JPH1060425A - 有機エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネセンス素子

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JPH1060425A
JPH1060425A JP8217016A JP21701696A JPH1060425A JP H1060425 A JPH1060425 A JP H1060425A JP 8217016 A JP8217016 A JP 8217016A JP 21701696 A JP21701696 A JP 21701696A JP H1060425 A JPH1060425 A JP H1060425A
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anode
hole transport
organic
transport layer
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JP8217016A
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English (en)
Inventor
Shintaro Hara
慎太郎 原
Takahiro Komatsu
隆弘 小松
Akira Gyotoku
明 行徳
Hideaki Iwanaga
秀明 岩永
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高い発光輝度で長時間連続発光が
可能な有機エレクトロルミネセンス素子の提供を目的と
する。 【解決手段】 本発明は、基板1と、基板1上に形成さ
れた陽極2と、陽極2上に形成された有機薄膜層5と、
有機薄膜層5上に形成された陰極6と、を備え、有機薄
膜層5が少なくとも正孔輸送層3と、正孔輸送層3上に
形成された発光層4と、を有する有機エレクトロルミネ
ッセンス素子であって、正孔輸送層3が組成の異なる有
機化合物が積層された2層以上の積層膜で、積層膜の陽
極と接する最下層3aが、トリフェニルアミン誘導体で
形成されている構成よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の表示装置や
表示装置の光源又はバックライト、若しくは光通信機器
に使用される発光素子等に用いられる有機エレクトロル
ミネセンス素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロルミネセンス素子とは、固体
蛍光性物質の電界発光を利用した発光デバイスであり、
現在無機系材料を発光体として用いた無機エレクトロル
ミネセンス素子が実用化され、液晶ディスプレイのバッ
クライトやフラットディスプレイ等への応用展開が一部
で図られている。しかし、無機エレクトロルミネセンス
素子は発光させるために必要な電圧が100V以上と高
く、しかも青色発光が難しいためRGBの三原色による
フルカラー化が困難である。
【0003】一方、有機材料を用いたエレクトロルミネ
センス素子に関する研究も古くから注目され、様々な検
討が行われてきたが、発光効率が非常に悪いことから本
格的な実用化研究へは進展しなかった。
【0004】しかし、1987年にコダック社のC.
W.Tangらにより、有機材料を正孔輸送層と発光層
の2層に分けた機能分離型の積層構造を有する有機エレ
クトロルミネセンス素子が提案され、10V以下の低電
圧にもかかわらず1000cd/m2以上の高い発光輝
度が得られることが明らかとなった〔C.W.Tang
and S.A.Vanslyke:Appl.Phy
s.Lett,51巻(1987)913ページ等参
照〕。これ以降、有機エレクトロルミネセンス素子が俄
然注目され始め、現在も同様な機能分離型の積層構造を
有する有機エレクトロルミネセンス素子についての研究
が盛んに行われている。
【0005】ここで、従来の有機エレクトロルミネセン
ス素子について図6を用いて説明する。
【0006】図6は従来の有機エレクトロルミネセンス
素子の要部断面図である。図6において、1は基板、2
は陽極、4は発光層、6は陰極、9は正孔輸送層、10
は有機薄膜層である。
【0007】図6に示したように従来の有機エレクトロ
ルミネセンス素子は、ガラス等の透明又は半透明な基板
1と、基板1上にスパッタリング法や抵抗加熱蒸着法等
により形成されたITO等の透明な導電性膜からなる陽
極2と、陽極2上に抵抗加熱蒸着法等により形成された
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン
(以下、TPDと略称する。)等からなる正孔輸送層9
と、正孔輸送層9上に抵抗加熱蒸着法等により形成され
た8−Hydroxyquinoline Alumi
num(以下、Alqと略称する。)等からなる発光層
4と、発光層4上に抵抗加熱蒸着法等により形成された
100nm〜300nmの膜厚の金属膜からなる陰極6
と、を備えている。
【0008】また、図6に示した有機エレクトロルミネ
センス素子においては、有機薄膜層10が膜厚が数十n
mの正孔輸送層9と発光層4から構成されている。
