JPH1059797A - 蒸着装置の蒸着源 - Google Patents

蒸着装置の蒸着源

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JPH1059797A
JPH1059797A JP21348096A JP21348096A JPH1059797A JP H1059797 A JPH1059797 A JP H1059797A JP 21348096 A JP21348096 A JP 21348096A JP 21348096 A JP21348096 A JP 21348096A JP H1059797 A JPH1059797 A JP H1059797A
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opening
evaporation
shutter
crucible
vapor deposition
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JP21348096A
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Shuichi Yokoyama
周一 横山
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Anelva Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1本のセルのみでも時間を要せずに蒸着材料
の蒸発量を精度良くコントロールすることが可能な、蒸
着装置の蒸着源。 【解決手段】 蒸着材料19を入れるルツボ11と、こ
のルツボ11の開口部11aの開閉を行うシャッタ17
とを少なくとも具えた蒸着装置の蒸着源において、ルツ
ボ11の開口部11aの遮蔽領域を自在に変化させる遮
蔽手段20(シャッタ17および回転駆動機構21)を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸着装置の蒸着
源に関する。
【0002】
【従来の技術】金属膜等の薄膜形成方法の一つとして蒸
着法が知られているが、このうち、分子線エピタキシー
法(Molecular Beam Epitaxy; MBE法)は、高速計算
用のコンピュータ素子、高周波での動作が可能な素子等
の開発のために注目されている技術である。これは、超
高真空(10-9Torr〜10-12 Torr)内に設置
させている基板上に、分子線セルから発生する蒸気を分
子線の形で基板に堆積させ、エピタキシャル層を形成す
る方法である。
【0003】図4は、蒸着装置の蒸着源(蒸発源ともい
う。)の一つである、従来の分子線セル40の構造を説
明するための概略図である。この分子線セル40は、円
筒状のルツボ41とその外周壁面の全体を覆うように設
けられたコイル状の加熱ヒータ43と、熱電対45、シ
ャッタ47により構成されている。ルツボ41に収納さ
れている49は、蒸着材料である。ルツボ41の上部の
開口部41aから蒸着材料を分子線として取り出せるよ
うになっている。シャッタ47は、ルツボ41の開口部
41aを開閉できる仕組みになっている。目的とする蒸
着材料を分子線として取り出すときは、シャッタ41を
全開させて、取り出さないときにはシャッタ41を閉じ
る。このシャッタ41の開閉の駆動は、例えばシャッタ
の回転軸に取りつけたモータ50等により行う。
【0004】ルツボ41の材料には、蒸着材料49と反
応するおそれがなく、かつ高温でも蒸気圧の低い物質、
例えばPBN(熱分解窒化ホウ素)が用いられる。ま
た、加熱ヒータ43の材料には、蒸着材料49を150
0℃程度まで加熱することが可能な発熱体、例えばW
(タングステン)が用いられる。
【0005】加熱ヒータ43を加熱するとルツボ41中
の蒸着材料49が加熱され、加熱された蒸着材料49を
分子線の蒸気の形で分子線セルから直進させる。このた
め、基板(図示せず)上にエピタキシャル層を形成する
ときは、膜を構成する結晶構成元素を角分子線セルの供
給源(蒸着材料)とすることによって、膜の構成元素比
(組成比)を任意に選定することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した分子
線セル等の、従来の蒸着装置の蒸着源には、次のような
