JPH073777A

JPH073777A - 自立山留め壁工法

Info

Publication number: JPH073777A
Application number: JP14723793A
Authority: JP
Inventors: Kouki Maeda; 耕喜前田
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1993-06-18
Filing date: 1993-06-18
Publication date: 1995-01-06
Anticipated expiration: 2013-01-14
Also published as: JP2697558B2

Abstract

(57)【要約】【目的】一辺が１００ｍを超える掘削平面を有する地
盤又は河川、海岸等に近接した地盤又は傾斜地等の掘削
工事で切梁、腹起し工事のない自立山留め壁工法を提供
する。【構成】平パネル状の連続鉄筋コンクリート壁と現場
造成杭で山留めを行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】地盤を掘削する場合、周囲地盤の
崩壊を防ぐために行う山留め壁工事に関する。

【０００２】

【従来の技術】軟弱地盤で、掘削平面が大きく、例えば
一辺が１００ｍを超える場合とか、河川、海等に近接し
た地域、または傾斜地等で片側に土圧を受けるような場
合、従来から水平切梁工法、地盤アンカー工法、アイラ
ンド工法が用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来から用いられてい
る水平切梁工法は、一辺１００ｍ程度の掘削面積の場合
とか、河川、海等に近接した地域又は傾斜地等で片側か
ら土圧をうけるような場合、最早水平切梁によって軸力
を支承することが困難となり、軸力のバラツキも多く山
留め壁の品質保証が出来なくなる。また、このような条
件の下で採用される斜め地盤アンカー工法は、敷地条件
に制約を受け採用困難な場合が多い。

【０００４】そこでこのような場合は、アイランド工法
が採用されるが、この工法は分割工事になることから工
期が長期にわたり、建設コストも嵩み好まれないのが現
状である。

【０００５】これらの問題を解決するため、切梁や腹起
こし等を使用しないで掘削を可能にする自立山留め壁工
法を提供するのが本発明の目的である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】通常矢板に相当する部分
を平パネル形状に掘削しパネル部に打設した鉄筋コンク
リートのパネル部と、パネル部を接続する部分に現場造
成杭を打設して平パネル部と一体化する。

【０００７】当該連続した平パネル状の鉄筋コンクリー
ト壁と現場造成杭によって山留めを行う。山留めの土圧
は前記鉄筋コンクリート壁と現場造成杭によって負担す
る。

【０００８】

【実施例】図１に本発明の実施例の上面図を示す。図に
向かって右側が掘削地盤１である。以下本発明の工法を
順を追って詳説する。

【０００９】（イ）現場造成杭４と杭４の間を杭の分だ
け間隔を空けて平パネル状２に連続して掘削する。

【００１０】（ロ）該平パネル状掘削孔２に、コンクリ
ートを打設したとき、コンクリートが両端に漏洩して、
造成杭の孔４’の掘削に支障を来さないように、前記平
パネル状掘削孔２の両端から僅か間隔を空けてロッキン
グパイプを挿入する。

【００１１】（ハ）前記平パネル状掘削孔２に鉄筋を挿
入して、コンクリートを打設する。

【００１２】（ニ）前記平パネル状掘削孔２の僅かに残
った空間と重畳して、地盤掘削側に偏って現場造成杭用
の孔４’を掘削する。

【００１３】（ホ）ロッキングパイプを除去する。

【００１４】（へ）土圧が掛かる方に偏芯した位置に地
盤アンカー用スリーブ５を緊結した杭補強用の鉄芯篭８
を杭孔４’に挿入する。

【００１５】（ト）造成杭４と平パネル状コンクリート
壁２が一体になるようにコンクリートを打設する。

【００１６】（チ）前記アンカー用スリーブ５を通し
て、地盤用アンカーを掘削する。

【００１７】（リ）前記地盤用アンカーにＰＣ鋼線９を
通して下部でグラウトし支持層地盤に固着する。

【００１８】（ヌ）前記ＰＣ鋼線９を緊張して、杭４の
頂部で緊結する。

【００１９】（ル）最後に掘削側の地盤を掘削する。

【００２０】土圧は連続した平パネル状のコンクリート
壁と現場造成杭が負担する。

【００２１】ロッキングパイプで平パネル状掘削孔２に
コンクリートを打設しても、両側にコンクリートが漏出
することがなく、後工程の造成杭４の造成に悪影響を及
ぼさない。

【００２２】又、杭４に偏芯したＰＣ鋼線を緊張して、
初期圧縮応力を与えるので、土圧を受けた場合に有効に
抗力が発揮できる。

【００２３】図２は図１のＡ視図であり図３は本発明の
工法を（ａ）〜（ｊ）まで順を追って説明した図であ
る。

【００２４】（ａ）平パネル状掘削（ｂ）ロッキングパイプ挿入（ｃ）平パネル部に鉄筋挿入（ｄ）平パネル部にコンクリート打設（ｅ）現場造成杭用孔掘削（ｆ）ロッキングパイプ引き抜き（ｇ）造成杭補強用鉄芯篭と地盤アンカー用スリー
ブ挿入（ｈ）造成杭及びロッキングパイプ空間部に連結鉄
筋挿入後コンクリート打設、造成杭、平パネル一体化（ｉ）地盤アンカー用削孔（ｊ）ＰＣ鋼線配線、グラウト、ＰＣ鋼線の緊張、
緊結施工

【００２５】

【発明の効果】本発明の効果は、不安定な切梁軸力から
開放した腹起しを用いない、鉄筋平パネル状壁と、現場
造成杭で山留めを行う。現場造成杭には、偏芯したアン
カーが緊張してあり初期圧縮応力を生じているので土圧
を受けると有効に抗力を発揮する。従って掘削平面が大
きい場合とか、片側土圧を受ける場合などでも山留め壁
の品質保持が可能となる。さらに障害物のない地下空間
での作業が可能となり工事の省力化、プレファブ化、機
械化などえの展開が可能となり、工期短縮、労働条件の
改善効果を生む。

【００２６】また、鉄筋平パネル連続壁及び現場造成杭
との接続部に連結用の鉛直ジョイントを施すことによ
り、本設地下壁、本設杭、本設地下柱をそれぞれ兼ねる
ことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の上面図である。

【図２】図１のＡ視図である。

【図３】（ａ）〜（ｊ）は施工手順を示す図である。

【符号の説明】

１・・・掘削地盤、２・・・平パネル状鉄筋コンクリー
ト、３・・・ロッキングパイプ、４・・・現場造成杭、
４’・・・杭用孔、５・・・地盤アンカー用スリーブ、
６・・・地盤アンカー用孔、７・・・平パネル状鉄筋、
８・・・鉄芯篭、９・・・ＰＣ鋼線

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】現場造成杭と杭の間隔を、平パネル状に
連続的に掘削し、該１枚づつの平パネル状の孔の両端か
ら僅か間隔を空けて、ロッキングパイプを挿入し、前記
平パネル状の孔に鉄筋を挿入してコンクリートを打設
し、地盤掘削側に偏った杭位置に、現場造成杭の孔を削
孔し、前記ロッキングパイプを除去し、杭補強用の鉄芯
篭を前記杭用孔に挿入し、杭と、前記平パネル状鉄筋コ
ンクリートの間にコンクリートを打設して、平パネルと
柱を一体化させることによって地盤掘削出来るようにし
たことを特徴とする山留め壁工法。
【請求項２】現場造成杭に偏芯してアンカー用スリー
ブを設け、地盤にアンカーとなるＰＣ鋼線をグラウトし
ＰＣ鋼線を杭頂部で緊張することを特徴とする請求項１
記載の自立山留め壁工法。