【0009】上記構成を有する有機エレクトロルミネセ
ンス素子の陽極2をプラス極として、また陰極6をマイ
ナス極として直流電圧又は直流電流を印加すると、陽極
2から正孔輸送層9を介して発光層4に正孔が注入さ
れ、陰極6から発光層4に電子が注入される。発光層4
では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って生成され
る励起子が励起状態から基底状態へ移行する際に発光現
象が起こる。また、有機薄膜層10を構成する層構造や
発光層4に用いる材料を変えることによって、発光波長
を変えることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の有機エレクトロルミネセンス素子では、定電圧又は
定電流を印加して連続的に発光させると発光輝度が経時
的に減衰し、連続発光時間が短いという課題を有してい
た。
【0011】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、高い発光輝度で長時間連続発光が可能な有機エレ
クトロルミネセンス素子の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、基板と、基板上に形成された陽極と、陽極
上に形成された有機薄膜層と、有機薄膜層上に形成され
た陰極と、を備え、有機薄膜層が少なくとも正孔輸送層
と、正孔輸送層上に形成された発光層と、を有する有機
エレクトロルミネッセンス素子であって、正孔輸送層が
組成の異なる有機化合物が積層された2層以上の積層膜
で、積層膜の陽極と接する最下層が、一般式(化3)
【0013】
【化3】
【0014】で示されるトリフェニルアミン誘導体で形
成されている構成よりなる。この構成により、高い発光
輝度で長時間連続発光が可能な有機エレクトロルミネセ
ンス素子を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、基板と、基板上に形成された陽極と、陽極上に形成
された有機薄膜層と、有機薄膜層上に形成された陰極
と、を備え、有機薄膜層が少なくとも正孔輸送層と、正
孔輸送層上に形成された発光層と、を有する有機エレク
トロルミネッセンス素子であって、正孔輸送層が組成の
異なる有機化合物が積層された2層以上の積層膜で、積
層膜の陽極と接する最下層が、一般式(化3)で示され
るトリフェニルアミン誘導体で形成されていることとし
たものであり、有機エレクトロルミネセンス素子を高い
発光輝度で、長時間の連続発光することが可能になると
いう作用を有する。
【0016】一般式(化3)においてX1〜X4の少な
くとも一つ以上の位置に配される電子供与性を示す置換
基としては、−CH3、−C25、−i−C37、−t
−C49、−cyclo−C35、−cyclo−C6
11、−CH265、−NH2、−N(CH32、−N
(C252、−N(C652、−CH=CH2、−N
HCOCH3、−NHCOC65、−OCH3等が挙げら
れる。特に、ハメットの規則における置換基定数σが負
である置換基が好ましく、上記の置換基について例を挙
げれば、パラ位における置換基定数をσp,メタ位にお
ける置換基定数をσmとすると、−CH3(σp=−
0.06,σm=−0.14)、−C25(σp=−
0.08,σm=−0.13)、−i−C37(σp=
−0.08,σm=−0.13)、−t−C49(σp
=−0.09,σm=−0.15),−cyclo−C
35(σp=−0.07,σm=−0.21),−cy
clo−C611(σp=−0.15,σm=−0.1
3),−CH265(σp=−0.05,σm=−
0.06),−NH2(σp=−0.09,σm=−
0.57),−N(CH32(σp=−0.09,σm
=−0.63),−CH=CH2(σm=−0.0
8),−NHCOCH3(σm=−0.09),−NH
COC65(σm=−0.19),−OCH3(σm=
−0.19)である。さらに、トリフェニルアミン誘導
体のイオン化ポテンシャルが、陽極として通常用いられ
るITOの仕事関数と同程度又はこれよりも低い方が望
ましいことを考慮すると、置換基定数σp又はσmが−
0.4よりも小さい置換基がより好ましい。
【0017】また、基板としては、透明又は半透明なガ
ラス、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカ
ーボネート、非晶質ポリオレフィン等が用いられる。ま
た、基板はこれらの材料を薄膜とした可撓性を有するも
のやフレキシブル基板でもよい。
【0018】また、陽極としては、ITO、ATO(S
bをドープしたSnO2)、AZO(Alをドープした
ZnO)等が用いられる。
【0019】また、有機薄膜層は、正孔輸送層と発光層
の2層構造の他に、正孔輸送層と発光層と電子輸送層の
3層構造でもよい。
【0020】ここで、発光層としては、可視領域で蛍光
特性を有し、かつ成膜性の良い蛍光体からなるものが好
ましく、AlqやBe−ベンゾキノリノ−ル(BeBq
2)の他に、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル
−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾ
ール、4,4’−ビス(5,7−ベンチル−2−ベンゾ
オキサゾリル)スチルベン、4,4’−ビス〔5,7−
ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾ
リル〕スチルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ベ
ンチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフィン、2,5
−ビス(〔5−α,α−ジメチルベンジル〕−2−ベン
ゾオキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス〔5,7−
ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾ
リル〕−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス
(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、
4,4’−ビス(2−ベンゾオキサイゾリル)ビフェニ
ル、5−メチル−2−〔2−〔4−(5−メチル−2−
ベンゾオキサイゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾオキ
サイゾリル、2−〔2−(4−クロロフェニル)ビニ
ル〕ナフト〔1,2−d〕オキサゾール等のベンゾオキ
サゾール系、2,2’−(p−フェニレンジビニレン)
−ビスベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系、2−
〔2−〔4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル〕ビ
ニル〕ベンゾイミダゾール、2−〔2−(4−カルボキ
シフェニル)ビニル〕ベンゾイミダゾール等のベンゾイ
ミダゾール系等の蛍光増白剤や、トリス(8−キノリノ
ール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネ
シウム、ビス(ベンゾ〔f〕−8−キノリノール)亜
鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニ
ウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウ
ム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニ
ウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ
−8−キノリノール)ガリウム、ビス(5−クロロ−8
−キノリノール)カルシウム、ポリ〔亜鉛(「)−ビス
(8−ヒドロキシ−5−キノリノニル)メタン〕等の8
−ヒドロキシキノリン系金属錯体や、ジリチウムエピン
ドリジオン等の金属キレート化オキシノイド化合物や、
1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4
−(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4
−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、
1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4
−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス
(2−メチルスチリル)2−メチルベンゼン等のスチリ
ルベンゼン系化合物や、2,5−ビス(4−メチルスチ
リル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)
ピラジン、2,5−ビス〔2−(1−ナフチル)ビニ
ル〕ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)
ピラジン、2,5−ビス〔2−(4−ビフェニル)ビニ
ル〕ピラジン、2,5−ビス〔2−(1−ピレニル)ビ
ニル〕ピラジン等のジスチルピラジン誘導体や、ナフタ
ルイミド誘導体や、ペリレン誘導体や、オキサジアゾー
ル誘導体や、アルダジン誘導体や、シクロペンタジエン
誘導体や、スチリルアミン誘導体や、クマリン系誘導体
や、芳香族ジメチリディン誘導体等が用いられる。さら
に、アントラセン、サリチル酸塩、ピレン、コロネン等
も用いられる。
【0021】また、正孔輸送層において最下層上に形成
される上部層としては、正孔移動度が高く、透明で成膜
性の良いものが好ましくTPDの他に、ポルフィン、テ
トラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロ
シアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポ
リフィリン化合物や、1,1−ビス{4−(ジ−P−ト
リルアミノ)フェニル}シクロヘキサン、4,4’,
4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(P−トリル)−P−フェニレ