問題点があった。
【0007】物性の優れた膜を形成するためには、分子
線セルからの分子線の蒸発量を精度良くコントロール
(制御)する必要がある。上述した従来の分子線セルの
場合、セルからの分子線の蒸発量は、加熱された蒸着材
料の温度に依存するので、蒸発量の制御は、蒸着材料の
温度を制御することにより行っていた。
【0008】しかし、上述の蒸発量に変化を持たせたい
場合、次のような問題が生じる。例えば蒸発量を急峻に
増加させるなどの変化をさせたくても、1本の分子線セ
ルを用いるのみでは、必要な蒸発量を得ることができる
温度に安定するまでに時間を要するため、不可能であっ
た(図5の(A)参照)。このため、例えば次のような
方法をとっていた。あらかじめ、同じ蒸着材料を入れた
分子線セルを2本用意しておき、それぞれの分子線セル
の温度を、必要とする蒸発量が得られる別々の温度に保
持しておく。例えば、それぞれの分子線セル1、2の温
度T1、T2をT1<T2とした場合について説明す
る。まず最初にセル1のシャッタを開け、ある一定の蒸
発量を得る。次に、セル1のシャッタを閉め、それと同
時にセル2のシャッタを開けると、セル1よりも大きい
一定の蒸発量が一瞬にして得られる(図5の(B)参
照)。すなわち、温度の安定に時間を要することなく、
蒸着材料の蒸発量を変化させたい場合には、複数本の分
子線セルを用意する必要があった。これは、プロセスの
簡略化と、装置の小型化等に支障を来すことになる。ま
た、蒸発量を徐々に増やす等の変化をさせたい場合も、
蒸着材料の温度制御が容易ではないために難しいという
問題があった。
【0009】したがって、1本のセルのみを用いても、
時間を要せずに、しかも容易に蒸着材料の蒸発量を精度
良くコントロールすることが可能な、蒸着装置の蒸着源
が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、この発明の蒸
着装置の蒸着源によれば、蒸着材料を入れるルツボと、
このルツボの開口部の開閉を行うシャッタとを少なくと
も具えた蒸着装置の蒸着源において、ルツボの開口部の
遮蔽領域を自在に変化させる遮蔽手段を設けたことを特
徴とする。
【0011】このように、ルツボの開口部の遮蔽領域を
自在に変化させる遮蔽手段を設けたことにより、蒸着材
料のルツボ外への蒸発量を、蒸着材料の温度に依存する
のではなく、ルツボの開口部の露出領域(露出面積)に
依存することになる。すなわち、セルの温度(すなわち
蒸着材料の温度)は常に一定温度に保っておいて、開口
部を遮蔽する領域を変化させるのみで、容易に蒸発量の
制御を行うことができる。
【0012】ここでいう蒸着装置の蒸着源とは、蒸着材
料を入れるルツボと、このルツボの開口部の開閉を行う
シャッタとを少なくとも具えた種々の蒸着源を指す。例
えば、分子線セル、電子ビーム蒸着源等が挙げられる。
【0013】上記の遮蔽手段としては、例えば次のよう
なものが考えられる。 1)シャッタと、このシャッタを回転駆動しかつシャッ
タの回転角度調節機能を有する回転駆動機構。
【0014】シャッタ自体の本来の機能は、ルツボを開
けるか閉めるかの単純なものであり、蒸発量の制御を行
うものではない。そこで、シャッタの開閉角の微調整を
可能にして、ルツボの開口部の遮蔽領域を自在に変化さ
せられるようにする。このため、例えば回転駆動機構を
用いるのが良い。回転駆動機構の例として、ステッピン
グモータ(パルスモータともいう。)、ロータリーエン
コーダ内蔵型サーボモータが挙げられる。ロータリーエ
ンコーダは、角度検出センサの一種である。
【0015】2)開口部とシャッタとの間に設けた第1
遮蔽板と、この第1遮蔽板を回転駆動しかつ第1遮蔽板
の回転角度調節機能を有する回転駆動機構。
【0016】この場合、シャッタと上記手段とは独立に
働き、シャッタは本来の、ルツボの開口部の開閉の目的
にのみ用いられる。この第1遮蔽板の回転角度の制御に
も、上述したような回転駆動機構を用いるのが良い。
【0017】上記のように、ルツボの開口部の遮蔽領域
を制御する手段を設けると、ルツボの開口面積を自在に
変化させることができ、ここから分子線の形で蒸発する
蒸着材料の蒸発量の制御を、時間を要せずにただ1本の
セルで容易に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図を用いて、この発明の第
