JPH1060362A - 樹脂−ガラス複合組成物、その組成物からなる成形物および被覆剤 - Google Patents

樹脂−ガラス複合組成物、その組成物からなる成形物および被覆剤

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JPH1060362A
JPH1060362A JP23140196A JP23140196A JPH1060362A JP H1060362 A JPH1060362 A JP H1060362A JP 23140196 A JP23140196 A JP 23140196A JP 23140196 A JP23140196 A JP 23140196A JP H1060362 A JPH1060362 A JP H1060362A
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resin
parts
glass
acrylic copolymer
meth
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Application number
JP23140196A
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English (en)
Inventor
Susumu Shimojo
進 下條
Akinao Ooshita
彰尚 大下
Tomohisa Okuda
智久 奥田
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Mitsubishi Chemical Corp
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 それ自身を成形物とした場合、あるいはそれ
を被覆剤として用いて通常の繊維強化樹脂成形品をはじ
めとする各種の対象物に被覆した場合、屋外で使用して
も、黄変、光沢の低下、チョーキングを効果的に防止す
ることができる樹脂−ガラス複合組成物を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 シリケートオリゴマー(x) およびアクリ
ル共重合体(y) からなりかつその割合が重量比で1:0.
2 〜1:20である樹脂成分(A) 60〜30重量部と、
ガラス成分(B) 40〜70重量部とからなる樹脂−ガラ
ス複合組成物である。また、その組成物からなる成形物
および被覆剤である。アクリル共重合体(y) は、分子内
にアルコキシシリル基または/およびヒドロキシル基を
有するアクリル共重合体であることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成分とガラス
成分とからなる樹脂−ガラス複合組成物、およびその組
成物からなる成形物および被覆剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように繊維強化樹脂成形品は、ガ
ラス繊維、炭素繊維、無機繊維などの補強材に、不飽和
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂や
熱可塑性樹脂を含浸硬化させたものであり、建築資材、
住宅機材、舟艇・船舶、自動車・車両、タンク・容器、
パイプ、ハウジング、電気部品、雑貨をはじめとする多
種の用途に広く使われている。ガラス成分等の補強成分
を配合した樹脂組成物を所望の形状に成形することも行
われている。さらに繊維強化樹脂組成物は、各種基材へ
の被覆剤としての用途も期待されている。
【0003】これとは別に、金属、建築物、プラスチッ
クスなどの外観、耐侯性、耐擦傷性などの性質を改善す
るために、アルコキシシリル基を含有するアクリル共重
合体や、該共重合体とシリケートオリゴマーとの混合物
からなるコーティング剤や塗料が種々提案されている。
【0004】たとえば、特開平3−47871号公報に
は、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基およびカルボキ
シル基の少なくとも1種以上の基と水酸基とを含有する
アクリル系重合体(X) と、酸無水物基、エポキシ基、ア
ミノ基およびカルボキシル基の少なくとも1種以上の基
とアルコキシシリル基とを含有するアクリル系重合体
(Y) と、硬化触媒(Z) とからなる熱硬化性組成物が示さ
れている。特開平3−54278号公報には、トップコ
ート層として、水酸基含有アクリル系樹脂(X) と、アル
コキシシリル基含有アクリル共重合体(Y) と、硬化触媒
(Z) とからなるシロキシまたはシロキサン架橋型熱硬化
性塗料を用いることが示されている。
【0005】本出願人の出願にかかる特開平8−600
75号公報には、有機溶媒中でシリケートオリゴマーの
存在下に(メタ)アクリレートとヒドロキシル基含有
(メタ)アクリレートとを共重合して得られる共存重合
物(X) と、アクリル樹脂(Y) とを混合してなるコーティ
ング組成物が示されている。同じく本出願人の出願にか
かる特開平7−331162号公報には、有機溶媒中
で、シリケートオリゴマー5〜500重量部の存在下
に、アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和モノマー