ンジアミン、1−(N,N−ジ−P−トリルアミノ)ナ
フタレン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2−
2’−ジメチルトリフェニルメタン、N,N,N’,
N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−m−トリル
−4,N,N−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチ
ルフェニル)−1,1’−4,4’−ジアミン、4’−
ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾ−ル等の芳
香族第三級アミンや、4−ジ−P−トリルアミノスチル
ベン、4−(ジ−P−トリルアミノ)−4’−〔4−
(ジ−P−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン等のス
チルベン化合物や、トリアゾール誘導体や、オキサジザ
ゾール誘導体や、イミダゾール誘導体や、ポリアリール
アルカン誘導体や、ピラゾリン誘導体や、ピラゾロン誘
導体や、フェニレンジアミン誘導体や、アニールアミン
誘導体や、アミノ置換カルコン誘導体や、オキサゾール
誘導体や、スチリルアントラセン誘導体や、フルオレノ
ン誘導体や、ヒドラゾン誘導体や、シラザン誘導体や、
ポリシラン系アニリン系共重合体や、高分子オリゴマー
や、スチリルアミン化合物や、芳香族ジメチリディン系
化合物や、ポリ3−メチルチオフェン等の有機材料が用
いられる。また、ポリカーボネート等の高分子中に低分
子の正孔輸送層用の有機材料を分散させた、高分子分散
系の正孔輸送層でも良い。
【0022】また、電子輸送層としては、1,3−ビス
(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサ
ジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のジオキサジ
アゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェ
ニルキノン誘導体等が用いられる。
【0023】また、陰極としては、Al、In、Mg、
Ti等の金属や、Mg−Ag合金、Mg−In合金等の
Mg合金や、Al−Li合金、Al−Sr合金、Al−
Ba合金等のAl合金等が用いられるが、陰極材料とし
ては仕事関数の小さい材料が望ましいことから、Mg−
Ag合金やAl−Li合金等が特に好ましい。
【0024】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の最下層が、陽極の仕事関数よりも低いイオン
化ポテンシャルを有するトリフェニルアミン誘導体で形
成されていることとしたものであり、陽極の仕事関数と
正孔輸送層のイオン化ポテンシャルとの差(エネルギー
障壁)が小さくなることで、陽極から正孔輸送層へより
効率的に正孔の注入が行えるとともに、連続発光時間を
さらに長くすることができるという作用を有する。
【0025】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1又は2の内のいずれか1に記載の発明において、最下
層が、一般式(化4)
【0026】
【化4】
【0027】で示されるトリフェニルアミン誘導体で形
成されていることとしたものであり、陽極の仕事関数と
正孔輸送層のイオン化ポテンシャルとの差(エネルギー
障壁)が小さくなることで、陽極から正孔輸送層へより
効率的に正孔の注入が可能になり、連続発光時間をさら
に長くすることができるとともに、陽極として一般的に
用いられるITOとの密着性が向上するという作用を有
する。
【0028】一般式(化4)のR1〜R4に配置される
置換アルキル基としては、−CH3、−C25、−n−
49、−C511、−CH(CH32等が挙げられ
る。
【0029】また、R1〜R4に配置される置換アルケ
ニル基としては、−CH=CH2、−CH2CH=C
2、−C(CH3)=CH2、−CH2CH2C(CH3
=CH2等が挙げられる。
【0030】また、R1〜R4に配置される置換基を有
してもよいフェニル基としては、−C65、−C6
4(CH3),−C64[N(CH3)],−C64[N
(C49)],−C64(C25),−C64[N(C
25)],−C64[N(C652]等が挙げられ
る。
【0031】また、R1とR2又はR3とR4で環状構
造を形成する場合としては、−NC 128、−NOC12
8,−NSC128,−NC1310等が挙げられる。
【0032】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至3の内のいずれか1に記載の発明において、正孔
輸送層が、最下層上に形成された4,4’−ビス[N−
(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル膜
を備えていることとしたものであり、正孔輸送層の耐熱
性が向上し、発光に伴う熱の発生による結晶化等の構造
変化で正孔輸送層の特性が低下することを抑制できると
いう作用を有する。
【0033】以下に、本発明の実施の形態の具体例を図
