安全面を十分確保するこ
とができる。さらに急傾斜地で擁壁背後の掘削が不可能
な場合であっても、逆T式擁壁のように擁壁を前面側に
ずらす必要がなくなり、用地を節約することができる。
【0037】なお、上記第1及び第2の実施形態におい
ては、親柱2とガイド管5(又は外管205)との間に
1本のPC鋼線6を斜めにかけ渡したが、これに限られ
ず、地山3の岩質や擁壁として要求される強度等に応
じ、適宜、複数本のPC鋼線6を斜めにかけ渡す構成と
しても良い。また、本発明の土留擁壁について、上記第
1及び第2の実施形態の構成及び構築方法を例にとって
説明したが、これらに限られるものではない。すなわ
ち、要は、アンカー部材及び柱部材を直交する2辺とし
斜ケーブル部材を斜辺とする略直角三角形を構成して土
圧に対抗する構成であれば足り、工法の手順に関しても
この構成が実現可能でさえあれば、他の順序であっても
構わない。これらの場合も同様の効果を得る。
ては、親柱2とガイド管5(又は外管205)との間に
1本のPC鋼線6を斜めにかけ渡したが、これに限られ
ず、地山3の岩質や擁壁として要求される強度等に応
じ、適宜、複数本のPC鋼線6を斜めにかけ渡す構成と
しても良い。また、本発明の土留擁壁について、上記第
1及び第2の実施形態の構成及び構築方法を例にとって
説明したが、これらに限られるものではない。すなわ
ち、要は、アンカー部材及び柱部材を直交する2辺とし
斜ケーブル部材を斜辺とする略直角三角形を構成して土
圧に対抗する構成であれば足り、工法の手順に関しても
この構成が実現可能でさえあれば、他の順序であっても
構わない。これらの場合も同様の効果を得る。
【0038】
【発明の効果】本発明の土留擁壁によれば、側断面構造
でみて、アンカー部材及び柱部材を直交する2辺とし斜
ケーブル部材を斜辺とする略直角三角形を構成して土圧
に対抗する構成とし、アンカーとしては、アンカー部材
を法面内の土中に略水平方向に貫入して用いる。したが
って、従来の逆T式擁壁のように法面処理として擁壁背
面側を大きく掘削する必要がなく、工費・工期を抑制す
るとともに施工上の安全面を十分確保することができ
る。さらに急傾斜地で擁壁背後の掘削が不可能な場合で
あっても、逆T式擁壁のように擁壁を前面側にずらす必
要がなくなり、用地を節約することができる。
でみて、アンカー部材及び柱部材を直交する2辺とし斜
ケーブル部材を斜辺とする略直角三角形を構成して土圧
に対抗する構成とし、アンカーとしては、アンカー部材
を法面内の土中に略水平方向に貫入して用いる。したが
って、従来の逆T式擁壁のように法面処理として擁壁背
面側を大きく掘削する必要がなく、工費・工期を抑制す
るとともに施工上の安全面を十分確保することができ
る。さらに急傾斜地で擁壁背後の掘削が不可能な場合で
あっても、逆T式擁壁のように擁壁を前面側にずらす必
要がなくなり、用地を節約することができる。
【図1】本発明の第1の実施形態による土留擁壁の構造
を表す側断面図である。
を表す側断面図である。
【図2】図1中A−A断面による横断面図である。
【図3】図1に示された土留擁壁の構築方法の一手順を
表す側断面図である。
表す側断面図である。
【図4】図1に示された土留擁壁の構築方法の一手順を
表す側断面図である。
表す側断面図である。
【図5】図1に示された土留擁壁の構築方法の一手順を
表す側断面図である。
表す側断面図である。
【図6】図1に示された土留擁壁の構築方法の一手順を
表す側断面図である。
表す側断面図である。
【図7】図6に示されたガイド管に挿入された状態の挿
入形鋼の詳細構造を表す部分拡大図、及びこの拡大図中
B方向から見た図である。
入形鋼の詳細構造を表す部分拡大図、及びこの拡大図中
B方向から見た図である。
【図8】図1に示された土留擁壁の構築方法の一手順を
表す側断面図である。
表す側断面図である。
【図9】モータを図8中C方向からみた図である。
【図10】図1に示された土留擁壁の構築方法の一手順
を表す側断面図である。
を表す側断面図である。
【図11】図1に示された土留擁壁の構築方法の一手順
を表す側断面図である。
を表す側断面図である。
【図12】図1に示された土留擁壁の構築方法の一手順
を表す側断面図である。
を表す側断面図である。
【図13】図1に示された土留擁壁の構築方法の一手順
を表す側断面図である。
を表す側断面図である。
【図14】本発明の第2の実施形態による土留擁壁の構
造を表す側断面図である。
造を表す側断面図である。
【図15】図14中D−D断面による横断面図である。
【図16】図14に示された土留擁壁の構築方法の一手
順を表す側断面図である。
順を表す側断面図である。
【図17】図14に示された土留擁壁の構築方法の一手
順を表す側断面図である。
順を表す側断面図である。
【図18】図14に示された横管のプーリ取り付け部の
横断面図及び縦断面図である。
横断面図及び縦断面図である。
【図19】図14に示された土留擁壁の構築方法の一手
順を表す側断面図である。
順を表す側断面図である。
【図20】図14に示された土留擁壁の構築方法の一手
順を表す側断面図である。
順を表す側断面図である。
【図21】図14に示された土留擁壁の構築方法の一手