100重量部を重合するコーティング用組成物の製造方
法が示されている。
【0006】特開平6−145453号公報には、アル
コキシシリル基含有アクリル共重合体(X) と、テトラア
ルキルシリケートまたはその縮合物(Y) と、硬化触媒
(Z) とからなる親水性硬化性組成物が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】繊維強化樹脂成形品
は、従来より多くの用途に使用されているが、日光、殊
に紫外線により黄変したり、光沢が低下したり、チョー
キングを起こしたりしやすいという問題点がある。具体
例をあげると、不飽和ポリエステル樹脂を樹脂成分とす
る繊維強化樹脂成形品の場合、当初の着色度2%のもの
が1年の屋外暴露の後には、後硬化が不足するときは着
色度が11%に、後硬化が充分なときでも着色度が5%
になるというように、黄変を起こしやすい(「新高分子
文庫23、FRP成形の実際、発行所:株式会社高分子
刊行会、発行日:1984年10月30日」の22〜2
3頁参照)。
【0008】上に引用した各公報に記載のアルコキシシ
リル基を含有するアクリル共重合体や、これとシリケー
トオリゴマーとの混合物からなるコーティング剤や塗料
は、金属、建築物、プラスチックスなどの外観、耐侯
性、耐擦傷性等の性質を改善するためのものであるが、
繊維強化樹脂成形品とすることを考えていないことはも
とより、繊維強化樹脂成形品の表面被覆という特定の使
い方を想定したものではなく、またそのようなコーティ
ング剤や塗料を繊維強化樹脂成形品に被覆しただけで
は、本発明者らの検討によれば、密着力が不足し、かつ
黄変、光沢の低下、チョーキングを充分には防止できな
いという限界がある。
【0009】本発明は、このような背景下において、そ
れ自身を成形物とした場合、あるいはそれを被覆剤とし
て用いて通常の繊維強化樹脂成形品をはじめとする各種
の対象物に被覆した場合、屋外で使用しても、黄変、光
沢の低下、チョーキングを効果的に防止することができ
る樹脂−ガラス複合組成物を提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂−ガラス複
合組成物は、シリケートオリゴマー(x) およびアクリル
共重合体(y) からなりかつその割合が重量比で1:0.2
〜1:20である樹脂成分(A) 60〜30重量部と、ガ
ラス成分(B) 40〜70重量部とからなることを特徴と
するものである。
【0011】本発明の成形物は、上記の樹脂−ガラス複
合組成物からなるものである。また本発明の被覆剤は、
上記の樹脂−ガラス複合組成物からなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0013】〈基本組成〉本発明の樹脂−ガラス複合組
成物は、基本的には、樹脂成分(A) とガラス成分(B) と
からなり、このうち樹脂成分(A) はシリケートオリゴマ
ー(x) とアクリル共重合体(y) とからなる。
【0014】〈シリケートオリゴマー(x) 〉シリケート
オリゴマー(x) としては、下記の式(i) で示されるもの
が用いられる。式(i) に付記されているように、Rは
H、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基であ
り、nは1〜20の整数である。シリケートオリゴマー
(x) の具体例は、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ランなどのテトラアルコキシシランまたはテトラフェノ
キシシランを加水分解することにより得たものである。
nは、加水分解時の加水分解率を制御することにより調
整される。
【0015】
【式1】
【0016】加水分解反応は、たとえば、テトラアルコ
キシシランまたはテトラフェノキシシランに所定量の水
を加えて、触媒(酸触媒を用いることが多い)の存在下
に、副生するアルコールまたはフェノールを留去しなが
ら室温ないし100℃で反応させることにより行われ
る。この反応により、テトラアルコキシシラン、または
テトラフェノキシシランは加水分解され、さらに縮合反
応によりヒドロキシル基を2以上有する液状のシリケー
トオリゴマーが加水分解物として得られる。重合度はば
らつくが、平均重合度は通常は2〜8程度、好ましくは
3〜6である。加水分解の程度は、使用する水の量によ
って適宜調節することができるが、本発明の組成物の用
途には、通常は40〜90%、好ましくは60〜80%
とするのが適当である。
【0017】このようにして得られたシリケートオリゴ
マー(x) には、通常はモノマーが2〜10%程度含まれ
ている。このモノマーは組成物の保存安定性を低下させ
るので、モノマー含有量が1%以下、好ましくは 0.3%
以下になるまで、フラッシュ蒸留や真空蒸留によりモノ
マーを除去することが望ましい。
【0018】〈アクリル共重合体(y) 〉アクリル共重合
体(y) としては、(メタ)アクリレート(y1)を主成分と
し、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリレート(y2)
または/およびヒドロキシル基含有(メタ)アクリレー
ト(y3)を含み、さらには必要に応じこれら以外のコモノ
マー(y4)を含むものが好適に用いられる。
【0019】(メタ)アクリレート(y1)としては、ま