面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の一実施の形態における
有機エレクトロルミネセンス素子の断面図である。
【0034】図1において、3は正孔輸送層、3aは最
下層、3bは上部層、5は有機薄膜層であり、基板1、
陽極2、発光層4、陰極6は従来例と同様のものである
ので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】本実施の形態における有機エレクトロルミ
ネセンス素子が従来例と異なっているのは、有機薄膜層
5の正孔輸送層3が最下層3aと、最下層3a上に形成
された上部層3bを備えた2層以上の積層膜から構成さ
れ、最下層3aと上部層3bは組成の異なる有機化合物
から形成されているとともに、最下層3aが一般式(化
3)で示されるトリフェニルアミン誘導体で形成されて
いることである。
【0036】上記構成を有する本実施の形態における有
機エレクトロルミネセンス素子の動作方法は、従来例と
同様であるので説明は省略する。
【0037】次に、本実施の形態における有機エレクト
ロルミネセンス素子と従来例との違いについて、陽極と
正孔輸送層の間での正孔の移動に対するエネルギー障壁
の点からさらに詳細に説明する。
【0038】既に述べたように、有機エレクトロルミネ
センス素子では、陽極から注入される正孔と、陰極から
注入される電子が発光層で再結合する際に生じる励起子
が励起状態から基底状態に移行するときに発光現象が生
じる。ここで、陽極と発光層の間に形成された正孔輸送
層の役割の一つは、陽極から発光層への正孔の注入を2
段階注入とすることによって、正孔の注入に必要な電界
を低下させ、注入効果を増加させることである。このよ
うな効果を図2を用いて説明する。
【0039】図2は従来の有機エレクトロルミネセンス
素子における陽極、正孔輸送層、発光層の各層間での正
孔の移動とこれに伴うエネルギー障壁との関係を示す概
念図である。
【0040】図2では、従来例と同様に、陽極がIT
O、正孔輸送層がTPD、発光層がAlqから形成され
ている場合を示している。また、図2における縦軸は陽
極、正孔輸送層、発光層の各層における正孔に移動に係
るエネルギー準位を示しており、Aは基準値の真空凖位
(0eV)からITOの仕事関数を引いた値(−4.9
5eV)、Bは真空凖位(0eV)からTPDのイオン
化ポテンシャルを引いた値(−5.2eV)、Cは真空
凖位(0eV)からAlqのイオン化ポテンシャルを引
いた値(−5.50eV)に相当する。尚、ITOの仕
事関数(4.95eV)、TPDのイオン化ポテンシャ
ル(5.2eV)、Alqのイオン化ポテンシャル
(5.50eV)の各値は紫外光表面分析装置(理研計
器社製、AC−1)を用いて、ITO(旭硝子社製)、
TPD(トリケミカル研究所製)、Alq(トリケミカ
ル研究所製)の各薄膜を作製し、各薄膜の表面に紫外光
を照射して二次電子が放出されるエネルギーを測定して
求めた値である。
【0041】図2において、正孔を陽極から正孔輸送層
へ注入するためのエネルギー障壁は、A値とB値との差
に相当する。仮に、陽極と発光層との間に正孔輸送層が
ないとすれば、陽極から発光層に正孔を注入するための
エネルギー障壁はA値とC値との差に相当することか
ら、正孔輸送層を設けることで、陽極からの正孔の注入
をより容易にすることができると言える。
【0042】次に、本実施の形態における有機エレクト
ロルミネセンス素子について、陽極と正孔輸送層の間で
の正孔の注入に係るエネルギー障壁を図3を用いて説明
する。
【0043】図3は第1実施の形態の有機エレクトロル
ミネセンス素子における陽極、正孔輸送層、発光層の各
層間での正孔の移動とこれに伴うエネルギー障壁との関
係を示す概念図である。
【0044】図3では、図2との比較のため、陽極がI
TO、発光層がAlqで形成され、正孔輸送層が化学式
(化5)
【0045】
【化5】
【0046】で示されるメタ位にジメチルアミノ基を有
するトリフェニルアミン誘導体からなる最下層と、TP
Dからなる上部層からなる場合について示している。
【0047】また、図3において、Dは基準値の真空凖
位(0eV)から化学式(化5)で示されるトリフェニ
ルアミン誘導体のイオン化ポテンシャルを引いた値(−
4.97eV)に相当し、化学式(化5)で示されるト
リフェニルアミン誘導体のイオン化ポテンシャル(4.
97eV)の値については前述の装置を用いて同様に測
定したものである。尚、測定に用いたトリフェニルアミ
ン誘導体については大東ケミトリックス社製のものを使
用した。
【0048】図2と図3の比較から明らかなように、本
実施の形態の有機エレクトロルミネセンス素子では、正
孔輸送層を陽極と接する最下層がイオン化ポテンシャル
の低いトリフェニルアミン誘導体で形成された積層構造
とすることによって、陽極から発光層までの正孔の移動
がより段階的に行なわれるとともに、陽極からの正孔の
移動に係るエネルギー障壁、すなわちA値とD値との
差、がより小さくなり、従来例に比べて正孔の注入がさ
らに容易になると言える。
【0049】このように陽極からの正孔の注入効率が向
上することと、本発明の目的である有機エレクトロルミ
ネセンス素子の連続発光における発光輝度の低下の抑
制、すなわち高い発光輝度で長時間連続発光が可能にな