1、第2および第3の実施の形態につき説明をする。各
図は、発明が理解できる程度に、各構成成分の大きさ、
形状、および位置関係等を概略的に示しているにすぎ
ず、したがって図示例に限定されることはない。また、
各図において、同一の構成成分には同じ符号を付して示
してある。なお、各実施の形態は、いずれも蒸着源とし
て分子線セルに適用した場合の例を示す。
【0019】<第1の実施の形態>図1は、この発明の
蒸着源の第1の実施の形態を示す概略的な構成図であ
り、ここで用いた分子線セル10の構成を、セルの外壁
を一部取り除いて内部が見えるようにして示してある。
【0020】この発明の蒸着装置の蒸着源によれば、蒸
着材料を入れるルツボと、このルツボの開口部の開閉を
行うシャッタとを少なくとも具えた蒸着装置の蒸着源に
おいて、ルツボの開口部の遮蔽領域を自在に変化させる
遮蔽手段(以下、単に遮蔽手段ともいう。)を設けてい
る。
【0021】ここでは、蒸着源を分子線セル10とし、
シャッタが上記遮蔽手段を兼ねる場合について説明す
る。
【0022】この分子線セル10の基本的な構成は、す
でに説明済みの分子線セル40と同様である。円筒状の
ルツボ11とその外周壁面の全体を覆うように設けられ
たコイル状の加熱ヒータ13と、熱電対15、シャッタ
17が具えられている。19は蒸着材料を示す。ルツボ
11の上部には開口部11aがあり、蒸着材料19をこ
こから分子線として取り出せるようになっている。シャ
ッタ17は、ルツボ11の開口部11aを開閉できる仕
組みになっている。このシャッタ17は、回転角度調節
機能を有する回転駆動機構21によって駆動するように
してある。この回転駆動機構21は、シャッタ17の開
口部11aに対する開閉角を自在に変化させることがで
きる。すなわち、これは開口部11aの遮蔽領域を自在
に変化させることになる。したがって、ここでは、シャ
ッタ17と回転駆動機構21とで、遮蔽手段20を構成
している。このため、セル10の温度すなわち蒸着材料
19の温度は常に一定に保っておいて、遮蔽手段20
(シャッタ17および回転駆動機構21)による開口部
11aの遮蔽領域の自在な変化により、ルツボから取り
出す蒸着材料19の蒸発量の制御を容易に行うことがで
きる。
【0023】このシャッタ17の駆動源となる、回転角
度調節機能を有する回転駆動機構として、ロータリーエ
ンコーダ内蔵形サーボモータ、ステッピングモータ等が
挙げられる。これら二つを用いた場合の遮蔽手段20の
動作について簡単に説明する。
【0024】1.ロータリーエンコーダ内蔵形サーボモ
ータを用いた場合 ロータリーエンコーダは、回転角度を検出するセンサ
(角度センサ)の一種であり、発光素子と、受光素子
と、これらに挟まれるように位置する回転板および固定
板とから構成される。回転板および固定板は、複数のス
リットを具えている。回転板にスリットが100個あれ
ば、360/100=3.6( )ごとにパルスが発生
する。固定板のスリットを通ったパルスと出力との時間
関係から、回転の向きが検出できる仕組みになってい
る。
【0025】ロータリーエンコーダ内蔵形サーボモータ
(以下、単にモータともいう。)は、例えば次のように
動作する。まず、回転角度を指示する指令パルスが偏差
カウンタに加えられると、例えば、デジタル−アナログ
変換回路、増幅回路等を経て、モータが回転する。モー
タ(回転駆動機構)21の回転軸に取りつけたロータリ
ーエンコーダがシャッタ17の回転角度を検出し、回転
角度検出パルスを出力する。このパルスは増幅され、フ
ィードバックパルスとして偏差カウンタに加えられる。
偏差カウンタで、フィードバックパルスと指令パルスと
を比較し、その差が0(ゼロ)になるまでモータ駆動回
転が動作してモータ21を回転させ、希望の回転角度
(ここではシャッタ17の開口部11aに対する開閉
角)が得られる。ここで、偏差カウンタとは、上述した
ように回転角を指示する指令パルスとロータリーエンコ
ーダからのフィードバックパルスとを比較し、その差の
成分を駆動回路に出力する比較回路のことである。指令
パルスが引き続き入力されていれば動作が連続し、偏差
カウンタの積算されたパルスが0になるまで、モータは
回転を続けて停止する。その場合、次の条件が成り立つ
ことが知られている。
【0026】入力指令パルス数=ロータリーエンコーダ
のスリット数×回転角 例えば、分子線として取り出す蒸着材料の蒸発量を急峻