ず、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
ラウリルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素数2〜12
程度のアクリレート;ブチルメタクリレート、イソブチ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレートなどの炭素数4〜1
2程度のアクリレート;があげられる。これらはガラス
転移点の低いポリマーを与えるソフトセグメントであ
る。(メタ)アクリレートとしては、また、メチルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレ
ートなど、ガラス転移点の高いポリマーを与えるハード
セグメントがあげられる。
【0020】(メタ)アクリレート(y1)は、ソフトセグ
メントを与える(メタ)アクリレートとハードセグメン
トを与える(メタ)アクリレートとを、重量基準で、
2:8〜9:2、殊に3:7〜7:3に比率で用いるこ
とが望ましい。このうち後者のハードセグメントを与え
る(メタ)アクリレートの少なくとも一部は、後述のそ
の他のモノマーのうち、スチレンや酢酸ビニルなどの硬
質成分で置き換えることができる。
【0021】アルコキシシリル基含有(メタ)アクリレ
ート(y2)としては、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシジメ
チルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシトリ
メトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシトリエトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロ
ポキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニル
トリ(エトキシメトキシ)シラン、アリルトリメトキシ
シラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシランなどが
あげられる。これらの中では、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シランなどが好適である。
【0022】ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート
(y3)としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ク
ロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0023】これら以外のコモノマー(y4)としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカ
ルボン酸;マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不
飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸の無水
物;マレイン酸やイタコン酸のハーフエステル;(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド;(メタ)アクリロニトリル;ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリ
レート;アリルグリシジルエーテル;スチレン、α−メ
チルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン;酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、飽和分岐脂肪酸ビニル等
のビニルエステル;アセトアセチル化(メタ)アクリレ
ート;などがあげられる。
【0024】アクリル共重合体(y) を構成する各成分の
共重合割合は、(メタ)アクリレート(y1)が99〜40
重量%、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリレート
(y2)およびヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート(y
3)が合わせて1〜40重量%((y2)および(y3)のいずれ
か一方を欠いていても差し支えない)、これら以外のコ
モノマー(y4)が0〜30重量%であることが好ましく、
このような量的範囲においてバランスがとられる。(y2)
+(y3)の合計割合が1重量%未満では架橋不良となりや
すく、40重量%を越えるときは溶液の安定性が不良に
なる傾向がある。
【0025】上記のアクリル共重合体(y) は、通常は炭
化水素、エステル、エーテル、ケトン、アルコール、グ
リコール、グリコールエーテルなどの溶媒の存在下に、
各モノマー成分を常法に従ってラジカル重合することに
より得られる。重合触媒としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチ
ルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドをは
じめとする種々の触媒が用いられる。重合温度は、60