ることとの直接的な因果関係についての詳細な説明は困
難であるが、少なくとも発光輝度の低下は発光層におけ
る励起子の生成効率の低下よりも、正孔輸送層や電子輸
送層等のキャリヤ−輸送層と発光層との間、又はキャリ
ヤ−輸送層と陽極又は陰極との間における電子的性質の
整合性に依存する部分が強いと考えられることから、本
実施の形態のように無機物と有機物の界面である陽極か
ら正孔輸送層への正孔の注入が容易になることが、連続
発光においても発光輝度の低下が少なく、高い発光輝度
で長時間の連続発光を実現させているものであると考え
られる。
【0050】さらに、本実施の形態の最下層に用いるト
リフェニルアミン誘導体としては、化学式(化5)に示
したような置換基としてジメチルアミノ基を有するもの
以外に、他の置換基を有するものでも良いが、図3から
も明らかなように、その置換基を導入したトリフェニル
アミン誘導体のイオン化ポテンシャルがより小さいこと
が望ましい。そこで、このような置換基の選択基準の一
つとして、ハメットの規則における置換基定数σを用い
ることができる。
【0051】(表1)は化学式(化3)で示したトリフ
ェニルアミン誘導体のX1及びX2に同じ置換基を同位
置に(いずれもパラ位か、いずれもメタ位に)導入した
化合物について、置換基定数σとイオン化ポテンシャル
Ipを示したものであり、図4は(表1)に示した置換
基定数σとイオン化ポテンシャルIpとの関係図であ
る。
【0052】
【表1】
【0053】(表1)に示したように、ハメットの規則
における置換基定数σは、置換基の種類や置換基の位置
(メタ位又はパラ位)により異なるが、電子供与基では
置換基定数σが負の値となり、電子吸引基では正の値と
なる傾向が強い。
【0054】一方、(表1)に示した置換基について
は、図4に示したように置換基定数σとイオン化ポテン
シャルIpとの間に良い直線関係が認められ、置換基定
数σが小さい(負で絶対値が大きい)ほどイオン化ポテ
ンシャルIpも小さいことが判る。したがって、陽極と
してITOを用いる場合、ITOの仕事関数が5.0e
V程度であることを考慮すると、置換基定数σの値が−
0.4よりも小さな電子供与性の強い置換基を選択する
ことが好ましいと言える。
【0055】特に、陽極に用いる材料よりもイオン化ポ
テンシャルの低い材料で正孔輸送層の最下層を形成する
方が正孔の注入効率がより向上することから、(表1)
に示したイオン化ポテンシャルの値から判断すれば、陽
極としてITOを用いた場合の最下層は、(表1)にお
ける置換基として−N(C252や−N(C652
有するトリフェニルアミン誘導体が好ましい。さらに、
より一般的には、化学式(化4)で示されるトリフェニ
ルアミン誘導体が望ましいと言える。
【0056】以上のように本実施の形態によれば、正孔
輸送層が組成の異なる有機化合物が積層された2層以上
の積層膜で、積層膜の陽極と接する最下層が、一般式
(化1)で示されるトリフェニルアミン誘導体で形成さ
れていることによって、有機エレクトロルミネセンス素
子を高い発光輝度で、長時間の連続発光することが可能
になる。
【0057】尚、本実施の形態における有機エレクトロ
ルミネセンス素子は、陰極や有機薄膜層への大気中の酸
素や水分の進入又はこれらの反応を防止するために、陰
極上に保護膜を形成した構成や、基板上に陽極、有機薄
膜層、陰極を密閉するようにガラス製又は合成樹脂製の
キャップを封着した構成、又は保護膜を形成しキャップ
を封着した構成でもよい。
【0058】このような保護膜を形成する材料として
は、SiO,SiO2,Al23,GeO等の酸化物
や、AlN,Si34等の窒化物や、熱硬化性樹脂,光
硬化性樹脂,シラン系高分子等の有機材料等が用いられ
る。また、これらの絶縁性化合物上にAg,In,C
u,Al,Cr,Fe等の金属や、Ni−Fe,Fe−
Cr等の合金を形成して、積層膜からなる保護膜を形成
してもよい。
【0059】(実施の形態2)図5は本発明の一実施の
形態における有機エレクトロルミネセンス素子の断面図
である。
【0060】図5において、7は正孔輸送層、7bは上
部層、8は有機薄膜層であり、基板1、陽極2、最下層
3a、発光層4、陰極6は第1実施の形態と同様のもの
であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】本実施の形態における有機エレクトロルミ
ネセンス素子が第1実施の形態と異なっているのは、有
機薄膜層8の正孔輸送層7が、最下層3aと、最下層3
a上に形成された化学式(化6)
【0062】
【化6】
【0063】で示される4,4’−ビス[N−(1−ナ
フチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(以下、N
PDと略称する。)膜からなる上部層7bと、から形成
されていることである。
【0064】NPDは、通常正孔輸送層を形成する有機
材料として用いられるTPDと比較すると、正孔移動度
が同程度に高く、またイオン化ポテンシャルも5.20
eVでTPDのイオン化ポテンシャルとほぼ同じであ
る。しかしながら、TPDのガラス転移温度(Tg)が
63℃程度であるのに対して、NPDのガラス転移温度
(Tg)は98℃と高いことから、耐熱性の点でNPD
の方が優れている。