に変化させたい場合、次のような利用法が考えられる。
まず、モータの回転角度を45°に設定して、シャッタ
17の開閉角が45°となるようにし、その位置で蒸着
材料を蒸発させる。その後、例えばシャッタ17の開閉
角が90°となるような位置にモータを回転させて、そ
の位置で蒸着材料を蒸発させると、蒸発量が急峻に増加
する。また、蒸発量を徐々に変化させたい場合も、シャ
ッタ17の開閉角が徐々に増加(あるいは低減)するよ
うなモータの回転角度を段階的に設定することにより可
能である。
【0027】このように、ロータリーエンコーダ内蔵形
サーボモータを用いることによりシャッタ17の開閉角
の制御を行うことができるため、これらは遮蔽手段20
として開口部11aの遮蔽領域すなわち開口部11aの
開口面積(露出面積)を自在に変化させることができ、
蒸着材料の蒸発量の制御をただ1本のセルで容易に行う
ことを可能とする。
【0028】2.ステッピングモータを用いた場合 ステッピングモータは、複数の凸極を有する回転子と、
回転子を取り囲むように位置する、多層の巻き線を巻い
た固定子とから構成されている。固定子と回転子とは、
ピッチが少しずれている。ある固定子巻き線に電流を流
すと、その固定子近傍の回転子の凸極が磁極(固定子巻
き線)に引きつけられて一定角度だけ回転する(このと
きの角度をステップ角という。)。このため、例えば各
固定子に時計回りに順番に電流を流すと、その度に回転
子の凸極が磁極に引きつけられて、回転子は反時計回り
に回転する(CCW;counter-clolkwise )。電流を流
す手段としては、電池およびスイッチを用いるか、ある
いはパルスを加える。また、電流を固定子に流す順序を
反時計回りにした場合は、回転子は時計回りに回転する
(CW;clockwise )。ステップ角をS(°/パル
ス)、入力パルス数をnとすれば、出力軸の回転角θ
は、次式で示される。
【0029】θ=S×n(°) ステッピングモータは、モータの回転の向きや速度等を
コントロールするコントロール装置、コントロール装置
からの信号で各巻き線に順序よく配分するパルスを発生
させるパルス発生装置、パルスを増幅して固定子巻き線
に電流を流す駆動回路等、適当な要素を組み合わせた回
路構成とすれば良い。
【0030】このように、ステッピングモータを用いる
ことにより、ロータリーエンコーダ内蔵形サーボモータ
と同様に、シャッタ17の開閉角の制御を行うことがで
きるため、これらシャッタ17および回転駆動機構21
は遮断手段20として、開口部11aの開口面積(露出
面積)すなわち開口部11aの遮蔽領域を自在に変化さ
せることができる。このため、蒸着材料の蒸発量の制御
をただ1本のセルで容易に行うことを可能とする。
【0031】<第2の実施の形態>次に、蒸着源の第2
の実施の形態につき説明をする。第1の実施の形態と同
様の部分は簡単に説明をする。
【0032】図2は、この発明の蒸着源の第2の実施の
形態を示す概略的な構成図であり、ここで用いた分子線
セル10aの構成を、セルの外壁を一部取り除いて内部
が見えるようにして示してある。
【0033】第2の実施の形態の分子線セル10aは、
基本的な構成は第1の実施の形態の分子線セル10と同
様であり、ルツボ11、加熱ヒータ13、熱電対15、
シャッタ17が具えられている。19は蒸着材料を示
す。ルツボ11の上部には開口部11aがあり、蒸着材
料19をここから分子線として取り出せるようになって
いる。ここでは、シャッタ17は、ルツボ11の開口部
11aを開閉する目的のみに用いるために、通常のモー
タ(ここでは、回転調節機能を有さないモータ(図示省
略))を用いて駆動する。
【0034】ここでは、開口部11aとシャッタ17と
の間に、シャッタ17と同じような形状の第1遮蔽板2
3を設け、この第1遮蔽板23の駆動を、回転角度調節
機能を有する回転駆動機構21aで行う。すなわち、こ
こでは、第1遮蔽板23と回転駆動機構21aとで、ル
ツボ11の開口部11aの遮蔽領域を自在に変化させる
遮蔽手段20aを構成しているのが特色である。この場
合、回転駆動機構21aとして、例えば第1の実施の形
態で説明済みの、ロータリーエンコーダ内蔵形サーボモ
ータや、ステッピングモータ等を適用することができ
る。第1の実施の形態では、シャッタ17が第1遮蔽板
23の役割を兼ねていたが、この場合は、シャッタ17