〜150℃程度が適当である。
【0026】重合は、先に述べたシリケートオリゴマー
(x) の共存下に行うこともできる。共存重合は、保存安
定性、耐水性などの点で好ましい。なお共存重合の場合
は、モノマー成分の一部として、ヒドロキシル基含有
(メタ)アクリレート(y3)を含んでいることが好まし
い。シリケートオリゴマー(x) との架橋性が確保され、
物性的にプラスとなるからである。
【0027】〈樹脂成分(A) 〉樹脂成分(A) は上述のシ
リケートオリゴマー(x) とアクリル共重合体(y) とから
なるが、両者の比は重量比で1:0.2 〜1:20(好ま
しくは1:0.5 〜1:10)に設定される。このような
範囲に設定することによりバランスがとられ、アクリル
共重合体(y) の割合が余りに少ないときは耐薬品性が不
足し、アクリル共重合体(y) の割合が余りに多いときは
硬度が不足する傾向がある
【0028】〈ガラス成分(B) 〉ガラス成分(B) として
は、ガラス繊維、ガラス粉末、ガラスビーズ、ガラスバ
ルーンなどのガラス質があげられ、用途にもよるが、そ
の少なくとも一部(たとえば50重量%以上)がガラス
繊維からなることが好ましい場合が多い。ガラス繊維の
長さに特に限定はなく、短繊維であても長繊維であって
もよい。ガラス繊維の直径は、単繊維として2〜30μ
m 程度(殊に3〜15μm )とすることが多い。ガラス
粉末、ガラスビーズ、ガラスバルーンの粒径に特に限定
はないが、2μm 〜5mm程度のものを用いることが多
い。
【0029】〈樹脂−ガラス複合組成物〉本発明の樹脂
−ガラス複合組成物は、上述の樹脂成分(A) 60〜30
重量部(好ましくは50〜30重量%)とガラス成分
(B) 40〜70重量部(好ましくは50〜70重量%)
とからなる。このような範囲に設定することにより、成
形物の製造や被覆剤の用途に適したバランスのとれた好
ましい特性を有する組成物が得られる。
【0030】かくして得られる組成物には、硬化触媒を
添加するのが通常である。硬化触媒は、使用時に添加し
てもよく、予め組成物中に添加しておいてもよい。
【0031】硬化触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、リ
ン酸、ホウ酸等の無機酸;ギ酸、マレイン酸、フタル
酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;ジ
ブチルスズラウレート、ジブチルスズオクテート、ジブ
チルスズアセテート、ジオクリルスズラウレート等の有
機スズ化合物;テトラプロピルチタネート、テトラブト
キシチタネート等の有機チタン化合物;モノメチルホス
フェート、モノエチルホスフェート等のリン酸エステ
ル;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−
アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のシラ
ンカップリング剤;トリス(アセチルアセトナート)ア
ルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウム等の有機アルミニウム化合物;テトラブチルジル
コネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジ
ルコニウム等の有機ジルコニウム化合物;エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、ピペラジン、メタフェニ
レンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等のアミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ化合物;エポキシ化合物;などが例示でき
る。これらの中では、無機酸、有機酸、有機スズ化合
物、有機アルミニウム化合物が好ましい。
【0032】硬化触媒の使用量は、その種類により異な
るので一概には決められないが、たとえば塩酸を使用す
る場合で、シリケートオリゴマー(x) 成分100重量部
に対し 0.1〜2重量部程度とすることが多い。
【0033】上記組成物には、必要に応じて脱水剤や安
定化剤を適当量配合することもできる。前者の脱水剤と
しては、たとえば、オルトギ酸トリアルキル、オルト酢
酸トリアルキル、オルトプロピオン酸トリアルキル、オ
ルトイソプロピオン酸トリアルキル、オルト酪酸トリア
ルキル、オルトイソ酪酸トリアルキルなどのオルトカル
ボン酸トリアルキルがあげられる。後者の安定化剤とし
ては、炭素数1〜10、好ましくは炭素数3〜4のアル
コールがあげられる。
【0034】また上記の組成物には、必要に応じ、各種
のフィラー、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防
止剤、導電性付与剤、耐擦傷性付与剤、相溶化剤、接着
性付与剤、流動性改善剤、可塑剤、レオロジー改善剤、
沈降防止剤、消泡剤などを配合することができる。
【0035】本発明の樹脂−ガラス複合組成物は、成形
物の製造に供され、あるいは被覆剤として、ハケ塗り、
スプレーコート、ディッピング、ロールコートなど任意
の方法により、通常の繊維強化樹脂成形品をはじめとす
る各種の対象物の表面被覆に供される。
【0036】〈作用〉本発明の樹脂−ガラス複合組成物