順を表す側断面図である。
順を表す側断面図である。
【図22】図14に示された土留擁壁の構築方法の一手
順を表す側断面図である。
順を表す側断面図である。
【図23】図14に示された土留擁壁の構築方法の一手
順を表す側断面図である。
順を表す側断面図である。
【図24】図14に示された土留擁壁の構築方法の一手
順を表す側断面図である。
順を表す側断面図である。
【図25】図14に示された土留擁壁の構築方法の一手
順を表す側断面図である。
順を表す側断面図である。
【図26】図14に示された土留擁壁の構築方法の一手
順を表す側断面図である。
順を表す側断面図である。
1 法面 1A 法面の下端 2 親柱(柱部材) 3 地山 4 挿入形鋼(アンカー部材) 5 ガイド管(アンカー部材) 6 PC鋼線(斜ケーブル部材、耐高張力材) 7 PC鋼線アンカーワイヤー) 8 壁体コンクリート 15 ワイヤーソー 18 モータ 100 土留擁壁 200 土留擁壁 204 横管(アンカー部材) 205 外管
Claims (2)
- 【請求項1】 法面の下端にほぼ沿って所定間隔で立設
された複数本の柱部材と、先端部分が前記法面内の土中
に略水平方向に貫入されるとともに、対応する前記柱部
材に根元近傍部分がそれぞれ接続された複数本のアンカ
ー部材と、これら複数本のアンカー部材の各先端近傍部
分を、対応する前記柱部材の上端近傍部分にそれぞれ連
結する複数本の斜ケーブル部材と、前記複数本の柱部材
を連結するように配設された土留用壁面部材とを有する
ことを特徴とする土留擁壁。 - 【請求項2】 請求項1記載の土留擁壁において、前記
斜ケーブル部材は、耐高張力材であることを特徴とする
土留擁壁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8217560A JP2983471B2 (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | 土留擁壁の構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8217560A JP2983471B2 (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | 土留擁壁の構築方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1060914A true JPH1060914A (ja) | 1998-03-03 |
JP2983471B2 JP2983471B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=16706178
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8217560A Expired - Fee Related JP2983471B2 (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | 土留擁壁の構築方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2983471B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100726984B1 (ko) * | 2006-01-17 | 2007-06-14 | (주)리튼브릿지 | 흙막이 가설시스템 |
CN105155575A (zh) * | 2015-08-10 | 2015-12-16 | 同济大学 | 一种钢管内嵌非开挖悬臂式挡土墙及其施工方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102518147B (zh) * | 2011-11-28 | 2013-12-25 | 湖南大学 | 一种用于降低现有过高挡土墙支护高度的锚固支挡结构 |
JP5490300B1 (ja) * | 2013-10-15 | 2014-05-14 | 株式会社フジコーポレーション | 擁壁構造物及び擁壁構築方法 |
-
1996
- 1996-08-19 JP JP8217560A patent/JP2983471B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100726984B1 (ko) * | 2006-01-17 | 2007-06-14 | (주)리튼브릿지 | 흙막이 가설시스템 |
CN105155575A (zh) * | 2015-08-10 | 2015-12-16 | 同济大学 | 一种钢管内嵌非开挖悬臂式挡土墙及其施工方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2983471B2 (ja) | 1999-11-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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