と第1遮蔽板23とは、独立に働くことになる。
【0035】このように、遮蔽手段20a(第1遮蔽板
23および回転駆動機構21a)を用いることにより、
開口部11aの開口面積(露出面積)すなわちルツボ1
1の開口部11aの遮蔽領域を自在に変化させることが
できる。このため、蒸着材料の蒸発量の制御をただ1本
のセルで容易に行うことができる。
【0036】その他の部分は第1の実施の形態と同様で
あるため、詳細な説明を省略する。
【0037】<第3の実施の形態>次に、蒸着源の第3
の実施の形態につき説明する。第1の実施の形態と同様
の部分は省略して説明する。
【0038】図3は、この発明の蒸着源の第3の実施の
形態を示す概略的な構成図であり、ここで用いた分子線
セル10bの構成を、セルの外壁を一部取り除いて内部
が見えるようにして示してある。
【0039】第3の実施の形態の分子線セル10bは、
基本的な構成は第1、および第2の実施の形態の分子線
セルと同様であり、ルツボ11、加熱ヒータ13、熱電
対15、シャッタ17が具えられている。19は蒸着材
料を示す。ルツボ11の上部には開口部11aがあり、
蒸着材料19をここから分子線として取り出せるように
なっている。ここでも、シャッタ17は、ルツボ11の
開口部11aを開閉する目的のみに用いるために、通常
のモータ(ここでは、回転角度調節機能を有さないモー
タ(図示省略))を用いて駆動する。
【0040】ここでは、開口部11aとシャッタ17と
の間に、径の異なる複数のオリフィス(微小な穴)27
を具えた第2遮蔽板25を設け、この第2遮蔽板25の
駆動を、回転角度調節機能を有する回転駆動機構21b
で行う。すなわち、ここでは、第2遮蔽板25と回転駆
動機構21bとで、ルツボ11の開口部11aの遮蔽領
域を自在に変化させる遮蔽手段20bを構成しているの
が特色である。この場合も、回転駆動機構21bとし
て、例えば第1の実施の形態で説明済みの、ロータリー
エンコーダ内蔵形サーボモータや、ステッピングモータ
等を適用することができる。
【0041】回転駆動機構21bにより第2遮蔽板25
の回転角度を制御して、任意のオリフィス27が開口部
11aの上部に位置するようにし、その選定したオリフ
ィス27から分子線を取り出すようにする。オリフィス
27の径はさまざまであるから、選定するオリフィス2
7を変えることにより、蒸発量の制御を行うことができ
る。第2遮蔽板25のオリフィス27の並べ方は、徐々
に径を大きくしていくような規則性のあるものでも、不
規則でも、目的に応じて適当なものとすることができ
る。
【0042】このように、遮蔽手段20b(第2遮蔽板
25および回転駆動機構21b)を用いることにより、
開口部11aの開口面積(露出面積)すなわち開口部1
1aの遮蔽領域を自在に変化させることができる。この
ため、蒸着材料の蒸発量の制御をただ1本のセルで容易
に行うことができる。
【0043】その他の部分は第1の実施の形態と同様で
あるため、詳細な説明を省略する。
【0044】この発明は、例示の形態にのみ限定される
ものではないことは明らかである。例えば遮蔽手段は、
回転駆動するシャッタや遮蔽板に限らず、左右にスライ
ドする方式の遮蔽板等にも適用可能である。
【0045】また、回転駆動機構の例として、ロータリ
ーエンコーダ内蔵形サーボモータやステッピングモータ
を挙げたが、回転角度調節機能を有するものであればこ
れらに限らず、目的に応じて種々の回転駆動機構を適用
することができる。
【0046】また、実施の形態ではいずれも蒸着装置の
蒸着源として分子線セルに適用した例を示したが、その
他の蒸着源、例えば電子ビーム蒸着源等にも適用可能で
ある。
【0047】また、ここではルツボの上部から底部ま
で、全体を覆うように加熱ヒータを配設してあるセルを
示してあるが、ルツボの局部を加熱するような構造、例
えばルツボの上部側を加熱する、いわゆるトップヒート
型のセル等にも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の蒸着装置の蒸着源によれば、蒸着材料を入れる
ルツボと、このルツボの開口部の開閉を行うシャッタと
を少なくとも具えた蒸着装置の蒸着源において、ルツボ
の開口部の遮蔽領域を自在に変化させる遮蔽手段を設け
てある。
【0049】このように、ルツボの開口部の遮蔽領域を
自在に変化させる手段を設けたことにより、蒸着材料の