【0065】有機エレクトロルミネセンス素子を連続発
光させる場合、発光によって有機エレクトロルミネセン
ス素子内部に熱が発生し、この熱によって有機薄膜層が
劣化して発光特性を低下させる可能性がある。
【0066】したがって、本実施の形態における有機エ
レクトロルミネセンス素子のように、上部層7bに耐熱
性に優れたNPDを用いることによって、連続発光にお
ける正孔輸送層の熱的な劣化を抑制しすることができ
る。
【0067】以上のように本実施の形態によれば、第1
実施の形態と同様な作用が得られるとともに、正孔輸送
層の熱的な劣化を抑制して、より安定に連続発光させる
ことが可能になる。
【0068】尚、本実施の形態における有機エレクトロ
ルミネセンス素子についても、第1実施の形態と同様
に、陰極上に保護膜を形成した構成や、基板上にガラス
製又は合成樹脂製のキャップを封着した構成、又は保護
膜を形成しキャップを封着した構成でもよい。
【0069】
【実施例】次に、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明する。
【0070】(実施例1,比較例1)ガラス基板上にI
TO(旭硝子社製,抵抗値=10Ω/cm2)を抵抗加
熱蒸着法により220nmの膜厚で形成した。
【0071】次に、ITO膜上に化学式(化5)で示さ
れるトリフェニルアミン誘導体(大東ケミトリックス社
製)を抵抗加熱蒸着法により、0.1〜0.2nm/s
ecの蒸着速度で20nmの膜厚で形成した。
【0072】次に、化学式(化5)で示されるトリフェ
ニルアミン誘導体からなる薄膜上に、抵抗加熱蒸着法に
よりTPDとAlqを順に0.1〜0.2nm/sec
の蒸着速度でそれぞれ50nm、75nmの膜厚で積層
した後、Alqからなる薄膜上にMgとAgを、Mgは
蒸着速度1nm/secで、Agは蒸着速度0.1nm
/secで共蒸着し、膜厚250nmのMg−Ag膜を
形成して、第1実施の形態と同様な有機エレクトロルミ
ネセンス素子を作製し、これを第1実施例とした。
【0073】次に、ITO膜上に化学式(化5)で示さ
れるトリフェニルアミン誘導体を形成しなかったことを
除いて、第1実施例と同様に有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を作製し、これを第1比較例とした。
【0074】第1実施例及び第1比較例における有機エ
レクトロルミネセンス素子について、いずれも初期の発
光輝度が500cd/cm2となる条件で定電流を印加
し、連続発光試験を行った。尚、各々の有機エレクトロ
ルミネセンス素子の駆動条件は、第1実施例が印加電流
密度11mA/cm2でこの時の陽極と陰極間の端子電
圧は9.5Vであり、第1比較例が印加電流密度14m
A/cm2でこの時の端子電圧は10.3Vであった。
また、発光輝度はルミネセンスメ−タ(トプコン社製,
BM−8)により測定した。
【0075】第1実施例及び第1比較例における有機エ
レクトロルミネセンス素子を上記条件で連続発光させた
結果、発光輝度が初期値(500cd/cm2)から半
減するまでの時間は、第1実施例が170時間、第1比
較例が90時間であり、第1比較例に比べて第1実施例
における有機エレクトロルミネセンス素子の方が連続発
光時間が長いことが明らかとなった。
【0076】(実施例2)第1実施例における有機エレ
クトロルミネセンス素子の化学式(化5)で示されるト
リフェニルアミン誘導体の代わりに、ITO膜上に化学
式(化7)
【0077】
【化7】
【0078】で示されるトリフェニルアミン誘導体(大
東ケミトリックス社製)からなる薄膜を抵抗加熱蒸着法
により蒸着速度0.1〜0.2nm/sec、膜厚20
nmで形成したことを除いて、第1実施例と同様な有機
エレクトロルミネセンス素子を作製し、これを第2実施
例とした。
【0079】この第2実施例における有機エレクトロル
ミネセンス素子についても、第1実施例と同様に初期の
発光輝度が500cd/cm2となる条件で定電流を印
加し、連続発光試験を行った。尚、駆動条件は印加電流
密度9.2mA/cm2で、この時の陽極と陰極間の端
子電圧は9.2Vであった。
【0080】第2実施例における有機エレクトロルミネ
センス素子では、発光輝度が初期値から半減するまでの
時間は430時間であり、第1実施例と比較して連続発
光時間がさらに長くなることが判明した。
【0081】また、TPDをITO上に蒸着した基板を
室内の通常環境に放置した場合、約1ヶ月後に一部が凝
集、結晶化が認められたのに対して、化学式(化7)で
示されるトリフェニルアミン誘導体をITO上に蒸着し
た基板は、同じ環境で2ヶ月以上たっても凝集、結晶化
は生じなかった。このような結果から、(化7)で示さ
れるトリフェニルアミン誘導体は蒸着膜の安定性が高
く、ITOとの密着性に優れていることも明らかとな
り、このような蒸着膜の安定性や密着性も連続発光時間
が長くなる要因の一つになっているものと考えられる。
【0082】(実施例3)第2実施例におけるTPDの
代わりに、化学式(化7)で示されるトリフェニルアミ
ン誘導体からなる薄膜上にNPDを抵抗加熱蒸着法によ
り蒸着速度0.1〜0.2nm/sec、膜厚50nm
で形成したことを除いて、第2実施例と同様な有機エレ