は、それ自身を成形物とした場合、あるいはそれを被覆
剤として用いて各種の対象物に被覆した場合、屋外で使
用しても、黄変、光沢の低下、チョーキングを効果的に
防止することができる。
【0037】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下、「部」とあるのは重量部である。
【0038】実施例1 〈通常の繊維強化樹脂成形品の製造〉無水マレイン酸4
0部、イソフタル酸60部およびプロピレングリコール
20部を縮合して数平均分子量1500のポリエステル
を得、このポリエステル42部を、スチレン18部、平
均長さが3mmで平均直径が9μm のガラス繊維40部と
混合し、さらにベンゾイルパーオキサイド1部を添加し
て、80℃×5時間の条件で硬化させた。これにより、
厚み2mmの板状の繊維強化樹脂成形品が得られた。
【0039】〈シリケートオリゴマー(x) の製造〉撹拌
機、還流冷却器および温度計を備えた3つ口丸底フラス
コに、テトラメトキシシラン234部とメタノール74
部とを加えて混合した後、0.05%塩酸22.2部を加え、内
温度65℃にて2時間加水分解反応を行った。ついで還
流冷却器を抽出管に取り替え、内温度が150℃になる
まで昇温し、メタノールで抽出を行い、さらに150℃
にて3時間加熱して縮合させ、加水分解物を得た。つい
でこれを100〜150℃に加熱したジャケットで煮沸
して気化したモノマーを不活性ガスと共に系外に排出
し、モノマー量が 0.2%以下になるようにした。このよ
うにして得られたテトラメトキシシランオリゴマーは、
重合度が3〜6で、1分子当りのヒドロキシル基の数は
10以上であった。
【0040】〈アクリル共重合体(y) の製造〉窒素導入
管、還流冷却器、温度計および撹拌機を備えたフラスコ
に、n−ブチルメタクリレート35部、メチルメタクリ
レート55部、γ−メタクリロキシトリメトキシシラン
(信越化学工業株式会社製の「信越シリコーンKBM−
503」)10部、キシレン68部、イソプロパノール
12部およびアゾビスイソブチロニトリル1部を仕込
み、90℃にて12時間重合を行った。これにより、樹
脂分55重量%のアクリル共重合体(y) の溶液が得られ
た。アクリル共重合体(y)の数平均分子量は25000
であった。
【0041】〈樹脂−ガラス複合組成物〉得られたアク
リル共重合体(y) の溶液65部(樹脂分で36部)に上
記のシリケートオリゴマー(x) 36部を加え、さらにキ
シレン10部およびイソプロパノール48部を加え、ま
た硬化触媒としてジブチルスズラウレート1部を加え
て、樹脂分45%に濃度調節した。
【0042】このようにして得た樹脂成分(A) の溶液6
0部に、平均長さ3mm、平均直径9μm のガラス繊維か
らなるガラス成分(B) 40部を加えて、組成物を調製し
た。シリケートオリゴマー(x) 1部に対するアクリル共
重合体(y) 、ガラス成分(B)の割合は、それぞれ1部、
3部となる。
【0043】この組成物をアプリケーターを用いて上記
の通常の繊維強化樹脂成形品に1mm厚みに塗工し、常温
で48時間放置して乾燥させ、後述の評価に供した。ま
たこの組成物自身を型に注ぎ込み、厚み2mmの板状の成
形物を製造した。
【0044】実施例2 〈アクリル共重合体(y) の製造〉窒素導入管、還流冷却
器、温度計および撹拌機を備えたフラスコに、n−ブチ
ルメタクリレート50部、メチルメタクリレート40
部、2−ヒドロキシエチルヘキシルメタクリレート10
部、キシレン68部、イソプロパノール12部およびベ
ンゾイルパーオキサイド1部を仕込み、90℃にて12
時間重合を行った。これにより、樹脂分55重量%のア
クリル共重合体(y) の溶液が得られた。アクリル共重合
体(y) の数平均分子量は25000であった。
【0045】〈樹脂−ガラス複合組成物〉得られたアク
リル共重合体(y) の溶液65部(樹脂分で36部)に実
施例1で用いたシリケートオリゴマー(x) 36部を加
え、さらにキシレン10部およびイソプロパノール48
部を加え、また硬化触媒としてジブチルスズラウレート
1部を加えて、樹脂分45%に濃度調節した。
【0046】このようにして得た樹脂成分(A) の溶液6
0部に、平均長さ3mm、平均直径9μm のガラス繊維、
平均粒径20μm のガラス粉末および平均粒径500μ
m のガラスビーズの重量比で10:20:10の混合物
からなるガラス成分(B) 40部を加えて、組成物を調製
した。シリケートオリゴマー(x) 1部に対するアクリル
共重合体(y) 、ガラス成分(B) の割合は、それぞれ1
部、3部となる。
【0047】この組成物をアプリケーターを用いて実施
例1における通常の繊維強化樹脂成形品に1mm厚みに塗
工し、常温で48時間放置して乾燥させ、後述の評価に
供した。またこの組成物自身を型に注ぎ込み、厚み2mm
の板状の成形物を製造した。
【0048】実施例3 窒素導入管、還流冷却器、温度計および撹拌機を備えた
フラスコに、実施例1と同じシリケートオリゴマー(x)
100部、n−ブチルメタクリレート30部、メチルメ
タクリレート50部、γ−メタクリロキシトリメトキシ
シラン10部、2−ヒドロキシエチルヘキシルメタクリ
レート10部、キシレン98部、イソプロパノール14
6部およびベンゾイルパーオキサイド1部を仕込み、9
0℃にて12時間重合を行った。
【0049】このようにして得られた共存重合品の溶液