ルツボ外への蒸発量を、蒸着材料の温度に依存するので
はなく、ルツボの開口部の露出領域(露出面積)に依存
する。このため、所望の蒸発量を得るためにセルの温度
(すなわち蒸着材料の温度)を変化させる必要がなく、
温度は一定にしておいて、開口部を遮蔽する領域を変化
させるのみで、ただ一つのセル(蒸着源)を用いて、容
易に蒸発量の制御を行うことができる。
【0050】このため、プロセスの簡略化、装置の小型
化等に支障を来すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の蒸着源(分子線セル)の説
明に供する概略図である。
【図2】第2の実施の形態の蒸着源(分子線セル)の説
明に供する概略図である。
【図3】第3の実施の形態の蒸着源(分子線セル)の説
明に供する概略図である。
【図4】従来の蒸着源(分子線セル)の説明に供する概
略図である。
【図5】(A)は従来の蒸着源(分子線セル)を1本用
いた場合の、蒸着材料の蒸発量の時間変化を示すグラフ
であり、(B)は、蒸着源を2本用いて蒸発量を急峻に
変化させた場合の、蒸発量の時間変化を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10、10a、10b:蒸着源(分子線セル) 11:ルツボ 11a:開口部 13:加熱ヒータ 15:熱電対 17:シャッタ 19:蒸着材料 20、20a、20b:遮蔽手段 21、21a、21b:回転駆動機構 23:第1遮蔽板 25:第2遮蔽板 27:オリフィス

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸着材料を入れるルツボと、該ルツボの
    開口部の開閉を行うシャッタとを少なくとも具えた蒸着
    装置の蒸着源において、 前記ルツボの開口部の遮蔽領域を自在に変化させる遮蔽
    手段を設けたことを特徴とする蒸着装置の蒸着源。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の蒸着装置の蒸着源にお
    いて、 前記遮蔽手段は、前記シャッタと、該シャッタを回転駆
    動しかつ該シャッタの回転角度調節機能を有する回転駆
    動機構とで構成したことを特徴とする蒸着装置の蒸着
    源。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の蒸着装置の蒸着源にお
    いて、 前記遮蔽手段は、前記開口部と前記シャッタとの間に設
    けた第1遮蔽板と、該第1遮蔽板を回転駆動しかつ該第
    1遮蔽板の回転角度調節機能を有する回転駆動機構とで
    構成したことを特徴とする蒸着装置の蒸着源。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の蒸着装置の蒸着源にお
    いて、 前記遮蔽手段は、 前記開口部と前記シャッタとの間に設けた、回転駆動す
    る第2遮蔽板であって径の異なる複数のオリフィスを具
    えた第2遮蔽板と、 該第2遮蔽板を回転駆動しかつ該第2遮蔽板の回転角度
    調節機能を有する回転駆動機構とで構成したことを特徴
    とする蒸着装置の蒸着源。
  5. 【請求項5】 請求項2、3、4のいずれか一つに記載
    の蒸着装置の蒸着源において、 前記回転駆動機構を、ロータリーエンコーダ内蔵型サー
    ボモータとしたことを特徴とする蒸着装置の蒸着源。
  6. 【請求項6】 請求項2、3、4のいずれか一つに記載
    の蒸着装置の蒸着源において、 前記回転駆動機構を、ステッピングモータとしたことを
    特徴とする蒸着装置の蒸着源。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5、および6の
    いずれか一つに記載の蒸着装置の蒸着源において、 前記蒸着源を、分子線セルとしたことを特徴とする蒸着
    装置の蒸着源。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、および6の
    いずれか一つに記載の蒸着装置の蒸着源において、 前記蒸着源を、電子ビーム蒸着源としたことを特徴とす
    る蒸着装置の蒸着源。
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