クトロルミネセンス素子を作製し、これを第3実施例と
した。
【0083】この第3実施例における有機エレクトロル
ミネセンス素子についても、第1実施例と同様に初期の
発光輝度が500cd/cm2となる条件で定電流を印
加し、連続発光試験を行った。尚、駆動条件は印加電流
密度10.5mA/cm2で、この時の陽極と陰極間の
端子電圧は10.5Vであった。
【0084】第2実施例における有機エレクトロルミネ
センス素子では、発光輝度が初期値から半減するまでの
時間は1100時間であり、第2実施例と比較して連続
発光時間がさらに長くなることが判明した。
【0085】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、有機エレ
クトロルミネセンス素子を高い発光輝度で、長時間連続
発光することが可能になることから、有機エレクトロル
ミネセンス素子の耐久性を向上させることができるとと
もに、本発明の有機エレクトロルミネセンス素子を用い
る表示装置や通信用デバイス等の耐久性を向上させるこ
とができるという優れた効果が得られる。
【0086】また、陽極の仕事関数と正孔輸送層のイオ
ン化ポテンシャルとの差(エネルギー障壁)が小さくな
ることで、陽極から正孔輸送層へより効率的に正孔の注
入が行えるとともに、陽極として一般的に用いられるI
TOとの密着性や正孔輸送層の耐熱性を向上させること
ができることから、経時的な又は発光に伴う熱の発生に
よる結晶化等の構造変化で正孔輸送層の特性が低下する
ことを抑制し、有機エレクトロルミネセンス素子の信頼
性を向上させることができるという優れた効果が得られ
る。
【0087】また、陽極の仕事関数と正孔輸送層のイオ
ン化ポテンシャルとの差(エネルギー障壁)が小さくな
ることで、陽極から正孔輸送層へより効率的に正孔の注
入が行えることから、有機エレクトロルミネセンス素子
の消費電力を低減できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における有機エレクトロ
ルミネセンス素子の断面図
【図2】従来の有機エレクトロルミネセンス素子におけ
る陽極、正孔輸送層、発光層の各層間での正孔の移動と
これに伴うエネルギー障壁との関係を示す概念図
【図3】第1実施の形態の有機エレクトロルミネセンス
素子における陽極、正孔輸送層、発光層の各層間での正
孔の移動とこれに伴うエネルギー障壁との関係を示す概
念図
【図4】(表1)に示した置換基定数σとイオン化ポテ
ンシャルIpとの関係図
【図5】本発明の一実施の形態における有機エレクトロ
ルミネセンス素子の断面図
【図6】従来の有機エレクトロルミネセンス素子の要部
断面図
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3,7,9 正孔輸送層 3a 最下層 3b,7b 上部層 4 発光層 5,8,10 有機薄膜層 6 陰極 11 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩永 秀明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、前記基板上に形成された陽極と、
    前記陽極上に形成された有機薄膜層と、前記有機薄膜層
    上に形成された陰極と、を備え、前記有機薄膜層が少な
    くとも正孔輸送層と、前記正孔輸送層上に形成された発
    光層と、を有する有機エレクトロルミネッセンス素子で
    あって、前記正孔輸送層が組成の異なる有機化合物が積
    層された2層以上の積層膜で、前記積層膜の前記陽極と
    接する最下層が、下記一般式(化1) 【化1】 で示されるトリフェニルアミン誘導体で形成されている
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  2. 【請求項2】前記最下層が、前記陽極の仕事関数よりも
    低いイオン化ポテンシャルを有する前記トリフェニルア
    ミン誘導体で形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  3. 【請求項3】前記最下層が、下記一般式(化2) 【化2】 で示されるトリフェニルアミン誘導体で形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2の内のいずれか1に記
    載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  4. 【請求項4】前記正孔輸送層が、前記最下層上に形成さ
    れた4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェ
    ニルアミノ]ビフェニル膜を備えていることを特徴とす
    る請求項1乃至3の内のいずれか1に記載の有機エレク
    トロルミネセンス素子。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1088119A (ja) * 1996-09-11 1998-04-07 Sharp Corp 有機電界発光素子
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