100部(樹脂分で45部)に、硬化触媒としてジブチ
ルスズラウレート1部を加えた。
【0050】このようにして得た樹脂成分(A) の溶液6
0部に、平均長さ3mm、平均直径9μm のガラス繊維か
らなるガラス成分(B) 40部を加えて、組成物を調製し
た。シリケートオリゴマー(x) 1部に対するアクリル共
重合体(y) 、ガラス成分(B)の割合は、それぞれ1部、
3部となる。
【0051】この組成物をアプリケーターを用いて実施
例1における通常の繊維強化樹脂成形品に1mm厚みに塗
工し、常温で48時間放置して乾燥させ、後述の評価に
供した。またこの組成物自身を型に注ぎ込み、厚み2mm
の板状の成形物を製造した。
【0052】〈評価〉実施例1〜3で得た被覆品につき
密着力を測定すると共に、実施例1〜3で得た被覆品お
よび成形物につき、出力15Wの紫外線ランプを用いて
15cmの距離から48時間紫外線照射を行い、黄変の程
度、光沢を調べた。またサンシャインウエザオメータを
用いて1000時間耐侯性試験を行い、黄変の程度、光
沢、チョーキングを調べた。比較のため、上に述べた通
常の繊維強化樹脂成形品についても評価した。結果を表
1に示す。
【0053】試験法は次の通りである。 ・密着力:JIS K 5400、碁盤目テープ法 ・黄変:JIS Z 8730、色差計、b値測定 ・光沢:JIS K 5400、光沢計、60゜反射 ・チョーキング:外観目視
【0054】
【表1】 紫外線照射試験 耐侯性試験 密着力 黄 変 光 沢 黄 変 光 沢 チョーキ 碁盤目 (b値) (%) (b値) (%) ング 繊維強化樹脂成形品 − 14 30 10 55 あり 実施例1の被覆品 100/100 5.1 95 4.3 97 なし 実施例1の成形物 − 4.8 94 3.8 96 なし 実施例2の被覆品 100/100 6.2 92 4.6 95 なし 実施例2の成形物 − 5.9 93 4.2 96 なし 実施例3の被覆品 100/100 4.3 98 3.5 98 なし 実施例3の成形物 − 4.0 98 3.3 98 なし
【0055】
【発明の効果】作用も項でも述べたように、本発明の樹
脂−ガラス複合組成物は、それ自身を成形物とした場
合、あるいはそれを被覆剤として用いて通常の繊維強化
樹脂成形品をはじめとする各種の対象物に被覆した場
合、屋外で使用しても、黄変、光沢の低下、チョーキン
グを効果的に防止することができる。
【化1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 143/04 PGL C09D 143/04 PGL 183/02 PMQ 183/02 PMQ (72)発明者 大下 彰尚 大阪府茨木市室山2丁目13番1号 日本合 成化学工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 奥田 智久 大阪府茨木市室山2丁目13番1号 日本合 成化学工業株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリケートオリゴマー(x) およびアクリル
    共重合体(y) からなりかつその割合が重量比で1:0.2
    〜1:20である樹脂成分(A) 60〜30重量部と、ガ
    ラス成分(B) 40〜70重量部とからなることを特徴と
    する樹脂−ガラス複合組成物。
  2. 【請求項2】アクリル共重合体(y) が、分子内にアルコ
    キシシリル基または/およびヒドロキシル基を有するア
    クリル共重合体である請求項1記載の樹脂−ガラス複合
    組成物。
  3. 【請求項3】請求項1の樹脂−ガラス複合組成物からな
    る成形物。
  4. 【請求項4】請求項1の樹脂−ガラス複合組成物からな
    る被覆剤。
JP23140196A 1996-08-12 1996-08-12 樹脂−ガラス複合組成物、その組成物からなる成形物および被覆剤 Withdrawn JPH1060362A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005028562A1 (ja) * 2003-09-17 2005-03-31 Techno Polymer Co., Ltd. 成形品成形用重合体組成物、成形品、親水性成形品及びその製造方法並びに積層品
JP2007515503A (ja) * 2003-05-28 2007-06-14 ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド 新規ナノコンポジットとモノリスカラムとしてのそれらの利用

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JP2007515503A (ja) * 2003-05-28 2007-06-14 ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド 新規ナノコンポジットとモノリスカラムとしてのそれらの利用
WO2005028562A1 (ja) * 2003-09-17 2005-03-31 Techno Polymer Co., Ltd. 成形品成形用重合体組成物、成形品、親水性成形品及びその製造方法並びに積層品

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